JP7286703B2 - 固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シート - Google Patents

固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シート Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シートに関する。
近年、自動車、パソコン、携帯電話等の大小さまざまな電気・電子機器の普及により、高容量、高出力の電池の需要が急速に拡大している。例えば、固体電解質材料を備える固体電池は、従来の電解質として有機電解液を備える電池と比較して、電解質が不燃性であるために安全性が向上する点や、より高いエネルギー密度を有する点において優れており、現在注目を集めている(例えば、特許文献1参照)。
固体電池は、正極層と、固体電解質層と、負極層と、が積層された積層体により構成される。固体電解質層は、イオンを伝導する機能と、負極活物質層と正極活物質層との間の短絡を防ぐセパレータの機能を有する。
ここで、体積エネルギー密度の向上及び抵抗低減を目的として、固体電解質層の層厚を薄くしながらピンホールの形成とそれによる短絡を抑止するため、2層構造の固体電解質層を同一の固体電解質を用いて製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、不織布等の三次元構造材を支持体として用いた固体電解質層の一般的な製造方法の一例として、剥離可能な基材上に多孔質の支持体を載置し、支持体の上から固体電解質を含むスラリーを塗工した後、剥離可能な基材を剥離することにより固体電解質層を製造する方法がある。
特開2014-026747号公報 特許5930035号広報
しかしながら、従来の固体電解質層の製造においては、下記の複数の課題がある。
まず、剥離可能な基材上に支持体として三次元構造体を用いて製造した固体電解質シートにおいては、基材側の面の表面近傍に支持体が存在する。そのため、基材が剥離された基材側の面と電極層とを結着接合した場合には、この面と電極層との結着面において界面剥離が起こりやすい。また、結着面近傍に支持体が存在することで、リチウムイオンの挿入脱離が阻害されるため内部抵抗の増加が発生し、電池出力性能が低下する。さらには、結着面近傍に支持体が存在することで短絡が発生するおそれもある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、固体電解質層から電極へのスムーズなリチウムイオンの挿入脱離が行われることで電池出力性能を向上できるとともに、固体電解質層と電極層の間の結着性を向上することで固体電解質層と電極層間の界面剥離や短絡を抑制できる固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シートを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、固体電解質が充填された固体電解質シートの製造方法であって、固体電解質を含むスラリーを基材上に塗工する第1工程と、前記基材上の前記スラリーを乾燥させることにより、固体電解質層を形成する第2工程と、前記固体電解質層の上面に、シート状の三次元構造体を積層する第3工程と、前記三次元構造体の内部及び上部に、固体電解質を含むスラリーを塗工する第4工程と、前記三次元構造体の内部及び上部のスラリーを乾燥させることにより、固体電解質が充填された固体電解質シートを得る第5工程と、を備える、固体電解質シートの製造方法を提供する。
(2) (1)の固体電解質シートの製造方法において、前記三次元構造体が不織布であってもよい。
(3) また本発明は、固体電解質が充填された固体電解質シートであって、厚み方向の中央に配置され、内部に固体電解質が充填されたシート状の三次元構造体と、前記三次元構造体の表面及び裏面をそれぞれ覆うように形成された固体電解質層と、を備える、固体電解質シートを提供する。
(4) (3)の固体電解質シートにおいて、前記三次元構造体が不織布であってもよい。
本発明によれば、固体電解質層から電極へのスムーズなリチウムイオンの挿入脱離が行われることで電池出力性能を向上できるとともに、固体電解質層と電極層の間の結着性を向上することで固体電解質層と電極層間の界面剥離や短絡を抑制できる固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シートを提供できる。
本発明の一実施形態に係る固体電解質シートの製造方法を示す図である。 従来の固体電解質シートの製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る固体電解質シートと従来の固体電解質シートを比較して示す断面図である。 実施例に係る固体電解質シートの断面SEM画像図である。 比較例に係る固体電解質シートの断面SEM画像図である。 実施例及び比較例における固体電解質シートの厚みと直流抵抗値との関係を示す図である。 実施例及び比較例における固体電解質シートの厚みと電池容量との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<固体電解質シートの製造方法>
図1は、本発明の一実施形態に係る固体電解質シートの製造方法を示す図である。図1に示されるように、本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法は、固体電解質を含むスラリーを基材上に塗工する第1工程と、基材上のスラリーを乾燥させることにより、固体電解質層を形成する第2工程と、固体電解質層の上面に、シート状の三次元構造体を積層する第3工程と、三次元構造体の内部及び上部に、固体電解質を含むスラリーを塗工する第4工程と、三次元構造体の内部及び上部のスラリーを乾燥させることにより、固体電解質が充填された固体電解質シートを得る第5工程と、を備える。
本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法は、上記第1工程から第5工程に至る工程を備えることで、固体電解質のスラリーを三次元構造体に含浸させてなる固体電解質を充填するシート材を製造する。
[第1工程]
第1工程は、固体電解質を含むスラリーを基材上に塗工する工程である(図1の(a)参照)。本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法においては、剥離可能な基材上に固体電解質を含むスラリーを塗工する。固体電解質を含むスラリーの塗工方法については、公知の方法を採用することができる。例えば、ブレードコーティング法、吹き付け法、スパッタリング法などを挙げることができる。
固体電解質を含むスラリーの塗工厚は、プレス後の固体電解質シートの厚みの2.0~4.5倍であることが好ましい。
本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法に用いられる基材としては、固体電解質層に対して良好な剥離性能を有する基材であることが好ましい。また、固体電解質層に対して良好な剥離性能を有する基材は、第2工程及び第4工程で行われる固体電解質を含むスラリーの乾燥工程において、熱による変形や破損を起こさない程度の耐熱性を有する基材であることが好ましい。
固体電解質を含むスラリーは、特に限定されるものではなく、正極と負極との間でリチウムイオン伝導が可能な固体電解質を少なくとも含むスラリーであればよい。例えば、そのような固体電解質としては、酸化物系電解質や硫化物系電解質が挙げられる。また、必要に応じて、固体電解質を含むスラリーにはバインダー等のその他の成分を添加してもよい。なお、固体電解質を含むスラリーに、さらに、電極活物質を添加した場合においては、電極層の製造方法に適用することができる。
固体電解質を含むスラリーは、リチウム元素を含むことが好ましい。固体電解質がリチウム元素を含むことにより、リチウムイオン伝導性を高めることができる。
具体的には、固体電解質は、少なくとも硫化リチウムを含み、第2の成分として、硫化ケイ素、硫化リンおよび硫化ホウ素からなる群より選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む物質であることが好ましく、特に、LiS-Pが好ましい。このような硫化物系の固体電解質は、リチウムイオン伝導性が他の無機化合物より高いことが知られており、LiS-Pの他に、SiS、GeS、B等の硫化物を含んでいてもよい。また、固体電解質には、適宜、LiPOやハロゲン、ハロゲン化合物等が添加されていてもよい。
固体電解質としては、無機化合物からなるリチウムイオン伝導体を無機固体電解質として含有するものであってもよい。リチウムイオン伝導体としては、例えば、LiN、LISICON、LIPON(Li3+yPO4-x)、Thio-LISICON(Li3.25Ge0.250.75)、LiO-Al-TiO-P(LATP)が挙げられる。
固体電解質は、非晶質、ガラス状、結晶(結晶化ガラス)等のいずれの構造であってもよい。固体電解質がLiS-Pからなる硫化物系固体電解質である場合には、非晶質体のリチウムイオン伝導度は、10-4Scm-1である。一方、結晶質体のリチウムイオン伝導度は、10-3Scm-1である。
本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法に用いられる固体電解質は、リンおよび/または硫黄を含むことが好ましい。固体電解質がさらに、リンおよび/または硫黄を含むことにより、得られる固体電解質シートのイオン伝導度を向上させることができる。
[第2工程]
第2工程は、基材上に塗工した固体電解質を含むスラリーを、乾燥装置を用いて乾燥させることで、固体電解質層を形成する工程である(図1の(b)参照)。
基材上に塗工した固体電解質を含むスラリーを乾燥させることで、固体電解質層を形成する方法としては、薄膜状に塗工した固体電解質を含むスラリーの形状が加温時に崩れない乾燥方法であればよく、公知の方法を採用することができる。例えば、ホットプレート上に基材及び基材上に塗工した固体電解質を含むスラリーを載置した状態で加温して固体電解質を含むスラリーを乾燥する方法や、ホットプレートに代えて電気炉その他公知の乾燥装置を用いる方法などが挙げられる。
[第3工程]
第3工程は、第2工程で形成した固体電解質層の上面に、三次元構造体を積層する工程である(図1の(c)参照)。三次元構造体を固体電解質層の上面に積層する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、三次元構造体を固体電解質層の上面に単に載置する方法が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法において用いられる三次元構造体は、メッシュ、織布、不織布、エンボス体、パンチング体、エキスパンド、発泡体などが例示され、不織布であることが好ましい。三次元構造体が不織布であれば、本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法において、三次元構造体に固体電解質スラリーを急速に含浸できるので、含浸に係る製造コストを低減しやすくなる。
三次元構造体の材料は、特に限定されるものではなく、自立性を有する固体電解質シートを構成できるシート材であればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、アラミド、Al、ガラス、金属等が挙げられる。このとき、三次元構造体の材料にポリエチレンテレフタレート、ナイロン、アラミド、Al、ガラスなど非導電材料を用いた場合においては、固体電解質シートの製造方法に適用することができる。また、三次元構造体の材料に金属材料等の導電材料を用いた場合においては、電極層の製造方法に適用することができる。
三次元構造体の空隙率は、60~95%の範囲であることが好ましい。空隙率は、70~90%であることがさらに好ましく、80~90%であることが特に好ましい。
三次元構造体の厚みは、5~30μmの範囲であることが好ましい。三次元構造体の厚みは、5~20μmであることがさらに好ましく、10~20μmであることが特に好ましい。5μm未満の場合には、電池を形成した際に電極間の短絡を生じるおそれがあり、一方で、30μmを越える場合には、三次元構造体への固体電解質スラリーの塗工が困難でなるため、エネルギー密度の高い固体電解質シートの実現が困難となる。
[第4工程]
第4工程は、三次元構造体の内部及び上部に固体電解質を含むスラリーを塗工する工程である(図1の(d)参照)。三次元構造体の上面から固体電解質を含むスラリーを塗工する。三次元構造体の内部全体への塗工とともに、三次元構造体の上部にも固体電解質を含むスラリーを塗工する。固体電解質を含むスラリーを三次元構造体の上面から塗工する方法としては、第2工程で用いた方法を採用できる。
第4工程においては、三次元構造体が固体電解質シートの厚み方向略中央部に設けられるように固体電解質を含むスラリーを塗工することが好ましい。三次元構造体が固体電解質シートの厚み方向略中央部に設けられるように固体電解質を含むスラリーを塗工することで、三次元構造体が固体電解質シート材の表面に露出しなくなるので、第5工程を経て形成される固体電解質シートを用いて電池を作製した際に生じうる、固体電解質シートと電極層間の界面剥離を抑止することができる。また、電池を作製した際に生じる、三次元構造体によるリチウムイオンの移動及び挿入脱離の阻害を抑制することができる。
固体電解質を含むスラリーの塗工厚は、乾燥してできあがった時の固体電解質シートの厚み方向の略中央部に三次元構造体が設けられる厚みであることが好ましい。より具体的には、第4工程で塗工した際の固体電解質を含むスラリーの塗工厚全体から三次元構造体の厚みを引いた時の厚みが、第2工程で塗工した際の固体電解質を含むスラリーの塗工厚であることが好ましい。
[第5工程]
第5工程は、三次元構造体の内部及び上部の固体電解質を含むスラリーを乾燥させて、固体電解質層の内部に三次元構造体を有する固体電解質シートを形成する工程である(図1の(e)及び図1の(f)参照)。乾燥方法については、本実施形態の第2工程と同様の方法を採用することができる。
乾燥処理後に得られる固体電解質シートの厚みは、好ましくは、プレス後の固体電解質シートの厚みの1.5~2.5倍である。
また、第5工程で乾燥させた後得られる固体電解質シートについて、剥離可能な基材は、電池用部材として固体電池の製造に用いるまでの間、剥離してもしなくてもよい。また、固体電解質シートをプレスした後、正極層、固体電解質シート、負極層の順に積層し加圧することにより固体電池を製造することができる。正極層、固体電解質シート、負極層の順に積層しプレスすることによっても、固体電池を製造することができる。
なお、本発明の固体電解質シートの製造方法においては、上述の固体電解質シートの製造方法に適用できるほか、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更、又は削除することにより、電極層などの固体電解質を含むシート材料の製造方法にも適用することができる。
<固体電解質シート>
本発明の一実施形態に係る固体電解質シートは、厚み方向の中央に配置され、内部に固体電解質が充填されたシート状の三次元構造体と、三次元構造体の表面及び裏面をそれぞれ覆うように形成された固体電解質層と、を備える。より詳しくは、本実施形態に係る固体電解質シートは、上述の本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法により製造される固体電解質シートである。固体電解質層及び三次元構造体については、上述の固体電解質シートの製造方法で使用できる電極材料を好ましく用いることができる。
図3は、本実施形態に係る固体電解質シートと従来の固体電解質シートを比較して示す断面図である。図3の(a)が本実施形態に係る固体電解質シートであり、図3の(b)が従来の固体電解質シートである。図3の(b)に示されるように、従来の固体電解質シート100では、例えば不織布等の三次元構造体50が負極層120側近傍に存在するため、正極層110から負極層120へ移動するリチウムイオンが、負極層120近傍で三次元構造体によって阻害され、その移動速度が遅くなる。その結果、電極へのリチウムイオンの挿入脱離が阻害されて内部抵抗が増加し、電池の出力性能が低下する。
これに対して、図3の(a)に示されるように、本実施形態に係る固体電解質シート10では、例えば不織布等の三次元構造体5がその厚み方向の略中央に配置される。そのため、正極層11から負極層12へ移動するリチウムイオンが、厚み方向の略中央において三次元構造体5に沿って移動できるため、その移動が大きく阻害されることがなく、移動速度も大きく低下することがない。その結果、従来と比べて電極へのリチウムイオンの挿入脱離がスムーズに行われる結果、電池の出力性能が向上している。
従って、本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法及び固体電解質シートによれば、固体電解質層から電極へのスムーズなリチウムイオンの挿入脱離が行われることで電池出力性能を向上できるとともに、固体電解質層と電極層の間の結着性を向上することで固体電解質層と電極層間の界面剥離や短絡を抑制できる。
本実施形態の固体電解質シートは、プレスすることで固体電解質層として固体電池に適用することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明の実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例>
[固体電解質シートの作製]
固体電解質と溶媒とを混合することで固体電解質のスラリーを調製した。固体電解質のスラリーを剥離可能な基材上に塗布した後、ホットプレート上で乾燥することにより、基材上に固体電解質層を形成した。次いで、固体電解質層の上面に三次元構造体としての不織布を戴置した後、三次元構造体の上部から固体電解質のスラリーを再度塗布した。その後、再度ホットプレート上で乾燥し、基材を剥離した後プレスすることにより、実施例に係る固体電解質シートを得た。実施例の固体電解質シートは、固体電解質スラリーの塗工厚を変えて複数個作製し、下記評価試験に用いた。
[固体電池の作製]
正極活物質としてNCMを含む正極層、上記の固体電解質シート、負極活物質としてグラファイトを含む負極層の順に積層した後、プレスすることで、評価用の固体電池を作製した。評価用の固体電池を用いて、下記評価試験を行った。
<比較例>
剥離可能な基材上に、実施例で用いた三次元構造体としての不織布を載置し、不織布の上から実施例1と同様に調製した固体電解質を含むスラリーを塗工した。次いで、ホットプレートで乾燥させた後、剥離可能な基材を剥離した後プレスすることにより、比較例に係る固体電解質シートを得た。得られた固体電解質シートを用いて、実施例と同様の手順で評価用の固体電池を作製した。比較例の固体電解質シートも、固体電解質スラリーの塗工厚を変えて複数個作成し、下記評価試験に用いた。
[断面SEM観察]
得られた実施例及び比較例の固体電解質シートについて断面SEM観察を実施した。
図4は、実施例に係る固体電解質シートの断面SEM画像図である。図4に示されるように、実施例に係る固体電解質シートでは、三次元構造体としての不織布がその厚み方向の略中央に配置されていることが確認された。一方、図5は、比較例に係る固体電解質シートの断面SEM画像図である。図5に示されるように、比較例に係る固体電解質シートでは、三次元構造体としての不織布が一方の表面近傍に配置されていることが確認された。
[直流抵抗測定試験]
上記で得た評価用電池について、直流抵抗測定試験を行った。上記で作製した評価用電池を充電率(SOC)50%の状態として定電流放電を行い、10秒目の直流抵抗を測定した。
結果を図6に示す。
図6は、実施例及び比較例における固体電解質(SE)シートのプレス後厚みと直流抵抗値との関係を示す図である。なお、図6においては、縦軸について、本試験で得られた直流抵抗の値のうち最大であるものを1として、各測定値を相対値化して表示している。
図6に示されるように実施例に係る固体電解質シートを用いた固体電池は、固体電解質シートの厚みにかかわらず、比較例に係る固体電解質シートを用いた固体電池よりも直流抵抗が低いことが確認された。この結果から、比較例に係る固体電解質シートと比べて、実施例に係る固体電解質シートの方が電池の出力性能が向上していることが確認された。
[短絡抑止効果評価試験]
上記で得た評価用電池について、短絡効果防止評価試験を行った。
評価用電池を充電率(SOC)20%の状態として評価用電池に電流を流していない状態で10日間静置した後、開回路電圧を測定した。
固体電池の正極と負極の端子間の電圧が、0.000Vであるときを、短絡有りとした。
結果を図7に示す。
図7は、実施例及び比較例における固体電解質(SE)シートのプレス後厚みと電池容量との関係を示す図である。なお、図7においては、縦軸について、本試験で得られた電池容量の値のうち最大であるものを1として、各測定値を相対値化して表示している。
図7に示されるように比較例に係る固体電解質シートを用いた固体電池では、固体電解質層の厚みが薄くなると短絡することが確認された。これに対して実施例に係る固体電解質シートを用いた固体電池によれば、固体電解質シートの厚みにかかわらず短絡することなく高い電池容量の固体電池が得られることが確認された。
1 基材
2、20 固体電解質のスラリー
3 ブレード
4 乾燥装置
5、50 三次元構造体
6 固体電解質層
10 固体電解質シート

Claims (2)

  1. 固体電解質が充填された固体電解質シートの製造方法であって、
    固体電解質を含むスラリーを基材上に塗工する第1工程と、
    前記基材上の前記スラリーを乾燥させることにより、固体電解質層を形成する第2工程と、
    前記固体電解質層の上面に、シート状の三次元構造体を積層する第3工程と、
    前記三次元構造体の内部及び上部に、固体電解質を含むスラリーを塗工する第4工程と、
    前記三次元構造体の内部及び上部のスラリーを乾燥させることにより、固体電解質が充填された固体電解質シートを得る第5工程と、を備える、固体電解質シートの製造方法。
  2. 前記三次元構造体は、不織布である、請求項1に記載の固体電解質シートの製造方法。
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