JP6963708B1 - 電気化学セル用電解質膜、及び電気化学セル - Google Patents

電気化学セル用電解質膜、及び電気化学セル Download PDF

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Abstract

【課題】イオン伝導性セラミックス及び支持体を有する電解質膜の製造時の破損を抑制する。【解決手段】電気化学セル用電解質膜4は、第1電解質層41と、第2電解質層42と、を備える。第1電解質層41は、イオン伝導性セラミックス411及び支持体412を有する。第2電解質層42は、イオン伝導性セラミックス411と同じイオンを伝導種とするイオン伝導性高分子を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学セル用電解質膜、及び電気化学セルに関するものである。
電気化学セルは、一対の電極と、電解質膜とを有している。電解質膜は、一対の電極間に配置されている。各電極は、電解質膜上に熱プレスなどによって形成される。なお、各電極は、電解質膜よりも一回り小さい。電解質膜の材料としては、イオン伝導性高分子、及びイオン伝導性セラミックスなどが知られている。
例えば、特許文献1では、イオン伝導性セラミックスと支持体とを複合化させた電解質膜が提案されている。
国際公開第2019/124317号
電解質膜は、出力の向上などのために薄膜化することが好ましい。また、上述したような複合電解質膜において抵抗を下げるためには、イオン伝導性セラミックスの割合を多くすることが好ましい。しかしながら、このような複合電解質膜はイオン伝導性セラミックスの割合が多くなるほど脆くなるため、薄膜化した場合に、製造時の荷重により電解質膜が破損するという問題がある。そこで本発明の課題は、イオン伝導性セラミックス及び支持体を有する電解質膜の製造時における破損を抑制することにある。
本発明の第1側面に係る電気化学セル用電解質膜は、電気化学セルに用いられる。電気化学セル用電解質膜は、第1電解質層と、第2電解質層と、を備える。第1電解質層は、イオン伝導性セラミックス及び支持体を有する。第2電解質層は、イオン伝導性セラミックスと同じイオンを伝導種とするイオン伝導性高分子を有する。
この構成によれば、イオン伝導性セラミックス及び支持体を有する第1電解質層は、イオン伝導性高分子によって構成される第2電解質層によって支持されている。このため、第1電解質層におけるイオン伝導性セラミックスの割合を多くしても、電解質膜の製造時における破損を抑制することができる。
また、メタノールを燃料とする燃料電池にこの電解質膜を使用した場合、電解質膜はメタノールの透過を抑制する必要がある。ここで、第2電解質層は高分子電解質層であるためメタノール透過性が高いが、第1電解質層がセラミックスを含む電解質膜であるため、第1電解質層によってメタノールの透過を抑制することができる。
好ましくは、第2電解質層は、第1電解質層よりも厚い。
好ましくは、第1電解質層の厚さ(t1)に対する第2電解質層の厚さ(t2)の割合(t2/t1)は、1.5以上である。
好ましくは、支持体は、絶縁性である。
好ましくは、支持体は、多孔質基材である。
好ましくは、支持体は、バインダである。
好ましくは、支持体は、樹脂によって構成される。
好ましくは、電解質膜の膨潤率は、40%以下である。
好ましくは、第1電解質層の断面において、イオン伝導性セラミックスの面積(A1)に対する支持体の面積(A2)の割合(A2/A1)は、0.11以上9以下である。
好ましくは、イオン伝導性セラミックス及びイオン伝導性高分子は、水酸化物イオン伝導性である。
好ましくは、イオン伝導性セラミックスは、層状複水酸化物である。
本発明の第2側面に係る電気化学セルは、第1電極と、第2電極と、上記いずれかの電解質膜と、を備える。電解質膜は、第1電極と第2電極との間に配置される。
本発明の第3側面に係る直接メタノール形燃料電池は、第1電極、第2電極、及び上記いずれかの電解質膜を備える。第1電極には、酸素を含む酸化剤が供給される。第2電極には、メタノールが供給される。電解質膜は、第1電極と第2電極との間に配置される。
本発明によれば、イオン伝導性セラミックス及び支持体を有する電解質膜の製造時における破損を抑制することができる。
固体アルカリ形燃料電池の断面図。 第1電解質層の拡大断面図。 変形例に係る電解質膜の側面図。 変形例に係る燃料電池用接合体の断面図。 変形例に係る第1電解質層の拡大断面図。
以下、本発明に係る電解質膜を用いた電気化学セルの一例である固体アルカリ形燃料電池100の実施形態について図面を参照しつつ説明する。固体アルカリ形燃料電池100は、水酸化物イオンをキャリアとするアルカリ形燃料電池(AFC)の一種である。
(固体アルカリ形燃料電池100)
図1は、実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池100の構成を示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池100は、カソード2(第1電極の一例)、アノード3(第2電極の一例)、及び電解質膜4を備える。また、固体アルカリ形燃料電池100は、第1セパレータ11と、第2セパレータ12と、を備えている。カソード2、アノード3、及び電解質膜4は、燃料電池用接合体10を構成する。実際に使用する際は、複数の固体アルカリ形燃料電池100がスタックされる。詳細には、複数の燃料電池用接合体10が第1及び第2セパレータ11、12を介してスタックされる。
(第1及び第2セパレータ11、12)
第1及び第2セパレータ11、12は、燃料電池用接合体10を厚さ方向(z軸方向)の両側から挟むように配置されている。第1セパレータ11は、カソード2に酸素(O)を含む酸化剤を供給するように構成されている。第1セパレータ11は、第1流路111を有している。第1流路111は、カソード2と対向している。この第1流路111には、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。
第2セパレータ12は、アノード3に水素原子(H)を含む燃料を供給するように構成されている。第2セパレータ12は、第2流路121を有している。第2流路121は、アノード3と対向している。この第2流路121には、水素原子(H)を含む燃料が供給される。例えば、第2流路121には、メタノールが供給される。
複数の燃料電池用接合体10が第1及び第2セパレータ11,12を介してスタックされている場合は、第1セパレータ11は、第1流路111が形成される面とは反対側の面に第2流路が形成されている。また、第2セパレータ12は、第2流路121が形成される面とは反対側の面に第1流路が形成されている。
第1セパレータ11と燃料電池用接合体10との間には、第1シール部材13aが配置されている。第1シール部材13aは、第1セパレータ11と燃料電池用接合体10との間の密着性を向上させて、酸化剤が外部へ漏出することを防止する。第2セパレータ12と燃料電池用接合体10との間には、第2シール部材13bが配置されている。第2シール部材13bは、第2セパレータ12と燃料電池用接合体10との間の密着性を向上させて、燃料が外部へ漏出することを防止する。
第1及び第2シール部材13a、13bは、環状であり、燃料電池用接合体10の電解質膜4の外周部に当接している。第1及び第2シール部材13a、13bとして、例えば、Oリング、ゴムシートなどを例示することができる。第1シール部材13aは、第1セパレータ11と一体的に構成されていてもよい。第2シール部材13bは、第2セパレータ12と一体的に構成されていてもよい。
(燃料電池用接合体10)
燃料電池用接合体10は、カソード2、アノード3、及び電解質膜4を備える。燃料電池用接合体10は、下記の電気化学反応式に基づいて、比較的低温(例えば、50℃〜250℃)で発電する。ただし、下記の電気化学反応式では、燃料の一例としてメタノールが用いられている。すなわち、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池100は、直接メタノール形燃料電池である。
・カソード2: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード3: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
(カソード2)
カソード2は、電解質膜4の第1面401側(図1の上面側)に配置されている。詳細には、カソード2は、電解質膜4の第1電解質層41上に配置されている。カソード2は、電解質膜4より一回り小さい。カソード2は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。
固体アルカリ形燃料電池100の発電中、カソード2には、第1セパレータ11の第1流路111を介して酸素(O)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いるのが好ましく、空気は加湿されていることがより好ましい。カソード2は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。カソード2の気孔率は特に制限されない。カソード2の厚みは特に制限されないが、例えば10〜200μmとすることができる。
カソード2は、AFCに使用される公知の空気極触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード2における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10mg/cm、より好ましくは、0.1〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード2ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
カソード2の作製方法は特に限定されないが、例えば、担体に担持されたカソード触媒をバインダと混合してペースト状にする。そして、このペースト状混合物をフィルム上に塗布して乾燥させてカソード転写フィルムを作製する。そして、このカソード転写フィルムを電解質膜4上に配置し、熱プレスを行うことによって、転写フィルム上のカソードを電解質膜4上に転写する。
(アノード3)
アノード3は、電解質膜4の第2面402側(図1の下面側)に配置されている。詳細には、アノード3は、電解質膜4の第2電解質層42上に配置されている。アノード3は、電解質膜4より一回り小さい。アノード3は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。
固体アルカリ形燃料電池100の発電中、アノード3には、第2セパレータ12の第2流路121を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。燃料としては、メタノールを用いるのが好ましい。アノード3は、内部に燃料を拡散可能な多孔質体である。アノード3の気孔率は特に制限されない。アノード3の厚みは特に制限されないが、例えば10〜500μmとすることができる。
燃料は、アノード3において水酸化物イオン(OH)と反応可能な燃料化合物を含んでいればよく、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。これらの燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため特に好適である。
燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば1〜90重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。
また、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池100に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード3は、AFCに使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、この有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード3及びそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード3の作製方法は特に限定されないが、例えば、担体に担持されたアノード触媒をバインダと混合してペースト状にする。そして、このペースト状混合物をフィルム上に塗布して乾燥させてアノード転写フィルムを作製する。そして、このアノード転写フィルムを電解質膜4上に配置し、熱プレスを行うことによって、転写フィルム上のアノードを電解質膜4上に転写する。
(電解質膜4)
電解質膜4は、カソード2とアノード3との間に配置される。電解質膜4は、カソード2及びアノード3のそれぞれに接続される。電解質膜4は、イオン伝導性を有する。本実施形態では、電解質膜4は、水酸化物イオン伝導性を有する。電解質膜4は、膜状である。電解質膜4は、第1電解質層41と第2電解質層42とを有している。第1電解質層41と第2電解質層42とは積層されている。
第1電解質層41上に第2電解質層42を成膜することによって、電解質膜4を形成することができる。例えば、ダイコーター又はスプレーコーターなどを用いて、第2電解質層42を構成する材料のペーストを第1電解質層41上に塗布し、これに熱処理を施すことによって電解質膜4を形成することができる。また、印刷法によって、第2電解質層42を構成する材料のペーストを第1電解質層41上に印刷形成することもできる。
もしくは、第2電解質層42上に第1電解質層41を成膜することによっても電解質膜4を形成することもできる。また、第1電解質層41及び第2電解質層42を準備し、第1電解質層41と第2電解質層42とを重ねて熱プレスすることによって接着したり、第1電解質層41と第2電解質層42とをイオン伝導性バインダにより接着したりすることによって電解質膜4を形成してもよい。なお、第1電解質層41と第2電解質層42とは、平面視(z軸方向視)において、実質的に同じ大きさである。
第1電解質層41の厚さt1は、例えば、0.5〜200μm程度である。第1電解質層41の厚さt1の測定方法は次の通りである。まず、図1に示すような第1電解質層41の中央近傍を通る切断面(xz面)を作成する。そして、その切断面において、第1電解質層41の両端部の任意の点と、中央部の任意の点で第1電解質層41の厚さを測定し、その平均値を第1電解質層41の厚さt1とすることができる。
第2電解質層42の厚さt2は、例えば、5〜300μm程度である。第2電解質層42の厚さt2の測定方法は次の通りである。まず、第2電解質層42の中央近傍を通る切断面を作成する。そして、その切断面において、第2電解質層42の両端部の任意の点と、中央部の任意の点で第2電解質層42の厚さを測定し、その平均値を第2電解質層42の厚さt2とすることができる。
第2電解質層42の厚さt2は、第1電解質層41の厚さt1よりも厚い。例えば、第1電解質層41の厚さt1に対する、第2電解質層42の厚さt2の割合(t2/t1)を、1.5〜20程度とすることができる。このように、第2電解質層42の厚さt2を第1電解質層41の厚さt1よりも厚くすることによって、電解質膜の強度を向上し、電解質膜に荷重が掛かった場合における電解質膜の破損をより抑制することができる。
(第1電解質層41)
図2は、第1電解質層41の断面を拡大して示す模式図である。図2に示すように、第1電解質層41は、イオン伝導性セラミックス411と、多孔質基材412(支持体の一例)とを有している。イオン伝導性セラミックス411は、例えば、水酸化物イオン伝導性を有する。すなわち、イオン伝導性セラミックス411は、水酸化物イオンを伝導種とする。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、第1電解質層41は、主にイオン伝導性セラミックス411によって、カソード2側からアノード3側に水酸化物イオン(OH)を伝導する。
イオン伝導性セラミックス411の水酸化物イオン伝導率は特に制限されないが、0.1mS/cm以上が好ましく、より好ましくは0.5mS/cm以上、さらに好ましくは1.0mS/cm以上である。イオン伝導性セラミックス411の水酸化物イオン伝導率は、高いほど好ましく、その上限値は特に制限されないが、例えば10mS/cmである。
イオン伝導性セラミックス411は、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスによって構成することができる。このようなセラミックスとしては、層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)が好適である。
LDHは、M2+ 1−x3+ (OH)n−x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4、mは水のモル数を意味する任意の整数である)の一般式で示される基本組成を有する。M2+の例としてはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、及びZn2+が挙げられ、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Ti3+、Y3+、Ce3+、Mo3+、及びCr3+が挙げられ、An−の例としてはCO 2−及びOHが挙げられる。M2+及びM3+としては、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
LDHは、複数の水酸化物基本層と、これら複数の水酸化物基本層間に介在する中間層とから構成される。中間層は、陰イオン及びHOで構成される。水酸化物基本層は、例えば金属MがNi、Al、Tiの場合には、Ni、Al、Ti及びOH基を含む。以下、LDHの水酸化物基本層がNi、Al、Ti及びOH基を含む場合について説明する。
LDH中のNiはニッケルイオンの形態を採りうる。LDH中のニッケルイオンは典型的にはNi2+であると考えられるが、Ni3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のAlはアルミニウムイオンの形態を採りうる。LDH中のアルミニウムイオンは典型的にはAl3+であると考えられるが、他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のTiはチタンイオンの形態を採りうる。LDH中のチタンイオンは典型的にはTi4+であると考えられるが、Ti3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。水酸化物基本層は、Ni、Al、Ti及びOH基を主要構成要素として含むのが好ましいが、他の元素ないしイオンを含んでいてもよいし、不可避不純物を含んでいてもよい。不可避不純物は、製法上不可避的に混入されうる任意元素であり、例えば原料や基材に由来してLDH中に混入しうる。
LDHの中間層は、陰イオン及びHOで構成される。陰イオンは1価以上の陰イオン、好ましくは1価又は2価のイオンである。好ましくは、LDH中の陰イオンはOH及び/又はCO 2−を含む。
上記のとおり、Ni、Al及びTiの価数は必ずしも定かではないため、LDHを一般式で厳密に特定することは非実際的又は不可能である。仮に水酸化物基本層が主としてNi2+、Al3+、Ti4+及びOH基で構成されるものと想定した場合、LDHは、一般式:Ni2+ 1−x−yAl3+ Ti4+ (OH)n− (x+2y)/n・mHO(式中、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、好ましくは1又は2であり、0<x<1、好ましくは0.01≦x≦0.5、0<y<1、好ましくは0.01≦y≦0.5、0<x+y<1、mは0以上、典型的には0を超える又は1以上の実数である)なる基本組成で表すことができる。もっとも、上記一般式はあくまで「基本組成」と解されるべきであり、Ni2+、Al3+、Ti4+等の元素がLDHの基本的特性を損なわない程度に他の元素又はイオン(同じ元素の他の価数の元素又はイオンや製法上不可避的に混入されうる元素又はイオンを含む)で置き換え可能なものとして解されるべきである。
多孔質基材412は、イオン伝導性セラミックス411を支持するように構成されている。詳細には、多孔質基材412は、三次元網目構造を有する。「三次元網目構造」とは、基材の構成物質が立体的かつ網目状に繋がった構造である。多孔質基材412は、連続孔412aを形成する。連続孔412aは、立体的かつ網目状に孔が繋がることによって構成されており、多孔質基材412の外表面に露出している。連続孔412aには、イオン伝導性セラミックス411が含浸されている。
多孔質基材412は、金属材料、及び高分子材料から選択される少なくとも1種によって構成することができる。
多孔質基材412を構成する金属材料としては、ステンレス(Fe−Cr系合金、Fe−Ni−Cr系合金など)、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、又は、チタンなどを用いることができる。このような金属材料は、セラミック材料や高分子材料に比べて熱伝導性が高いため、多孔質基材412の放熱効率を向上させることができるとともに、多孔質基材412内の温度分布を低減させることができる。三次元網目構造を有する限り、多孔質基材412の形態は特に制限されず、例えば、多孔質金属材料(例えば、発砲金属材料)によって構成されるセル状又はモノリス状の構造物であってもよいし、細線金属材料によって構成されるメッシュ状の塊であってもよい。
また、多孔質基材412が金属材料によって構成される場合、多孔質基材412の表面には絶縁膜が形成されていてもよい。絶縁膜は、Cr、Al、ZrO、MgO、MgAlなどによって構成することができる。多孔質基材412をステンレスによって構成する場合、ステンレスを酸化処理することにより、絶縁膜としてのCr膜を簡便に形成することができる。ただし、本実施形態では、後述する第1及び第2膜状部41b、41cが、絶縁膜として機能するため、多孔質基材412の表面には、絶縁膜が形成されていなくてもよい。
多孔質基材412を構成する高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂(四フッ素化樹脂:PTFE等、ポリフッ化ビニリデン)、セルロース、ナイロン、ポリエチレン及びこれらの任意の組合せが挙げられる。多孔質基材412をフレキシブル性の高分子材料で構成する場合には、気孔率を高めながら厚さを薄くしやすいため、水酸化物イオン伝導性を向上させることができる。高分子材料によって構成される多孔質基材412としては、リチウム電池用セパレータとして市販されているような微多孔膜を用いることができる。
なお、多孔質基材412は、絶縁性とすることが好ましい。多孔質基材412が絶縁性を有するとは、多孔質基材が電子絶縁性及びイオン絶縁性の両方を有することを意味する。
多孔質基材412が電子絶縁性を有するとは、多孔質基材412の電子伝導率が10−4mS/cm以下であることを意味する。多孔質基材412の電子伝導率は、シート形状に加工して短冊状に切り出した多孔質基材412の試験片に白金ペーストで端子を取り付けて直流抵抗を計測することによって測定できる。
多孔質基材412がイオン絶縁性を有するとは、多孔質基材412のイオン伝導率(本実施形態では、水酸化物イオン伝導率)が10−5mS/cm以下であることを意味する。多孔質基材412のイオン伝導率は、上述した試験片の交流抵抗を計測することによって測定できる。
電解質膜4の膨潤率は、40%以下とすることが好ましい。なお、電解質膜4の膨潤率は、次の方法によって測定することができる。矩形状の電解質膜4を、90%メタノール水溶液に5時間浸漬し、浸漬後の寸法を測定する。そして、浸漬後寸法と初期寸法との差分を初期寸法で除したものを膨潤率とすることができる。なお、電解質膜4の初期寸法及び浸漬後寸法とは、矩形状の電解質膜4の面内方向(xy面方向)における辺長であり、x方向の辺長の膨張率およびy方向の辺長の膨張率を平均したものが電解質膜4の膨張率である。
第1電解質層41の断面において、イオン伝導性セラミックス411の面積(A1)に対する多孔質基材412の面積(A2)の割合(A2/A1)は、9以下とすることが好ましい。また、割合(A2/A1)は、0.25以上とすることができる。
なお、第1電解質層41の断面において、イオン伝導性セラミックス411の面積(A1)、及び多孔質基材412の面積(A2)は次の方法によって測定することができる。まず、電解質膜4の中心近傍を通り且つ面内方向(xy面方向)と直交する面、例えばxz平面によって、図2に示すような電解質膜4の切断面を形成する。この切断面について、SEM、FE-SEM、TEM、又はクライオSEMなどで撮影して得られた画像データを2値化処理する。この2値化処理して得られたデータのうちイオン伝導性セラミックス411の占める面積の割合をイオン伝導性セラミックス411の面積(A1)とし、残りの面積の割合を多孔質基材412の面積(A2)とすることができる。なお、図2のx方向において5分割した各領域の中心部分で面積の割合を算出し、その平均値をイオン伝導性セラミックス411の面積(A1)に対する多孔質基材412の面積(A2)の割合(A2/A1)とする。
多孔質基材412の厚さは特に制限されないが、例えば、200μm以下とすることができ、好ましくは100μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは25μm以下であり、5μm以下が最も好ましい。多孔質基材412の厚さの下限値は、用途に応じて適宜設定すればよいが、ある程度の堅さを確保するには0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
多孔質基材412の断面における連続孔412aの平均内径は特に制限されないが、例えば、0.001〜1.5μmとすることができ、好ましくは0.001〜1.25μm、より好ましくは0.001〜1.0μm、さらに好ましくは0.001〜0.75μm、特に好ましくは0.001〜0.5μmである。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材412に支持体としての強度を付与しつつ、イオン伝導性セラミックス411の緻密度を向上させることができる。連続孔412aの平均内径とは、多孔質基材412の断面を電子顕微鏡で観察した場合に、観察画像上で無作為に選出した20箇所における連続孔412aの円相当径を算術平均することによって得られる。連続孔412aの円相当径とは、観察画像において、連続孔412aの断面積と同じ面積を有する円の直径である。なお、電子顕微鏡の倍率は、連続孔412aの断面サイズに応じて適宜設定すればよい。
連続孔412aの体積率は特に制限されないが、例えば、10〜90%とすることができ、好ましくは15〜70%、より好ましくは20〜50%である。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材412に支持体としての強度を確保しつつ、イオン伝導性セラミックス411の緻密度を向上させることができる。連続孔412aの体積率は、アルキメデス法により測定することができる。
また、図2では図示されていないが、多孔質基材412は、それ自体の内部に複数の細孔を有することが好ましい。複数の細孔は、多孔質基材412の内部において、互いに繋がっていてもよい。そして、各細孔は多孔質基材412の表面に開口する開気孔であって、各細孔にはイオン伝導性セラミックス411が含浸していることがより好ましい。これによって、連続孔412a→多孔質基材412内の細孔→連続孔412aという短距離イオン伝導パスや、連続孔412a→多孔質基材412内の細孔→第2膜状部41c、或いは、第1膜状部41b→多孔質基材412内の細孔→第2膜状部41cという長距離イオン伝導パスを形成することができる。その結果、第1電解質層41内のイオン伝導可能領域が広がるため、電解質膜4全体としてのイオン伝導性を向上させることができる。
第1電解質層41は、複合部41a、第1膜状部41b、及び第2膜状部41cを有する。複合部41aは、イオン伝導性セラミックス411と多孔質基材412とを有する。第1膜状部41b及び第2膜状部41cは、イオン伝導性セラミックス411を有しているが、多孔質基材412を有していない。
複合部41aは、第1膜状部41bと第2膜状部41cとの間に配置される。イオン伝導性セラミックス411は、多孔質基材412内において、多孔質基材412に支持されている。詳細には、イオン伝導性セラミックス411は、多孔質基材412の連続孔412a内に配置される。イオン伝導性セラミックス411は、多孔質基材412の連続孔412a内に含浸されており、多孔質基材412と一体化している。このように、イオン伝導性セラミックス411を多孔質基材412で支持することによって、第1電解質層41の強度を向上できるため、第1電解質層41を薄くすることができる。その結果、電解質膜4の低抵抗化を図ることができる。
本実施形態において、イオン伝導性セラミックス411は、多孔質基材412の連続孔412aの略全域に広がる。ただし、第1電解質層41が第1膜状部41b及び第2膜状部41cの少なくとも一方を有さない場合、イオン伝導性セラミックス411は、多孔質基材412の一部にのみ含浸されていてもよい。
ここで、複合部41aにおいて、第1電解質層41は、その内部に形成された複数の閉気孔413を有する。このような閉気孔413が形成されるため、固体アルカリ形燃料電池100の作動中に複合部41aの含水状況の変動に起因する第1電解質層41の体積変化を緩和させることができる。これにより、第1電解質層41とカソード2との界面、又は/及び第1電解質層41と第2電解質層42との界面に応力が発生することを抑制できる。その結果、カソード2又は/及び第2電解質層42から第1電解質層41が剥離したり、第1電解質層41自体が変形したりすることを抑制できる。
さらに、閉気孔413が内部に形成されることで、複合部41aに柔軟性を付与することができる。このため、固体アルカリ形燃料電池100内の温度分布に起因して、カソード2と第1電解質層41との界面、又は/及び、第2電解質層42と第1電解質層41との界面に熱応力が発生することを抑制できる。そのため、カソード2又は/及び第2電解質層42から第1電解質層41が剥離したり、或いは、第1電解質層41自体が変形したりすることを抑制できる。
閉気孔413は、多孔質基材412から離れている。すなわち、閉気孔413は、イオン伝導性セラミックス411の内部に閉じこめられており、連続孔412aの内表面と直接的に接触しない。これによって、閉気孔413が多孔質基材412に直接接触する場合に比べて、電解質膜4に体積変化や変形が生じた場合に、多孔質基材412、イオン伝導性セラミックス411、及び閉気孔413の三者で作られる角部を起点として、イオン伝導性セラミックス411が多孔質基材412から剥離することを抑制できる。なお、閉気孔413は、多孔質基材412に接触していてもよい。
各閉気孔413の平均円相当径は特に制限されないが、例えば、0.001〜1.0μmとすることができる。各閉気孔413の平均円相当径は、0.001μm以上が好ましく、0.002μm以上がより好ましい。これによって、複合部41aの柔軟性をより向上させることができる。また、各閉気孔413の平均円相当径は、1.0μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましい。
各閉気孔413の平均円相当径は、電解質膜4の断面を20,000〜1,500,000倍の電子顕微鏡で観察し、無作為に選出した20個の閉気孔413の円相当径を算術平均することによって得られる。閉気孔413の円相当径とは、電解質膜4の断面において、閉気孔413と同じ面積を有する円の直径である。ただし、0.001μm以下の円相当径を有する閉気孔413は、複合部41aの柔軟性向上への寄与が極めて小さいため、各閉気孔413の平均円相当径を求める際には除外するものとする。
第1膜状部41bは、複合部41aのカソード2側に連なる。第1膜状部41bは、膜状に形成される。第1膜状部41bのイオン伝導性セラミックス411は、複合部41aのイオン伝導性セラミックス411と一体的に形成される。
第2膜状部41cは、複合部41aのアノード3側に連なる。第2膜状部41cは、膜状に形成される。第2膜状部41cのイオン伝導性セラミックス411は、複合部41aのイオン伝導性セラミックス411と一体的に形成される。第1膜状部41b及び第2膜状部41cそれぞれは、一様な平面状に形成されていてもよいし、縞状など所望の平面形状にパターン化されていてもよい。第1膜状部41b及び第2膜状部41cそれぞれの厚さは特に制限されないが、例えば、10μm以下とすることができ、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下である。
(第1電解質層41の製造方法)
第1電解質層41の製造方法は特に限定されないが、イオン伝導性セラミックス411をLDHで構成する場合であって、LDHの水酸化物基本層がNi、Al、Ti及びOH基を含むとき、以下の工程(1)〜(4)で作製することができる。
(1)多孔質基材412を用意する。
(2)多孔質基材412の全体にアルミナ及びチタニアの混合ゾルを含浸させて熱処理することでアルミナ・チタニア層を形成させる。後述するように、多孔質基材412の表面全体からイオン伝導性セラミックス411を成長させるには、多孔質基材412の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成させることが重要となるため、アルミナ及びチタニアの混合ゾルを含浸させて熱処理することを複数回実施する。これにより、多孔質基材412の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成することができる。
(3)ニッケルイオン(Ni2+)及び尿素を含む原料水溶液に多孔質基材412を浸漬させる。
(4)原料水溶液中で多孔質基材412を水熱処理して、イオン伝導性セラミックス411を多孔質基材412上及び多孔質基材412中に形成させる。この際、水熱処理時間および溶液濃度を適宜調整することによって、気孔が閉塞する前に反応を停止することでイオン伝導性セラミックス411内に閉気孔413を形成させることができる。イオン伝導性セラミックス411は多孔質基材412の表面に形成されたアルミナ・チタニア層を核として成長するため、多孔質基材412の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成させた場合においては、多孔質基材412の表面全体からイオン伝導性セラミックス411が成長することになる。その結果として、閉気孔413を多孔質基材412から離すことができる。
(第2電解質層42)
第2電解質層42は、イオン伝導性高分子を有している。すなわち、第2電解質層42は、高分子電解質層である。第2電解質層42のイオン伝導性高分子は、イオン伝導性セラミックス411と同じイオンを伝導種とする。すなわち、第2電解質層42のイオン伝導性高分子は、水酸化物イオンを伝導種とする。本実施形態では、第2電解質層42のイオン伝導性高分子は、水酸化物イオン伝導性を有する。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、第2電解質層42は、主にイオン伝導性高分子によって、カソード2側からアノード3側に水酸化物イオン(OH)を伝導する。
第2電解質層42のイオン伝導性高分子の水酸化物イオン伝導率は特に制限されないが、1mS/cm以上が好ましく、より好ましくは10mS/cm以上、さらに好ましくは50mS/cm以上である。イオン伝導性高分子の水酸化物イオン伝導率は、高いほど好ましく、その上限値は特に制限されないが、例えば100mS/cmである。
第2電解質層42のイオン伝導性高分子は、炭化水素系及びフッ素樹脂系のいずれかのアニオン伝導性固体高分子電解質膜を用いることができる。このようなアニオン伝導性固体高分子電解質膜としては、例えば、(株)アストム製のネオセプタ(登録商標)AM−1,AHA、及び(株)トクヤマ製のA−201、A−901等を挙げることができる。
第1電解質層41と第2電解質層42は、互いに同じイオンを伝導種としている。例えば、本実施形態のように、第1電解質層41が水酸化物イオン伝導であれば、第2電解質層42も水酸化物イオン伝導であり、第1電解質層41がプロトン伝導であれば、第2電解質層42もプロトン伝導である、ここで、第1電解質層41及び第2電解質層42は、下記試験によりプロトン伝導(H)および水酸化物イオン伝導(OH)に判別される。
(評価サンプル作製方法)
まず、次のように評価サンプルを作成する。まず、炭素に担持されたカソード触媒(Pt/C)(Pt担持量50wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC10E50E)と、バインダとしてのPVDF粉末とを準備する。次に、カソード触媒:PVDF粉末:水の重量比が、9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように混合することによって、ペーストを調製する。続いて、調整したペーストをPETフィルムに塗布して乾燥させて転写フィルムを作製する。そして、転写フィルムを測定対象の電解質膜の両面に熱プレス(120℃、1分、3MPa)を行うことによって、評価サンプルを作成する。
(評価方法)
伝導種の判別には、水蒸気濃淡電池を使用する。まず、電解質を挟んで片側に高加湿空気、反対側に低加湿空気を供給する。すると、プロトン伝導体では高加湿側で(1)式、低加湿側で(2)式による反応により起電力が生じる。一方、水酸化物イオン伝導体では高加湿側で(3)式、低加湿側で(4)式による反応により起電力が生じる。プロトン伝導体と水酸化物イオン伝導体とでは、起電力が逆符号を示すため、起電力の符号を確認することで電解質膜の伝導種を特定可能である。具体的には、起電力を測定した際、低加湿側が高電位となればプロトン伝導、高加湿側が高電位となれば水酸化物イオン伝導と判別できる。
O→1/2O+2H+2e・・・(1)
1/2O+2H+2e→HO・・・(2)
O+1/2O+2e→2OH・・・(3)
2OH→HO+1/2O+2e・・・(4)
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、第1電解質層41及び第2電解質層42は、水酸化物イオン伝導性を有していたが、第1電解質層41及び第2電解質層42のイオン伝導性はこれに限定されない。例えば、第1電解質層41及び第2電解質層42は、プロトン伝導性を有していてもよい。すなわち、第1電解質層41のイオン伝導性セラミックス411及び第2電解質層42のイオン伝導性高分子は、プロトンを伝導種としてもよい。
変形例2
上記実施形態では、電解質膜4は、第1電解質層41と第2電解質層42とをそれぞれ1つずつ有していたが、電解質膜4の構成はこれに限定されない。例えば、図3に示すように、電解質膜4は、2つの第1電解質層41と1つの第2電解質層42とを有していてもよい。この場合、一対の第1電解質層41は、第2電解質層42を挟むように配置することができる。
また、電解質膜4は、1つの第1電解質層41と、2つの第2電解質層42とを有していてもよい。この場合、一対の第2電解質層42は、第1電解質層41を挟むように配置することができる。
変形例3
上記実施形態では、電解質膜4が支持体となっているが、燃料電池用接合体10の構成はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、アノード3が支持体となっていてもよい。この場合、アノード3の上面に電解質膜4が形成されている。この電解質膜4は、アノード3と同じ大きさか、アノード3よりも一回り小さい。そして、電解質膜4の上面に形成されるカソード2は、電解質膜4と同じ大きさか、電解質膜4よりも一回り小さい。
なお、カソード2が支持体となっていてもよい。また、燃料電池100は、支持体となる部材を別途有していてもよい。
変形例4
第1電解質層41は、多孔質基材412を有していなくてもよい。例えば、図5に示すように、第1電解質層41は、イオン伝導性セラミックス411と、バインダ414とを有していてもよい。バインダ414は、イオン伝導性セラミックス411の支持体として機能する。詳細には、バインダ414は、イオン伝導性セラミックス411の構成粒子間に配置されている。バインダ414は、イオン伝導性セラミックス411の各構成粒子同士を結着する。例えば、バインダ414は、LDH粒子同士を結着することによって、第1電解質層41の形状を維持する。このようなバインダとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン−ブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、又はエチレン−アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
変形例5
上記実施形態では、第1電解質層41は、複合部41a、第1膜状部41b、及び第2膜状部41cを有することとしたが、複合部41aのみを有していてもよい。すなわち、第1電解質層41は、第1膜状部41b及び第2膜状部41cの少なくとも一方を備えていなくてよい。
変形例6
上記実施形態では、カソード2は、第1電解質層41上に配置されており、アノード3は第2電解質層42上に配置されているが、接合体10の構成はこれに限定されない。例えば、カソード2が第2電解質層42上に配置され、アノード3が第1電解質層41上に配置されていてもよい。
変形例7
上記実施形態では、本発明に係る燃料電池を固体アルカリ形燃料電池に適用した実施形態を説明したが、本発明に係る燃料電池が適用される対象は固体アルカリ形燃料電池に限定されず、例えば、固体高分子形燃料電池などの他の燃料電池や、電解セルなどにも適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例には限定されない。
試験A
試験Aでは、実施例1〜15、及び比較例1〜2に係る燃料電池用接合体10を作製した。そして、この接合体10を作製する過程における電解質膜の破損の有無を確認した。
実施例1〜15では、第1電解質層41及び第2電解質層42を有する電解質膜4を用いて燃料電池用接合体10を作製した。また、比較例1〜2では、第1電解質層41を有し第2電解質層42を有さない電解質膜を用いて燃料電池用接合体10を作製した。
実施例1〜15の電解質膜4は、以下のように作製した。まず、水酸化物イオン伝導性の第2電解質層42として(株)アストム製のネオセプタAHA、プロトン伝導性の第2電解質層42としてデュポン(株)製のNafion115を準備した。
次に、イオン伝導性セラミックスとして、水酸化物イオン伝導性のLDH(Mg−Al)粒子(平均粒径1.0μm)、プロトン伝導性のCl型LDH(Zn−Cr)粒子(平均粒径1.0μm)、又はプロトン伝導性の硫酸修飾チタニア粒子(平均粒径1.0μm)を準備した。また、バインダとして、PVDF粉末またはPTFE粉末を準備し、溶媒としてNMPを準備した。そして、LDH粉末又はチタニア粉末:PVDF粉末又はPTFE粉末:NMPの重量比が0.5:0.5:9となるように混合することによって混合ペーストを調製した。そして、この混合ペーストをPETフィルム上に印刷法によって塗布して、熱処理(30分、90℃)を施すことによって第1電解質層41を形成した。第1電解質層41の塗布厚みを調整することで、表1に示すような厚さに調整した。そして、第1電解質層41をPETフィルムから剥離し、第1電解質層41と第2電解質層42とを熱プレス(1時間、60℃、3MPa)することによって電解質膜4を作製した。なお、第1電解質層41と第2電解質層42とは、平面視において実質的に同じ大きさである。
比較例1〜2の第1電解質層41は、上記実施例1〜15と同様の方法で形成した。第1電解質層41の塗布厚みを調整することで、表1に示すような厚さに調整した。
次に、炭素に担持されたカソード触媒(Pt/C)(Pt担持量50wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC10E50E)と、バインダとしてのPVDF粉末とを準備した。そして、カソード触媒:PVDF粉末:水の重量比が、9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように混合することによって、カソードペーストを調製した。調整したカソードペーストをPETフィルムに塗布して乾燥させてカソード転写フィルムを作製した。また、炭素に担持されたアノード触媒(Pt−Ru/C)(Pt−Ru担持量54wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC61E54)と、バインダとしてのPVDF粉末とを準備した。そして、アノード触媒:PVDF粉末:水の重量比が、9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように混合することによって、アノードペーストを調製した。調整したアノードペーストをPETフィルムに塗布して乾燥させてアノード転写フィルムを作製した。
(評価方法)
実施例1〜15、及び比較例1〜2の各電解質膜を挟むように、カソード転写フィルム及びアノード転写フィルムを配置した。そして、カソード転写フィルム側、及びアノード転写フィルム側から熱プレス(120℃、1分、3MPa)を行うことによって、カソード転写フィルムのカソードを電解質膜上に転写形成するとともに、アノード転写フィルムのアノードを電解質膜上に転写形成した。なお、実施例1〜15では、第1電解質層41上にカソード2を形成し、第2電解質層42上にアノード3を形成した。カソード2及びアノード3は、平面視において、電解質膜よりも一回り小さい。また、各実施例及び比較例において、電解質膜の構成以外は、基本的に同じ構成としている。
熱プレス後の実施例1〜15、及び比較例1〜2の各電解質膜における破損の有無を光学顕微鏡にて確認し、その結果を表1に示した。なお、表1において、「〇」は、電解質膜に破損が生じていないことを意味し、「×」は電解質膜に破損が生じていることを意味する。
Figure 0006963708
表1より、電解質膜4を第1電解質層41及び第2電解質層42によって構成することで、電解質膜4の破損を抑制できることが分かった。
試験B
試験Bでは、実施例16〜29、及び比較例3〜5に係る電解質膜4を作製した。そして、各実施例及び比較例におけるメタノール透過遮断性を評価した。
まず、実施例16〜29では、上記実施例1〜15と同様の方法で電解質膜4を作製した。第1電解質層41及び第2電解質層42の材質および厚さは、表2の通りである。
比較例3〜5では、第1電解質層41を有さず第2電解質層42を有する電解質膜を用いた。詳細には、比較例3では第2電解質層42として(株)アストム製のネオセプタAHA、比較例4ではデュポン(株)製のNafion115、比較例5ではデュポン(株)製のNafion117を用いた。
(評価方法)
以上のように作製した電解質膜に対して、以下のようにしてメタノール透過遮断性を評価した。まず、実施例16〜29、及び比較例3〜5の各電解質膜を、第1シール部材13a及び第2シール部材13bを介して第1セパレータ11と第2セパレータ12とによって挟んだ。なお、第1シール部材13a及び第2シール部材13bの材質は、PTFEとした。
次に、電解質膜を60℃に昇温し、第1セパレータ11側に1mol/Lのメタノール水溶液、第2セパレータ12側にイオン交換水をそれぞれ1mL/minで3時間供給した。そして、第2セパレータ12側の廃液のメタノール濃度を測定することにより、メタノールの透過量を測定した。この結果を表2に示す。なお、表2において、実施例16〜21のメタノール透過遮断性は、比較例3の第2電解質層42のみで電解質膜が構成された場合のメタノール透過量を1とした場合に、メタノール透過量が0.7以下のものを「〇」とし、メタノール透過量が0.7より大きいものを「×」としている。また、表2において、実施例22〜29及び比較例5のメタノール透過遮断性は、比較例4の第2電解質層42のみで電解質膜が構成された場合のメタノール透過量を1とした場合に、メタノール透過量が0.7以下のものを「〇」とし、メタノール透過量が0.7より大きいものを「×」としている。
Figure 0006963708
表2より、電解質膜4を第1電解質層41及び第2電解質層42によって構成することで、メタノール透過遮断性が向上することが分かった。
試験C
試験Cでは、実施例30〜41に係る電解質膜4を作製した。そして、この電解質膜4に対してメタノール浸漬および乾燥サイクル試験を実施した際の電解質膜4の破損の有無を確認した。
実施例30〜41では、第1電解質層41のイオン伝導セラミックス411としてCl型LDH(Zn−Cr)を用いた。また、実施例30〜35では、第1電解質層41の支持体であるバインダとして、PVDFを用いた。また、実施例36〜41では、第1電解質層41の支持体であるバインダとして、Nafionを用いた。また、実施例30〜41では、第2電解質層42としてNafion115を用いた。
そして、上記実施例1〜15と同様の方法で電解質膜4を作製した。第1電解質層41の厚みは50μmとした。混合ペーストにおけるLDH粒子とバインダの割合を調整することにより、第1電解質層41の断面におけるイオン伝導性セラミックス411の面積(A1)に対する支持体の面積(A2)の割合(A2/A1)を調整した。第1電解質層41及び第2電解質層42からなる電解質膜4の厚さは127μmとした。第1電解質層41の断面におけるイオン伝導性セラミックス411の面積(A1)に対する支持体の面積(A2)の割合は、表3の通りである。
次に、実施例30〜41に係る電解質膜4を90%メタノール水溶液に5時間浸漬し、浸漬後の膨潤率を測定した。実施例30〜41に係る電解質膜4の膨潤率は表3に示す通りである。そして、実施例16〜29と同様の方法でメタノール透過量を測定した。その後、浸漬と乾燥のサイクル試験を実施した。詳細には室温で90%メタノール水溶液に5時間浸漬し、次に120℃で2時間乾燥のサイクルを20回繰り返した後、再びメタノール透過量を測定した。
試験後の実施例30〜41の各電解質膜4における破損の有無を第1電解質層41表面を目視および光学顕微鏡にて確認し、その結果を表3に示した。なお、表3において、「〇」は、サイクル試験後にメタノール透過量が増加していない、すなわち電解質膜に破損が生じていないことを意味する。また、表3において、「△」はメタノール透過量の増加が10%以下で電解質膜に微小なクラックが存在することを意味し、「×」はメタノール透過量の増加が20%以上となり電解質膜が破損したことを意味する。表3より、第1電解質層41の断面において、イオン伝導性セラミックスの面積(A1)に対する支持体の面積(A2)の割合(A2/A1)を9以下とすることにより電解質膜4の破損を抑制できることが分かった。また、電解質膜4の膨潤率を40%以下にすることにより、電解質膜4の破損をより防止できることが分かった。
Figure 0006963708


2 カソード
3 アノード
4 電解質膜
41 第1電解質層
411 イオン伝導性セラミックス
412 多孔質基材
414 バインダ
42 第2電解質層
100 燃料電池

Claims (13)

  1. 電気化学セルに用いられる電解質膜であって、
    イオン伝導性セラミックス、及び前記イオン伝導性セラミックスを支持する支持体、を有する第1電解質層と、
    前記イオン伝導性セラミックスと同じイオンを伝導種とするイオン伝導性高分子を有する第2電解質層と、
    を備える、電気化学セル用電解質膜。
  2. 前記第2電解質層は、前記第1電解質層よりも厚い、
    請求項1に記載の電気化学セル用電解質膜。
  3. 前記第1電解質層の厚さ(t1)に対する前記第2電解質層の厚さ(t2)の割合(t2/t1)は、1.5以上である、
    請求項2に記載の電気化学セル用電解質膜。
  4. 前記支持体は、絶縁性である、
    請求項1から3のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  5. 前記支持体は、多孔質基材である、
    請求項1から4のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  6. 前記支持体は、バインダである、
    請求項1から4のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  7. 前記支持体は、樹脂によって構成される、
    請求項1から6のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  8. 前記電解質膜の膨潤率は、40%以下である、
    請求項1から7のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  9. 前記第1電解質層の断面において、前記イオン伝導性セラミックスの面積(A1)に対する支持体の面積(A2)の割合(A2/A1)は、0.11以上9以下である、
    請求項1から8のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  10. 前記イオン伝導性セラミックス及び前記イオン伝導性高分子は、水酸化物イオン伝導性である、
    請求項1から9のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  11. 前記イオン伝導性セラミックスは、層状複水酸化物である、
    請求項1から10のいずれかに記載の電気化学セル用電解質膜。
  12. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置される、請求項1から11のいずれかに記載の電解質膜と、
    を備える、電気化学セル。
  13. 酸素を含む酸化剤が供給される第1電極と、
    メタノールが供給される第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置される、請求項1から11のいずれかに記載の電解質膜と、
    を備える、直接メタノール形燃料電池。

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