JP2007250461A - 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のセル部を組み合わせて構成される小型の燃料電池における運転の信頼性および寿命の向上を実現する。
【解決手段】複数のセル部110を直列に接続して構成される燃料電池システム100において、個々のセル部110を接続切り替え器132を介して交流抵抗測定部131に接続して、単一の低周波数での交流インピーダンスを測定し、インピーダンスの絶対値または位相のばらつきが最も大きなセル部110を判定回路133で特定し、当該セル部110の運転状態が改善されるように、燃料電池システム100の出力電力を調節する電力制御回路134を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池および燃料電池の制御技術に関し、たとえば、燃料極と空気極と電解質からなり、液体燃料を気化し、それを気体燃料として使用して発電する燃料電池等における発電条件の制御に関するものである。
近年の携帯情報機器は、小型化、軽量化、高機能化が一段と進んでいる。また情報機器装置の発展に伴い、その電源となる電池も小型・軽量・高容量化が着実に進んできた。現在の携帯電話装置における最も一般的な駆動電源はリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は実用化当初から高い駆動電圧と電池容量を持ち、携帯電話装置の進歩に併せるように性能改善が図られてきた。
しかし、リチウムイオン電池の性能改善にも限界があり、今後も高機能化が進む携帯電話装置の駆動電源としての要求をリチウムイオン電池は満足できなくなりつつある。
このような状況のもと、リチウムイオン電池に変わる新たな発電デバイスの開発が期待されている。例えば燃料電池を挙げることができる。燃料電池は、負極に燃料を供給することで電子とプロトン(H)を生成し、そのプロトンを正極に供給された酸素と反応させることで発電する装置である。このシステムの最大の特徴は燃料及び酸素を補給することで長時間連続発電が可能であり、二次電池における充電の代わりに燃料を補給することで二次電池と同様に機器電源に応用できる。このことから、燃料電池は分散電源や電気自動車用の大型の発電機としてだけでなく、ノートPCや携帯電話に適用するための超小型の発電ユニットとして盛んに研究開発が行われている。
燃料電池は、通常、燃料として水素やメタノールなどの還元性物質を使用し、これらの物質を大気中の酸素と反応させることで発電を行う電気化学デバイスである。水素は、高圧ボンベや水素貯蔵性の物質などが必要であるとともに、燃料タンクに大きな体積を取られるためマイクロ燃料電池には向いていない。そこで液体燃料としてメタノール水溶液を用いるマイクロ燃料電池が注目されている。
従来は液体燃料を液体のまま発電部に導入していたが、この方式だと発電部に液体が常に接していなければならず、発電の等方可動性(燃料電池の任意の姿勢で発電を可能にすること)を実現するのが困難であり、メタノールのクロスオーバーによりセル特性の大幅な低下が起こる、という技術的課題があった。
そこで液体燃料を気化し、その蒸気を燃料として発電する方式が提案されている。この気化方式にすると発電部には気体で燃料を供給するためセルとしての等方可動性の実現が容易になる、また、液体で供給するよりメタノールの絶対量が低下するためクロスオーバーの低減が期待できるというメリットがある。
この気化方式の従来技術として、特許文献1のように毛細管現象を使った方式、特許文献2のように、カートリッジによる加圧供給方式がある。これらの場合、多孔質膜を通して燃料の気化を行っているので、燃料が液体の状態で発電部に供給される可能性が残っている。その場合、燃料の気化を行う膜構造を工夫することで、燃料が液体のままで発電部に供給されることを防止することが考えられる。
気化膜を利用したセルを小型パッシブ方式で動かすためには、燃料供給面積、及び電極面積を有効に稼ぐため、スタック型ではなく平面直列型にする構造が採用されてきた。従来の発電制御は、平面状に配置したセルを直列に接続し、その組みセルから得られる合計の出力をひとつのセルと見立てて行うものであった。
しかし、面積が大きくなるほど発電部に対して燃料を均一に供給するのが難しくなり、直列で接続したセル間での発電状態にムラが出来やすくなる。そのような状態の組みセルで長時間の発電を続けると、出力が弱いセルに対して強い負荷がかかり続け、発電能力の劣化を促進してしまう。その結果、直列で接続したセル間で出力バランスが大きく崩れ、燃料電池システムとして機能しなくなる。すなわち燃料電池システムの劣化を早めてしまうという弊害があった。
この解決方法として、特許文献3では、燃料に水素と空気を用いた固体高分子型燃料電池の制御法として、交流インピーダンスを周波数ごとにステップして測定し、その結果を基に等価回路中の値を算出して燃料電池の運転制御を行う方法が開示されている。
しかし、この特許文献3の方法では周波数をステップして交流インピーダンスを測定する部位、および計算を行う部位の両方を携帯用燃料電池に搭載できるほど小型化することは困難であり、この方式を携帯用に応用するのは難しい。
特許第3413111号公報 特開2004−142831号公報 特開2005−63946号公報
本発明の目的は、複数のセル部を組み合わせて構成される小型の燃料電池における運転の信頼性および寿命の向上を実現することにある。
本発明の目的は、複数のセル部を組み合わせて構成される小型の燃料電池における運転効率の維持および向上を実現することにある。
本発明の他の目的は、液体の燃料を用いる小型の燃料電池における運転の信頼性および寿命の向上を実現することにある。
本発明の他の目的は、液体の燃料を用いる小型の燃料電池における運転効率の維持および向上を実現することにある。
本発明の第1の観点は、
燃料極と空気極とによって電解質膜を挟持してなるセルを複数備えた燃料電池システムであって、
各セルの交流インピーダンスを単一の周波数で計測するインピーダンス測定手段と、
前記インピーダンスの測定結果に基づいて、異常セルを特定するセル特定手段と、
前記異常セルが正常動作する運転条件に合わせて、全てのセル部の運転条件を変更する運転制御手段と、
を含む燃料電池システムを提供する。
本発明の第2の観点は、前記運転条件として、放電負荷、燃料供給量、運転温度の少なくとも1つを含む第1の観点に記載の燃料電池システムを提供する。
本発明の第3の観点は、
前記測定結果として、インピーダンスの絶対値と、位相のずれと、を含む第1の観点又は2に記載の燃料電池システムを提供する。
本発明の第4の観点は、前記セル特定手段は、複数回、前記異常セルと特定されたセルを燃料電池システムから切り離す動作を行う、第1の観点〜3何れかに記載の燃料電池システムを提供する。
本発明の第5の観点は、
燃料極と空気極とによって電解質膜を挟持してなるセルを複数備えた燃料電池システムの制御方法であって、
各セルの交流インピーダンスを、単一の周波数で計測する第1ステップと、
前記交流インピーダンスの測定結果に基づいて、異常セルを特定する第2ステップと、
前記異常セルが正常動作する条件に合わせて、全てのセルの運転条件を変更する第3ステップと、
を含む燃料電池システムの制御方法を提供する。
本発明においては、たとえば、個々のセル部の1Hz以下の低周波数の交流インピーダンスを単一の周波数で一点測定し、個々のセル部の測定値において、最も抵抗値が高い、もしくは位相のずれが大きいセル部にあわせて放電条件、運転温度、燃料供給量、等の運転条件を制御する。
これにより、セル部に無理のある強い条件での放電を未然に防ぐことができ、燃料電池の運転の信頼性が向上する。その結果、複数のセル部からなる燃料電池ユニット全体としての劣化を防ぎ、寿命向上を実現できる。
また、単一(少なくとも1点)の周波数で交流インピーダンスを測定することにより、インピーダンスの測定に関係する回路構成を簡略化して小型化が容易に行えるため定置型のような大型の据え置きのシステムでなく、小型で携帯用の燃料電池にも十分に組み込むことが可能になる。
本発明によれば、複数のセル部を組み合わせて構成される小型の燃料電池における運転の信頼性および寿命の向上を実現することができる。
また、複数のセル部を組み合わせて構成される小型の燃料電池における運転効率の維持および向上を実現することができる。
また、液体の燃料を用いる小型の燃料電池における運転の信頼性および寿命の向上を実現することができる。
また、液体の燃料を用いる小型の燃料電池における運転効率の維持および向上を実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図であり、図2は、本実施の形態の燃料電池システムを構成するセル部の構成の一例を示す略断面図である。
図1および図2に例示されるように、本実施の形態の燃料電池システム100は、複数のセル部110、燃料タンク120、運転制御部130、を含んでいる。
個々のセル部110は発電を行う。燃料タンク120は、個々のセル部110に、たとえばメタノール等のアルコール系の液体燃料を供給する。
運転制御部130は、後述のようにして、燃料電池システム100の運転を管理する。
図2に例示されるように、発電を行うセル部110は、電解質層111、燃料極112、空気極113、ガス拡散層114、気化膜115、燃料室116、を含んでいる。
すなわち、セル部110(発電部)は燃料極112と空気極113とを電解質層111を介して対向させて設けている。
燃料極112は、燃料を酸化してプロトンと電子を取り出すものであり、電解質層111の側から燃料極触媒層112a、燃料極集電体層112bの順に積層して配置されている。
燃料極触媒層112aは白金(Pt)、または白金とルテニウム(Ru)などの遷移金属からなる合金の微粒子と炭素粉末と電解質層を形成する高分子をカーボンペーパーなどの多孔質導電膜に塗布・充填したものである。
燃料極集電体層112bはステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの金属メッシュからなり、燃料極触媒層112aで生成された電子を効率的に取り出すものである。
空気極113は酸素を還元して発生したイオンと、燃料極112で生成された電子及びプロトンから水を生成するものであり、電解質層111の側から空気極触媒層113a、空気極集電体層113bの順に積層して配置されている。
空気極触媒層113aは白金などの遷移金属からなる合金の微粒子と炭素粉末と電解質層を形成する高分子をカーボンペーパーなどの多孔質導電膜に塗布・充填したものである。
空気極集電体層113bはステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの金属メッシュからなり、空気極触媒層113aに対して電子を効率的に供給するものである。
電解質層111は燃料極112において生成したプロトンを空気極113に輸送するための経路であり、電子伝導性を持たないイオン導電体で形成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的には、一例としてデュポン社製のNafion膜などを用いることができる。
燃料極112において、電解質層111と接する主面の反対側には、燃料室116が形成されている。
燃料室116に対して、燃料タンク120から、燃料供給路121を経由して、たとえば加圧により液体の燃料が供給され、燃料極112で消費される。
燃料室116と燃料極112の間には、燃料室116に貯留された液体の燃料を気化させる気化膜115と、気化した燃料を拡散により燃料極112に導くガス拡散層114が設けられている。
また、電解質層111と対向しない空気極113の外面(正極面)は、外気を自然拡散により導入できるように空隙117aを備えた絶縁体117を介して開放されている。
本実施の形態の場合、個々のセル部110の燃料極112および空気極113は、接続切り替え器132を介して選択的に交流抵抗測定部131に接続されるようになっている。
そして、交流抵抗測定部131は、接続切り替え器132を介して接続された個々のセル部110に対して、交流インピーダンスの測定を行う。
この個々のセル部110における1回の交流インピーダンスの測定では、たとえば、1Hz以下の周波数の1プロットの測定を行う。
測定結果のインピーダンス成分(インピーダンスの絶対値と位相)の情報は、判定回路133に入力される。
判定回路133は、単一の低周波で測定されたインピーダンス成分から個々のセル部110毎に比較し、たとえば、最も負荷が高いセルが最適に稼働するように、燃料電池システム100の運転を制御する。
具体的には、図1に例示された構成例では、判定回路133は、たとえば、最も負荷が高いセルが最適に稼働するように、電力制御回路134を制御する。
判定回路133、電力制御回路134は、たとえば無理な運転状態にある場合には、燃料電池システム100からの出力電力を小さくする制御を行う。
また、図3に例示されるように、判定回路133は、セル部110に対する燃料の供給状態を制御することで、燃料電池システム100の運転状態を制御してもよい。
すなわち、図3の構成例では、燃料タンク120とセル部110との間における燃料供給路121に、燃料弁122を配置している。この燃料弁122の開度は燃料流量制御回路135によって制御される。燃料流量制御回路135は、判定回路133における判定結果に基づいて、セル部110に対する燃料の供給量を制御する。
判定回路133、燃料流量制御回路135は、たとえば無理な運転状態にある場合には燃料の供給流量を小さくする制御を行う。
図3では、説明を分かりやすくするため、判定回路133と燃料流量制御回路135は別体で図示されているが、両者を一体の回路構成にしてもよい。
あるいは、図4に例示されるように、判定回路133は、セル部110の温度を制御することで、燃料電池システム100の運転状態を制御してもよい。
すなわち、図4の構成例では、個々のセル部110に配置され、当該セル部110の加熱や冷却を行う温度調節部118と、この温度調節部118を制御する温度制御回路136が設けられている。
判定回路133、温度制御回路136は、たとえば、たとえば無理な運転状態にある場合には、セル部110を冷却する制御を行う。
図4では、説明を分かりやすくするため、判定回路133と温度制御回路136は別体で図示されているが、両者を一体の回路構成にしてもよい。
温度制御回路136は、判定回路133から入力される判定結果に基づいて、温度調節部118によるセル部110の温度調節動作を制御する。
さらに、図5に例示されるように、セル部110から出力される電力制御、セル部110に対する燃料の供給量の制御、セル部110の温度制御を組み合わせて、燃料電池システム100の運転状態を制御することもできる。
図5では、説明を分かりやすくするため、電力制御回路134、燃料流量制御回路135、温度制御回路136、は別体で図示されているが、これらを一体の回路構成にしてもよい。
次に、本実施の形態における運転制御部130の動作について説明する。
本実施の形態の交流抵抗測定部131における交流インピーダンスの測定では、たとえば、一つのセル部110について、1Hz以下の単一の周波数の1プロットの測定を行う。
図6は、運転制御部130の交流抵抗測定部131における一つのセル部110についての測定結果を示す線図である。この図6では、横軸に実軸、縦軸に虚軸をとった複素インピーダンスプロットを示している。
そして、交流インピーダンスは、たとえば、実軸が0.1、虚軸が0.0の位置を起点として、個々のプロットを結ぶベクトルで示され、当該ベクトルの長さがインピーダンスの絶対値、当該ベクトルの角度が位相、の各成分を示す。
交流抵抗測定部131は、このインピーダンスの絶対値および位相の各成分を測定結果として判定回路133に出力する。
図中の“◆”のプロットは、正常な運転状態の場合の測定結果(たとえば、インピーダンスベクトルV0、位相Φ0)であり、“▲”のプロットは、無理な負荷状態(出力が、定格の正常状態の1.25倍の状態)の測定結果(たとえば、インピーダンスベクトルV1、位相Φ1)を示している。
セル部110は、電解質層111を燃料極112および空気極113で挟んだキャパシタとみなせるので、正常状態では、“◆”は、ほぼ半円を描くようにプロットされる。これに対して無理な運転状態の“▲”は、この半円状態から逸脱して、ほぼ直線状態にプロットされる。
従って、セル部110の交流インピーダンスを測定することで、稼働状態が正常か否かを判別できる。
本実施の形態の場合には、判定回路133は、交流抵抗測定部131による複数のセル部110からの交流インピーダンスの測定結果を相対的に比較する。
そして、個々のセル部110の測定値において、最も抵抗値(インピーダンスの絶対値)が高いセル部110、もしくは位相のずれが大きいセル部110を特定し、当該セル部110にあわせて放電条件、燃料供給量、運転温度、等の運転条件を、それぞれ、電力制御回路134、燃料流量制御回路135、温度制御回路136で制御する。
以下、本実施の形態の作用の一例について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、図1に例示された構成に対応して、燃料電池システム100の運転状態として出力電力を制御する場合について説明する。
燃料電池システム100の稼働状態において、運転制御部130の交流抵抗測定部131は、次の測定周期まで所定の時間だけ待機した後(ステップ201)、個々のセル部110の交流インピーダンスを測定する(ステップ202)。
すなわち、個々のセル部110に対して、接続切り替え器132を介して交流抵抗測定部131の接続を切り替えつつ、交流抵抗測定部131に接続されたセル部110の交流インピーダンスの測定を行う。
なお、本実施の形態の場合には、この測定結果は、判定回路133において、時系列に少なくとも前回の分も保存される。
そして、まず、今回の測定値について、複数のセル部110の間における位相のずれが所定の閾値以下に収まるか否かを判別し(ステップ203)、収まる場合には、さらに、複数のセル部110の間におけるインピーダンスの絶対値のばらつきは所定の閾値内に収まるか否かを判別する(ステップ204)。
このステップ204の判定で一定値内に収まると判定された場合には、正常な稼働状態にあると見なせるので、現在の稼働状態を維持して(ステップ205)、ステップ201に戻って次の測定周期を待つ。
一方、ステップ203、またはステップ204で、インピーダンスの位相または絶対値のばらつきが所定の閾値を逸脱していると判定された場合には、今回の測定が最初の測定か否かを判別し(ステップ206)、最初の測定の場合には、位相または絶対値の逸脱が最も大きいと判定されたセル部110が正常になるように、電力制御回路134を制御して、燃料電池システム100からの出力電力を、たとえば小さくするように調整し(ステップ210)、ステップ201に戻る。
一方、ステップ206で最初の測定でないと判定された場合には、判定回路133に記憶されている個々のセル部110の前回の測定結果と、今回の測定結果を比較し、前回に不良と判定されたセル部110の測定結果が改善されているか否かを調べ、改善されていなかった場合に、当該セル部110を不良セルと特定する(ステップ208)。
そして、ステップ207で不良セルが検出されたか否かを判別し(ステップ208)、検出されている場合には、当該不良のセル部110を燃料電池システム100から切り離し(ステップ209)、当該不良セルの悪影響が全体のセル部110に波及することを防止する。
また、ステップ208で不良セルが検出されなかった場合には、現在の悪条件のセル部110の運転状態が改善されるように、電力制御回路134において、出力電力を制御し(ステップ210)、ステップ201に戻る。
このように、本実施の形態では、個々のセル部110について、たとえば1Hz以下の周波数で1点の交流インピーダンスの測定を行い、測定結果であるインピーダンスの絶対値および/または位相のずれが大きい、すなわち無理な運転状態にあるセル部110の運転状態が改善されるように、出力電力等の運転状態の改善を行う。
これにより、無理な運転状態が継続されることに起因する個々のセル部110および燃料電池システム100の全体の劣化や、運転効率の低下を確実に防止することができる。
また、交流抵抗測定部131における交流インピーダンスの測定は、たとえば1Hz以下の周波数で1点の測定なので、当該交流抵抗測定部131、さらには判定回路133等を含む運転制御部130を小型化することが可能であり、小型の燃料電池システム100に運転制御部130を容易に組み込むことが可能となる。
この結果、たとえば、複数のセル部110を組み合わせて構成される小型の燃料電池システム100における運転の効率、信頼性および寿命の向上を実現することができる。
上記に示した構造を基に、
燃料極112:白金−ルテニウム合金担持触媒(TEC61E54,田中貴金属製)
空気極113:白金担持触媒(TEC10E50E,田中貴金属製)
電解質層111:Nafion N112 (Dupont社製)
気化膜115:シリコーン(三菱樹脂製珪樹)
燃料:100vol%メタノール水溶液 2cc
送液圧力:0.5MPa
としたセル部110を作製した。
このように作製した単セル(セル部110)を4つ直列につなぎ、60mA/cmの電流密度で燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を、初回の発電電力を100%として評価した。また、判定を行う方法は、上述の図7のフローチャートに基づいて行った。
[実施例1]
単セル(セル部110)を4個直列に接続し、図1に例示されるように、運転制御部130から放電負荷(電力制御回路134)に対してフィードバックのかかる判定回路133を導入した燃料電池システム100を作製した。メタノール2ccを燃料として60mA/cm2の電流密度で定電流放電を行った。燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を評価した。
[実施例2]
単セル(セル部110)を4個直列につなぎ、図3に例示されるように、燃料供給量(燃料流量制御回路135)にフィードバックのかかる判定回路133を導入した燃料電池システム100を作製した。メタノール2ccを燃料として60mA/cmの電流密度で定電流放電を行った。燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を評価した。
[実施例3]
単セル(セル部110)を4個直列に接続し、図4に例示されるように動作温度(温度制御回路136)にフィードバックのかかる判定回路133を導入した燃料電池システム100を作製した。メタノール2ccを燃料として60mA/cmの電流密度で定電流放電を行った。燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を評価した。
[実施例4]
単セル(セル部110)を4個直列に接続し、図5に例示されるように、放電負荷(電力制御回路134)、燃料供給量(燃料流量制御回路135)、動作温度(温度制御回路136)にフィードバックのかかる判定回路133を導入した燃料電池システム100を作製した。メタノール2ccを燃料として60mA/cmの電流密度で定電流放電を行った。燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を評価した。
[比較例1]
単セルを4個直列につなぎ、運転制御部130のない燃料電池システムを作製した。メタノール2ccを燃料として60mA/cm2の電流密度で定電流放電を行った。燃料を使い切るまでを一セットとし、繰り返し定電流放電を行った。繰り返しによる発電電力の維持量を評価した。
図8に例示されるように、比較例1の場合には、定電流放電の繰り返し数の増加に伴って発電電力の維持率は大きく減少している。
これに対して、本発明の実施例1〜4の場合には、いずれも、発電電力の維持率の低下は抑制され、高い運転効率を維持しており、長寿命を実現できることが判る。
すなわち、メタノール等の液体燃料を用いる小型の燃料電池システム100において、高い運転効率を維持して、長寿命を実現できる。
従来技術では、小型の制御システムで優れた制御を行える手法がなく、複数のセルを組み合わせた場合の小型燃料電池システムの信頼性には問題があったが、本実施の形態の燃料電池システム100を用いることにより優れた信頼性を実現することが可能である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態である燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムを構成するセル部の構成の一例を示す略断面図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムの構成の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムの構成の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムの構成の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムにおける交流インピーダンスの測定結果を示す線図である。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムの作用の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態である燃料電池システムの実施例と比較例の性能を対照して示す説明図である。
符号の説明
100 燃料電池システム
110 セル部
111 電解質層
112 燃料極
112a 燃料極触媒層
112b 燃料極集電体層
113 空気極
113a 空気極触媒層
113b 空気極集電体層
114 ガス拡散層
115 気化膜
116 燃料室
117 絶縁体
117a 空隙
118 温度調節部
120 燃料タンク
121 燃料供給路
122 燃料弁
130 運転制御部
131 交流抵抗測定部(インピーダンス測定手段)
132 接続切り替え器
133 判定回路(セル特定手段)
134 電力制御回路(運転制御手段)
135 燃料流量制御回路(運転制御手段)
136 温度制御回路(運転制御手段)

Claims (5)

  1. 燃料極と空気極とによって電解質膜を挟持してなるセルを複数備えた燃料電池システムであって、
    各セルの交流インピーダンスを単一の周波数で計測するインピーダンス測定手段と、
    前記インピーダンスの測定結果に基づいて、異常セルを特定するセル特定手段と、
    前記異常セルが正常動作する運転条件に合わせて、全てのセル部の運転条件を変更する運転制御手段と、
    を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記運転条件は、放電負荷、燃料供給量、運転温度の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記測定結果は、インピーダンスの絶対値と、位相のずれと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記セル特定手段は、複数回、前記異常セルと特定されたセルを燃料電池システムから切り離すことを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の燃料電池システム。
  5. 燃料極と空気極とによって電解質膜を挟持してなるセルを複数備えた燃料電池システムの制御方法であって、
    各セルの交流インピーダンスを、単一の周波数で計測する第1ステップと、
    前記交流インピーダンスの測定結果に基づいて、異常セルを特定する第2ステップと、
    前記異常セルが正常動作する条件に合わせて、全てのセルの運転条件を変更する第3ステップと、
    を含むことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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