JP2002052801A - 多色重ね合せ孔版印刷方法 - Google Patents

多色重ね合せ孔版印刷方法

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JP2002052801A
JP2002052801A JP2000239001A JP2000239001A JP2002052801A JP 2002052801 A JP2002052801 A JP 2002052801A JP 2000239001 A JP2000239001 A JP 2000239001A JP 2000239001 A JP2000239001 A JP 2000239001A JP 2002052801 A JP2002052801 A JP 2002052801A
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multicolor
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Minoru Koizumi
実 小泉
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1パス方式の多色重ね合せ孔版印刷方法にお
いて、オフセットゴースト(再転写)による異常画像
(インキ画像はみ出し、裏移り)や巻き上がり現象の発
生を抑制する。 【解決手段】 上流側の印刷部から下流側の印刷部へ、
明度の高いインキ順に印刷を行い、好ましくは上流側の
印刷部で印刷される明度の高いインキほど、インキのひ
き値を低いものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色孔版印刷方法
に関し、詳しくはオフセットゴーストによる異常画像や
巻き上がり現象の発生を抑制した多色重ね合せ孔版印刷
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷においては、インキの色が異な
る版胴を複数本通紙(搬送)方向に配置し、印刷用紙を
搬送しながら上流側から順に1色目、2色目・・・と転
写し、いわゆる1パス(1回の通紙)で重ね合わせの多
色印刷を行なう多色孔版印刷装置が知られている(特開
平7−17121号公報、特開平10−297073号
公報)。
【0003】このような多色孔版印刷装置における2色
印刷タイプについての構成の概要を図2に基づいて説明
する。印刷用紙Pの搬送方向に間隔をおいて1色目の版
胴100と、2色目の版胴102が配置され、版胴10
0と版胴102の下方には、それぞれ印刷用紙Pを押圧
する押圧部材としてのプレスローラ104、106が設
けられている。プレスローラ104、106は、軸10
8に回動自在に支持されたアーム110の一端部に回転
自在に支持されており、アーム110の他端部はカム1
12に印圧バネ114の付勢力で当接している。印圧バ
ネ114は、その一端側がアーム110の他端部側に係
止され、他端側は装置本体の固定部材115に係止され
ている。プレスローラ104、106はカム112の回
転によりそれぞれ版胴100、102に対して接離し、
接触過程では印刷用紙Pを版胴100、102に所定の
印圧で押圧する。これによりニップ部が形成される。
【0004】図示しないが、版胴100、102の内部
にはインキ供給手段が設けられており、プレスローラ1
04、106の当接による印圧によって版胴100、1
02の外面に巻装された図示しないマスタの穿孔部から
インキが滲み出し、このインキが印刷用紙Pに転移して
印刷がなされる。
【0005】1色目を印刷された印刷用紙Pは版胴10
0から図示しない分離手段により分離され、エアー吸着
ベルト方式の中間搬送手段116により搬送されて2色
目の版胴102のニップ部に進入する。2色目を印刷さ
れた印刷用紙Pは、1色目側と同様に図示しない分離手
段により分離され、エアー吸着ベルト方式の排紙搬送手
段118により搬送されて図示しない排紙台に排出・積
載される。
【0006】上記した1パスの多色印刷方式は、色毎に
版胴を交換して再給紙する方式に比べ作業能率が非常に
良いが、1パス故の印刷間隔の短さに起因した問題があ
る。これを図3乃至図6に基づいて説明する。図3に示
すように、1枚目の印刷用紙P上に版胴100からイン
キ画像Aが転写される。その後、印刷用紙Pは、図4に
示すように、版胴102のニップ部に進入し、版胴10
2から2色目のインキ画像Bを転写される。
【0007】しかしながら、1色目の印刷を終えた印刷
用紙Pはインキ画像Aが未乾燥状態で版胴102のニッ
プ部に進入するため、版胴102に巻装されている図示
しないマスタにインキ画像Aの一部が転移する現象が生
じる。1色目と2色目のインキ画像の転写は同一条件下
で行われるものの、1色目のインキ画像Aはその一部を
2色目の版胴102により奪い取られた状態となるの
で、1枚目の印刷終了においては1色目のインキ画像A
の濃度は2色目のインキ画像Bの濃度よりやや低い状態
となる。
【0008】2枚目以降の印刷用紙Pでは、図5に示す
ように、1色目では1枚目と同様の転写状態となるが、
2色目では、図6に示すように、1枚目のときに版胴1
02のマスタに転移したインキ画像Aが印刷用紙P上に
転写された本来の1色目のインキ画像A上に重ねて転写
される。このため、印刷終了における1色目は2色目の
インキ画像Bよりも濃度の高いインキ画像A’となる。
これは再転写(オフセットゴースト)と呼ばれ、1パス
方式の多色印刷では避けられない現象であり、2枚目以
降の印刷では連続的に生じるものである。
【0009】再転写によって1色目と2色目の濃度差が
顕著になると、画像品質の低下を来し、更には異常画像
(インキ画像はみ出し、裏移り)を発生することにな
る。また、1色目のインキ画像Aの濃度が高くなるた
め、インキの粘着力の増加により、印刷用紙Pが2色目
の版胴102から分離されずに版胴102の回転に伴っ
て引き上げられるいわゆる巻き上がり現象を生じること
があった。なお、これまで上記のような現象の発生を抑
止するための色の印刷順に関する考察はなされていなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、1パス方式の多色重ね合せ孔版印刷装置において、
オフセットゴーストによる異常画像(インキ画像はみ出
し、裏移り)や巻き上がり現象の発生を抑制できる多色
重ね合せ孔版印刷方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、オフセットゴー
ストは、上流で印刷されるインキほど、下流での印刷回
数分が多いだけ、画像への影響が大きくなること、また
明度の低いインキほど、下地の紙とのコントラストが大
きく、非画像部へのはみ出しや裏移りした場合に目に顕
著に映ることなどに着目し、更には紙上インキの次に印
刷される版への転移のし易さにはインキのひきが影響す
ることを見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明によれば、第一に、製版
済みのマスタが巻装された版胴を含む印刷部が印刷用紙
の搬送方向に間隔をおいて複数配置された孔版印刷装置
を用い、印刷用紙の1回の搬送で多色重ね合せ印刷を行
なう孔版印刷方法において、上流側の印刷部から下流側
の印刷部へ、明度の高いインキ順に印刷を行うことを特
徴とする多色重ね合せ孔版印刷方法が提供される。
【0013】第二に、上記第一に記載した多色重ね合せ
孔版印刷方法において、上流側の印刷部で印刷される明
度の高いインキほど、インキのひき値を低いものとする
ことを特徴とする多色重ね合せ孔版印刷方法が提供され
る。
【0014】第三に、上記第一又は第二に記載した多色
重ね合せ孔版印刷方法において、インキ色情報を有する
インキ収納容器と、該収納容器上の色情報の読み取り手
段と、印刷色明度順番データを格納する記憶部と、該収
納容器が正規の位置に配置されているか否かを識別する
識別部とを有するインキ収納容器正規位置検出装置によ
り、版胴の誤配置を防止することを特徴とする多色重ね
合せ孔版印刷方法が提供される。
【0015】第四に、上記第一、第二又は第三に記載し
た多色重ね合せ孔版印刷方法において、前記製版済みマ
スタが、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着
剤で貼り合せたマスタであって、多孔性支持体として繊
維径15〜30μmの合成繊維からなる薄葉紙を用いた
ものであることを特徴とする多色重ね合せ孔版印刷方法
が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明は、1パス方式の多色重ね合せ孔版印刷にお
いて、上流側の印刷部から下流側の印刷部へ、明度の高
いインキ順に印刷を行うことを特徴とする。
【0017】これまで、1パス方式多色重ね合せ孔版印
刷において、色による印刷順は決められていなかった。
しかし、前記したように、オフセットゴースト(再転
写)は、上流で印刷されるインキほど、下流での印刷回
数分(2色目印刷、3色目印刷・・・)が多い分だけ、
画像への影響が大きくなる。また、明度の低いインキほ
ど下地の紙とのコントラストが大きく、非画像部へのは
み出しや裏移りした場合に目に顕著に映る。従って、本
発明では、明度の高いインキ順に印刷を行うことによ
り、異常画像になると目立ちやすい明度の低いインキが
下流印刷におかれ、画像品質上有利になる。
【0018】本発明においては、上流側の印刷部で印刷
される明度の高いインキほど、インキのひき値[S
0(降伏値)/U(組成粘度)]を低いものとすること
が好ましい。
【0019】これまで、1パス方式の多色重ね合せ孔版
印刷において、インキの印刷順番にインキのひきは考慮
されていなかった。しかし、本発明者の実験によると、
紙上インキの次に印刷される版への転移のし易さには、
インキのひき[S0(降伏値)/U(組成粘度)]が影
響することが判明した。すなわち、ひきが小さいインキ
ほど、一度紙に印刷されれば、次の版に転移しにくい
(再転写しにくい)。これはインキのひきが小さいほど
紙への浸透が早いことによるものと推定される。従っ
て、画像への影響が大きい上流で印刷される明度の高い
インキほど、そのひき値を低くすることにより、より効
果的に再転写を抑制することができる。
【0020】なお、インキの“ひき”とは、ずり応力の
低いところで観察される印刷インキの作業性であり、糸
のように長く伸ばすことのできるインキの性質のことで
ある。本発明においては、このひきを[S0(降伏値)
/U(塑性粘度)]と定義する。例えばインキがW/O
エマルションの形態とすれば、このひきに影響をあたえ
るものとしてインキ油相中の構成物や水相の体積分率が
あり、油相中に粘ちょうなワニス等を加えると、インキ
のS0(降伏値)は下がり、U(塑性粘度)は上がるの
で、“ひき”S0(降伏値)/U(塑性粘度)は下が
る。また、水相の体積分率を上げると、S0(降伏値)
は上がり、U(塑性粘度)は下がるので、“ひき”S0
(降伏値)/U(塑性粘度)は上がることになる。よっ
て、インキの“ひき”は上記のような手段により調整す
ることができる。
【0021】“ひき”の調整に使用される樹脂として
は、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステ
ル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等
のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン
変性樹脂;マレイン酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹
脂;環化ゴムなどのゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;ア
ルキド樹脂;重合ひまし油等が挙げられる。これらは単
独で又は2種以上を混合して添加することができる。こ
れらの樹脂の代表的な市販品としては、荒川化学社製の
タマノル353、タマノル403、タマノル361、タ
マノル387、タマノル340、タマノル400、タマ
ノル396、タマノル354、KG836、KG84
6、KG1834、KG1801等のロジン変性フェノ
ール樹脂などがある。
【0022】また、本発明においては、インキ色情報を
有するインキ収納容器と、該収納容器上の色情報の読み
取り手段と、印刷色明度順番データを格納する記憶部
と、該収納容器が正規の位置に配置されているか否かを
識別する識別部とを有するインキ収納容器正規位置検出
装置により、版胴の誤配置を防止することが好ましい。
【0023】というのは、本発明においては、前記のよ
うに、インキの種類によって印刷順番が決められている
ので、ユーザが版胴(ドラムユニット)のセット順を誤
る可能性があり、版胴セット位置の誤りを防止する手段
を設けることが望ましいためである。インキ収納容器等
の誤装着を防止する検出装置に関しては、特開平6−3
16060号公報、特開平10−264357号公報等
に提案されており、本発明では上記のような検出装置が
好適に用いられる。
【0024】本発明では、インキ収納容器正規位置検出
装置により、先ず、文字、マーク等によるインキ色情報
を有するインキ収納容器のインキ色情報が、該インキ収
納容器上の色情報の読み取り手段により読み取られ、該
読み取り色情報と印刷色明度順番データを格納する記憶
部に格納されている印刷色明度順番データとを比較し、
この両データの比較結果から、版胴セット位置順(印刷
色順番)が正規にセットされているか否かが識別部によ
り識別される。従って、本発明によると、版胴を確実に
インキの明度の高い順にセットすることができる。
【0025】インキ収納容器に保有される色情報として
は、バーコード等の光学情報や凸部凹部の形状情報が挙
げられ、その内容にはインキの明度とひき値も含まれ
る。インキ収納容器の配置が、明度の高い順、あるいは
ひき値の低い順になっていない場合には、操作パネルの
表示部に色情報を表示すると共に、最適な配置を表示し
て知らせるようにする。一度セットされたインキ収納容
器からの色情報を版胴上の記憶部がデータを格納し、次
に使用された際、異なる色インキがセットされた場合、
「前回と異なる色がセットされている」旨の一文を表示
し、誤セットを防止することが可能となる。
【0026】また、本発明においては、マスタとして、
多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り
合せたマスタであって、多孔性支持体として繊維径15
〜30μm、好ましくは20〜25μmの合成繊維から
なる薄葉紙を用いたものを使用することが好ましい。
【0027】というのは、マスタの多孔性支持体として
天然繊維を含有したものは、オフセットゴーストによる
異常画像(インキ画像はみ出し、裏移り)の発生が多
く、かつ巻き上がりも多く発生するためである。その理
由は、天然繊維は繊維径が不均一で径40〜50μmの
太いものも含むため、マスタフィルム状の穿孔された部
分を塞ぐとインキの流通を妨げ、その結果、紙上でのイ
ンキ膜厚が不均一となり、インキ膜の厚いところが次印
刷の版上に転移しやすくなるものと考えられる。
【0028】本発明においては、マスタの多孔性支持体
として径20〜25μmの合成繊維を使用することによ
り、一度、紙に印刷されたインキは次の印刷版へ転移し
にくくなる。これは天然繊維よりも径が細く均一な合成
繊維を使用することにより、繊維周辺をインキが回り込
み易く、マスタフィルム上の穿孔部からのインキ流通を
阻害しないためである。従って、インキは紙へより均一
に付着することにより、厚く盛られたインキ部分がなく
紙への浸透も均一にスムーズとなり、次の印刷版へ転移
しにくくなるものと考えられる。
【0029】合成繊維としては、ポリエステル繊維、ビ
ニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維等が挙げ
られる。中でもポリエステル繊維、ビニロン繊維が好ま
しい。なお、繊維長は10mm以下が好ましいが、繊維
のアスペクト比にして、550を超えることが好まし
い。
【0030】本発明の実施に当たって、印刷時の紙への
インキ付着量は適正範囲に保持されることが望ましく、
印刷される各色のインキ付着量は2.5g/m2以上
4.0g/m2未満であることが好ましい。インキ付着
量をこのように低くすることによって、裏移りが少な
く、紙の変形が少なく、且つコロ跡が少なく、しかも画
像が効率よく容易に得られる。なお、インキ消費量はマ
スタ上の穿孔径や印圧、インキローラとドクタローラ間
ギャプ等にて調整可能である。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、この発明はこの実施例によって限定される
ものではない。なお、以下に記す部は重量部である。こ
こでは実施例として、孔版用黒、青、黄色W/Oエマル
ションインキを使用した。
【0032】<油相に不溶性着色剤を含有するW/Oエ
マルションインキの製造>先ず、着色剤、オイル、不溶
性着色剤分散剤を3本ロールで練肉することで不溶性着
色剤分散体の調整を行い、この不溶性着色剤分散体(以
後、不溶性着色剤分散体と記す)に乳化用界面活性剤、
オイルを加え攪拌し油相とし、これに水、凍結防止剤、
抗菌剤、水溶性樹脂などからなる水相を加え、攪拌する
ことによって乳化し、孔版印刷機用エマルションインキ
とした。
【0033】 <使用黒色インキ> 下記に黒色インキ処方を示す。 (油相組成) 着色剤 Raven1080(コロンビアン・カーボン社製) 6.0部 オイル Arctic1010(モービル石油社製) 11.5部 オイル Arctic1046(モービル石油社製) 5.0部 分散剤 アルミキレートAL-M(味の素社製) 1.5部 乳化剤 レオドールAO15(花王社製) 4.0部
【0034】 (水相組成) 消泡剤 ポリプロピレングリコール 0.5部 凍結防止剤 エチレングリコール 10.0部 水溶性樹脂 ポリアクリル酸樹脂 0.3部 水 水道水 61.2部
【0035】次に、以下のように上記黒色インキの“明
度”と“ひき値”を得た。 <ひき>粘度計(CSR10 Bohlin Co.製)を使用し、下記
条件にて得られた値をインキの“ひき値”とした。 センサ ;CP2°/25mm インキ温度 ;23℃ インキにシアストレス 0→1000Paまで上昇させ
た時のシアレート−シアストレスにおけるインキサンプ
ルのフローカーブのCasson近似にて得られたカッソン降
伏値をカッソン粘度で割った値をインキの“ひき値”と
した。黒インキひき値;210
【0036】<明度>展色機(谷口インキ社製)により
PPC6200ペーパー(リコー社製)上に上記インキ
を展色紙上のインキ量が5.0g/m2時のLabを色
差計(ミノルタ社製、CR−300)にて測色した。測
色する際の色差計の光はD65光である。 黒色インキ明度L;36.0
【0037】<使用青、黄色インキ>青、黄色インキは
上記黒色インキをベース処方とし、着色剤を含有量6.
0%は変えずに黒色インキ用着色剤Raven1080(コロン
ビアン・カーボン社製)を、青色インキ着色剤としては
Lionol Blue FG7330(東洋インキ社製)に、黄色インキ
着色剤としてはLionol Ye11ow GRL(東洋インキ社製)に、そ
れぞれ変更したのみである。
【0038】ここで青、黄色インキの明度を黒色インキ
と同様にして測定すると、表1に示す値であった。
【表1】
【0039】そこで青、黄色インキ処方に関して、上記
処方に対し油相中にアルキド樹脂を追加し、その樹脂追
加分だけ水相を減らし、ひき値を下記表2に示すように
調整した。
【表2】
【0040】<評価>ここで図1に示すような3色重ね
づり用孔版印刷機を用い、印刷順番を変えて印刷を行
い、非画像部へのインキはみ出し、裏移りを評価した。
図1は3色機の主要部の概略説明図であり、図1中、1
は紙、2は排紙台、3は印刷ドラム、4は印圧ローラ
ー、5は給紙コロ、6は搬送ユニットを夫々示す。
【0041】評価はPPC6200ペーパー(リコー社
製)を使用し、23℃65%RHの環境で行い、インキ
消費量はサーマルヘッドエネルギーによるマスタの穿孔
径により同等になるように調整した。マスタは市販のJ
P50(A3)(リコー社製)を使用した。(多孔性支
持体;天然と合成樹脂の混抄、径40〜50μm)
【0042】評価は23℃にてPPC6200ペーパー
(リコー社製)に90枚/分で200枚印刷し、1〜2
0枚、25、30、40、50、100、150、20
0枚目の印刷物の裏移りと非画像部へのインキはみ出し
を目視による段階ランク見本により評価し、27枚の平
均を裏移り、画像はみ出し評価値とした。
【0043】なお、裏移り、画像はみ出し評価での見本
によるランクは下記表3、表4のように説明できる。
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】更に、30℃にて更紙200枚を60枚/
分にて印刷し、巻き上がり枚数をカウントした。
【0046】(実施例1及び比較例1〜5)前記の黒、
青及び黄色インキを用い、印刷順番を変えて印刷を行
い、裏移り、インキはみ出し、巻き上がりを評価したと
ころ、表5に示す結果が得られた。
【0047】
【表5】
【0048】(実施例2)更に青、黒色インキのアルキ
ド樹脂と水相部のみの調整により、ひき値を下記表6に
示すように調整した。黄色インキ処方とひき値(13
0)は変更せず。
【表6】 各インキの明度は変わらず。
【0049】上記インキを黄、青、黒の順にて印刷し、
裏移り、インキはみ出し、巻き上がりを同様の方法、標
準にて評価し、表7に示す結果が得られた。
【表7】
【0050】(実施例3及び比較例6)上記の実施例1
と比較例3についてはマスタを上記JP50(A3)か
らVT6マスタ(多孔性支持体;ポリエステル、20〜
25μm)(リコー社製)に替え、裏移り、インキはみ
出し、巻き上がりを同様に評価し、それぞれ実施例3、
比較例6とした。それらの結果を表8に示す。
【0051】
【表8】
【0052】
【発明の効果】請求項1の多色重ね合せ孔版印刷方法
は、上流側の印刷部から下流側の印刷部へ、明度の高い
インキ順に印刷を行うということにしたことから、本方
法によると、オフセットゴーストによる異常画像(イン
キ画像はみ出し、裏移り)や巻き上がりの発生が制御さ
れる。
【0053】請求項2の多色重ね合せ孔版印刷方法にお
いて、上流側の印刷部で印刷される明度の高いインキほ
ど、インキのひき値を低いものとしたことから、本方法
によると、更にオフセットゴーストによる異常画像や巻
き上がりの発生が抑制されると言う効果が加わる。
【0054】請求項3の多色重ね合せ孔版印刷方法は、
インキ色情報を有するインキパックと、該パック上の色
情報の読み取り手段と、印刷色明度順番データを格納す
る記憶部と、該収納容器が正規の位置に配置されている
か否かを識別する識別部とを有するインキ収納容器正規
位置検出装置により、版胴の誤配置を防止するというこ
とにしたことから、本方法によると、版胴を確実にイン
キの明度の高い順にセットすることができ、且つ異なる
色インキの版胴への誤セットを防止できると言う効果が
加わる。
【0055】請求項4の多色重ね合せ孔版印刷方法は、
マスタとして、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムと
を接着剤で貼り合せたマスタであって、多孔性支持体と
して繊維径20〜25μmの合成繊維からなる薄葉紙を
用いたものを使用したことから、本方法によると、更に
オフセットゴーストによる異常画像や巻き上がりの発生
がより抑制されると言う効果が加わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する孔版印刷装置の主要部の概略
説明図である。
【図2】従来の孔版印刷装置の概要正面図である。
【図3】従来の孔版印刷装置における印刷用紙1枚目の
1色目の版胴での印刷動作を示す図である。
【図4】従来の孔版印刷装置における印刷用紙1枚目の
2色目の版胴での印刷動作を示す図である。
【図5】従来の孔版印刷装置における印刷用紙2枚目の
1色目の版胴での印刷動作を示す図である。
【図6】従来の孔版印刷装置における印刷用紙2枚目の
2色目の版胴での印刷動作を示す図である。
【符号の説明】
1 紙 2 排紙台 3 印刷ドラム 4 印圧ローラー 5 給紙コロ 6 搬送ユニット 100 1色目の版胴 102 2色目の版胴 104 プレスローラ 106 プレスローラ 108 軸 110 アーム 114 印圧バネ 115 固定部材 116 中間搬送手段 118 排紙搬送手段 A インキ画像 A’ インキ画像 B 2色目のインキ画像 P 印刷用紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製版済みのマスタが巻装された版胴を含
    む印刷部が印刷用紙の搬送方向に間隔をおいて複数配置
    された孔版印刷装置を用い、印刷用紙の1回の搬送で多
    色重ね合せ印刷を行なう孔版印刷方法において、上流側
    の印刷部から下流側の印刷部へ、明度の高いインキ順に
    印刷を行うことを特徴とする多色重ね合せ孔版印刷方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多色重ね合せ孔版印刷方
    法において、上流側の印刷部で印刷される明度の高いイ
    ンキほど、インキのひき値を低いものとすることを特徴
    とする多色重ね合せ孔版印刷方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の多色重ね合せ孔版
    印刷方法において、インキ色情報を有するインキ収納容
    器と、該収納容器上の色情報の読み取り手段と、印刷色
    明度順番データを格納する記憶部と、該収納容器が正規
    の位置に配置されているか否かを識別する識別部とを有
    するインキ収納容器正規位置検出装置により、版胴の誤
    配置を防止することを特徴とする多色重ね合せ孔版印刷
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の多色重ね合せ
    孔版印刷方法において、前記製版済みマスタが、多孔性
    支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合せた
    マスタであって、多孔性支持体として繊維径15〜30
    μmの合成繊維からなる薄葉紙を用いたものであること
    を特徴とする多色重ね合せ孔版印刷方法。
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