JP2002042868A - 非水電解質電池およびその製造方法 - Google Patents
非水電解質電池およびその製造方法Info
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- JP2002042868A JP2002042868A JP2000219633A JP2000219633A JP2002042868A JP 2002042868 A JP2002042868 A JP 2002042868A JP 2000219633 A JP2000219633 A JP 2000219633A JP 2000219633 A JP2000219633 A JP 2000219633A JP 2002042868 A JP2002042868 A JP 2002042868A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電解液量を低減させ、しかも電池内の電解液の
分布状態を均一にして、高率放電性能や安全性に優れた
非水電解質電池を製作する。 【解決手段】非水電解質電池の製造方法において、正
極、負極および隔離体を備えた発電要素に電解液を含有
させた後、電解液を蒸発させる工程を含む。
分布状態を均一にして、高率放電性能や安全性に優れた
非水電解質電池を製作する。 【解決手段】非水電解質電池の製造方法において、正
極、負極および隔離体を備えた発電要素に電解液を含有
させた後、電解液を蒸発させる工程を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質電池およ
び非水電解質電池の製造方法に関する。
び非水電解質電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用電子機器の発展がめざまし
いため、その電源に使用される電池の高性能化が早急に
求められている。その要求を満たす電池の一つとして、
金属の中で最も卑な電位を示し、かつ比重も小さいリチ
ウムが負極活物質に用いられたリチウム二次電池が期待
された。しかし、その電池は充放電サイクルを繰り返し
たとき、リチウムのデントライトが析出するため、じゅ
うぶんなサイクル寿命が得られないだけでなく、そのデ
ントライトが内部短絡の原因となるため、安全性に問題
があった。
いため、その電源に使用される電池の高性能化が早急に
求められている。その要求を満たす電池の一つとして、
金属の中で最も卑な電位を示し、かつ比重も小さいリチ
ウムが負極活物質に用いられたリチウム二次電池が期待
された。しかし、その電池は充放電サイクルを繰り返し
たとき、リチウムのデントライトが析出するため、じゅ
うぶんなサイクル寿命が得られないだけでなく、そのデ
ントライトが内部短絡の原因となるため、安全性に問題
があった。
【0003】そのため、負極活物質として、リチウムの
デンドライトが析出しにくいグラファイトやカーボンな
どの炭素材料を使用し、かつ正極活物質として、コバル
ト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどを使用したリチ
ウムイオン二次電池が考案された。リチウムイオン二次
電池はリチウム二次電池と比較すると安全であるため、
近年、この電池は高エネルギー密度電池として使用され
ている。
デンドライトが析出しにくいグラファイトやカーボンな
どの炭素材料を使用し、かつ正極活物質として、コバル
ト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどを使用したリチ
ウムイオン二次電池が考案された。リチウムイオン二次
電池はリチウム二次電池と比較すると安全であるため、
近年、この電池は高エネルギー密度電池として使用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池などの非水電解質電池には可燃性の電解液が含まれて
いることから、外部からの加熱や内部短絡などによって
電池温度が上昇したときに、リチウムを吸蔵した炭素材
料と電解液との発熱反応および正極活物質の分解によっ
て生成した酸素と電解液との発熱反応が生じるため、電
池温度が急激に上昇して、電池の破裂や発火がおこる。
したがって、これら非水電解質電池の安全性を高めるた
めには、その電池に含まれる電解液の量を削減すること
がもっとも効果的である。
池などの非水電解質電池には可燃性の電解液が含まれて
いることから、外部からの加熱や内部短絡などによって
電池温度が上昇したときに、リチウムを吸蔵した炭素材
料と電解液との発熱反応および正極活物質の分解によっ
て生成した酸素と電解液との発熱反応が生じるため、電
池温度が急激に上昇して、電池の破裂や発火がおこる。
したがって、これら非水電解質電池の安全性を高めるた
めには、その電池に含まれる電解液の量を削減すること
がもっとも効果的である。
【0005】しかし、非水電解質電池に含まれる電解液
の量を減らしていくと、電解液が正極板と負極板とセパ
レータとの空孔に均一に浸透しにくいため、電池の電流
密度が不均一になり、良好な高率放電性能や安全性能が
得られなかった。とくに、非水電解質電池に電解液を注
入するときに、その電解液量を正極板と負極板とセパレ
ータとに存在する全空孔体積に対して100%以下にす
ると、上記理由のために、十分な高率放電性能や安全性
能が得られなかった。
の量を減らしていくと、電解液が正極板と負極板とセパ
レータとの空孔に均一に浸透しにくいため、電池の電流
密度が不均一になり、良好な高率放電性能や安全性能が
得られなかった。とくに、非水電解質電池に電解液を注
入するときに、その電解液量を正極板と負極板とセパレ
ータとに存在する全空孔体積に対して100%以下にす
ると、上記理由のために、十分な高率放電性能や安全性
能が得られなかった。
【0006】また、非水電解質電池に注入する電解液量
を正極板と負極板とセパレータとに存在する全空孔体積
に対して40%以下にすると、電解液が正極板と負極板
とセパレータとの空孔に均一に浸透せず、さらに正極板
と負極板との間で電解液が連続的に存在しなくなるた
め、その放電性能が著しく低下するという問題があっ
た。
を正極板と負極板とセパレータとに存在する全空孔体積
に対して40%以下にすると、電解液が正極板と負極板
とセパレータとの空孔に均一に浸透せず、さらに正極板
と負極板との間で電解液が連続的に存在しなくなるた
め、その放電性能が著しく低下するという問題があっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、正極、負
極および隔離体を備えた発電要素に電解液を含有させた
後、電解液を蒸発させる工程を含むことを特徴とする非
水電解質電池の製造方法である。
極および隔離体を備えた発電要素に電解液を含有させた
後、電解液を蒸発させる工程を含むことを特徴とする非
水電解質電池の製造方法である。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、蒸発
工程前の電解液中の低沸点溶媒の含有量が、蒸発工程後
の電解液中の低沸点溶媒の含有量よりも多いことを特徴
とする非水電解質電池の製造方法である。
工程前の電解液中の低沸点溶媒の含有量が、蒸発工程後
の電解液中の低沸点溶媒の含有量よりも多いことを特徴
とする非水電解質電池の製造方法である。
【0009】第3の発明は、第1または2の発明におい
て、蒸発工程後の非水電解質電池に備えられた電解液の
体積を、正極板と負極板と隔離体とに存在する全空孔体
積に対して30%以上100%以下とすることを特徴と
する。
て、蒸発工程後の非水電解質電池に備えられた電解液の
体積を、正極板と負極板と隔離体とに存在する全空孔体
積に対して30%以上100%以下とすることを特徴と
する。
【0010】第4の発明は、有孔性ポリマー電解質を備
えたことを特徴とする第1、2または3の発明の非水電
解質電池である。
えたことを特徴とする第1、2または3の発明の非水電
解質電池である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、正極、負極および隔離
体を備えた発電要素に電解液を含有させた後、電解液を
蒸発させる工程を含むことを特徴とする非水電解質電池
の製造方法である。
体を備えた発電要素に電解液を含有させた後、電解液を
蒸発させる工程を含むことを特徴とする非水電解質電池
の製造方法である。
【0012】すなわち、正極板と負極板と隔離体とに存
在する全空孔体積(これをVmlとする)に対してx%
の体積の電解液を備えた非水電解質電池を製作する場
合、従来の製造方法では、発電要素を電池容器に収納し
た後、(xV/100)mlの電解液を注入していた。
在する全空孔体積(これをVmlとする)に対してx%
の体積の電解液を備えた非水電解質電池を製作する場
合、従来の製造方法では、発電要素を電池容器に収納し
た後、(xV/100)mlの電解液を注入していた。
【0013】本発明では、正極板と負極板と隔離体とに
存在する全空孔体積に対して(yV/100)mlの電
解液を発電要素に含有させた後(ただし、y>xとす
る)、その電解液を蒸発させる工程を経ることによっ
て、非水電解質電池に備えられた電解液の体積を(xV
/100)mlとするものである。
存在する全空孔体積に対して(yV/100)mlの電
解液を発電要素に含有させた後(ただし、y>xとす
る)、その電解液を蒸発させる工程を経ることによっ
て、非水電解質電池に備えられた電解液の体積を(xV
/100)mlとするものである。
【0014】非水電解質電池には通常、沸点の異なる2
種類以上の溶媒を混合し、これにリチウム塩を溶解した
電解液が使用されているが、この電解液を蒸発させる工
程においては、低沸点溶媒が蒸発し易い。
種類以上の溶媒を混合し、これにリチウム塩を溶解した
電解液が使用されているが、この電解液を蒸発させる工
程においては、低沸点溶媒が蒸発し易い。
【0015】そのため、本発明になる非水電解質電池の
製造方法においては、蒸発工程前の電解液溶媒中の低沸
点溶媒の含有量が、蒸発工程後の電解液中の低沸点溶媒
の含有量よりも多いようにする必要がある。
製造方法においては、蒸発工程前の電解液溶媒中の低沸
点溶媒の含有量が、蒸発工程後の電解液中の低沸点溶媒
の含有量よりも多いようにする必要がある。
【0016】また、本発明の非水電解質電池の製造方法
は、電解液を発電要素に含有させた後、電解液を蒸発さ
せる工程をおこない、この蒸発工程後の非水電解質電池
に備えられた電解液の体積を、正極板と負極板と隔離体
と全空孔体積に対して30%以上100%以下とするも
のである。
は、電解液を発電要素に含有させた後、電解液を蒸発さ
せる工程をおこない、この蒸発工程後の非水電解質電池
に備えられた電解液の体積を、正極板と負極板と隔離体
と全空孔体積に対して30%以上100%以下とするも
のである。
【0017】非水電解質電池における電解液の分布状態
の概念を図2、図3および図4に示す。これらの図にお
いて、1は正極板、2は隔離体、3は負極板、4は電解
液である。
の概念を図2、図3および図4に示す。これらの図にお
いて、1は正極板、2は隔離体、3は負極板、4は電解
液である。
【0018】図2は、電解液を蒸発させる工程をおこな
う前の、非水電解質電池の電解液の分布状態を示す図で
あり、図3は電解液を蒸発させる工程をおこなった後
の、本発明による非水電解質電池の電解液の分布状態を
示す図である。なお、比較のために、図4に従来の製造
方法によって製作された非水電解質電池の電解液の分布
状態を示す。
う前の、非水電解質電池の電解液の分布状態を示す図で
あり、図3は電解液を蒸発させる工程をおこなった後
の、本発明による非水電解質電池の電解液の分布状態を
示す図である。なお、比較のために、図4に従来の製造
方法によって製作された非水電解質電池の電解液の分布
状態を示す。
【0019】図2に示した本発明による(yV/10
0)mlの電解液を含有させた非水電解質電池と、図4
に示した従来の製造方法による(xV/100)mlの
電解液を含有させた電池との電解液の分布状態を比較す
ると、本発明による電池の電解液の分布状態は非常に均
一である。
0)mlの電解液を含有させた非水電解質電池と、図4
に示した従来の製造方法による(xV/100)mlの
電解液を含有させた電池との電解液の分布状態を比較す
ると、本発明による電池の電解液の分布状態は非常に均
一である。
【0020】また、この(yV/100)mlの電解液
を含有させた非水電解質電池から、電解液を蒸発させる
ことによって、その非水電解質電池の電解液量を(xV
/100)mlまで減少させても、図3に示したよう
に、電解液は正極板と負極板と隔離体との空孔からほぼ
均一に減少することとなる。
を含有させた非水電解質電池から、電解液を蒸発させる
ことによって、その非水電解質電池の電解液量を(xV
/100)mlまで減少させても、図3に示したよう
に、電解液は正極板と負極板と隔離体との空孔からほぼ
均一に減少することとなる。
【0021】そのため、本発明によって製造された非水
電解質電池の電解液の分布状態は、従来の製造方法によ
る(xV/100)mlの電解液を含有させた電池との
電解液の分布状態を比較すると、著しく均一である。
電解質電池の電解液の分布状態は、従来の製造方法によ
る(xV/100)mlの電解液を含有させた電池との
電解液の分布状態を比較すると、著しく均一である。
【0022】したがって、本発明では、非水電解質電池
に備えられた電解液の体積を正極板と負極板と隔離体と
に存在する全空孔体積に対して100%以下としても、
その非水電解質電池の高率放電性能や安全性は非常に優
れている。さらに、本発明では、非水電解質電池に備え
られた電解液の体積を正極板と負極板と隔離体とに存在
する全空孔体積に対して40%以下としても、その非水
電解質電池の放電性能や安全性は良好である。
に備えられた電解液の体積を正極板と負極板と隔離体と
に存在する全空孔体積に対して100%以下としても、
その非水電解質電池の高率放電性能や安全性は非常に優
れている。さらに、本発明では、非水電解質電池に備え
られた電解液の体積を正極板と負極板と隔離体とに存在
する全空孔体積に対して40%以下としても、その非水
電解質電池の放電性能や安全性は良好である。
【0023】しかし、非水電解質電池に備えられた電解
液の体積を正極板と負極板と隔離体との全空孔体積に対
して30%より少なくすると、正極板と負極板との間で
電解液が連続的に存在しなくなるため、本発明による非
水電解質電池においても放電性能は著しく低下する。
液の体積を正極板と負極板と隔離体との全空孔体積に対
して30%より少なくすると、正極板と負極板との間で
電解液が連続的に存在しなくなるため、本発明による非
水電解質電池においても放電性能は著しく低下する。
【0024】本発明では、電解液を蒸発させる工程前の
非水電解質電池に備えられた電解液の体積を、正極板と
負極板と隔離体とに存在する全空孔体積に対して40%
より多くすることが好ましく、より好ましくは110%
以上とすることが望ましい。
非水電解質電池に備えられた電解液の体積を、正極板と
負極板と隔離体とに存在する全空孔体積に対して40%
より多くすることが好ましく、より好ましくは110%
以上とすることが望ましい。
【0025】また、本発明では、正極板と負極板と隔離
体とに存在する全空孔体積に対して(xV/100)m
lの電解液が備えられた非水電解質電池を製作すると
き、電解液を蒸発させる工程前の非水電解質電池に備え
られた電解液の体積を、正極板と負極板と隔離体とに存
在する全空孔体積に対して(x+100)%以下とする
ことが好ましく、さらに好ましくは(x+50)%以下
とすること、さらに好ましくは(x+30)%以下とす
ることが好ましい。
体とに存在する全空孔体積に対して(xV/100)m
lの電解液が備えられた非水電解質電池を製作すると
き、電解液を蒸発させる工程前の非水電解質電池に備え
られた電解液の体積を、正極板と負極板と隔離体とに存
在する全空孔体積に対して(x+100)%以下とする
ことが好ましく、さらに好ましくは(x+50)%以下
とすること、さらに好ましくは(x+30)%以下とす
ることが好ましい。
【0026】本発明では、電解液を蒸発させる工程前
に、非水電解質電池に電解液をあらかじめ備えさせてお
く必要がある。その方法としては、発電要素を電池容器
に収納した後、電解液を注液すればよい。なお、発電要
素を電池容器に収納する以前に、発電要素に、電解液を
滴下したり、電解液を注入してもよいし、発電要素を電
解液に中に浸漬してもよい。
に、非水電解質電池に電解液をあらかじめ備えさせてお
く必要がある。その方法としては、発電要素を電池容器
に収納した後、電解液を注液すればよい。なお、発電要
素を電池容器に収納する以前に、発電要素に、電解液を
滴下したり、電解液を注入してもよいし、発電要素を電
解液に中に浸漬してもよい。
【0027】本発明では、電解液を蒸発させる工程後の
非水電解質電池に備えられた電解液の体積を、正極板と
負極板とセパレータとに存在する全空孔体積に対して3
0%以上100%以下とすることが好ましく、さらに好
ましくは50%以上100%以下とすることが望まし
い。
非水電解質電池に備えられた電解液の体積を、正極板と
負極板とセパレータとに存在する全空孔体積に対して3
0%以上100%以下とすることが好ましく、さらに好
ましくは50%以上100%以下とすることが望まし
い。
【0028】なお、本発明では、正極板と負極板とセパ
レータとに存在する全空孔体積は、つぎのように決定す
る。まず、非水電解質電池の充放電を5回以上繰り返
し、その電池から正極板と負極板とセパレータとを取り
出す。つぎに、それらをジメチルカーボネート(DM
C)などの溶媒で洗浄してから、それらを乾燥し、それ
らの空孔体積を水銀ポロシメータで測定する。
レータとに存在する全空孔体積は、つぎのように決定す
る。まず、非水電解質電池の充放電を5回以上繰り返
し、その電池から正極板と負極板とセパレータとを取り
出す。つぎに、それらをジメチルカーボネート(DM
C)などの溶媒で洗浄してから、それらを乾燥し、それ
らの空孔体積を水銀ポロシメータで測定する。
【0029】また、本発明では、非水電解質電池に備え
られた電解液を蒸発させる工程をおこなうとき、電解液
の蒸気を排気するための穴が非水電解質電池に開いてい
ることが望ましい。
られた電解液を蒸発させる工程をおこなうとき、電解液
の蒸気を排気するための穴が非水電解質電池に開いてい
ることが望ましい。
【0030】また、本発明では、非水電解質電池に備え
られた電解液を蒸発させる工程は、いつおこなわれても
良いが、好ましくは予備充電開始以降におこなうことが
望ましく、さらに好ましくは予備充電後におこなうこと
が望ましい。本発明における非水電解質電池の電解液の
溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましく、具体的に
は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、DMC、ジエチルカー
ボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、γ−
ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエト
キシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、1、3−ジオキソラン、メチルアセテー
ト、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、4−メチ
ル−1、3−ジオキソラン、N−メチルピロリジン、エ
チルメチルケトン、メチルプロピオネート、アセトン、
ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジメチルエ
ーテルなど、またははこれらの混合物を使用してもよ
い。
られた電解液を蒸発させる工程は、いつおこなわれても
良いが、好ましくは予備充電開始以降におこなうことが
望ましく、さらに好ましくは予備充電後におこなうこと
が望ましい。本発明における非水電解質電池の電解液の
溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましく、具体的に
は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、DMC、ジエチルカー
ボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、γ−
ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエト
キシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、1、3−ジオキソラン、メチルアセテー
ト、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、4−メチ
ル−1、3−ジオキソラン、N−メチルピロリジン、エ
チルメチルケトン、メチルプロピオネート、アセトン、
ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジメチルエ
ーテルなど、またははこれらの混合物を使用してもよ
い。
【0031】さらに、本発明における非水電解質電池の
電解液に含有させる塩としては、LiPF6、LiB
F4、LiAsF6、LiClO4、LiSCN、Li
I、LiCF3SO3、 LiC4F9SO3、 Li(CF3
SO2)2N、LiCl、LiBr、LiCF3CO2など
のリチウム塩、もしくはこれらの混合物が好ましい。
電解液に含有させる塩としては、LiPF6、LiB
F4、LiAsF6、LiClO4、LiSCN、Li
I、LiCF3SO3、 LiC4F9SO3、 Li(CF3
SO2)2N、LiCl、LiBr、LiCF3CO2など
のリチウム塩、もしくはこれらの混合物が好ましい。
【0032】ここで、電解液を蒸発させる工程前の非水
電解質電池に備えられた電解液に含まれるすべての溶媒
の沸点が150℃以上であるときには、セパレータ、正
・負極活物質、正・負極集電体などの電池構成要素に悪
影響を与えずに前記溶媒を蒸発させることが難しいた
め、高率放電性能や安全性の優れた非水電解質電池を製
作するのが困難である。
電解質電池に備えられた電解液に含まれるすべての溶媒
の沸点が150℃以上であるときには、セパレータ、正
・負極活物質、正・負極集電体などの電池構成要素に悪
影響を与えずに前記溶媒を蒸発させることが難しいた
め、高率放電性能や安全性の優れた非水電解質電池を製
作するのが困難である。
【0033】したがって、本発明では、電解液を蒸発さ
せる工程前の非水電解質電池に備えられた電解液が沸点
150℃以下の溶媒を含むことが好ましいが、さらに好
ましくは沸点120℃以下の溶媒、さらに好ましくは沸
点100℃以下の溶媒を含むことが好ましい。。
せる工程前の非水電解質電池に備えられた電解液が沸点
150℃以下の溶媒を含むことが好ましいが、さらに好
ましくは沸点120℃以下の溶媒、さらに好ましくは沸
点100℃以下の溶媒を含むことが好ましい。。
【0034】ここで、電解液を蒸発させる工程前の非水
電解質電池に備えられた電解液に沸点150℃以下の溶
媒が含まれていると、電解液を蒸発させる工程をおこな
ったときに、前記溶媒が速やかに蒸発するため、高率放
電性能や安全性の優れた非水電解質電池を迅速に製作す
ることができる。
電解質電池に備えられた電解液に沸点150℃以下の溶
媒が含まれていると、電解液を蒸発させる工程をおこな
ったときに、前記溶媒が速やかに蒸発するため、高率放
電性能や安全性の優れた非水電解質電池を迅速に製作す
ることができる。
【0035】また、本発明では、電解液を蒸発させる工
程前の非水電解質電池に備えられた電解液に含まれる溶
媒のなかでもっとも沸点の低い溶媒の沸点をT1℃、そ
のつぎに沸点の低い溶媒の沸点をT2℃としたときに、
(T2−T1)℃が10℃以上であることが望ましく、
さらに好ましくは30℃以上であることが望ましい。
程前の非水電解質電池に備えられた電解液に含まれる溶
媒のなかでもっとも沸点の低い溶媒の沸点をT1℃、そ
のつぎに沸点の低い溶媒の沸点をT2℃としたときに、
(T2−T1)℃が10℃以上であることが望ましく、
さらに好ましくは30℃以上であることが望ましい。
【0036】本発明においては、電解液を蒸発させる工
程が加熱処理を含むことが好ましい。非水電解質電池に
備えられた電解液に含まれる溶媒の種類によって、加熱
処理の温度を適当に決定することが好ましいが、具体的
には、40℃以上150℃以下が好ましく、さらに好ま
しくは40℃以上120℃以下、さらに好ましくは40
℃以上100℃以下が望ましい。また、前記溶媒の沸点
T2℃より低くすることが望ましい。
程が加熱処理を含むことが好ましい。非水電解質電池に
備えられた電解液に含まれる溶媒の種類によって、加熱
処理の温度を適当に決定することが好ましいが、具体的
には、40℃以上150℃以下が好ましく、さらに好ま
しくは40℃以上120℃以下、さらに好ましくは40
℃以上100℃以下が望ましい。また、前記溶媒の沸点
T2℃より低くすることが望ましい。
【0037】また、本発明は、電解液を蒸発させる工程
が減圧雰囲気でおこなわれることが好ましく、さらに望
ましくは減圧雰囲気下で加熱処理がおこなわれることが
好ましい。非水電解質電池に備えられた電解液に含まれ
る溶媒の種類によって、減圧雰囲気の圧を適当に決定す
ることが好ましいが、具体的には、500mmHg以下
の減圧雰囲気が好ましく、さらに好ましくは250mm
Hg、さらに好ましくは100mmHg以下が望まし
い。
が減圧雰囲気でおこなわれることが好ましく、さらに望
ましくは減圧雰囲気下で加熱処理がおこなわれることが
好ましい。非水電解質電池に備えられた電解液に含まれ
る溶媒の種類によって、減圧雰囲気の圧を適当に決定す
ることが好ましいが、具体的には、500mmHg以下
の減圧雰囲気が好ましく、さらに好ましくは250mm
Hg、さらに好ましくは100mmHg以下が望まし
い。
【0038】また、非水電解質電池に備えられた電解液
に含まれる溶媒の種類によって、減圧雰囲気下での加熱
処理の温度を適当に決定することが好ましいが、具体的
には、室温以上150℃以下が好ましく、さらに好まし
くは室温以上120℃以下、さらに好ましくは室温以上
100℃以下が望ましい。
に含まれる溶媒の種類によって、減圧雰囲気下での加熱
処理の温度を適当に決定することが好ましいが、具体的
には、室温以上150℃以下が好ましく、さらに好まし
くは室温以上120℃以下、さらに好ましくは室温以上
100℃以下が望ましい。
【0039】本発明における非水電解質電池には、有孔
性ポリマー電解質を備えていることが望ましい。有孔性
ポリマー電解質は孔を有しているため、その比表面積は
大きい。したがって、有孔性ポリマー電解質と電解液と
の接触面積が大きいため、それは電解液に湿潤または膨
潤しやすい。また、有孔性ポリマー電解質は毛管現象に
よってその孔のなかに電解液を保持することができる。
性ポリマー電解質を備えていることが望ましい。有孔性
ポリマー電解質は孔を有しているため、その比表面積は
大きい。したがって、有孔性ポリマー電解質と電解液と
の接触面積が大きいため、それは電解液に湿潤または膨
潤しやすい。また、有孔性ポリマー電解質は毛管現象に
よってその孔のなかに電解液を保持することができる。
【0040】このような特性をもつ有孔性ポリマー電解
質を備えた非水電解質電池に本発明の製造方法を適用す
ることにより、すぐれた高率放電性能をもつ電池が得ら
れる。
質を備えた非水電解質電池に本発明の製造方法を適用す
ることにより、すぐれた高率放電性能をもつ電池が得ら
れる。
【0041】これは、有孔性ポリマー電解質を備えた非
水電解質電池に本発明による製造方法を適用したとき、
正極板、負極板、またはセパレータなどのリチウムイオ
ンの移動経路に備えられた有孔性ポリマー電解質が電解
液を保持しているため、リチウムイオンの移動にほとん
ど関与しない部分の電解液がリチウムイオンの移動経路
のそれより優先的に減少するためであると考えられる。
水電解質電池に本発明による製造方法を適用したとき、
正極板、負極板、またはセパレータなどのリチウムイオ
ンの移動経路に備えられた有孔性ポリマー電解質が電解
液を保持しているため、リチウムイオンの移動にほとん
ど関与しない部分の電解液がリチウムイオンの移動経路
のそれより優先的に減少するためであると考えられる。
【0042】ここで、有孔性ポリマー電解質としては、
孔またはすき間を有するポリマーが電解液に湿潤または
膨潤することによって、そのポリマーの孔部分の電解液
をリチウムイオンが移動できることが好ましく、さらに
好ましくはそのポリマーマトリックス中もリチウムイオ
ンが移動できることが望ましい。さらに、本発明の有孔
性ポリマー電解質では、それのポリマーマトリックスが
網目状構造を形成していることが好ましく、さらに好ま
しくは三次元網目状構造を形成していることが好まし
い。
孔またはすき間を有するポリマーが電解液に湿潤または
膨潤することによって、そのポリマーの孔部分の電解液
をリチウムイオンが移動できることが好ましく、さらに
好ましくはそのポリマーマトリックス中もリチウムイオ
ンが移動できることが望ましい。さらに、本発明の有孔
性ポリマー電解質では、それのポリマーマトリックスが
網目状構造を形成していることが好ましく、さらに好ま
しくは三次元網目状構造を形成していることが好まし
い。
【0043】また、本発明の有孔性ポリマー電解質の多
孔度は10%以上90%以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは30%以上90%以下であることが望ま
しく、さらに好ましくは40%以上80%以下であるこ
とが望ましい。
孔度は10%以上90%以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは30%以上90%以下であることが望ま
しく、さらに好ましくは40%以上80%以下であるこ
とが望ましい。
【0044】本発明で使用する有孔性ポリマー電解質と
しては、ポリマーが電解液で湿潤または膨潤することが
好ましく,さらに好ましくは充放電による活物質の体積
膨張収縮に追随した形状変化ができる柔軟性があるもの
が好ましい。具体的には、ポリエチレンオキシド(PE
O)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニリデン
フルオライド(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニルフルオライド、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアク
リレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニト
リル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロラクタム、ポリ
ウレタン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリ
スチレン、ポリイソプレン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロースおよびこれらの誘導体を単独であ
るいは混合して用いることができる。
しては、ポリマーが電解液で湿潤または膨潤することが
好ましく,さらに好ましくは充放電による活物質の体積
膨張収縮に追随した形状変化ができる柔軟性があるもの
が好ましい。具体的には、ポリエチレンオキシド(PE
O)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニリデン
フルオライド(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニルフルオライド、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアク
リレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニト
リル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリカプロラクタム、ポリ
ウレタン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリ
スチレン、ポリイソプレン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロースおよびこれらの誘導体を単独であ
るいは混合して用いることができる。
【0045】また、有孔性ポリマー電解質として、これ
らのポリマーを構成する各種モノマーを含むポリマーを
用いてもよく、具体的には、ビニリデンフルオライド/
ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(P(VdF/H
FP))、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、スチレン系エラストマー、フッ素系エラストマ
ー、オレフィン系エラストマーなどを用いることもでき
る。
らのポリマーを構成する各種モノマーを含むポリマーを
用いてもよく、具体的には、ビニリデンフルオライド/
ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(P(VdF/H
FP))、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、スチレン系エラストマー、フッ素系エラストマ
ー、オレフィン系エラストマーなどを用いることもでき
る。
【0046】このなかで有孔性ポリマー電解質として好
ましいのは、PEO、PPO、PAN、PMMA、PV
dF、 P(VdF/HFP)およびこれらの誘導体を
単独あるいは混合して使用することが好ましく、さらに
望ましくはフッ素を含むポリマーがもっとも好ましい。
ましいのは、PEO、PPO、PAN、PMMA、PV
dF、 P(VdF/HFP)およびこれらの誘導体を
単独あるいは混合して使用することが好ましく、さらに
望ましくはフッ素を含むポリマーがもっとも好ましい。
【0047】PVdFやP(VdF/HFP)などのフ
ッ素を含むポリマーは他のポリマーと比較すると電気化
学的に安定であるため、正極板、負極板およびセパレー
タのすべてに使用することができるため、非水電解質電
池中の電解液の分布を均一にすることができ、その電池
の高率放電性能は良好となる。
ッ素を含むポリマーは他のポリマーと比較すると電気化
学的に安定であるため、正極板、負極板およびセパレー
タのすべてに使用することができるため、非水電解質電
池中の電解液の分布を均一にすることができ、その電池
の高率放電性能は良好となる。
【0048】本発明での有孔性ポリマー電解質の製造方
法としては、ポリマーを第1の溶媒に溶解したポリマー
溶液からポリマーを相分離させる方法が望ましい。その
方法としては、ポリマー溶液からの第1の溶媒の抽出、
ポノマー溶液の加熱または冷却による温度変化、第1の
溶媒の蒸発による濃度変化などが挙げられるが、とくに
好ましい製造方法はポリマー溶液から第1の溶媒を抽出
する方法、すなわち溶媒抽出法である。
法としては、ポリマーを第1の溶媒に溶解したポリマー
溶液からポリマーを相分離させる方法が望ましい。その
方法としては、ポリマー溶液からの第1の溶媒の抽出、
ポノマー溶液の加熱または冷却による温度変化、第1の
溶媒の蒸発による濃度変化などが挙げられるが、とくに
好ましい製造方法はポリマー溶液から第1の溶媒を抽出
する方法、すなわち溶媒抽出法である。
【0049】溶媒抽出法では2種類の、第1の溶媒と第
2の溶媒が使用される。第1の溶媒はポリマーを溶解す
る溶媒である。第2の溶媒は、ポリマー溶液から第1の
溶媒を抽出する抽出用溶媒である。ポリマー溶液は、第
1の溶媒とポリマーとを含むものである。
2の溶媒が使用される。第1の溶媒はポリマーを溶解す
る溶媒である。第2の溶媒は、ポリマー溶液から第1の
溶媒を抽出する抽出用溶媒である。ポリマー溶液は、第
1の溶媒とポリマーとを含むものである。
【0050】溶媒抽出法は、ポリマーを溶解したポリマ
ー溶液を、ポリマーと非相溶性であり、かつ第1の溶媒
と相溶性である第2の溶媒中に浸漬することによって、
ポリマー溶液の第1の溶媒を抽出する方法である。これ
によって、ポリマーの第1の溶媒が除去された部分が孔
となるため、有孔性ポリマーが得られる。さらに、これ
を電解液で湿潤または膨潤させることによって有孔性ポ
リマー電解質とすることが望ましい。溶媒抽出法では、
ポリマーの開口部に円形の孔が形成される。
ー溶液を、ポリマーと非相溶性であり、かつ第1の溶媒
と相溶性である第2の溶媒中に浸漬することによって、
ポリマー溶液の第1の溶媒を抽出する方法である。これ
によって、ポリマーの第1の溶媒が除去された部分が孔
となるため、有孔性ポリマーが得られる。さらに、これ
を電解液で湿潤または膨潤させることによって有孔性ポ
リマー電解質とすることが望ましい。溶媒抽出法では、
ポリマーの開口部に円形の孔が形成される。
【0051】また、有孔性ポリマー電解質の製造方法と
して、ポリマー溶液の加熱または冷却による温度変化を
利用した方法も好ましい。低温においてポリマーが第3
の溶媒に溶解しにくく、温度を上昇させたときに溶解す
るようなポリマーと第3の溶媒との組み合せにおいて、
温度を上昇させてポリマーを第3の溶媒に溶解したあ
と、ポリマー溶液の温度を下げると、第3の溶媒に対し
てポリマーが過飽和となり、ポリマー溶液中でポリマー
と第3の溶媒とが相分離する。このような相分離をおこ
したポリマーと第3の溶媒とのポリマー溶液から、第3
の溶媒を除去することによって有孔性ポリマーが得られ
るものである。さらに、これを電解液で湿潤または膨潤
させることによって有孔性ポリマー電解質とすることが
望ましい。
して、ポリマー溶液の加熱または冷却による温度変化を
利用した方法も好ましい。低温においてポリマーが第3
の溶媒に溶解しにくく、温度を上昇させたときに溶解す
るようなポリマーと第3の溶媒との組み合せにおいて、
温度を上昇させてポリマーを第3の溶媒に溶解したあ
と、ポリマー溶液の温度を下げると、第3の溶媒に対し
てポリマーが過飽和となり、ポリマー溶液中でポリマー
と第3の溶媒とが相分離する。このような相分離をおこ
したポリマーと第3の溶媒とのポリマー溶液から、第3
の溶媒を除去することによって有孔性ポリマーが得られ
るものである。さらに、これを電解液で湿潤または膨潤
させることによって有孔性ポリマー電解質とすることが
望ましい。
【0052】本発明での有孔性ポリマー電解質の製造方
法における、ポリマーを溶解する第1の溶媒および第3
の溶媒としては、ポリマーが溶解できるものであればよ
く、プロピレンカーボネート、EC、DMC、DEC、
エチルメチルカーボネートなどの炭酸エステル、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル、メチルエチル
ケトン、アセトンなどのケトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノ
ン、NMPなどが挙げられる。
法における、ポリマーを溶解する第1の溶媒および第3
の溶媒としては、ポリマーが溶解できるものであればよ
く、プロピレンカーボネート、EC、DMC、DEC、
エチルメチルカーボネートなどの炭酸エステル、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル、メチルエチル
ケトン、アセトンなどのケトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノ
ン、NMPなどが挙げられる。
【0053】このなかで第1の溶媒aとしては、プロピ
レンカーボネート、EC、DMC、DEC、エチルメチ
ルカーボネートなどの炭酸エステル、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノン、N
MPなどが好ましい。
レンカーボネート、EC、DMC、DEC、エチルメチ
ルカーボネートなどの炭酸エステル、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノン、N
MPなどが好ましい。
【0054】また、第3の溶媒としては、メチルエチル
ケトン、アセトンなどのケトン、プロピレンカーボネー
ト、EC、DMC、DEC、エチルメチルカーボネート
などの炭酸エステル、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル、ジメチルホルムアミドなどが好ましいが、
とくにケトンが好ましく、そのなかでもメチルエチルケ
トンが望ましい。
ケトン、アセトンなどのケトン、プロピレンカーボネー
ト、EC、DMC、DEC、エチルメチルカーボネート
などの炭酸エステル、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル、ジメチルホルムアミドなどが好ましいが、
とくにケトンが好ましく、そのなかでもメチルエチルケ
トンが望ましい。
【0055】すなわち、特定のポリマーを使用すると
き、第3の溶媒としては、低温においてポリマーが第3
の溶媒に溶解しにくく、温度を上昇させたときにポリマ
ーが溶解しやすいような第3の溶媒が好ましい。このよ
うな第3の溶媒を使用することにより、温度を上昇させ
てポリマーを第3の溶媒に溶解したあと、そのポリマー
溶液の温度を徐々に下げると、第3の溶媒に対してポリ
マーが過飽和となり、ポリマー溶液中でポリマーと第3
の溶媒とが分離する。このような相分離をおこしたポリ
マーと第3の溶媒との溶液から、第3の溶媒を除去する
ことによって有孔性ポリマーが製作できる。
き、第3の溶媒としては、低温においてポリマーが第3
の溶媒に溶解しにくく、温度を上昇させたときにポリマ
ーが溶解しやすいような第3の溶媒が好ましい。このよ
うな第3の溶媒を使用することにより、温度を上昇させ
てポリマーを第3の溶媒に溶解したあと、そのポリマー
溶液の温度を徐々に下げると、第3の溶媒に対してポリ
マーが過飽和となり、ポリマー溶液中でポリマーと第3
の溶媒とが分離する。このような相分離をおこしたポリ
マーと第3の溶媒との溶液から、第3の溶媒を除去する
ことによって有孔性ポリマーが製作できる。
【0056】また、本発明での有孔性ポリマー電解質の
製造方法では、ポリマー溶液から第1の溶媒を抽出する
ための第2の溶媒としては、前記ポリマーと非相溶性で
あり、第1の溶媒と相溶性があればなんでもよい。たと
えば、水、アルコール、アセトンなどが挙げられ、ある
いはこれらの混合溶液を使用してもよい。
製造方法では、ポリマー溶液から第1の溶媒を抽出する
ための第2の溶媒としては、前記ポリマーと非相溶性で
あり、第1の溶媒と相溶性があればなんでもよい。たと
えば、水、アルコール、アセトンなどが挙げられ、ある
いはこれらの混合溶液を使用してもよい。
【0057】また、本発明では、有孔性ポリマー電解質
の製造方法に有孔性ポリマーが延伸される工程を含んで
いても良い。
の製造方法に有孔性ポリマーが延伸される工程を含んで
いても良い。
【0058】本発明による非水電解質電池では、有孔性
ポリマー電解質が正極板の空孔、負極板の空孔、正極板
の表面、負極板の表面、正極活物質の空孔、負極活物質
の空孔、正極活物質の表面、負極活物質の表面、セパレ
ータの表面またはセパレータの空孔に備えられているこ
とが望ましい。さらに、セパレータを使用せずに、有孔
性ポリマー電解質がセパレータを兼ねることが望まし
い。また、正極板の表面または負極板の表面に備えた有
孔性ポリマー電解質がセパレータの機能をもっていても
良い。
ポリマー電解質が正極板の空孔、負極板の空孔、正極板
の表面、負極板の表面、正極活物質の空孔、負極活物質
の空孔、正極活物質の表面、負極活物質の表面、セパレ
ータの表面またはセパレータの空孔に備えられているこ
とが望ましい。さらに、セパレータを使用せずに、有孔
性ポリマー電解質がセパレータを兼ねることが望まし
い。また、正極板の表面または負極板の表面に備えた有
孔性ポリマー電解質がセパレータの機能をもっていても
良い。
【0059】表面に有孔性ポリマー電解質が備えられた
活物質の製造方法としては、以下の方法が好ましい。ポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液に活物質を浸漬
する工程のあと、そのポリマーを相分離させる工程を含
む製造方法、活物質にポリマーを含む溶液、乳濁液また
は懸濁液を散布する工程のあと、そのポリマーを相分離
させる工程を含む製造方法などがあるが、前者の製造方
法がとくに好ましい。また、ポリマーを相分離させる工
程の前または/およびあとに、ポリマーを含む溶液、乳
濁液または懸濁液と活物質とを含む混合液を濾過する工
程を含む製造方法が好ましい。さらに、その濾過工程の
あとに活物質を乾燥する工程を含む製造方法が好まし
い。活物質の形態は、粉末状態でも、活物質が集電体に
凝集した状態でも良いが、粉末状態であることが望まし
い。
活物質の製造方法としては、以下の方法が好ましい。ポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液に活物質を浸漬
する工程のあと、そのポリマーを相分離させる工程を含
む製造方法、活物質にポリマーを含む溶液、乳濁液また
は懸濁液を散布する工程のあと、そのポリマーを相分離
させる工程を含む製造方法などがあるが、前者の製造方
法がとくに好ましい。また、ポリマーを相分離させる工
程の前または/およびあとに、ポリマーを含む溶液、乳
濁液または懸濁液と活物質とを含む混合液を濾過する工
程を含む製造方法が好ましい。さらに、その濾過工程の
あとに活物質を乾燥する工程を含む製造方法が好まし
い。活物質の形態は、粉末状態でも、活物質が集電体に
凝集した状態でも良いが、粉末状態であることが望まし
い。
【0060】表面に有孔性ポリマー電解質を備えた極板
の製造方法としては、以下の方法が好ましい。極板をポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液中に浸漬してか
ら、その極板を取り出し、その極板の表面に付着したポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液をローラーやブ
レードなどで平坦化したあと、そのポリマーを相分離さ
せる工程を含む製造方法、極板にポリマーを含む溶液、
乳濁液または懸濁液を塗布してから、その極板の表面に
付着したポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液をロ
ーラーやブレードなどで平坦化したあと、そのポリマー
を相分離させる工程を含む製造方法、ポリマーを含む溶
液、乳濁液または懸濁液をロールや板などの上に塗布し
てから、極板にそのロールや板などからポリマーを含む
溶液、乳濁液または懸濁液を転移させたあと、そのポリ
マーを相分離させる工程を含む製造方法などがある。ま
た、これらの工程は極板をプレスしたあとに実施される
ことが望ましい。
の製造方法としては、以下の方法が好ましい。極板をポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液中に浸漬してか
ら、その極板を取り出し、その極板の表面に付着したポ
リマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液をローラーやブ
レードなどで平坦化したあと、そのポリマーを相分離さ
せる工程を含む製造方法、極板にポリマーを含む溶液、
乳濁液または懸濁液を塗布してから、その極板の表面に
付着したポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液をロ
ーラーやブレードなどで平坦化したあと、そのポリマー
を相分離させる工程を含む製造方法、ポリマーを含む溶
液、乳濁液または懸濁液をロールや板などの上に塗布し
てから、極板にそのロールや板などからポリマーを含む
溶液、乳濁液または懸濁液を転移させたあと、そのポリ
マーを相分離させる工程を含む製造方法などがある。ま
た、これらの工程は極板をプレスしたあとに実施される
ことが望ましい。
【0061】極板の孔に有孔性ポリマー電解質を備えさ
せる製造方法としては、以下の方法が好ましい。極板を
ポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液に浸漬するこ
とにより、そのポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁
液を極板孔中に浸透させたあと、そのポリマーを相分離
させる工程を含む製造方法、極板の表面にポリマーを含
む溶液、乳濁液または懸濁液を塗布し、極板の孔中にそ
のポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液を浸透させ
たあと、そのポリマーを相分離させる工程を含む製造方
法等がある。
せる製造方法としては、以下の方法が好ましい。極板を
ポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液に浸漬するこ
とにより、そのポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁
液を極板孔中に浸透させたあと、そのポリマーを相分離
させる工程を含む製造方法、極板の表面にポリマーを含
む溶液、乳濁液または懸濁液を塗布し、極板の孔中にそ
のポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液を浸透させ
たあと、そのポリマーを相分離させる工程を含む製造方
法等がある。
【0062】さらに、極板の孔に有孔性ポリマー電解質
を備えさせる製造方法において、極板の孔中に有孔性ポ
リマー電解質を均一に備えさせる方法としては、ポリマ
ーを含む溶液、乳濁液または懸濁液または/および極板
を30℃以上200℃以下の温度に加熱する製造方法を
含むことが好ましく、さらに好ましくはポリマーを含む
溶液、乳濁液または懸濁液または/および極板を60℃
以下の温度に加熱する製造方法を含むことが好ましい。
を備えさせる製造方法において、極板の孔中に有孔性ポ
リマー電解質を均一に備えさせる方法としては、ポリマ
ーを含む溶液、乳濁液または懸濁液または/および極板
を30℃以上200℃以下の温度に加熱する製造方法を
含むことが好ましく、さらに好ましくはポリマーを含む
溶液、乳濁液または懸濁液または/および極板を60℃
以下の温度に加熱する製造方法を含むことが好ましい。
【0063】また、ポリマーを含む溶液、乳濁液または
懸濁液を保持した極板を減圧状態に置く製造方法を含む
ことが好ましく、ポリマーを含む溶液、乳濁液または懸
濁液または/および極板を流動、攪拌または振動させる
製造方法を含むことが好ましい。さらに、極板の孔中に
有孔性ポリマーを備えさせる工程は、極板をプレスする
前に実施されることが望ましい。また、極板表面に付着
した余分なポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液は
極板をローラーなどに通すことによって取り除かれるこ
とが望ましい。
懸濁液を保持した極板を減圧状態に置く製造方法を含む
ことが好ましく、ポリマーを含む溶液、乳濁液または懸
濁液または/および極板を流動、攪拌または振動させる
製造方法を含むことが好ましい。さらに、極板の孔中に
有孔性ポリマーを備えさせる工程は、極板をプレスする
前に実施されることが望ましい。また、極板表面に付着
した余分なポリマーを含む溶液、乳濁液または懸濁液は
極板をローラーなどに通すことによって取り除かれるこ
とが望ましい。
【0064】また、本発明における非水電解質電池で
は、正極板と負極板とセパレータとが接着されて一体と
なっていても良い。
は、正極板と負極板とセパレータとが接着されて一体と
なっていても良い。
【0065】本発明における非水電解質電池の正極活物
質としては、リチウムを吸蔵放出可能な化合物であれば
なんでもよく、たとえば、無機化合物としては、組成式
Li xMO2またはLiyM2O4(ただし、Mは遷移金
属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、ト
ンネル状の孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲ
ン化物、オキシ水酸化物などを用いることができる。そ
の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiM
n2O4、Li2Mn2O4、MnO2、FeO2、V2O5、
V6O13、TiO2、TiS2、NiOOHLiなどが挙
げられる。また、これらの遷移金属の一部を他の元素で
置換した無機化合物を用いてもよく、たとえば、LiN
i0.80Co0.20O2、LiNi0.80Co0.17Al
0.03O2、 Ni0.80Co0.20OOHLiなどが挙げられ
る。また、有機化合物としては、たとえばポリアニリン
などの導電性ポリマーなどが挙げられる。さらに、無機
化合物、有機化合物を問わず、これらの正極活物質を混
合して用いてもよい。また、導電剤として、これらの正
極活物質にアセチレンブラックなどのカーボンブラッ
ク、グラファイト、導電性ポリマーなどを混合してもよ
い。
質としては、リチウムを吸蔵放出可能な化合物であれば
なんでもよく、たとえば、無機化合物としては、組成式
Li xMO2またはLiyM2O4(ただし、Mは遷移金
属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、ト
ンネル状の孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲ
ン化物、オキシ水酸化物などを用いることができる。そ
の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiM
n2O4、Li2Mn2O4、MnO2、FeO2、V2O5、
V6O13、TiO2、TiS2、NiOOHLiなどが挙
げられる。また、これらの遷移金属の一部を他の元素で
置換した無機化合物を用いてもよく、たとえば、LiN
i0.80Co0.20O2、LiNi0.80Co0.17Al
0.03O2、 Ni0.80Co0.20OOHLiなどが挙げられ
る。また、有機化合物としては、たとえばポリアニリン
などの導電性ポリマーなどが挙げられる。さらに、無機
化合物、有機化合物を問わず、これらの正極活物質を混
合して用いてもよい。また、導電剤として、これらの正
極活物質にアセチレンブラックなどのカーボンブラッ
ク、グラファイト、導電性ポリマーなどを混合してもよ
い。
【0066】本発明における非水電解質電池の負極活物
質としては、たとえばAl、Si、Pb、Sn、Zn、
Cdなどとリチウムとの合金、LiFe2O3などの遷移
金属複合酸化物、WO2、MoO2などの遷移金属酸化
物、グラファイト、カーボンなどの炭素材料、Li3-x
MxN(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦0.8)などの
窒化リチウム、もしくは金属リチウムなどが挙げられ、
またこれらの混合物を用いてもよい。さらに、炭素材料
としては、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(M
CMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相
成長炭素繊維などの易黒鉛化性炭素、フェノール樹脂焼
成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、擬等方性炭
素、フルフリルアルコール樹脂焼成体などの難黒鉛化性
炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒鉛化メ
ソフェーズピッチ系炭素繊維、黒鉛ウイスカーなどの黒
鉛質材料、またはこれらの混合物がある。
質としては、たとえばAl、Si、Pb、Sn、Zn、
Cdなどとリチウムとの合金、LiFe2O3などの遷移
金属複合酸化物、WO2、MoO2などの遷移金属酸化
物、グラファイト、カーボンなどの炭素材料、Li3-x
MxN(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦0.8)などの
窒化リチウム、もしくは金属リチウムなどが挙げられ、
またこれらの混合物を用いてもよい。さらに、炭素材料
としては、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(M
CMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相
成長炭素繊維などの易黒鉛化性炭素、フェノール樹脂焼
成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、擬等方性炭
素、フルフリルアルコール樹脂焼成体などの難黒鉛化性
炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒鉛化メ
ソフェーズピッチ系炭素繊維、黒鉛ウイスカーなどの黒
鉛質材料、またはこれらの混合物がある。
【0067】活物質と導電剤と集電体とを接着する結着
剤としては、充放電による活物質の体積膨張収縮に追随
した形状変化ができる柔軟性があるものが好ましく、前
述の、有孔性ポリマーに使用したのと同じ材料を使用す
ることができる。
剤としては、充放電による活物質の体積膨張収縮に追随
した形状変化ができる柔軟性があるものが好ましく、前
述の、有孔性ポリマーに使用したのと同じ材料を使用す
ることができる。
【0068】本発明において、正・負極間の短絡防止に
用いるセパレータおよび隔離体として、孔または間隙を
有するポリプロピレンまたはポリエチレンなどを単独ま
たは組み合せて使用したポリオレフィン製微多孔性膜な
どが使用することができる。また、PVdFおよびP
(VdF/HFP)などの有孔性ポリマー電解質も使用
できる。ほかに、ガラスマット、不織布、織布、ポリマ
ー電解質なども使用できる。さらに、これらを組み合せ
たものも使用できる。
用いるセパレータおよび隔離体として、孔または間隙を
有するポリプロピレンまたはポリエチレンなどを単独ま
たは組み合せて使用したポリオレフィン製微多孔性膜な
どが使用することができる。また、PVdFおよびP
(VdF/HFP)などの有孔性ポリマー電解質も使用
できる。ほかに、ガラスマット、不織布、織布、ポリマ
ー電解質なども使用できる。さらに、これらを組み合せ
たものも使用できる。
【0069】正極板および負極板の集電体としては、
鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等のいず
れでもよい。また、その形状としては、シート、発泡
体、焼結多孔体、エキスパンド格子等のいずれでもよ
く、さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開けたもの
でもよい。
鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等のいず
れでもよい。また、その形状としては、シート、発泡
体、焼結多孔体、エキスパンド格子等のいずれでもよ
く、さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開けたもの
でもよい。
【0070】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。
る。
【0071】[実施例1]両面に活物質層を備えた正極
板は、LiNi0.8Co0.2O290wt%、アセチレン
ブラック3wt%、PVdF7wt%にNMPを混合し
たペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ2
0μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、150℃で乾
燥してNMPを蒸発させて製作した。この後、プレスを
おこない、電極の厚さを260μmから160μmまで
薄くし、幅42mm、長さ220mmのサイズに切断し
た。
板は、LiNi0.8Co0.2O290wt%、アセチレン
ブラック3wt%、PVdF7wt%にNMPを混合し
たペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ2
0μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、150℃で乾
燥してNMPを蒸発させて製作した。この後、プレスを
おこない、電極の厚さを260μmから160μmまで
薄くし、幅42mm、長さ220mmのサイズに切断し
た。
【0072】両面に活物質層を備えた負極板は、MCM
B90wt%、PVdF10wt%にNMPを混合した
ペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ14
μmの銅箔の両面に塗布し、150℃で乾燥してNMP
を蒸発させて製作した。この後、プレスをおこない、電
極の厚さを250μmから200μmまで薄くし、幅4
4mm、長さ240mmのサイズに切断した。
B90wt%、PVdF10wt%にNMPを混合した
ペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ14
μmの銅箔の両面に塗布し、150℃で乾燥してNMP
を蒸発させて製作した。この後、プレスをおこない、電
極の厚さを250μmから200μmまで薄くし、幅4
4mm、長さ240mmのサイズに切断した。
【0073】つぎに、これらの正・負極板と、厚さ25
μm、幅46mmのポリエチレンセパレータとを巻回し
て発電要素とした後、高さ50mm、幅30mm、厚さ
5mmのステンレスケースに挿入した。さらに、正極板
と負極板とセパレータとで構成される発電要素部分に体
積比1:1のECとDECとの混合液に1mol/lの
LiPF6を加えた電解液a(比重1.2g/cm3)を
2.2g注入した。つぎに、これを400mAの電流で
30分間充電して、従来から公知の公称容量520mA
hの電池Xを製作した。なお、電池ケースには非復帰式
の安全弁を備えた。
μm、幅46mmのポリエチレンセパレータとを巻回し
て発電要素とした後、高さ50mm、幅30mm、厚さ
5mmのステンレスケースに挿入した。さらに、正極板
と負極板とセパレータとで構成される発電要素部分に体
積比1:1のECとDECとの混合液に1mol/lの
LiPF6を加えた電解液a(比重1.2g/cm3)を
2.2g注入した。つぎに、これを400mAの電流で
30分間充電して、従来から公知の公称容量520mA
hの電池Xを製作した。なお、電池ケースには非復帰式
の安全弁を備えた。
【0074】つぎに,この電池Xを520mAの電流で
4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間
充電した。つぎに520mAの電流で2.75Vまで放
電した。これを30回繰り返した。このあと、その電池
から正・負極板とセパレータとを取り出して、それらを
DMCで洗浄・乾燥したあと、水銀ポロシメータによっ
て空孔体積を測定した。その結果を表1に示す。
4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間
充電した。つぎに520mAの電流で2.75Vまで放
電した。これを30回繰り返した。このあと、その電池
から正・負極板とセパレータとを取り出して、それらを
DMCで洗浄・乾燥したあと、水銀ポロシメータによっ
て空孔体積を測定した。その結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】この結果より、正極板と負極板とセパレー
タとに存在する全空孔体積は1.33mlであり、この
全空孔体積に電解液を100%含ませた場合の電解液重
量は1.6gであることがわかった。
タとに存在する全空孔体積は1.33mlであり、この
全空孔体積に電解液を100%含ませた場合の電解液重
量は1.6gであることがわかった。
【0077】つぎに、本発明による電池Bを以下のよう
にして製作した。まず、電池Xの製造工程と同様にし
て、電解液を注入する前までの工程をおこない、未注液
の電池を製作した。つぎに、表2の割合で電解液aとD
ECとを混合して、電解液b〜iを製作した。
にして製作した。まず、電池Xの製造工程と同様にし
て、電解液を注入する前までの工程をおこない、未注液
の電池を製作した。つぎに、表2の割合で電解液aとD
ECとを混合して、電解液b〜iを製作した。
【0078】
【表2】
【0079】このあと、電解液b、c、d、e、f、
g、hまたはiを、未注液の電池の正極板と負極板とセ
パレータとで構成される発電要素部分に注入した。つぎ
に、これを400mAの電流で30分間充電した。この
あと、これを20mmHgの減圧雰囲気としてから、電
池の温度を60℃にして、DECを蒸発させて、電解液
量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する全空孔
体積に対してそれぞれ30、50、60、80、10
0、110、120および130%とした本発明による
電池Bをそれぞれ3個製作した。
g、hまたはiを、未注液の電池の正極板と負極板とセ
パレータとで構成される発電要素部分に注入した。つぎ
に、これを400mAの電流で30分間充電した。この
あと、これを20mmHgの減圧雰囲気としてから、電
池の温度を60℃にして、DECを蒸発させて、電解液
量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する全空孔
体積に対してそれぞれ30、50、60、80、10
0、110、120および130%とした本発明による
電池Bをそれぞれ3個製作した。
【0080】また、比較電池として、電解液aを用い、
電解液量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する
全空孔体積に対して30、50、60、80、100、
110、120および130%とした電池Aをそれぞれ
3個製作した。
電解液量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する
全空孔体積に対して30、50、60、80、100、
110、120および130%とした電池Aをそれぞれ
3個製作した。
【0081】つぎに、これらの電池Aおよび電池Bとを
520mAの電流で4.2Vまで充電し、続いて4.2
Vの定電圧で2時間充電した。つぎに520mAの電流
で2.75Vまで放電した。これを5回繰り返した。こ
のあと、これらの電池を520mAの電流で4.2Vま
で充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間充電して、
つぎに1040mAの電流で2.75Vまで放電した。
そのときの放電容量を図1に示す。
520mAの電流で4.2Vまで充電し、続いて4.2
Vの定電圧で2時間充電した。つぎに520mAの電流
で2.75Vまで放電した。これを5回繰り返した。こ
のあと、これらの電池を520mAの電流で4.2Vま
で充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間充電して、
つぎに1040mAの電流で2.75Vまで放電した。
そのときの放電容量を図1に示す。
【0082】図1から、本発明による電池Bの高率放電
性能は、比較電池Aと比較して良好であることがわかっ
た。とくに、電解液量を正極板と負極板とセパレータと
に存在する全空孔体積に対して30%以上120%以下
とした本発明による電池Bの高率放電性能は、比較電池
Aと比較して良好であることがわかった。
性能は、比較電池Aと比較して良好であることがわかっ
た。とくに、電解液量を正極板と負極板とセパレータと
に存在する全空孔体積に対して30%以上120%以下
とした本発明による電池Bの高率放電性能は、比較電池
Aと比較して良好であることがわかった。
【0083】さらに、電解液量を正極板と負極板とセパ
レータとに存在する全空孔体積に対して100%以下と
した本発明による電池Bの高率放電性能は、比較電池A
と比較して優れていることがわかった。これは、本発明
による電池Bの電解液の分布状態が、比較電池Aと比較
すると非常に均一であるため、極板間の電流密度が均一
になるからである。
レータとに存在する全空孔体積に対して100%以下と
した本発明による電池Bの高率放電性能は、比較電池A
と比較して優れていることがわかった。これは、本発明
による電池Bの電解液の分布状態が、比較電池Aと比較
すると非常に均一であるため、極板間の電流密度が均一
になるからである。
【0084】つぎに、これらの電池Aと電池Bとの安全
性試験をおこなった。これらの電池を室温において52
0mAの電流で4.5Vまで充電し、続いて4.5Vの
定電圧で2時間充電したあと、外部短絡させた。その結
果を、表3に示す。
性試験をおこなった。これらの電池を室温において52
0mAの電流で4.5Vまで充電し、続いて4.5Vの
定電圧で2時間充電したあと、外部短絡させた。その結
果を、表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】この結果、本発明による電池Bは比較電池
Aと比較して著しく安全であることがわかった。これ
も、本発明による電池Bの電解液の分布状態が比較電池
Aと比較すると非常に均一であるため、局所的に電流密
度が大きくなることがなく、局所的な温度上昇やリチウ
ムデントライトの析出などがおこりにくいためである。
Aと比較して著しく安全であることがわかった。これ
も、本発明による電池Bの電解液の分布状態が比較電池
Aと比較すると非常に均一であるため、局所的に電流密
度が大きくなることがなく、局所的な温度上昇やリチウ
ムデントライトの析出などがおこりにくいためである。
【0087】[実施例2]つぎに、正・負極活物質と正
・負極板の孔とセパレータとに有孔性ポリマー電解質を
適用した電池を製作した。有孔性ポリマー電解質を備え
た正・負極活物質の原料としては、電池Aおよび電池B
と同じものを使用した。
・負極板の孔とセパレータとに有孔性ポリマー電解質を
適用した電池を製作した。有孔性ポリマー電解質を備え
た正・負極活物質の原料としては、電池Aおよび電池B
と同じものを使用した。
【0088】まず、有孔性ポリマー電解質を備えた正・
負極活物質の製造方法を述べる。LiNi0.8Co0.2O
2またはMCMBと1wt%のP(VdF/HFP)/
NMP溶液とを減圧雰囲気で混合した。(ここで、P
(VdF/HFP)は、モル比でVdF:HFP=9
7:3のものを使用した。これ以降のP(VdF/HF
P)はこれと同じものを使用した。)つぎに、それをろ
過してから、そのLiNi 0.8Co0.2O2またはMCM
Bを脱イオン水に浸漬した。このあと、それをろ過・乾
燥することによって有孔性ポリマー電解質を備えたLi
Ni0.8Co0.2O2または有孔性ポリマー電解質を備え
たMCMBを製作した。
負極活物質の製造方法を述べる。LiNi0.8Co0.2O
2またはMCMBと1wt%のP(VdF/HFP)/
NMP溶液とを減圧雰囲気で混合した。(ここで、P
(VdF/HFP)は、モル比でVdF:HFP=9
7:3のものを使用した。これ以降のP(VdF/HF
P)はこれと同じものを使用した。)つぎに、それをろ
過してから、そのLiNi 0.8Co0.2O2またはMCM
Bを脱イオン水に浸漬した。このあと、それをろ過・乾
燥することによって有孔性ポリマー電解質を備えたLi
Ni0.8Co0.2O2または有孔性ポリマー電解質を備え
たMCMBを製作した。
【0089】両面に活物質層を備えた正極板は、上記で
製作したLiNi0.8Co0.2O290wt%、アセチレ
ンブラック3wt%、PVdF7wt%にNMPを混合
したペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ
20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、150℃で
乾燥してNMPを蒸発させて製作した。
製作したLiNi0.8Co0.2O290wt%、アセチレ
ンブラック3wt%、PVdF7wt%にNMPを混合
したペーストを、幅100mm、長さ500mm、厚さ
20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、150℃で
乾燥してNMPを蒸発させて製作した。
【0090】両面に活物質層を備えた負極板は、上記で
製作したMCMB90wt%、PVdF10wt%にN
MPを混合したペーストを、幅100mm、長さ500
mm、厚さ14μmの銅箔の両面に塗布し、150℃で
乾燥してNMPを蒸発させて製作した。
製作したMCMB90wt%、PVdF10wt%にN
MPを混合したペーストを、幅100mm、長さ500
mm、厚さ14μmの銅箔の両面に塗布し、150℃で
乾燥してNMPを蒸発させて製作した。
【0091】つぎに、4wt%のP(VdF/HFP)
/NMP溶液中にそれら正・負極板をそれぞれ浸漬し、
極板の孔中にポリマー溶液を含浸した。この極板を、ロ
ーラー間を通すことにより、極板表面の余分なポリマー
溶液を取り除いた。さらに、この極板を脱イオン水に浸
漬してNMPの抽出をおこない、極板の孔中に有孔性ポ
リマー電解質を形成した。
/NMP溶液中にそれら正・負極板をそれぞれ浸漬し、
極板の孔中にポリマー溶液を含浸した。この極板を、ロ
ーラー間を通すことにより、極板表面の余分なポリマー
溶液を取り除いた。さらに、この極板を脱イオン水に浸
漬してNMPの抽出をおこない、極板の孔中に有孔性ポ
リマー電解質を形成した。
【0092】この後、その正極板のプレスをおこない、
電極の厚さを260μmから160μmまで薄くし、幅
42mm、長さ220mmのサイズに切断した。また、
負極板のプレスをおこない、電極の厚さを250μmか
ら200μmまで薄くし、幅44mm、長さ240mm
のサイズに切断した。
電極の厚さを260μmから160μmまで薄くし、幅
42mm、長さ220mmのサイズに切断した。また、
負極板のプレスをおこない、電極の厚さを250μmか
ら200μmまで薄くし、幅44mm、長さ240mm
のサイズに切断した。
【0093】つぎに、これらの正・負極板と、厚さ25
μm、幅46mmのP(VdF/HFP)セパレータと
を巻回して発電要素とした後、高さ50mm、幅30m
m、厚さ5mmのステンレスケースに挿入した。さら
に、正極板と負極板とセパレータとで構成される部分
に、前述の電解液aを2.2g注入した。つぎに、これ
を400mAの電流で30分間充電して、公称容量52
0mAhの電池Yを製作した。なお、電池ケースには非
復帰式の安全弁を備えた。
μm、幅46mmのP(VdF/HFP)セパレータと
を巻回して発電要素とした後、高さ50mm、幅30m
m、厚さ5mmのステンレスケースに挿入した。さら
に、正極板と負極板とセパレータとで構成される部分
に、前述の電解液aを2.2g注入した。つぎに、これ
を400mAの電流で30分間充電して、公称容量52
0mAhの電池Yを製作した。なお、電池ケースには非
復帰式の安全弁を備えた。
【0094】つぎに,この電池Yを520mAの電流で
4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間
充電した。つぎに520mAの電流で2.75Vまで放
電した。これを30回繰り返した。このあと、その電池
から正・負極板とセパレータとを取り出して、それらを
DMCで洗浄・乾燥したあと、水銀ポロシメータによっ
て空孔体積を測定した。その結果を表4に示す。
4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間
充電した。つぎに520mAの電流で2.75Vまで放
電した。これを30回繰り返した。このあと、その電池
から正・負極板とセパレータとを取り出して、それらを
DMCで洗浄・乾燥したあと、水銀ポロシメータによっ
て空孔体積を測定した。その結果を表4に示す。
【0095】
【表4】
【0096】表4より、正極板と負極板とセパレータと
に存在する全空孔体積は1.25mlであり、この全空
孔体積に電解液を100%含ませた場合の電解液重量は
1.5gであることがわかった。
に存在する全空孔体積は1.25mlであり、この全空
孔体積に電解液を100%含ませた場合の電解液重量は
1.5gであることがわかった。
【0097】つぎに、本発明による電池Dを以下のよう
にして製作した。まず、表5の割合で電解液aとDEC
とを混合して、電解液j〜qを製作した。
にして製作した。まず、表5の割合で電解液aとDEC
とを混合して、電解液j〜qを製作した。
【0098】
【表5】
【0099】このあと、電解液j、k、l、m、n、
o、pまたはqを未注液の電池の正極板と負極板とセパ
レータとで構成される発電要素部分に注入した。つぎ
に、これを400mAの電流で30分間充電した。この
あと、これを20mmHgの減圧雰囲気としてから、電
池の温度を60℃にして、DECを蒸発させて、電解液
量をその全空孔体積に対してそれぞれ30、50、6
0、80、100、110、120および130%とし
た本発明による電池Dをそれぞれ3個製作した。
o、pまたはqを未注液の電池の正極板と負極板とセパ
レータとで構成される発電要素部分に注入した。つぎ
に、これを400mAの電流で30分間充電した。この
あと、これを20mmHgの減圧雰囲気としてから、電
池の温度を60℃にして、DECを蒸発させて、電解液
量をその全空孔体積に対してそれぞれ30、50、6
0、80、100、110、120および130%とし
た本発明による電池Dをそれぞれ3個製作した。
【0100】また、比較電池として、電解液aを用い、
電解液量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する
全空孔体積に対して30、50、60、80、100、
110、120および130%とした電池Cをそれぞれ
3個製作した。
電解液量を、正極板と負極板とセパレータとに存在する
全空孔体積に対して30、50、60、80、100、
110、120および130%とした電池Cをそれぞれ
3個製作した。
【0101】つぎに、これらの電池Cおよび電池Dとを
520mAの電流で4.2Vまで充電し、続いて4.2
Vの定電圧で2時間充電した。つぎに520mAの電流
で2.75Vまで放電した。これを5回繰り返した。こ
のあと、これらの電池を520mAの電流で4.2Vま
で充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間充電して、
つぎに1040mAの電流で2.75Vまで放電した。
そのときの放電容量を図1に示す。
520mAの電流で4.2Vまで充電し、続いて4.2
Vの定電圧で2時間充電した。つぎに520mAの電流
で2.75Vまで放電した。これを5回繰り返した。こ
のあと、これらの電池を520mAの電流で4.2Vま
で充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間充電して、
つぎに1040mAの電流で2.75Vまで放電した。
そのときの放電容量を図1に示す。
【0102】この結果、本発明による電池Dの高率放電
性能は、電池A、電池Bおよび電池Cと比較して良好で
あることがわかった。とくに、電解液量を正極板と負極
板とセパレータとの全空孔体積に対して30%以上12
0%以下とした本発明による電池Dの高率放電性能は、
電池A、電池Bおよび電池Cと比較して良好であること
がわかった。
性能は、電池A、電池Bおよび電池Cと比較して良好で
あることがわかった。とくに、電解液量を正極板と負極
板とセパレータとの全空孔体積に対して30%以上12
0%以下とした本発明による電池Dの高率放電性能は、
電池A、電池Bおよび電池Cと比較して良好であること
がわかった。
【0103】さらに、電解液量を正極板と負極板とセパ
レータとの全空孔体積に対して100%以下とした本発
明による電池Dの高率放電性能は、電池A、電池Bおよ
び電池Cと比較して優れていることがわかった。
レータとの全空孔体積に対して100%以下とした本発
明による電池Dの高率放電性能は、電池A、電池Bおよ
び電池Cと比較して優れていることがわかった。
【0104】これは、有孔性ポリマー電解質を備えた本
発明による電池Dでは、リチウムイオンの移動経路であ
る正・負極活物質と正・負極板の孔とセパレータとに備
えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を保持している
ため、リチウムイオンの移動にほとんど関与しない部分
の電解液がリチウムイオンの移動経路のそれより優先的
に減少し、リチウムイオンの移動経路に電解液が均一に
存在するようになるためである。
発明による電池Dでは、リチウムイオンの移動経路であ
る正・負極活物質と正・負極板の孔とセパレータとに備
えられた有孔性ポリマー電解質が電解液を保持している
ため、リチウムイオンの移動にほとんど関与しない部分
の電解液がリチウムイオンの移動経路のそれより優先的
に減少し、リチウムイオンの移動経路に電解液が均一に
存在するようになるためである。
【0105】したがって、本発明による電池Dの電解液
の分布状態は電池A、電池Bおよび電池Cと比較すると
著しく均一となるため、極板間の電流密度が均一にな
り、その高率放電性能は非常に良好となる。
の分布状態は電池A、電池Bおよび電池Cと比較すると
著しく均一となるため、極板間の電流密度が均一にな
り、その高率放電性能は非常に良好となる。
【0106】つぎに、これらの電池Cと電池Dとの安全
性試験をおこなった。これらの電池を室温において52
0mAの電流で4.5Vまで充電し、続いて4.5Vの
定電圧で2時間充電したあと、外部短絡させた。その結
果を、表6に示す。
性試験をおこなった。これらの電池を室温において52
0mAの電流で4.5Vまで充電し、続いて4.5Vの
定電圧で2時間充電したあと、外部短絡させた。その結
果を、表6に示す。
【0107】
【表6】
【0108】この結果、本発明による電池Dは電池A、
電池Bおよび電池Cと比較して著しく安全であることが
わかった。これも、本発明による電池Dの電解液の分布
状態が電池A、電池Bおよび電池Cと比較すると著しく
均一であるため、電流密度が非常に均一であり、局所的
な温度上昇やリチウムデントライトの析出などがおこり
にくいためである。
電池Bおよび電池Cと比較して著しく安全であることが
わかった。これも、本発明による電池Dの電解液の分布
状態が電池A、電池Bおよび電池Cと比較すると著しく
均一であるため、電流密度が非常に均一であり、局所的
な温度上昇やリチウムデントライトの析出などがおこり
にくいためである。
【0109】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた非水
電解質電池は、電池に備えられた電解液の量を低減した
ときでも、電解液の分布状態は従来の製造方法によるそ
れと比較すると非常に均一であるため、従来の製造方法
による非水電解質電池と比較して、高率放電性能および
安全性が良好となる。
電解質電池は、電池に備えられた電解液の量を低減した
ときでも、電解液の分布状態は従来の製造方法によるそ
れと比較すると非常に均一であるため、従来の製造方法
による非水電解質電池と比較して、高率放電性能および
安全性が良好となる。
【図1】電池A、電池B、電池Cおよび電池Dの、電解
液量と放電容量との関係を示す図。
液量と放電容量との関係を示す図。
【図2】電解液を蒸発させる工程前の、非水電解質電池
の電解液の分布状態を示す図。
の電解液の分布状態を示す図。
【図3】電解液を蒸発させる工程後の、非水電解質電池
の電解液の分布状態を示す図。
の電解液の分布状態を示す図。
【図4】従来の製造方法によって製作された非水電解質
電池の、電解液の分布状態を示す図。
電池の、電解液の分布状態を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 正極、負極および隔離体を備えた発電要
素に電解液を含有させた後、電解液を蒸発させる工程を
含むことを特徴とする非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項2】 蒸発工程前の電解液中の低沸点溶媒の含
有量が、蒸発工程後の電解液中の低沸点溶媒の含有量よ
りも多いことを特徴とする請求項1記載の非水電解質電
池の製造方法。 - 【請求項3】 蒸発工程後の非水電解質電池に備えられ
た電解液の体積を、正極板と負極板と隔離体とに存在す
る全空孔体積に対して30%以上100%以下とするこ
とを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質電池
の製造方法。 - 【請求項4】 有孔性ポリマー電解質を備えたことを特
徴とする請求項1、2または3記載の方法で製造された
非水電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000219633A JP2002042868A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000219633A JP2002042868A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002042868A true JP2002042868A (ja) | 2002-02-08 |
Family
ID=18714377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000219633A Pending JP2002042868A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 非水電解質電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002042868A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010198757A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Sony Corp | 非水電解質組成物及び非水電解質二次電池 |
WO2016171276A1 (ja) * | 2015-04-24 | 2016-10-27 | 日立化成株式会社 | リチウムイオン電池 |
US9698444B2 (en) | 2009-02-23 | 2017-07-04 | Sony Corporation | Nonaqueous electrolyte composition, nonaqueous electrolyte secondary battery, and method for manufacturing nonaqueous electrolyte secondary battery |
KR101802003B1 (ko) * | 2013-11-29 | 2017-11-27 | 주식회사 엘지화학 | 이차전지 제조방법 및 그에 따른 이차전지 |
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WO2020137560A1 (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
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-
2000
- 2000-07-19 JP JP2000219633A patent/JP2002042868A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019517718A (ja) * | 2016-06-13 | 2019-06-24 | 日本電気株式会社 | 酸化物ナノ粒子被覆炭素アノード及びイミドアニオン系リチウム塩含有電解質を有する高速充電可能なリチウムイオン電池 |
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WO2020137560A1 (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
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WO2020144977A1 (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-16 | 株式会社Gsユアサ | 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 |
JPWO2020144977A1 (ja) * | 2019-01-10 | 2021-11-25 | 株式会社Gsユアサ | 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20051213 |