JP2002056772A - 電子源及びその製造方法 - Google Patents
電子源及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2002056772A JP2002056772A JP2001163383A JP2001163383A JP2002056772A JP 2002056772 A JP2002056772 A JP 2002056772A JP 2001163383 A JP2001163383 A JP 2001163383A JP 2001163383 A JP2001163383 A JP 2001163383A JP 2002056772 A JP2002056772 A JP 2002056772A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electron source
- mold
- electron
- amorphous carbon
- emission
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Abstract
ス駆動電圧を低減可能な構造を提供すると共に、電子源
の製造工程を簡略化する。 【解決手段】 電子源4が微小繊維の集合により構成さ
れるアモルファスカーボンからなることを特徴とし、更
に、その製造方法においては、少なくとも、金属を陽極
酸化して細孔を有する鋳型8を形成する工程と、気相炭
素化法によって、鋳型8の中に、アモルファスカーボン
からなる電子源材料を充填する工程と、鋳型8の少なく
とも一部を除去する工程とを具備することを特徴とす
る。
Description
動電圧を有する電子源及びその製造方法に関するもので
あり、特に、超低消費電力、超高輝度な表示装置である
フィールドエミッションディスプレイ(FED)に好適
に用いられる電子源及びその製造方法に関するものであ
る。
与えて熱電子放出を起こすのではなく、強電界を印加す
ることにより、電界電子放出する電子源に関する研究が
デバイス面、材料面の両面で盛んに行われている。
dtら(USP3665241号)が開示しているよう
なピラミッド状のメタル電子源が知られており、このよ
うなメタル電子源は高融点金属材料、例えば、モリブデ
ン等が用いられている。しかし、このような高融点金属
材料を用いたスピント型メタル電子源は、動作真空度が
10-9Torrと高く、イオン衝撃耐性が弱いため、信
頼性が低いという問題があった。
NT)が、炭素アーク放電によるフラーレン合成の副生
成物として、飯島ら(S.Iijima、Natur
e、354、56(1991))により発見された。C
NTは円筒状に巻いたグラファイト層の入れ子状構造を
有している。CNTの電界電子放出実験は、W.A.d
e Heerら(W.A.de Heer、Scien
ce、270、1179(1995))により行われ、
10mA/cm2 (電圧:25V/μm)のエミッショ
ン電流が観測されている。
号:WO99/25652)は、図11に示すような電
子源構造を報告している。これによると、アルミニウム
基板を陽極酸化し、コバルト、鉄、ニッケル等の金属触
媒を陽極酸化膜の細孔に電着し、気相炭素化(CVD)
をすることでCNTを形成して電子源20を作成してい
る。D.N.Davydovらは更に、CVDにより過
剰成長させたサンプルと陽極酸化膜を一部エッチング除
去してCNTを露出させたサンプルでエミッションを計
測しており、エミッション開始電圧はそれぞれ3〜4V
/μm、30〜40V/μmであったと報告している
(D.N.Davydov、J.Appl.Phy
s.、86、3983(1999))。
は、電界印加型プラズマCVD法によって基板に直接C
NTまたはアモルファスカーボンを堆積させた冷陰極が
開示されている。該公報では、基板に触媒となるニッケ
ル、鉄、コバルト及びそれらの合金の超微粒子を蒸着さ
せた後、電界印加型プラズマCVD法によってCNTを
成長させている。
CNT電子源は、デバイス駆動電圧がスピント型メタル
電子源より低減されたものの、駆動ドライバの耐圧や低
消費電力の観点からは、より一層高性能の電子源が要求
される。例えば、W.A.de HeerらのCNT電
子源は、アーク放電で形成されたCNTであり、パター
ニングと配向制御を共に行うことが難しかった為、電子
放出を得る為には10V/μm以上もの電圧が必要であ
った。
いては、配向したCNTを形成してエミッション開始電
圧を1.0〜2.2V/μmまで低減させる事ができた
が、CNTを形成する為の工程であるプラズマCVD法
において、ディスプレイを作成する際の基板選択におい
て大きな問題となり得る800〜900℃もの高温が必
要であると同時に、触媒超微粒子を真空中にて蒸着させ
る事による工程の複雑化が課題となっていた。
vらのCNT電子源20においても、触媒配設プロセス
(電着)、電界放出特性向上のためのCNT先端開放プ
ロセス(炉アニール)が必要であり、製造プロセスが複
雑化するという課題があった。
れたものであり、電子源のエミッション開始電圧、及び
デバイス駆動電圧を低減可能な構造を提供すると共に、
電子源の製造工程を簡略化することを目的とする。
に、本願発明による電子源は、微小繊維の集合により構
成されたアモルファスカーボンからなることを特徴と
し、該構成により、低駆動電圧で、大電流をエミッショ
ンする電子源を実現する事が可能となる。また、エミッ
ション開始電圧の低減を図ることができる。
10nm以上、かつ、50nm以下であることが好まし
い。
小繊維の直径が、10nm以上であることにより、耐久
性に問題が生じることはなく、また、50nm以下であ
ることにより、電界集中性能の低下を防止することがで
き、電子放出の減少を防止することができる。
微小繊維が集合して束になっている上部領域と、微小繊
維がそれぞれ垂直方向に配向制御されている下部領域と
を有することが好ましい。
うな細長い物体を平面上に直立させた場合、先端への電
界集中が強く起こるため、電子放出サイトとして有用で
ある。しかしながら、電子源の密度が高い場合、電子放
出サイト間への電界の侵入が起こりにくくなるため、電
子放出サイトへの形状効果が極端に薄くなる。即ち、電
界集中しにくくなる。
繊維が束ねられているので、電子放出サイト間に十分な
空間を有することとなるため、電子放出サイトの密度を
適度に下げることができ、電界集中しやすい構造とする
ことができる。
なくとも金属を陽極酸化して細孔を有する鋳型を形成す
る工程と、気相炭素化法によって前記鋳型の中に、微小
繊維の集合により構成されるアモルファスカーボンから
なる電子源材料を充填する工程と、鋳型を除去する工程
とを具備することを特徴とし、これらによって低駆動電
圧で、大電流をエミッションする電子源を実現する。
中に、微小繊維の集合により構成されるアモルファスカ
ーボンからなる電子源材料を充填する工程が、原料ガス
の分解温度以上、充填した炭素がグラファイト化してく
る温度、即ちグラファイト形成温度以下により行われる
ことを特徴とする。
型の中に電子源材料を充填するという製造過程における
プロセスダメージを低減し、エネルギー消費を軽減する
と共に、基板その他の原料における選択可能性を高める
事が可能となる。またこのため、例えば、基板をガラス
基板とすることができるが、この場合、デバイスの低コ
スト化を図ることができる。
源材料を充填する工程において触媒金属を用いない工程
であることにより、触媒金属配設工程等を無くし、より
簡便な電子源の製造方法を実現する事が可能となる。
填する工程と鋳型の少なくとも一部を除去する工程との
間に、鋳型の表面の一部に、被覆膜を形成する工程を含
むことが好ましい。
た後、鋳型の少なくとも一部を除去する工程の前に、予
め例えば金属や樹脂等からなる被覆膜を点状や線状等に
付着させることができる。従って、この被覆膜に覆われ
た部分の鋳型が除去されにくくなり、その部分を中心に
微小繊維を束ねることができる。これにより、電界放出
には影響しない鋳型の部分を残したまま、アモルファス
カーボンの表面を露出させることができる。
平面性を保つことができる。従って、例えば、電子源の
基板への接着を容易にすることができる。
を用いて、本願の好適な実施形態を説明する。図1
(a)は、本実施形態の電子源を用いたデバイスの斜視
図であり、円内を拡大して電子源の断面を示したものが
図1(b)である。ここで説明する2極管構造デバイス
は、例えば、フィールドエミッションディスプレイ(F
ED)に利用可能である。
上に、カソード電極2、接着層3、電子源4、ゲート絶
縁層5、ゲート電極6および鋳型8を備えている。
ド電極基板と対向配置される。真空中でカソード電極2
と対向するように配されたアノード電極との間に電圧を
印加し、電界を発生させた場合、エミッタ電極としての
電子源4は、その先端から電子放出を開始する。
ミック等で形成される支持基板1上にカソード電極2を
形成する。カソード電極2は、従来から用いられている
カソード電極材料を用いることができる。カソード電極
2上には接着層3が形成され、接着層3上には電子源4
が設けられる。従来の冷陰極に用いられている抵抗層を
カソード電極2上に挿入しても構わない。
の抵抗値を持たせ、抵抗層としても構わない。この場
合、電子源4とカソード電極2とが抵抗層を介して接続
されていることになる。これにより、エミッタ電極であ
る電子源4からの放出電流にともなう抵抗層での電圧降
下によって電子放出特性が緩和され、大面積のデバイス
を形成する場合にも電子放出の均一化、安定化を図るこ
とができる。
の場合は、画素)の周囲をゲート絶縁層5で囲い、更に
ゲート絶縁層5上にはゲート電極6を設ける。ゲート電
極6は、カソード電極2と直交するように設けられる。
これは、電子放出領域(画素)をXYアドレスにするた
めの構造であり、ゲート絶縁層5は、ゲート電極6とカ
ソード電極2とを完全に絶縁すると同時に、ゲート電極
6を電界放出の制御が可能な距離に配設する膜厚が必要
である。
設計によって自由自在に形状変更可能である。このよう
な鋳型8の材料としては、アルミニウムの陽極酸化膜が
好ましい。陽極酸化膜には、数nm〜数十nm程度の直
線状の細孔が両面を貫通するように存在する。細孔の密
度は1010個/cm2 程度である。
上方向から観測したSEM像、斜め方向から観測したS
EM像をそれぞれ示す。図2から分かるように、アモル
ファスカーボンファイバー(図中では、白く見える部
分。以下、a−CNFと略す)が直径数μm程度の領域
から中心部に集合し、a−CNFが束になって、バンド
ル構造(以下、a−CNFBと略す)を形成しているこ
とが観測できた。
子源4を形成する場合、鋳型8における細孔の密度は電
子源4の密度と等しくなる。ここで、電子源4の密度が
高すぎる場合、電子放出サイト間への電界の侵入が起こ
りにくくなり、相互に電界集中を妨げることがシミュレ
ーションより明らかになっている。
直径が約30nm程度のa−CNFが高密度に束なって
いる。また、これにより集合的に形成されたa−CNF
Bの直径は約2μmとなっている。このように、電子源
4は、高密度に形成された微小繊維が束ねられているの
で、電子放出サイト間に十分な空間があり、電子放出サ
イトの密度を適度に下げることができ、電界集中しやす
い構造とすることができる。
Bの上部領域はa−CNFが束なり壁のような形状を形
成しているが、下部領域はa−CNFが垂直方向に配向
制御されていることが観測できた。壁のような形状を有
するa−CNFBの上部領域の高さは約5μm程度、垂
直方向に配向制御されたa−CNFBの下部領域の高さ
は約10μm程度であった。
(a−CNF)の直径は、鋳型8となる陽極酸化膜の細
孔径によって制御することができる。ここで、例えば繊
維の直径が10nmより小さい場合は、細すぎるため電
子源4の耐久性に問題が生じ、また繊維の直径が50n
mより大きい場合には、形状による電界集中性能が低下
して電子放出が減少する。この事より、a−CNFの直
径は10nm〜50nm程度が望ましく、本実施形態で
は30nmのものを用いた。
図4である。図4は、a−CNFのTEM像を示す。こ
のTEM像は、a−CNFBがほぐれたファイバーの任
意の領域を観測したものであり、a−CNFの結晶状態
を示すものである。また、比較のために鋳型を用いて無
触媒気相炭素化法で作製されたCNT(カーボンナノチ
ューブ)のTEM画像を図5に示す。図5ではCNTの
壁の部分には短く細い筋が波打ちながらチューブ軸と平
行に積層しているのが観察できる。この筋は炭素六角網
面1層に対応しており、このCNTは微細な炭素六角網
面が円筒状に積層してできたものであると考えられてい
る。しかしながら、図4のa−CNFBにはこのような
筋を観察することができず、結晶構造の未発達なアモル
ファスカーボンによって一様に形成されている事が判
る。
ン特性を実験的に確認した。図6は本実施形態の電子源
4のI−V特性図を示す。これによると、本実施形態の
a−CNFB電子源4は0.8V/μm程度からエミッ
ションを開始しており、従来のSpint型メタル電子
源の約1/100にまでエミッション開始電圧が著しく
低減していることがわかる。また、触媒超微粒子を用い
る事で低減されてきた従来のCNT電子源と比較して
も、より一層の低減が実現されている。
より、低駆動電圧で大電流を放出(エミッション)する
電子源4を実現することができる。
図示しない対向するアノード電極に蛍光体を設け、蛍光
体を発光させたところ、10000cd/m2 以上の発
光輝度が得られた。また、5インチ対角、320×24
0(QVGA)のパネルを試作し、ビデオ信号を入力し
たところ、画像表示が可能であった。これにより、電子
源4は、超高輝度な表示装置であるフィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)に好適に用いることができ
る。
a−CNFBの製造方法を説明する。図7及び図8は本
実施形態での2極管構造におけるCNT電子源4の製造
方法を示す工程断面図である。尚、本実施形態において
は、陽極酸化膜の膜厚や細孔の直径などの制御が容易で
ある為、ポーラスアルミナをCNT形成の鋳型として用
いているが、ポーラスタンタルオキサイド、ポーラスシ
リコン等を用いても構わない。以下、鋳型8に陽極酸化
膜を用いているため、鋳型として陽極酸化膜8と称す
る。
酸化し、陽極酸化膜8、直線状の細孔9を形成した工程
断面図を示すものである。アルミニウム基板7の陽極酸
化は、硫酸溶液中で20Vの電圧を印加し、2時間行っ
た。この時、硫酸溶液の温度が高いと、後の気相炭素化
工程において、膜全体の彎曲が起こる。また、温度が低
いと、膜の成長が遅くなるので、0℃で行う事が望まし
い。
極酸化膜8のみを剥離し、気相炭素化し、細孔9中にa
−CNFを形成した工程断面図を示すものである。図7
(a)で表面に陽極酸化膜8が形成したアルミニウム基
板7に、硫酸溶液中で10分間以上逆電圧を印加する
と、陽極酸化膜8の剥離が可能になる。この操作におい
ては長時間逆電圧をかける方が剥離は容易になるが、同
時に陽極酸化膜8の溶解も進行して膜厚は次第に薄くな
る。これらを考慮すると、逆電圧は30分間印加するこ
とが望ましい。
径約30nmの細孔9を有し、膜厚が約30μmであっ
た。このような細孔9を有する陽極酸化膜8を気相炭素
化し、細孔9にa−CNFを充填する。a−CNFは、
600℃に加熱した石英管に1.2%のプロピレンを流
通させて得られる。
にあたり、原料ガスの分解温度以上、かつ、充填した炭
素がグラファイト化してくる温度(グラファイト形成温
度)以下で温度設定を行うことが重要である。本実施形
態においては、気相炭素化の原料ガスはプロピレンを用
いている。プロピレンの場合、本来の熱分解温度は75
0℃付近であるが、本実施の形態では、鋳型としての陽
極酸化膜8に、アルミニウム陽極酸化膜を用いている。
このため、鋳型表面では、原料ガスであるプロピレンが
500℃以上で分解を開始する。また、600℃以下で
はグラファイト化しないことを実験的に検証した。従っ
て、本実施形態では、500〜600℃で気相炭素化す
ることが好ましい。
は、コバルト、ニッケル、鉄等の金属触媒を用いず成長
させることが好ましい。即ち、本実施形態では、陽極酸
化膜を鋳型として、気相炭素化することにより、a−C
NFを形成した。原料ガス種によっては、金属触媒を用
いると、原料ガスの分解温度付近にまでグラファイト形
成温度が低下し、気相成長温度の領域が著しく小さくな
ることがあるため、炭素材料に対して触媒効果のある金
属材料は使用しないようにすることが好ましい。
以上流通させる事によって電子源4であるa−CNFが
得られるが、エミッション特性向上の為には6時間以上
流通させる事が望ましい。なお、この時、同時に、細孔
9内だけでなく、陽極酸化膜8の表面にアモルファスカ
ーボン(以下、表面カーボンと称する)10が堆積す
る。
した表面カーボン10を除去した工程断面図を示す。表
面カーボン10の除去は、RIE(反応性イオンエッチ
ング)を用い、酸素プラズマエッチングで行った。この
時、電子源4となるa−CNFと表面カーボン10との
選択比の点でウェットエッチングは好ましくない。ま
た、アルゴン等の不活性ガスや三フッ化メタン等のフッ
素系ガスを用いたプラズマエッチングでは、酸素プラズ
マエッチングに対して効果が小さかった。
酸化膜8をエッチングしてa−CNFを表面に露出させ
た状態における工程断面図であり、前記図2はこの時を
上から観察した画像である。気相炭素化によって細孔9
毎に個別に充填されて形成したa−CNFは、エッチン
グが進むにつれて相互に寄り集まって束状になり、a−
CNFBとなる。また、プラズマエッチング後の表面状
態によって、エッチングされやすい部分から先に陽極酸
化膜8のエッチングが進行し、エッチングされにくい部
分にa−CNFBが形成する為、a−CNFBは図2の
ような円状構造(図2で説明の直径数μm程度の領域)
になる。
された微小繊維を束ねているので、電子放出サイトの密
度が適度に下げられ、電界集中しやすい構造になってい
る。なお、密度を制御するため、表面カーボン10を剥
離した陽極酸化膜8の表面に、エッチングをする前に予
め金属や樹脂等(被覆膜)を点状、あるいは線状等に付
着させておいてもかまわない。この場合、金属や樹脂等
の被覆膜によって覆われた部分の陽極酸化膜8がエッチ
ングされにくくなり、その部分を中心に微小繊維が束ね
られることになる。
態では、1%の水酸化ナトリウム水溶液によって室温
(20℃)で15分間処理した。陽極酸化膜8は高温に
さらされた場合、一部相転移してエッチングが困難にな
る事が判っているが、本実施形態では600℃で気相炭
素化をしている為、相転移は生じておらず、その結果、
非常に薄い酸性またはアルカリ性溶液にて容易にエッチ
ングする事ができた。なお、酸性溶液としては、フッ
酸、リン酸等が使用可能であり、アルカリ性溶液として
も、本実施形態で用いた水酸化ナトリウム水溶液以外の
溶液も使用することができる。
ングを行うことにより、陽極酸化膜8の電界放出には影
響しない部分を残したままa−CNFの表面を露出させ
る事ができる。また、電子源4は、鋳型(アルミナ(ア
ルミニウム)陽極酸化膜)8を含んで電子源全体として
平面性を保っている為、支持基板1への接着が容易に実
施できる。なお、これより強い条件で処理する事によっ
て、平面形状を失っても、エミッション性能自体は影響
を受けない。
を、接着層3を介して支持基板1上のカソード電極2に
固着した工程断面図を示す。接着層3としては、銀ペー
スト、カーボンペースト等の導電性ペーストを用いる事
が好ましい。また、低融点金属材料を接着層3として用
いても構わない。
子源4を、600℃以下の低温で製造することができ
る。これにより、電子源4を安価なガラス基板上に形成
することができる。従って、電子源4を備えたデバイス
の低コスト化を図ることができる。
きることにより、熱によるデバイスダメージを大幅に低
減することができる。従って、鋳型8の中に電子源材料
を充填するという製造過程においてプロセスダメージを
低減し、エネルギー消費を軽減すると共に、上記のよう
に基板やその他の原料における選択可能性を高める事が
できる。
て、触媒を用いることがない。従って触媒金属配設工程
等を行う必要がない。これにより、製造工程の複雑化を
招来することなく、簡便に製造することができる。
を用い、第1の実施形態とは異なる製造方法により製造
された電子源の第2の実施形態を示す。本実施形態にお
いては、アルミニウム膜をカソード電極上に予め形成
し、これを陽極酸化して鋳型を形成するものである。ま
た、本実施形態の電子源は3極管構造を有するが、第1
の実施形態で製造した電子源も、本実施形態と同様に、
3極管構造としても構わない。
/支持基板1構造の接着層3上のアルミニウム膜を陽極
酸化した状態の断面図である。接着層3上のアルミニウ
ム膜は、アルミ箔を導電性ペースト、または、低融点金
属で貼り合わせて形成する。また、スパッタ法、蒸着法
等でアルミニウム堆積を形成しても構わない。この場
合、接着層3は形成しなくてもよいが、接着層3を形成
して抵抗層として用いても構わない。形成したアルミニ
ウム膜を陽極酸化すると、第1の実施形態と同様に、陽
極酸化膜8(陽極酸化膜されたアルミニウム膜)に細孔
9が形成する。
子源4となるa−CNFを形成した工程断面図である。
a−CNFの形成と同時に、陽極酸化膜8表面にはアモ
ルファスカーボン(表面カーボン)10が堆積する。a
−CNFの形成には、気相炭素化法を用いた。陽極酸化
膜8の細孔9に対する気相炭素化の条件は、図7(b)
と同様である。
ン10を除去した工程断面図を示す。第1の実施形態の
図7(c)と同様に、RIEを用いた酸素プラズマエッ
チングで、表面カーボン10を除去する。
除去し、a−CNFを表面に露出させてa−CNFBを
形成させた状態における工程断面図である。図10
(b)は、ゲート絶縁層5、ゲート電極6を形成した工
程断面図である。このような3極管構造の電子源の製造
方法は、第1の実施形態で形成した電子源にも適用可能
である。ゲート絶縁層5は、スクリーン印刷法で、フリ
ットガラス系ペーストを多層印刷して形成する。膜厚
は、100μm程度で、この膜厚はデバイス設計により
決定すべきである。
形成する。この時、原料ガスの分解温度を低下させるア
ルミニウムの陽極酸化膜8には炭素が選択的に堆積する
が、ゲート絶縁層5の下地になる部分には炭素が堆積し
ない温度を選択しているため、下地の炭素を剥離するな
どの工程は不要になっている。また、ゲート電極6は、
ゲート絶縁層5の形成と同様に、スクリーン印刷法で一
般的に用いられている金属配線材料を印刷して形成され
る。
少なくとも金属を陽極酸化して細孔を有する鋳型を形成
する工程と、気相炭素化法によって、鋳型の中に、アモ
ルファスカーボンからなる電子源材料を充填する工程
と、鋳型を除去する工程とを具備する。
ている上部領域と、微小繊維がそれぞれ垂直方向に配向
制御されている下部領域とを有するバンドル構造を備え
たアモルファスカーボンからなる電子源4を製造するこ
とができる。
トの密度を適度に下げることができ、電界集中しやすい
構造とすることができる。去する工程とを具備すること
を特徴とし、これらによって低駆動電圧で、大電流をエ
ミッションする電子源を実現する。
ると、低電圧駆動可能であり大電流をエミッションする
ことができる電子源が提供できると共に、高輝度なフィ
ールドエミッションディスプレイ(FED)が実現可能
となる。
合によって構成されたアモルファスカーボンを用いる事
により、従来の高融点金属を用いた電子源のエミッショ
ン開始電圧を約1/100程度に低減でき、また、従来
のカーボンナノチューブを用いた電子源のエミッション
開始電圧と比較しても更に低減することが可能となっ
た。これにより、超低消費電力で、超高輝度なフィール
ドエミッションディスプレイを実現することを可能とし
た。
が、10nm以上、かつ、50nm以下である構成であ
る。
なく、また、電界集中性能の低下を防止することがで
き、電子放出の減少を防止することができるといった効
果を奏する。
ーボンが、微小繊維が集合して束になっている上部領域
と、微小繊維がそれぞれ垂直方向に配向制御されている
下部領域とを有する構成である。
で、電子放出サイトの密度を適度に下げることができ、
電界集中しやすい構造とすることができるといった効果
を奏する。
は、半導体装置を製造するような微細加工工程が不要で
あり、更に、気相炭素化工程を無触媒下において、原料
ガスの分解温度以上、充填した炭素がグラファイト化し
てくる温度(グラファイト形成温度)以下で実施する事
により、熱によるデバイスダメージを大幅に低減するこ
とが可能となる電子源の製造方法を実現すると共に、電
子源以外の材料の選択性が高いフィールドエミッション
ディスプレイを製造することを可能とした。
子源材料を充填する工程と鋳型の少なくとも一部を除去
する工程との間に、鋳型の表面の一部に、被覆膜を形成
する工程を含む構成である。
型の少なくとも一部を除去する工程の前に、予め例えば
金属や樹脂等からなる被覆膜を点状や線状等に付着させ
ることができる。従って、この被覆膜に覆われた部分の
鋳型が除去されにくくなり、その部分を中心に微小繊維
を束ねることができる。これにより、電界放出には影響
しない鋳型の部分を残したまま、アモルファスカーボン
の表面を露出させることができる。
平面性を保つことができる。従って、例えば、電子源の
基板への接着を容易にすることができるといった効果を
奏する。
図である。
る。
る。
EM写真である。
たCNTのTEM写真である。
工程断面図である。
製造工程断面図である。
製造工程断面図である。
造工程断面図である。
アレイの斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】微小繊維の集合により構成されるアモルフ
ァスカーボンからなることを特徴とする電子源。 - 【請求項2】上記微小繊維の直径は、10nm以上、か
つ、50nm以下であることを特徴とする請求項1に記
載の電子源。 - 【請求項3】上記アモルファスカーボンは、微小繊維が
集合して束になっている上部領域と、微小繊維がそれぞ
れ垂直方向に配向制御されている下部領域とを有するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の電子源。 - 【請求項4】少なくとも、金属を陽極酸化して細孔を有
する鋳型を形成する工程と、 気相炭素化法によって、上記鋳型の中に、アモルファス
カーボンからなる電子源材料を充填する工程と、 上記鋳型の少なくとも一部を除去する工程とを具備する
ことを特徴とする電子源の製造方法。 - 【請求項5】上記気相炭素化法によって、鋳型の中に、
アモルファスカーボンからなる電子源材料を充填する工
程が、原料ガスの分解温度以上、充填した炭素がグラフ
ァイト化するグラファイト形成温度以下で行われること
を特徴とする請求項4に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項6】上記電子源材料を充填する工程と上記鋳型
の少なくとも一部を除去する工程との間に、 上記鋳型の表面の一部に、被覆膜を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項4または5に記載の電子源の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001163383A JP3693935B2 (ja) | 2000-05-31 | 2001-05-30 | 電子源の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-161579 | 2000-05-31 | ||
JP2000161579 | 2000-05-31 | ||
JP2001163383A JP3693935B2 (ja) | 2000-05-31 | 2001-05-30 | 電子源の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002056772A true JP2002056772A (ja) | 2002-02-22 |
JP3693935B2 JP3693935B2 (ja) | 2005-09-14 |
Family
ID=26592987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001163383A Expired - Fee Related JP3693935B2 (ja) | 2000-05-31 | 2001-05-30 | 電子源の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3693935B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006221992A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 |
WO2007111107A1 (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujitsu Limited | 炭素系繊維のデバイス構造およびその製造方法 |
JP2011026179A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Hitachi Aic Inc | 水素触媒部材またはその製造方法 |
JP5287237B2 (ja) * | 2006-03-24 | 2013-09-11 | 富士通株式会社 | 炭素系繊維のデバイス構造およびその製造方法 |
-
2001
- 2001-05-30 JP JP2001163383A patent/JP3693935B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006221992A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 |
WO2007111107A1 (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujitsu Limited | 炭素系繊維のデバイス構造およびその製造方法 |
WO2007110899A1 (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujitsu Limited | 炭素系繊維のデバイス構造およびその製造方法 |
US7736615B2 (en) | 2006-03-24 | 2010-06-15 | Fujitsu Limited | Device structure of carbon fibers and manufacturing method thereof |
US8093147B2 (en) | 2006-03-24 | 2012-01-10 | Fujitsu Limited | Device structure of carbon fibers and manufacturing method thereof |
JP5287237B2 (ja) * | 2006-03-24 | 2013-09-11 | 富士通株式会社 | 炭素系繊維のデバイス構造およびその製造方法 |
JP2011026179A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Hitachi Aic Inc | 水素触媒部材またはその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3693935B2 (ja) | 2005-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3639808B2 (ja) | 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法 | |
JP3502082B2 (ja) | 電子源およびその製造方法、並びに、表示装置 | |
JP3639809B2 (ja) | 電子放出素子,電子放出装置,発光装置及び画像表示装置 | |
JP3600126B2 (ja) | 電子源アレイ及び電子源アレイの駆動方法 | |
JP3658346B2 (ja) | 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法 | |
JP3595718B2 (ja) | 表示素子およびその製造方法 | |
KR20010011136A (ko) | 나노구조를 에미터로 사용한 삼극형 전계 방출 에미터의 구조및 그 제조방법 | |
KR20050016534A (ko) | 전자방출소자 및 그 제조방법 | |
JP3581298B2 (ja) | 電界放出型電子源アレイ及びその製造方法 | |
JP2003123623A (ja) | 電子放出源用カーボンナノチューブおよびその製造方法 | |
JP2002289086A (ja) | 電子放出素子、電子源、画像形成装置、及び電子放出素子の製造方法 | |
JP3581296B2 (ja) | 冷陰極及びその製造方法 | |
JP3573273B2 (ja) | 電子放出素子、及びその製造方法 | |
JP3693935B2 (ja) | 電子源の製造方法 | |
JP3581276B2 (ja) | 電子銃及びその製造方法並びにフィールドエミッションディスプレイ | |
JP2000100317A (ja) | 電界電子放出装置 | |
JP3558948B2 (ja) | 電子源アレイ及びその製造方法 | |
JP2001250468A (ja) | 電界電子放出装置およびその製造方法 | |
JP3554238B2 (ja) | 冷陰極 | |
JP2001035351A (ja) | 円筒型電子源を用いた冷陰極及びその製造方法 | |
JP3568859B2 (ja) | 冷陰極及びその冷陰極の製造方法 | |
JP2003077388A (ja) | 電子放出素子の製造方法及び画像形成装置 | |
JP3681659B2 (ja) | 電子源の製造方法及びその製造方法により製造される電子源 | |
JP2001143601A (ja) | 冷陰極及びその製造方法 | |
JP3597801B2 (ja) | 電子放出デバイス、その製造方法、表示装置、及びその駆動方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040202 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040323 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040519 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040826 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20041006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050621 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050622 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090701 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110701 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110701 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120701 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120701 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130701 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |