JP3688983B2 - 固形粉体化粧料の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
パウダーファンデーション、プレストパウダー、ほほ紅、パウダーアイシャドウ等の固形粉体化粧料は、一般に化粧料用粉体と油剤を主成分とする基材を容器に充填し、圧縮プレスして固化させる方法により製造されている。これらの固形粉体化粧料において、油剤は通常化粧料用粉体の結合剤乃至付着剤として作用するものであり、油剤の配合量が多いと、粉体同士の付着力が強くなりすぎて粉取れが少なくなり、使用感が悪化するという問題があった。
【0003】
一方、油剤の配合量が少ないと粉体同士の付着力が弱いため充分固化できず、耐衝撃性が低いという問題があった。特に、ドーム形状やピラミッド形状等立体的な形状としたり、平板でも異形のプレス品を作製する場合には、圧縮プレス時の圧密度は全体として均一にすることができないことから、圧密度の高い領域と低い領域とが生じ、圧密度の低い領域で耐衝撃性が低くなるという問題があった。特に、粉体としてパール顔料を用いた場合に耐衝撃性が悪くなる傾向が見られた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、油剤の配合量を必要以上に増やすことなく、固形粉体化粧料の耐衝撃性を向上させるべく検討したところ、原料としての粉体と油剤以外に、粉体に対する親和性が低く、かつ油剤とも相溶しない液体を加えて混合し、成形すれば、原料混合物の流動性が向上し、成形品の圧密度が均一になる結果、耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料が得られることを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、粉体と油剤を97:3〜85:15の重量比で混合して化粧料基材とし、これに、グリコール類又はグリセリン1重量部と水6〜14重量部からなる混合物を粉体及び油剤の合計量100重量部に対し3〜10重量部になる量添加混合し、容器に充填後プレス成形することを特徴とする固形粉体化粧料の製造法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる粉体としては、例えばタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム等の体質顔料;タール色素、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、カーボンブラック等の着色顔料;酸化チタン、亜鉛華などの白色顔料;魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン等のパール顔料;高級脂肪酸多価金属塩、アミノ酸系粉末;ナイロンパウダー、ポリエチレン末、ポリアクリレートパウダー、ポリメタクリレートパウダー、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、フッ素樹脂等の合成高分子パウダー等の化粧料用粉体が挙げられる。
【0007】
これらの粉体は、疎水化処理されているのが好ましく、当該疎水化処理としては、例えば、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、ポリエチレン、金属石鹸、アミノ酸、アルキルフォスフェート及びフッ素化合物等の表面処理剤による処理が挙げられ、2種以上の処理を組み合わせて行っても良い。また、処理効果を高めるため、前処理として、焼成処理、加熱処理、水熱処理、減圧処理、プラズマ処理等を必要に応じて行ってもよい。また、粉体と処理剤とを混合した後、更に焼き付け処理、加熱処理、熟成処理等の後処理を行ってもよい。これらの疎水化処理は、全粉体の60%以上について行うのが好ましい。
【0008】
油剤としては、揮発性油剤及び不揮発性油剤が用いられる。揮発性油剤としては、揮発性シリコーン油、軽質イソパラフィン等が挙げられる。
【0009】
不揮発性油剤としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;ミリスチン酸イソステアリル、ノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソステアリン酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、N−ラウリル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル、オクチルドデシル)、パラメトキシ桂皮酸オクチル等のエステル油;ひまし油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、月見草油、オリーブ油、ハッカ油、液状ラノリン等の動植物油;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;パーフルオロポリエーテル、フッ素変性シリコーン(特開平7−330544号)等の含フッ素油剤が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0010】
これらの油剤は、適宜選択使用されるが、炭化水素油、不揮発性シリコーン油、含フッ素油剤等が良好な使用感や化粧持続性を示す点で好ましい。
【0011】
本発明において粉体に対する親和性が低く、かつ油剤と相溶しない液体は、粉体と油剤の混合物、即ち油剤で濡れた粉体の流動性を向上させると考えられる。ここで、粉体に対する親和性が低いことは、粉体により形成された平板上に液体を滴下したときの接触角が大きくなることで確認できる。好ましい接触角は90°以上であり、100°以上が特に好ましい。また油剤と相溶しないことは、実質的に油剤と溶け合わないことをいい、具体的には、常温(25℃)における油剤に対する溶解度が1g/100g以下の液体であることが好ましい。
【0012】
かかる液体としては、水と多価アルコールの混合物が挙げられる。ここで多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類及びグリセリンが挙げられる。
【0013】
本発明においては、まず粉体と油剤を混合して化粧料基材(バルク)とする。ここで、粉体と油剤の混合比は、目的とする固形粉体化粧料の形態によって異なるが、重量比(粉体:油剤)で97:3〜85:15、特に95:5〜88:12が好ましい。なお、この混合工程時に、例えば紫外線吸収剤、香料、防腐剤、酸化防止剤等の成分を配合してもよい。
【0014】
次いで、この化粧料基材に前記液体を添加混合する。
当該液体の添加量は、基材同士の結合を阻害することなく流動性を向上させるために、粉体及び油剤の合計量100重量部に対して1〜20重量部、特に3〜10重量部とするのが好ましい。
【0015】
混合された上記成分は、所望の容器に充填して成形し、必要に応じて更に乾燥される。成形手段としては、油圧、空気圧、サーボモータ等を用いた圧縮プレスが好ましい。プレス圧は通常5〜200kg/cm2で行なわれる。成形後、そのまま製品とすることもできるが、室温で数時間〜数日自然乾燥させる、あるいはより短時間で加熱乾燥させた後、製品化することもできる。この加熱乾燥の場合、40〜80℃、5〜24時間程度で行うのが好ましい。
【0016】
本発明で製造される固形粉体化粧料としては、例えばファンデーション、コンシーラー、化粧下地、口紅、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧品、ケア用化粧料、ボディー用化粧料が挙げられる。
【0017】
【実施例】
実施例1
表1の処方でファンデーションを製造した。
【0018】
【表1】
【0019】
まず、粉体原料を粉砕混合後、油剤を添加混合してファンデーション用バルクとする。その後、液体として1,3−ブチレングリコール水溶液を加えて更に混合する。これを内径45mmの円型中皿に充填し、直ちにプレス成形を行い、50℃で8時間乾燥させた。得られたプレス品の落下試験強度(上記中皿に充填された固形粉体化粧料をコンパクト容器に装着し、これを50cmの高さから厚さ2cmの合板上に落下させ、剥れが発生するまでの落下回数を測定する)、粉とれ量(ほお紅用のブラシをプレス品に載せ、200gの荷重をかけて50回往復させ、前後におけるプレス品の重量変化を測定する)を調べた。乾燥後のプレス品の粉とれ量は、前記液体を加えない場合とほとんど差はなかった。一方落下試験結果は表2に示す如く、著しく向上しており、特にドーム型の盛り上げ成型品では液体無添加の場合、実用上問題となる低い耐衝撃性であったが、液体(1,3−ブチレングリコール水溶液)の添加により、実用上問題とならないレベルに改善された。
【0020】
【表2】
【0021】
実施例2
表3の処方でほほ紅を製造した。
【0022】
【表3】
【0023】
実施例1と同様にしてプレス品を製造した。乾燥後のプレス品の粉とれ量は、前記液体を加えない場合とほとんど差はなく、一方落下試験結果は表4の如く著しく向上した。このため、パール剤を多量含有したものでも実使用上問題のない耐衝撃性を実現することができた。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】
本発明方法によれば粉とれ量や使用性を変えることなく、耐衝撃性に優れた固形粉体化粧料が得られる。
Claims (3)
- 粉体と油剤を97:3〜85:15の重量比で混合して化粧料基材とし、これに、グリコール類又はグリセリン1重量部と水6〜14重量部からなる混合物を粉体及び油剤の合計量100重量部に対し3〜10重量部になる量添加混合し、容器に充填後プレス成形することを特徴とする固形粉体化粧料の製造法。
- 粉体が、疎水化処理粉体である請求項1記載の製造法。
- 成形後、更に乾燥を行う請求項1又は2記載の製造法。
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