JP6670969B2 - 電気化学セル用電解質及び電気化学セル - Google Patents

電気化学セル用電解質及び電気化学セル Download PDF

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Description

本発明は、電気化学セル用電解質及び電気化学セルに関する。
従来、アルカリ形燃料電池、アルカリ形二次電池及び電解セルなどの電気化学セルでは、イオン伝導性を有するイオン伝導体が電解質として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−071948号公報
しかしながら、上述した電気化学セルでは、電解質がアルコール系有機溶媒(例えば、燃料)、アルカリ性電解液、或いは、水(又は、水蒸気)などに曝されるため、膨張による損傷が電解質に生じるおそれがある。
本発明は、損傷を抑制可能な電気化学セル用電解質、及び電解質の損傷を抑制可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学セル用電解質は、多孔質基材と、イオン伝導体とを備える。多孔質基材は、三次元網目構造を有し、連続孔を形成する。イオン伝導体は、連続孔内に配置される。イオン伝導体は、多孔質基材の厚み方向において順次配置される第1層、金属分布層、及び第2層を含む。第1層及び第2層のそれぞれは、イオン伝導性セラミックス成分によって構成される。金属分布層は、イオン伝導性セラミックス成分と、イオン伝導性セラミックス成分中に分散された金属成分とによって構成される。
本発明によれば、損傷を抑制可能な電気化学セル用電解質、及び電解質の損傷を抑制可能な電気化学セルを提供することができる。
固体アルカリ形燃料電池の構成を模式的に示す断面図 図1の部分拡大図
(固体アルカリ形燃料電池10)
以下、本発明に係る電気化学セル用電解質を適用した電気化学セルの一例として、水酸化物イオンをキャリアとするアルカリ形燃料電池(AFC)の一例である固体アルカリ形燃料電池10の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10の構成を示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池10は、カソード12、アノード14、及び電解質16を備える。固体アルカリ形燃料電池10は、下記の電気化学反応式に基づいて、比較的低温(例えば、50℃〜250℃)で発電する。ただし、下記の電気化学反応式では、燃料の一例としてメタノールが用いられている。
・カソード12: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード14: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
カソード12は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、カソード12には、酸化剤供給手段13を介して、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いるのが好ましく、空気は加湿されていることがより好ましい。カソード12は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。カソード12の気孔率は特に制限されない。カソード12の厚みは特に制限されないが、例えば10〜200μmとすることができる。
カソード12は、AFCに使用される公知の空気極触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード12における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.05〜10mg/cm、より好ましくは、0.05〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード12ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、白金コバルト担持カーボン(PtCo/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
カソード12の作製方法は特に限定されないが、例えば、カソード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を電解質16のカソード側表面16Sに塗布することにより形成することができる。
アノード14は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、アノード14には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。アノード14は、内部に燃料を拡散可能な多孔質体である。アノード14の気孔率は特に制限されない。アノード14の厚みは特に制限されないが、例えば10〜500μmとすることができる。
水素原子を含む燃料は、アノード14において水酸化物イオン(OH)と反応可能な燃料化合物を含んでいればよく、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。これらの燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため特に好適である。
燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば30〜99.9重量%であり、好ましくは66〜99.9重量%である。
また、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード14は、AFCに使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、この有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード14及びそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、白金ルテニウム担持カーボン(PtRu/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード14の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を電解質16のアノード側表面16Tに塗布することにより形成することができる。
電解質16は、カソード12とアノード14との間に配置される。電解質16は、カソード12及びアノード14のそれぞれに接続される。電解質16は、膜状、層状、或いは、シート状に形成される。
図2は、電解質16の断面を拡大して示す模式図である。電解質16は、多孔質基材20と、無機固体電解質体22とを有する。
多孔質基材20は、連続孔20aを形成する。連続孔20aは、多孔質基材20の表裏面に連なるように形成される。連続孔20aには、後述する無機固体電解質体22が含浸されている。
多孔質基材20は、三次元網目構造を有していてもよい。「三次元網目構造」とは、基材の構成物質が立体的かつ網目状に繋がった構造である。ただし、多孔質基材20は、三次元網目構造を有していなくてもよい。
多孔質基材20は、金属材料、セラミックス材料及び高分子材料から選択される少なくとも1種によって構成することができる。
多孔質基材20を構成する金属材料としては、ステンレス(Fe−Cr系合金、Fe−Ni−Cr系合金など)、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、又は、チタンなどを用いることができる。このような金属材料は、セラミックス材料や高分子材料に比べて熱伝導性が高いため、多孔質基材20の放熱効率を向上させることができるとともに、多孔質基材20内の温度分布を低減させることができる。
三次元網目構造を有する多孔質基材20としては、例えば、多孔質金属材料(例えば、発泡金属材料)によって構成されるセル状又はモノリス状の構造物、細線金属材料によって構成されるメッシュ状の塊や金属不織布などが挙げられる。
三次元網目構造を有さない多孔質基材20としては、金属材料によって構成される複数の線材を織り込むことによって形成されたメッシュ部材のほか、微細な複数のストレート孔が形成された金属薄板が挙げられる。メッシュ部材は、全体としてシート状に形成されていてもよい。線材の織り方は、平織り、綾織り、平畳織り、綾畳織り、或いは他の織り方であってもよい。多孔質基材20としてメッシュ部材を用いる場合、各線材の隙間(すなわち、目開き)が連続孔20aとなる。金属薄板のストレート孔は、例えばレーザー加工によって形成することができる。多孔質基材20として金属薄板を用いる場合、ストレート孔が連続孔20aとなる。
また、多孔質基材20が金属材料によって構成される場合、多孔質基材20の表面(連続孔20aの内表面を含む)には絶縁膜が形成されていてもよい。絶縁膜は、基材金属の不動態化処理によって形成される不動態膜であってもよいし、Cr、Al、ZrO、MgO、MgAlなどの酸化物によって構成される酸化物膜であってもよい。多孔質基材20をステンレスによって構成する場合、ステンレスを酸化処理することにより、絶縁膜としてのCr膜を簡便に形成することができる。ただし、本実施形態では、後述する第1及び第2膜状部22b,22cが、カソード12及びアノード14それぞれとの間で絶縁膜として機能するため、多孔質基材20の表面には、絶縁膜が形成されていなくてもよい。
多孔質基材20を構成するセラミックス材料としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、カルシア、コージェライト、ゼオライト、ムライト、酸化亜鉛、炭化ケイ素、及びこれらの任意の組合せが挙げられる。
多孔質基材20を構成する高分子材料としては、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂(四フッ素化樹脂:PTFE等)、セルロース、ナイロン、ポリエチレン、ポリイミド及びこれらの任意の組合せが挙げられる。多孔質基材20をフレキシブル性の高分子材料で構成する場合には、連続孔20aの体積を大きくしながら厚さを薄くしやすいため、水酸化物イオン伝導性を向上させることができる。高分子材料によって構成される多孔質基材20としては、リチウム電池用セパレータとして市販されているような微多孔膜を用いることができる。
多孔質基材20の厚さは特に制限されないが、例えば、200μm以下とすることができ、好ましくは100μm以下、より好ましくは75μm以下であり、50μm以下が最も好ましい。多孔質基材20の厚さの下限値は、用途に応じて適宜設定すればよいが、ある程度の堅さを確保するには10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。
多孔質基材20の断面における連続孔20aの平均内径は特に制限されない。多孔質基材20が金属材料によって構成される場合、連続孔20aの平均内径は、1〜1000μmとすることができ、好ましくは2〜500μm、より好ましくは5〜400μm、さらに好ましくは7〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。また、多孔質基材20がセラミックス材料又は高分子材料によって構成される場合、連続孔20aの平均内径は、例えば、0.001〜1.5μmとすることができ、好ましくは0.001〜1.25μm、より好ましくは0.001〜1.0μm、さらに好ましくは0.001〜0.75μm、特に好ましくは0.001〜0.5μmである。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材20に支持体としての強度を付与しつつ、無機固体電解質体22の緻密度を向上させることができる。連続孔20aの平均内径は、多孔質基材20の断面を電子顕微鏡で観察した場合に、観察画像上で無作為に選出した20箇所における連続孔20aの円相当径を算術平均することによって得られる。連続孔20aの円相当径とは、観察画像において、連続孔20aの断面積と同じ面積を有する円の直径である。なお、電子顕微鏡の倍率は、連続孔20aの断面サイズに応じて適宜設定すればよい。
連続孔20aの体積率は特に制限されないが、例えば、10〜60%とすることができ、好ましくは15〜55%、より好ましくは20〜50%である。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材20に支持体としての強度を確保しつつ、無機固体電解質体22の緻密度を向上させることができる。連続孔20aの体積率は、アルキメデス法により測定することができる。
また、図2では図示されていないが、多孔質基材20は、それ自体の内部に複数の細孔を有することが好ましい。複数の細孔は、多孔質基材20の内部において、互いに繋がっていてもよい。そして、各細孔は多孔質基材20の表面に開口する開気孔であって、各細孔には無機固体電解質体22が含浸していることがより好ましい。これによって、連続孔20a→多孔質基材20内の細孔→連続孔20aという短距離イオン伝導パスや、連続孔20a→多孔質基材20内の細孔→第2膜状部22c、或いは、第1膜状部22b→多孔質基材20内の細孔→第2膜状部22cという長距離イオン伝導パスを形成することができる。その結果、複合部22a内のイオン伝導可能領域が広がるため、電解質16全体としてのイオン伝導性を向上させることができる。
無機固体電解質体22は、水酸化物イオン伝導性を有する。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、無機固体電解質体22は、カソード12側からアノード14側に水酸化物イオン(OH)を伝導させる。無機固体電解質体22の水酸化物イオン伝導率は特に制限されないが、0.1mS/cm以上が好ましく、より好ましくは0.5mS/cm以上、さらに好ましくは1.0mS/cm以上である。無機固体電解質体22の水酸化物イオン伝導率は、高いほど好ましく、その上限値は特に制限されないが、例えば10mS/cmである。
無機固体電解質体22は、緻密であることが好ましい。アルキメデス法で算出される無機固体電解質体22の相対密度は特に制限されないが、90%以上が好ましく、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上である。無機固体電解質体22は、例えば水熱処理によって緻密化することができる。
本実施形態において、無機固体電解質体22は、複合部22a(「イオン伝導体」の一例)、第1膜状部22b、及び第2膜状部22cを有する。
複合部22aは、第1膜状部22bと第2膜状部22cとの間に配置される。複合部22aは、多孔質基材20の連続孔20a内に配置される。複合部22aは、連続孔20a内に含浸されており、多孔質基材20と一体化している。このように、無機固体電解質体22を多孔質基材20で支持することによって、無機固体電解質体22の強度を向上できるため、無機固体電解質体22を薄くすることができる。その結果、電解質16の低抵抗化を図ることができる。
本実施形態において、複合部22aは、多孔質基材20の連続孔20a内の略全域に広がっているが、無機固体電解質体22が第1膜状部22b及び第2膜状部22cの少なくとも一方を有さない場合、複合部22aは、多孔質基材20の一部にのみ含浸されていてもよい。
図2に示すように、複合部22aは、第1層a1、金属分布層a2、及び第2層a3を含む。第1層a1、金属分布層a2、及び第2層a3は、多孔質基材20の厚み方向において、カソード12側から順次配置される。第1層a1は、金属分布層a2のカソード12側に配置される。第2層a3は、金属分布層a2のアノード14側に配置される。金属分布層a2は、第1層a1及び第2層a3の間に挟まれ、厚み方向に垂直な面方向に沿って広がる。
第1層a1及び第2層a3のそれぞれは、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分によって構成される。水酸化物イオン伝導性セラミックス成分の詳細については後述する。
金属分布層a2は、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分と、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分中に分散された金属成分とによって構成される。すなわち、金属分布層a2は、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分と金属成分との混合層であり、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分全体が金属成分によって補強されているため、湿潤に伴う体積変化を低減させることができる。従って、固体アルカリ形燃料電池10の作動中、カソード12側からの水分の浸透によって、或いは、アノード14側からの燃料の浸透によって、金属分布層a2が膨張することを抑制できるため、電解質16全体の膨張を抑制することができる。その結果、カソード12と電解質16との界面、又は/及び、アノード14と電解質16との界面に応力が発生することを抑制できるため、電解質16が剥離したり、或いは、電解質16自体が変形したりすることを抑制できる。その結果、電解質16が損傷することを抑制できる。
金属成分は、多孔質基材20と水酸化物イオン伝導性セラミックス成分との隙間に配置されていてもよいし、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分の内部に配置されていてもよい。すなわち、金属成分は、多孔質基材20と水酸化物イオン伝導性セラミックス成分とによって挟まれていてもよいし、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分内に埋設されていてもよい。
このように、多孔質基材20と水酸化物イオン伝導性セラミックス成分との隙間を金属成分で埋めることによって、金属分布層a2の緻密度を向上させることができる。その結果、カソード12からアノード14への酸化剤の透過、及び、アノード14からカソード12への燃料の透過を抑制できるため、固体アルカリ形燃料電池10の起電力の低下が抑えられる。
また、固体アルカリ形燃料電池10を長期間運転するうちに複合部22a内の温度分布や乾湿分布に起因して複合部22aに微小なクラックが発生したとしても、金属分布層a2内に金属成分が配置されているため、当該クラックが進展することを抑制できる。特に、高分子材料又は金属材料によって多孔質基材20が構成される場合には、クラックの進展を更に抑制することができる。従って、カソード12からアノード14への酸化剤の透過、及び、アノード14からカソード12への燃料の透過を、長期間にわたって抑制することができる。
金属成分は、多孔質基材20と水酸化物イオン伝導性セラミックス成分との間に形成された空隙内に配置されていてもよい。この場合であっても、空隙内に金属成分が配置されていない場合に比べて、酸化剤及び燃料の透過を抑制することができる。
金属成分同士は、互いに離れていることが好ましいが、一部の金属成分は、互いに接触していてもよい。
金属成分は、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素、Cu、Ag、Au等の第11族元素から選択することができる。金属分布層a2を構成する金属成分は、電解質16中で安定して存在するものであればよい。
多孔質基材20の厚み方向において、金属分布層a2の厚みTH1は、多孔質基材20の厚みTH2の10分の1以下であることが好ましい。このように金属分布層a2を薄くすることによって、電解質16が電子伝導性を発現することを抑制できる。金属分布層a2の厚みTH1は特に制限されないが、例えば10μm以下とすることができ、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。
金属分布層a2は、厚み方向における多孔質基材20の中央よりもカソード12側に配置されることが好ましい。すなわち、金属分布層a2は、カソード12の近くに位置することが好ましい。これにより、ガス遮断性と耐久性とを両立させることができる。
金属分布層a2の断面における金属成分の平均円相当径は特に制限されないが、例えば0.01〜1μmとすることができる。金属成分の平均円相当径は、0.5μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。これによって、ガス遮断性と耐久性とを両立させることができる。金属成分の平均円相当径とは、金属分布層a2の断面を電子顕微鏡で観察した画像上で無作為に選出した100個の金属成分の円相当径を算術平均することによって得られる。金属成分の円相当径とは、電子顕微鏡の断面画像において、金属成分の断面積と同じ面積を有する円の直径である。なお、100個の金属成分は、複数の視野から選出してもよい。電子顕微鏡の倍率は、金属成分の断面サイズに応じて適宜設定すればよい。
なお、本実施形態では、図2に示すように、金属分布層a2が、複合部22aのうち面方向の全域にわたって連続的に配置されることとしたが、面方向の全域にわたって断続的に配置されていてもよい。また、金属分布層a2が、複合部22aのうち面方向の一部にのみ配置されていてもよい。この場合、金属分布層a2の存在しない領域では、第1層a1と第2層a3とが直接的に連なることになる。
第1膜状部22bは、複合部22aのうち第1層a1のカソード12側に配置される。第1膜状部22bは、複合部22aの第1層a1と一体的に形成される。第1膜状部22bは、膜状に形成される。第1膜状部22bは、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分によって構成される。
第2膜状部22cは、複合部22aのうち第2層a3のアノード14側に配置される。第2膜状部22cは、複合部22aの第2層a3と一体的に形成される。第2膜状部22cは、膜状に形成される。第2膜状部22cは、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分によって構成される。
第1膜状部22b及び第2膜状部22cそれぞれの厚さは特に制限されないが、例えば、10μm以下とすることができ、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下である。第1膜状部22b及び第2膜状部22cそれぞれは、一様な平面状に形成されていてもよいし、縞状など所望の平面形状にパターン化されていてもよい。
次に、複合部22a、第1膜状部22b、及び第2膜状部22cが含有する水酸化物イオン伝導性セラミックス成分について説明する。
水酸化物イオン伝導性セラミックス成分としては、水酸化物イオン伝導性を有する周知のセラミックスを用いることができるが、以下に説明する層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)が特に好適である。
LDHは、M2+ 1−x3+ (OH)n−x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4、mは水のモル数を意味する任意の整数である)の一般式で示される基本組成を有する。M2+の例としてはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、及びZn2+が挙げられ、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Ti3+、Y3+、Ce3+、Mo3+、及びCr3+が挙げられ、Anの例としてはCO 2−及びOHが挙げられる。M2+及びM3+としては、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
LDHは、複数の水酸化物基本層と、これら複数の水酸化物基本層間に介在する中間層とから構成される。水酸化物基本層は、例えば金属MがNi、Al、Tiの場合には、Ni、Al、Ti及びOH基を含む。以下、LDHの水酸化物基本層がNi、Al、Ti及びOH基を含む場合について説明する。
LDH中のNiはニッケルイオンの形態を採りうる。LDH中のニッケルイオンは典型的にはNi2+であると考えられるが、Ni3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のAlはアルミニウムイオンの形態を採りうる。LDH中のアルミニウムイオンは典型的にはAl3+であると考えられるが、他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のTiはチタンイオンの形態を採りうる。LDH中のチタンイオンは典型的にはTi4+であると考えられるが、Ti3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。水酸化物基本層は、Ni、Al、Ti及びOH基を主要構成要素として含むのが好ましいが、他の元素ないしイオンを含んでいてもよいし、不可避不純物を含んでいてもよい。不可避不純物は、製法上不可避的に混入されうる任意元素であり、例えば原料や基材に由来してLDH中に混入しうる。
LDHの中間層は、陰イオン及びHOで構成される。陰イオンは1価以上の陰イオン、好ましくは1価又は2価のイオンである。好ましくは、LDH中の陰イオンはOH及び/又はCO 2−を含む。
上記のとおり、Ni、Al及びTiの価数は必ずしも定かではないため、LDHを一般式で厳密に特定することは非実際的又は不可能である。仮に水酸化物基本層が主としてNi2+、Al3+、Ti4+及びOH基で構成されるものと想定した場合、LDHは、一般式:Ni2+ 1−x−yAl3+ Ti4+ (OH)n− (x+2y)/n・mHO(式中、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、好ましくは1又は2であり、0<x<1、好ましくは0.01≦x≦0.5、0<y<1、好ましくは0.01≦y≦0.5、0<x+y<1、mは0以上、典型的には0を超える又は1以上の実数である)なる基本組成で表すことができる。もっとも、上記一般式はあくまで「基本組成」と解されるべきであり、Ni2+、Al3+、Ti4+等の元素がLDHの基本的特性を損なわない程度に他の元素又はイオン(同じ元素の他の価数の元素又はイオンや製法上不可避的に混入されうる元素又はイオンを含む)で置き換え可能なものとして解されるべきである。
(電解質16の製造方法)
次に、電解質16の製造方法について説明する。
まず、多孔質基材20を用意する。
次に、アルミナ及びチタニアの混合ゾルを調製し、この混合ゾルを多孔質基材20の連続孔20aのうち複合部22aの第1層a1を形成する領域に浸透させる。
次に、混合ゾルが浸透した多孔質基材20を熱処理(大気雰囲気、50〜150度、1〜30分)することによって、連続孔20aのうち複合部22aの第1層a1を形成する領域にアルミナ・チタニア層を形成する。
次に、ニッケルイオン(Ni2+)及び尿素を含む原料水溶液に多孔質基材20を浸漬させ、原料水溶液中で多孔質基材20を水熱処理する。この際、水熱処理条件(100〜150度、10〜100時間)を適宜調整することによって、複合部22aの第1層a1が形成されるとともに、第1層a1に連なる第1膜状部22bが形成される。
次に、溶融した金属含有溶液(例えば、テトラアンミン白金水酸化物水溶液[Pt(NH](OH)など)を多孔質基材20のアノード14側から浸潤させることによって、溶融した金属イオンを複合部22aの第1層a1上に溜める。その後、多孔質基材20を挟むように電極(例えば、白金箔を表面処理し白金黒化したもの)を取り付けて電流を流すことで金属成分が第1層a1上に電解析出して固化する。
次に、アルミナ及びチタニアの混合ゾルを調製し、この混合ゾルを多孔質基材20の連続孔20aのうち複合部22aの第2層a3を形成する領域に浸透させる。
次に、混合ゾルが浸透した多孔質基材20を熱処理(大気雰囲気、50〜150度、1〜30分)することによって、連続孔20aのうち複合部22aの第2層a3を形成する領域にアルミナ・チタニア層を形成する。
次に、ニッケルイオン(Ni2+)及び尿素を含む原料水溶液に多孔質基材20を浸漬させ、原料水溶液中で多孔質基材20を水熱処理する。この際、水熱処理条件(100〜150度、10〜100時間)を適宜調整することによって、複合部22aの金属分布層a2及び第2層a3が形成されるとともに、第2層a3に連なる第2膜状部22cが形成されて、電解質16が完成する。
なお、本実施形態では、アルカリ性の金属含有溶液を用いたが、電解質16がカチオン交換膜であれば酸性の金属含有溶液(例えば、塩化白金酸塩酸溶液HPtCl)を用いてもよい。
また、金属成分を析出させるために電解析出処理を用いたが、電解質16の絶縁性を確保できる限り、この限りではない。
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、無機固体電解質体22は、複合部22a、第1膜状部22b、及び第2膜状部22cを有することとしたが、少なくとも複合部22aを有していればよい。すなわち、無機固体電解質体22は、第1膜状部22b及び第2膜状部22cの一方を備えていなくてよい。
無機固体電解質体22が第1膜状部22bを備えていない場合、複合部22aは、多孔質基材20の連続孔20aの全体に含浸されていてもよいし、多孔質基材20の連続孔20aのうちカソード12側の領域にのみ含浸されていてもよい。多孔質基材20の連続孔20aのうちカソード12側の領域にのみ複合部22aが含浸される場合、連続孔20aの空隙領域にはアノード14の少なくとも一部を配置すればよい。連続孔20aの空隙領域に配置されるアノード14は、連続孔20aに充填されていてもよいし、連続孔20aの内表面を覆うように膜状に形成されていてもよい。
無機固体電解質体22が第2膜状部22cを備えていない場合、複合部22aは、多孔質基材20の連続孔20aの全体に含浸されていてもよいし、多孔質基材20の連続孔20aのうちアノード14側の領域にのみ含浸されていてもよい。多孔質基材20の連続孔20aのうちアノード14側の領域にのみ複合部22aが含浸される場合、連続孔20aの空隙領域にはカソード12の少なくとも一部を配置すればよい。連続孔20aの空隙領域に配置されるカソード12は、連続孔20aに充填されていてもよいし、連続孔20aの内表面を覆うように膜状に形成されていてもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、複合部22aは、金属分布層a2を1層だけ有することとしたが、金属分布層a2とは異なる他の金属分布層をさらに有していてもよい。他の金属分布層は、上記実施形態に係る金属分布層a2から厚み方向に離れた位置において面方向に広がる。他の金属分布層は、金属分布層a2とは異なる金属成分を含有していてもよい。このように、金属分布層を多層的に配置することによって、電解質16全体の膨張を更に抑制することができる。
[変形例3]
上記実施形態では、本発明に係る電気化学セル用電解質を適用した電気化学セルの一例として、水酸化物イオンをキャリアとするアルカリ形燃料電池について説明したが、本発明に係る電気化学セル用電解質は、種々の電気化学セルに適用可能である。電気化学セルとしては、例えば、プロトンをキャリアとする燃料電池、二次電池(ニッケル亜鉛二次電池、亜鉛空気二次電池など)、水蒸気から水素と酸素を生成する電解セルなどに適用することができる。電気化学セルがプロトンをキャリアとする場合、複合部22a、第1膜状部22b、及び第2膜状部22cは、水酸化物イオン伝導性セラミックス成分に代えて、プロトン伝導性セラミックス成分を含有していればよい。なお、電気化学セルとは、化学エネルギーを電気エネルギーに変えるための装置と、電気エネルギーを化学エネルギーに変えるための装置であって、全体的な酸化還元反応から起電力が生じるように一対の電極が配置されたものの総称である。
[変形例4]
上記実施形態では、水熱処理によって作製した第1層a1上に金属成分を電解析出させた後、水熱処理によって第2層a3を作製することによって、第1層a1、第2膜状部22c及び第2層a3を有する複合部22aを形成することとしたが、これに限られない。
例えば、複合部22aは、以下のように形成することができる。まず、バインダー材料(例えば、ポリフッ化ビニリデン粉末などの高分子バインダー材料)と水酸化物イオン伝導性を有するセラミックス材料(例えば、LDH粉末など)とを混合したペーストを印刷法でシート化することによって第1層a1の成形体を作製する。次に、金属成分(第8〜11族元素)とバインダー材料と水酸化物イオン伝導性を有するセラミックス材料とを混合したペーストを第1層a1の成形体上に印刷することによって金属分布層a2の成形体を作製する。次に、バインダー材料と水酸化物イオン伝導性を有するセラミックス材料とを混合したペーストを金属分布層a2の成形体上に印刷することによって第2層a3の成形体を作製する。そして、各成形体の積層体に熱処理又はホットプレス処理を施すことによって、複合部22aが形成される。この場合、熱処理によって固化したバインダー材料によって多孔質基材20が構成され、セラミックス粒子によって複合部22a(「イオン伝導体」の一例)が構成される。
このように作製された複合部22aにおいても、内部に金属分布層a2が配置されているため、水分又は燃料の浸透によって電解質16が膨張することを抑制できる。その結果、電解質16が損傷することを抑制できる。また、簡便に電解質16の緻密度を向上させることができるため、カソード12からアノード14への酸化剤の透過、及び、アノード14からカソード12への燃料の透過を抑制できる。さらに、複合部22aに微小なクラックが発生したとしても、金属分布層a2内に金属成分が配置されているため、当該クラックが進展することを抑制できる。特に、高分子バインダー材料によって多孔質基材20が構成される場合には、上記クラックの進展を更に抑制することができる。その結果、カソード12からアノード14への酸化剤の透過、及び、アノード14からカソード12への燃料の透過を、長期間にわたって抑制できる。
10 固体アルカリ形燃料電池
12 カソード
14 アノード
16 電解質
16S カソード側表面
16T アノード側表面
20 多孔質基材
22 無機固体電解質体
22a 複合部
a1 第1層
a2 金属分布層
a3 第2層
22b 第1膜状部
22c 第2膜状部

Claims (7)

  1. 三次元網目構造を有し、連続孔を形成する多孔質基材と、
    前記連続孔内に配置されるイオン伝導体と、
    を備え、
    前記イオン伝導体は、前記多孔質基材の厚み方向において順次配置される第1層、金属分布層、及び第2層を含み、
    前記第1層及び第2層のそれぞれは、イオン伝導性セラミックス成分によって構成され、
    前記金属分布層は、イオン伝導性セラミックス成分と、前記多孔質基材と前記イオン伝導性セラミックス成分との隙間、又は、前記イオン伝導性セラミックス成分の内部に配置される金属成分とによって構成される、
    電気化学セル用電解質。
  2. 前記厚み方向において、前記金属分布層の厚みは、前記多孔質基材の厚みの10分の1以下である、
    請求項1に記載の電気化学セル用電解質。
  3. 前記金属成分は、Ptである、
    請求項1又は2に記載の電気化学セル用電解質。
  4. 連続孔を形成する多孔質基材と、
    前記連続孔内に配置されるイオン伝導体と、
    を備え、
    前記イオン伝導体は、前記多孔質基材の厚み方向において順次配置される第1層、金属分布層、及び第2層を含み、
    前記第1層及び第2層のそれぞれは、イオン伝導性セラミックス成分によって構成され、
    前記金属分布層は、イオン伝導性セラミックス成分と、前記多孔質基材と前記イオン伝導性セラミックス成分との隙間、又は、前記イオン伝導性セラミックス成分の内部に配置される金属成分とによって構成される、
    電気化学セル用電解質。
  5. 前記厚み方向において、前記金属分布層の厚みは、前記多孔質基材の厚みの10分の1以下である、
    請求項に記載の電気化学セル用電解質。
  6. 前記金属成分は、Ptである、
    請求項又はに記載の電気化学セル用電解質。
  7. 酸化剤が供給されるカソードと、
    燃料が供給されるアノードと、
    前記カソードと前記アノードとの間に配置される請求項1乃至のいずれかに記載の電気化学セル用電解質と、
    を備える電気化学セル。
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