JP3687097B2 - 音響信号ディストーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声信号や楽音信号などの音響信号を加工して音を歪ませる効果であるディストーション効果を付与するディストーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル音響信号にディストーション効果を付与するディストーション装置は、オーバフローによるハードクリップや、テーブルや演算によるソフトクリップにより、入力信号の値が一定以上に大きくなっても出力信号の値は所定範囲内に抑えるように変換処理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のディストーション装置で得られるのは、入出力が1対1で対応しているためスタティックな歪みでしかなく、電子楽器などに適用したとき、面白みのない平板な楽音になりがちであった。近年では、楽音に変化が豊かな歪みを与えることにより、効果的な楽音を生成したいという要求がある。
【0004】
この発明は、上述の従来形における問題点に鑑み、面白みがなく平板な音となりがちであるという従来のディストーション装置の欠点を解消し、構成が簡単で、入出力関係が固定的でないようなディストーション装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る音響信号ディストーション装置は、入力信号に基づ除数を供給する変換手段と、外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する除算フィルタ手段と、前記入力信号に前記除算結を乗算することにより、前記入力信号の振幅を制御する第1の乗算手段とを備え、前記変換手段は、入力信号に対して全波整流を行なう全波整流手段と、前記全波整流手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、前記除算フィルタ手段は、入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1の乗算手段に出力する加減算手段とを備え、前記第1、第2、および第3の乗算手段、前記変換手段内の加算手段、並びに、前記除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものであることを特徴とする。
請求項2に係る音響信号ディストーション装置は、入力信号に基づく除数を供給する変換手段と、外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する除算フィルタ手段と、前記入力信号に前記除算結果を乗算することにより、前記入力信号の振幅を制御する第1の乗算手段とを備え、前記変換手段は、入力信号に対して全波整流を行なう全波整流手段と、前記全波整流手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、前記除算フィルタ手段は、入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第3の乗算手段と、前記第3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値に加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1の乗算手段に出力する加減算手段とを備え、前記第1、第2、および第3の乗算手段、前記変換手段内の加算手段、並びに、前記除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものであることを特徴とする。
【0006】
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載の音響信号ディストーション装置において、前記除算フィルタ手段は、1サンプリング周期で前記除算の演算を複数回行なうことを特徴とする。
【0007】
請求項に係る音響信号ディストーション装置は、正側処理部、負側処理部、および、前記正側処理部から出力される信号と前記負側処理部から出力される信号とを混合する手段を備え、前記正側処理部は、入力信号から正側信号を抽出する正側信号抽出手段と、抽出した正側信号に基づく除数を供給する正側変換手段と、外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する正側除算フィルタ手段と、前記正側信号に前記除算結果を乗算することにより、前記正側信号の振幅を制御した信号を出力する第1−1の乗算手段とを備え、前記正側変換手段は、前記正側信号抽出手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第1−2の乗算手段と、前記第1−2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、前記正側除算フィルタ手段は、入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第1−3の乗算手段と、前記第1−3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1−1の乗算手段に出力する加減算手段とを備え、前記第1−1、第1−2、および第1−3の乗算手段、前記正側変換手段内の加算手段、並びに、前記正側除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものであり、前記負側処理部は、入力信号から負側信号を抽出する負側信号抽出手段と、抽出した負側信号に基づく除数を供給する負側変換手段と、外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する負側除算フィルタ手段と、前記負側信号に前記除算結果を乗算することにより、前記負側信号の振幅を制御した信号を出力する第2−1の乗算手段とを備え、前記負側変換手段は、前記負側信号抽出手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2−2の乗算手段と、前記第2−2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、前記負側除算フィルタ手段は、入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第2−3の乗算手段と、前記第2−3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第2−1の乗算手段に出力する加減算手段とを備え、前記第2−1、第2−2、および第2−3の乗算手段、前記負側変換手段内の加算手段、並びに、前記負側除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、この発明の実施の形態に係るディジタルディストーション装置の基本構成を示すブロック図である。このディストーション装置は、変換回路101、除算フィルタ102、および乗算器103を備える。
【0010】
変換回路101は、入力信号のエンベロープのレベルを除数yに変換する。除算フィルタ102は、被除数xと変換回路101からの除数yを入力し、x/yを演算出力する。乗算器103は、除算フィルタ102の出力z=x/yと入力信号inとを乗算する。乗算器103の出力out=in*zが本ディストーション装置の出力となる。通常は、前段にレベルアップ用のアンプやプリフィルタが、後段にレベル調整のアンプ、フィルタ、あるいはスピーカシミュレータなどが挿入されることが多いが、ここでは省略してある。
【0011】
乗算器103の乗算結果outは、除算フィルタ102の出力zと入力信号inとを乗算して得ている。除算フィルタ102では、入力信号のレベルが大きいほど出力値z=x/yは小さくなり、入力信号のレベルが小さいほど出力値z=x/yは大きくなる。これにより、入力信号inのレベルに応じた出力信号outのレベル制限を実現することができる。
【0012】
図2は、図1のディストーション装置の具体的な構成例である。このディストーション装置は、全波整流部201、乗算器202、加算器203、減算器204、遅延回路205、乗算器206、および乗算器223を備えている。各加算器および各乗算器は、オーバフロープロテクト付きのものであり、所定の上限値または下限値をオーバフロー(またはアンダーフロー)したときには、その上限値または下限値を出力する。付番201から203の部分が、図1の101に相当する変換回路221である。付番204から206の部分が、図1の102に相当する除算フィルタ222である。乗算器223が、図1の乗算器103に相当する。図2のディストーション装置は、例えばDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)とマイクロプログラムにより構成することができる。
【0013】
変換回路221において、入力信号は全波整流部201に入力する。全波整流部201は、入力信号に対する全波整流、すなわち入力が負のときに正に変換する処理を行なう。全波整流部201の出力abs(in)は、乗算器202に入力して乗算係数ratと乗算され、さらに加算器203でオフセット値ofsと加算される。なお、abs( )は絶対値を表す。加算器203の出力(すなわち、ofs+rat*abs(in))は、変換回路221の出力yとして、除算フィルタ222の除数端子に入力する。なお、*は乗算を意味するものとする。
【0014】
除算フィルタ222の被除数端子にはスレショルドレベルth(図1の被除数xである)が入力する。スレショルドレベルthは、減算器204に入力する。減算器204の出力は、遅延回路205に入力する。遅延回路205は、入力信号を1サンプリング周期だけ遅延して出力する遅延回路である。遅延回路205の出力は、減算器204および乗算器206に入力する。乗算器206は、遅延回路205の出力に変換回路221からの出力yを乗算し、乗算結果を減算器204に入力する。減算器204は、スレショルドレベルthから乗算器206の乗算結果を減算し、遅延回路205からの出力を加算する。減算器204の出力は、除算フィルタ222の出力として、乗算器223に入力する。
【0015】
除算フィルタ222は、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタを構成しており、その伝達関数は、
Figure 0003687097
となる。充分な時間が経過して安定したときの出力は、上記の伝達関数H(z)でz-1=1と置いて、
H(z)=th/(ofs+rat*abs(in))=x/y
となる。
【0016】
なお、変換回路221と除算フィルタ222は、図3の回路でも代替できる。図3の回路では、伝達関数は、
Figure 0003687097
となる。充分な時間が経過して安定したときの出力は、上記の伝達関数H(z)でz-1=1と置いて、
H(z)=th/(ofs+rat*abs(in))=x/y
となるので、図2の回路と等価であることが判る。
【0017】
上記のように、入力の絶対値が大きいほど除算フィルタ222の除算結果は小さくなり、乗算器223の乗算結果(出力)は振幅が制限された飽和波形となる。これにより、入力信号をクリッピングしディストーション効果の付与を実現する。なお、乗算係数ratは、クリップ部分のスロープを決めるパラメータである。オフセット値ofsは、クリップ部分の滑らかさを決めるパラメータである。thはクリップレベルを決めるパラメータである。
【0018】
図4〜図8を参照して、図2のディストーション装置の特性について詳しく説明する。図4〜図8において、図2の回路への入力をin、出力をout、除数をy、被除数をx(=th)、除算結果をdとする。充分な時間が経過した状態(時間→∞)を考慮してフィルタの特性を求めるものとする。また、除算フィルタ222のDC応答(z-1→1,時間→∞と等価)でレベルを求めるものとする。入力inは−1≦in≦1の範囲で有意であるものとし、図2の各部での演算もこの範囲で有意とする。この範囲外はオーバフローとする。
【0019】
図4は、レシオrat=1、オフセット値ofs=0とし、スレショルドレベルth=xのみを変化させるときの出力特性を示す図である。図4(a)は、入力inと除数yとの関係を示す。入力inを全波整流して絶対値|in|とし、変換回路221でy=|in|*rat+ofsとするから、変換回路221の出力である除数yは図4(a)に示すようになる。
【0020】
図4(b)は、入力inと除算結果dの関係を示す。除算結果d=x/yであり(x=th)、除数yは図4(a)に示すとおりであるから、除算結果dのグラフは図4(b)のようになる。スレショルドレベルth=xのときの除算結果dのグラフを実線401に示し、スレショルドレベルth=x’(ただし、x’<x)のときの除算結果dのグラフを破線402に示す。入力inの絶対値が小さいほど、図4(a)から判るように除数yが小さくなり、除算結果d=x/yは大きくなる。入力inの絶対値が被除数xより小さいと、除算結果dは1を超えてオーバフローになる。オーバフローのときは、除算結果d=1が出力される。図4(b)のグラフのd=1の平坦部403は、除算結果dがオーバフローした範囲を示す。
【0021】
図4(c)は、入力inと出力outの関係を示す。出力outは、乗算器223で図4(b)の除算結果dに入力inを乗算した結果である。入力inの絶対値が被除数xより小さい範囲ではd=1であるので、出力out=入力inである。したがって、この範囲では傾き1のグラフ411のようになり、出力outは入力inにしたがってリニアに変化する。入力inの絶対値が大きくなってxを超えると、除算結果d=x/yでyは入力inの絶対値と等しいので、出力out=d*in=xまたは−xとなる。図4(c)のout=xおよびout=−xの平坦部412は、この範囲である。出力outは、入力inの絶対値が大きくなっても、所定範囲にレベルが制限され、ディストーションの動作が実現されている。また、スレショルドレベルth=xを変化させることにより、平坦部412のレベルを変更制御できる。例えば、スレショルドレベルth=x’(ただし、x’<x)としたときは、平坦部は破線のグラフ413に示すようになり、出力outをより狭い範囲にレベル制限することができる。この場合、図4(b)に示した平坦部403の範囲も、−xからxまでの範囲が、より狭い−x’からx’までの範囲となり、これに伴って図4(c)の傾き1のグラフ411の範囲も同様に−x’からx’までの範囲となる。
【0022】
図5は、レシオrat=1−x、オフセット値ofs=xとし、スレショルドレベルthをオフセット値ofsと同じ値にして変化させるときの出力特性を示す図である。レシオratは、この変化に連動させるものとする。図5(a)は、入力inと除数yとの関係を示す。入力inを全波整流して絶対値|in|とし、変換回路221でy=|in|*rat+ofsとするから、変換回路221の出力である除数yは図5(a)に示すようになる。特に、入力in=0のとき、y=ofs=xである。入力|in|=1のとき、y=1−x+x=1である。スレショルドレベルth=xのときの除数yのグラフを実線501に示し、スレショルドレベルth=x’(ただし、x’<x)のときの除数yのグラフを破線502に示す。
【0023】
図5(b)は、入力inと除算結果dの関係を示す。除算結果d=x/yであり(x=th)、除数yは図5(a)に示すとおりであるから、除算結果dのグラフは図5(b)のようになる。特に、入力in=0のとき、y=ofs=xとなるから、d=1である。また、|in|=1のとき、y=|in|*(1−x)+x=1となるから、d=xである。上述のth=xのときの除算結果dのグラフを実線511に示し、th=x’(ただし、x’<x)のときの除算結果dのグラフを破線512に示す。
【0024】
図5(c)は、入力inと出力outの関係を示す。出力outは、乗算器223で図5(b)の除算結果dに入力inを乗算した結果であるから、図5(c)のグラフ521のようになる。入力in=0のとき出力out=0で、入力in=1のとき出力out=xである。出力outは、入力inの絶対値が大きくなっても、所定範囲にレベルが制限され、ディストーションの動作が実現されている。また、スレショルドレベルth=xを変化させることにより、レベル制限する範囲を変更制御できる。例えば、th=x’(ただし、x’<x)としたときは、出力outは破線のグラフ522に示すようになり、出力outをより狭い範囲にレベル制限することができる。
【0025】
図6は、レシオrat<1−x、オフセット値ofs=xとし、th=ofs=固定値として、レシオratを変化させるときの出力特性を示す図である。図6(a)は、入力inと除数yとの関係を示す。入力inを全波整流して絶対値|in|とし、変換回路221でy=|in|*rat+ofsとするから、変換回路221の出力である除数yは図6(a)に示すようになる。特に、入力in=0のとき、y=ofs=xである。入力|in|=1のとき、y=rat+x<1である。スレショルドレベルth=xのときの除数yのグラフを実線601に示す。
【0026】
図6(b)は、入力inと除算結果dの関係を示す。除算結果d=x/yであり(x=th)、除数yは図6(a)に示すとおりであるから、除算結果dのグラフは図6(b)のグラフ611のようになる。特に、入力in=0のとき、y=ofs=xとなるから、d=1である。また、|in|=1のとき、y=|in|*rat+x=rat+x<1となるから、d>xである。
【0027】
図6(c)は、入力inと出力outの関係を示す。出力outは、乗算器223で図6(b)の除算結果dに入力inを乗算した結果であるから、図6(c)のグラフ621のようになる。入力in=0のとき出力out=0で、入力in=1のとき出力out=d=x/y>xである。出力outは、入力inの絶対値が大きくなっても、所定範囲にレベルが制限され、ディストーションの動作が実現されている。また、レシオratを変化させることにより、除算結果dのグラフ611や出力outのグラフ621の変化の程度を変更制御でき、これによりディストーションのかかり具合を制御できる。例えば、オフセット値ofs=スレッショルドレベルth(=x)を固定値としたままコンプレッションレシオratを最小値(=0)から最大値(=1−x)まで変化させることにより、コンプレッサがかかっていない状態(ゲイン=1で一定)から最大にかかっている状態(図5の実線521)まで連続的に変化させることができる。これが、後に説明するknee=softの場合のパラメータratioに応じたコンプレッサ特性の変化に対応している。
【0028】
図7は、スレショルドレベルth=xを固定値とし、除数yの入力inに対するグラフが(x,x)を通るようにオフセット値ofsを決定して、レシオratを変化させるときの出力特性を示す図である。図7(a)は、入力inと除数yとの関係を示す。(x,x)を通るようにすることから、inとyとの関係式は、inが0から1の範囲でy−x=rat*(in−x)となる。これより、y=rat*(in−x)+x=rat*in+(1−rat)*xであるから、ofs=(1−rat)*xである。特に、rat=1のときは図4の場合と同じであり、図7(a)のグラフ701は図4(a)と、図7(b)のグラフ711(平坦部714も含む)は図4(b)のグラフ401(平坦部403も含む)と、図7(c)のグラフ721および722は図4(c)のグラフ411および412と、それぞれ同じである。
【0029】
図7では他にrat=0.5の場合と0.25の場合を図示した。上記のinとyとの関係式より、これらの場合のyのグラフは図7(a)の702,703に示すようになる。除算結果d=x/yであり、y<xの範囲では除算結果dがオーバフローし、図7(b)の除算結果dのグラフでd=1の平坦部714を形成している。平坦部714の外側では、除算結果dは711,712に示すとおりとなる。
【0030】
図7(c)は、入力inと出力outの関係を示し、図7(b)の除算結果dに入力inを乗算した結果である。図7(b)の平坦部714の範囲、すなわち−xからxまでの範囲では傾き1のグラフ721のようになり、出力outは入力inにしたがってリニアに変化する。その外側の範囲では、ratの値に応じたグラフ723,724のようになる。特に、オーバフローする−xからxまでの範囲は変更することなくリニアな特性とし、−xからxまでの範囲の外側では、レシオratの値を変更することにより、コンプレッションのかかり具合を制御できる。すなわち、コンプレッションレシオrat=0はコンプレッサがかかっていない状態であり、rat=1はコンプレッサが最大にかかっている状態(図7の実線722)である。これが、後に説明するknee=hardの場合のパラメータratioに応じたコンプレッサ特性の変化に対応している。
【0031】
図8は、スレショルドレベルth=xを固定値とし、除数yの入力inに対するグラフが(1,1)を通るようにして、オフセット値ofsを変化させる(すなわち、kneeが可変)ときの出力特性を示す図である。レシオratは、オフセット値ofsに連動して変化させる。図8(a)は、入力inと除数yとの関係を示す。(1,1)を通るようにすることから、inとyとの関係式は、inが0から1の範囲でy=(1−ofs)in+ofsとなる。したがって、rat=1−ofsである。
【0032】
特に、ofs=0のときは図4で説明したのと同様であるから、図8(a)のグラフ801は図4(a)と、図8(b)のグラフ811(平坦部814も含む)は図4(b)のグラフ401(平坦部403も含む)と、図8(c)のグラフ821および822は図4(c)のグラフ411および412と、それぞれ同じである。また、ofs=xの場合は、図5で説明したのと同様であるから、図8(a)のグラフ803は図5(a)のグラフ501と、図8(b)のグラフ813は図5(b)のグラフ511と、図8(c)のグラフ824は図5(c)のグラフ521と、それぞれ同じである。
【0033】
図8では他にofsを0<ofs<xの範囲にとった場合を示した。この場合、入力inと除数yとの関係式は上述の通りであるから、除数yのグラフは図8(a)の802に示すようになる。図8(b)の除算結果d=x/yのグラフでは、除数yが固定値th=xより小さくなる範囲でオーバフローが起こり、この範囲でd=1となる。この範囲は、−(x−ofs)/(1−ofs)から(x−ofs)/(1−ofs)までの範囲である。この範囲の外側では、グラフ812に示すようになる。
【0034】
図8(c)は、入力inと出力outの関係を示し、図8(b)の除算結果dに入力inを乗算した結果である。図8(b)の平坦部の範囲、すなわち−(x−ofs)/(1−ofs)から(x−ofs)/(1−ofs)までの範囲では傾き1のグラフになり、出力outは入力inにしたがってリニアに変化する。その外側の範囲では、グラフ823のようになる。本例では、オフセット値ofsの値を変更することにより、図8(c)のように特性を変更して、コンプレッサが最大にかかっている状態におけるゲイン変化特性(図8(c)のような)の肩のなだらかさを制御することができる。この肩のなだらかさを制御するパラメータは、kneeと呼ばれている。
【0035】
上述の図4〜図8では充分な時間が経過した後のディストーションの特性を説明したが、実際には除算フィルタ部分で出力が安定するまでの時間遅れがある。特に、図2(あるいは図3)の除算フィルタでは、LPFの係数に除数yを与えた形で構成しているので、除数yに応じて時定数が変化し、除算結果に達する時間も異なる。除数yが大きいほど時定数は小さくなり、除算結果に至る到達時間も速くなる。また、除数yが小さいほど時定数が大きくなり、除算結果に至る到達時間は遅くなる。したがって、入力信号のレベルが大きくなったときにこれを押え込むのは速いが、小さいレベルでの変動にはゆっくり追従する。レベルが1/100程度の変化をしたとき時定数は2.3ms程度(サンプリング周波数が44.1kHzのとき)なので、実用上問題はない。却って、この時間遅れにより、入力が変化したとき少しオーバシュート気味に変化した後に安定した結果に到達するので、従来のディストーション装置では得ることができない変化が豊かで効果的な楽音を生成できる。
【0036】
なお、図2の各部は、所定のサンプリングクロックに同期して動作しており、1サンプリング周期で1回動作するように構成されているが、除算フィルタ223での処理を1サンプリング周期で複数回行なうことにより応答速度を上げることができる。これは一種のオーバサンプリングで、時定数はその回数分の1となる。応答速度を上げれば、本発明のディストーションの特性は変換テーブル等による通常の遅れのないディストーション特性に近づく。この応答速度を1つのパラメータとしてユーザが設定できるようにしてもよい。
【0037】
以上のようにして、図2のディストーションにおいては、上述したような各種のパラメータを設定することによりその特性を制御できる。実際に電子楽器の効果付与装置などに適用した場合は、ユーザが適当な操作子で以下のような値を設定できるようにし、これらの設定値から上述の各種のパラメータ値を決めればよい。例えば、図6のようにth=ofsを固定値としてratを変化させる例であれば、
(1)ratio:1〜∞の範囲
(2)threshold:−48〜−6(dB)の範囲
(3)knee:softまたはhardの別
の3つの値をユーザに設定させ、
(1)knee=softのときは
rat=(1−th)*(ratio−1)/ratio
ofs=th
th=pow(10,threshold/20)
(2)knee=hardのときは
rat=(ratio−1)/ratio
ofs=th*(1−rat)
th=pow(10,threshold/20)
とすればよい。powはdB値をリニア値に変換する関数である。他の図の特性に対しても同様にすればよい。
【0038】
これによりユーザは、ratioを所望の値に設定することでディストーションのかかり具合を調整でき、thresholdを所望の値に設定することでディストーションのかかるレベルを調整することができる。また、ユーザは、ディストーションのかかり方について、ソフトかハードかを選択できる。また、図4〜図8の各特性を組み合わせてもよいし、切り替え可能(例えば、モード切り替え手段を設け、第1のモードのときは図4の特性、第2のモードのときは図5の特性、…というようにする)にしてもよい。
【0039】
図9は、ディストーション装置の具体的な構成例の別の例を示す。このディストーション装置は、反転回路901、正側ディストーション回路910、負側ディストーション回路920、およびミキサ902を備えている。正側ディストーション回路910は、正側信号抽出回路911、変換回路912、除算フィルタ913、および乗算器914を備えている。負側ディストーション回路920は、正側信号抽出回路921、変換回路922、除算フィルタ923、および乗算器924を備えている。正側ディストーション回路910の912〜914、および負側ディストーション回路920の922〜924は、それぞれ図1で説明したディストーション回路と同じ構成である。
【0040】
正側信号抽出回路911は、入力信号inの正側部分のみを抽出する(負側は値0とする)。抽出された正側信号に対して、図1で説明したディストーション回路でディストーションを付加する。一方、反転回路901で入力信号inの正負を反転し、反転回路901の出力に対して、正側信号抽出回路921により正側部分のみを抽出する(負側は値0とする)。これにより、入力信号inの負側部分のみを抽出し、抽出した負側信号に対して、図1で説明したディストーション回路でディストーションを付加する。ミキサ902は、正側ディストーション回路910の出力から負側ディストーション回路920の出力を減算し、これにより正側と負側の信号をミキシングして出力する。
【0041】
図10は、図9のディストーション装置の具体的な構成例である。このディストーション装置は、反転回路1001、正側ディストーション回路1010、負側ディストーション回路1020、および減算器1002を備えている。正側ディストーション回路1010は、半波整流部1011、乗算器1012、加算器1013、減算器1014、遅延回路1015、乗算器1016、および乗算器1017を備えている。負側ディストーション回路1020は、半波整流部1021、乗算器1022、加算器1023、減算器1024、遅延回路1025、乗算器1026、および乗算器1027を備えている。各加算器および各乗算器は、オーバフロープロテクト付きのものであり、所定の上限値または下限値をオーバフロー(またはアンダーフロー)したときには、その上限値または下限値を出力する。
【0042】
反転回路1001は図9の反転回路901に、半波整流部1011,1021は図9の正側信号抽出回路911,921に、減算器1002は図9のミキサ902に、それぞれ対応する。また、付番1012と1013の部分が図9の912に相当する変換回路1031であり、付番1022と1023の部分が図9の922に相当する変換回路1041である。付番1014から1016の部分が図9の913に相当する除算フィルタ1032であり、付番1024から1026の部分が図9の923に相当する除算フィルタ1042である。乗算器1017が図9の乗算器914に、乗算器1027が図9の乗算器924に、それぞれ相当する。図10のディストーション装置は、例えばDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)とマイクロプログラムにより構成することができる。
【0043】
図10の正側ディストーション回路1010および負側ディストーション回路1020の構成は、図2で説明したディストーション回路とほぼ同じであり、図4から図8で説明したような特性を有する。したがって、図10の装置では、入力信号の正側と負側に分けて、それぞれ上述したようなディストーション効果を付与する処理を行ない、その後、ミキシングして最終的な出力を生成していることになる。図4から図8で説明したように、図2のディストーション装置では、入力信号のレベルが大きくなったときにこれを押え込むのは速いが、小さいレベルでの変動にはゆっくり追従し、特に入力が変化したとき少しオーバシュート気味に変化した後に安定した結果に到達するような出力が得られる。これにより、例えば図11(a)に示す入力信号に対し、正側は図11(b)の1101に示す位置で、負側は図11(c)の1102に示す位置で、それぞれ追従の遅れがあり、オーバシュート気味の変化が得られる。これにより、従来のディストーション装置では得ることができない変化が豊かで効果的な楽音を生成できる。
【0044】
図9および図10のディストーション装置によれば、正(負)側の除算器は、入力が負(正)の場合は時定数が最大となるため、振幅制限の効きが図1および図2の装置より鈍くなる。したがって、より原音のニュアンスを残した歪み具合になる。また、この方法では、正負の特性を異ならせることもできる。そのためには、正側ディストーション回路1010と負側ディストーション回路1020とで、異なるパラメータを用いればよい。
【0045】
図12は、本発明のディストーション装置を適用する電子楽器の構成例を示す。この電子楽器は、マイコン1201、演奏入力部1202、パネル1203、各種入出力(I/O)インタフェース1204、音源1205、エフェクタ1206、ディジタルアナログ変換器(DAC)1207、およびサウンドシステム1208を備える。
【0046】
マイコン1201は、この電子楽器全体の動作を制御する処理装置である。演奏入力部1202は、ユーザが演奏操作する鍵盤などの操作子である。パネル1203は、各種の設定を行なうための操作子や表示部を備えており、例えば上述のratioやthresholdやkneeを設定する操作子を含む。音源1205は、マイコン1201からの指示に応じてディジタル楽音信号を発生する音源であり、その方式は任意である。例えば、波形メモリ音源、FM音源、あるいは物理モデル音源などでもよいし、外部からの波形入力でもよい。エフェクタ1206は、音源1205から出力される楽音信号に対して効果を付与するエフェクタであり、本発明に係るディストーション装置を含む。エフェクタ1206の出力は、ディジタルアナログ変換器(DAC)1207でアナログ楽音信号に変換され、サウンドシステム1208により放音される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、除算フィルタを用いて除算演算を行なうようにしているので、テーブルが不要であり、該除算フィルタの構成も非常に単純なもので済むので、簡単な構成で様々な制御が可能なディストーション装置を実現することができる。さらに、除算フィルタにおける時間遅れがあるため、固定的な入出力関係でなく、従来のディストーション装置では得ることができない音色の変化が豊かで効果的な楽音を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディストーション装置のブロック図
【図2】実施の形態のディストーション装置の構成例を示す図
【図3】変換回路と除算フィルタの別の構成例を示す図
【図4】実施の形態のディストーション装置の特性の例(その1)を示す図
【図5】実施の形態のディストーション装置の特性の例(その2)を示す図
【図6】実施の形態のディストーション装置の特性の例(その3)を示す図
【図7】実施の形態のディストーション装置の特性の例(その4)を示す図
【図8】実施の形態のディストーション装置の特性の例(その5)を示す図
【図9】本発明の別の実施の形態に係るディストーション装置のブロック図
【図10】図9のディストーション装置の構成例を示す図
【図11】図10のディストーション装置の特性を説明するための波形図
【図12】本発明の適用例である電子楽器の構成例を示す図
【符号の説明】
101,221……変換回路、102,222……除算フィルタ、103,202,206,223……乗算器、201……全波整流部、204……減算器、203……加算器、205……遅延回路。

Claims (4)

  1. 入力信号に基づ除数を供給する変換手段と、
    外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する除算フィルタ手段と、
    前記入力信号に前記除算結を乗算することにより、前記入力信号の振幅を制御する第1の乗算手段と
    を備え
    前記変換手段は、
    入力信号に対して全波整流を行なう全波整流手段と、
    前記全波整流手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2の乗算手段と、
    前記第2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、
    前記除算フィルタ手段は、
    入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、
    前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第3の乗算手段と、
    前記第3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1の乗算手段に出力する加減算手段と
    を備え、
    前記第1、第2、および第3の乗算手段、前記変換手段内の加算手段、並びに、前記除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものである
    ことを特徴とする音響信号ディストーション装置。
  2. 入力信号に基づく除数を供給する変換手段と、
    外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する除算フィルタ手段と、
    前記入力信号に前記除算結果を乗算することにより、前記入力信号の振幅を制御する第1の乗算手段と
    を備え、
    前記変換手段は、
    入力信号に対して全波整流を行なう全波整流手段と、
    前記全波整流手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2の乗算手段と、
    前記第2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、
    前記除算フィルタ手段は、
    入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、
    前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第3の乗算手段と、
    前記第3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値に加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1の乗算手段に出力する加減算手段と
    を備え、
    前記第1、第2、および第3の乗算手段、前記変換手段内の加算手段、並びに、前記除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものである
    ことを特徴とする音響信号ディストーション装置。
  3. 請求項1または2に記載の音響信号ディストーション装置において、
    前記除算フィルタ手段は、1サンプリング周期で前記除算の演算を複数回行なうことを特徴とする音響信号ディストーション装置。
  4. 正側処理部、負側処理部、および、前記正側処理部から出力される信号と前記負側処理部から出力される信号とを混合する手段を備え、
    前記正側処理部は、
    入力信号から正側信号を抽出する正側信号抽出手段と、
    抽出した正側信号に基づく除数を供給する正側変換手段と、
    外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する正側除算フィルタ手段と、
    前記正側信号に前記除算結果を乗算することにより、前記正側信号の振幅を制御した信号を出力する第1−1の乗算手段と
    を備え、
    前記正側変換手段は、
    前記正側信号抽出手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第1−2の乗算手段と、
    前記第1−2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、
    前記正側除算フィルタ手段は、
    入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、
    前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第1−3の乗算手段と、
    前記第1−3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第1−1の乗算手段に出力する加減算手段と
    を備え、
    前記第1−1、第1−2、および第1−3の乗算手段、前記正側変換手段内の加算手段、並びに、前記正側除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものであり、
    前記負側処理部は、
    入力信号から負側信号を抽出する負側信号抽出手段と、
    抽出した負側信号に基づく除数を供給する負側変換手段と、
    外部から供給される被除数を入力し、前記被除数を前記除数で除算する演算を行なうとともに、該除算をフィルタ演算で実行する負側除算フィルタ手段と、
    前記負側信号に前記除算結果を乗算することにより、前記負側信号の振幅を制御した信号を出力する第2−1の乗算手段と
    を備え、
    前記負側変換手段は、
    前記負側信号抽出手段の出力に、外部から供給された乗算係数を乗算する第2−2の乗算手段と、
    前記第2−2の乗算手段の乗算結果に、外部から供給されたオフセット値を加算し、その加算結果を前記除数として供給する加算手段とを備え、
    前記負側除算フィルタ手段は、
    入力した信号を遅延させて出力する遅延手段と、
    前記除数に前記遅延手段の出力を乗算する第2−3の乗算手段と、
    前記第2−3の乗算手段の乗算結果を、外部から供給されたスレッショルド値から減算するとともに、前記遅延手段の出力を加算し、その結果を、除算結果として前記遅延手段および前記第2−1の乗算手段に出力する加減算手段と
    を備え、
    前記第2−1、第2−2、および第2−3の乗算手段、前記負側変換手段内の加算手段、並びに、前記負側除算フィルタ手段内の加減算手段は、何れも、所定の上限値または下限値をオーバーフローまたはアンダーフローしたときには該上限値または該下限値を出力するものである
    ことを特徴とする音響信号ディストーション装置。
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