JP3516133B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質二次電池
とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】現在市販されているリチウムイオン二次
電池は、正極にコバルト酸リチウムなどの遷移金属の複
合酸化物、負極にグラファイトなどの炭素系物質を用
い、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのセパレー
タを介在させて、これら正・負極を対向させた構造で、
エチレンカーボネートなどの各種炭酸エステルに、Li
PF6などのリチウム塩を溶解させた溶液を電解液とし
て用いている。 【0003】このリチウムイオン二次電池や負極に金属
リチウムを使用したリチウム電池などの非水電解液電池
は、可燃性の有機電解液を使用しているため、安全上の
問題から活物質の利用率を制限する必要がありまた、安
全弁・保護回路・PTC素子などの種々の安全化装置を
備える必要があった。 【0004】そこで有機電解液の代わりに、より化学反
応性に乏しい固体ポリマー電解質を用いることによって
電池の安全性を向上させ、上記安全化装置を省略するこ
とが試みられている。しかし、ポリエチレンオキシドな
どのポリエーテルとアルカリ金属塩との錯体からなるポ
リマー電解質は、室温で十分な導電率が得られなかっ
た。 【0005】そこで、有機電解液でポリマーを湿潤およ
び膨潤させたゲル状のポリマー電解質を使用することも
試みられている。らに、特開平8−195220号に
記載されているように、有孔性ポリマー膜を電解液で湿
潤又は膨潤して得た有孔性ポリマー電解質膜を使用する
ことで、高率充放電特性および安全性に優れた電池を製
造することが検討されている。 【0006】なお、ここで「有孔性ポリマー電解質」と
は、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーに孔を設け、ポ
リマーに有機電解液を含浸したもので、ポリマーの孔中
の有機電解液のみでなく、有機電解液で膨潤したポリマ
ーの部分もイオンの移動が可能なものをさす。また、こ
こで「セパレータ」とは、ポリプロピレンやポリエチレ
ン等の絶縁性フィルムに多数の微孔を設け、この微孔部
分に有機電解液を含浸させるもので、絶縁性フィルム部
分はイオン導電性をもたないものをさす。 【0007】そこで従来のポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのセパレータの代わりに有孔性ポリマー電解質膜
を用いることによって、電池性能の低下を防ぎ、電池の
安全性を向上させることが可能となった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】従来の非水電解液二次
電池では、電解液溶媒に炭酸エステルなどの可燃性の有
機溶媒を使用し、このような遊離の電解液の存在は、電
池の安全性の低下につながった。 【0009】そこで、電解液により湿潤および膨潤する
有孔性ポリマー電解質を使用し、この有孔性ポリマー電
解質を電極孔中に存在させるとともに、セパレータの代
わりに使用することにより、電池内の遊離の電解液量を
減少させ、安全性に優れた電池とすることができる。 【0010】従来のリチウムイオン二次電池やリチウム
電池では、シート状の正極と負極間にセパレータを介し
て巻回した極板群、または平板状正極と負極間にセパレ
ータをはさんで積層した極板群をとっていた。これらの
電極群においては、電極・セパレータ間に完全に均一な
圧迫をかけることは難しく、電極とセパレータ間にはど
うしても隙間が存在することになり、わずかでも電解液
が不足すると放電性能が劣化する。そこで、電極とセパ
レータとの密着性を良くし、電池本来の充放電性能を引
き出すことが課題であった。 【0011】また、正・負極間にセパレータを介在させ
て電池を組み立てる際、セパレータの目抜け、活物質剥
離に伴うセパレータの突き刺しは短絡の原因となるた
め、この短絡の発生率を抑えることも課題であった。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明になる非水電解質
二次電池の製造方法は、活物質を備えた電極を製造する
第1の工程と、電極内部に有孔性ポリマー電解質を備え
る第2の工程と、電極を所定の厚さにプレスする第3の
工程と、電極表面に有孔性ポリマー電解質を備える第4
の工程からなり、前記電極表面の有孔性ポリマー電解質
の厚みが8μm以下であることを特徴とする。 【0013】 【0014】 【0015】 【発明の実施の形態】本発明による非水電解質二次電池
の実施形態について、図面を参照して説明する。図1
は、本発明による非水電解質二次電池に使用する極板群
の断面を示したものである。図1において、1は正極
板、2は負極板、3は有孔性ポリマー電解質膜、4は正
極集電体、5は正極活物質を含む正極合剤、6は正極板
の内部に備えられた有孔性ポリマー電解質、7は正極板
の表面に備えられた有孔性ポリマー電解質、8は負極集
電体、9は負極活物質を含む極合剤、10は負極板の
内部に備えられた有孔性ポリマー電解質、11は負極板
の表面に備えられた有孔性ポリマー電解質である。 【0016】図1では、正極板1と負極板2の間に有孔
性ポリマー電解質膜3を存在させたが、これ以外にも、
有孔性ポリマー電解質膜3の代わりに、セパレータを使
ってもよいし、有孔性ポリマー電解質膜とセパレータを
組み合わせて使用してもよい。ただし、有孔性ポリマー
電解質膜を存在させた場合は、電極表面に形成した有孔
性ポリマー電解質との密着性が飛躍的に向上し、本発明
の効果がより顕著に現れる。 【0017】本発明において、電極内部および電極表面
に備えるポリマー電解質を有孔性とする手法としては、
溶媒抽出法・紫外線照射による貫通孔作成方法・剣山な
どによって貫通孔を開ける手法などがある。 【0018】このうち溶媒抽出法は、2種類の溶媒aと
溶媒bを使用する。溶媒aはポリマーを溶解する溶媒で
ある。溶液a'は、溶媒aとポリマーからなる。溶媒b
は、溶液a'から溶媒aを抽出する抽出用溶媒である。
溶媒抽出法は、ポリマーを溶解した溶液a'を、ポリマ
ーに対して不溶であり、溶媒aと相溶性のある溶媒b中
に浸漬することによって、ポリマー溶液a'の溶媒aを
抽出し、ポリマーの溶媒aが除去された部分が孔となっ
て、有孔性ポリマーを得るものである。溶媒抽出法で
は、ポリマーに開口部が円形の貫通孔が形成される。 【0019】次に、本発明による電極の製造方法につい
て述べる。 【0020】まず正極の製造方法について述べる。第一
工程では、正極活物質粒子、導電助剤、結着剤を溶媒を
用いて混練したペーストを、金属箔集電体上に塗布、乾
燥する。この処理を金属箔の両面に施すことで電極本体
を製造する。 【0021】第二工程では、正極本体を、ポリマーを溶
媒aに溶解したポリマー溶液a′中に浸漬し、ポリマー
溶液を正極内部の空隙に含浸させる。なお、正極内部に
ポリマー溶液を含浸させる方法としては、他には真空含
浸法や、ドクターブレードを用いて正極表面にポリマー
溶液を塗布し、浸透圧による方法などが挙げられる。 【0022】次に、正極をローラーなどに通すことによ
って正極表面に担持した余剰なポリマー溶液を取り除い
た後、ポリマーを溶解する溶媒aの抽出用溶媒b中に浸
漬する。その後、正極を高温乾燥により水分を除去する
ことにより、内部に有孔性ポリマー電解質を備えた正極
が得られる。 【0023】第三工程では、正極にプレスを行なうこと
によって、正極を所定の厚みとし、正極全体の電子導電
性を高める。プレス後の正極の空隙率としては、正極が
十分な電子導電性を有するために、有孔性ポリマー電解
質の体積を除いて20〜40%とすることが好ましい。 【0024】第四工程では、内部に有孔性ポリマー電解
質を備えた正極の一方の表面にポリマー溶液a′を塗布
し、抽出用溶媒b中に浸漬する。これにより、電極表面
に存在する活物質粒子表面が、有孔性ポリマー電解質に
よって被覆される。この処理を電極の反対側にも施し、
本発明による正極が完成する。 【0025】正極内部に有孔性ポリマー電解質を備えた
際に、正極最表層の活物質粒子間の隙間に有孔性ポリマ
ー電解質が存在する場合は、正極表面に有孔性ポリマー
電解質を形成することにより、正極内部の活物質粒子間
から正極表面にかけて連続して有孔性ポリマー電解質が
存在することになる。 【0026】正極最表層に存在する活物質粒子間の隙間
に有孔性ポリマー電解質が存在せずに、空隙が存在した
場合には、正極表面に塗布したポリマー溶液が、正極最
表層に存在する活物質粒子間の隙間に浸透するために、
ポリマーの有孔化処理をおこなうことで、正極内部の活
物質粒子間に存在する空隙から正極表面にかけて有孔性
ポリマー電解質が連続して存在することになる。正極最
表層の活物質粒子間の隙間は、電池組み立て時の活物質
剥離の原因となり、これはセパレータの短絡につながる
ため、有孔性ポリマー電解質により隙間を埋めることは
短絡防止につながる。 【0027】電極表面に形成する有孔性ポリマー電解質
の厚みとしては、電極最表面に存在する活物質粒子を覆
っていいればよい。均一な一層の有孔性ポリマー膜を製
造可能な厚さは40μm以下である。正極活物質として
コバルト酸リチウムを使用し、負極活物質の利用率を1
00%とし、正・負極の表面に種々の厚さの有孔性ポリ
マー電解質を備え、正・負極間に厚さ40μmの有孔性
ポリマー膜を挟んだ電池の、体積エネルギー密度を計算
した結果を表1に示す。表1から明らかなように、8μ
mより厚い有孔性ポリマー電解質を電極表面に備える
と、従来のリチウムイオン二次電池よりも体積エネルギ
ー密度が低くなるため、厚さ8μm以下の有孔性ポリマ
ー電解質を電極表面に備えるのが好ましい。 【0028】正極表面に有孔性ポリマー電解質を備える
手法としては、真空含浸、または電極を再びポリマー溶
液中に浸すことにより電極表面にポリマー溶液を担持
し、ギャップを調節したローラーに通すことにより電極
表面に担持するポリマー溶液の厚みを調節し、その後溶
媒抽出処理を行なう方法などがある。 【0029】負極は、負極活物質と結着剤とを溶媒を用
いて混練したペーストを、銅薄板などの金属箔集電体上
に塗布し、その後は上記正極と同一の工程を経て完成す
る。 【0030】次に、電極内部と電極表面に有孔性ポリマ
ー電解質を備えた正極、負極間に有孔性ポリマー膜を重
ねて積層したもの、あるいは捲きまわしたものを電池ケ
ース内に配置し、有機電解液に漬けると、電極内部と電
極表面に備えた有孔性ポリマー電解質が、電解液によっ
て湿潤または膨潤し、有孔性ポリマーがリチウムイオン
導電性ポリマー電解質となり、本発明による非水電解質
二次電池が完成する。 【0031】電極内部と電極表面に備える有孔性ポリマ
ー電解質としては、充放電による活物質の体積膨張収縮
に追随した形状変化の可能な柔軟性を有するものが好ま
しく、ポリマーが電解液で湿潤または膨潤するリチウム
イオン伝導性ポリマーを用いる。 具体的には、ポリビ
ニリデンフルオライド(PVdF)、ポリ塩化ビニル、
ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリプ
ロピレンオキシドなどのポリエーテル、ポリアクリロニ
トリル、ポリビニリデンフルオライド、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリ
ル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポ
リイソプレン、もしくはこれらの誘動体を、単独で、あ
るいは混合して用いることができる。また、上記ポリマ
ーを構成する各種モノマーを共重合させたポリマーを、
たとえばビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロ
ピレンコポリマー(P(VdF/HFP))などを用い
ることもできる。 【0032】溶媒抽出法において、ポリマーを溶解する
溶媒aとしては、ポリマーを溶解するものであればよ
く、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの炭酸
エステル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチ
ルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル、ジメチルアセトアミド、1−メチル−ピロリジノ
ン、n−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。 【0033】また、溶媒抽出法において、ポリマー溶液
中の溶媒aを抽出する溶媒bとしては、溶媒aと相溶性
があればなんでもよく、例えば水、アルコール、アセト
ンなどが挙げられ、あるいはこれらの混合溶液を使用し
てもよい。 【0034】本発明に用いられる正極活物質としては、
リチウムを吸蔵放出可能な化合物であればなんでもよ
く、無機化合物としては、組成式LixMO2、またはL
y2 4(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦1、0≦y
≦2)で表される複合酸化物、トンネル状の孔を有する
酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることが
できる。その具体例としては、LiCoO2、LiNi
2、LiMn24、Li2Mn24、MnO2、Fe
2、V25、V613、TiO2、TiS2などが挙げら
れる。また、遷移金属Mの一部を他の元素で置換した無
機化合物を用いてもよく、たとえば、LiNi0.80Co
0.20O2、LiNi0.80Co0.17Al0.03O2などが挙げられる。ま
た、有機化合物としては、例えばポリアニリンなどの導
電性ポリマーなどが挙げられる。さらに、無機化合物、
有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いて
もよい。 【0035】負極活物質としては、例えばAl、Si、
Pb、Sn、Zn、Cdなどとリチウムの合金、LiF
23などの遷移金属複合酸化物、WO2、MoO2など
の遷移金属酸化物、グラファイト、カーボンなどの炭素
質材料、Li5(Li3N)などの窒化リチウム、もしく
は金属リチウムが挙げられ、またこれらの混合物を用い
てもよい。 【0036】正極と負極間の短絡防止に用いるセパレー
タとしては、孔または隙間を有するポリプロピレン製微
孔性膜、ポリエチレン製の微孔性膜、ポリオレフィン製
の微孔性膜などが挙げられる。 【0037】さらに、有機電解液の溶媒としては、エチ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラ
クトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、メチルアセテートなどの極性溶
媒、もしくはこれらの混合物を使用してもよい。 【0038】また、有機溶媒に含有させる塩としては、
LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、L
iSCN、LiI、LiCF3SO3、LiCl、LiB
r、LiCF3CO2などのリチウム塩、もしくはこれら
の混合物を用いてもよい。 【0039】 【実施例】正極活物質にニッケル元素の一部をコバルト
で置換したLiNi0.83Co0.17 2、負極活物質にグ
ラファイト、有孔性ポリマー電解質としてビニリデンフ
ルオライド/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーP
(VdF/HFP)(HFPは5%)を用いた本発明の
好適な実施例を説明する。 【0040】[実施例1]正極板は次のようにして作製
した。正極ペースト組成は、LiNi0.83Co0. 172
48.7wt%、アセチレンブラック2.7wt%、P
VdF3.3wt%、NMP45.3wt%とし、この
ペーストを幅20mm、長さ480mm、厚さ20μm
のアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、90℃で乾燥
してNMPを蒸発させて、空隙率68%の正極板を作製
した。 【0041】次に、NMPに8wt%のP(VdF/H
FP)を溶解したポリマー溶液中に正極板を浸漬し、正
極板にポリマー溶液を担持した。ローラーを通して、正
極板表面に余剰に付着したポリマー溶液を完全に除去し
た後、正極板を0.001M燐酸水溶液に浸漬してNM
Pの抽出をおこなった。この正極板を取り出し、130
℃で乾燥をおこない、プレスした。プレス後の正極の厚
さは170μmであり、有孔性ポリマー電解質を除いた
電極の空隙率は30%であった。単位面積当たりに充填
された活物質と導電助剤の合計重量は21mg/cm2
であった。 【0042】次に、NMPに20wt%のP(VdF/
HFP)を溶解したポリマー溶液中に正極板を浸漬し、
正極板表面にポリマー溶液を担持させた。この正極板を
ローラー間のギャップを変化させて通すことにより、正
極板表面に担持させるポリマー溶液の厚みを10、2
0、30μmとした。次に、この正極板を0.001M燐
酸水溶液に浸漬してNMPの抽出をおこない、130℃
で乾燥して正極板表面に有孔性ポリマー電解質膜を形成
した。正極板表面に形成された有孔性ポリマー電解質膜
の厚みはそれぞれ2、5、8μmであった。正極板表面
に形成した有孔性ポリマー電解質膜の厚みが2μmの正
極板を正極(A)、5μmのものを正極(B)、8μmのも
のを正極(C)とする。 【0043】負極板はつぎのようにして作製した。負極
ペースト組成は、グラファイト81wt%、PVdF9
wt%、NMP10wt%とし、このペーストを幅20
mm、長さ480mm、厚さ14μmの銅箔集電体の両
面に塗布し、90℃で乾燥してNMPを蒸発させて、空
隙率65%の負極板を作製した。 【0044】その後、12wt%のP(VdF/HF
P)をNMPに溶解したポリマー溶液中に負極板を浸漬
し、負極板にポリマー溶液を担持させた。ローラーを通
して負極板表面に付着した余剰なポリマー溶液を除去し
た後、負極板を水に浸漬してNMPの抽出をおこなっ
た。この負極板を取り出し、90℃で乾燥をおこない、
プレスした。プレス後の負極板の厚さは195μmであ
り、有孔性ポリマー電解質を除いた負極板の空隙率は3
5%であった。負極板単位面積当たりに充填された活物
質と導電助剤の合計重量は13mg/cm2であった。 【0045】その後の処理は乾燥工程の温度を90℃と
した以外は上記正極板の場合と同一とし、負極板内部と
負極板表面に有孔性ポリマー電解質を備えた負極板を得
た。正極の場合と同様に、負極板表面に形成した有孔性
ポリマー電解質膜の厚みは2、5、8μmとなった。負
極板表面に形成した有孔性ポリマー電解質膜の厚みが2
μmの負極板を負極(D)、5μmのものを負極(E)、
8μmのものを負極(F)とする。 【0046】上記の工程を経て完成した正極(A)と負
極(D)、正極(B)と負極(E)、正極(C)と負極
(F)間にそれぞれ25、23、15μmの厚みの有孔
性P(VdF/HFP)膜(空隙率55%、HFPは5
%)を挟んで巻回して巻回型極板群とし、これを縦8.
0、横22.0mm、高さ47.0mm、のステンレス
ケース中に挿入して、角形電池を組み立てた。 【0047】その後、1MのLiPF6を含むエチレン
カーボネートとジエチルカーボネートの混合(体積1:
1)電解液2.0gを加え、最後に60℃で48時間エ
ージング処理を行い、公称容量800mAhの、本発明
による電池を用意した。 【0048】正極(A)と負極(D)を組み合わせたも
のを本発明による電池(G)、正極(B)と負極(E)
を組み合わせたものを本発明による電池(H)、正極
(C)と負極(F)を組み合わせたものを本発明による
電池(I)とした。 【0049】上記ステンレスケースには溝を掘り(いわ
ゆる非復帰式の安全弁)、電池の内圧が上昇するとその
溝の部分に亀裂が生じて電池内部のガスが放出されるよ
うにし、電池ケースが破裂しないようにした。 【0050】[比較例1]比較例として、電極内部と電
極表面に有孔性ポリマー電解質を備えない正極と負極を
用い、有孔性P(VdF/HFP)膜を挟んで巻回した
巻回型極板群を備えた電池を作製した。 【0051】正極は次のようにして作製した。実施例1
で使用したのと同じ組成の正極ペ―ストと集電体を使用
し、集電体の両面に正極ペ―ストを塗布し、90℃で乾
燥してNMPを蒸発させて、正極板を準備した。その後
正極板をプレスした。プレス後の正極の厚さは170μ
mであり、単位面積当たりに充填された活物質および導
電助剤の合計重量は21mg/cm2であった。電極の
空隙率は30%であった。 【0052】負極は次のようにして作製した。実施例1
で使用したのと同じ組成の負極ペ―ストと集電体を使用
し、集電体の両面に負極ペ―スト塗布し、90℃で乾燥
してNMPを蒸発させ、その後プレスして負極とした。
プレス後の負極の厚さは195μmであり、単位面積当
たりに充填された活物質および導電剤の合計重量は13
mg/cm2であった。電極の空隙率は35%であっ
た。 【0053】このようにして作製した正極と負極間に、
厚み25μmの有孔性P(VdF/HFP)膜(空隙率
55%、HFPは5%)を挟んで巻回し、巻回型極板群
とし、これを縦8.0、横22.0mm、高さ47.0
mm、のステンレスケース中に挿入して、角形電池を組
み立てた。その後、実施例1で使用したのと同じ電解液
2.0gを加え、最後に60℃で48時間エージング処
理を行い、公称容量800mAhの、従来から公知の電
池(J)を用意した。ステンレスケースには実施例1と
同様に非復帰式の安全弁を備えた。 【0054】[組み立て時の短絡発生率]上記の本発明
による電池(G)、(H)、および(I)、従来から公
知の電池(J)をそれぞれ100個組み立て、内部抵抗
計により短絡の発生個数を確かめた。表2に結果を示
す。 【0055】表2に示したとおり、従来から公知の電池
(J)に比べて、本発明による電池(G)、(H)、お
よび(I)は短絡の発生個数が非常に少なく、電極表面
に有孔性ポリマー電解質を形成することが、正・負極間
の短絡防止に役立つことが明らかとなった。 【0056】[安全性試験]次のような安全性試験の比
較をおこなった。 【0057】本発明による電池(G)および従来から公
知の電池(J)を室温において1CAの電流で4.3V
まで充電し、続いて4.3Vの定電圧で2時間充電した
後、3mm径の釘を電池に刺して貫通させた場合の安全
性試験をおこなった。本発明による電池(G)は安全弁
が作動せず、発煙も生じなかったの対し、従来から公知
の電池(J)は安全弁が破裂し、発煙した。この結果か
ら、本発明による電池が安全性において従来の電池より
も優れていることがわかった。 【0058】 【0059】 【0060】 【0061】 【0062】 【0063】 【0064】 【0065】 【0066】 【0067】 【0068】 【0069】 【0070】 【0071】 【0072】 【0073】 【0074】また、上記実施例では、正極および負極の
いずれもが電極内部および電極表面に有孔性ポリマー電
解質を備えたが、正極のみが電極内部および電極表面に
有孔性ポリマー電解質を備えた本発明による電池、負極
のみが電極内部および電極表面に有孔性ポリマー電解質
を備えた本発明による電池においても、上記実施例と同
様の効果が得られた。 【0075】 【発明の効果】本発明による非水電解質二次電池の製造
方法は、活物質を備えた電極を製造する第1の工程と、
電極内部に有孔性ポリマー電解質を備える第2の工程
と、電極を所定の厚さにプレスする第3の工程と、電極
表面に有孔性ポリマー電解質を備える第4の工程からな
り、前記電極表面の有孔性ポリマー電解質の厚みが8μ
m以下とすることにより、電極とセパレータとの密着性
を向上させることが可能となり、電流分布が向上し、従
来の電池よりも優れた放電特性を示した。 【0076】さらに、電極表面に存在する有孔性ポリマ
ー電解質がクッションとなるために、突き刺し短絡の発
生率、また、位置ずれによるの短絡発生率を減少させる
ことができる。また、従来では機械的強度が弱いために
使用が困難であったP(VdF/HFP)膜などのセパ
レータの利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による非水電解質二次電池に使用する極
板群の断面図。 【図2】本発明による電池(G)、(H)、(I)およ
び従来から公知の電池(J)の放電曲線。 【符号の説明】 1 正極板 2 負極板 3 有孔性ポリマー電解質膜 4 正極集電体 5 正極活物質を含む正極合剤 6 正極板の内部に備えられた有孔性ポリマー電解質 7 正極板の表面に備えられた有孔性ポリマー電解質 8 負極集電体 9 負極活物質を含む極合剤 10 負極板の内部に備えられた有孔性ポリマー電解質 11 負極板の表面に備えられた有孔性ポリマー電解質

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 活物質を備えた電極を製造する第1の工
    程と、電極内部に有孔性ポリマー電解質を備える第2の
    工程と、電極を所定の厚さにプレスする第3の工程と、
    電極表面に有孔性ポリマー電解質を備える第4の工程か
    らなり、前記電極表面の有孔性ポリマー電解質の厚みが
    8μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池
    用電極の製造方法。
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