JP2002046520A

JP2002046520A - ドアトリム用アームレスト

Info

Publication number: JP2002046520A
Application number: JP2000237460A
Authority: JP
Inventors: Kazuharu Ura; 一春浦; Hiroyuki Kojima; 弘幸小島
Original assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Current assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date: 2000-08-04
Filing date: 2000-08-04
Publication date: 2002-02-12

Abstract

(57)【要約】【課題】アームレストロアとアームレストアッパーと
から構成され、ドアトリム本体の表面に装着されるドア
トリム用アームレストの衝撃吸収機能を高める。【解決手段】ドアトリム本体２０にビス止め固定され
るアームレストロア４０の上面４２及びアームレストロ
ア４０に支持固定されるアームレストアッパー５０の内
面５０ａに、それぞれ相手側に向けて突設して接合する
リブ４５，５５を設け、双方のリブ４５，５５の接合面
を奥側にいくに連れて昇り傾斜となる傾斜面状に設定す
る。従って、側突時、リブ４５，５５が傾斜面に沿って
摺動することにより、アームレストアッパー５０がアー
ムレストロア４０から脱落して衝撃荷重Ｆをアームレス
トロア４０単体での撓み変形、破断により吸収し、衝撃
吸収機能を高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ドアトリム用ア
ームレストに係り、特に、側突等、車両に側方からの衝
撃が加わった際、乗員がアームレストに押圧されても、
乗員に加わる負荷を軽減でき、側突時における安全性を
高めたドアトリム用アームレストに関する。

【０００２】

【従来の技術】図８，図９は従来の自動車用ドアトリム
を示す正面図並びに断面図であり、従来の自動車用ドア
トリム１は、フラット状のドアトリム本体２のウエスト
部に沿ってアッパーガーニッシュ３が取り付けられ、ド
アトリム本体２の表面略中央部にアームレスト４及びド
アトリム本体２の表面下側にドアポケット５が取り付け
られている。

【０００３】そして、ドアトリム本体２は、ボード等の
芯材２ａの表面に装飾性並びに手触り感の良好な表皮材
２ｂを積層して構成されており、アームレスト４は、ア
ームレストロア６とアームレストアッパー７との上下２
分割体から構成されている。

【０００４】上記アームレストロア６、アームレストア
ッパー７は、合成樹脂の射出成形体からなり、アームレ
ストロア６の内面に立設されている取付用ボス６ａをド
アトリム本体２の取付孔２ｃに合わせてビス６ｂをドア
トリム本体２の裏面側から締付け固定することにより、
ドアトリム本体２の所定位置にアームレストロア６が取
付固定される。

【０００５】次いで、アームレストアッパー７の内面に
突設形成されているクリップ取付用ボス７ａにクリップ
７ｂを装着し、このクリップ７ｂをアームレストロア６
の上面に開設されているクリップ係着孔６ｃ内に係着す
ることにより、アームレストアッパー７をアームレスト
ロア６に取り付けているのが実情である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のド
アトリム用アームレスト４は、ドアトリム本体２にビス
止め固定したアームレストロア６の上面にアームレスト
アッパー７をクリップ等により固定するという構造であ
るため、側突等、車両に側方からの衝撃が加わった際、
乗員の腹部等にアームレスト４がぶつかれば、すなわ
ち、図９中符号Ｆで示す方向に衝撃荷重が加わった際、
アームレストロア６とアームレストアッパー７のラップ
部分の剛性が高く、かつ、アームレストロア６の上面壁
６ｄとアームレストアッパー７とが二重のストッパとな
り、乗員に加わる反発力が大きく、衝撃吸収機能の面か
らみれば従来のアームレスト４は決して満足のいくもの
ではなかった。

【０００７】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、側突等、車両の側方から衝撃が加わった
際、乗員の腹部がアームレストに押圧されれば、アーム
レストアッパーがアームレストロアから容易に分離し
て、衝撃を有効に吸収できるドアトリム用アームレスト
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項１に記載の発明は、ドアトリム本体の
表面略中央部に取り付けられるアームレストロアと、上
記アームレストロアの上面に支持固定されるアームレス
トアッパーとから構成されるドアトリム用アームレスト
であって、アームレストロアの上面と、アームレストア
ッパーの内面に相互に面接合するように相手方に向けて
突出するリブが形成され、上記リブの接合面が奥側に向
けて昇り傾斜する傾斜面として設定されていることを特
徴とする。

【０００９】また、請求項２に記載の発明は、アームレ
ストロアの上面に形成されるリブの奥側には、傾斜角度
の急な傾斜部をもつ延長片が延設されていることを特徴
とする。

【００１０】以上の構成から明らかなように、請求項１
に記載のドアトリム用アームレストによれば、側突等、
車両の側方に衝撃が加わった際、乗員の腹部等がアーム
レストにぶつかれば、アームレストロア並びにアームレ
ストアッパーの双方に突設したリブの接触面に沿ってリ
ブが摺動し、結果的にアームレストアッパーが上方に跳
ね上がるため、アームレストロアからアームレストアッ
パーが外れ、衝撃荷重はアームレストロア単体で受ける
ことになり、アームレストロアの撓み変形や破断等によ
り、有効に衝撃荷重を吸収することができる。

【００１１】また、請求項２に記載のドアトリム用アー
ムレストによれば、アームレストロアの上面に突設する
リブの傾斜面を２段階に設定して、奥側の傾斜面の傾斜
角度を急角度に設定するというものであり、アームレス
トアッパーの跳ね上げ方向を略鉛直方向に規制できるた
め、アームレストアッパーの脱落方向に沿って外力を十
分作用させることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドアトリム用
アームレストの実施形態について、添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。

【００１３】図１乃至図４は本発明に係るドアトリム用
アームレストの第１実施形態を示すもので、図１は自動
車用ドアトリムを示す正面図、図２は同自動車用ドアト
リムにおけるアームレストの構成を示す斜視図、図３は
同自動車用ドアトリムにおけるアームレストの構造を示
す断面図、図４は同アームレストの衝撃吸収性能を示す
説明図である。

【００１４】また、図５乃至図７は本発明に係るドアト
リム用アームレストの第２実施形態を示すもので、図５
はアームレストを示す斜視図、図６は同アームレストの
構成を示す断面図、図７は同アームレストの衝撃吸収性
能を示す説明図である。

【００１５】図１乃至図４において、自動車用ドアトリ
ム１０は、図示しないドアパネルの室内側に内装される
ドアトリム本体２０と、ドアトリム本体２０の上縁に沿
って取り付けられるアッパーガーニッシュ１１、表面下
側に取り付けられるドアポケット１２、そして、乗員が
肘を掛けて休めるようにドアトリム本体２０の表面略中
央部に設置されるアームレスト３０とから構成されてい
る。

【００１６】ところで、本発明に係る自動車用ドアトリ
ム１０は、このアームレスト３０に優れた衝撃吸収機能
を付与することにより、側突時、乗員に加わる衝撃を大
幅に軽減でき、乗員保護の面で優れている。

【００１７】上記アームレスト３０は、図２，図３に示
すように、アームレストロア４０とアームレストアッパ
ー５０との上下２分割体から構成されており、アームレ
ストロア４０は、ＰＰ（ポリプロピレン）樹脂等の射出
成形体、あるいはモールドプレス成形体から構成されて
おり、ドアトリム本体２０に取り付けるためのトリム取
付用ボス４１が裏面複数箇所に突設形成されているとと
もに、上面４２には、パワーウインドウスイッチ等のユ
ニットを嵌挿するためのユニット嵌挿用開口４３が開設
され、アームレストアッパー５０を取り付けるためのク
リップ係着孔４４が設けられている。

【００１８】一方、アームレストアッパー５０もＰＰ樹
脂の射出成形体から構成されており、ドア開閉時に使用
するプルハンドル５１が形成されているとともに、パワ
ーウインドウスイッチ等の操作ボタンを露出させるスイ
ッチ操作部５２が形成されており、内面には、鉄クリッ
プ５３を取り付けるクリップ取付用ボス５４が形成され
ている。

【００１９】そして、ドアトリム本体２０は、ハードボ
ード等のフラットな芯材２１の表面にＰＶＣシート、Ｔ
ＰＯ（サーモプラスチックオレフィン）シート等の合成
樹脂シート等の表皮材２２が一体貼着されており、ドア
トリム本体２０は、図示しないウエルダパターンに沿っ
て高周波溶着加工により一体化されていても良く、単に
接着固定されていても良い。

【００２０】そして、ドアトリム本体２０にアームレス
トロア４０を固定する構造としては、ドアトリム本体２
０に開設されている取付孔２３に対してアームレストロ
ア４０のトリム取付用ボス４１を合致させ、ドアトリム
本体２０の裏面側からビス２４を締付け固定することに
より、アームレストロア４０をドアトリム本体２０の所
定箇所に取り付ける。

【００２１】そして、その後、アームレストアッパー５
０のクリップ取付用ボス５４に装着した鉄クリップ５３
をアームレストロア４０の上面４２に開設したクリップ
係着孔４４内に係着することにより、アームレストアッ
パー５０をアームレストロア４０に支持固定する。

【００２２】ところで、本発明に係るアームレスト３０
は、優れた衝撃吸収機能を付与するために、アームレス
トロア４０の上面４２並びにアームレストアッパー５０
の内面５０ａにそれぞれ相手側に向けて突出するリブ４
５，５５を突設形成し、かつ双方のリブ４５，５５は、
それぞれの傾斜面４５１，５５１で接合しており、この
傾斜面４５１，５５１は、奥側にいくに連れて昇り傾斜
となる傾斜面状に設定されていることが特徴である。

【００２３】従って、車両の側方に側突等の衝撃が加わ
った際、図４に示すように、アームレスト３０に対して
図中Ｆで示す衝撃が加わるが、この衝撃荷重Ｆに対して
アームレストアッパー５０は、リブ５５の傾斜面５５１
がアームレストロア４０のリブ４５の傾斜面４５１に沿
って摺動することにより、アームレストアッパー５０は
図中矢印Ａで示すように、上方に跳ね上がり、アームレ
ストアッパー５０の鉄クリップ５３がアームレストロア
４０のクリップ係着孔４４から容易に外れ、アームレス
トロア４０からアームレストアッパー５０が簡単に脱落
することになり、従来のようにアームレストロアとアー
ムレストアッパーが組み付いたままでストッパー壁とし
て作用することなく、アームレストロア４０が容易に撓
み、あるいは破断することにより、衝撃荷重Ｆを有効に
吸収することができる。

【００２４】従って、側突時等、乗員に加わる衝撃を有
効に緩和でき、安全走行に大きく貢献できる。

【００２５】尚、上述したリブ４５，５５は、傾斜面４
５１，５５１を有する一定厚みをもつブロック状構造で
あるが、いずれか一方側に複数のプレート状リブを使用
することもできる。

【００２６】次いで、図５乃至図７は、本発明に係るド
アトリム用アームレスト３０の第２実施形態を示すもの
で、この実施形態においては、アームレストロア４０の
上面４２に形成されているリブ４５の両側に延長片４６
が形成されており、この延長片４６は、リブ４５の傾斜
面４５１と連続して更に傾斜角度が急な傾斜部４６１を
備えている。

【００２７】従って、側突等、車両の側方に衝撃が加わ
れば、乗員からの圧力により、矢印Ｆ方向の衝撃荷重が
アームレスト３０に加わるが、アームレストアッパー５
０の内面に形成した傾斜面５５１を有するリブ５５は、
まず、矢印Ｂで示すように、アームレストロア４０のリ
ブ４５の傾斜面４５１に沿って摺動した後、延長片４６
の傾斜部４６１に沿って矢印Ｃ方向に沿ってリブ５５が
摺動し、ほぼ鉛直上方にアームレストアッパー５０が跳
ね上がることになり、鉄クリップ５３がアームレストロ
ア４０のクリップ係着孔４４から容易に脱落して、アー
ムレストアッパー５０を第１実施形態のものに比べより
容易に脱落させることができ、アームレスト３０の衝撃
吸収機能をより高めることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るドアト
リム用アームレストは、ドアトリム本体の表面に取り付
けられるアームレストロアとアームレストアッパーとの
２部材から構成され、アームレストロア上面とアームレ
ストアッパー内面に相手側に向けて突出して相互に接合
するリブを突設して、双方のリブの接合面を奥側に向け
て昇り傾斜となる傾斜状に設定することにより、側突
等、車両の側方から衝撃が加われば、乗員の腹部等がア
ームレストを押圧し、この押圧力により、リブが接合面
に沿って摺動してアームレストアッパーがアームレスト
ロアから脱落する方向に外力が作用するため、衝撃荷重
に対してアームレストロアが撓み、あるいは破断するこ
とにより、この衝撃荷重を有効に吸収することができ、
側突時、乗員に加わる負荷を軽減でき、安全面において
優れるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアームレストを装着した自動車用
ドアトリムを示す正面図である。

【図２】本発明に係るドアトリム用アームレストの第１
実施形態の構成を示す斜視図である。

【図３】図１中III −III 線断面図である。

【図４】本発明に係るドアトリム用アームレストにおけ
る衝撃吸収性能を示す説明図である。

【図５】本発明に係るドアトリム用アームレストの第２
実施形態の構成を示す斜視図である。

【図６】図５に示すドアトリム用アームレストの構成を
示す断面図である。

【図７】図６に示すドアトリム用アームレストにおける
衝撃吸収性能を示す説明図である。

【図８】上下２分割方式のアームレストを設置したドア
トリムを示す正面図である。

【図９】図８中IX−IX線断面図である。

【符号の説明】

１０自動車用ドアトリム１１アッパーガーニッシュ１２ドアポケット２０ドアトリム本体２１芯材２２表皮材２３取付孔２４ビス３０アームレスト４０アームレストロア４１トリム取付用ボス４２上面４３ユニット嵌挿用開口４４クリップ係着孔４５リブ４５１傾斜面４６延長片４６１傾斜部５０アームレストアッパー５１プルハンドル５２スイッチ操作部５３鉄クリップ５４クリップ取付用ボス５５リブ５５１傾斜面

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ６０Ｒ 21/04 Ｂ６０Ｒ 21/04 ＢＢ６０Ｊ 5/00 ５０１Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ドアトリム本体（２０）の表面略中央部
に取り付けられるアームレストロア（４０）と、上記ア
ームレストロア（４０）の上面（４２）に支持固定され
るアームレストアッパー（５０）とから構成されるドア
トリム用アームレスト（３０）であって、アームレスト
ロア（４０）の上面（４２）と、アームレストアッパー
（５０）の内面（５０ａ）に相互に面接合するように相
手方に向けて突出するリブ（４５，５５）が形成され、
上記リブ（４５，５５）の接合面（４５１，５５１）が
奥側に向けて昇り傾斜する傾斜面として設定されている
ことを特徴とするドアトリム用アームレスト。
【請求項２】アームレストロア（４０）の上面（４
２）に形成されるリブ（４５）の奥側には、傾斜角度の
急な傾斜部（４６１）をもつ延長片（４６）が延設され
ていることを特徴とする請求項１に記載のドアトリム用
アームレスト。