JP4899297B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料貯蔵部を有する燃料電池に関し、特に、液体燃料を取り扱う燃料電池に
関するものである。
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯型電子機器の普及にともない、その駆動電源やメモリ保持電源となる電池においても、小型化、軽量化、高容量化が求められてきている。このような背景のもとで、携帯型電子機器に用いる電池として、特に、高容量化が期待できる燃料電池が注目されてきている。
このような携帯用途でも使用可能な燃料電池としては、DMFC(Direct Methanol Fuel Cell)と称されるダイレクトメタノール型の燃料電池がある。このダイレクトメタノール型の燃料電池では燃料としてメタノールを使用し、一般に、燃料を酸化するアノード(負極或いは燃料極ともいう)及び酸素を活物質として還元するカソード(正極或いは空気極ともいう)と、これらの間に設けられる電解質層からなる発電部を具備して構成されている。そして、このダイレクトメタノール型燃料電池では、燃料として供給されたメタノール水溶液をアノードで酸化して電子とプロトンを生成し、生成したプロトンを電解質層を経由してカソードに輸送し、カソードにおいて当該プロトンと供給された酸素とを反応させて発電する。
このダイレクトメタノール型燃料電池の最大の特徴は、装置の小型化が可能であり、且つカソードに酸素を補給するとともにアノードに燃料を補給することにより、長時間にわたって連続発電が可能となる点にある。このような特徴を有するため、ダイレクトメタノール型燃料電池は、二次電池における充電の代わりに燃料を補給することで二次電池と同様に利用することができる。
また、このダイレクトメタノール型燃料電池では、アノードと接するように、燃料となるメタノール水溶液を貯蔵する燃料貯蔵部が設けられている。そして、発電の際にアノードでは、燃料のメタノール水溶液と水とが反応して、二酸化炭素が生成ガスとして発生する。したがって、発電の際に発生した二酸化炭素は、燃料貯蔵部内に存在することになる。
燃料貯蔵部内に二酸化炭素が存在すると、燃料であるメタノール水溶液の供給が滞ってしまうため、発電効率の低下を招いてしまう。したがって、燃料貯蔵部には、アノードで生成された二酸化炭素を排出するとともに、燃料を外部に漏洩させない機構を設ける必要がある。この対策として、下記に示す特許文献1及び2では、細孔をもつPTFE(Poly Tetra Floera Ethylene;ポリテトラフロエラエチレン)製シートを燃料貯蔵部に設けて、アノードで生成された生成ガスを外部に排出するようにしている。
特開2003−317789号公報 特開2004−14148号公報 日東技報 Vol.34,No.2、1996年12月、p.15−20
前述した携帯型電子機器などは、その使用状況により様々な向きで使用されることが予想される。この携帯型電子機器の電源として燃料電池を用いる場合には、燃料を貯蔵する燃料貯蔵部も様々な向きとなるため、例えば、燃料貯蔵部内が全て燃料で満たされていない等の場合には、アノードを燃料で浸しておくことができない事態が生じてしまう。これを回避する方法として、燃料貯蔵部内を燃料で満たし、当該燃料貯蔵部内の燃料に対して圧力を印加して、絶えずアノードに燃料を供給することが考えられている。このように、アノードを常に燃料で浸しておくことは、燃料電池の効率的な稼動を行うために必要不可欠である。
しかしながら、前述した特許文献1及び2で用いられているPTFE製シートは多孔質であるために、燃料貯蔵部内に発生した生成ガスを大量に透過させることは可能であるが、アノードを燃料で常に浸しておくために燃料貯蔵部内の燃料を加圧する形態では、当該加圧により燃料貯蔵部内の燃料が外部に漏洩してしまい、燃料電池の効率的な稼動を行うことができないという問題点があった。
本発明は前述の問題点にかんがみてなされたものであり、アノードを常に液体燃料で浸しておくことを実現するとともに、アノードで生成された生成ガスを燃料貯蔵部の外部へ排出し、かつ燃料貯蔵部内の液体燃料の外部への漏洩を防止する燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、酸素を還元するカソードと、液体燃料を酸化するアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に設けられた電解質層とを含んで構成される発電部と、前記液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、前記燃料貯蔵部に貯蔵されている前記液体燃料に対して圧力を印加する圧力印加部とを有し、前記燃料貯蔵部には、非多孔質状であり、前記圧力印加部により圧力が印加された状態で前記アノードで生成された生成ガスのみを透過する非多孔質膜が設けられており、前記圧力印加部から供給されるブタンガス、あるいはフロンガスにより、前記液体燃料に圧力が印加される
本発明の燃料電池における他の態様は、前記非多孔質膜における厚さ及び前記液体燃料と接する面の表面積は、少なくとも、前記生成ガスに対する当該非多孔質膜の透過係数と、前記圧力印加部により印加される圧力とをパラメータとして設定されている。
本発明によれば、アノードを常に液体燃料で浸しておくことができるとともに、アノードで生成された生成ガスを燃料貯蔵部の外部に排出し、かつ燃料貯蔵部内の液体燃料の外部への漏洩を防止することができる。これにより、効率的な燃料電池の稼動を実現することが可能となる。特に、当該燃料電池を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯型電子機器に適用した場合には、当該携帯型電子機器の向きによらずに常にアノードを液体燃料で浸しておくことができ、大変有効である。
−本発明の基本骨子−
本発明者は、従来の燃料電池において、効率的な燃料電池の稼動を行うために燃料貯蔵部内の燃料を加圧するに場合に、燃料貯蔵部内の燃料が外部に漏洩してしまうという問題を解決すべく、以下に示す発明の基本骨子に想到した。
本発明者は、アノードで生成された生成ガスを透過させるために、燃料貯蔵部にガス透過膜を設け、このガス透過膜の材質について検討した。そして、従来の燃料電池で用いられていたPTFE等の多孔質膜を使用した場合、その内部に多くの細孔が存在するために、燃料貯蔵部内の圧力次第で燃料が外部に漏洩してしまうという問題点に着目し、ガス透過膜の材質として、細孔が存在しない均一でかつ均質な非多孔質の材料を適用することを思料した。この非多孔質の材料としては、例えば、シリコーンやポリイミドを主材料とするものが挙げられる。
非特許文献1によれば、非多孔質膜におけるガスの透過機構は、当該非多孔質膜への溶解拡散に起因しているのに対して、多孔質膜におけるガスの透過機構は、ガス分子の細孔内壁への衝突により拡散するクヌーセン拡散や細孔内壁での表面拡散に起因するとされている。即ち、従来用いられていた多孔質膜では、液体燃料と生成ガスとに対する細孔内壁の表面張力等の違いにより、液体燃料の透過を遮断するとともに、生成ガスを透過していることになる。
そして、この多孔質膜では、液体燃料における表面張力以上の圧力が外部から印加された場合、当該液体燃料の外部への漏洩が生じてしまう。一方、非多孔質膜では、その内部に細孔が存在しないため、燃料貯蔵部に外圧が印加されても、液体燃料の漏洩が生じない。
さらに、本発明者は、非多孔質膜へのガスの溶解拡散により生成ガスが透過することに注目し、ガス透過膜における厚さ及び液体燃料と接する面の表面積(透過面積)の最適化を図ることを思料した。
図1は、本発明の基本骨子を説明するための燃料電池の概略図である。
燃料電池には、発電部100に設けられたアノードに面して、当該アノードに供給する燃料(図1の斜線)を貯蔵する燃料貯蔵部210が設けられており、この燃料貯蔵部210の燃料には、圧力印加部300から圧力が印加されている。そして、燃料貯蔵部210のアノード面と対向する面に、非多孔質状のガス透過膜220を設ける。
一般に、気体の透過係数は、
『透過係数=透過量(体積)×フィルムの厚さ÷(圧力差×透過面積×時間)』
の関係により求められる。この関係式から透過係数は、フィルムの厚さに比例し、フィルムの透過面積に反比例することがわかる。
また、アノード30で生成される生成ガスの発生量は、燃料電池において使用する電流値に依存する。したがって、使用する電流値に基づいて、ガス透過膜220で透過させるべき透過量(体積)が決まる。また、使用する燃料に応じてアノード30で生成される生成ガスも決まり、当該生成ガスに対するガス透過膜220の透過係数が決定する。さらに、圧力印加部300から印加される圧力が大気との圧力差となる。
したがって、前述の透過係数の関係式から、決定された透過係数と、圧力印加部300により印加される圧力とをパラメータとして、ガス透過膜220のフィルムの厚さ及び透過面積を算出することができる。このようにして、本発明者は、ガス透過膜220の最適化を図り、アノード30で生成された生成ガスを燃料貯蔵部の内部に停滞させることなく、全ての生成ガスを燃料貯蔵部の外部に排出することを実現した。
−本発明の実施形態−
次に、本発明の基本骨子を踏まえた実施形態について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。
この燃料電池は、発電を行う発電部100と、発電部100のアノード30側に設けられたアノード側筐体200と、アノード側筐体200に設けられた燃料貯蔵部210に貯蔵されている液体燃料に圧力を印加する圧力印加部300と、発電部100のカソード側に設けられたカソード側筐体400を備えている。
まず、発電部100の構成について説明する。
図3は、発電部100の概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、発電部100は、酸素を活物質として還元するカソード10と、燃料を酸化するアノード30と、カソード10とアノード30との間に設けられた固体電解質層20を備えている。
アノード30は、燃料を酸化して電子とプロトンを生成するものであり、固体電解質層20側からアノード電極層31、ガス拡散層32、アノード集電体層33の順に積層されて形成されている。
カソード10は、酸素を活物質として還元して発生したイオンとアノード30で生成された電子及びプロトンから水を生成するものであり、固体電解質層20側からカソード電極層13、ガス拡散層12、カソード集電体層12の順に積層されて形成されている。
固体電解質層20は、アノード30で生成されたプロトンをカソード10に輸送するための経路であり、電子伝導性を持たないイオン伝導体で形成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂を主材料として構成されている。
次に、図2の各構成について説明する。
アノード側筐体200は、前述したように、発電部100のアノード30側に設けられており、その内部にアノード30に供給する液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部210が配設されている。この燃料貯蔵部210には、燃料供給口211に接続された配管310を介して液体燃料が供給されており、この供給された液体燃料を貯蔵する燃料供給管212が設けられている。また、圧力印加部300から供給されるブタンガス、あるいはフロンガス等により、燃料供給管212の液体燃料に適度な圧力が印加されている。そして、燃料貯蔵部210の側面には、燃料貯蔵部210の内部に存在するガスを外部に透過させる非多孔質状のガス透過膜220が設けられている。
カソード側筐体400は、発電部100のカソード10側に設けられており、カソード10に外部から酸素を供給するための酸素供給孔が複数設けられている。
図4は、図2に示した燃料貯蔵部210のI−Iにおける概略断面図である。
図4に示すように、燃料貯蔵部210の一方の面には、燃料供給管212の液体燃料が直接供給されるようにアノード30が配設されており、その対向する面にガス透過膜220が配設されている。この際、この燃料供給管212の液体燃料には圧力印加部300により圧力が印加されており、ガス透過膜220は、非多孔質膜で形成されているため、燃料貯蔵部210に圧力が印加されている状況下であっても、液体燃料を燃料貯蔵部210の外部に漏洩させることなく、アノード30で生成された生成ガスを外部に透過させることができる。また、液体燃料としてメタノール水溶液を用いた場合には、図4に示すように、アノード30で生成された二酸化炭素がガス透過膜220を透過して外部に放出される。
次に、ガス透過膜220における膜厚及び透過面積の設定方法について説明する。ここで、ガス透過膜220の透過面積は、燃料貯蔵部210の液体燃料に面する部分の面積である。以下に、このガス透過膜220の膜厚及び透過面積の設定方法を分かり易くするために、実際に行った実験データを参照しながら説明する。
まず、燃料電池として以下のものを作成した。
アノード電極層31に白金−ルテニウム合金担持触媒、カソード電極層13に白金担持触媒、ガス拡散層12,32にカーボンペーパー、カソード集電体層11及びアノード集電体層に金メッキを施したSUS、固体電解質層20にポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂、具体的にはデュポン社製の製品名Nafion117を用いて発電部10を作成した。また、液体燃料として、20vol%メタノール水溶液を9.0cc程度、ガス透過膜として、シリコーン膜を用いた。
液体燃料としてメタノール水溶液を用いた場合には、アノード30で二酸化炭素が生成される。以下に、カソード10及びアノード30の反応式を示す。
カソード:O2 + 4H+ + 4e- → 2H2
アノード:CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e-
前述したアノード30における反応式により、メタノール1モルあたり二酸化炭素が1モル、電子が6モル分生成される。この6モル分の電子の電荷量は、ファラデー定数(9.648×104C/mol)により57.9×104(C)であり、1秒間あたり57.9×104(A)の電流値となる。また、0℃、1気圧の標準状態では、気体は1モルあたり22.4(l)の体積を占める。
以上により、電流値1mAあたりに発生する二酸化炭素の量を求めると、図5Aに示すように、1秒間あたり3.86874×10-5(cc)、1分間あたり2.321244×10-3(cc)の二酸化炭素が発生することになる。
図5Bは、単位面積あたりの電流値(mA/cm2)と1分間あたりに発生する二酸化炭素の量との関係を示した特性図である。
この図5Bは、図5Aの関係により算出されるものであり、例えば、電流値が10(mA/cm2)では1分間あたり二酸化炭素が2.321244×10-2(cm3)、電流値が50(mA/cm2)では1分間あたり二酸化炭素が0.116062(cm3)、電流値が100(mA/cm2)では1分間あたり二酸化炭素が0.232124(cm3)発生することになる。
前述した燃料電池において、例えば、電極面積を10cm2、電流密度を50(mA/cm2)として通電試験を行った場合、発生する二酸化炭素の量は、図5Bより約1.16(cm3)発生する。
ここで、図6Aは、各ガス透過膜材料における二酸化炭素の透過係数及び差圧0.1MPaにおける二酸化炭素の透過量を示した図である。
前述したように、気体の透過係数は、
『透過係数=透過量(体積)×フィルムの厚さ÷(圧力差×透過面積×時間)』
の関係により求められる。
ガス透過膜220としてシリコーン膜を用いた場合には、図6Aに示すように、シリコーンの透過係数が3240×10-10(cm3・cm/cm2・s・cmHg)であるため、圧力印加部300による圧力の印加により大気との差圧を0.1Mpa(約1気圧)とした場合、シリコーン膜を透過する二酸化炭素の量は、1分間あたり1.458076×10-2(cm3・cm/cm2)となる。
図6Bは、シリコーン膜の膜厚とシリコーン膜を透過する単位面積あたりの二酸化炭素の量との関係を示した特性図である。
この図6Bは、図6Aの関係により算出されるものであり、例えば、膜厚が10μmでは1分間あたり二酸化炭素が1.458076(cm3/cm2・min)、膜厚が50μmでは1分間あたり二酸化炭素が0.291615(cm3/cm2・min)、膜厚が100μmでは1分間あたり二酸化炭素が0.145808(cm3/cm2・min)、膜厚が150μmでは1分間あたり二酸化炭素が0.097205(cm3/cm2・min)、膜厚が200μmでは1分間あたり二酸化炭素が0.072904(cm3/cm2・min)透過することになる。
したがって、前述したように、燃料電池において電極面積を10cm2、電流密度を50(mA/cm2)として発電を行い、シリコーン膜を介して発生した二酸化炭素(約1.16(cm3))を全て外部に透過させるためには、圧力印加部300により印加する圧力を0.1Mpa(約1気圧)とすると、例えば、シリコーン膜の膜厚を50μmとした場合には、シリコーン膜の透過面積を4.0cm2以上に設定すればよいことになる。また、例えば、シリコーン膜の膜厚を100μmとした場合には、シリコーン膜の透過面積を8.0cm2以上に設定すればよい。
次に、圧力印加部300により燃料貯蔵部210に印加する圧力と、発電効率との関係について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る燃料電池において、圧力印加部300により印加する圧力と発電効率との関係を示した特性図である。
図7に示す700は、燃料電池に供給される電流値である。本実験では、0mA、100mA、200mA、…、600mAとステップ上に電流値を大きくし、これを1サイクルとして燃料電池に10分単位で供給している。ここで、図5Bに示したように、燃料電池に供給する電流値を大きくすればするほど、アノード30で生成される生成ガスの量も比例して大きくなる。
図7に示す701は、圧力印加部300により圧力を0.1Mpa(約1気圧)印加した場合の電圧特性であり、図7に示す702は、圧力印加部300による圧力の印加を行わなかった場合の電圧特性である。
燃料電池に供給する電流値が小さいとき(100mA等)には、圧力を印加した場合の電圧特性701と圧力を印加しない場合の電圧特性702との差はあまり生じないが、燃料電池に供給する電流値が大きくなると(600mA等)、圧力を印加した場合の電圧特性701に対して、圧力を印加しない場合の電圧特性702の電圧降下が顕著になってくる。これは、前述したように、供給する電流値が大きくなるにしたがってアノード30で生成される生成ガスが大きくなり、また、圧力印加部300により圧力が印加されていないためにガス透過膜220を透過する生成ガスの量も少なく、ガス透過膜220から排出されなかった生成ガスが燃料貯蔵部210に停滞し、アノード30に対する燃料の供給が効率的に行われなくなってしまうためであると考えられる。
このように、燃料貯蔵部210に対して圧力を印加することにより、ガス透過膜220への燃料の溶解拡散が促進され、ガス透過膜220による生成ガスの排出を効率よく行えることが実証できた。
本発明の実施形態においては、ガス透過膜220の材料としてシリコーン膜を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、細孔が存在しない均一でかつ均質な非多孔質のものであれば適応可能であり、例えば、ポリイミドやポリ(1−(トリメチルシリル)−1−プロピン等を主材料とするものを適用することも可能である。
また、本発明の実施形態においては、アノード30で生成された生成ガスを燃料貯蔵部210の外部に排出させる非多孔質膜として、ガス透過膜220を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば、繊維状に形成されていてもよい。
本発明の実施形態によれば、燃料貯蔵部210に、シリコーンまたはポリイミド等を主材料とする非多孔質のガス透過膜220を設けるようにしたので、圧力印加部300から燃料貯蔵部210内の燃料に対して圧力を印加して常にアノードを燃料で浸しておくことができるとともに、アノード30で生成された生成ガスを燃料貯蔵部210の外部に排出し、かつ燃料貯蔵部210内の燃料の外部への漏洩を防止することができる。これにより、効率的な燃料電池の稼動を実現することが可能となる。
また、ガス透過膜220の厚さ及び透過面積を、アノード30で生成される生成ガスに対する透過係数と、圧力印加部300により印加される圧力等をパラメータとして設定するようにしたので、アノード30で生成された生成ガスの排出を最適に行うことが可能となる。
また、ガス透過膜220を、燃料貯蔵部210のカソード30に接する面と対向する面の全体にわたって配設するようにしたので、ガス透過膜220の透過面積を大きくすることができる。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
酸素を還元するカソードと、燃料を酸化するアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に設けられた電解質層とを含んで構成される発電部と、
前記燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、
前記燃料貯蔵部に貯蔵されている燃料に対して圧力を印加する圧力印加部と
を有し、
前記燃料貯蔵部には、非多孔質状であり、前記圧力印加部により圧力が印加された状態で前記アノードで生成された生成ガスのみを透過する非多孔質膜が設けられていることを特徴とする燃料電池。
(付記2)
前記非多孔質膜は、シリコーンまたはポリイミドを主材料とするものからなることを特徴とする付記1に記載の燃料電池。
(付記3)
前記非多孔質膜における厚さ及び前記燃料と接する面の表面積は、少なくとも、前記生成ガスに対する当該非多孔質膜の透過係数と、前記圧力印加部により印加される圧力とをパラメータとして設定されていることを特徴とする付記1又は2に記載の燃料電池。
(付記4)
前記燃料貯蔵部が前記アノードと接して配設されており、
前記非多孔質膜は、前記燃料貯蔵部の前記アノードに接する面と対向する面に配置されていることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
(付記5)
前記燃料貯蔵部に貯蔵されている燃料が液体燃料であることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
(付記6)
前記液体燃料がメタノール水溶液であることを特徴とする付記5に記載の燃料電池。
(付記7)
前記非多孔質膜は、繊維状に形成されていることを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池。
(付記8)
前記生成ガスは、二酸化炭素を含むガスであることを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。
本発明の基本骨子を説明するための燃料電池の概略図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 発電部の概略構成を示す断面図である。 図2に示した燃料貯蔵部のI−Iにおける概略断面図である。 単位面積あたりの電流値において、発生する二酸化炭素の量を示した図である。 単位面積あたりの電流値と1分間あたりに発生する二酸化炭素の量との関係を示した特性図である。 各ガス透過膜材料における二酸化炭素の透過係数及び差圧0.1MPaにおける二酸化炭素の透過量を示した図である。 シリコーン膜の膜厚とシリコーン膜を透過する単位面積あたりの二酸化炭素の量との関係を示した特性図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池において、圧力印加部300により印加する圧力と発電効率との関係を示した特性図である。
符号の説明
10 カソード
11 カソード集電体層
12 ガス拡散層
13 カソード電極層
20 固体電解質層
30 アノード
31 アノード電極層
32 ガス拡散層
33 アノード集電体層
100 発電部(MEA)
200 アノード側筐体
210 燃料貯蔵部
211 燃料供給口
212 燃料供給管
220 ガス透過膜
300 圧力印加部
310 配管
400 カソード側筐体
410 酸素供給孔

Claims (4)

  1. 酸素を還元するカソードと、液体燃料を酸化するアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に設けられた電解質層とを含んで構成される発電部と、
    前記液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、
    前記燃料貯蔵部に貯蔵されている前記液体燃料に対して圧力を印加する圧力印加部と
    を有し、
    前記燃料貯蔵部には、非多孔質状であり、前記圧力印加部により圧力が印加された状態で前記アノードで生成された生成ガスのみを透過する非多孔質膜が設けられており、
    前記圧力印加部から供給されるブタンガス、あるいはフロンガスにより、前記液体燃料に圧力が印加されることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記非多孔質膜は、シリコーンまたはポリイミドを主材料とするものからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記非多孔質膜における厚さ及び前記液体燃料と接する面の表面積は、少なくとも、前記生成ガスに対する当該非多孔質膜の透過係数と、前記圧力印加部により印加される圧力とをパラメータとして設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記燃料貯蔵部が前記アノードと接して配設されており、
    前記非多孔質膜は、前記燃料貯蔵部の前記アノードに接する面と対向する面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
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