JP2002047139A - 固形粉体化粧料の製造法 - Google Patents
固形粉体化粧料の製造法Info
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Abstract
し、これに当該粉体に対する親和性が低く、かつ該油剤
と相溶しない液体を添加混合し、容器に充填して成形す
る固形粉体化粧料の製造法。 【効果】 本発明方法によれば粉とれ量や使用性を変え
ることなく耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料が得られ
る。
Description
固形粉体化粧料の製造法に関する。
ーファンデーション、プレストパウダー、ほほ紅、パウ
ダーアイシャドウ等の固形粉体化粧料は、一般に化粧料
用粉体と油剤を主成分とする基材を容器に充填し、圧縮
プレスして固化させる方法により製造されている。これ
らの固形粉体化粧料において、油剤は通常化粧料用粉体
の結合剤乃至付着剤として作用するものであり、油剤の
配合量が多いと、粉体同士の付着力が強くなりすぎて粉
取れが少なくなり、使用感が悪化するという問題があっ
た。
付着力が弱いため充分固化できず、耐衝撃性が低いとい
う問題があった。特に、ドーム形状やピラミッド形状等
立体的な形状としたり、平板でも異形のプレス品を作製
する場合には、圧縮プレス時の圧密度は全体として均一
にすることができないことから、圧密度の高い領域と低
い領域とが生じ、圧密度の低い領域で耐衝撃性が低くな
るという問題があった。特に、粉体としてパール顔料を
用いた場合に耐衝撃性が悪くなる傾向が見られた。
の配合量を必要以上に増やすことなく、固形粉体化粧料
の耐衝撃性を向上させるべく検討したところ、原料とし
ての粉体と油剤以外に、粉体に対する親和性が低く、か
つ油剤とも相溶しない液体を加えて混合し、成形すれ
ば、原料混合物の流動性が向上し、成形品の圧密度が均
一になる結果、耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料が得ら
れることを見出した。
して化粧料基材とし、これに当該粉体に対する親和性が
低く、かつ該油剤と相溶しない液体を添加混合し、容器
に充填して成形する固形粉体化粧料の製造法を提供する
ものである。
は、例えばタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バ
リウム等の体質顔料;タール色素、ベンガラ、黄酸化
鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、カーボンブラ
ック等の着色顔料;酸化チタン、亜鉛華などの白色顔
料;魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄
被覆雲母チタン等のパール顔料;高級脂肪酸多価金属
塩、アミノ酸系粉末;ナイロンパウダー、ポリエチレン
末、ポリアクリレートパウダー、ポリメタクリレートパ
ウダー、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、
フッ素樹脂等の合成高分子パウダー等の化粧料用粉体が
挙げられる。
が好ましく、当該疎水化処理としては、例えば、シリコ
ーン油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステ
ル、ポリエチレン、金属石鹸、アミノ酸、アルキルフォ
スフェート及びフッ素化合物等の表面処理剤による処理
が挙げられ、2種以上の処理を組み合わせて行っても良
い。また、処理効果を高めるため、前処理として、焼成
処理、加熱処理、水熱処理、減圧処理、プラズマ処理等
を必要に応じて行ってもよい。また、粉体と処理剤とを
混合した後、更に焼き付け処理、加熱処理、熟成処理等
の後処理を行ってもよい。これらの疎水化処理は、全粉
体の60%以上について行うのが好ましい。
剤が用いられる。揮発性油剤としては、揮発性シリコー
ン油、軽質イソパラフィン等が挙げられる。
ン、流動パラフィン等の炭化水素油;ミリスチン酸イソ
ステアリル、ノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネ
オペンチルグリコール、ヘキサオキシステアリン酸ジペ
ンタエリトリット、トリイソステアリン酸トリメチロー
ルプロパン、イソステアリン酸イソステアリル、リンゴ
酸ジイソステアリル、N−ラウリル−L−グルタミン酸
ジ(コレステリル、オクチルドデシル)、パラメトキシ
桂皮酸オクチル等のエステル油;ひまし油、ホホバ油、
マカデミアンナッツ油、月見草油、オリーブ油、ハッカ
油、液状ラノリン等の動植物油;メチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;
パーフルオロポリエーテル、フッ素変性シリコーン(特
開平7−330544号)等の含フッ素油剤が挙げら
れ、2種以上を併用してもよい。
炭化水素油、不揮発性シリコーン油、含フッ素油剤等が
良好な使用感や化粧持続性を示す点で好ましい。
く、かつ油剤と相溶しない液体は、粉体と油剤の混合
物、即ち油剤で濡れた粉体の流動性を向上させると考え
られる。ここで、粉体に対する親和性が低いことは、粉
体により形成された平板上に液体を滴下したときの接触
角が大きくなることで確認できる。好ましい接触角は9
0°以上であり、100°以上が特に好ましい。また油
剤と相溶しないことは、実質的に油剤と溶け合わないこ
とをいい、具体的には、常温(25℃)における油剤に
対する溶解度が1g/100g以下の液体であることが
好ましい。
及びこれらの混合物が挙げられる。ここで多価アルコー
ルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類及び
グリセリンが挙げられる。このうち水又は水と多価アル
コールの混合物がより好ましく、水と多価アルコールの
混合比が100:0〜70:30の場合が特に好まし
い。
して化粧料基材(バルク)とする。ここで、粉体と油剤
の混合比は、目的とする固形粉体化粧料の形態によって
異なるが、重量比(粉体:油剤)で97:3〜85:1
5、特に95:5〜88:12が好ましい。なお、この
混合工程時に、例えば紫外線吸収剤、香料、防腐剤、酸
化防止剤等の成分を配合してもよい。
混合する。当該液体の添加量は、基材同士の結合を阻害
することなく流動性を向上させるために、粉体及び油剤
の合計量100重量部に対して1〜20重量部、特に3
〜10重量部とするのが好ましい。
して成形し、必要に応じて更に乾燥される。成形手段と
しては、油圧、空気圧、サーボモータ等を用いた圧縮プ
レスが好ましい。プレス圧は通常5〜200kg/cm2で
行なわれる。成形後、そのまま製品とすることもできる
が、室温で数時間〜数日自然乾燥させる、あるいはより
短時間で加熱乾燥させた後、製品化することもできる。
この加熱乾燥の場合、40〜80℃、5〜24時間程度
で行うのが好ましい。
は、例えばファンデーション、コンシーラー、化粧下
地、口紅、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧
品、ケア用化粧料、ボディー用化粧料が挙げられる。
混合してファンデーション用バルクとする。その後、液
体として1,3−ブチレングリコール水溶液を加えて更
に混合する。これを内径45mmの円型中皿に充填し、直
ちにプレス成形を行い、50℃で8時間乾燥させた。得
られたプレス品の落下試験強度(上記中皿に充填された
固形粉体化粧料をコンパクト容器に装着し、これを50
cmの高さから厚さ2cmの合板上に落下させ、剥れが発生
するまでの落下回数を測定する)、粉とれ量(ほお紅用
のブラシをプレス品に載せ、200gの荷重をかけて5
0回往復させ、前後におけるプレス品の重量変化を測定
する)を調べた。乾燥後のプレス品の粉とれ量は、前記
液体を加えない場合とほとんど差はなかった。一方落下
試験結果は表2に示す如く、著しく向上しており、特に
ドーム型の盛り上げ成型品では液体無添加の場合、実用
上問題となる低い耐衝撃性であったが、液体(1,3−
ブチレングリコール水溶液)の添加により、実用上問題
とならないレベルに改善された。
た。乾燥後のプレス品の粉とれ量は、前記液体を加えな
い場合とほとんど差はなく、一方落下試験結果は表4の
如く著しく向上した。このため、パール剤を多量含有し
たものでも実使用上問題のない耐衝撃性を実現すること
ができた。
変えることなく、耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料が得
られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 粉体及び油剤を混合して化粧料基材と
し、これに当該粉体に対する親和性が低く、かつ該油剤
と相溶しない液体を添加混合し、容器に充填して成形す
る固形粉体化粧料の製造法。 - 【請求項2】 粉体が、疎水化処理粉体である請求項1
記載の製造法。 - 【請求項3】 液体が、水、多価アルコール又はそれら
の混合物である請求項1又は2記載の製造法。 - 【請求項4】 液体の添加量が、粉体及び油剤の合計量
100重量部に対して1〜20重量部である請求項1〜
3のいずれか1項記載の製造法。 - 【請求項5】 成形後、更に乾燥を行う請求項1〜4の
いずれか1項記載の製造法。
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