JP3813419B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に関し、特に、メタノールなどの有機燃料をアノードに直接供給しながら発電する燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、直接型メタノール燃料電池(DMFC:Direct MethanolFuel Cell)を始めとして、メタノールやジメチルエーテルなどの有機燃料を改質せずに直接アノードに供給しながら運転する燃料電池が開発されている。このような燃料電池においては、メタノールなどの有機燃料を水素リッチな改質ガスに改質するための改質器を必要としないため、構成が簡単であり携帯機器用や車載用の電源などの用途に期待されている。
【0003】
こうした燃料電池においては、通常、アノード側に有機燃料を供給しながらカソード側に空気を供給して運転しており、一般的なDMFCを例に説明すると、アノード側においてメタノール水溶液が供給され、下記▲1▼式のように反応が起こる。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-…▲1▼
そして、アノード側で発生するプロトン(H+)は、電解質である固体高分子膜を透過してカソード側に移動し、カソードにおいて下記▲2▼式のように空気中の酸素と反応する。
【0004】
O2+4H++4e-→2H2O…▲2▼
上記固体高分子膜は、▲2▼式で発生した水、およびアノード側に供給されるメタノール水溶液中の水分により保湿されるのでプロトン伝導性は確保される。
ところで、このような燃料電池においては、メタノールなどの有機燃料が固体高分子膜を透過してカソードまで到達し、空気中の酸素と直接燃焼反応を起こす、いわゆるクロスオーバーが発生するという問題がある。このクロスオーバーは、カソード電位などの電池の出力性能を低下させてしまうので、優れた出力を得ようとすればできるだけこれを抑制することが望まれる。
【0005】
クロスオーバーを抑制する技術としては、特開平10−40936号公報に記載されている技術がある(第1従来技術)。この技術によると、固体高分子膜中にメタノール酸化触媒層を設けるとともにカソード側の固体高分子膜を多孔質にしてその触媒層に酸素を供給し、クロスオーバーしてくるメタノールを酸化させて二酸化炭素と水に変換して除去し、クロスオーバーを抑制している。
【0006】
また、特開2000−106202号公報に記載されている技術(第2従来技術)によると、無機化合物にメタノール透過抑制効果があることを利用して、固体高分子膜のアノード側に無機化合物からなる電解質層を形成することによってクロスオーバーを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各第1、第2従来技術では、依然、電池の出力性能が低下するという問題点がある。
上記第1従来技術においては、メタノール酸化触媒層において発生する水が固体高分子膜のカソード側の多孔部を塞いでしまうことにより、メタノール酸化触媒層への酸素の供給量が低下して触媒能が低下しメタノールが完全に分解されない恐れがあるため、電池の出力性能が低下してしまう。
【0008】
上記第2従来技術においては、アノードと固体高分子膜との間にメタノール透過抑制効果のある無機電解質層が形成されるため、アノード側から固体高分子電解質膜へのメタノールの移動が低減されるが、それに伴って水分の移動も低減されるので、固体高分子電解質膜の含水量が低下して十分にプロトン伝導性を確保することが難しいという問題がある。また、上記無機電解質層は、通常、ゲルを乾燥して多孔質体を形成するものであり、当該層表面に形成される細かな凹凸により無機電解質層と固体高分子膜との接触面において隙間が生じるので、プロトン移動が妨げられて導電性の低下を伴い、電池の出力性能は低下するという問題もある。
【0009】
他方、固体高分子膜に変わる電解質膜として、メタノールのクロスオーバーを抑制することができ、低温でも使用できる無機系プロトン電解質膜の開発も進められているが、現状では薄膜化すると機械的強度が弱く壊れやすく、厚みを持たせ壊れにくくすると導電性が低くなり電池の性能が低下するという問題があり、実用化するにはまだ多くの改善の余地が残っている。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑み、メタノールなどの有機燃料をアノードに直接供給しながら発電する燃料電池において、出力性能が優れた燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池では、電解質膜にアノードとカソードが配されたセルを備え、前記アノードに有機燃料を供給するとともに、前記カソードに酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池であって、前記電解質膜は、前記有機燃料の存在下で含水量が増加する高分子化合物からなる第1の電解質層と、当該第1の電解質層よりもカソード側に配され、前記第1の電解質層よりも有機燃料の透過性が低く、前記有機燃料に対して透過抑制効果のある無機化合物からなる第2の電解質層と、イオン交換機能を有し、前記第1の電解質層と前記第2の電解質層とを密着させるバインダ層と、が積層されてなることを特徴とする。
【0012】
このように低い有機燃料透過性を有する第2電解質層がアノードとカソード間に介在することによって、有機燃料が電解質膜を透過してカソード側に到達すること、すなわちクロスオーバーが抑制されるとともに、第1電解質層は第2電解質層よりもアノード側に配されているため、この第1電解質層には有機燃料が保持される。ここで、第1電解質層として固体高分子膜のように有機燃料とともに水分も保持する性質があるものを用いると、当該第1電解質層には十分な含水量を保つことができ、プロトン伝導性が維持される。よって、電池の出力特性も向上する。
【0013】
また、バインダにより、第1電解質層と第2電解質層とが3次元的に密着することができるので両層の接着性が向上しはがれにくくなるとともに、両層間におけるプロトン伝導性が向上して電池の出力特性も向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料電池の実施の形態を、DMFCに適用した場合について図面を参照しながら説明する。
(1)DMFCのセル構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるDMFCの要部分解斜視図であって、1つのセルユニットを示している。
【0016】
同図に示すように、セルユニット10は、セル20、アノード側プレート30、カソード側プレート40とから構成されており、セル20が両プレート30,40に挟持されている。
セル20は、電解質膜21、アノード22、カソード23を備え、電解質膜21を介してアノード22、カソード23が対向して設けられている。
【0017】
電解質膜21は、有機電解質層211と無機電解質層212とが積層されて構成され、アノード22側には有機電解質層211が、カソード側には無機電解質層212が配される。
有機電解質層211は、パーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂からなるイオン交換膜であり、例えばNafion(デュポン社製)やFlemion(旭硝子社製)が用いられる。
【0018】
無機電解質層212は、上記有機電解質層211と比較して高いメタノール透過抑制する機能を持ち、かつプロトン伝導性を有する膜状のものであり、例えば、P2O5やSiO2を含むゲル状物質を膜状に形成したものが特に優れた機能を持つ。この無機電解質層212は、金属アルコキシドからゾル−ゲル法を用いて作製されるが詳しくは後述する。なお、上記ゲル状物質に種々の金属酸化物が添加されて使用される場合もある。
【0019】
アノード22、カソード23は、それぞれ貴金属触媒を担持したカーボン粉末とパーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂とが混合され、撥水化処理の施されたカーボンペーパ上に膜状に形成されたものである。例えば、アノード22側の貴金属触媒としては白金(Pt)−ルテニウム(Ru)(Pt担持量:1mg/cm2、Pt/Ruはモル比で1/1)、カソード23側の貴金属触媒としては、白金(Pt)(Pt担持量1mg/cm2)が用いられる。
【0020】
アノード側プレート30のアノード22と対向する側の一主面には、アノード側チャネル31が形成され、このチャネルに沿って電池の燃料であるメタノール水溶液が供給される。
カソード側プレート40のカソード23と対向する側の一主面には、カソード側チャネル41が形成されており、このチャネルに沿って酸化剤としての空気が供給される。
(2)電解質膜21の作製方法
次に、本実施の形態に特徴的な電解質膜21を作製する方法について説明する。
【0021】
電解質膜21は、上述したように、有機電解質層211と無機電解質層212とが積層されて構成されている。
有機電解質層211は、一般の固体高分子型燃料電池などにも使用される、上記パーフルオロアルキルスルホン酸系の高分子膜(厚み約200μm)が使用され、所定の大きさに切断される。ここで、膜の厚みは特に限定されないが、プロトン伝導性の関係から薄い方が好ましい。
【0022】
無機電解質層212は、上述したようにプロトン伝導性を有する膜状のものである。この無機電解質層212を形成する無機ゲルは、例えばケイ酸エチル、リン酸メチルからなる混合金属アルコレート溶液を水、エタノールの混合溶媒に混合させた後、塩酸又はアンモニアおよびホルムアルデヒドを加えて加水分解させ、室温付近で数日間ゲル化させて作製される。この無機ゲルをPTFEシートの片面に塗布、乾燥させて所定の厚み(約10μm)の無機電解質層212が形成される。
【0023】
電解質層21は、上記形成された無機電解質層212の面213上にイオン交換体(有機電解質層211と同じ成分)の溶液をキャストして乾燥させ、その面上に上記有機電解質層211が接するように積層した後、所定条件(例えば、温度:150℃、圧力:50kg/cm2、時間:60秒)でホットプレスして接合し、PTFEシートを剥離することによって形成される。
【0024】
ところで一般に、こうした無機電解質層212は乾燥時に水分が蒸発して多孔質体となり、表面に細かい凹凸が必ず生じる。そのため、無機電解質層212と有機電解質層211との間には隙間が生じ、カソード23側からのプロトンの移動を阻害するという問題や、有機/無機電解質層の界面が剥がれやすいという問題が生じる。そこで、上述したように無機電解質層212と有機電解質層211との間に上記イオン交換体の溶液をキャストさせて乾燥させたのち両層をホットプレスで接着することにより、このイオン交換体がバインダの役目を果たし、有機/無機電解質層が3次元的に接触するようになる。これによって、有機電解質層211と無機電解質層212の間の密着性が向上するので、強度的に剥がれにくくなるとともに、プロトンの移動がスムーズになり電池の出力性能向上にも寄与する。
【0025】
(3)燃料電池の動作
上記燃料電池においては、以下のような動作が行われる。
セルユニット10において、アノード側チャネル31にはメタノール水溶液が供給され、カソード側チャネル41には空気が供給される。
アノード22では、アノード側チャネル31を流通する水溶液中のメタノールと水が上記▲1▼式で示される反応を起こす。この反応により生成するプロトンは、電解質膜21を通過してカソード23に移動する。
【0026】
カソード23では、カソード側チャネル41を流通する空気中の酸素と、アノード22から移動してくるプロトンとにより、上記▲2▼式の反応を起こす。この反応により生成する水の一部は電解質膜21に保持されることとなる。
ここで、プロトンともにアノード側からカソード側に移動しようとするメタノールは、有機電解質層211は透過するが、無機電解質層212には透過しにくい。したがって、クロスオーバーは抑制される。
【0027】
また、電解質膜21のうち有機電解質層211を構成するパーフルオロアルキルスルホン酸高分子膜は、単に水のみを含浸させる場合の含水量と比べて、メタノール水溶液を含浸させる場合の含水量が増加することが知られている(固体高分子型燃料電池の開発と実用化:技術情報協会著p63)。セル20においては、アノード22と有機電解質層211とが接触しているので、有機電解質層211にはアノード側からメタノール水溶液が供給され、上記特性により有機電解質層211には含水量が十分に確保される。そのため、第2従来技術のようにプロトン伝導性が低下することはない。すなわち、プロトン伝導性を十分に確保するとともにクロスオーバ-を抑えることができるので、電池の出力性能を向上することができる。
【0028】
また、第1従来技術のような、有機電解質層の中央部の触媒層を設けていないため、触媒層への酸素供給問題も存在しない。
したがって、それに起因するカソード電位の低下も生じない。加えて、上述したように、メタノール水溶液が含浸される有機電解質層211においては含水量が増加し十分な保湿状態に保たれるため、プロトン伝導性に優れ、電池の出力性能が向上する。
【0029】
なお、上記実施の形態では、アノード側にメタノールを有機燃料として直接供給しながら運転するDMFCについて説明したが、有機燃料としてジメチルエーテルや、エタノールなどの低級アルコールを直接供給しながら運転する燃料電池においても本発明を適用することが可能であり、これらの燃料電池においても電池の出力性能を高めることができると考えられる。
【0030】
〔実施例〕
上記実施の形態に基づいて、DMFCを作製し、単セルで運転を行った。
図2は、本実施例のDMFCにおけるセル20(図1参照)の概略側面図である。同図に示すように、セル20は燃料供給側から順に、アノード22、有機電解質層211、無機電解質層222、カソード23と積層された構成をしている。
【0031】
〔比較例1〕
本比較例1のDMFCは、実施例のDMFCと電解質膜の構成が異なるのみであるので、図3を用いて説明する。
図3は、本比較例1におけるDMFCのセルの概略側面図である。
同図に示すように、比較例1のセルは燃料供給側から順に、アノード522、有機電解質層5211、カソード523と積層された構成をしており、実施例とは無機電解質層212を設けていない点で異なっている。なお、アノード522、有機電解質層5211、カソード523は、それぞれ実施例におけるものと同じものを使用している。
【0032】
〔比較例2〕
本比較例2のDMFCは、実施例のDMFCと電解質膜の構成が異なるのみであるので、図4を用いて説明する。
図4は、本比較例2におけるDMFCのセルの概略側面図である。
同図に示すように、セルは燃料供給側から順に、アノード622、無機電解質層6212、有機電解質層6211、カソード623と積層された構成をしており、有機電解質層と無機電解質層の配置が逆転している点、および有機/無機電解質層の間をイオン交換体を介して密着させていない点で実施例と異なっている。なお、アノード622、無機電解質層6212、有機電解質層6211、カソード623については実施例におけるものと同じものを使用している。
【0033】
〔実験〕
上記実施例および比較例1,2のDMFCを以下に示す運転条件に設定して運転しながら、端子間電圧(V)および内部抵抗(Ωcm2)を測定した。測定結果を表1に示す
【0034】
【表1】
燃料:メタノール水溶液(1.5mol/L)
酸化剤:空気
セル温度:90℃
電流密度:100mA/cm2
この表1の結果からわかるとおり、実施例と比較例1を比較すると、端子間電圧値および内部抵抗値ともに実施例のDMFCが比較例1のDMFCより優れている。これは、比較例1のDMFCにおいてはクロスオーバーが発生するが、実施例のDMFCにおいてはクロスオーバーの発生が抑制されているためと考えられる。
【0035】
すなわち、実施例、比較例1のDMFCともに、有機電解質層211,5211までは燃料のメタノールが浸透するが、比較例1においてはメタノールがその後カソード523まで到達してクロスオーバーが生じ、特に端子間電圧が低下する。
他方、実施例においては、有機電解質層211からカソード23の間にメタノール透過抑制効果のある無機電解質層212が存在するために、メタノールはカソード23まで到達せず、クロスオーバーは生じない。したがって、実施例のDMFCにおいては電池の出力性能に優れると考えられる。
【0036】
また、実施例と比較例2とを比較すると、実施例のDMFCは比較例2のDMFCに比べ、端子間電圧が若干高い。これは実施例の方がプロトン伝導性が高いためと考えられる。また、このプロトン伝導性の高さは、内部抵抗値においては、実施例が比較例2の値の約1/2となっていることからも示される。
このプロトン伝導性の高さは、有機電解質層の含水量の違いおよび無機電解質層と有機電解質層との密着状態の違いに起因するものと思われる。両者とも無機電解質層212,6212の存在によりクロスオーバーを防止している点では違いがないものの、比較例2のDMFCの場合、無機電解質層6212がアノード622側に配されることによって、メタノール水溶液中のメタノールとともに水分も有機電解質層6211への進行を妨げられる結果、有機電解質層6211の含水量が低下すると考えられる。そのため、比較例2ではプロトン伝導性が低下し、内部抵抗値が高くなる。
【0037】
一方、実施例のDMFCの場合には、メタノール水溶液がアノード22側から浸透してその水分により有機電解質層211は保湿されるとともに、有機電解質層211はパーフルオロアルキルスルホン酸系の高分子からなるためメタノール存在下で含水量が増加することから、単に水が含まれている場合よりも多くの含水量が保たれるので、プロトン伝導性に優れ、電池の内部抵抗は低減する。加えて、実施例のように有機燃料を含浸できる有機電解質層がアノードに接して配されれば、有機電解質層においてメタノールが拡散しそれに接するアノード面内の燃料分布を均一にすることができるが、比較例2の無機電解質層6212においては、そのメタノール透過抑制効果ゆえにメタノールをほとんど含浸保持できないため、アノード622面内の燃料分布均一性が低下する。そのため、比較例2ではプロトン伝導性がさらに低下すると考えられる。
【0038】
さらに、実施例のDMFCにおいては、有機電解質層211と無機電解質層212との間は、イオン交換体からなるバインダを介して密着されており、このイオン交換体を介して2つの電解質層間でのプロトン伝導性が向上される。よって、実施例のDMFCでは端子間電圧が向上し、出力特性は向上すると考えられる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る燃料電池によれば、電解質膜が、有機燃料の存在下で含水量が増加する高分子化合物からなる第1の電解質層と、当該第1の電解質層よりもカソード側に配され、前記第1の電解質層よりも有機燃料の透過性が低く、前記有機燃料に対して透過抑制効果のある無機化合物からなる第2の電解質層と、イオン交換機能を有し、前記第1の電解質層と前記第2の電解質層とを密着させるバインダ層と、が積層されてなるので、有機燃料が電解質膜を透過してカソードへ到達すること、すなわちクロスオーバーを抑制することができるとともに、第1の電解質層には有機燃料および水分が十分に含浸されてプロトン伝導性が維持されるので、電池の内部抵抗が減少し出力性能が向上する。
【0040】
また、第1電解質層と第2電解質層は3次元的に密着して接するように構成され、機械的強度が増して剥がれにくくなるとともに、プロトン伝導性が向上して電池の出力性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るDMFCの要部分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例のセルユニットの概略側面図である。
【図3】比較例1におけるセルユニットの概略側面図である。
【図4】比較例2におけるセルユニットの概略側面図である。
【符号の説明】
10 セルユニット
20 セル
21 電解質膜
22 アノード
23 カソード
30 アノード側プレート
31 アノード側チャネル
40 カソード側プレート
41 カソード側チャネル
211 有機電解質層
212 無機電解質層
Claims (1)
- 電解質膜にアノードとカソードが配されたセルを備え、前記アノードに有機燃料を供給するとともに、前記カソードに酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池において、
前記電解質膜は、
前記有機燃料の存在下で含水量が増加する高分子化合物からなる第1の電解質層と、
当該第1の電解質層よりもカソード側に配され、前記第1の電解質層よりも有機燃料の透過性が低く、前記有機燃料に対して透過抑制効果のある無機化合物からなる第2の電解質層と、
イオン交換機能を有し、前記第1の電解質層と前記第2の電解質層とを密着させるバインダ層と、
が積層されてなることを特徴とする燃料電池。
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