JP2002052825A - 光情報記録媒体及び光情報記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体及び光情報記録方法

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JP2002052825A
JP2002052825A JP2000238083A JP2000238083A JP2002052825A JP 2002052825 A JP2002052825 A JP 2002052825A JP 2000238083 A JP2000238083 A JP 2000238083A JP 2000238083 A JP2000238083 A JP 2000238083A JP 2002052825 A JP2002052825 A JP 2002052825A
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carbon atoms
recording medium
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JP2000238083A
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Naoki Saito
直樹 斎藤
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オキソノール色素を含む色素記録層を備え、レ
ーザ照射により情報の記録及び再生を行うことができる
追記型の光情報記録媒体において、記録再生特性及び耐
光性に優れた光情報記録媒体を提供する。また、この光
情報記録媒体を用いた光情報記録方法を提供する。 【解決手段】光情報記録媒体の記録層にオキソノール色
素と下記一般式(I)で表される化合物とを含有させ
る。 【化1】 式中、R1、R2及びR3は一価の置換基を表し、R4及び
5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール
基、アラルキル基又はヘテロ環基を表し、pは0乃至3
の整数を表し、qは0乃至2の整数を表し、rは0乃至
4の整数を表す。Mk+はk価の金属カチオンを表し、X
h-はh価のアニオンを表し、kは1乃至3の整数を表
し、hは1乃至5の整数を表し、wは1乃至3の整数を
表す。pが2以上の場合のR1同士、qが2以上の場合
のR2同士、rが2以上の場合のR3同士、R2とR3、R
3とR4、R3とR5、R4とR5は互いに連結して環を形成
していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体及
び光情報記録方法に関し、特に、オキソノール色素を含
む記録層を備え、レーザ照射により情報の記録及び再生
を行うことができる追記型の光情報記録媒体と、この光
情報記録媒体を用いた光情報記録方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な追記型光情報記録媒体(光ディスク)
はCD−Rと称され、広く知られている。これらCD−
Rは、射出成形等により基板上にピットを形成して情報
を記録していた従来のCDに比べて、少量のCDを手頃
な価格でしかも迅速に作製することができる、という利
点を有しており、最近のパーソナルコンピュータの普及
に伴ってその需要も増大している。
【0003】このCD−R型の光情報記録媒体の代表的
な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録
層(色素記録層)、金や銀などの金属からなる光反射
層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものであ
る。そしてこの光ディスクへの情報の記録は、近赤外域
のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)
を光ディスクに照射することにより行われ、色素記録層
の照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例え
ば、ピットなどの生成)することにより情報が記録され
る。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同
じ波長のレーザ光を光ディスクに照射して、色素記録層
が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位
(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより
行われている。
【0004】CD−Rに記録した情報を市販のCDプレ
ーヤーを用いて再生するためには、再生光である波長7
80nmの光に対する反射率が充分に高いことが必要で
ある。色素記録層上に設けられた金属製の光反射層で反
射される光量を多くするためには、色素記録層での光吸
収率が低い方が良く、色素の吸収極大波長は780nm
より短波長側に在る方が良い。しかしながら、吸収極大
波長が短波長側にある色素を用いると、780nmにお
ける記録部分と未記録部分との反射率の差が少なくな
り、その違いを検出することが困難になる、という問題
が生じる。従って、CD−Rにおいては、780nmの
光に対する反射率が高く(即ち、780nmの光に対す
る光吸収率が低く)、かつ記録感度が高い色素化合物が
用いられている。このような色素としては、例えば特開
昭64−40382号公報、特開平4−175188号
公報、あるいは「機能性色素の最新応用技術」(シー・
エム・シー、1996年4月発行、第3章の6)に記載
の色素が挙げられる。
【0005】CD−Rより高密度の記録が可能な媒体と
して、追記型デジタル・ビデオ・ディスク(DVD−
R)と称される光ディスクが提案され(例えば、「日経
ニューメデイア」別冊「DVD」、1995年発行)、
実用化されている。このDVD−Rは、通常、透明な円
盤状基板上に有機色素からなる記録層、光反射層、及び
保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を内側
にして貼り合わせた構造、あるいはこのディスクと同じ
形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合わ
せた構造を有しており、透明な円盤状基板には、記録時
に照射されるレーザ光をトラッキングするための案内溝
(プレグルーブ)が、CD−Rの半分以下(0.74〜
0.8μm)という狭い溝幅で形成されている。
【0006】このDVD−Rでは、情報の記録及び再生
は、可視域のレーザ光(通常は630〜680nmの範
囲の波長のレーザ光)を光ディスクに照射することによ
り行われており、このようにCD−Rより短い波長の光
で記録を行うことにより、より高密度での記録を可能に
している。
【0007】また最近では、インターネット等の情報ネ
ットワークやハイビジョンTVの急速な普及に伴い、高
画質な画像情報が簡単に取り出せるようになってきてお
り、これらの画像情報を安価且つ簡便に記録するため
に、更に大容量の記録媒体が必要とされている。このた
め従来の記録波長(780nm又は630nm)より更
に短波長の光で高密度の記録を行うことができる大容量
記録媒体の開発が進められている。例えば、特開平11
−53758号公報には、有機色素を含む記録層を備え
た光情報記録媒体に波長530nm以下のレーザ光を照
射することにより、情報の記録及び再生を行う記録再生
方法が開示されている。ここでは、金属アゾ系色素、キ
ノフタロン系色素、又はトリメチンシアニン色素を含む
記録層を備えた光情報記録媒体に、青色(波長410n
m)又は青緑色(波長515nm)の半導体レーザを用
いてレーザ光を照射し、情報の記録を行なっている。
【発明が解決しようとする課題】上述の大容量化を色素
記録層を備えた光情報記録媒体で実現するためには、短
波長の光に対して優れた記録特性を有する色素化合物の
開発が鍵となる。本出願人は、特開昭63−20999
5号公報において、オキソノール色素を含む色素記録層
を基板上に設けた光情報記録媒体を提案している。この
オキソノール色素には青色〜紫色の短波長の光に対して
優れた記録特性を有するものがあり、大容量記録媒体用
の記録層色素として有望である。また、特開昭63−2
09995号公報によれば、オキソノール色素を含む色
素記録層設けた光情報記録媒体は長期間に渡り記録再生
特性を維持し得るものとされている。
【0008】しかしながら、近年のCD−R及びDVD
−Rの用途拡大に伴い光情報記録媒体の記録再生特性及
び安定性に対する要求は益々高まる一方であり、このよ
うな状況の下では、今まで以上に優れた記録特性及び安
定性、特に光に対する高い安定性(耐光性)を有する光
情報記録媒体を開発する必要がある。
【0009】色素記録層の耐光性を改善する技術として
は、特開平3−224793号公報に記載の一般式(II
I)、(IV)及び(V)で表される金属錯体、ジインモ
ニウム塩、アミニウム塩、及び特開平2−300287
号公報や特開平2−300288号公報記載のニトロソ
化合物等の一重項酸素クエンチャーを記録層色素と併用
する技術等が提案されている。しかしながら、これらの
技術は記録層色素としてシアニン色素を想定して開発さ
れたものであり、オキソノール色素を記録層色素として
用いる場合には、上記の技術では耐光性を十分に改善す
ることができない、という問題がある。
【0010】また、特開昭64−50252号公報、特
開平11−208118号公報記載の含金属インドアニ
リン色素等の記録層色素の励起状態の消光剤を記録層色
素と併用する技術等が提案されているが、オキソノール
色素を記録層色素とする構成も、またその組合せにおい
て耐光性の向上を予測させる記載もない。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、本発明の目的は、オキソノール色素を含む色素記録
層を備え、レーザ照射により情報の記録及び再生を行う
ことができる追記型の光情報記録媒体において、記録再
生特性及び耐光性に優れた光情報記録媒体を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、この光情報記録
媒体を用いた記録再生特性及び安定性に優れた光情報記
録方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光情報記録媒体は、基板上にレーザ照射に
より情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体
であって、該記録層がオキソノール色素と下記一般式
(I)で表される化合物とを含有することを特徴とす
る。
【0013】
【化4】
【0014】式中、R1、R2及びR3は一価の置換基を
表し、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表し、
pは0乃至3の整数を表し、qは0乃至2の整数を表
し、rは0乃至4の整数を表す。Mk+はk価の金属カチ
オンを表し、Xh-はh価のアニオンを表し、kは1乃至
3の整数を表し、hは1乃至5の整数を表し、wは1乃
至3の整数を表す。pが2以上の場合のR1同士、qが
2以上の場合のR2同士、rが2以上の場合のR3同士、
2とR3、R3とR4、R3とR5、R4とR5は互いに連結
して環を形成していてもよい。
【0015】本発明の光情報記録媒体は、基板上に設け
られたレーザ照射により情報の記録が可能な記録層に、
オキソノール色素と前記一般式(I)で表される化合物
とを含有することを特徴とするものである。この通りオ
キソノール色素を記録層色素として用い、記録光の波長
に応じて吸収波長分布の異なるオキソノール色素を適宜
選択することにより、CD−Rに用いられる波長領域の
レーザ光だけでなく、より短い波長領域のレーザ光に対
しても優れた記録特性を発揮することができる。また、
オキソノール色素と前記一般式(I)で表される化合物
とを併用することにより、耐光性が顕著に改善され、優
れた記録再生特性を長期間に渡り維持することができ
る。即ち、安定性に優れた光情報記録媒体を得ることが
できる。
【0016】上記の一般式(I)において、Mk+が遷移
金属イオンであることが好ましく、Mk+がCu2+、Ni
2+、Co2+、Zn2+、Fe3+又はAl3+であることがよ
り好ましい。また、R1が水素原子、ハロゲン原子、炭
素原子数1乃至8の鎖状アルキル基、又は炭素原子数1
乃至8のアルコキシ基であることが好ましい。R2が水
素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1乃至8
の鎖状アルキル基、フェニル、炭素原子数3乃至9の含
窒素芳香族ヘテロ環基、炭素原子数2乃至9のアシルア
ミノ基、炭素数1乃至9のスルホニルアミノ基、炭素原
子数2乃至9のアシル基、炭素原子数1乃至8のアルコ
キシ基、炭素原子数2乃至9のアルコキシカルボニル
基、又は炭素原子数1乃至13のカルバモイル基である
ことが好ましい。R3が炭素原子数1乃至8の鎖状アル
キル基、炭素原子数2乃至9のアシルアミノ基、炭素原
子数2乃至9のアルコキシカルボニルアミノ基、又は炭
素原子数1乃至8のアルコキシ基であることが好まし
い。R4及びR5が炭素原子数1乃至12の鎖状又は環状
のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭
素原子数7乃至11のアラルキル基、又は炭素原子数3
乃至10のヘテロ環基であることが好ましい。さらに、
環を形成する場合には、R3とR4、R3とR5又はR4
5が互いに連結して環を形成している場合が好まし
い。
【0017】オキソノール色素化合物が、下記一般式
(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0018】
【化5】
【0019】[式中、A、B、C及びDは、AとBのハ
メットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合
計がそれぞれ0.6以上となる置換基であり、AとBも
しくはCとDは連結して環を形成していてもよく、Rは
メチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表
し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整
数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていても
よく、また互いに連結して環を形成していてもよく、Y
t+はt価のアニオンを表し、tは1乃至10の整数を表
す。]
【0020】上記の一般式(II)において、A、B、C
及びDのハメットの置換基定数σp値が、それぞれ独立
に0.30〜0.85の範囲であることが好ましい。ま
た、A、B、C及びDが、それぞれ独立にシアノ基、ニ
トロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル
基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリ
ールスルフィニル基、アルキルスルフェニル基、アリー
ルスルフェニル基、ハロゲン原子、アルキニル基、ジア
シルアミノ基、ホスホリル基、カルボキシル基又はヘテ
ロ環基であることが好ましい。また、上記の一般式(I
I)において、Yt+がオニウムイオンであることが好ま
しく、Yt+が第4級アンモニウムイオンであることがよ
り好ましく、Yt+が下記一般式(III)で表されるオニ
ウムイオンであることが特に好ましい。
【0021】
【化6】
【0022】[式中R31およびR32はそれぞれ独立にア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又
はヘテロ環基を表し、R33は置換基を表し、sは0乃至
8の整数を表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR
33はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに
連結して環を形成していてもよい。]また、前記一般式
(I)において、Xh-が一般式(II)で表されるオキソ
ノール色素化合物のアニオン部分であることが特に好ま
しい。
【0023】なお、本発明の光情報記録媒体は、基板が
一定のトラックピッチのプレグルーブを有する透明な円
盤状基板であり、該プレグルーブが形成された側の表面
に記録層が設けられた構成とすることができる。上記の
記録層上には、更に金属からなる光反射層を設けること
ができ、記録層上方に保護層を設けることができる。
【0024】また、本発明の光情報記録方法は、波長7
50乃至850nm、波長600乃至700nm、及び
波長550nm以下のいずれかの範囲のレーザ光を照射
して光情報記録媒体に情報を記録する光情報記録方法で
あって、請求項1乃至14に記載の光情報記録媒体を用
いて情報を記録することを特徴とする。オキソノール色
素は波長750乃至850nm、波長600乃至700
nm、及び波長550nm以下のいずれの範囲の光に対
しても記録再生特性に優れる色素の設計が可能であり、
本発明の光情報記録媒体において記録光の波長に応じて
吸収波長分布の異なるオキソノール色素を適宜選択する
ことにより、長期間に渡り良好な記録再生特性で安定に
記録を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体、
及び光情報記録方法について詳細に説明する。本発明の
光情報記録媒体は、基板上にレーザ照射により情報の記
録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該
記録層がオキソノール色素と下記一般式(I)で表され
る化合物とを含有することを特徴とする。
【0026】
【化7】
【0027】式中、R1、R2及びR3は一価の置換基を
表し、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表し、
pは0乃至3の整数を表し、qは0乃至2の整数を表
し、rは0乃至4の整数を表す。Mk+はk価の金属カチ
オンを表し、Xh-はh価のアニオンを表し、kは1乃至
3の整数を表し、hは1乃至5の整数を表し、wは1乃
至3の整数を表す。pが2以上の場合のR1同士、qが
2以上の場合のR2同士、rが2以上の場合のR3同士、
2とR3、R3とR4、R3とR5、R4とR5は互いに連結
して環を形成していてもよい。
【0028】先ず、上記一般式(I)で表される化合物
について説明する。一般式(I)において、R1、R2
びR3で表される一価の置換基としては、例えば以下に
記載のものを挙げることができる。炭素原子数1〜20
の鎖状又は環状のアルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素
原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例え
ば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、
2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル
基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル
基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェ
ニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、B
r、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチ
ロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジル
チオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基
(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、
【0029】アルキルスルホニル基(例えば、メタンス
ルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基
(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニ
ル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子
数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド
基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数
2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例え
ば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン
環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラ
ン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ
環)である。
【0030】R1、R2及びR3として好ましいものは、
それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1乃
至12のアルキル基、炭素数6乃至10のアリール基、
炭素原子数3乃至10のヘテロ環基、炭素数1乃至12
のアルコキシ基、炭素原子数6乃至10のアリールオキ
シ基、炭素数1乃至13のアシル基、炭素数2乃至13
のアルコキシカルボニル基、炭素数1乃至17のカルバ
モイル基、炭素数1乃至13のスルホニルアミノ基又は
炭素数1乃至13のアシルアミノ基である。
【0031】特にR1として好ましいものは、ハロゲン
原子、炭素原子数1乃至8の鎖状アルキル基、炭素原子
数1乃至8のアルコキシ基であり、中でも、塩素原子、
メチル、メトキシが好ましい。
【0032】特にR2として好ましいものは、ハロゲン
原子、シアノ基、炭素原子数1乃至8の鎖状アルキル
基、フェニル、炭素原子数3乃至9の含窒素芳香族ヘテ
ロ環基、炭素原子数2乃至9のアシルアミノ基、炭素数
1乃至9のスルホニルアミノ基、炭素原子数2乃至9の
アシル基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原
子数2乃至9のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1
乃至13のカルバモイル基であり、中でも、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子、メチル、ベンゾイルアミノ、N
−フェニルカルバモイルが好ましい。
【0033】特にR3として好ましいものは、炭素原子
数1乃至8の鎖状アルキル基、炭素原子数2乃至9のア
シルアミノ基、炭素原子数2乃至9のアルコキシカルボ
ニルアミノ基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基が好
ましく、中でもメチル、アセチルアミノ、ベンゾイルア
ミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニル
アミノ、メトキシ、エトキシが好ましい。
【0034】pは0乃至3の整数を表すが、pは1乃至
2が好ましく、特に1が好ましい。pが1のときR1
置換位置は窒素原子の隣接位(キノリン骨格の2位)が
好ましい。qは0乃至2の整数を表すが、qは1が好ま
しい。qが1のときR2の置換位置はカルボニルの隣接
位(キノリン骨格の7位)が好ましい。rは0乃至4の
整数を表すが、rは1又は2が好ましく、特に1が好ま
しい。rが1のときR 3の置換位置はアゾメチンの隣接
位が好ましい。
【0035】一般式(I)において、R4及びR5として
好ましいものは、炭素原子数1乃至12の鎖状又は環状
のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭
素原子数7乃至11のアラルキル基、炭素原子数3乃至
10のヘテロ環基であり、中でも炭素原子数1乃至8の
鎖状又は環状のアルキル基、フェニル、ベンジルが好ま
しく、特に炭素原子数1乃至6の鎖状のアルキル基が好
ましい。
【0036】一般式(I)において、pが2以上の場合
のR1同士、qが2以上の場合のR2同士、rが2以上の
場合のR3同士、R2とR3、R3とR4、R3とR5、R4
5は互いに連結して環を形成していてもよく、中でも
3とR4、R3とR5又はR4とR5が互いに連結して環を
形成している場合が好ましい。このとき環員数は4乃至
8が好ましく、特に5又は6が好ましい。また、環の構
成原子としては炭素原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄
原子が好ましく、特に炭素原子、酸素原子又は窒素原子
が好ましい。また、縮合環を形成していてもよく、ピリ
ジン環と縮合する環はベンゼン環及びナフタレン環が好
ましく、特にベンゼン環が好ましい。
【0037】R1、R2、R3、R4及びR5は更に置換基
を有していてもよく、その置換基の例としては、R1
2及びR3で表される置換基として例示したものを挙げ
ることができる。
【0038】一般式(I)において、Mk+で表される金
属カチオンとしては、遷移金属イオンが好ましく、中で
もCu2+、Ni2+、Co2+、Zn2+、Fe3+又はAl3+
がより好ましく、特にCu2+、Ni2+、Co2+が好まし
い。
【0039】一般式(I)において、Xh-で表されるh
価のアニオンは、無機又は有機の何れのアニオンでもよ
い。Xh-で表される無機のアニオンとしては、例えば、
-、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、HSO4 -、SO4
2-、PF6 -、SbF6 -、BF 4 -、TiF6 -、SCN-
挙げることができ、特にCl-、Br-、I-、Cl
4 -、PF6 -、SbF6 -、BF4 -が好ましい。Xh-で表
される有機のアニオンとしては、アルカン類、アルケン
類、アルキン類、ベンゼン、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナントレン、ビフェニル等の炭素骨格に−SO
3 -、−OSO3 -、−CO 2 -、−O-、−PO3 -等の解離
性基が置換したものやR4-(Rはアルキル基又はアリ
ール基)を挙げることができ、特にベンゼンスルホン酸
誘導体、ナフタレンスルホン酸誘導体、又はナフタレン
ジスルホン酸誘導体が好ましい。
【0040】光情報記録媒体の安定性(耐光性)を高め
るという点で、Xh-で表されるアニオンは、無機のアニ
オンよりも有機のアニオンの方がより好ましく、後述す
る一般式(II)で表されるオキソノール色素のアニオン
部分(色素部分)であることがとりわけ好ましい。
【0041】一般式(I)で表される化合物は、任意の
位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合
の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポ
リスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコー
ル、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
【0042】本発明に用いられる一般式(I)で表され
る化合物の具体例としては、特開昭64−50252号
公報、特公平7−64992号公報、同7−68460
号公報、同7−68461号公報、特許第289040
7号公報、同2512075号公報、同2681699
号公報、特開平3−93592号公報、同5−1770
1号公報、同4−141493号公報、同8−3375
86号公報、同10−182651号公報、同10−1
93788号公報に記載の具体例を挙げることができ
る。更にこれらに加え、次の具体例を挙げることができ
るが、本発明に用いられる一般式(I)で表される化合
物はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】尚、これらの化合物は上記公報に記載の方
法によって容易に合成することができる。
【0053】次に、オキソノール色素について説明す
る。本発明においてオキソノール色素とは、アニオン性
発色団を有するポリメチン色素と定義する。記録特性に
優れる点で、下記一般式(II)で表されるオキソノール
色素が特に好適に用いられる。
【0054】
【化17】
【0055】式中、A、B、C及びDは、AとBのハメ
ットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計
がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、Aと
BもしくはCとDは連結して環を形成していてもよく、
Rはメチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数
を表し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上
の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なってい
てもよく、また互いに連結して環を形成していてもよ
く、Yt+はt価のアニオンを表し、tは1乃至10の整
数を表す。
【0056】以下、上記一般式(II)で表されるオキソ
ノール色素について説明する。一般式(II)において、
A、B、CおよびDは、AとBのハメットの置換基定数
σp値の合計及びCとDのハメットの置換基定数σp値の
合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基を表す。
A、B、CおよびDはそれぞれ同一でもよく、また異な
っていてもよい。また、AとB、もしくはCとDは連結
して環を形成していてもよい。A、B、C及びDで表さ
れる電子吸引性基のハメットの置換基定数σ p値は、そ
れぞれ独立に0.30〜0.85の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは、0.35〜0.80の範囲で
ある。
【0057】ハメットの置換基定数σp値(以下、σp
という)は、例えばChem.Rev.91,165
(1991)及びこれに引用されている参考文献に記載
されている。AとB(CとD)が連結して環を形成して
いる場合、A(C)のσp値は、−A−B−H(−C−
D−H)基のσp値を意味し、B(D)のσp値は、−B
−A−H(−D−C−H)基のσp値を意味する。この
場合、両者は結合の方向が異なるためσp値は異なる。
【0058】A、B、C及びDで表される電子吸引性基
の好ましい具体例としては、シアノ基、ニトロ基、炭素
原子数1乃至10のアシル基(例、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素原子
数2乃至12のアルコキシカルボニル基(例、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカル
ボニル、ブトキシカルボニル、デシルオキシカルボニ
ル)、炭素原子数7乃至11のアリールオキシカルボニ
ル基(例、フェノキシカルボニル)、炭素原子数1乃至
10のカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチ
ルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、炭素原子数
1乃至10のアルキルスルホニル基(例、メタンスルホ
ニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルホニル基
(例、ベンゼンスルホニル)、炭素原子数1乃至10の
アルコキシスルホニル基(例、メトキシスルホニル)、
炭素原子数1乃至10のスルファモイル基(例、エチル
スルファモイル、フェニルスルファモイル)、炭素原子
数1乃至10のアルキルスルフィニル基(例、メタンス
ルフィニル、エタンスルフィニル)、炭素原子数6乃至
10のアリールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィ
ニル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフェニル
基(例、メタンスルフェニル、エタンスルフェニル)、
炭素原子数6乃至10のアリールスルフェニル基(例、
ベンゼンスルフェニル)、ハロゲン原子、炭素原子数2
乃至10のアルキニル基(例、エチニル)、炭素原子数
2乃至10のジアシルアミノ基(例、ジアセチルアミ
ノ)、ホスホリル基、カルボキシル基、5員もしくは6
員のヘテロ環基(例えば、2−ベンゾチアゾリル、2−
ベンゾオキサゾリル、3−ピリジル、5−(1H)−テ
トラゾリル、4−ピリミジル)を挙げることができる。
【0059】一般式(II)において、Rで表されるメチ
ン炭素上の置換基としては、一般式(I)における
1、R2及びR3で表される一価の置換基として先に例
示したものと同様のものを挙げることができ、中でも好
ましいものは、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至8の鎖
状又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリ
ール基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子
数6乃至10のアリールオキシ基、炭素原子数3乃至1
0のヘテロ環基であり、特に塩素原子、炭素原子数1乃
至4のアルキル基(例:メチル、エチル、イソプロピ
ル)、フェニル、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基
(例:メトキシ、エトキシ)、フェノキシ、炭素原子数
4乃至8の含窒素ヘテロ環基(例:4−ピリジル、ベン
ゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イ
ル)が好ましい。
【0060】nは0乃至2m+1の整数を表すが、nが
2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異な
っていてもよく、また互いに連結して環を形成してもよ
い。このとき環員数は4乃至8が好ましく、特に5又は
6が好ましく、環の構成原子は炭素原子、酸素原子又は
窒素原子が好ましく、特に炭素原子が好ましい。
【0061】A、B、C、D及びRは更に置換基を有し
ていてもよく、置換基の例としては、一般式(I)にお
けるR1、R2及びR3で表される一価の置換基の例とし
て先に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0062】一般式(II)において、mは0乃至3の整
数であるが、このmの値によって該オキソノール色素の
吸収波長が大きく変化する。記録再生に用いるレーザの
発振波長に応じて最適な吸収波長の色素を設計する必要
があるが、この点においてmの値の選択は重要である。
録再生に用いるレーザの中心発振波長が780nmの場
合(CD−R記録用の半導体レーザ)、一般式(II)に
おいてmは2又は3が好ましく、中心発振波長が635
nm又は650nmの場合(DVD−R記録用の半導体
レーザ)、mは1又は2が好ましく、中心発振波長が5
50nm以下の場合(例えば、中心発振波長405nm
の青紫色半導体レーザ)は、mは0又は1が好ましい。
【0063】一般式(II)において、Yt+で表されるt
価のカチオンは、無機又は有機の何れのカチオンでもよ
く、無機のカチオンとしては、例えば、水素イオン、金
属イオン、アンモニウムイオン(NH4 +)を挙げること
ができ、好ましくは金属イオンであり、特にアルカリ金
属イオン(例:Li+、Na+、K+)又はアルカリ土類
金属イオン(例:Mg2+、Ca2+)が好ましい。
【0064】Yt+で表されるt価の有機のカチオンとし
ては、オニウムイオンが好ましく、下記一般式(III)
で表されるものが特に好ましい。これらの化合物は、対
応するジピリジルと目的の置換基を持つハロゲン化物と
のメンシュトキン反応(例えば、特開昭61−1481
62号公報参照)、あるいは特開昭51−16675号
公報および特開平1−96171号公報に記載の方法に
準ずるアリール化反応により容易に得ることができる。
【0065】
【化18】
【0066】式中R31およびR32はそれぞれ独立にアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は
ヘテロ環基を表し、R33は置換基を表し、sは0乃至8
の整数を表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR33
はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連
結して環を形成していてもよい。
【0067】一般式(III)において、R31もしくはR
32で表されるアルキル基は、炭素原子数1〜18が好ま
しく、更に炭素数1〜8が好ましく、直鎖、分岐又は環
状であってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、イソアミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−
エチルヘキシル、n−オクチルを挙げることができる。
【0068】一般式(III)において、R31もしくはR
32で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18が好まし
く、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばビニル、2−
プロペニル、2−メチルプロペニル、1,3−ブタジエ
ニルを挙げることができる。
【0069】一般式(III)において、R31もしくはR
32で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18が好まし
く、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばエチニル、プ
ロピニル、3,3−ジメチルブチニルを挙げることがで
きる。
【0070】一般式(III)において、R31もしくはR
32で表されるアリール基は、炭素数6〜18が好まし
く、更に炭素数6〜10が好ましく、例えばフェニル、
1−ナフチル、2−ナフチルを挙げることができる。
【0071】一般式(III)において、R31もしくはR
32で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜7の飽和又は不
飽和のヘテロ環基が好ましく、含有されるヘテロ原子と
しては窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、例え
ば4−ピリジル、2−ピリジル、2−ピラジル、2−ピ
リミジル、4−ピリミジル、2−イミダゾリル、2−フ
リル、2−チオフェニル、2−ベンゾオキサゾリル、2
−ベンゾチオキサゾリルを挙げることができる。
【0072】一般式(III)のR31およびR32は更に置
換基を有していてもよく、置換基としては一般式(I)
のR1、R2及びR3を表す置換基として例示したものと
同様のものを挙げることができる。
【0073】一般式(III)においてR33で表される置
換基は、一般式(II)のRと同義であり、好ましくは炭
素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素
数1〜8の無置換アルキル基である。
【0074】一般式(III)において、sは0乃至8の
整数を表すが、sは0〜4が好ましく、更に0〜2であ
ることが好ましく、特に0が好ましい。sが2以上の整
数のとき、複数個のR33はそれぞれ同一でも異なってい
てもよく、また互いに連結して環を形成していてもよ
い。また、一般式(III)において二つのピリジン環
は、何れの位置で連結していてもよいが、ピリジン環の
2位もしくは4位で連結するのが好ましく、特に両ピリ
ジン環の4位同士で連結するのが好ましい。
【0075】一般式(II)で表されるオキソノール色素
は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよ
く、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていても
よく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビ
ニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合して
いてもよい。
【0076】本発明に用いられる一般式(II)で表され
るオキソノール色素の具体例としては、特開昭63−2
09995号公報、特開平10−297103号公報、
同11−78106号公報、同11−348420公
報、特開2000−52658公報、特願平11−78
106号公報に記載されたオキソノール色素の具体例を
挙げることができる。その一部の化合物を以下に例示す
る。
【0077】
【化19】
【0078】
【化20】
【0079】
【化21】
【0080】本発明はこれらの具体例に限定されるもの
ではないが、本発明の効果は、特に特開2000−52
658公報記載のオキソノール色素に対して顕著であ
る。尚、これらの化合物は上記公報に記載の方法によっ
て容易に合成することができる。
【0081】本発明の光情報記録媒体においては、記録
再生に用いる光の波長に応じて、適当なオキソノール色
素を選択して用いることができる。例えば、CD−Rで
用いられる中心波長780nmの半導体レーザで記録す
る場合には、一般式(II)においてm=2又はm=3の
色素化合物、DVD−Rで用いられる波長630〜66
0nmの半導体レーザで記録する場合には、m=1又は
2の色素化合物、波長550nm以下の半導体レーザで
記録する場合には、m=0又はm=1の色素化合物を有
効に用いることができる。オキソノール色素は単独で用
いてもよく、また二種以上を併用してもよい。
【0082】また、一般式(I)で表される化合物は、
オキソノール色素に応じて適宜選択される。一般式
(I)で表される化合物は、単独で用いてもよく、また
二種以上を併用してもよい。また、一般式(I)で表さ
れる化合物とこれ以外の退色防止剤とを併用することも
できる。
【0083】次に、本発明の光情報記録媒体の構造につ
いて説明する。上記の通り、本発明の光情報記録媒体
は、基板上にオキソノール色素と前記一般式(I)で表
される化合物とを含む記録層を有するものであれば、特
に制限はないが、本発明の光情報記録媒体をCD−Rに
適用する場合には、トラックピッチ1.4〜1.8μm
のプレグルーブが形成された厚さ1.2±0.2mmの
透明な円盤状基板上に、オキソノール色素と前記一般式
(I)で表される化合物とを含む記録層、光反射層、及
び保護層をこの順に設けた構成であることが好ましい。
また、本発明の光情報記録媒体をDVD−Rに適用する
場合には、下記の態様であることが好ましい。
【0084】(1)トラックピッチ0.6〜0.9μm
のプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1m
mの透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側
の表面に、本発明に係るオキソノール色素と前記一般式
(I)で表される化合物とを含む記録層が設けられてな
る二枚の積層体を、それぞれの記録層が内側となるよう
に接合してなる、厚さ1.2±0.2mmの光情報記録
媒体。
【0085】(2)トラックピッチ0.6〜0.9μm
のプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1m
mの透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側
の表面に、本発明に係るオキソノール色素と前記一般式
(I)で表される化合物とを含む記録層が設けられてな
る積層体と、該円盤状基板と略同じ寸法の円盤状保護板
とを、記録層が内側となるように接合してなる、厚さ
1.2±0.2mmの光情報記録媒体。なお、上記の態
様においても記録層の上には光反射層が設けられている
ことが好ましい。また光反射層の上には更に保護層が設
けられていてもよい。
【0086】基板(又は下塗層)上に形成されるプレグ
ルーブは、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報
を表す凹凸(プレグルーブ)であり、ポリカーボネート
などの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直
接基板上に前記のトラックピッチで形成されることが好
ましい。また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層
を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層の材
料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、
トリエステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一
種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混
合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、
例えば、まず精密に作られた母型(スタンパー)上に上
記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合
液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基板を載せたの
ち、基板又は母型を介して紫外線を照射することにより
塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次い
で、基板を母型から剥離することにより得ることができ
る。プレグルーブ層の層厚は、一般に0.05〜100
μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲
である。
【0087】本発明の光情報記録媒体を波長550nm
以下の短波長レーザ対応光ディスクに適用する場合、C
D−RやDVD−Rよりも高い記録密度を達成するため
に、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成され
た基板を用いることが可能である。この場合、トラック
ピッチは0.2〜0.5μmの範囲にあることが好まし
く、更に0.2〜0.4μmの範囲にあることが好まし
い。
【0088】次に、本発明の光情報記録媒体をその製造
工程に従い詳細に説明する。基板(保護基板も含む)
は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている
各種の材料から任意に選択することができる。基板材料
としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキ
シ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステ
ル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用して
もよい。なお、これらの材料はフィルム状として又は剛
性のある基板として使うことができる。上記材料の中で
は、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカ
ーボネートが好ましい。
【0089】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止
などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材
料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールア
クリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカ
ップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗
布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディ
ップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法に
より基板表面に塗布することにより形成することができ
る。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0090】プレグルーブの深さは30〜200nmの
範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.2
〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。またプレグ
ルーブ層の深さを150〜200nmの範囲にすること
により反射率をほとんど低下させることなく感度を向上
させることができ、特にCD−Rに好ましい。
【0091】基板上(又は下塗層)のプレグルーブが形
成されているその表面上には、本発明に係る前記式で示
される色素化合物からなる記録層が設けられる。記録層
の形成は、本発明に係る化合物、更に所望により結合剤
などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布
液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥するこ
とにより行うことができる。色素記録層形成用の塗布液
の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブ
アセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;
ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホル
ムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどの
アミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロ
フラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;
エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコー
ル;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどの
フッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレンングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レンングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール
エーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用
する化合物の溶解性を考慮して単独又は二種以上組み合
わせて用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防
止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑財などの各種の添加剤
を目的に応じて添加してもよい。
【0092】結合剤の例としては、例えばゼラチン、セ
ルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天
然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹
脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビ
ニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリ
アクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアク
リル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレ
ン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期
縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記
録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使
用量は、色素に対して一般に0.01〜50倍量(質量
比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量
比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の
色素の濃度は一般に0.01〜10質量%の範囲にあ
り、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0093】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲とすることがで
き、好ましくは50〜300nmの範囲である。
【0094】上記記録層の上に、情報再生時における反
射率の向上の目的で、光反射層が設けられる。光反射層
の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が
高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M
n、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、I
r、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、G
a、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi
などの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げるこ
とができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼
であり、特に好ましいものはAgである。これらの物質
は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わ
せで、又は合金として用いてもよい。光反射層は、例え
ば上記反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプ
レーティングすることにより記録層の上に形成すること
ができる。光反射層の層厚は、一般に10〜300nm
の範囲とすることができ、好ましくは50〜200nm
の範囲である。
【0095】光反射層の上には、記録層などを物理的お
よび化学的に保護する目的で保護層が設けられていても
よい。この保護層は、基盤の記録層が設けられていない
側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよ
い。保護層に用いられる材料としては、例えば、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等
の有機物質を挙げることができる。保護層は、たとえば
プラスチックの押出加工で得られたフィルムを光反射層
上及び/又は基板上にラミネートすることにより形成す
ることができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、
塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらの適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによっても形成することができる。UV硬
化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶
解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV
光を照射して硬化させることによっても形成することが
できる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化
防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加
してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μ
mの範囲とすることができる。
【0096】以上の工程により、基板上に記録層、及び
光反射層、そして所望により保護層を設けた記録媒体を
作製することができる。
【0097】更に、上記のようにして二枚の記録媒体を
作製し、これらを、各々の記録層が内側となるように接
着剤で貼り合わせることにより、2つの記録層を持つD
VD−R型の光情報記録媒体を製造することができる。
また、得られた積層体と該積層体の基板と略同じ寸法の
円盤状保護基板とを、その記録層が内側となるように接
着剤で貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持
つDVD−R型の光情報記録媒体を製造することができ
る。
【0098】次に、本発明の光情報記録方法について説
明する。本発明の光情報記録方法は、上記の光情報記録
媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず、光
情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は
1.2〜14m/秒)又は定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザなどの記録用のレーザ光を
照射する。この光の照射により、記録層と光反射層との
界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層又は光反射層
の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)する
か、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会
合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報
が記録されると考えられる。
【0099】記録光源としては、CD−Rの場合、中心
波長780nmの発振波長を有する半導体レーザが用い
られ、DVD−Rの場合、可視域、通常600nm〜7
00nm(好ましくは620〜680nm、更に好まし
くは630〜660nm)の範囲の発振波長を有する半
導体レーザが用いられる。
【0100】より短波長の光源としては、例えば、39
0〜410nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体
レーザ、中心発振波長が515nmの青緑色半導体レー
ザ、及び中心発振波長が850nmの赤外半導体レーザ
から発振されたレーザ光を光導波路型の第2高調波発生
(SHG)素子を用いて半分の波長の光に変換して中心
発振波長が425nmのレーザ光を出力する青紫色SH
Gレーザ等が好適に使用される。なお、上記のように記
録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の
定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導
体レーザを基板側から照射して、その反射光を検出する
ことにより行うことができる。
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0101】[実施例1]前記化合物(I−1)及びオ
キソノール色素(II−1)を重量比1:10で2,2,
3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層
形成用塗布液(色素濃度:1重量%)を得た。この塗布
液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッ
チ:0.4μm、グルーブ幅:0.3μm、グルーブの
深さ:0.1μm)が射出成形により形成されたポリカ
ーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6m
m)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法によ
り塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約120
nm)を形成した。次に、記録層上に銀をスパッタして
厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射
層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学
工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、
層厚7μmの保護層を形成した。以上の工程により、実
施例1に係る青紫レーザ用光ディスクを製造した。
【0102】[実施例2〜5、比較例1〜5]化合物
(I−1)及びオキソノール色素(II−1)を表1に示
す化合物に代えた(混合比及び使用量は変更なし)こと
以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5及び比較例
1〜5に係る青紫レーザ用光ディスクを製造した。
【0103】[光ディスクとしての評価]作製した青紫
レーザ用光ディスクに、線速度3.5m/秒で14T−
EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザ
を用いて記録した後、更にこれらをキセノンランプ(1
4万ルクス)で48時間照射するという強制条件下に置
いた。照射前後における最適パワーでの変調度をパルス
テック社製「DDU1000」を用いて測定した。得ら
れた評価結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【化22】
【0106】
【化23】
【0107】上記の比較用化合物(Q−1)〜(Q−
4)はクエンチャーとして一般的に知られている化合物
であり、上記の比較用色素(A)〜(D)は公知の青紫
レーザ用の記録層色素である。上記表1に示す結果から
分かるように、前記一般式(I)で表される化合物及び
オキソノール色素を記録層に含有する本発明の青紫レー
ザ用光ディスク(実施例1〜5)は、比較用化合物(Q
−1)〜(Q−4)及び比較色素化合物(A)〜(D)
を記録層に含有する従来の青紫レーザ用光ディスク(比
較例2〜5)に比べて、光照射前後における変調度変化
が少なく、光照射前後において良好な変調度を示した。
また、本発明の青紫レーザ用光ディスクは、従来公知の
青紫レーザ用の記録層色素及び前記一般式(I)で表さ
れる化合物を記録層に含有する青紫レーザ用光ディスク
(比較例1)と比べても、光照射前後における変調度変
化が少なく、光照射前後において良好な変調度を示し
た。以上の結果から、本発明による青紫レーザ用光ディ
スクは、記録再生特性及び耐光性に優れ、強制条件下で
も信号強度を保持し得る高い安定性を備えていることが
わかる。
【0108】[実施例6]前記化合物(I−25)及び
オキソノール色素(II−6)を重量比1:10で2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記
録層形成用塗布液(色素濃度:1重量%)を得た。この
塗布液を、表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピ
ッチ:0.8μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブ
の深さ:0.15μm)が射出成形により形成されたポ
リカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6
mm)のそのプレグルーブ側の表面に、スピンコートに
より塗布し、記録層(厚さ(グルーブ内):約200n
m)を形成した。
【0109】記録層上に銀を蒸着して、厚さ約100n
mの光反射層を形成し、基板上に記録層及び光反射層が
この順で設けられた積層体を作製した。別に透明なポリ
カーボネート基板(円盤状保護基板、直径:120m
m、厚さ:0.6mm)を用意した。そして上記で得ら
れた積層体と円盤状保護基板とを記録層が内側となるよ
うに接着剤(スリーボンド社製)を用いて接合させた
(厚さ1.2mm)。以上の工程により、実施例6に係
るDVD−R型光ディスクを製造した。
【0110】[実施例7〜10、比較例5〜7]化合物
(I−25)及びオキソノール色素(II−6)を表2に
示す化合物に代えた(混合比及び使用量は変更なし)こ
と以外は実施例6と同様にして、実施例7〜10及び比
較例5〜7に係るDVD−R型光ディスクを製造した。
【0111】[光ディスクとしての評価]作製したDV
D−R型光ディスクに、波長635nmの半導体レーザ
(記録パワー7mW)からのレーザ光をNA0.6のレ
ンズで集光し、線速度3.68m/s、変調周波数4M
Hzで信号を記録した。更にこれらをキセノンランプ
(14万ルクス)で48時間照射するという強制条件下
に置いた。照射前後における記録特性をパルステック社
製「OMT2000」を用いて測定した。得られた評価
結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】
【化24】
【0114】上記の比較用色素(E)はDVD−R用の
従来公知の記録層色素であり、上記表2に示す結果から
分かるように、前記一般式(I)で表される化合物及び
オキソノール色素を記録層に含有する本発明のDVD−
R型光ディスク(実施例6〜10)は、前記一般式
(I)で表される化合物に代えて一般的なクエンチャー
(Q−1)〜(Q−2)を用いたDVD−R型光ディス
ク(比較例6、7)に比べて、光照射前後においてジッ
タ値及びブロックエラー値の変化が少なく、光照射前後
において良好な記録再生特性を示した。また、本発明の
DVD−R型光ディスクは、オキソノール色素に代えて
比較用色素(E)を記録層に含有するDVD−R型光デ
ィスク(比較例5)に比べても、光照射前後においてジ
ッタ値及びブロックエラー値の変化が少なく、光照射前
後において良好な記録再生特性を示した。以上の結果か
ら、本発明によるDVD−R型光ディスクは、記録再生
特性及び耐光性に優れ、読み取りエラーが起りにくいと
いう特長を強制条件下でも保持し得る高い安定性を備え
ていることがわかる。
【0115】[実施例11]化合物(I−21)及びオ
キソノール色素(II−11)を重量比1:10で2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記
録層形成用塗布液(色素濃度1重量%)を得た。この塗
布液を表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッ
チ:1.6μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブの
深さ:0.17μm)が射出成形により形成されたポリ
カーボネート基板(直径:120mm、厚さ:1.2m
m)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコートし、記
録層(厚さ(プレグルーブ内):約200nm)を形成
した。次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100
nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬
化性樹脂(UV硬化剤3070、スリーボンド社製)を
塗布し、紫外線を照射して層厚3μmの保護層を形成し
た。以上の工程により、実施例11に係るCD−R型光
ディスクを製造した。
【0116】[実施例12〜15、比較例8〜10]化
合物(I−21)及びオキソノール色素(II−11)を
それぞれ表3に示す化合物に代えた(混合比率及び使用
量は変更なし)こと以外は実施例11と同様にして、実
施例12〜15及び比較例8〜10に係るCD−R型光
ディスクを製造した。
【0117】[光ディスクとしての評価]作製したCD
−R型光ディスクに、4倍速で3T−EFM信号を波長
780nmのレーザ光(記録パワー7mW)で記録した
後、更にこれらをキセノンランプ(14万ルクス)で4
8時間照射するという強制条件下に置いた。照射前後に
おける記録特性をパルステック社製「OMT2000」
を用いて測定した。得られた評価結果を表3に示す。
【0118】
【表3】
【0119】
【化25】
【0120】上記の比較用色素(F)はCD−R用の従
来公知の記録層色素であり、上記表3に示す結果から分
かるように、前記一般式(I)で表される化合物及びオ
キソノール色素を記録層に含有する本発明のCD−R型
光ディスク(実施例11〜15)は、前記一般式(I)
で表される化合物に代えて一般的なクエンチャー(Q−
1)〜(Q−2)を用いたDVD−R型光ディスク(比
較例9、10)に比べて、光照射前後においてジッタ値
及びブロックエラー値の変化が少なく、光照射前後にお
いて良好な記録再生特性を示した。また、本発明のCD
−R型光ディスクは、オキソノール色素に代えて比較用
色素(F)を記録層に含有するDVD−R型光ディスク
(比較例8)に比べても、光照射前後においてジッタ値
及びブロックエラー値の変化が少なく、光照射前後にお
いて良好な記録再生特性を示した。以上の結果から、本
発明によるCD−R型光ディスクは、記録再生特性及び
耐光性に優れ、読み取りエラーが起りにくいという特長
を強制条件下でも保持し得る高い安定性を備えているこ
とがわかる。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、オキソノール色素を含
む色素記録層を備え、レーザ照射により情報の記録及び
再生を行うことができる追記型の光情報記録媒体におい
て、記録再生特性及び耐光性に優れた光情報記録媒体が
提供される。また、この光情報記録媒体を用いた記録再
生特性及び安定性に優れた光情報記録方法が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA31 FA12 FA14 FA23 FB42 4H056 CA01 CC02 CC08 CD08 CE03 DD11 DD16 DD23 DD29 5D029 JA04 5D090 AA01 BB03 BB07 CC01 DD01 KK06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にレーザ照射により情報の記録が可
    能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層
    がオキソノール色素と下記一般式(I)で表される化合
    物とを含有することを特徴とする光情報記録媒体。 【化1】 [式中、R1、R2及びR3は一価の置換基を表し、R4
    びR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、アラルキル基又はヘテロ環基を表し、pは0乃至
    3の整数を表し、qは0乃至2の整数を表し、rは0乃
    至4の整数を表す。Mk+はk価の金属カチオンを表し、
    h-はh価のアニオンを表し、kは1乃至3の整数を表
    し、hは1乃至5の整数を表し、wは1乃至3の整数を
    表す。pが2以上の場合のR1同士、qが2以上の場合
    のR2同士、rが2以上の場合のR3同士、R2とR3、R
    3とR4、R3とR5、R4とR5は互いに連結して環を形成
    していてもよい。]
  2. 【請求項2】前記一般式(I)において、Mk+がC
    2+、Ni2+、Co2+、Zn2+、Fe3+、又はAl3+
    ある請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)において、R1が水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至8の鎖状アルキル
    基、又は炭素原子数1乃至8のアルコキシ基である請求
    項1又は2に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】前記一般式(I)において、R2が水素原
    子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1乃至8の鎖
    状アルキル基、フェニル、炭素原子数3乃至9の含窒素
    芳香族ヘテロ環基、炭素原子数2乃至9のアシルアミノ
    基、炭素数1乃至9のスルホニルアミノ基、炭素原子数
    2乃至9のアシル基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ
    基、炭素原子数2乃至9のアルコキシカルボニル基、又
    は炭素原子数1乃至13のカルバモイル基である請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】前記一般式(I)において、R3が炭素原
    子数1乃至8の鎖状アルキル基、炭素原子数2乃至9の
    アシルアミノ基、炭素原子数2乃至9のアルコキシカル
    ボニルアミノ基、又は炭素原子数1乃至8のアルコキシ
    基である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光情報
    記録媒体。
  6. 【請求項6】前記一般式(I)において、R4及びR5
    炭素原子数1乃至12の鎖状又は環状のアルキル基、炭
    素原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数7乃至1
    1のアラルキル基、又は炭素原子数3乃至10のヘテロ
    環基である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体。
  7. 【請求項7】前記オキソノール色素が下記一般式(II)
    で表される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体。 【化2】 [式中、A、B、C及びDは、AとBのハメットのσp
    値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞ
    れ0.6以上となる置換基であり、AとBもしくはCと
    Dは連結して環を形成していてもよく、Rはメチン炭素
    上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表し、nは0
    乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整数のとき、
    複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また
    互いに連結して環を形成していてもよく、Yt+はt価の
    アニオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
  8. 【請求項8】前記一般式(II)において、A、B、C及
    びDのハメットの置換基定数σp値が、それぞれ独立に
    0.30〜0.85の範囲である請求項7に記載の光情
    報記録媒体。
  9. 【請求項9】前記一般式(II)において、A、B、C及
    びDが、それぞれ独立にシアノ基、ニトロ基、アシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
    ルスルホニル基、アルコキシスルホニル基、スルファモ
    イル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニ
    ル基、アルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル
    基、ハロゲン原子、アルキニル基、ジアシルアミノ基、
    ホスホリル基、カルボキシル基又はヘテロ環基である請
    求項7又は8に記載の光情報記録媒体。
  10. 【請求項10】前記一般式(II)において、Yt+が第4
    級アンモニウムイオンである請求項7乃至9のいずれか
    1項に記載の光情報記録媒体。
  11. 【請求項11】前記一般式(II)において、Yt+が下記
    一般式(III)で表されるオニウムイオンである請求項
    7乃至10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。 【化3】 [式中、R31およびR32はそれぞれ独立にアルキル基、
    アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環
    基を表し、R33は置換基を表し、sは0乃至8の整数を
    表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR33はそれぞ
    れ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環
    を形成していてもよい。]
  12. 【請求項12】前記一般式(I)において、Xh-が前記
    一般式(II)で表されるオキソノール色素のアニオン部
    分である請求項7乃至11のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体。
  13. 【請求項13】前記基板が、一定のトラックピッチのプ
    レグルーブを有する透明な円盤状基板であり、該プレグ
    ルーブが形成された側の表面に記録層が設けられている
    請求項1乃至12に記載の光情報記録媒体。
  14. 【請求項14】前記記録層上に更に金属からなる光反射
    層及び/又は保護層が設けられている請求項1乃至13
    に記載の光情報記録媒体。
  15. 【請求項15】波長750乃至850nm、波長600
    乃至700nm、及び波長550nm以下のいずれかの
    範囲のレーザ光を照射して光情報記録媒体に情報を記録
    する光情報記録方法であって、請求項1乃至14に記載
    の光情報記録媒体を用いて情報を記録することを特徴と
    する光情報記録方法。
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