JP4893735B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関し、特に安定した出力特性を得ることのできる燃料電池の構成に関する。
近年、携帯電話、PDA、ノートパソコン等の携帯電子機器の著しい進歩につれ、ユーザによる使用時間やトータルの消費電力が増大してきており、その駆動電源である電池には、更なる性能向上が求められている。
しかし、現在ほとんどの携帯機器に搭載されているリチウムイオン二次電池では、材料面、構造面から性能向上がほぼ限界に近づきつつある。これに対し、新規の高容量駆動電源として、燃料の理論容量が大きく、リチウムイオン電池と比較して、数倍の高容量化が期待されるダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)に注目が集まっている。これは、電解質に高分子固体電解質を用い、燃料として有機燃料から改質された水素を供給することなく、電極上に直接メタノールなどの有機燃料を供給することで、エネルギー密度を向上させることができる。このようなダイレクトメタノール方式の燃料電池は、軽量小型化に適している。
ダイレクトメタノール方式では、燃料極(アノード電極)触媒に、メタノールと水を液相または気相で供給する。触媒上でプロトンと二酸化炭素が生成され、プロトンは高分子固体電解質膜を透過し、酸素と化合して水を生成する。プロトンの生成と同時に生成される電子(e-)は、導線内を通って空気極(カソード電極)へ移動し、これによって電力が取り出せる。
DMFCにおける燃料供給方法には、燃料極の表面に液体状態の燃料を直接供給する液体供給式と、液体燃料を気化させた後に電極部へ供給する気化供給式がある。
液体供給式では、燃料であるメタノールに高濃度溶液を使用した場合に、メタノール自体が電解質膜を透過して空気極の性能低下を招くという、いわゆるメタノールクロスオーバーが生じる。
これに対して気化供給式では、メタノールを気体状態で電極部に供給するため、電極に供給されるメタノールの量は、タンク内の燃料量に比べて低減されている。したがって、メタノールクロスオーバー等の問題を回避することができる。
逆に言うと、気化供給式ではタンク内から供給する燃料を高濃度にすることが可能となり、同一容積で比較すると、低濃度の燃料を使用した場合に比べてエネルギー密度は向上する。この点で、小型化、高エネルギー密度化が要求されている携帯型電子機器の用途では、気化供給式が適する。
燃料を気相で供給する場合には、燃料の気化方法として、燃料タンクから導入された液体燃料を多孔質体に接触させ、液体燃料と接しない反対側の多孔質面から燃料を蒸発気化させる方法、あるいは高分子膜などの膜に燃料を接触させ、膜中を燃料が透過し、燃料と反対側の面から気化させる、いわゆる浸透気化膜を用いた燃料気化方法を利用することができる。前記のような燃料ガス供給機構のうち、高分子膜を利用した気化膜を用いる場合、燃料気化速度を制御するために、最適な燃料透過率、あるいは気化速度、または膜厚形状のものを選択することで最適化を行う。
図1は、一般的な気化燃料供給方式の燃料電池100の概略断面図である。液体燃料カートリッジ101からバルブ102を介して、液体燃料貯蔵部103へとメタノール水溶液が供給される。メタノール水溶液は気化膜104と、開口部115を有するマスク層105を通り、燃料拡散層106で拡散されて燃料極(アノード電極)107に到達する。
発電部はMEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれ、アノード電極107とカソード電極109が固体電解質108を介して対向して配置される。アノード電極107は、上述のように燃料メタノールを酸化して、プロトン(H+)と電子を生成する。カソード電極109は、酸素を還元して発生したイオンと、アノード電極107で生成され固体電解質108を輸送されてきたプロトンから水を生成する。アノード電極107とカソード電極109から、それぞれリード110、111が延びて、アノード電極107で生成された電子を取り出す。
特開2000−106201号公報
従来の液体燃料気化部の構成では、気化経路は一つだけであった。燃料の気化供給量は定温においては一定値となるが、温度変化により供給量が変わるという問題点がある。すなわち、環境温度や操作温度が変動すると、燃料電池の安定した出力特性を得ることは困難になる。燃料電池出力を安定にするためには、環境温度および操作温度の範囲を厳しく制限しなければならない。
気化部からの燃料供給量の変動によって引き起こされる問題点として、燃料供給量が小さくなると、燃料電池の始動に極端に時間を要する。逆に、燃料供給量が過剰になると、反応熱およびメタノールクロスオーバーによる発熱により、携帯機器への適用には許容できないほどの高温に達することがある。
そこで、本発明は、安定した出力特性を有する燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を実現するために、2つの手法が考えられる。
第1の手法は、液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、アノード電極の間に、燃料気化供給特性の異なる複数の液体燃料の気化経路を設置し、温度等の運転条件の変動に応じて、適切な気化経路を選択する構成である。
第2の手法は、気化膜と接するマスク層の有効な開口面積を、環境温度または操作温度の変動に応じて変化させる構成である。
具体的には、第1の側面では、燃料電池は、
(a)液体燃料供給部と、
(b)電解質を介して対向するアノード電極およびカソード電極が配置される発電部と、
(c)前記液体燃料供給部と前記発電部との間に位置し、それぞれ異なる燃料気化供給特性を有する2以上の気化経路と、
(d)外部変化に応じて、前記2以上の燃料気化経路を切り替える切り替え部と
を備える。
この構成により、温度等の環境変化に応じて、適切な気化経路が選択され、燃料電池の安定した出力を得ることができる。
さらに、燃料電池の始動時にも、速やかに安定出力に達することができ、その後も引き続いて、安定した出力を維持することができる。
ひとつの構成例では、上記の2以上の燃料気化経路は、前記液体燃料に対する第1の気化特性を有する第1気化膜を含む第1の気化経路と、第1の燃料気化特性と異なる第2の気化特性を有する第2気化膜を含む第2の気化経路とを含む。
また別の構成例では、上記の2以上の燃料気化経路は、第1の開口面積の開口部を有する第1マスク層を含む第1の気化経路と、第1の開口面積と異なる第2の開口面積の開口部を有する第2マスク層を含む第2の気化経路とを含む。
第2の側面では、燃料電池は、
(a)液体燃料供給部と、
(b)電解質を介して対向するアノード電極およびカソード電極が配置される発電部と、
(c)前記液体燃料供給部と前記発電部との間に位置し、前記液体燃料を気化する気化膜と、
(d)前記気化膜に、前記発電部側で接し、温度変化によって有効面積が変化する開口部を有し、前記開口部を介して前記発電部に気化した燃料を供給するマスク層と
を備える。
このような構成も、環境温度や操作温度の変化にかかわらず、燃料電池の安定した出力を得ることができる。
良好な構成例として、マスク層は、第1の開口部を有する第1マスク層と、第2の開口部を有する第2マスク層とを含み、温度変化に応じて、第1マスク層に対して第2マスク層が相対的に位置変化する。
温度等の外部変化にかかわらず、燃料電池の安定した出力特性を得ることができる。
従来の気化燃料供給式の燃料電池の概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る気化燃料供給式の燃料電池の構成例を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る気化燃料供給式の燃料電池の別の構成例を示す概略断面図である。 第1実施形態の燃料電池の出力特性の安定性を示す実験結果の表である。 第1実施形態の燃料電池の出力特性の安定性を示す別の実験結果の表である。 本発明の第2実施形態に係る気化燃料供給式の燃料電池の構成例を示す概略断面図である。 図6の構成において、温度変化による第2マスク層の変位を説明するための図である。 第2実施形態の燃料電池の出力特性の安定性を示す実験結果の表である。
符号の説明
10、30、60 燃料電池
12、32、62 液体燃料カートリッジ
14、15、34、35、64 液体燃料貯蔵部
16、17、36、37、66 気化膜
18、38、68 第1のマスク層
19、39、69 第2のマスク層
21、41、71 燃料拡散層
22、42、72 燃料極(アノード電極)
23、43、73 固体電解質
24、44、74 空気極(カソード電極),
以下、図面を参照して、本発明の良好な実施の形態について説明する。
まず、図2〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。図2(a)は、本発明の第1実施形態に係る気化燃料供給式の燃料電池10の概略断面図である。第1実施形態の燃料電池は、2つの気化経路を有する。
燃料電池10は、液体燃料カートリッジ12と、切り替えバルブ13と、切り替えバルブ13から分岐する供給管27a、27bを有する。切り替えバルブ13は、液体燃料カートリッジ12から供給される液体燃料を、第1の気化経路Aと第2の気化経路Bに、適宜切り替えて供給する。液体燃料カートリッジ12内には、液体燃料として、たとえば30〜100vol%メタノール水溶液が満たされている。液体燃料は、図示はしない加圧機構によって、所定の送液圧力(たとえば0.05MPa)に加圧されている。
第1供給管27aは、第1の液体燃料貯蔵部14に接続される。第1の液体燃料貯蔵部14は、開口部18aを有する第1のマスク層18と、液体燃料を気化させるための第1気化膜16上に積層されている。第1供給管27a、第1の液体燃料貯蔵部14、第1気化膜16、第1のマスク層18で、第1の気化経路Aを構成する。
一方、第2供給管27bは、第2の液体燃料貯蔵部15に接続される。第2の液体燃料貯蔵部15は、開口部19aを有する第2のマスク層19と、液体燃料を気化させるための第2気化膜17上に積層されている。第2供給管27b、第2の液体燃料貯蔵部15、第2の気化膜17、第2のマスク層19で、第2の気化経路Bを構成する。
第1の気化経路Aと第2の気化経路Bは、燃料仕切り20で仕切られている。そして、図2(b)、図2(c)に示すように、第1および第2の気化部14、15とそれぞれ接する第1および第2のマスク層18、19は、その開口部18a、19aの面積が互いに異なる。図2の例では、第2のマスク層19の開口面積のほうが、第1のマスク層18の開口面積よりも大きい。
同種の気化膜を使用する場合は、開口部18aの面積が小さい第1マスク層18に接する第1気化膜16のほうが、開口部19aの面積が大きい第2マスク層19に接する第2気化膜17よりも、一定温度における気化速度が小さい。したがって、環境温度が下がった場合は、切り替えバルブ13で第1気化経路Aから第2気化経路Bに切り替えて、気化速度を増大させることにより、安定な燃料出力を得ることができる。なお、図示はしないが、バルブ13を温度センサと連動させて自動切り替えとする構成を採用してもよい。
気化膜16、17は、図2の例では、同じ材料、同じ厚さで構成される。たとえば、三菱樹脂製のシリコーン膜を用いているが、これに限定されず、パーフルオロスルホン酸系材料、カルボキシル基を有するパーフルオロスルホン酸系材料、シリコーン系材料、ポリイミド系材料など、メタノール透過性を有する非多孔質材料であれば、任意の材料を使用できる。
一般的に、気化膜はメタノールに対して膨潤して形状変化を伴う、あるいは燃料加圧などによる形状変化が生じる場合もあり、単一の材料を用いても、安定した気化特性を得ることが困難な場合も多い。したがって、使用する気化膜16.17との密着性に優れ、かつメタノール浸漬時に寸法変化が小さく、燃料透過速度の小さい材料を、マスク材として用いる。実施形態では、マスク18、19の材料としてSUS(ステンレス)を用いているが、上記の条件を満たすその他の金属や、セラミック板、プラスチック板などを用いてもよい。そして、マスク開口部18a、19aの面積を異ならせることによって、燃料気化特性の異なる複数の気化経路A,Bを実現している。
もっとも、気化膜は、その厚さによっても燃料気化速度が変わってくる。膜厚が厚くなるほど、燃料気化速度は小さくなるので、マスク層18,19の開口面積を異ならせる代わりに、あるいは開口面積の相違と組み合わせて、気化膜16,17の膜厚を変える構成としてもよい。さらに、膜厚は一定として、気化膜16,17を燃料気化速度の異なる材料で構成してもよい。
気化膜16,17自体の膜厚、材質などを異ならせることによって、気化経路A,Bの燃料気化特性を調整する場合は、マスク層18,19の挿入は必須ではない。しかし、上述のように、気化膜16,17の形状変形を防止し、効率的に出力の安定化を図るためには、マスク層18,19を挿入するのが望ましい。この場合のマスク層18,19の開口部18a,19aの面積は一定でもよいし、互いに異ならせてもよい。気化膜の気化特性と、マスク開口面積の双方を異ならせることによって、より緻密な制御が可能になる。
マスク18または19を透過した気化燃料は、燃料拡散層21を通って燃料極(アノード電極)22に到達する。燃料拡散層21は、空隙率の大きい多孔性の材料、たとえばカーボンを用いる。アノード電極22,カソード電極(空気極)24、これらの電極間に挟まれる固体電解質23で、発電部としてのMEA(Membrane Electrode Assembly)を構成する。アノード電極22は、気化燃料を酸化してプロトンと電子を取り出す。カソード電極24は、酸素を還元して発生したイオンと、固体電解質23を通過してきたプロトンとで水を生成する。プロトン輸送経路としての固体電解質23は、電子伝導性を持たず、高いプロトン伝導性を有し、代表的なものとして、Dupont社製のNafion膜がある。実施例では、Nafion 112を用いる。アノード電極22は、たとえば、白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金担持触媒(TEC61E54、田中貴金属製)、カソード電極24は、たとえば、白金担持触媒(TEC10E50E、田中貴金属製)である。アノードリード25およびカソードリード26により、アノード電極22とカソード電極24を外部回路に接続して、電力を取り出す。
このような構成により、環境温度や操作温度に応じて、適切な燃料気化経路を選択することにより、アノード電極22へ供給する燃料量を制御して、安定した出力を得ることが可能になる。
さらに、環境温度や操作温度の変動時のみならず、燃料電池10の始動時に、燃料供給量の大きい第2の気化経路Bを選択して、燃料電池10の起動に要する時間を短縮することもできる。そして、その後、安定な発電に適した燃料量を供給する気化経路を選択することで、燃料電池10の速やかな始動と、それに引き続く安定した出力特性が実現する。
図3は、第1実施形態の燃料電池の別の構成例を示す。図2では、気化供給特性の異なる積層部(気化経路AおよびB)を並列に配置したが、図3の構成例では、直列に積層する構成を採用する。
燃料電池30は、メタノール等の液体燃料を収容する液体燃料カートリッジ32と、切り替えバルブ33と、切り替えバルブ33から分岐する供給管27a、27bを有する。切り替えバルブ33は、液体燃料カートリッジ32から供給される液体燃料を、第1の気化経路Aと第2の気化経路Bに、適宜切り替えて供給する。
燃料極(アノード電極)42に接する燃料拡散層41上に、第2マスク層39,第2気化膜37、第2の液体燃料貯蔵部35、第1マスク層38、第1気化膜36、第1の液体燃料貯蔵部34が、この順で積層されている。
第1供給管27aは、第1の液体燃料貯蔵部34に接続される。第1の液体燃料貯蔵部34、第1気化膜36、第1マスク層38、第2の液体燃料貯蔵部35,第2気化膜37、および第2マスク層39で、第1の気化経路Aを構成する。
第2供給管27bは、第2の液体燃料貯蔵部35に接続される。第2の液体燃料貯蔵部35、第2気化膜37、および第2マスク層39で、第2の気化経路Bを構成する。
図3の構成では、気化経路Aでの気化膜のトータルの膜厚が厚くなる。すなわち、第1の気化経路Aの方が、気化供給速度が遅くなる。したがって、環境温度または操作温度が高くなったときは、切り替えバルブ33により、第2の気化経路Bから第1の気化経路Aに切り替える。
逆に、燃料電池30の始動時や、環境温度が下がったときは、第2の気化経路Bを選択することによって、電池の速やかな始動と、安定した出力特性の維持を実現する。
なお、燃料拡散層41、アノード電極42、固体電解質43、カソード電極44、アノードリード45、およびカソードリード46の構成は、図2と同様であるので、説明を省略する。
図4は、図2の構造の燃料電池10の出力特性の安定性を示す表である。環境温度が40℃から20℃に変化したときに、燃料供給の少ない第1の気化経路Aから、供給量の多い第2の気化経路Bに切り替えて、60mA/cm2の電流密度で定電流放電を行い、その平均放電電圧を測定した実験結果である。また、比較例として、図1の従来構成の燃料電池を用いて、同様の実験を行った。
2つの異なる気化供給特性を有する燃料電池10は、環境温度の変化に対応して燃料供給量を制御することで、ほぼ安定した燃料電池出力を得ることができる。これに対して、従来の燃料電池では、環境温度の低下に応じて、平均放電電圧も、0.361Vから0.224Vにまで低下している。
図5は、図2の構造の燃料電池10の、始動時の動作の安定性を示す表である。環境温度40℃において、始動時のみ燃料供給量の多い第2の気化経路Bを選択し、その後、第1の気化経路Aに変更したときの、安定した放電電圧に至るまでの時間を測定した結果である。また、比較例として、図1の従来構成の燃料電池を用いて、同様の実験を行った。
2つの異なる気化供給特性を有する燃料電池10は、平均放電電圧が0.360Vで安定するまで8分かかるのに比べ、従来の燃料電池は、平均放電電圧が0.361Vで安定するまでに25分も要する。
このように、第1実施形態の燃料電池は、環境温度や操作温度が変化しても安定した出力特性を有するとともに、始動時に速やかに安定出力へと移行することが可能になる。
なお、第1実施形態において、気化経路を3以上にすると、より柔軟な制御が可能になり、安定性を高めることができる。複数の気化経路ごとの気化供給特性は、マスク層の開口面積のみならず、気化膜の種類、膜厚を適宜組み合わせることにより、任意の気化供給特性に設定することができる。
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図6(a)は、第2実施形態の燃料電池60の概略断面図である。第2実施形態では、燃料電池の安定した出力を実現するために、気化経路は単一であっても、温度変化に応じて、マスク層の有効な開口面積が変化する構成を採用する。
上述したように、気化膜の燃料気化特性は、温度変化に対して大きく変化する。そこで、環境温度や操作温度が上昇して、気化膜の燃料気化速度が増大したときに、マスクの開口部の有効面積が減少する構成とすることで、気化部全体としての燃料気化速度を制御し、その結果、燃料電池の出力特性を安定にする。
図6(a)において、燃料電池60は、液体燃料カートリッジ62と、バルブ63と、 液体燃料貯蔵部64と、気化膜66と、気化膜に接する第1のマスク層68と、第1のマスク層68に接する第2のマスク層69を有する。
第1のマスク層68は、気化膜66との密着性に優れ、かつメタノール浸漬時に寸法変化が小さく、燃料透過速度が小さい材料を使用し、実施例では、たとえばSUSを使用する。
第2のマスク層69は、第1のマスク層68に対して位置変化可能に保持される。すなわち、図6(b)のような開口部68aを有する第1のマスク層68に、図6(c)のような開口部69bを有する第2のマスク層69を重ねて配置する場合、温度変化(たとえば温度の上昇)に応じて、第2マスク層69の開口部69aの位置を、水平方向に変位させる。
図7は、第1のマスク層68に対する第2のマスク層69の変位を説明するための図である。温度上昇前は、図7の上図に示すように、第1のマスク層68の開口部68aと、第2のマスク層69の開口部69aは、3カ所(3列)で一致して、気化膜66からの気化燃料を、燃料拡散層71(図6)へ透過させる。温度が上昇すると、気化膜66の気化供給量は増大するが、図7の下図に示すように、第2のマスク層69の開口部69aが、第1のマスク層68の開口部68aに対して変位する。その結果、第1のマスク層68の開口部68aと、第2のマスク層69の開口部69aは、2カ所(2列)のみで一致することになり、燃料の気化供給量を低減する。このマスク層における気化供給量の低減と、気化膜66での気化供給量の増大を相殺することによって、全体として、温度上昇前と上昇後で、安定した出力特性を得ることができる。
第1のマスク層68に対する第2のマスク層69の変位は、手動で行ってもよいが、温度変化に対して平面形状、サイズが大きく変化する材料を用いてもよい。また、第2のマスク層69を、温度変化に対して湾曲等して形状が変化する材料で構成してもよい。そのような材料として、熱膨張係数の異なる2種類あるいはそれ以上の金属または合金を接着して一体化させたバイメタルがある。例えば、鉄とニッケルの合金にマンガン、クロム、銅などを添加して2種類の熱膨張率の異なる金属板を作り、冷間圧延で貼り合わせたものを用いる。マスク間の摩擦を低減するために、第1のマスク層68と第2のマスク層69の間に潤滑材料を挿入して、変位を容易にするのが望ましい。
なお、燃料拡散層71、燃料極(アノード電極)72、固体電解質73、空気極(カソード電極)74、アノードリード75、およびカソードリード76の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図8は、第2実施形態の燃料電池60の出力特性の安定性を示す表である。環境温度が20℃から40℃に変化したときに、第2のマスク層69の位置を変化させることによって開口部面積を減少させ、60mA/cm2の電流密度で定電流放電を行い、その平均放電電圧を測定した。また、比較例として、図1の従来構成の燃料電池についても、同様の実験を行った。
表の結果から明らかなように、第2実施形態の燃料電池60は、温度変化があった場合でも、ほぼ安定した電池出力を達成する。これに対し、従来構成の燃料電池は、電圧の急激な減少と変動により、安定な発電電圧を得ることができない。これは、温度の上昇により気化膜66の燃料気化速度が増大し、燃料極(アノード電極)72へ気化供給されたメタノールが、空気極(カソード電極)74へと到達して過剰な発熱が起こり、さらに、メタノールクロスオーバーが促進されるためと考えられる。
以上のように、第1実施形態および第2実施形態の構成により、環境温度や操作温度の変化にもかかわらず、燃料電池の安定した出力特性を維持することが可能になる。
また、第1実施形態では、通常動作時のみならず、始動時においても、速やかに安定出力へ移行できるという効果がある。

Claims (8)

  1. 液体燃料供給部と、
    電解質を介して対向するアノード電極およびカソード電極が配置される発電部と、
    前記液体燃料供給部と前記発電部との間に位置し、それぞれ異なる燃料気化供給特性を有する2以上の気化経路と、
    温度変化に応じて、前記2以上の燃料気化経路を切り替える切り替え部と
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記2以上の燃料気化経路は、
    前記液体燃料に対する第1の気化特性を有する第1気化膜を含む第1の気化経路と、
    前記第1の燃料気化特性と異なる第2の気化特性を有する第2気化膜を含む第2の気化経路と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記2以上の燃料気化経路は、
    第1の開口面積の開口部を有する第1マスク層を含む第1の気化経路と、
    前記第1の開口面積と異なる第2の開口面積の開口部を有する第2マスク層を含む第2の気化経路と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記第1および第2の気化膜は、異なる種類の非多孔質材料で構成されることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  5. 前記第1および第2の気化膜は、異なる膜厚を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  6. 前記第1および第2の気化膜は、メタノール透過性を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  7. 前記第1および第2の気化膜は、パーフルオロスルホン酸系材料、カルボキシル基を有するパーフルオロスルホン酸系材料、シリコーン系材料、ポリイミド系材料のうち、少なくともいずれか1種を主材料として構成されることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  8. 前記液体燃料供給部は、前記液体燃料を加圧する加圧機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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