JP5657412B2 - アルカリ形燃料電池システム - Google Patents
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Description
カソード極:1/2O2+H2O+2e‐ → 2OH- (1)
で表される触媒反応によりOH-が生成される。このOH-は、水分子との水和状態で電解質膜を介してアノード極側に伝達される。一方、アノード極では、供給された還元剤(燃料)、たとえばH2ガスとカソード極から伝達されたOH-とが、下記式(2):
アノード極:H2+2OH- → 2H2O+2e‐ (2)
で表される触媒反応を起こし、水および電子を生成する。
カソード極内での酸化剤の湿度=(φw’×Nt’−Nr’)/Nt’
=φw’−Nr’/Nt’ (3)
と算出できる。
図1は、本発明に係るアルカリ形燃料電池システム100の構成の一例を示す概略図である。アルカリ形燃料電池システム100は、アルカリ形燃料電池を含む燃料電池部101;燃料電池部101に接続され、アルカリ形燃料電池のアノード極に還元剤を供給するための還元剤供給部102;燃料電池部101に接続され、アルカリ形燃料電池のカソード極に酸化剤を供給するための酸化剤供給部103;酸化剤供給部103に接続され、カソード極に供給される酸化剤の流量および/または湿度を調整するための調整部104;燃料電池部101に接続され、アルカリ形燃料電池のアノード極とカソード極との間を流れる電流値の単位時間当たりの変化量Δiを少なくとも検出する検出部105;ならびに、調整部104および検出部105に接続され、検出部105による検出結果に基づいて、調整部104による酸化剤の流量および/または湿度の調整を制御するための制御部106を含む。
燃料電池部101はアルカリ形燃料電池から構成される。アルカリ形燃料電池とは、電解質膜としてアニオン伝導性電解質膜(アニオン交換膜)を備えた、電荷キャリアが水酸化物イオン(OH-)である燃料電池である。アルカリ形燃料電池は、アノード極、アニオン伝導性電解質膜およびカソード極をこの順で有する膜電極複合体(MEA)を発電主要部として備える。
アニオン伝導性電解質膜201としては、OH-イオンを伝導でき、かつ、アノード極202とカソード極203との間の短絡を防止するために電気的絶縁性を有する限り特に制限されないが、アニオン伝導性固体高分子電解質膜を好適に用いることができる。アニオン伝導性固体高分子電解質膜の好ましい例は、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。また、ポリアクリル酸に濃厚水酸化カリウム溶液を含浸させた膜やアニオン伝導性固体酸化物電解質膜をアニオン伝導性電解質膜201として用いることもできる。
アニオン伝導性電解質膜201の一方の面に形成されるアノード極202および他方の面に形成されるカソード極203には、触媒(それぞれアノード触媒、カソード触媒)と電解質(それぞれアノード電解質、カソード電解質)とを含有する多孔質層からなる触媒層(それぞれアノード触媒層、カソード触媒層)が少なくとも設けられる。これらの触媒層は、アニオン伝導性電解質膜201の表面に接して積層される。アノード触媒は、アノード極202に供給された還元剤とOH-とから、水および電子を生成する反応を触媒する。アノード電解質は、アニオン伝導性電解質膜201から伝導してきたOH-を触媒反応サイトへ伝導する機能を有する。一方、カソード触媒は、カソード極203に供給された酸化剤および水と、アノード極202から伝達された電子とから、OH-を生成する反応を触媒する。カソード電解質は、生成したOH-をアニオン伝導性電解質膜201へ伝導する機能を有する。
図2に示されるように、アルカリ形燃料電池は、通常、膜電極複合体210のアノード極202上に配置される、還元剤をアノード極202へ導入するためのアノードセパレータ204およびカソード極203上に配置される、酸化剤をカソード極203に導入するためのカソードセパレータ205を備える。アノードセパレータ204およびカソードセパレータ205はそれぞれ、膜電極複合体210側の面に還元剤または酸化剤を流通させるための溝からなる流路(それぞれ還元剤流路206、酸化剤流路207)を備えるものであることができる。当該流路は、1または2以上の溝から構成することができ、その形状は特に制限されず、ライン状、サーペンタイン状等であることができる。後述する還元剤供給部と還元剤流路206とを接続することにより、還元剤を還元剤流路206に流通させて、アノード極202に還元剤を供給することができる。同様に、後述する酸化剤供給部と酸化剤流路207とを接続することにより、酸化剤を酸化剤流路207に流通させて、カソード極203に酸化剤を供給することができる。
還元剤供給部102は、アルカリ形燃料電池のアノード極に還元剤を供給するための部位であり、たとえば、還元剤供給源(還元剤収容タンクなど)とアルカリ形燃料電池のアノード側(より具体的にはアノードセパレータの還元剤流路)とを接続する配管であることができる。また、酸化剤供給部103は、アルカリ形燃料電池のカソード極に酸化剤を供給するための部位であり、たとえば、酸化剤供給源(酸化剤収容タンクなど)とアルカリ形燃料電池のカソード側(より具体的にはカソードセパレータの酸化剤流路)とを接続する配管であることができる。還元剤供給部102および酸化剤供給部103の材質は特に制限されず、高分子材料、金属、合金などであってよい。還元剤供給部102および酸化剤供給部103には、必要に応じて、還元剤または酸化剤の流動を促進するポンプやファンが設けられてもよい。
調整部104は、酸化剤供給部103を流通する(カソード極に供給されることとなる)酸化剤の流量あるいは湿度、またはこれらの双方を調整するための部位であり、酸化剤供給部103に接続される。調整部104は、たとえば、酸化剤供給部103内に設けられた、酸化剤の流量を調整する流量調整弁あるいは酸化剤の湿度を調整する調湿器、またはこれらの双方であることができる。流量調整弁および調湿器は従来公知のものであってよい。
1)温度制御可能な水浴を有しており、酸化剤を水浴中の水中へバブリングさせることにより加湿を行なう装置。水浴の温度を調整することにより、酸化剤の湿度を増減させることができる。
還元剤の湿度=〔調整部(調湿器)の温度における水の飽和蒸気圧〕/〔アルカリ形燃料電池の温度における水の飽和蒸気圧〕 (4)
により定義される。
温度Tにおける水の飽和蒸気圧=6.11×10{7.5T/(T+237.3)}〔hPa〕 (5)
を用いて算出したりすることで得ることができる。得られた酸化剤の湿度を参照することにより、調整部104による酸化剤の湿度調整を好適な範囲内で行なうことが可能になる。
調整部104は、任意で、調整後(または調整前後)の酸化剤の流量および/または湿度(すなわち、入口側湿度)を検知する検知器を有していてもよい。この場合、当該検知器の検知結果を参照することにより、調整部104による酸化剤の流量および/または湿度調整を好適な範囲内で行なうことが可能になる。
検出部105は、燃料電池部101に接続される、アルカリ形燃料電池の電池特性を検出するための部位である。検出部105は、アルカリ形燃料電池の電池特性として、アノード極とカソード極との間を流れる電流値の単位時間当たりの変化量Δiを少なくとも検出する。本発明において、このΔiは、アルカリ燃料電池がフラッディングまたはドライアップを生じる方向へ向かっているか否かを判断するためのパラメータである。したがって、Δiを検出し、これに応じて酸化剤の湿度を適切に調整することにより、フラッディングおよびドライアップを未然に防止することができる。
Δi=(i1−i0)/(t1−t0)〔mA/cm2・min〕 (6)
〔i0は測定開始時間t0(min)における電流量(mA/cm2)であり、i1は測定終了時間t1における電流量である。〕
で表される。測定時間(すなわち、t1−t0)は、1〜10分の間で任意の測定時間を選択することができる。電流量i0、i1は、通常用いられている電流計やテスター等を用いて測定することができる。好ましくは、回路内に直接組み込んで電流量を常時測定することができる電流計が用いられる。
ΔV=(V1−V0)/(t1−t0)〔mV/min〕 (7)
〔V0は測定開始時間t0(min)における電圧量(mV)であり、V1は測定終了時間t1における電圧量である。〕
で表される。測定時間(すなわち、t1−t0)は、1〜10分の間で任意の測定時間を選択することができる。電圧量V0、V1は、通常用いられている電圧計やテスター等を用いて測定することができる。好ましくは、回路内に直接、並列に組み込んで電圧量を常時測定することができる電圧計が用いられる。
ΔR=100×(R1−R0)/[R0×(t1−t0)]〔%/min〕 (8)
〔R0は測定開始時間t0(min)における抵抗値(mΩ)であり、R1は測定終了時間t1における抵抗値(mΩ)である。〕
で表される。測定時間(すなわち、t1−t0)は、1〜10分の間で任意の測定時間を選択することができる。抵抗値R0、R1は、電気化学インピーダンス法(交流インピーダンス法)または電流遮断法により測定することができる。電気化学インピーダンス法とは、燃料電池に電子負荷装置(ポテンショガルバノスタット)と周波数応答解析装置(Frequency Response Analyzer, FRA)とを接続し、装置に内蔵した発信器から燃料電池に対し、所定の周波数正弦波信号を出力し、燃料電池から入力される電圧および電流信号を、印加した周波数領域でデータ変換して電気化学インピーダンスを得、複素数平面での実軸と得られたインピーダンススペクトルとの接点から抵抗値を求める方法である。また、電流遮断法とは、燃料電池に電子負荷装置を接続し、電流遮断時にはオーム損失がゼロになり、燃料電池の動作電圧が瞬間的に変化(電圧増加)することを利用して、燃料電池への電流遮断時に得られる電流・電圧波形から抵抗値を算出する方法である。
制御部106は、検出部105から出力される検出結果信号(Δi、または、Δi、ΔVおよびΔR値)に基づいて、調整部104による酸化剤の流量および/または湿度の調整を制御する部位であり、調整部104および検出部105に接続される。調整部104および燃料電池部101が上述の温度検知手段を備える場合には、これらとも接続され、温度検知手段からの検知信号に基づいて、調湿器による温度調整を制御する。具体的には、制御部106は、検出部105から出力される検出結果信号を、後述するフローに従って逐次受信し、受信されたΔi、ΔV、ΔR値と、予め設定した所定値との大小関係を判定する(この点については後で詳述する。)。この判定結果に基づき、カソード極の湿度が最適になるよう調整部104の制御を行なう。制御部106としては、特に制限されず、たとえば、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。
本発明のアルカリ形燃料電池システムは、還元剤供給部に接続され、アノード極に供給される還元剤の流量および/または湿度を調整するための、酸化剤供給部に接続される調整部(第1調整部)とは別異の調整部(第2調整部)をさらに備えることができる。
アノード極内での還元剤の湿度=(φw×Nt+Nr)/Nt
=φw+Nr/Nt (9)
と算出できる。
次に、上記アルカリ形燃料電池システムによるカソード極の湿度制御について、実施の形態を示して詳細に説明する。なお、下記に示すカソード極の湿度制御フローは、アルカリ形燃料電池の稼動中、所定の時間間隔を設けて繰り返し行なうことが好ましい。
図4は、本実施形態のカソード極の湿度制御を示すフローチャートである。図4に示される湿度制御においては、まず、検出部105によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が所定値Ai(ただし、Aiは負の値である。)より小さいか否か、および、所定値Bi(ただし、Biは正の値である。)より大きいか否か(すなわち、0を含むAi〜Biの範囲内でないかどうか)が、制御部106により判定される(ステップS401)。この判定結果に基づき、制御部106は、調整部104を次のように制御する。
図5は、本実施形態のカソード極の湿度制御を示すフローチャートである。図5に示される湿度制御においては、まず、検出部105によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が0を含むAi〜Bi(AiおよびBiは上記と同じ意味である。)の範囲内であるか否かが、制御部106により判定される(ステップS501)。ΔiがAi〜Biの範囲内である場合、制御部106は、検出部105がΔRを検出するように制御する(なお、ΔiがAi〜Biの範囲内でない場合には、上記第1の実施形態に示される制御フローを実施すればよい)。そして、検出されたΔR値が所定値CR(ただし、CRは正の値である。)以下であるか否かが、制御部106により判定される(ステップS502)。この判定結果に基づき、制御部106は、調整部104等を次のように制御する。
図6は、本実施形態のカソード極の湿度制御を示すフローチャートである。図6に示される湿度制御においては、まず、検出部105によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が0を含むAi〜Bi(AiおよびBiは上記と同じ意味である。)の範囲内であるか否かが、制御部106により判定される(ステップS601)。ΔiがAi〜Biの範囲内である場合、制御部106は、検出部105がΔVを検出するように制御する(なお、ΔiがAi〜Biの範囲内でない場合には、上記第1の実施形態に示される制御フローを実施すればよい)。そして、検出されたΔV値が所定値Dv(Dvは上記と同じ意味である。)未満であるか否かが、制御部106により判定される(ステップS602)。この判定結果に基づき、制御部106は、調整部104等を次のように制御する。
図7および8は、本実施形態のカソード極の湿度制御を示すフローチャートである。本実施形態のカソード極の湿度制御は、上記第1の実施形態と、上記第2または第3の実施形態とを組み合わせたものである。図7に示す制御フローが上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせであり、図8に示す制御フローが上記第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせである。すなわち、本実施形態は、上記第1の実施形態のステップS401(本実施形態におけるS701またはS801)において、「Ai≦Δi≦Bi」と判定された場合に、上記第2の実施形態または第3の実施形態の制御フローを実施するものである。具体的には、制御部106は、調整部104等を次のように制御する。
〔1〕ΔiがAiより小さい場合には、酸化剤の流量の低減および/または酸化剤の湿度の低減を行なうように制御する(ステップS702)。
〔1〕ΔiがAiより小さい場合には、酸化剤の流量の低減および/または酸化剤の湿度の低減を行なうように制御する(ステップS802)。
次に、アノード極に供給される還元剤の流量および/または湿度を調整する第2調整部をさらに備えるアルカリ形燃料電池システムによるアノード極の湿度制御について、実施の形態を示して詳細に説明する。下記に示すアノード極の湿度制御は、上記カソード極の湿度制御と並行して、独立に実施される。なお、下記に示すアノード極の湿度制御フローは、アルカリ形燃料電池の稼動中、所定の時間間隔を設けて繰り返し行なうことが好ましい。
図9は、本実施形態のアノード極の湿度制御を示すフローチャートである。図9に示される湿度制御においては、図3を参照して、まず、検出部305によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が所定値Ai(Aiは上記と同じ意味である。)より小さいか否か、および、所定値Bi(Biは上記と同じ意味である。)より大きいか否か(すなわち、0を含むAi〜Biの範囲内でないかどうか)が、制御部306により判定される(ステップS901)。この判定結果に基づき、制御部306は、第2調整部304bを次のように制御する。
図10は、本実施形態のアノード極の湿度制御を示すフローチャートである。図10に示される湿度制御においては、図3を参照して、まず、検出部305によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が0を含むAi〜Bi(AiおよびBiは上記と同じ意味である。)の範囲内であるか否かが、制御部306により判定される(ステップS1001)。ΔiがAi〜Biの範囲内である場合、制御部306は、検出部305がΔRを検出するように制御する(なお、ΔiがAi〜Biの範囲内でない場合には、上記第1の実施形態に示される制御フローを実施すればよい)。そして、検出されたΔR値が所定値CR(CRは上記と同じ意味である。)以下であるか否かが、制御部306により判定される(ステップS1002)。この判定結果に基づき、制御部306は、第2調整部304b等を次のように制御する。
図11は、本実施形態のアノード極の湿度制御を示すフローチャートである。図11に示される湿度制御においては、図3を参照して、まず、検出部305によりΔiが検出される。そして、検出されたΔi値が0を含むAi〜Bi(AiおよびBiは上記と同じ意味である。)の範囲内であるか否かが、制御部306により判定される(ステップS1101)。ΔiがAi〜Biの範囲内である場合、制御部306は、検出部305がΔVを検出するように制御する(なお、ΔiがAi〜Biの範囲内でない場合には、上記第1の実施形態に示される制御フローを実施すればよい)。そして、検出されたΔV値が所定値Dv(Dvは上記と同じ意味である。)未満であるか否かが、制御部306により判定される(ステップS1102)。この判定結果に基づき、制御部306は、第2調整部304b等を次のように制御する。
図12および13は、本実施形態のアノード極の湿度制御を示すフローチャートである。本実施形態のアノード極の湿度制御は、上記第1の実施形態と、上記第2または第3の実施形態とを組み合わせたものである。図12に示す制御フローが上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせであり、図13に示す制御フローが上記第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせである。すなわち、本実施形態は、上記第1の実施形態のステップS901(本実施形態におけるS1201またはS1301)において、「Ai≦Δi≦Bi」と判定された場合に、上記第2の実施形態または第3の実施形態の制御フローを実施するものである。具体的には、図3を参照して、制御部306は、第2調整部304b等を次のように制御する。
〔1〕ΔiがAiより小さい場合には、還元剤の流量の低減および/または還元剤の湿度の増加を行なうように制御する(ステップS1202)。
〔1〕ΔiがAiより小さい場合には、還元剤の流量の低減および/または還元剤の湿度の増加を行なうように制御する(ステップS1302)。
<実施例1>
以下の手順でアルカリ形燃料電池システムを作製した。
芳香族ポリエーテルスルホン酸と芳香族ポリチオエーテルスルホン酸との共重合体をクロロメチル化した後、アミノ化することにより、触媒層用のアニオン伝導性固体高分子電解質を得た。これをテトラヒドロフランに添加することにより、5重量%アニオン伝導性固体高分子電解質溶液を得た。
上記膜電極複合体を、市販の燃料電池セル(エレクトロケム社製)を分解して取り出した部品と組み合わせて燃料電池を作製した。具体的には、まず、アノード極側集電体(エンドプレート)/カーボン製アノード極セパレータ(ガスフロープレート)/ポリテトラフルオロエチレン製ガスケット/膜電極複合体/ポリテトラフルオロエチレン製ガスケット/カーボン製カソード極セパレータ(ガスフロープレート)/カソード極側集電体(エンドプレート)の順に積層した。なお、両ガスケットの中心部には貫通孔が形成されているため、得られた積層体において、各極セパレータと膜電極複合体とは接触している。最後に、M3のボルトおよびナットを用いて5N・mで締め付けることによって、アルカリ形燃料電池を得た。
作製したアルカリ形燃料電池を燃料電池部101として用い、図1と同様の構成のアルカリ形燃料電池システムを作製した。具体的には次のとおりである。
調整部104および制御部106を有しないこと以外は実施例1と同様にしてアルカリ形燃料電池システムを作製した。
(1)図4に示されるフローチャートに従うカソード極の湿度制御
<実施例2>
実施例1で作製したアルカリ形燃料電池システムにおけるアルカリ形燃料電池のアノード極側集電体とカソード極側集電体とを電子機器を介して接続するとともに、アノード極セパレータに還元剤(H2)を、カソード極セパレータに酸化剤(空気)を供給して、発電を開始した。この際、還元剤および酸化剤の流量および相対湿度、アノード極−カソード極間の電流量、ならびにアルカリ形燃料電池内の温度を一定に制御した(電流量=300mA/cm2、アルカリ形燃料電池内の温度=50℃)。その後、時刻T0における電子機器からの出力増加要請に基づき、時刻T0から時刻T1にかけて直線的に電流量を600mA/cm2まで増加させ、時刻T2までこの電流量を維持した(T1−T0=3分)。
ステップS403において、酸化剤の流量を増加させる代わりに、酸化剤の相対湿度を初期値の約105%となるように調整し、カソード極の湿度を増加させた以外は実施例2と同様にしてカソード極の湿度制御を行なった。また、ステップS402において、酸化剤の流量を低減させる代わりに、酸化剤の相対湿度を低減させ、発電初期の相対湿度に戻すことにより、カソード極の湿度を低減させた以外は実施例2と同様にしてカソード極の湿度制御を行なった。このようなカソード極の湿度制御の結果、時刻T1〜T2および時刻T3以降において、安定した出力電圧を維持することができた。なお、相対湿度の増減は、調整部104の調湿器の温度を調整することにより行なった。
比較例1で作製したアルカリ形燃料電池システム(調整部104および制御部106を有しない。)を用いたこと以外は実施例2と同様にして発電操作を行なった。電子機器からの出力増加/低減要請に応じて、実施例2と同様に電流量を増加/低下させたが、発電開始以降、酸化剤の流量および相対湿度は一定に維持した(これらの一定値は実施例2および3の初期値と同じである)。結果、時刻T1〜T2において、ドライアップが原因と見られる出力電圧の漸次的な低下が認められた。また、時刻T3以降においては、フラッディングが原因と見られる出力電圧の漸次的な低下が認められた。
<実施例4>
実施例1で作製したアルカリ形燃料電池システムにおけるアルカリ形燃料電池のアノード極側集電体とカソード極側集電体とを電子機器を介して接続するとともに、アノード極セパレータに還元剤(H2)を、カソード極セパレータに酸化剤(空気)を供給して、発電を開始した。この際、還元剤および酸化剤の流量および相対湿度、アノード極−カソード極間の電流量、ならびにアルカリ形燃料電池内の温度を一定に制御した(電流量=300mA/cm2、アルカリ形燃料電池内の温度=50℃)。その後、時刻T0における電子機器からの出力増加要請に基づき、時刻T0から時刻T1にかけて直線的に電流量を700mA/cm2まで増加させ、以後この電流量を維持した。
ステップS504において、酸化剤の流量を低減させる代わりに、酸化剤の相対湿度を初期値の約95%となるように調整し、カソード極の湿度を低減させた以外は実施例4と同様にしてカソード極の湿度制御を行なった。なお、相対湿度を初期値の約95%となるように低減させた後、図5のフローを複数回実施して、相対湿度の微小な増減を行ない、相対湿度を微調整(最適化)した。フロー終了から次のフロー開始までの時間間隔は5分とした。このようなカソード極の湿度制御の結果、出力電圧の低下が収まり、安定した出力電圧を達成することができた。
比較例1で作製したアルカリ形燃料電池システム(調整部104および制御部106を有しない。)を用いたこと以外は実施例4と同様にして発電操作を行なった。電子機器からの出力増加要請に応じて、実施例4と同様に電流量を700mA/cm2まで増加させたが、発電開始以降、酸化剤の流量および相対湿度は一定に維持した(これらの一定値は実施例4および5の初期値と同じである)。結果、時刻T1以降、時間の経過とともに、フラッディングが原因と見られる出力電圧の低下が徐々に顕著になっていった。
実施例1で作製したアルカリ形燃料電池システムにおけるアルカリ形燃料電池のアノード極側集電体とカソード極側集電体とを電子機器を介して接続するとともに、アノード極セパレータに還元剤(H2)を、カソード極セパレータに酸化剤(空気)を供給して、発電を開始した。この際、還元剤および酸化剤の流量および相対湿度、アノード極−カソード極間の電流量、ならびにアルカリ形燃料電池内の温度を一定に制御した(電流量=700mA/cm2、アルカリ形燃料電池内の温度=50℃)。その後、時刻T0における電子機器からの出力低減要請に基づき、時刻T0から時刻T1にかけて直線的に電流量を200mA/cm2まで低下させ、以後この電流量を維持した。
ステップS505において、酸化剤の流量を増加させる代わりに、酸化剤の相対湿度を初期値の約104%となるように調整し、カソード極の湿度を増加させた以外は実施例6と同様にしてカソード極の湿度制御を行なった。なお、相対湿度を初期値の約104%となるように増加させた後、図5のフローを複数回実施して、相対湿度の微小な増減を行ない、相対湿度を微調整(最適化)した。フロー終了から次のフロー開始までの時間間隔は5分とした。このようなカソード極の湿度制御の結果、抵抗値の増加が収まり、これに伴い、出力電圧も安定するようになった。
比較例1で作製したアルカリ形燃料電池システム(調整部104および制御部106を有しない。)を用いたこと以外は実施例6と同様にして発電操作を行なった。電子機器からの出力低減要請に応じて、実施例6と同様に電流量を200mA/cm2まで低下させたが、発電開始以降、酸化剤の流量および相対湿度は一定に維持した(これらの一定値は実施例6および7の初期値と同じである)。結果、時刻T1以降、時間の経過とともに、ドライアップが原因と見られる抵抗値の増加および出力電圧の低下が徐々に顕著になっていった。
Claims (11)
- アノード極、アニオン伝導性電解質膜およびカソード極をこの順で備えるアルカリ形燃料電池を含む燃料電池部と、
前記アノード極に還元剤を供給するための還元剤供給部と、
前記カソード極に酸化剤を供給するための酸化剤供給部と、
前記カソード極に供給される酸化剤の流量および/または湿度を調整するための調整部と、
前記アルカリ形燃料電池のアノード極とカソード極との間を流れる電流値の単位時間当たりの変化量Δiを少なくとも検出する検出部と、
前記調整部および前記検出部に接続され、前記検出部による検出結果に基づいて、前記調整部による前記酸化剤の流量および/または湿度の調整を制御するための制御部と、
を備え、
前記検出部によって検出されたΔiが所定値A i (ただし、A i は負の値である。)より小さい場合には、前記制御部は、前記調整部が酸化剤の流量の低減および/または酸化剤の湿度の低減を行なうように制御し、
前記検出部によって検出されたΔiが所定値B i (ただし、B i は正の値である。)より大きい場合には、前記制御部は、前記調整部が酸化剤の流量の増加および/または酸化剤の湿度の増加を行なうように制御するアルカリ形燃料電池システム。 - 前記検出部は、前記アルカリ形燃料電池の出力電圧値の単位時間当たりの変化量ΔVおよび抵抗値の単位時間当たりの変化率ΔRをさらに検出するものである請求項1に記載のアルカリ形燃料電池システム。
- 前記検出部によって検出されたΔiがAi〜Biの範囲内である場合において、
前記検出部によって検出されたΔRが所定値CR(ただし、CRは正の値である。)以下である場合には、前記制御部は、前記検出部がΔVを検出するように制御するとともに、該ΔVが所定値DV(ただし、DVは負の値である。)未満である場合には、前記調整部が酸化剤の流量の低減および/または酸化剤の湿度の低減を行なうように制御し、
前記検出部によって検出されたΔRが所定値CRより大きい場合には、前記制御部は、前記調整部が酸化剤の流量の増加および/または酸化剤の湿度の増加を行なうように制御する請求項2に記載のアルカリ形燃料電池システム。 - 前記検出部によって検出されたΔiがAi〜Biの範囲内である場合において、
前記検出部によって検出されたΔVが所定値DV(ただし、DVは負の値である。)未満である場合には、前記制御部は、前記検出部がΔRを検出するように制御するとともに、該ΔRが所定値CR(ただし、CRは正の値である。)以下である場合には、前記調整部が酸化剤の流量の低減および/または酸化剤の湿度の低減を行なうように制御し、該ΔRが所定値CRより大きい場合には、前記調整部が酸化剤の流量の増加および/または酸化剤の湿度の増加を行なうように制御する請求項2に記載のアルカリ形燃料電池システム。 - Δiの所定値Aiが−50〜−25〔mA/cm2・min〕の範囲内であり、所定値Biが+25〜+50〔mA/cm2・min〕の範囲内である請求項1〜4のいずれかに記載のアルカリ形燃料電池システム。
- ΔRの所定値CRが+5〜+20〔%/min〕の範囲内である請求項3または4に記載のアルカリ形燃料電池システム。
- ΔVの所定値DVが−50〜−2〔mV/min〕の範囲内である請求項3、4または6に記載のアルカリ形燃料電池システム。
- 前記アルカリ形燃料電池は、アノードセパレータ、アノード極、アニオン伝導性電解質膜、カソード極およびカソードセパレータをこの順で備える請求項1〜7のいずれかに記載のアルカリ形燃料電池システム。
- 前記酸化剤供給部は、酸化剤供給源と前記カソードセパレータとを接続する配管を含み、
前記配管は、前記調整部としての流量調整弁および/または調湿器を具備する請求項8に記載のアルカリ形燃料電池システム。 - 前記燃料電池部は、直列または並列に電気的に接続された2以上の前記アルカリ形燃料電池を含む請求項1〜9のいずれかに記載のアルカリ形燃料電池システム。
- 前記還元剤が水素ガスであり、前記酸化剤が空気である請求項1〜10のいずれかに記載のアルカリ形燃料電池システム。
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