JP4018500B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に関する。具体的には、本発明は、携帯電話などの電子機器に搭載可能な燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、PDA、ノートパソコンなどの携帯電子機器では、機器全体の小型軽量化や駆動可能時間の長時間化を図るため、駆動電源やメモリ保持電源として、従来のニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池に代えてリチウムイオン二次電池が採用される場合が多い。リチウムイオン二次電池は、ニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池と比較すると、軽量で、高い駆動電圧および電池容量が得られるという特長を有する。一方、近年の高度情報通信網の普及により、携帯電子機器における情報通信機能は強化され、機器のオペレーション時間は増加する傾向にある。そのため、携帯電子機器用途の電池に対しては、更なる高容量化の要求が高まっている。リチウムイオン二次電池は、携帯電子機器の進歩に伴って性能向上が図られてきたが、材料の観点からも構造の観点からも、性能の向上はほぼ限界に達しており、近年の更なる高容量化の要求に対応できなくなりつつある。
【0003】
このような状況のもと、リチウムイオン二次電池に代わる新たな電池として、リチウムイオン二次電池の数倍の高容量化が期待される燃料電池が注目を集めている。燃料電池は、触媒を含むアノード電極(負極)およびカソード電極(正極)と、これらの間において所定のイオンの移動を許容する電解質とからなる構造を有する。燃料電池においては、アノード電極に燃料ないし水素を供給するとともにカソード電極に空気ないし酸素を供給すると、電極に含まれる触媒の作用により各電極にて電気化学的な反応が起こり、燃料を供給源とする電子による直流電流を取り出すことができる。このようなメカニズムで発電する燃料電池においては、燃料および酸素を供給し続けることにより連続発電が可能となる。したがって、燃料電池は、燃料および酸素を補給することにより、充電操作により反復使用される二次電池と同様に、携帯電子機器用途の電源へと応用可能である。
【0004】
燃料電池は、その電解質の種類に基づいて、リン酸型、固体高分子型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型などに類別される。携帯電子機器用途の電源としては、室温付近の低温にて作動可能であること、小型に構成可能であること、振動に強く大量生産が容易な固体電解質を備えることなどから、固体高分子型の燃料電池が適している。
【0005】
固体高分子型燃料電池においては、燃料供給方法として、水素ガスを貯留して当該水素ガスをアノード電極に接触させる手法、有機燃料を貯留して当該有機燃料を改質することによって生ずる水素ガスをアノード電極に接触させる手法、および、水素を供給可能な液体燃料を貯留して当該液体燃料をアノード電極に対して直接に供給する手法などが知られている。水素ガスを使用する手法は、水素ガスの取り扱いが困難であったり、燃料を改質するための装置が必要であったりするため、携帯電子機器の小型電源としては適さない。そのため、携帯電子機器の小型電源を構成するという観点からは、液体燃料をアノード電極に直接に供給する方式を採用する燃料電池が注目を集めている。特に、液体燃料としてのメタノール水溶液を燃料極に対して直接に供給するダイレクトメタノール方式の燃料電池が注目を集めている。
【0006】
ダイレクトメタノール方式によると、メタノール水溶液が供給されたアノード電極では、下記の式(1)に示すように、メタノールと水が反応して、二酸化炭素(CO2)、プロトン(H+)、および電子(e-)が生ずる。すなわち、燃料電池ではメタノールが酸化分解される。アノード電極で生じたプロトンは高分子電解質膜を通ってカソード電極に向かい、電子は、アノード電極に接続された外部回路に流れる。外部回路にて仕事を終えた電子はカソード電極に向かう。また、二酸化炭素は系外に排出される。
【0007】
【化1】
【0008】
カソード電極では、下記の式(2)に示すように、空気から得られる酸素(O2)と、アノード電極から電解質膜を経て到来したプロトン(H+)と、カソード電極から外部回路を経て到来した電子(e-)とが反応して水(H2O)が生成する。
【0009】
【化2】
【0010】
ダイレクトメタノール方式の固体高分子型燃料電池においては、アノード電極での式(1)の反応およびカソード電極での式(2)の反応が同時的に進行することによって、直流電流を取り出すことができる。また、メタノール水溶液および酸素を供給し続けることにより、連続発電する。
【0011】
ダイレクトメタノール方式を採用する従来の固体高分子型燃料電池では、アノード電極に供給される液体燃料に含まれるメタノールは、電解質膜に含浸している水中を拡散してカソード電極に達する場合がある。メタノールがアノード電極にて酸化分解されずに電解質膜を透過してカソード電極に到達してしまう現象、即ちメタノールのクロスオーバが起こると、カソード電極に到達したメタノールがカソード電極で部分的に揮発するため、燃料が急速に減少し、理論容量に比べかなり小さい放電容量しか取り出せなくなってしまう。また、クロスオーバーによりカソード電極に到達したメタノールは部分的に触媒反応により分解されるため、カソード電位が低下し、ひいては燃料電池の出力が大きく低下してしまう。
【0012】
このようにクロスオーバに起因する燃料電池における放電容量の低下や出力の低下を抑制する技術の一例として、アノード電極の拡散層におけるメタノールの透過率を変化させることにより(具体的には、拡散層に含まれるポリテトラフルオロエチレンの濃度勾配に変化をつける)、アノード電極の触媒層へ供給されるメタノールの量を最適化することを目的とする技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0013】
【特許文献1】
特開2002−110191号公報 (第3−6頁、第1−3図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1において開示されている技術では、拡散層はアノード電極とカソード電極との間にあるのではなく、両電極間領域の外側に設けられている。したがって、拡散層に含まれるポリテトラフルオロエチレンの濃度を調整することで、当該拡散層を拡散通過してアノード電極に到達する燃料の量を制限することはできても、アノード電極に到達した燃料の未反応部分がカソード電極側にクロスオーバすることは抑制することができない。
【0015】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、クロスオーバに起因する燃料電池における放電容量の低下や出力の低下を効果的に抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された本発明により提供される燃料電池は、燃料を酸化するためのアノード電極、酸素を還元するためのカソード電極、並びに、アノード電極およびカソード電極に挟まれた電解質層を備えた燃料電池において、前記アノード電極と前記カソード電極との間に、撥水性のコーティングが施された粒子とプロトン伝導性高分子とを含む撥水層を設けたことを特徴としている。
また、請求項2に記載された本発明により提供される燃料電池は、 燃料を酸化するためのアノード電極、酸素を還元するためのカソード電極、並びに、前記アノード電極および前記カソード電極に挟まれた電解質層を備えた燃料電池において、前記アノード電極と前記カソード電極との間に、撥水性を有するシリコーン化合物からなる撥水層を設けたことを特徴としている。
【0017】
このような構成の燃料電池では、撥水層がアノード電極とカソード電極との間に設けられているため、例えばダイレクトメタノール方式において生じるメタノールのクロスオーバを、効果的に抑制することができる。具体的には、アノード電極とカソード電極との間に設けられた撥水層がその撥水作用により、アノード電極において分解されなかったメタノールが電解質層に含浸している水中を拡散してカソード電極へ到達するのを防ぎ、メタノールのクロスオーバを抑制するのである。したがって、クロスオーバしたメタノールがカソード電極で部分的に触媒反応により分解されてカソード電位が低下することに起因する燃料電池の出力の低下、および、クロスオーバしたメタノールがカソード電極で部分的に揮発して燃料が急速に減少することに起因する燃料電池の放電容量の低下を、効果的に抑制することができる。
【0018】
好ましくは、撥水層は、カソード電極と電解質層との間に形成されている。あるいはこれに代えて、電解質層が複数の層からなる場合、撥水層は、隣接する2つの電解質層の間に形成してもよい。
【0019】
【0020】
好ましくは、撥水性を有するシリコーン化合物は、厚さが1〜10μmのシリコーンゴムである。
【0021】
好ましい実施形態において、燃料は、メタノール水溶液である。この場合、メタノール水溶液におけるメタノール濃度は10vol%以上であるのが好ましい。このようなメタノール水溶液は、高い発電効率を達成するための液体燃料として好ましい。
【0022】
本発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池X1を、図1〜図3を参照して具体的に説明する。図1は、本発明にかかる燃料電池X1の外観の一例を表す斜視図である。図2は、図1の線I−Iに沿った断面図であり、図3は、図2の分解図である。なお、本実施形態においては、燃料電池X1について、ダイレクトメタノール方式の燃料電池として説明する。
【0024】
燃料電池X1は、燃料電池本体10と、集電体20A,20Bと、燃料貯蔵部30と、これらを収容する電池筐体40とを備える。
【0025】
燃料電池本体10は、図2および図3に示すように、燃料極11、空気極12および電解質層13と、空気極12と電解質層13との間に挟まれている撥水層14と、からなる。燃料極11は、触媒層11aおよび拡散層11bによる積層構造を有し、触媒層11aの側で電解質層13と接合している。空気極12は、触媒層12aおよび拡散層12bによる積層構造を有し、触媒層12aの側で撥水層14と接合している。
【0026】
燃料極11の触媒層11aは、上掲の式(1)で表されるように、メタノールを酸化してプロトンと電子を取り出すためのものであり、導電粒子に触媒を担持させてなる触媒性粒子と、電解質層形成用の後述するプロトン伝導性高分子材料との混合物を含み、多孔質である。導電粒子としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラックなどの炭素粒子が挙げられる。触媒としては、白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金などを採用することができる。導電粒子の粒径は、例えば0.01〜0.1μmであり、触媒の粒径は、例えば2〜5nmである。また、触媒層11aの厚さは、例えば2〜30μmである。
【0027】
燃料極11の拡散層11bは、燃料極11に供給された液体燃料であるメタノール水溶液(図示略)が触媒層11aに至る前に拡散する場を提供するためのものであり、カーボンペーパなどの多孔質導電膜よりなる。拡散層11bにてメタノール水溶液が拡散することにより、メタノール水溶液は、触媒層11aへと効率良く行き渡ることとなる。拡散層11bの厚さは例えば100〜400μmである。
【0028】
燃料極11の作製においては、まず、触媒性粒子とプロトン伝導性高分子材料とを、水溶媒系、アルコール溶媒系、または、水−アルコール溶媒系にて混合し、これを脱泡して電極ペーストを調製する。次に、拡散層11bの上に電極ペーストを塗布ないし充填した後、例えば100℃にて加熱乾燥する。拡散層11bである多孔質導電膜の上における電極ペーストのみに由来する材料厚さは、例えば5〜50μmである。このようにして、触媒層11aおよび拡散層11bによる積層構造を有する多孔質性の燃料極11が作製される。
【0029】
空気極12の触媒層12aは、上掲の式(2)で表されるように、空気中の酸素の還元反応を進行させるためのものであり、導電粒子に触媒を担持させてなる触媒性粒子と、電解質層形成用の後述するプロトン伝導性高分子材料との混合物を含み、多孔質である。触媒については、白金(Pt)や白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金などを採用することができる。触媒の粒径は、例えば2〜5nmである。導電粒子については、触媒層11aと同様のものを使用することができる。触媒層12aの厚さは、例えば2〜30μmである。
【0030】
空気極12の拡散層12bは、空気極12に流通接触する空気が触媒層12aに至る前に拡散する場を提供するためのものであり、カーボンペーパなどの多孔質導電膜よりなる。拡散層12bにて空気が拡散することにより、当該空気ひいては酸素は、触媒層12aへと効率良く行き渡ることとなる。拡散層12bの厚さは例えば100〜400μmである。
【0031】
触媒層12aおよび拡散層12bによる積層構造を有する多孔質性の空気極12の作製方法については、燃料極11に関して上述したのと同様である。
【0032】
電解質層13は、燃料極11におけるメタノール酸化反応で生成したプロトンを空気極12に輸送するための媒体であり、電子伝導性を有さずにプロトン伝導性を有する高分子材料よりなる。そのような高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸膜が挙げられる。パーフルオロスルホン酸膜としては、例えば、Nafion膜(DuPont社製)、フレミオン膜(旭硝子製)、アシプレックス膜(旭化成工業製)、ダウ膜(ダウケミカル製)などが挙げられる。電解質層13の厚さは、例えば50〜250μmである。
【0033】
撥水層14は、燃料極11で触媒反応により分解されずに電解質層13に到達したメタノールがさらに空気極12へ移動するのを防ぐために設けられた層であり、撥水性を有する粒子と、プロトン伝導性高分子とを含んでいる。撥水性を有する粒子としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラックなどの炭素粒子、上述した触媒性粒子、およびポリスチレンなどからなる高分子粒子などをシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂またはシラン系樹脂などの撥水性樹脂で粒子表面をコーティングすることにより撥水処理を施した粒子などが挙げられる。プロトン伝導性高分子としては、パーフルオロスルホン酸系高分子が挙げられる。パーフルオロスルホン酸系高分子としては、例えば、Nafion(DuPont社製)などが挙げられる。撥水層14の厚さは、例えば5〜50μmである。
【0034】
撥水層14の作製においては、まず、撥水性を有する粒子と、プロトン伝導性高分子とを、水溶媒系、アルコール溶媒系、または、水−アルコール溶媒系にて攪拌混合し、混合ペーストを調製する。次に、電解質層13の上、あるいは空気極12の触媒層12aの上に混合ペーストを塗布した後、例えば100℃にて所定時間、加熱乾燥することにより、撥水層14が作製される。また、ポリテトラフルオロエチレンシートなどの基材の上に、上述のようにして調製された混合ペーストを塗布した後、例えば100℃にて加熱乾燥することによって作製された混合ペースト乾燥膜を、電解質層13の上、あるいは空気極12の触媒層12aの上に熱プレスで転写することによって撥水層14を作製してもよい。
【0035】
燃料電池本体10の作製においては、例えば、まず、上述のようにして撥水層14が形成された電解質層13を、燃料極11および空気極12により挟む。このとき、当該電解質層13に対して、燃料極11は触媒層11aを介して電解質層13に貼り合わせるとともに、空気極12は触媒層12aを介して撥水層14に貼り合わせる。次に、加熱下にて、当該貼合せ体を積層方向に加圧して接合する。このようにして、燃料電池本体10を作製することができる。
【0036】
集電体20Aは、燃料極11におけるメタノール酸化反応で発生する電子を取り出すためのものであり、例えばSUS製やNi製の金属メッシュである。集電体20Aとしては、液体燃料であるメタノール水溶液が容易に通過可能なメッシュ開口径ないしメッシュ開口率を有するものを採用する。集電体20Aは、電池筐体40の表面に設けられた外部接続用端子(図示略)と電気的に接続している。集電体20Aと電気的に接続する端子は、燃料電池X1の負極である。
【0037】
集電体20Bは、触媒層12aに対して効率的に電子を供給するためのものであり、例えばSUS製やNi製の金属メッシュである。集電体20Bは、燃料電池本体10の空気極12と接合ないし面接触するとともに電気的に接続している。集電体20Bとしては、空気極12に対して空気ないし酸素が自然拡散により充分に接触可能であるとともに、空気極12における酸素還元反応で生成する水を適切に蒸散排出可能なメッシュ開口径ないしメッシュ開口率を有するものを採用する。集電体20Bは、電池筐体40の表面に設けられた更なる外部接続用端子(図示略)と電気的に接続している。集電体20Bと電気的に接続する端子は、燃料電池X1の正極である。
【0038】
燃料電池本体10と、集電体20A,20Bとによる積層構造は、図2に示すように、スペーサ41およびパッキング材42,43とともに電池筐体40に収容されている。収容状態において、電池筐体40の内部には燃料貯蔵部30が規定される。スペーサ41には、所定の開口部41aが設けられている。開口部41aは、円形であってもよいし、スリット状であってもよい。この開口部41aを介して、集電体20Aは燃料貯蔵部30に露出している。パッキング材42は、燃料電池本体10および集電体20A,20Bによる積層構造における周縁部の略全体と電池筐体40との間の隙間を封止するためのものである。また、パッキング材43は、燃料貯蔵部30を規定しつつ、燃料貯蔵部30からの燃料漏れを防止するためのものである。
【0039】
燃料貯蔵部30は、メタノール水溶液(図示略)が直接的に貯留される小型タンクとして構成されており、メタノール水溶液またはメタノールを適宜補充するための注入口(図示略)を有する。
【0040】
電池筐体40は、開口部40aを有する。この開口部40aを介して、集電体20Bは電池外部に露出している。また、電池筐体40において燃料貯蔵部30を規定する所定の箇所には、燃料貯蔵部30と電池外部との間の隔壁として、二酸化炭素透過膜(図示略)が配設されている。二酸化炭素透過膜は、液体燃料を実質的に透過させずに二酸化炭素を選択的に透過させる膜であり、この膜を介して、燃料極11における電池反応で生成する二酸化炭素は排出される。二酸化炭素透過膜を構成する材料としては、例えば、シリコーンゴムやフッ素系樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。
【0041】
燃料電池X1においては、燃料貯蔵部30に液体燃料すなわちメタノール水溶液が貯留されていると、当該メタノール水溶液は、スペーサ41の開口部41aを介して燃料貯蔵部30から燃料極11に至る。そして、燃料極11では、メタノール水溶液は、メッシュ状の集電体20Aを通過して触媒層11aに至る。これとともに、電池筐体40の開口部40aを介して外気に触れる空気極12には、空気に含まれる酸素が常時的に接触する。空気極12では、酸素は、メッシュ状の集電体20Bを通過して触媒層12aに至る。燃料極11に対してメタノール水溶液が供給されるとともに空気極12に対して酸素が供給されると、燃料極11の触媒層11aでは、触媒の作用により、上掲の式(1)で表されるメタノール酸化反応が起こり、二酸化炭素、プロトン、および電子が発生する。また、空気極12の触媒層12aでは、触媒の作用により、上掲の式(2)で表される酸素還元反応が起こり、水が生成する。この水は、自然蒸散する。両極において、このような電気化学反応が進行することにより、燃料電池本体10は発電する。
【0042】
以上のような構成を有する燃料電池X1は、燃料貯蔵部30から拡散層11bを経て触媒層11aに供給されたメタノールのうち触媒層11aで分解されなかったメタノールが電解質層13を介して触媒層12aに到達するのを撥水層14における撥水作用により防ぐことができる。つまり、メタノールのクロスオーバを抑制することができる。したがって、クロスオーバしたメタノールが部分的に触媒層12aでの触媒反応により分解されて空気極12側の電位が低下することに起因する燃料電池X1の出力の低下、および、クロスオーバしたメタノールが部分的に空気極12で揮発してメタノールが急速に減少することに起因する燃料電池X1の放電容量の低下を、効果的に抑制することができる。
【0043】
本発明の第2の実施形態に係る燃料電池X2を、図4〜図6を参照して具体的に説明する。これらの図においては、先に説明した燃料電池X1と同一または同種の部材または要素については、同一の符号を付してあり、それらのものについての重複説明は省略するものとする。
【0044】
図4は、本発明にかかる燃料電池X2の外観の一例を表す斜視図である。図5は、図4の線II−IIに沿った断面図であり、図6は、図5の分解図である。なお、本実施形態においては、燃料電池X2について、ダイレクトメタノール方式の燃料電池として説明する。
【0045】
燃料電池X2は、燃料電池本体10´と、集電体20A,20Bと、燃料貯蔵部30と、これらを収容する電池筐体40とを備える。
【0046】
燃料電池本体10´は、図5および図6に示すように、燃料極11、空気極12および電解質層13a,13bと、電解質層13aと電解質層13bとの間に挟まれている撥水層14と、からなる。
【0047】
燃料電池本体10´の作製においては、例えば、まず、撥水性を有した粒子と、プロトン伝導性高分子材料とを、水溶媒系、アルコール溶媒系、または、水−アルコール溶媒系にて攪拌混合し、調整した混合ペーストを、電解質層13aの上に塗布した後、例えば100℃にて加熱乾燥することにより、撥水層14を作製する。撥水層14の厚さは、例えば1〜50μmである。また、ポリテトラフルオロエチレンシートなどの基材の上に混合ペーストを塗布した後、例えば100℃にて加熱乾燥することによって作製された撥水膜を、電解質層13aの上に熱プレスで転写することによって撥水層14を作製してもよい。このようにして撥水層14が形成された電解質層13aに対し、撥水層14上に電解質層13bを積層することにより電解質13a,13bおよび撥水層14からなる積層体を作製する。なお、撥水層14の形成は電解質層13a上に代えて電解質層13b上に行ってもよい。次に、当該積層体を燃料極11および空気極12により挟む。このとき、燃料極11は触媒層11aを介して電解質層13aに貼り合わせるとともに、空気極12は触媒層12aを介して電解質層13bに貼り合わせる。次に、加熱下にて、当該貼合せ体を積層方向に加圧して接合する。このようにして、燃料電池本体10´を作製することができる。
【0048】
燃料電池本体10´と、集電体20A,20Bとによる積層構造は、図5に示すように、スペーサ41およびパッキング材42,43とともに電池筐体40に収容されている。これにより、燃料電池X2が得られる。
【0049】
燃料電池X2においても、燃料極11および空気極12において燃料電池X1の場合と同様の電気化学的反応が進行し、燃料電池本体10´は発電する。
【0050】
以上のような構成を有する燃料電池X2は、燃料電池X1で示したものと同様の効果を得ることができる。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の実施例、参考例および比較例について説明する。
【0052】
〔実施例1〕
<燃料電池の作製>
燃料電池の作製においては、まず、燃料極および空気極を作製した。燃料極の作製においては、まず、一次粒子径40nm程度のケッチェンブラック粒子(商品名:EC、ライオン社製)に、触媒としての粒径2〜5nm程度の白金−ルテニウム合金(Pt:Ru=1:1.5、wt%比)を担持させた触媒性カーボン粒子(商品名:TEC61E54E、田中貴金属製)200mgと、20wt%のNafion溶液(商品名:Nafion SE20042、DuPont社製)1gとを、水0.5gの水溶媒系にて混合し、これを脱泡して電極ペーストを調製した。次に、拡散層としてのカーボンペーパ(商品名:TGP−H−090、東レ製、膜厚290μm)の上に当該電極ペーストを塗布ないし充填した後、100℃にて加熱乾燥した。カーボンペーパ上における電極ペーストのみに由来する材料厚さ、すなわち触媒層厚さは、30μmとした。このようにして、燃料極触媒層を作製した。一方、白金−ルテニウム合金を担持する触媒性カーボン粒子に代えて、一次粒子径40nm程度のケッチェンブラック粒子(商品名:EC、ライオン社製)に、触媒としての粒径4nmの白金を担持させた触媒性カーボン粒子(商品名:TEC10E50E、田中貴金属製)を使用した以外は、燃料極と同様にして、空気極を作製した。この触媒性カーボン粒子における白金の含有率は、50wt%である。
【0053】
燃料電池の作製においては、次に、撥水層を作製した。撥水層の作製においては、まず、一次粒子径40nm程度のケッチェンブラック粒子(商品名:EC、ライオン社製)を撥水剤(商品名:KP−801M、信越シリコーン社製)に30分間浸漬し、その後80℃で30分間乾燥することにより粒子表面に撥水化処理を施した撥水性粒子100mgと、20wt%のNafion溶液(商品名:Nafion SE20042、DuPont社製)5gとを、1−プロパノール1gのアルコール溶媒系にて混合し、撥水ペーストを調整した。次に、ポリテトラフルオロエチレンシートの上に当該撥水ペーストを塗布した後、80℃にて加熱乾燥した。ポリテトラフルオロエチレンシート上における撥水ペーストのみに由来する材料厚さ、すなわち撥水層厚さは、10μmとした。このようにして、撥水層を作製した。
【0054】
燃料電池の作製においては、次に、上述のようにして作製した撥水層を、電解質層を構成するための膜厚175μmのプロトン伝導性高分子電解質膜(商品名:Nafion117、DuPont社製)の片側の面に130℃で2分間、熱プレスすることにより転写した。さらに、撥水層が転写されたプロトン伝導性高分子電解質膜を上述のようにして作製した燃料極および空気極により挟持した。このとき、空気極は、触媒層を介して当該プロトン伝導性高分子電解質膜の撥水層形成側に貼り合わせ、燃料極は、触媒層を介して当該プロトン伝導性高分子電解質膜の撥水層未形成側に貼り合わせた。次に、当該貼り合わせ体を積層方向に130℃で2分間熱プレスし、接合した。このようにして、燃料電池本体を作製した。
【0055】
次に、燃料極および空気極におけるカーボンペーパ露出面側に対して、集電体としてSUS製の金属メッシュ(厚さ:0.1mm、開口部形[対角線3mm×1.5mm]、開口率:70%、商品名:エキスパンドメタル、サンク株式会社製)を積層した。
【0056】
次に、燃料電池本体を含んで上述のようにして作製された積層構造体を、例えば図2に示すように、空気極側に開口部を有する電池筐体に収容した。電池筐体の内部に規定される燃料貯蔵部には、液体燃料として、メタノール濃度が10vol%のメタノール水溶液を2.5cm3注入した。このようにして、本実施例の燃料電池を作製した。
【0057】
<出力電圧の測定>
本実施例の燃料電池について、外部負荷に接続して発電を行った。これにより得られる電流に対する出力電圧の結果を図7に示した。
【0058】
〔参考例〕
<燃料電池の作製>
撥水層を形成する際に用いる撥水性粒子として粒径1μm程度のポリスチレン粒子を用い、転写や接合の際に行う熱プレスの温度を100℃とした以外は、実施例1と同様にして本参考例の燃料電池を作製した。
【0059】
<出力電圧の測定>
本参考例の燃料電池について、外部負荷に接続して発電を行った。これにより得られる電流に対する出力電圧の結果を図7に示した。
【0060】
〔比較例1〕
撥水層を形成しない以外は、実施例1と同様にして本比較例の燃料電池を作製した。
【0061】
<出力電圧の測定>
本比較例の燃料電池について、外部負荷に接続して発電を行った。これにより得られる電流に対する出力電圧の結果を図7に示した。
【0062】
<評価>
図7を参照するとよくわかるように、実施例1および参考例の方が比較例1に比べ、各電流値における出力電圧が大きい値を示した。つまり、実施例1および参考例に示す燃料電池の方が比較例1に示す燃料電池に比べ、燃料電池の出力が大きくなった。これはメタノールのクロスオーバを効果的に抑制できたためであると考えられる。具体的には、燃料極と空気極との間に設けた撥水層により燃料極の触媒層で分解されなかったメタノールのクロスオーバを抑制したことで、クロスオーバしたメタノールが部分的に空気極側の触媒層での触媒反応により分解されることに起因する空気極側の電位低下が抑制されたため、燃料電池の出力が向上したものと考えられる。
【0063】
〔実施例2〕
<燃料電池の作製>
燃料電池の作製においては、まず、燃料極および空気極を作製した。燃料極の作製においては、まず、一次粒子径40nm程度のケッチェンブラック(商品名:EC、ライオン社製)に、触媒としての粒径2〜5nm程度の白金−ルテニウム合金(Pt:Ru=1:1.5、wt%比)を担持させた触媒性カーボン粒子(商品名:TEC61E54E、田中貴金属製)200mgと、20wt%のNafion溶液(商品名:Nafion SE20042、DuPont社製)1gとを、水0.5gの水溶媒系にて混合し、これを脱泡して電極ペーストを調製した。次に、拡散層としてのカーボンペーパ(商品名:TGP−H−090、東レ製、膜厚290μm)の上に当該電極ペーストを塗布ないし充填した後、100℃にて加熱乾燥した。カーボンペーパ上における電極ペーストのみに由来する材料厚さ、すなわち触媒層厚さは、30μmとした。このようにして、燃料極触媒層を作製した。一方、白金−ルテニウム合金を担持する触媒性カーボン粒子に代えて、一次粒子径40nm程度のケッチェンブラック(商品名:EC、ライオン社製)に、触媒としての粒径4nmの白金を担持させた触媒性カーボン粒子(商品名:TEC10E50E、田中貴金属製)を使用した以外は、燃料極と同様にして、空気極を作製した。この触媒性カーボン粒子における白金の含有率は、50wt%である。
【0064】
燃料電池の作製においては、次に、膜厚175μmのプロトン伝導性高分子電解質膜(商品名:Nafion117、DuPont社製)2枚により、膜厚1μmのシリコーンゴム(商品名:KE45、信越シリコーン社製)を挟持することにより撥水層を有する電解質層としての積層体を形成した。さらに、この積層体を上述のようにして作製した燃料極および空気極により挟持した。このとき、燃料極および空気極は、触媒層を介して電解質層に貼り合わせた。次に、当該貼合せ体を積層方向に130℃で2分間熱プレスし、接合した。このようにして、燃料電池本体を作製した。
【0065】
次に、燃料極および空気極におけるカーボンペーパ露出面側に対して、集電体としてSUS製の金属メッシュ(厚さ:0.1mm、開口部形[対角線3mm×1.5mm]、開口率:70%、商品名:エキスパンドメタル、サンク株式会社製)を積層した。
【0066】
次に、燃料電池本体を含んで上述のようにして作製された積層構造体を、例えば図5に示すように、空気極側に開口部を有する電池筐体に収容した。電池筐体の内部に規定される燃料貯蔵部には、液体燃料として、メタノール濃度が10vol%のメタノール水溶液を2.5cm3注入した。このようにして、本実施例の燃料電池を作製した。
【0067】
<出力電流の測定>
本実施例の燃料電池について、出力電流を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、0.5Vで10分間、0.45Vで5分間、0.4Vで5分間、0.35Vで5分間、0.3Vで5分間、0.25Vで5分間、0.2Vで5分間、0.15Vで5分間、0.1Vで5分間、0.05Vで5分間、各電圧ごとに定電圧連続放電を行い、所定の放電時間に対する出力電流を測定した。その結果を放電時間に対する電圧および出力電流として図8に示した。
【0068】
<出力電圧の測定>
本実施例の燃料電池について、出力電圧を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、5分間放電を休止し、その後300mAでの定電流放電を行い、所定の放電時間に対する出力電圧を測定した。その結果を放電時間に対する出力電圧および電流として図9に示した。
【0069】
〔比較例2〕
積層体に代えて、電解質層として膜厚175μmのプロトン伝導性高分子電解質膜(商品名:Nafion117、DuPont社製)1枚とした以外は、実施例2と同様にして本比較例の燃料電池を作製した。
【0070】
<出力電流の測定>
本比較例の燃料電池について、出力電流を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、0.55Vで5分間、0.5Vで5分間、0.45Vで5分間、0.4Vで5分間、0.35Vで5分間、0.3Vで5分間、0.25Vで5分間、0.2Vで5分間、0.15Vで5分間、0.1Vで5分間、0.05Vで5分間、各電圧ごとに定電圧連続放電を行い、所定の放電時間に対する出力電流を測定した。その結果を放電時間に対する電圧および出力電流として図10に示した。
【0071】
<出力電圧の測定>
本比較例の燃料電池について、出力電圧を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、5分間放電を休止し、その後300mAでの定電流放電を行い、所定の放電時間に対する出力電圧を測定した。その結果を放電時間に対する出力電圧および電流として図11に示した。
【0072】
〔比較例3〕
積層体に代えて、電解質層として膜厚175μmのプロトン伝導性高分子電解質膜(商品名:Nafion117、DuPont社製)2枚とした以外は、実施例2と同様にして本比較例の燃料電池を作製した。
【0073】
<出力電流の測定>
本比較例の燃料電池について、出力電流を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、0.6Vで5分間、0.55Vで5分間、0.5Vで5分間、0.45Vで5分間、0.4Vで5分間、0.35Vで5分間、0.3Vで5分間、0.25Vで5分間、0.2Vで5分間、0.15Vで5分間、0.1Vで5分間、各電圧ごとに定電圧連続放電を行い、所定の放電時間に対する出力電流を測定した。その結果を放電時間に対する電圧および出力電流として図12に示した。
【0074】
<出力電圧の測定>
本比較例の燃料電池について、出力電圧を測定した。具体的には、まず、0.3Vで10分間エージングを行った後、5分間放電を休止し、その後300mAでの定電流放電を行い、所定の放電時間に対する出力電圧を測定した。その結果を放電時間に対する出力電圧および電流として図13に示した。
【0075】
<評価>
図8、図10および図12を参照するとよくわかるように、実施例2の方が比較例2および比較例3に比べ、出力電流が大きい値を示した。つまり、実施例2に示す燃料電池の方が比較例2および比較例3に示す燃料電池に比べ、燃料電池の出力が大きくなった。これは撥水層を電解質層と空気極との間に設けたことによりメタノールのクロスオーバを効果的に抑制できたためであると考えられる。
【0076】
また、図9、図11および図13を参照するとよくわかるように、実施例2の方が比較例2および比較例3に比べ、定電流放電時の出力電圧が大きい値を示した。つまり、実施例2に示す燃料電池の方が比較例2および比較例3に示す燃料電池に比べ、放電容量が大きくなった。これも、メタノールのクロスオーバを効果的に抑制することができたためであると考えられる。具体的には、燃料極と空気極との間に設けた撥水層により燃料極の触媒層で分解されなかったメタノールのクロスオーバを抑制したことでメタノールが空気極で部分的に揮発する量を低減でき、これにより発電に寄与しないメタノールの量が低減できたためであると考えられる。
【0077】
【0078】
【0079】
【発明の効果】
本発明によると、アノード電極とカソード電極との間に、撥水性のコーティングが施された粒子とプロトン伝導性高分子とを含む撥水層を設けるか、或いは撥水性を有するシリコーン化合物からなる撥水層を設けたことによりメタノールのクロスオーバを効果的に抑制することができた。これにより、カソード電極側の触媒層でメタノールが触媒反応により分解されることに起因するカソード電極側の電位低下が抑制され、燃料電池の出力を向上させることができた。また、カソード電極を介したメタノールの揮発量が低減され、燃料電池の放電容量を大きくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の斜視図である。
【図2】 図1の線I−Iに沿った断面図である。
【図3】 図2の分解図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の斜視図である。
【図5】 図4の線II−IIに沿った断面図である。
【図6】 図5の分解図である。
【図7】 本発明の実施例、参考例および本比較例における電流に対する出力電圧を示した図である。
【図8】 本発明の実施例における放電時間に対する電圧および出力電流を示した図である。
【図9】 本発明の実施例における放電時間に対する出力電圧および電流を示した図である。
【図10】 本発明に対する比較例における放電時間に対する電圧および出力電流を示した図である。
【図11】 本発明に対する比較例における放電時間に対する出力電圧および電流を示した図である。
【図12】 本発明に対する比較例における放電時間に対する電圧および出力電流を示した図である。
【図13】 本発明に対する比較例における放電時間に対する出力電圧および電流を示した図である。
【符号の説明】
X1,X2 燃料電池
10,10´ 燃料電池本体
11 燃料極(アノード電極)
11a 触媒層
11b 拡散層
12 空気極(カソード電極)
12a 触媒層
12b 拡散層
13 ,13a,13b 電解質層
14 撥水層
20A,20B 集電体
30 燃料貯蔵部
40 電池筐体
40a 開口部
41 スペーサ
41a 開口部
42,43 パッキング材
Claims (2)
- 燃料を酸化するためのアノード電極、酸素を還元するためのカソード電極、並びに、前記アノード電極および前記カソード電極に挟まれた電解質層を備えた燃料電池において、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に、撥水性のコーティングが施された粒子とプロトン伝導性高分子とを含む撥水層を設けたことを特徴とする、燃料電池。 - 燃料を酸化するためのアノード電極、酸素を還元するためのカソード電極、並びに、前記アノード電極および前記カソード電極に挟まれた電解質層を備えた燃料電池において、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に、撥水性を有するシリコーン化合物からなる撥水層を設けたことを特徴とする、燃料電池。
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