JP2002055681A - 非線形歪付加装置 - Google Patents

非線形歪付加装置

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JP2002055681A JP2000239762A JP2000239762A JP2002055681A JP 2002055681 A JP2002055681 A JP 2002055681A JP 2000239762 A JP2000239762 A JP 2000239762A JP 2000239762 A JP2000239762 A JP 2000239762A JP 2002055681 A JP2002055681 A JP 2002055681A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力信号レベルに応じた非線形特性を得るこ
とができる非線形歪付加装置を提供する。 【解決手段】 非線形部1は、入力信号振幅によって入
出力特性の傾きが変化することによって非線形特性を与
える。非線形歪生成部3は、非線形歪成分を生成する。
合成部4は、入力信号と非線形歪生成部3が出力する非
線形歪成分を所定比率で加減算して非線形歪を有する出
力信号を出力する。入力信号レベル検出部2で検出され
た入力信号レベルに応じて、非線形歪生成部3の特性を
制御する。入力信号レベルとしては、入力信号のエンベ
ロープレベルなどを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音信号や音声信
号等の入力信号を入力し、非線形歪成分を加える非線形
歪付加装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自然楽器や電気楽器の楽音信号、およ
び、電子楽器の音源で生成された楽音信号に関し、その
入力信号振幅の大きい部分を歪ませることによりディス
トーション効果を与える非線形歪付加装置が知られてい
る。例えば、真空管増幅器において、入力信号の振幅が
過大になると、増幅器が飽和することにより出力信号が
歪む。上述した非線形歪付加装置は、増幅器固有の特性
を利用することなく、このような非線形歪を意識的に楽
音信号に加えることにより、特有の音色を有する楽音信
号を得るものである。
【0003】従来の非線形歪付加装置は、ダイオードや
FETなどの非線形特性によって楽音信号をクリップさ
せていた。しかし、その非線形特性は、素子固有のもの
であるため、自由に特性を制御することがむずかしかっ
た。例えば、入力信号振幅が、あるレベル以上にならな
いとクリップしない。したがって、例えば、オルガンの
音を微妙に歪ませたい場合に、1音では歪まないが、複
数音が同時発生すると歪むといったことが起こるため、
非常に扱いにくかった。これは、複数鍵の同時押鍵数に
応じて入力信号レベルが増大してクリップレベルを超え
るからである。また、選択された音色によって音源の出
力レベルが異なる。そのため、音色を変更する都度、非
線形歪付加装置のクリップレベルを再調整する必要があ
るために不便であった。さらにまた、従来の非線形歪付
加装置では、クリップレベルを超えると急に歪みが発生
するので、楽音信号にソフトな非線形歪みを与えること
がむずかしかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、入力信号レベル
に応じた非線形特性を得ることができる非線形歪付加装
置、その音色を変化させる非線形歪成分を含む出力信号
を得ることができる非線形歪付加装置を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、非線形歪付加装置において、非線
形特性を有する非線形部と、前記非線形部の入力信号レ
ベルを検出する入力信号レベル検出部を有し、前記非線
形部は、前記入力信号レベルに応じた制御信号により前
記非線形特性が制御されるものである。したがって、入
力信号レベルに応じた非線形特性を得ることができる。
例えば、入力信号レベルが小さいほど、出力信号が歪む
入力信号振幅の領域をその入力信号振幅の絶対値が小さ
い方向に拡げることにより、入力信号レベルの大きさに
かかわらず、入力信号レベルに応じた大きさの非直線歪
成分を入力信号に加えて出力信号とすることができる。
非線形部の具体的な構成例は、非線形特性を有する非線
形歪生成回路と、非線型歪生成回路の出力信号と非線形
歪生成回路の入力信号とを合成する合成手段を有するも
のである。具体的な非線形特性の一例としては、振幅の
絶対値が第1のしきい値を超えていないときには入出力
特性が第1の傾きを有する直線となり、第1のしきい値
を超えているときには、入出力特性が第1の傾きとは異
なる第2の傾きを有する直線となるものであり、かつ、
入力信号レベルに応じて第1のしきい値が制御されるも
のである。この例では、第1のしきい値を境に入出力特
性の傾きを異ならせているので、容易に非線形特性を実
現することができる。また、この第1のしきい値を制御
することにより非線形特性の制御が容易である。なお、
入力信号レベルに応じた制御信号は、入力信号レベルと
は独立して設定されるオフセット値を含むものとしても
よい。
【0006】請求項2に記載の発明においては、非線形
歪付加装置において、第1のしきい値を制御するしきい
値制御手段と、入力信号の正および負の少なくとも一方
の振幅に関し、該振幅の絶対値が前記第1のしきい値を
超えていないときには、入出力特性が第1の傾きを有す
る直線となり、前記入力信号の振幅の絶対値が前記第1
のしきい値を超えると、前記直線から連続し、かつ、少
なくとも前記入力信号の所定幅にわたって前記入出力特
性の傾きが前記第1の傾きから曲線状に変化する非線形
部を有するものである。したがって、第1のしきい値を
超えると入出力特性の傾きが曲線状になるように変化さ
せているので、容易に非線形特性を実現することができ
る。かつ、入出力特性およびその傾きが連続的に変化し
ているため、入力信号にソフトな非線形歪成分を加える
ことができる。第1のしきい値を制御することにより非
線形特性の制御も容易である。
【0007】請求項3に記載の発明においては、非線形
歪付加装置において、第1,第2のしきい値の少なくと
も一方のしきい値を制御するしきい値制御手段を有し、
入力信号の正および負の少なくとも一方の振幅に関し、
該振幅の絶対値が前記第1のしきい値を超えていないと
きには、入出力特性が第1の傾きを有する直線となり、
前記振幅の絶対値が前記第2のしきい値を超えていると
きには、前記入出力特性が前記第1の傾きとは異なる第
2の傾きを有する直線となり、前記振幅の絶対値が前記
第1のしきい値を超え前記第2のしきい値を超えていな
いときには、前記入出力特性が、前記第1の傾きを有す
る直線から連続し、前記第1の傾きから前記第2の傾き
に曲線状に変化して、前記第2の傾きを有する直線に連
続する非線形部を有するものである。したがって、第2
のしきい値を超えていると入出力特性が第1の傾きとは
異なる第2の傾きの直線となり、第1,第2のしきい値
の間の遷移領域で、入出力特性の傾きを第1の傾きから
第2の傾きまで曲線状に変化させているので、容易に非
線形特性を実現することができる。かつ、入出力特性お
よびその傾きが連続的に変化しているため、入力信号に
ソフトな非線形歪を与えて出力信号を出力することがで
きる。第1,第2のしきい値の少なくとも一方のしきい
値を制御することにより非線形特性の制御も容易であ
る。
【0008】請求項4に記載の発明においては、請求項
2または3に記載の非線形歪付加装置において、前記非
線形部の入力信号レベルを検出する入力信号レベル検出
部を有し、前記しきい値制御手段は、前記入力信号レベ
ルに応じた制御信号により少なくとも1つのしきい値を
制御するものである。したがって、入力信号レベルに応
じて非線形特性を制御することができる。例えば、入力
信号レベルが小さいほど、少なくとも1つのしきい値を
小さくすることにより、入力信号レベルに応じた大きさ
の非直線歪成分を入力信号に加えて出力信号とすること
ができる。第1,第2のしきい値を有する請求項3に記
載の非線形歪付加装置においては、しきい値を制御する
複数の態様がある。第1,第2のしきい値の一方を制御
して、他方を固定値に設定しておくことができる。第
1,第2のしきい値の差を所定値に保った状態で、入力
信号レベルに応じた制御信号で第1,第2のしきい値を
同時に制御することができる。あるいは、入力信号レベ
ルに応じた制御信号で第1,第2のしきい値の中間の遷
移領域の位置を制御することができる。この場合、第
1,第2のしきい値の差は、入力信号レベルとは独立し
て任意の値に設定することができる。なお、入力信号レ
ベルに応じた制御信号は、入力信号レベルとは独立して
設定されるオフセット値を含むものでもよい。
【0009】請求項5に記載の発明においては、非線形
歪付加装置において、非線形特性を有する非線形歪生成
部と、前記非線形歪生成部の出力を入力するフィルタ手
段と、前記非線形歪生成部への入力信号と前記フィルタ
手段の出力とを合成する合成手段を有するものである。
したがって、その音色を変化させる非線形歪成分を含む
出力信号を得ることができる。例えば、フィルタ特性と
して低域通過特性を有するものとした場合には、楽音信
号の高次倍音成分などの高い周波数成分が抑制されたソ
フトな非線形歪成分を加えることができる。非線形歪生
成部としては、例えば、入力信号振幅が第1のしきい値
を超えるまではゼロで、第1のしきい値を超えると非ゼ
ロの値をとる関数値を出力するものを用いることができ
る。例えば、入力信号振幅と第1のしきい値との差とな
る関数、または、入力信号振幅と第1のしきい値との差
のn乗(n=2以上の整数)に比例し、入力信号振幅が
第2のしきい値を超えると、入力信号振幅と第2のしき
い値との差となる関数を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の非線形歪付加装
置の第1の実施の形態の機能ブロック図である。図中、
1は非線形部、2は入力信号レベル検出部、3は非線形
歪生成部、4は合成部である。入力信号は、アナログ信
号が図示しないサンプリング信号によってサンプリング
され、図示しないA/D変換器によりデジタル化された
ものとして非線形部1および入力レベル検出部2に入力
される。非線形部1は、非線形特性を与えるものであっ
て、入力信号振幅によって入出力特性の傾きが変化する
ことによって非線形特性を与える。図示の例では、非線
形部1は、非線形歪生成部3および合成部4からなる。
非線形歪生成部3自体も非線形特性を有するものであっ
て、非線形歪成分を生成する。合成部4は、入力信号と
この非線形歪成分とを所定比率で合成して非線形歪成分
を有する信号を出力する。この出力信号は、図示しない
D/A変換器によりアナログ信号に変換される。
【0011】入力信号レベル検出部2では、入力信号レ
ベルを検出し、この入力信号レベルに応じた特性制御信
号を非線形部1の非線形歪生成部3に出力することによ
り、入力信号レベルに応じて非線形部1の非線形特性を
制御する。入力信号レベルは、入力信号の瞬時振幅では
なく、入力信号波形の全体的な大きさを表すデータを用
いる。例えば、入力信号のエンベロープレベル、入力信
号を全波整流して平滑した平均値、入力信号を2乗平均
して得る実効値などを用いる。
【0012】特性制御信号は、例えば、非線形歪生成部
3において、非線形歪を発生し始める入力信号振幅のし
きい値などを制御する。非線形歪は、通常、入力信号の
正および負の振幅に対して対称的に発生させるのである
が、少なくとも一方の極性の振幅に関してのみ、振幅の
絶対値が所定のしきい値を超えると出力信号が歪むよう
な非線形特性にしてもよいし、また、極性によって異な
るしきい値を設定して、正負の振幅に対して非対称な非
線形歪を生成してもよい。
【0013】非線形特性の制御は、従来の問題点を解決
するために、典型的には、入力信号レベルが小さくなる
ほど、非線形歪を生成する範囲が入力信号振幅の小さい
方向に拡がるようにすることにより、入力信号レベルに
応じた大きさの非線形歪が入力信号に加えられる。その
結果、入力信号レベルの大きさにかかわらず、出力信号
において、これに含まれる非線形歪の割合が同じになる
方向に制御される。一方、音色を変化させる点に着目す
る場合には、逆方向に制御してもよい。すなわち、入力
信号レベルが大きくなるほど、非線形歪が発生する範囲
が入力信号振幅の小さい方向に拡がるようにしてもよ
い。
【0014】図示の例では、非線形部3と合成部4とで
非線形部1を構成している。しかし、合成部4を用いる
ことなく、非線形部1を直接的に構成することも可能で
ある。例えば、非線形部1の非線形特性が従来通りのク
リップ特性である場合、入力信号振幅に比例した出力信
号が得られる線形領域と、出力信号が一定となる非線形
の領域とに分割し、各領域でのみ動作する回路を設け、
両回路の出力を最後に加算して構成することができる。
しかし、図示のように、入力信号成分と非線型歪成分と
を分けて処理する方が、所望の非線形歪成分を生成しや
すく、かつ、その特性を制御しやすい。この装置は具体
的には、プログラム制御されるDSP(Digital Signal
Processor)等のデジタル回路で構成される。
【0015】図2は、本発明の非線形歪付加装置の第2
の実施の形態の機能ブロック図である。図1に示した非
線形部1として、入力信号振幅の絶対値が、あるしきい
値(THLVL)を超えていないときには、入出力特性が第
1の傾き(+1)を有する直線となり、しきい値(THLV
L)を超えているときには、入出力特性が第1の傾きと
は異なる第2の傾き(1−CL)を有する直線となるもの
を用いている。一方、図1に示した入力信号レベル検出
部2として、エンベロープフォロワ15を用いている。
この入力信号レベルに応じてしきい値を制御することに
より、非線形部1の非線形特性を制御している。
【0016】図中、11,12,14,17,20は加
算器である。ここで、減算入力については、「−」の符
号を付して図示している。また、加算器11,20に付
した符号「ov」は、「オーバフロープロテクト」を意味
し、出力が演算限界の最大値または最小値を超えている
ときには最大値または最小値(図示の例では、±1)を
出力する。13は係数乗算器であって、係数値として
「−1」を乗算することにより、反転増幅器の機能を有
する。16は全波整流部であって、入力信号をその絶対
値に変換する。すなわち、正入力をそのまま出力し負入
力を正出力に変換する。
【0017】18,24,26は半波整流部であって、
入力信号の正側のみを選択的に出力する。すなわち、正
入力はそのまま出力し負入力は零値を出力する。19は
係数乗算器であって、係数ar(アタックレート)を乗算
する。21は係数乗算器であって、係数rr(リリースレ
ート)を乗算する。22は遅延器であって、入力を1サ
ンプル時間遅延させて出力する。係数乗算器19、加算
器20、遅延器22、係数乗算器21は、平滑回路(低
域通過フィルタ)を構成する。23は係数乗算器であっ
て、係数thを乗算する。この出力は、入出力特性の傾き
が変化して出力信号が歪み始めるしきい値(THLVL)と
なる。25,27は係数乗算器であって、いずれも係数
CLを乗算する。
【0018】入力信号は、加算器11,12,係数乗算
器13、および、エンベロープフォロワ15に入力され
る。まず、エンベロープフォロワ15について説明す
る。エンベロープフォロワ15の全波整流部16は、入
力信号振幅の絶対値を出力し、加算器17において、係
数乗算器21の出力が減算される。加算器17および後
続する半波整流部18は、入力信号の振幅値が係数乗算
器21の出力を超えるときに、両者の差を係数乗算器1
9に出力する。
【0019】係数乗算器19の乗算係数ar(アタックレ
ート)は、エンベロープフォロワ15のアタック追従レ
ートを決める。ar(アタックレート)は0<ar≦1であ
り、値が大きくなるほどエンベロープレベルの立ち上が
りが急峻になる。加算器20において、係数乗算器19
の出力が係数乗算器21の出力と加算され、遅延器22
に出力される。遅延器22の出力は、係数乗算器21,
23に出力される。係数乗算器21の乗算係数rr(リリ
ースレート)は、エンベロープフォロワ15の減衰レー
トを決める。rr(リリースレート)は0≦rr<1であ
り、値が大きくなるほど減衰時間が長くなる。係数乗算
器23の係数thは、エンベロープフォロワ15が検出し
た入力信号レベルに応じたしきい値(THLVL)を決定す
るための比率(0≦th)である。
【0020】一方、入力信号は、加算器12において、
しきい値(THLVL)を減算され、後続する半波整流部2
4によって、入力信号がしきい値(THLVL)よりも大き
くなったときにのみ、その差が係数乗算器25に出力さ
れる。加算器12と半波整流部24が、入力信号振幅が
正側の非線形歪生成部に相当する。係数乗算器25は差
分値に乗算係数CLを乗算し非線形歪成分として加算器1
1に出力する。加算器11において、正の振幅値をとっ
ている入力信号から、係数乗算器25の出力が減算され
る。係数乗算器25と加算器11とが、入力信号振幅が
正側の合成部に相当する。
【0021】乗算係数CLは、入力信号に対する非線形歪
成分の合成割合を決定する係数である。非線形特性の観
点から見れば、しきい値(THLVL)よりも絶対値の大き
な非線形直線領域の入出力特性の傾きを決める係数であ
る。すなわち、CL=1のとき、入力信号振幅のしきい値
(THLVL)を超えている部分が、そのまま歪み成分とな
って入力信号振幅から減算される。入力信号振幅は完全
にクリップされる。0<CL<1のとき、減算される非線形
歪成分は、しきい値(THLVL)を超えている入力信号振
幅よりも小さいために、完全なクリップとはならない。
CL<0のとき、しきい値(THLVL)を超えた非線形歪成分
が加算されることになるので、逆に入出力特性の直線の
傾きが大きくなる。1<CLのとき、入力信号振幅がしき
い値(THLVL)を超えると、入力信号振幅の増加分より
も非線形歪成分が大きくなり、入出力特性の直線の傾き
が負となって出力信号レベルが減少する。
【0022】上述した説明では、入力信号振幅が正の部
分について説明したが、負の部分でも同様である。入力
信号振幅が負のとき係数乗算器13によって入力信号が
正に反転される。したがって、後続する加算器14,半
波整流部26,係数乗算器27によって同様にして非線
形歪成分を出力する。加算器11においては、負の入力
信号に係数乗算器27の正出力を加算することにより、
入力信号と非線形歪成分を合成する。なお、半波整流部
24の出力から半波整流部26の出力を、図示しない加
算器で減算することにより非線形歪成分を1つに合成し
た上で、1つの係数乗算器25に通し、係数乗算器25
の出力を加算器11において、入力信号から減算するよ
うにしてもよい。
【0023】このように、しきい値(THLVL)を入力信
号レベルに応じて制御するとともに、このしきい値(TH
LVL)を超えた部分の非線形歪成分を制御することがで
きるので、入出力特性の傾きを自由に制御することがで
きる。すなわち、CL=0で、スロープ=1(歪なし)、CL
=1でスロープ=0(クリップ歪)となる。CL<0では、
スロープ>1(正の歪み)となる。ただし、出力信号振
幅が1を超えると、加算器11の演算の制約上、第2の
クリップが発生する。また、CL>1では、スロープ<0と
なり、増幅器がへたったような効果を得ることができ
る。
【0024】上述した説明では、入力信号振幅の正負極
性に対し、対称的な非線形特性を与えた。非線形特性を
非対称にするには、一方のしきい値を入力信号よりも十
分大きくすることを含めて、加算器12,14に入力す
るしきい値を異ならせたり、一方のみを入力信号レベル
で制御するなど、異なる制御をすればよい。また、上述
したエンベロープフォロワ15において、ar(アタック
レート),rr(リリースレート)の値を変えることによ
って、入力信号振幅のピークを結ぶエンベロープレベル
から全波整流波形の平均値まで入力信号レベルの特性を
連続的に変えることができる。エンベロープフォロワ1
5に限らず、既に説明したように、入力信号の実効値を
検出する回路を用いるなど、入力信号レベルを検出でき
るものであればよい。
【0025】図3〜図6は、図2に示した非線形歪付加
装置において、乗算係数CLの値を種々異ならせたとき
の、シミュレーション結果を示す説明図である。いずれ
も、入力信号は、その周波数が880Hz(周期1.13ms)で
あり、その第1〜第7周期まではピーク振幅が1の正弦
波であり、第8周期からは減衰させている。係数乗算器
23の乗算係数th=1,アタックレートar=0.05,リリ
ースレートrr=0.98としている。図3は、乗算係数CL=
1としたときの具体例である。図3(a)は入力信号
(横軸)に対する出力信号(縦軸)を示す入出力特性図
である。既に説明したように、しきい値(THLVL)は、
入力信号レベルによって制御される。ただし、図3
(a)では、しきい値(THLVL)を、0.1,0.3,0.5とし
たきの入出力特性を示している。図3(b)は、入力信
号および出力信号を示す波形図である。図3(c)は、
エンベロープフォロワ15の出力を示す波形図である。
アタックレートar=0.05、リリースレートrr=0.98で
は、入力信号振幅の絶対値のピーク間をつなぐエンベロ
ープレベルというよりも、全波整流波形を平滑した平均
値に近い特性となっている。乗算係数th=1としたの
で、しきい値(THLVL)は、このエンベロープフォロワ
15の出力値に等しい。
【0026】図3(a)に示すように、入力信号振幅が
正負のしきい値(THLVL,−THLVL)を正側または負側に
超えると、直線の傾き(増幅率)がゼロとなって、出力
信号がクリップされて平坦になる。図3(c)に示すよ
うに、この具体例ではエンベロープフォロワの出力が
0.5付近にあり、かつ、出力が細かく変動しているた
めに、図3(b)に示すように、出力信号は、入力信号
のピーク値の50%付近でクリップし、クリップレベル
も細かく変動している。入力信号の減衰波形部を見る
と、出力信号レベルが下がりつつも、出力信号波形は、
前半の定常波形部のものに近い歪波形になっている。し
たがって、入力信号レベルに応じて非線形特性が制御さ
れていることがわかる。
【0027】図4は、乗算係数CL=0.7としたときの具
体例である。図4(a)は入出力特性図であり、図4
(b)は、入力信号波形および出力信号波形を示す波形
図である。なお、エンベロープフォロワ15の出力につ
いては、図3(c)と同じである。図4(a)に示すよ
うに、入力信号振幅が正負のしきい値(THLVL,−THLV
L)を正側または負側に超えても、直線の傾き(増幅
率)がわずかに低下するだけである。したがって、図4
(b)に示すように、出力信号波形が歪み始めるしきい
値は、図3(b)ほどには目立たない。
【0028】図5は、乗算係数CL=−1としたときの具
体例である。図5(a)は入出力特性図であり、図5
(b)は、入力信号波形および出力信号波形を示す波形
図である。エンベロープフォロワ15の出力については
図3(c)と同じである。図5(a)に示すように、入
力信号が正負のしきい値(THLVL,−THLVL)を正側また
は負側に超えると、直線の傾き(増幅率)が増加する。
ただし、図2の加算器11は出力が演算限界の±1を超
えると飽和するため、出力信号は±1を超えない。図5
(b)に示すように、入力信号の定常波形部分では、正
負のしきい値(THLVL,−THLVL)を正側または負側に超
えているので、出力信号の傾斜が急峻になるとともに、
±1でクリップする。
【0029】図6は、乗算係数CL=2としたときの具体
例である。図6(a)は入出力特性図であり、図6
(b)は、入力信号波形および出力信号波形を示す波形
図である。エンベロープフォロワ15の出力について
は、図3(c)と同じである。図6(a)に示すよう
に、入力信号が正負のしきい値(THLVL,−THLVL)を正
側または負側に超えると、直線の傾き(増幅率)が負
(−1)となる。その結果、図6(b)に示すように、
入力信号が正負のしきい値(THLVL,−THLVL)を正側ま
たは負側に超えると、出力信号波形は逆に窪むことにな
る。
【0030】上述した各具体例からわかるように、入力
信号レベルに応じて、非線形歪を与え始めるしきい値
(THLVL)を可変制御できる。同時に、乗算係数CLを設
定変更するだけで異なる非線形特性に設定して、異なる
音色を与える非線形歪を入力信号に加えることが可能で
ある。さらに、この乗算係数CLの値が時間的に変化する
ように制御することにより、多様な非線形歪を入力信号
に加えることができる。
【0031】図7は、本発明の第3の実施の形態の機能
ブロック図である。図中、図2と同様な部分には同じ符
号を付して説明を省略する。31はオーバフロープロテ
クト付き加算器、32は半波整流部である。この実施の
形態は、エンベロープフォロワ15が検出した信号に係
数thを乗算する係数乗算器23の出力に、オフセットOF
Sを加算してしきい値(THLVL)とすることにより、オフ
セット値を含んだものを入力信号レベルに応じた特性制
御信号としたものである。
【0032】その結果、オフセットOFSを正としたと
き、少なくともオフセットOFS以上の入力レベルがない
と非線形歪が与えられないようにすることができる。す
なわち、しきい値(THLVL,−THLVL)の絶対値がオフセ
ットOFS分だけ上昇,下降するため、歪み始める入力信
号振幅の絶対値が上昇,下降する。例えば、入力信号レ
ベルがゼロに近いときでも、オフセットOFSレベル以下
の入力信号が歪まないようにすることができる。
【0033】また、エンベロープフォロワ15は、平滑
フィルタを含んでいるので、入力信号レベルの変化に追
従するのが遅れる。したがって、追従するまでの過渡的
期間であって、エンベロープレベルがまだ小さいとき
に、入力信号の小さいレベルに対して非線形歪を与えて
しまうことを防止できる。また、入力信号の減衰部分に
おいては、エンベロープレベルが遅れて減衰することに
なる。このような期間において、オフセットOFSを負に
すれば、減衰部分の入力レベルの小さい信号に対しても
非線形歪を与えることができる。なお、オフセットOFS
が正であれば、加算器31の出力は必ず正となり、半波
整流部32は不要である。しかし、オフセットOFSの値
を負にも設定できるときには、加算器31の出力が負に
なるおそれがあるので、半波整流部32を介在させてい
る。
【0034】図8は、本発明の第4の実施の形態の機能
ブロック図である。この実施の形態は、入出力特性の傾
き(増幅率)が変化する遷移領域の入出力特性を曲線状
にすることにより、ソフトな非線形歪成分含む出力信号
が得られる。また、入力信号レベルに応じて、入出力特
性の傾きが変化する少なくとも1つのしきい値を制御す
ることにより、入力信号レベルに応じて非線形特性を制
御している。図示の例では、入力信号の正および負の振
幅に関し、振幅の絶対値がしきい値(THLVL)を超えて
いないときには、入出力特性が傾き(+1)を有する直
線となり、振幅の絶対値がしきい値(THLVL+OB)を超
えているときには、入出力特性が傾き(+1)とは異な
る傾き(1−CL)の直線となり、振幅の絶対値がしきい
値(THLVL)を超えしきい値(THLVL+OB)を超えていな
いときには、入出力特性が連続するとともに、傾き(+
1)から傾き(1−CL)に曲線状に変化する非線形特性を
有する。入出力特性が曲線となる遷移領域の傾きは、2
乗特性を有しているため、入力信号振幅が大きくなるほ
ど、傾きの変化率が大きくなる。
【0035】図中、図2と同様な部分には同じ符号を付
して説明を省略する。41,48は係数乗算器であっ
て、その乗算係数はCWであり、それぞれ、半波整流部2
4,26の出力を入力する。42,49はオーバフロー
プロテクト付きの係数乗算器であって、係数乗算器4
1,48の出力を入力し、その乗算係数はSであり、シ
フトレジスタのシフト量に応じた2nの値をとる乗算係数
である。例えば、乗算係数CW×S=100のとき、S=256
(8ビットシフト)としたときには、CW=100/256とす
る。係数乗算器41,42、係数乗算器48,49は、
乗算係数CW×Sの係数乗算器として機能する。乗算係数C
W×Sは、遷移領域の曲線形状の大きさを決める。
【0036】43,50は2乗演算器であって、それぞ
れ、係数乗算器42,49の出力を入力し、入力を2乗
した値を出力する。2乗特性は、乗算係数も入力信号振
幅とすることにより実現される。2乗特性を記憶したル
ックアップテーブルを入力値で参照して2乗特性の出力
を得ることにより実現してもよい。44,51は係数乗
算器であり、その乗算係数はCAであって、それぞれ、2
乗演算器43,50の出力を入力し、加算器47,54
に出力する。45,52は加算器であって、それぞれ、
半波整流部24,26の出力を入力し、入力からオフセ
ットCBを減算した値を半波整流部46,53に出力す
る。このオフセットCBは、入出力特性の傾きが変化する
遷移領域の幅を決める。46,53は半波整流部であっ
て、それぞれ、加算器47,54に出力される。47,
54はオーバフロープロテクト付きの加算器であり、非
線形歪成分を係数乗算器25,27に出力する。
【0037】係数乗算器41,42、2乗演算器43、
係数乗算器44、および、係数乗算器48,49、2乗
演算器50、係数乗算器51は、それぞれ、しきい値
(THLVL),−THLVLから、所定の範囲CB,−CBまで、入
力信号振幅の絶対値の増加に応じて2乗特性の非線形歪
成分を生成する。このCB,−CBの範囲を超えると、係数
乗算器42,49がオーバフローとなる。係数乗算器4
4,51の乗算係数CAは、直線部分に加える曲線部分の
割合を決める。一方、加算器45、半波整流部46、お
よび、加算器52、半波整流部53は、入力信号がCB,
−CBの範囲を超えると、入力信号振幅の絶対値の増加に
応じて、図2に示した第1の実施の形態と同様に、直線
状に増加する非線形歪成分を生成する。入力信号は、加
算器11において非線形歪成分と合成される。合成割合
は、係数乗算器25,27の乗算係数CLによって決ま
る。
【0038】図9は、図8に示した実施の形態の動作
を、CL=1の場合をもって説明するための線図である。
図9(a)を参照し、入力信号振幅が正であるときにつ
いて説明する。図中、61は入力信号に比例した傾きが
+1の出力信号、62は2乗演算器43の出力信号であ
って、入力信号振幅がしきい値(THLVL)=0.3になると
立ち上がる。このときの出力信号63の傾きは、2乗特
性であるからゼロである。したがって、出力信号65
は、しきい値(THLVL)=0.3において傾きが連続する。
63は係数乗算器44の出力信号、64は半波整流部4
6の出力であって、入力信号振幅がしきい値(THLVL+C
B)=0.5になると傾き(+1)で立ち上がる。65は加
算器11の出力信号である。
【0039】図示の例では、遷移領域の幅を決定するオ
フセットCB=0.5に対し、CW・S=1/CBの関係をもたせ
ることにより、入力信号レベルが遷移領域の境界であ
る、しきい値(THLVL+CB)=0.8のときに、出力信号6
2が最大値(+1)となり、これ以上、入力信号振幅が
増加するとオーバフロープロテクトがかかって(+1)
を維持するようにしている。係数乗算器44の出力信号
63は、出力信号72にCAを乗算したものであるから、
入力信号レベルがしきい値(THLVL+CB)=0.8を超える
ときに、一定値CA=CB/2=0.25となる。
【0040】図示の例では、CW・S=1/CB、CA=CB/2
とすることにより、入力信号レベルが遷移領域の境界で
ある、しきい値(THLVL+CB)=0.8にあるときに、出力
信号63の曲線側の傾きが+1となるとともに、このし
きい値を超えると、傾きがゼロになる。加算器47の出
力は、出力信号63に出力信号74を加算したものであ
るから、入出力特性は、上述したしきい値(THLVL+C
B)=0.8において連続するとともに、その傾き(増幅
率)も連続する。
【0041】図示の例は、乗算係数CL=1として完全に
クリップさせた場合の例を示している。したがって、入
力信号71は、加算器11において、加算器47の出力
(出力信号63+出力信号64)が減算されて、出力信
号65となる。その結果、出力信号65は、入力信号レ
ベルがしきい値(THLVL)=0.3を超えるまでは、非線形
歪成分が含まれない。しきい値(THLVL)=0.3を超えて
しきい値(THLVL+CB)=0.8までの遷移領域において
は、傾きが連続的に変化する2乗特性の非線形歪成分が
含まれる。しきい値(THLVL+CB)=0.8を超えると、さ
らに、このしきい値を超える入力信号71の増加分(出
力信号64)に等しい非線形歪が加わるから、出力信号
65は、曲線状の遷移領域から傾きゼロの直線に切り替
わる。このときの出力信号レベルは(THLVL+CB/2)=
0.55となる。入力信号振幅が小さいときの傾き(+1)
の直線と、傾きゼロの直線とが交差する点は、遷移領域
の中心点、すなわち、入力信号がTHLVL+CB/2=0.55の
ときである。
【0042】なお、入力信号振幅が正のときに、係数乗
算器27の出力は、半波整流部26があるためにゼロと
なるから、影響を及ぼさない。上述した説明は、入力信
号が正の範囲での説明であったが、負の範囲であっても
同様である。代わりに、半波整流部26から係数乗算器
27までが動作する。したがって、図8に示した実施の
形態の装置の入出力特性は、図9(b)に示した通りの
ものとなる。
【0043】図10は、図8に示した実施の形態におい
て、オフセットCBを一定(CB=0.4)に保った状態で、
しきい値(THLVL)を0.1,0.3,0.5と変化させた場合の
入出力特性を示す線図である。図9(a)を参照して説
明したように、遷移領域の中心は、(THLVL+CB/2)で
あるから、しきい値(THLVL)を増加させると、遷移領
域の中心の絶対値も同じだけ増加して0.3,0.5,0.7と
なる。
【0044】図11は、図8に示した実施の形態におい
て、遷移領域の幅を与えるオフセットCBを変化させる際
に、遷移領域の中心(THLVL+CB/2)を一定に保つよう
に、しきい値(THLVL)を連動して変化させた場合の入
出力特性を示す線図である。図10と同様にCL=1と
し、オフセットCBを0.0,0.4,0.8と大きくするとき
に、しきい値(THLVL)を0.5,0.3,0.1と連動して変化
させたものである。
【0045】図8に示した実施の形態では、入力信号レ
ベルに比例してしきい値(THLVL)を制御したが、オフ
セットCBの値とは独立して、入力信号レベルに比例して
遷移領域の中心(THLVL+CB/2)を移動させたいときに
は、入力信号レベルとオフセットCBとに応じて、しきい
値(THLVL)を制御するように、図8の構成を設計変更
する。具体的には、図7に示した第2の実施の形態と同
様に、オフセットOFSを入力信号レベルに加えるように
し、このオフセットOFSの値を−CB/2とすればよい。
【0046】図12は、図8に示した実施の形態におい
て、しきい値(THLVL)=0.3,CL=1を固定して、CBの
値を変化させた場合の入出力特性を示す線図である。オ
フセットCBを、0.0,0.2,0.5,0.8と大きくして行く
と、遷移領域の幅が、しきい値(THLVL)を基点に入力
信号振幅が大きくなる方向に拡がる結果、遷移領域の中
心(THLVL+CB/2)およびしきい値(THLVL+CB)も入
力信号振幅が大きくなる方向に拡がり、クリップレベル
は高くなる。したがって、しきい値(THLVL)を固定し
て、入力信号レベルに比例して、オフセットCBを制御し
てもよい。この場合でも、入力信号レベルが小さいとき
にオフセットCBを小さく、入力信号レベルが大きいとき
にオフセットCBを大きくすれば、非線形歪成分の割合が
入力信号レベルにかかわらず同じになる方向に制御する
ことができる。入力信号振幅がしきい値(THLVL)を超
えなければ非線形歪が生成されないので、しきい値(TH
LVL)を小さく設定したり、ゼロに設定する。ただし、
ゼロに設定すると線形領域はなくなる。
【0047】図13は、図8に示した実施の形態におい
て、図5と同様にCL=−1として遷移領域を設けた場合
の入出力特性を示す線図である。線形領域の直線と非線
形直線領域の傾き(CL−1)=+2の直線との交点の入力
信号振幅は、THLVL+CB/2=0.5となる。
【0048】図14は、図8に示した実施の形態におい
て、図6と同様にCL=2として遷移領域を設けた場合の
入出力特性を示す線図である。遷移領域のピークは、入
力信号振幅がTHLVL+CB/2となるときであり、かつ、こ
のときの入力信号振幅は、線形領域の直線と非線形直線
領域の傾き(−1)の直線との交点の入力信号振幅と一
致する。
【0049】図15は、図8に示した実施の形態におい
て、図9,図10と同様にCL=1であるが、CA=CBとし
た場合の入出力特性を示す線図である。図9(a)を参
照して説明したように、図8において、CW・S=1/CB
とするとともに、CA=CB/2としたのは、遷移領域の境
界であるしきい値(THLVL+CB)において、入出力特性
の傾き(増幅率)が連続するようにするためであった。
したがって、CA=CBとすると、遷移領域の傾きが傾きゼ
ロの非線形直線領域の傾きよりもさらに減少する。その
結果、CL=1として平坦なクリップ特性を有する場合で
も、遷移領域にピークを作ることができ、入出力特性全
体としてはオーバシュートを有する特性となる。
【0050】上述した説明では、2乗(x2)演算器4
3,50によって遷移領域の曲線カーブを形成したが、
3乗(x3)以上の演算器など、直線でない関数値を出
力するものであればよい。その場合でも、入力信号振幅
が、遷移領域の第1の境界である、しきい値(THLVL)
にあるときに出力および傾きがゼロであり、遷移領域の
第2の境界であるしきい値(THLVL+CB)にあるときに
出力が最大値1となるようにCW・Sを決める。かつ、係
数乗算器44,51の出力の傾きが1になるように係数
CAを設定する。このような条件を満足すれば、入出力特
性が連続して変化するとともに、その傾きも連続したも
のとなる。図13〜図15において、入力信号レベルに
応じて非線形特性を制御するには、入力信号レベルに応
じてしきい値を制御すればよい。具体的には、図9〜図
12を参照して説明したように、入力信号レベルに比例
して、しきい値(THLVL)、遷移領域の中心(THLVL+CB
/2)、あるいは、しきい値(THLVL+CB)を制御すれば
よい。
【0051】上述した説明では、遷移領域を超えると傾
きが一定の非線形直線領域となったが、この非線形直線
領域をなくしてもよい。また、しきい値(THLVL+CB)
に到達するまでに入力信号振幅が演算限界になれば、実
質的に上述した非線形直線領域はなくなる。
【0052】図16は、本発明の第5の実施の形態の機
能ブロック図である。この実施の形態は、図2に示した
実施の形態を前提構成として、ソフトな非線形歪成分が
出力信号に含まれるように、生成された非線形歪成分の
高域成分を低域通過フイルタで取り除いた上で入力信号
と合成するものである。図中、図2と同様な部分には同
じ符号を付して説明を省略する。71,74はオーバフ
ロープロテクト付きの加算器、72は低域通過フィルタ
(LPF)、73,76は乗算係数がLPCの係数乗算
器、75は遅延器、77は加算器である。
【0053】半波整流部24,26の出力は、加算器7
1に入力される。加算器71においては、入力信号振幅
の正側において出力される半波整流部24の出力に対
し、入力信号振幅の負側において出力される半波整流部
26の出力を減算する。したがって、加算器71におい
て、入力信号の正側,負側に加える非線形歪成分の極性
を逆にしている。加算器71の出力は、1つの低域通過
フィルタ72に入力される。低域通過フィルタ72内に
おいて、まず、係数乗算器73において係数LPCが乗算
されて加算器74に出力され、加算器77の出力と加算
される。加算器74の出力は、遅延器75に出力され
る。遅延器75の出力は、加算器77に出力されるとと
もに、係数乗算器76に出力される。加算器77におい
ては、遅延器75の出力から係数乗算器76の出力を減
算して加算器74に出力される。
【0054】非線形歪成分は、低域通過フィルタ72を
通過することにより、高次の倍音成分など、周波数の高
い成分が除去されることになる。その結果、なめらかな
非線形歪信号となって、係数乗算器25に出力される。
係数乗算器25の係数CLによって、入力信号振幅がしき
い値(THLVL)の非線形直線領域の入出力特性を変える
ことができるのは、図2〜図6を参照して説明した通り
である。加算器11において、入力信号から係数乗算器
25の歪成分が減算合成されることにより、なめらかな
非線形歪成分を含んだ出力信号が出力される。なお、係
数乗算器73,76の乗算係数LPCの設定値を変更制御
することによって、カットオフ周波数が制御される。ま
た、乗算係数LPCが1のときに、入力信号は加算器74に
おいて何も加算されず、そのまま低域通過フィルタ72
から出力される。すなわち、低域通過フィルタ72はス
ルーとなる。
【0055】上述した低域通過フィルタ72の具体構成
は一例であって、他の構成を採用してもよい。また、低
域通過フィルタ72に代えて、高域成分を通過させるフ
ィルタ、あるいは、特定の周波数帯域の成分を通過させ
るフィルタを用いてもよい。この場合は、フィルタ特性
に応じた音色の非線形歪成分を含む出力信号を得ること
ができる。図示の例では、入力信号振幅の正側,負側の
非線形成分を、ともに、低域通過フィルタ72に通した
が、正側、負側の非線形成分(半波整流部24,26の
各出力)を異なる特性のフィルタに通して、各フィルタ
の出力を加算器11において入力信号と合成してもよ
い。
【0056】図16の例は、非線形歪成分を生成する回
路として図2に示した実施の形態を用いたものであっ
た。しかし、非線形歪成分を生成する回路としては、他
の構成を用いてもよい。図8に示した遷移領域を有する
非線形歪生成部を用いる場合には、例えば、加算器47
と係数乗算器25との間、加算器54と係数乗算器27
との間に低域通過フィルタなどのフィルタを挿入すれば
よい。1つのフィルタで済ませる場合には、図16に示
した加算器71と同様な加算器を用いて正負側の非線形
歪成分を合成してから1つのフィルタに通せばよい。ま
た、係数乗算器44から出力される非線形歪成分と半波
整流部46から出力される非線形歪成分とを異なる特性
のフィルタに通して加算器47で加算してもよい。係数
乗算器51から出力される非線形歪成分と半波整流部5
3から出力される非線形歪成分についても同様である。
【0057】上述した説明では、入力信号レベルに応じ
て非線形部の非線形特性を制御したが、操作子等による
入力によって非線形特性を制御することもできる。上述
した説明では、楽音信号に非線形歪を加える効果付与装
置に適用する場合について説明したが、カラオケなどに
おいて、音声信号に同様な非線形歪を加える効果付与装
置にも本発明を適用することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、上述した説明から明らかなよ
うに、非線形特性を自由に制御することができるという
効果がある。楽音信号や音声信号等の入力信号に入力信
号レベルに応じた非線形特性を得ることができるという
効果がある。例えば、入力信号レベルにかかわらず、非
線形歪成分の出力信号中の割合がほぼ一定する方向に制
御することが可能となる。また、特有の音色を与える非
線形歪を含む出力信号を得ることができるという効果が
ある。例えば、ソフトな非線形歪成分を加えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非線形歪付加装置の第1の実施の形
態の機能ブロック図である。
【図2】 本発明の非線形歪付加装置の第2の実施の形
態の機能ブロック図である。
【図3】 図2に示した非線形歪付加装置において、CL
=1としたときの、シミュレーション結果を示す説明図
である。
【図4】 図2に示した非線形歪付加装置において、CL
=0.7としたときの、シミュレーション結果を示す説明
図である。
【図5】 図2に示した非線形歪付加装置において、CL
=−1としたときの、シミュレーション結果を示す説明
図である。
【図6】 図2に示した非線形歪付加装置において、CL
=2.0としたときの、シミュレーション結果を示す説明
図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態の機能ブロック図
である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態の機能ブロック図
である。
【図9】 図8に示した実施の形態の動作を説明するた
めの線図である。
【図10】 図8に示した実施の形態において、CBを一
定に保った状態で、しきい値(THLVL)を変化させた場
合の入出力特性を示す線図である。
【図11】 図8に示した実施の形態において、CBを変
化させる際に、遷移領域の中心を一定に保つように、し
きい値(THLVL)を連動して変化させた場合の入出力特
性を示す線図である。
【図12】 図8に示した実施の形態において、しきい
値(THLVL)=0.3,CL=1を固定して、CBの値を変化さ
せた場合の入出力特性を示す線図である。
【図13】 図8に示した実施の形態において、図5と
同様にCL=−1として遷移領域を設けた場合の入出力特
性を示す線図である。
【図14】 図8に示した実施の形態において、図6と
同様にCL=2として遷移領域を設けた場合の入出力特性
を示す線図である。
【図15】 図8に示した実施の形態において、図9,
図10と同様にCL=1とするが、CA=CBとした場合の入
出力特性を示す線図である。
【図16】 本発明の第5の実施の形態の機能ブロック
図である。
【符号の説明】
1…非線形部、2…入力信号レベル検出部、3…非線形
歪生成部、4…合成部、11,12,14,17,20
…加算器、13,19,21,23,25,27…係数
乗算器、15…エンベロープフォロワ、16…全波整流
部、18,24,26…半波整流部、22…遅延器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形特性を有する非線形部と、 前記非線形部の入力信号レベルを検出する入力信号レベ
    ル検出部を有し、 前記非線形部は、前記入力信号レベルに応じた制御信号
    により前記非線形特性が制御される、 ことを特徴とする非線形歪付加装置。
  2. 【請求項2】 第1のしきい値を制御するしきい値制御
    手段と、 入力信号の正および負の少なくとも一方の振幅に関し、
    該振幅の絶対値が前記第1のしきい値を超えていないと
    きには、入出力特性が第1の傾きを有する直線となり、
    前記入力信号の振幅の絶対値が前記第1のしきい値を超
    えると、前記直線から連続し、かつ、少なくとも前記入
    力信号の所定幅にわたって前記入出力特性の傾きが前記
    第1の傾きから曲線状に変化する非線形部、 を有することを特徴とする非線形歪付加装置。
  3. 【請求項3】 第1,第2のしきい値の少なくとも一方
    のしきい値を制御するしきい値制御手段を有し、 入力信号の正および負の少なくとも一方の振幅に関し、
    該振幅の絶対値が前記第1のしきい値を超えていないと
    きには、入出力特性が第1の傾きを有する直線となり、
    前記振幅の絶対値が前記第2のしきい値を超えていると
    きには、前記入出力特性が前記第1の傾きとは異なる第
    2の傾きを有する直線となり、前記振幅の絶対値が前記
    第1のしきい値を超え前記第2のしきい値を超えていな
    いときには、前記入出力特性が、前記第1の傾きを有す
    る直線から連続し、前記第1の傾きから前記第2の傾き
    に曲線状に変化して、前記第2の傾きを有する直線に連
    続する非線形部、 を有することを特徴とする非線形歪付加装置。
  4. 【請求項4】 前記非線形部の入力信号レベルを検出す
    る入力信号レベル検出部を有し、 前記しきい値制御手段は、前記入力信号レベルに応じた
    制御信号により少なくとも1つのしきい値を制御する、 ことを特徴とする請求項2または3に記載の非線形歪付
    加装置。
  5. 【請求項5】 非線形特性を有する非線形歪生成部と、 前記非線形歪生成部の出力を入力するフィルタ手段と、 前記非線形歪生成部への入力信号と前記フィルタ手段の
    出力信号とを合成する合成手段、 を有することを特徴とする非線形歪付加装置。
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