JPH1120130A - 平版印刷版の版掛け方法 - Google Patents
平版印刷版の版掛け方法Info
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Abstract
ート材を、刷版と版胴の間に介在させる。
Description
版印刷版の位置ずれの防止を図った平版印刷版の版掛け
方法に関する。
大型の平版印刷機は、刷版の咬え頭部分と咬え尻部分を
万力で固定し、刷版に張力がかかる方向に万力を動か
し、刷版全体を版胴上に張設させている。張力をかけて
刷版を版胴上に固定することによって、刷版の位置精度
を向上させ、カラー印刷等の高精細印刷を可能にしてい
る。
間、更に9000枚以上/時間の高速印刷が行われるよ
うになってきており、このような高速印刷において、し
ばしば版胴上の刷版の位置がずれるという問題が生じ
た。これはカラー印刷等の多色印刷を行う上で深刻な問
題であった。
的低速(3000〜4000枚/時間)での試し刷りから本番の
高速印刷に切り替える時に起こりやすかった。また、ア
ルミニウムを支持体とするPS版に比べ、耐水加工した
紙やプラスチックフィルムを支持体とする平版印刷版は
強度が低いため、版掛けに際して張力を低めにする必要
があり、上記位置ずれの問題は生じ易かった。
は、印刷中における刷版の位置ずれを防止した版掛け方
法を提供することにある。特にカラー高速印刷に好適な
版掛け方法を提供する。
版印刷版を印刷機の版胴に張設する際、初期弾性率が3
00Kg/mm2以下であるシート材を前記平版印刷版
と前記版胴との間に介在させることを特徴とする版掛け
方法によって達成された。
刷版の版胴に対する位置精度を確保するためには、ブラ
ンケットローラーやインキローラーから刷版に対して加
えられる力を緩和させる必要があることを突き止め、前
記初期弾性率を有するシート材を刷版と版胴との間に介
在させることにより、シート材がクッションとして機能
し、上記効果を奏することを見出した。
性率は、JIS規格Z7127に準じて求めることがで
きる。即ち、試料を幅10mm、長さ14mmに切断
し、チャック間距離を100mmとして、引っ張り速度
1mm/minで万能引っ張り試験機で引っ張り、得ら
れた荷重−伸び曲線の立ち上がり部の接線より、弾性率
を求める。弾性率に異方性がある場合、最も小さい値を
その素材の初期弾性率と見なす。
は、好ましくは50〜250Kg/mm2である。更に
好ましくは50〜200Kg/mm2である。このシー
ト材は、プラスチック樹脂フィルムから選ばれることが
好ましい。例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、
ナイロン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、
ポリエチレン等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの
樹脂フィルムは単体、もしくは2種以上の複合体として
用いてもよい。
大きな初期弾性率を有する樹脂フィルム(例えば、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム:PETフィルム)で
あっても、それを加工することによって、初期弾性率を
低下させてもよい。例えば、PETフィルム上に弾力性
のある皮膜を形成させることによって得られる。
ためには、50〜300μ程度の厚みであることが望ま
しい。これは通常の印刷時において印圧を適切に設定す
るために、刷版と版胴の間に介在が要求される厚み調整
用シート(アンダーパッキン)の厚みの範囲内に入って
いる。
なくとも一方の面が微細な凹凸面に加工されたものであ
ることが好ましい。凹凸面は、中心線表面粗さRaで表
すことができ、Ra値が2以上であることが好ましい。
特に好ましくはRa値が3〜12である。更にRaと十
点平均粗さRzとの比がRa/Rz>0.17であるこ
とが好ましい。このRaとRzの関係は表面の凹凸の均
一性を示すもので、本発明においてRa/Rzが0.1
7より大きいと云うことは、凹凸の大きさ、高さ及び深
さが比較的均一にそろっていることを意味する。
胴と刷版の間に介在させることによって、刷版と版胴と
の間の摩擦抵抗が減少し、見当調整がしやすくなる。し
かしながら、刷版と版胴との間の摩擦抵抗を減少させた
場合、前記したように、印刷中に版胴に対する刷版の位
置ずれが生じ易くなる。
位置ずれの改良はもとより、上記の見当調整を容易なら
しめる手段と併せて用いることによって、よりその効果
は大きなものとなる。
均粗さRaは、JIS B0601に準じて測定するこ
とができる。具体的には、表面粗さ形状測定機、例え
ば、東京精密社製サーフコム500Bを用いることによ
り測定することができる。測定された断面曲線からその
中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き
取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗
さ曲線をy=f(x)で表したとき、中心線平均粗さR
a値は、マイクロメートル単位で表し、数1の式によっ
て計算することができる。
zは、中心線平均粗さRaと同様、表面粗さ測定機によ
って測定することができる。断面曲線から測定長さLを
抜き取った部分の平均線に平行な直線のうち高い方から
3番目の山頂を通るものと、深い方から3番目の谷底を
通るものをを選び、この2本の直線の間隔をマイクロメ
ーター単位で表すことにより、十点平均粗さRzが求め
られる。
更には特定のRa/Rzを有する微細な凹凸面(以降、
マット面と称す)は、本発明のシート材を化学的あるい
は物理的に表面処理することによって、または直径10
〜100μmの微細ガラスビーズ、ポリスチレンやポリ
メチルメタアクリレート等のポリマー粒子、ダイアモン
ド砥粒等をシート状素材の表面に密に均一に固着するこ
とによって作ることができる。この中でも特に微細ガラ
スビーズや比較的硬度の高いポリマー粒子を密に均一分
散固着することが好ましい。このような凹凸加工を施し
たシート材の初期弾性率の測定は、凹凸加工を施した状
態で行い、その測定値が本発明の範囲内にあることが必
要である。
持体とするPS版、耐水加工した紙を支持体とする紙
版、またはポリエステルフィルム(例えば、一般的には
ポリエチレンテレフタレートフィルム)等のプラスチッ
ク樹脂フィルムを支持体とする樹脂フィルム版等の平版
印刷版の版掛けに有効に用いることができる。特に樹脂
フィルム版を用いたカラー印刷に好適に用いられる。
間に介在させる版掛け方法について、更に具体的に説明
する。
着した時の版胴部分の概略断面図である。符号1は版
胴、2は刷版、3は本発明のシート材である。刷版2と
版胴1との間に本発明のシート材3を介在させる。この
場合、刷版2と版胴との間の摩擦抵抗を減少させるため
には、図1の様に本発明のシート材3のマット面4が刷
版2の裏面に直に接するような構成であることが最も確
実である。この際、好ましくは版胴1にシート材3を接
着剤6で固定することであるが。固定せずに版掛け作業
毎に刷版と版胴との間にシート材を差し込む方法でもよ
い。
ート材3と刷版2との間に厚みを補正するためのアンダ
ーパッキン5を介在させたり、図3の様に本発明のシー
ト材3が版胴1に貼りつけられたアンダーパッキン5と
刷版2との間に介在いても良い。いずれの場合も、シー
ト材3は、版胴上の印圧がかかる全領域を覆っているこ
とが望ましい。
在させる版掛けにおいて、該シート材の表面の微細凹凸
加工は、シート材の両方の面に施してもよいが、好まし
くはどちらか一方の面のみに施すことである。この場
合、マット面側は版胴、アンダーパッキン、または刷版
と接着固定されてはいけない。
立て量との差を補正するために、前記したように特定の
厚みのアンダーパッキンが版と版胴の間に挿入されてい
る。作業の簡素化の観点から、図1に示すように本発明
のシート材は厚み調整用のアンダーパッキンとしての機
能を併せ持つことが好ましい。
は、ポリエチレンテレフタレートフィルムで、その初期
弾性率は400以上であり、本発明の効果は到底奏し得
ないものである。
発明はこれだけに限定されるものではない。
実際に印刷評価した。
に、同じ版をかけたままの印刷機に、同じ印刷用紙を2
回通して、同一の画像を重ね刷りした。その際、1回目
と2回目の印刷速度を変化させたときに生じる両者の印
刷画像のずれを、版の位置精度の指標として評価し、版
掛け方法ごとに比較した。
ー感光性銀塩ダイレクト印刷版(三菱製紙(株)製SD
P−FHN175。厚み0.2mm。)を使用し、張設
する際に印刷画像に伸びが生じない程度の弱目の張力で
版がけした。印刷画像には10mm間隔の全面方眼紙パ
ターンを用意し、SDP用のレーザー出力機SDP26
00より標準条件で露光、現像して製版した。
t226の2胴目を使い、インキには標準硬さのプロセ
スインキの墨色を、湿し水には三菱SLM−OD50を
使用した。また、印刷用紙にはオフセット印刷適性を付
与させた無伸縮性フィルムを使用し、寸法変化による画
像のズレを防いだ。その上で、版の位置ズレ以外の要因
によって、重ね刷りにおける画像のズレが生じないこと
を確認した。すなわち、版胴に粘着剤で刷版を貼りつけ
る形で版掛けした場合、印刷速度を変えて重ね刷りして
も、画像の位置ズレが生じないことを確かめた。
1に示すような物性のシート材を、厚さ0.3mmに設
定して図1の様にアンダーパッキンとして貼りつけた。
表1において、シートA、B、Cはトータルの弾性率が
300Kg/mm2以下であり本発明品に相当する。特
にシートAでは請求項5を満たす様表面処理が施されて
いる。一方、シートDは一般的に印刷機のアンダーパッ
キンに使われている素材であり、従来技術に相当し、シ
ートEは本発明に類似した比較品に相当する。
まず印刷速度3,000枚/時で100枚刷ったところ
の印刷物をサンプリングし、直後に印刷速度を8,00
0枚/時に上げた。その上で1,000枚刷り込み、前
記サンプリングした印刷物(3,000枚/時での印刷
分)をもう一度印刷機に通した。その結果生じた、画像
頭部の天地方向の見当ズレを印刷速度変化によるズレと
して評価し、また画像頭部と尻部における見当ズレ量の
差から、印刷による版の伸びを評価した。結果を表2に
示す。
はズレ、伸びとも0.1mm以下に収まっており、安定
している。
特に紙版または樹脂フィルム版における高速印刷時の位
置精度や寸法精度が改良される。
ば、版胴と刷版の間の摩擦抵抗を減少させ、これにより
刷版の自在な滑動が確保され、見当調節の実行が円滑に
なる。さらに請求項1に記載の発明と組み合わせること
により、摩擦抵抗の減少による版の位置精度への影響を
取り除くことができる。
図。
面図。
断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 平版印刷版を印刷機の版胴に張設する
際、初期弾性率が300kg/mm2以下であるシート
材を前記平版印刷版と前記版胴との間に介在させること
を特徴とする版掛け方法。 - 【請求項2】 前記シート材の少なくとも一方の面の中
心線平均粗さRaが2以上であることを特徴とする請求
項1に記載の版掛け方法。 - 【請求項3】 前記シート材が微細ガラスビーズを接着
固定したシート材である請求項2に記載の版掛け方法。 - 【請求項4】 前記シート材がポリマー微粒子を接着固
定したシート材である請求項2に記載の版掛け方法。 - 【請求項5】 前記シート材の十点平均粗さRzとRa
の関係が、Ra/Rz>0.17である請求項2、3ま
たは4に記載の版掛け方法。
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-
1997
- 1997-07-04 JP JP17937697A patent/JP3604872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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