JP2001015163A - 固体電解質電池 - Google Patents

固体電解質電池

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JP2001015163A
JP2001015163A JP11186837A JP18683799A JP2001015163A JP 2001015163 A JP2001015163 A JP 2001015163A JP 11186837 A JP11186837 A JP 11186837A JP 18683799 A JP18683799 A JP 18683799A JP 2001015163 A JP2001015163 A JP 2001015163A
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solid electrolyte
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negative electrode
positive electrode
electrode active
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English (en)
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Haruaki Ishizaki
晴朗 石崎
Naoki Matsuo
直樹 松尾
Takeharu Kikuchi
健晴 菊池
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し充放電を行う固体電解質二次電池に
おいて、高容量を有し、軽量、かつ形状の自由度に優れ
た固体電解質電池を提供する。 【解決手段】 正極集電体6上に正極活物質層7が形成
されてなる正極10と、負極集電体11上に負極活物質
層12が形成されてなる負極13と、正極10上及び負
極13上に配置される固体電解質層8とを備えてなる固
体電解質電池において、固体電解質層14を、2層以上
の多層構造により構成し、多層構造を有する固体電解質
層14を構成する各層のうち、最も正極活物質層7側及
び負極活物質層12側に位置する固体電解質層8を、数
平均分子量が10万以上50万未満の高分子により構成
し、多層構造を有する固体電解質層を構成する各層のう
ち、正極活物質層7及び負極活物質層12と最も離れて
位置する固体電解質層9を、数平均分子量が50万以上
100万以下の高分子により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系固体電解質
二次電池に関する。詳しくは、電圧が高く、放電エネル
ギーの大きい固体電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用電子機器などを駆動するための電
源として、経済性や省資源の目的から二次電池が使用さ
れ、近年、その用途は急速に拡大しつつある。また、電
子機器の小型化、高性能化に伴い、用いられる電池は小
型、軽量でかつ高容量であることが求められている。
【0003】従来、二次電池としては、鉛電池やニッケ
ルカドミウム電池などが用いられてきたが、これらはエ
ネルギー密度や重量といった課題を克服できていない。
そこで、近年、高エネルギー密度の非水系リチウム二次
電池が実用化されてきた。
【0004】この非水系リチウム二次電池は、充電時に
正極中のリチウムが電解液を介して負極中に吸蔵され、
放電時には、負極中のリチウムが電解液を介して正極中
に吸蔵されるという電気化学的な可逆反応を利用したも
のである。換言すると、リチウムが正極と負極との間を
行き来することにより充放電が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10は、従来の非水
系リチウム二次電池の一構成例を示す縦断面図である。
図10に示す非水系リチウム二次電池は、ニッケルメッ
キを施した鉄製の電池缶43の底部に絶縁板42を挿入
し、その上にセパレータ41を介して負極集電体47に
負極活物質を塗布してなる負極39と正極集電体48に
正極活物質を塗布してなる正極2とを順次積層し、渦巻
型に多数回巻回された巻回体を収納してある。そして、
負極の集電をとるために、ニッケル製の負極リード49
の一端が負極39にされ、他端が電池缶43に溶接され
ている。また、正極の集電をとるために、アルミニウム
製の正極リード50の一端が正極40に取り付けられ、
他端を電池内圧に応じて電流を遮断する電流遮断用薄板
46を介して電池蓋45と電気的に接続してある。そし
て、非水電解液を電池缶43の中に注入し、アスファル
トを塗布した絶縁封口ガスケット44を介して電池缶4
3をかしめることにより電池蓋45が固定されている。
【0006】この非水系リチウム二次電池では、電解液
にリチウム塩を溶解した非水系溶媒が用いられており、
この電解液の漏れを防止するためには、剛性を備えたハ
ード・セルの使用は不可欠であった。しかし、前述した
ように非水系リチウム二次電池の主要な搭載機器は小型
携帯機器であり、軽量化が求められているが、鋼管のよ
うなハード・セルではこれを達成することは不可能であ
る。また、携帯パソコンのような商品は薄型化が進み、
ハード・セルにはそれ自体の厚みがあるために、薄型化
に対する妨げとなっている。
【0007】上述した問題を解消する電池として、最近
は固体電解質二次電池、ポリマ系リチウム二次電池、あ
るいは単にポリマ電池などと呼ばれる電池の開発が盛ん
に行われている。実際の電池では、正負両電極の間に多
孔質のセパレータを介す場合もあるが、基本的には、図
11に示すように、正極集電体上に正極活物質層を形成
した正極電極と、負極集電体上に負極活物質層を形成し
た負極電極とを、正極活物質層及び負極活物質層がセパ
レータと対向するように積層させている。特にゲル電池
などと呼ばれる固体電解質二次電池では、電解液がポリ
マに染み込んだゲル状電解質を用いている。ゲル電池も
含めて電解質層が固体になることで、液漏れの危険性が
少なくなり、その結果として、ハード・セルが不要とな
り、軽量化及び形状の自由度の向上が実現できる。
【0008】しかし、電解質が固体になったために、従
来のハード・セル電池、すなわち液系電池では、問題と
ならなかった固体電解質の活物質層への染み込みが十分
に行われないということ、すなわち、固体電解質層と活
物質層との接触面積が十分に確保できないという新たな
問題が生じている。この現象は、固体電解質層と活物質
層との接触面積が少なくなるために両極間のリチウムが
移動しづらくなるという現象を招き、目的の容量を得ら
れないという問題を引き起こしている。
【0009】そこで、所望の容量を得るためには、固体
電解質と活物質層との接触面積を大きくすることが必要
となる。そのためには、正負両電極の活物質層は、活物
質層全体が電解質層で覆われている必要があり、その被
覆度合いは電池の特性を左右する上で大きな問題とな
る。
【0010】したがって、本発明は、従来の問題に鑑み
て創案されたものであり、繰り返し充放電を行う固体電
解質二次電池において、高容量を有し、軽量、かつ形状
の自由度に優れた固体電解質電池を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る固体電解質
電池は、正極集電体上に正極活物質層が形成されてなる
正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成されてなる
負極と、上記正極上及び上記負極上に配置される固体電
解質層とを備えてなる固体電解質電池において、上記固
体電解質層は、2層以上の多層構造を有し、上記多層構
造を有する固体電解質層を構成する各層のうち、最も正
極活物質層側及び負極活物質層側に位置する固体電解質
層が、数平均分子量が10万以上50万未満の高分子か
らなること、上記多層構造を有する固体電解質層を構成
する各層のうち、正極活物質層及び負極活物質層と最も
離れて位置する固体電解質層が、数平均分子量が50万
以上100万以下の高分子からなることを特徴とする。
【0012】本発明に係る固体電解質電池は、正極活物
質層上及び負極活物質層上に形成される多層構造の固体
電解質層のうち、最も正極活物質層側及び負極活物質層
側に位置する固体電解質層が、数平均分子量が10万以
上50万未満の高分子からなることより、固体電解質層
と正極活物質層及び負極活物質層との接触面積が大きく
なる。また、正極活物質層上及び負極活物質層上に形成
される多層構造の固体電解質層のうち、正極活物質層及
び負極活物質層と最も離れて位置する固体電解質層が、
数平均分子量が50万以上100万以下の高分子からな
ることより正極電極と負極電極との物理的接触が防止さ
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す図におい
ては、特徴的な部分を説明するために、部分的に拡大し
て示しているため、実際の尺度と異なる場合がある。
【0014】図1に本発明を適用した固体電解質電池の
一構成例を示す。
【0015】本発明を適用した固体電解質電池1は、図
2に示すように正極集電体6上に正極活物質層7を形成
することにより正極電極10が形成され、当該正極活物
質層7上に第1固体電解質層8が塗設され、当該第1固
体電解質層8上に第2固体電解質層9が塗設される。そ
して、図3に示すように負極集電体11上に負極活物質
層12を形成することにより負極電極13が形成され、
当該負極活物質層12上に第1固体電解質層8が塗設さ
れ、当該第1固体電解質層8上に第2固体電解質層9が
塗設される。そして上記のように固体電解質層14が形
成された正極電極10と負極電極13とが積層された電
極積層体が、ラミネートフィルム2により電極積層体収
納部5内に密閉されている。そして、正極集電体6には
正極端子3が、負極集電体11には負極端子4がそれぞ
れ接続され、ラミネートフィルム2の周縁部である封口
部に挟み込まれている。
【0016】正極集電体6には、アルミニウム箔、ニッ
ケル箔、ステンレス箔等の金属箔が使用される。これら
の金属箔は、多孔性金属箔とすることが好ましい。金属
箔を多孔性金属箔とすることで、集電体と電極層との接
着強度を高めることができる。このような多孔性金属箔
としては、パンチングメタルやエキスパンドメタルの
他、エッチング処理によって多数の開口部を形成した金
属箔等を用いることができる。
【0017】正極活物質層7を構成する正極活物質は、
軽金属イオンをドープ・脱ドープすることが可能な材料
であれば特に限定されることはなく、目的とする電池の
種類に応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子
を用いることができる。
【0018】例えばリチウムイオン電池を構成する場
合、正極活物質としては、TiS2、MoS2、NbSe
2、V25等のリチウムを含有しない金属酸化物あるい
は硫化物を使用することができる。また、LixMO
2(式中Mは1種以上の遷移金属を表し、xは電池の充
放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.10
以下である。)やLiNipM1qM2rMO2(式中M
1、M2はAl、Mn、Fe、Co、Ni、Cr、Ti
及びZnからなる群より選ばれた少なくとも1種の元
素、又はP、B等の非金属元素でも良い。そして、p、
q、rはp+q+r=1の条件を満たす。)を主体とす
るリチウム複合酸化物等を用いることもできる。このリ
チウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、C
o、Ni、Mn等が好ましい。特に高電圧、高エネルギ
ー密度が得られ、サイクル特性にも優れることから、リ
チウム・コバルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合
酸化物を用いることが好ましい。このようなリチウム・
コバルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物の
具体例としてはLiCoO2、LiNiO2、LiNiy
Co1-y2(式中、0<y<1である。)、LiMn2
4等を挙げることができる。また、正極活物質層7に
は、これらの正極活物質の複数種をあわせて使用しても
良い。
【0019】正極に用いられる結着剤としては、例え
ば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。
【0020】正極に用いられる導電材としては、例え
ば、グラファイト等を用いることができる。
【0021】上記正極活物質の正極集電体6への塗布
は、必要に応じて正極集電体6の両面に行っても良い
し、また、所望の密度を得るために、正極活物質を塗布
した後にプレスを行っても良い。
【0022】正極活物質の正極集電体6への塗布は、片
面塗布を行う場合は、例えば図4に示すような片面逐次
塗布装置20を用いて行うことができる。図4に示す片
面逐次塗布装置20では、巻き出しロール21より押し
出された正極集電体6がコータ・ヘッド22により正極
活物質を塗布され、その後、ドライヤ23により溶剤が
乾燥され、巻き取りロール24により巻き取られる。ま
た、両面逐次塗布を行う場合は、例えば図4に示すよう
な片面逐次塗布装置20を用いて行うことができ、両面
同時塗布を行う場合は、例えば図5に示すような両面同
時塗布装置25を用いて行うことができる。図5に示す
両面同時塗布装置25では、巻き出しロール21より押
し出された正極集電体6が、正極集電体6の両面に位置
するコータ・ヘッド22により正極活物質6を同時に塗
布され、その後、ドライヤ23により溶剤が乾燥され、
巻き取りロール24により巻き取られる。
【0023】また、塗布方式は、上記のような押し出し
方式に限定されるものではなく、グラビア方式、スクリ
ーン方式等も用いることができる。
【0024】正極集電体6に正極活物質を塗布した正極
電極10にプレスを行う場合は、例えば図6に示すよう
なプレス装置26を用いることができる。図6のプレス
装置26においては、巻き出しロール27から押し出さ
れた正極電極10は、2つのプレス・ロール28間で1
回プレスされ、巻き取りロール29により巻き取られ
る。プレスの方法は、図6に示すような方式に限定され
るものではなく、例えば所望の塗膜が得られるように多
段式のプレス機を用いたり、また、プレス効率を向上さ
せるため電極を加熱しながらプレスを行う等種々の方式
を用いることができる。
【0025】負極集電体11には、銅箔、ニッケル箔、
ステンレス箔等の金属箔が使用される。これらの金属箔
は、多孔性金属箔とすることが好ましい。金属箔を多孔
性金属箔とすることで、集電体と電極層との接着強度を
高めることができる。このような多孔性金属箔として
は、パンチングメタルやエキスパンドメタルの他、エッ
チング処理によって多数の開口部を形成した金属箔等を
用いることができる。
【0026】負極活物質層12を構成する負極活物質
は、イオンをドープ・脱ドープ可能な材料であれば、特
に限定されるものではない。負極活物質と、必要に応じ
て結着剤と導電材とを有する。例えば、リチウム、ナト
リウム等のアルカリ金属やそれらを含有する合金、及び
充放電反応に伴いリチウム等のアルカリ金属をドープ・
脱ドープする材料を用いることができる。後者の例とし
ては、具体的にはポリアセチレン、ポリピロール等の導
電性ポリマ、熱分解炭素類、コークス類、カーボンブラ
ック、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体、炭素繊維
等の炭素材料を用いることができる。上記有機高分子化
合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等の有機
高分子材料を、不活性ガス中、あるいは真空中において
500℃以上の適当な温度で焼成したものをいう。上記
コークス類には、石油コークス、ピッチコークス等があ
る。上記カーボンブラックには、アセチレンブラック等
がある。そして、その中でも単位体積あたりのエネルギ
ー密度が大きいという特性から、炭素材料を用いること
が望ましい。
【0027】負極に用いる結着剤としては、例えば、ポ
リフッ化ビニリデン(PVdF)やポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)等を用いることができる。
【0028】負極に用いられる導電材としては、例え
ば、グラファイト等を用いることができる。
【0029】そして、負極活物質の負極集電体11上へ
の塗布は、上述した正極活物質を正極集電体6上へ塗布
する場合と同様にして行うことができる。
【0030】第1固体電解質層8を構成する固体電解質
は、数平均分子量が10万以上50万未満、より好まし
くは40万以下の高分子及び当該高分子に可溶性の電解
質塩及び溶剤からなることが好ましい。これにより、第
1固体電解質層8を塗設するための第1固体電解質用塗
料の粘度が低く保たれるため、第1固体電解質用塗料を
正極活物質及び負極活物質に塗布した際、当該正極活物
質及び負極活物質に対する第1固体電解質用塗料の浸透
性が良好になり、正極活物質及び負極活物質に対して染
み込みやすくなる。高分子の数平均分子量を10万以上
としたのは、高分子の数平均分子量を10万以上とする
ことにより、架橋可能な官能基を含有せず、高分子鎖の
絡み合いだけで固体化するからである。また、固体電解
質の場合、通常、固体電解液を作製する際に混合する溶
媒を完全に乾燥させることが好ましいが、ゲル状固体電
解質を用いた場合、溶媒が完全に乾燥してしまうと良好
な電池特性を得ることができない。そのため、ゲル状固
体電解質を用いる場合は、ゲル状固体電解質の電解液保
持率が100%前後において安定していることが好まし
い。すなわち、電解液中の溶媒は乾燥することなく残留
していることが好ましい。ここで、高分子の数平均分子
量が小さくなるにしたがい、溶媒の乾燥状態の制御は難
しくなり、高分子の数平均分子量が10万未満の場合、
溶媒の乾燥状態の制御が困難になる。したがって、上記
のことを考慮すると、ゲル状固体電解質の電解液保持率
を制御するには、高分子の平均分子量は、10万以上と
することが好ましい。また、高分子の数平均分子量を5
0万未満としたのは、高分子の数平均分子量が50万を
超えると、第1固体電解質用塗料の粘度が高くなりすぎ
正極活物質及び負極活物質に塗布した際の浸透性が悪く
なり、正極活物質及び負極活物質に対して染み込みにく
くなるからである。したがって、高分子の数平均分子量
を10万以上50万未満とすることで、第1固体電解質
用塗料の粘度を良好に保つことができるため、正極活物
質及び負極活物質への浸透性を良好になり、正極活物質
及び負極活物質に対して染み込みやすくなる。その結
果、正極活物質及び負極活物質と、固体電解質層14と
の接触面積を大きく取ることができ、優れた電池容量を
得ることができる。
【0031】上記高分子としては、ポリフッ化ビニリデ
ン、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重
合体、エチレンオキサイド、変性エチレンオキサイド及
びポリアクリロニトリル等を用いることができる。
【0032】上記電解質塩としては、電解質塩自体が上
記高分子に溶解して、イオン導電性を示すものであれ
ば、特に限定されるものではない。例えば、リチウム塩
を電解質とする場合は、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化
ヒ素リチウム(LiAsF6)、四フッ化ホウ酸リチウ
ム(LiBF4)トリフルオロメタンスルホン酸リチウ
ム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホ
ニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]等、従
来公知のリチウム塩を用いることができる。また、ナト
リウム等の他のアルカリ金属塩も電解質塩として用いる
ことができる。
【0033】第1固体電解質に用いる溶剤としては、有
機溶剤を好ましく用いることができ、γ−ブチロラクト
ン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ジメチルカーボネートジエチルカーボネート及びエチル
メチルカーボネート等を用いることができる。
【0034】以上により構成された第1固体電解質層8
は、数平均分子量が10万以上50万未満の高分子から
なることより、第1固体電解質用塗料の粘度が低く保た
れる。そして第1固体電解質用塗料は、粘度が低く保た
れるため、固体電解質電池を構成する際、正極活物質及
び負極活物質上に塗布された際、浸透性が良好になり、
正極活物質及び負極活物質に対して染み込みやすくな
る。そのため、固体電解質正極活物質及び負極活物質と
の接触面積を大きくするとともに接触状態を良好にする
ため、固体電解質電池の電極利用率を大きくする。
【0035】第2固体電解質層9を構成する固体電解質
は、数平均分子量が50万以上100万以下、より好ま
しくは60万以上の高分子及び当該高分子に可溶性の電
解質塩及び溶剤からなることが好ましい。これにより第
2固体電解質層9は、正極電極と負極電極との物理的接
触を防ぎ、内部短絡を阻止できる程度に強い強度を有す
る。高分子の数平均分子量を50万以上としたのは、高
分子の数平均分子量が50万未満の場合、固体電解質の
強度が弱く、正極電極と負極電極との物理的接触を完全
に防止できない可能性があるからである。また、高分子
の数平均分子量が大きすぎる場合、固体電解質用塗液の
粘度が高くなり塗布性が悪くなる、粘度を下げるために
急激に希釈するとゲル状の固まりができやすい、溶剤量
を多くすると継子状のものができやすい、粘度の高いも
の、すなわち高分子の数平均分子量が大きいものほどレ
ベリング性等が悪くなる等の問題が生じてくる。そのた
め、上記の事柄を勘案すると高分子の数平均分子量は、
100以下であることが好ましい。
【0036】上述したような第1固体電解質層8及び第
2固体電解質層9は、上述した正極活物質を塗布する場
合と同様にして塗布することができる。また、図7に示
すような片面逐次二層同時塗布装置30を用いることも
できる。片面逐次二層同時塗布装置30では、巻き出し
ロール21より押し出された正極電極6が、まず第1コ
ータ・ヘッド31により第1固体電解質用塗料が塗布さ
れ、次いで、第1コータ・ヘッド31の後段に位置する
第2コータ・ヘッド32により第2固体電解質用塗料が
第1固体電解質用塗料上に塗布され、その後、ドライヤ
23により溶剤が乾燥され、巻き取りロール24により
巻き取られる。
【0037】また、上記のような第1固体電解質層8及
び第2固体電解質層9においては、固体電解質層14を
構成する際に多孔質フィルムや不繊布を用いていないた
め、電解質層の導電率が低下することがない。
【0038】したがって、本発明に係る固体電解質電池
は、正極集電体6上及び負極集電体11上に形成された
正極活物質上及び負極活物質上に第1固体電解質層8を
形成し、第1固体電解質層8上に第2固体電解質層9を
形成し、第1固体電解質層8と第2固体電解質層9との
2層により固体電解質層14を構成することにより、固
体電解質層14と、正極活物質7層及び負極活物質層1
2との接触面積を大きくし、内部短絡を防止する構造が
構成される。
【0039】そして、電池素子を構成するには、第1固
体電解質層8及び第2固体電解質層9が形成されたした
正極電極10及び負極電極13の各集電体部分にリード
線を接続し、さらに互いの第2固体電解質層9が対向す
るように重ね合わせればよい。この重ね合わせ方として
は、所望の大きさに切り取られた各電極を重ね合わせる
方法や、重ねた電極を巻く、もしくは、折り畳む方法な
どがある。ここで、正極活物質層と負極活物質層とをよ
り確実に隔てるために、正極電極10と負極電極11と
の間にセパレータを挟み込んでも良い。セパレータとし
ては、従来の液系リチウム二次電池に用いられているポ
リエチレンやポリプロピレンからなる微多孔膜等を用い
ることができる。
【0040】以上のようにして作製した電池素子は、ラ
ミネート・フィルム2等の間に挟み込み、電池素子が外
気と接触しないようにシールが施され、完成電池とされ
る。ここで、ラミネート・フィルム2としては、アルミ
蒸着したラミネート・フィルムなどを用いることができ
る。
【0041】上記においては、固体電解質層が、第1固
体電解質層と第2固体電解質層との2層構造からなる固
体電解質層電池の一構成例について説明したが、本発明
に係る固体電解質電池は、正極集電体上に正極活物質が
形成されてなる正極と、負極集電体上に負極活物質が形
成されてなる負極と、正極上及び負極上に配置される固
体電解質層とを備えてなる固体電解質電池において、固
体電解質層は、2層以上の多層構造を有し、多層構造を
有する固体電解質層を構成する各層のうち、最も正極活
物質層側及び負極活物質層側に位置する固体電解質層
が、数平均分子量が10万以上50万未満の高分子から
なり、多層構造を有する固体電解質層を構成する各層の
うち、正極活物質層及び負極活物質層と最も離れて位置
する固体電解質層が、数平均分子量が50万以上100
万以下の高分子からなる構成とした場合においても、上
記と同様の効果が得られる。
【0042】そして、電池構成については、上記より特
に限定されるものではなく、巻型、積層型、円筒型、角
形、コイン型、ボタン型等種々の形状に適用しても同様
の効果が得られる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、実験
結果に基づいて説明する。
【0044】実施例1 以下では、固体電解質層を構成する高分子の数平均分子
量が異なる2種類の固体電解質により固体電解質層が形
成された固体電解質電池を作製し、電池特性を評価し
た。
【0045】まず初めに、正極電極を下記のようにして
作製した。
【0046】 LiCoO2(平均粒径10μm) 100重量部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 5重量部 カーボンブラック(平均粒径15nm) 10重量部 N−メチル−2−ピロリドン 100重量部 上記組成の懸濁液をディスパにて4時間混合し、これを
図4に示す片面逐次塗布装置20を用いて厚さ20μm
のアルミニウム箔の両面にパターン塗布して正極活物質
層を形成した。塗布パターンは、図8に示すように正極
電極第1面33及び正極電極第2面34の両面とも塗布
長190mm、未塗布部分長20mmの繰り返しで、両
面の塗布位置が一致するように制御して塗布した。両面
塗布後の電極原反は、線圧300kg/cmでプレスし
て正極電極を作製した。片面正極活物質層の厚みは、プ
レス後で50μmであった。
【0047】次に、負極電極を下記のようにして作製し
た。
【0048】 人造グラファイト(平均粒径20μm) 100重量部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 15重量部 N−メチル−2−ピロリドン 200重量部 上記組成の懸濁液をディスパにて4時間混合し、これを
図4に示す片面逐次塗布装置20を用いて厚さ10μm
の銅箔の両面にパターン塗布して負極活物質層を形成し
た。塗布パターンは、図9に示すように負極電極第1面
36は塗布長230mm、未塗布部分長35mmの繰り
返しで、負極電極第2面37は、塗布長160mm、未
塗布部長105mmの繰り返しで、負極電極第1面36
の塗布終了位置と負極電極第2面37の塗布開始位置が
一致するように塗布した。塗布後の電極原反は線圧30
0kg/cmでプレスして負極電極を作製した。片面活
物質層の厚みは、プレス後で55μmであった。
【0049】次に第1固体電解質層用ゲル状電解質溶液
及び第2固体電解質層用ゲル状電解質溶液を下記のよう
にして作製した。
【0050】 第1固体電解質層用ゲル状電解質溶液 ポリマ(※1) 100重量部 電解液(※2) 500重量部 ジメチルカーボネート(DMC) 2000重量部
【0051】 第2固体電解質層用ゲル状電解質溶液 ポリマ(※1) 100重量部 電解液(※2) 500重量部 ジメチルカーボネート(DMC) 1000重量部 ※1:ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体で、ヘキサ フルオロプロピレン含有量6重量部のポリマであり、分子量20万 、 50万、70万の3種類のポリマを混合して使用した。
【0052】 ※2:電解質:LiPF6 電解質濃度:1.2mol/l 溶剤:エチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート (PC)/γ−ブチロラクトン(GBL)を4:4:2の比率で混合 して使用した。
【0053】上記の2種類の組成の固体電解質層用ゲル
状電解質溶液を70℃に加熱した状態でディスパにて3
時間混合して、これを図7に示す片面逐次二層同時塗布
装置30を用いて上記にて作製した正極電極及び負極電
極のそれぞれの活物質層上に塗布することにより固体電
解質層を形成した。この時、第1コーター・ヘッド31
からは、第1固体電解質層用ゲル状電解質溶液の塗料
を、第2コーター・ヘッド32からは、第2固体電解質
層用ゲル状電解質溶液の塗料を塗布し、ドライヤ23に
よる乾燥は、DMCだけが蒸発するように調節した。各
層の塗布量は、DMC蒸発後において、第1固体電解質
層は、第1固体電解質層用ゲル状電解質溶液のゲル成分
が電極活物質に全て染み込む程度に調節した。また、第
2固体電解質層は、第1固体電解質層と合わせた厚みが
20μmとなるように調節した。また、第1固体電解質
層用ゲル状電解質溶液及び第2固体電解質層用ゲル状電
解質溶液を構成するポリマ組成は表1に示すような組み
合わせで数種類を組み合わせて行った。
【0054】次に固体電解質層を形成した正極電極を6
0mm幅に裁断した。また、固体電解質層を形成した負
極電極を62mm幅に裁断した。次に、正極電極は正極
電極第2面における活物質の塗布始め位置で、負極電極
は、負極電極第2面における活物質の塗り始め位置で切
断した。そして切断した正極電極に対して、正極活物質
塗布部の塗り際から5mm離れた集電体上にリード線を
溶着し、ゲル状電解質塗布済み短冊状正極電極及び短冊
状負極電極を作製した。また、切断した負極電極に対し
ては、負極電極第1面の負極活物質塗布初め部の裏面に
リード線を溶着し、ゲル状電解質塗布済み短冊状正極電
極及び短冊状負極電極を作製した。
【0055】短冊状負極電極のリード線溶着部反対側の
負極電極第1面と、正極のリード線溶着側が30mmだ
け重なるように貼り合わせ、重なった部分を芯として重
ね合わせた状態で折り畳むことにより電池素子を作製し
た。正極電極と負極電極との長さの違いの関係から、最
外周は、負極集電体が表面に露出している。
【0056】最後に電池素子をラミネート・フィルムで
覆うように挟み込んだ後、ラミネート・フィルム同士を
溶着することにより図1に示すような電池を作製した。
電池素子を組み込んだ後、2時間以内に0.2C定電流
で4.2Vまで充電した後、さらに4.2Vの定電圧条
件で1時間充電を行った。その後、40℃の環境下にお
いて24時間放置した後、放電電流0.2Cで電圧3.
0Vまで放電させ、完成電池とした。
【0057】<特性評価>上記のようにして作製したゲ
ル状電解質塗布済み電極及び完成電池に対して、下記の
ような測定、評価を行った。
【0058】ゲル成分染み込み検査正極電極及び負極電
極の活物質層から集電体をはがし、活物質層をEDX−
EPMA(使用機種:Philips社製XL−30FEG
(SEM部)+Philips社製EDAX・DX4i(XM
A部))を用いて、活物質層の集電体界面側から燐(電
解質に起因する)が検出されるか否かで、ゲル成分の電
極への染み込みを確認した。その結果を表1に示す。な
お、表1における評価記号は以下のような意味とする。
【0059】 ○:ほぼ全面から十分な強度で燐が検出される。 △:部分的に燐が検出される、もしくは、検出されるが
強度が弱い。 ×:燐はほとんど検出されない。
【0060】電池容量評価 上記のようにして作製した電池を、0.2C電流で電池
電圧4.2Vまで充電した後、さらに4.2Vの定電圧
で1時間充電した。放電は、放電電流0.2C、カット
電圧3.0Vにおいて行い、電池容量を求め、正極活物
質から算出した設計容量に対する比率を求めた。その結
果を表1に示す。
【0061】自然放電検査(内部ショート検査) 電池容量を求めた後、電池容量評価の際と同条件で充電
を行い、その後、一般環境(25℃、60RH%)にお
いて放置し、4時間後と10日後の電圧を測定した。そ
して、電圧の降下分を自然放電率とし、この値が10%
を超えたものを不良とした。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】第1固体電解質層用ゲル状電解質に関して
は、表1から分かるように、第1固体電解質層用ゲル状
電解質を構成するポリマの数平均分子量が50万を下回
るあたりから、電極の集電体界面でゲル状電解質の燐が
検出され、電池容量も設計値の90%を超えるようにな
る。さらに、数平均分子量が40万を下回るあたりか
ら、ゲル状電解質の燐は確実に検出され、電池容量もほ
ぼ設計通りの値が得られるようになった。すなわち、ゲ
ル状電解質を2回に分けて活物質層上に塗設する場合、
初めに塗設するゲル状電解質層を形成するポリマの数平
均分子量は、50万未満であることが好ましいことがわ
かった。そして、より好ましくは40万以下であること
がわかった。なお、ここで、ゲル状電解質の数平均分子
量が小さいほどゲル状電解質の電極の活物質層への染み
込みや電池容量特性が良くなる理由は、ゲル状電解質は
分子量が小さい方が粘度が低くなるため、浸透性が良く
なるためである。また、分子量の大きいポリマを用いた
場合においても希釈すれば浸透性を上げることができる
が、必要以上の希釈は、溶剤の使用量が増すだけでな
く、乾燥温度の上昇など、作業性、コストの観点から好
ましくない。
【0064】次に、第2固体電解質層用ゲル状電解質に
関しては、表1からわかるように、第2固体電解質層用
ゲル状電解質の数平均分子量が50万を超えるあたりか
らショート不良率は急激に低下してきており、さらに、
数平均分子量が60万を超えるあたりでショート不良率
はほぼなくなっている。すなわち、ゲル状電解質を2回
に分けて塗設する場合、後に塗設するゲル状電解質層を
形成するポリマ数平均分子量は、50万以上であること
が好ましいことがわかった。そして、より好ましくは、
60万以上であることがわかった。なお、ここで、ゲル
状電解質の数平均分子量が大きくなるほどショート不良
率が低下する理由は、ゲル状電解質は数平均分子量が大
きいほど分子同士の絡み合いが複雑になり、強度が強く
なるためである。
【0065】以上のことから、電極にゲル状電解質層を
2回塗設することにより電解質層を形成する固体電解質
電池においては、初めに塗設する電解質層は、電極の活
物質層への染み込みを良くするために、ゲル状電解質の
数平均分子量を小さくすることが効果的であり、後に塗
設する電解質層は、電極同士の物理的接触を防止するた
めに、ゲル状電解質の数平均分子量を大きくすることが
効果的であることが分かった。
【0066】実施例2 下記の組成のゲル状電解質溶液を70℃加熱状態でディ
スパにて3時間混合し、これをガラス板上に流延し、6
0℃に保たれた恒温槽に入れて乾燥させた。そして、乾
燥時間を変化させることにより、乾燥時間とゲル電解質
重量の関係を調べた。その結果を表2に示す。
【0067】ゲル状電解質溶液組成 ポリマ 1重量部 電解液 4重量部 DMC 10重量部
【0068】
【表2】
【0069】表2より、ゲル状電解質溶液を構成するポ
リマの数平均分子量が小さくなるにしたがってゲル電解
質の乾燥速度は速くなっていることがわかる。このこと
より、ポリマの数平均分子量が小さいほどゲル状電解質
溶液の乾燥状態を制御することが難しくなることがわか
る。
【0070】実施例3 実施例2において作製したゲル状電解質溶液をガラス板
上に流延し、60℃に保たれた恒温槽に入れて乾燥させ
た。ゲル状電解質の電解液保持率が100%前後になっ
たところで恒温槽より取り出し、ドライルーム(室温2
5℃、露点約−45℃)内に24時間放置し、電解液保
持率を調べた。その結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表3より、ゲル状電解質溶液を乾燥させた
後に放置した場合、ゲル電解質溶液を構成するポリマの
数平均分子量が大きいほど電解液の保持率が高くなって
おり、ゲル状電解質を構成するポリマの数平均分子量が
大きいほど電解質としての電解液の保持能力が優れてい
ることがわかった。これより、電極の活物質上にゲル状
電解質溶液を塗布することによりゲル状電解質層を形成
して電池を形成する場合、ゲル状電解質層の乾燥が終了
してから電極を電池に組み込むまでの許容時間は、ゲル
状電解質を構成するポリマの数平均分子量が大きいもの
ほど長く取ることができ、作業工程上好ましいことがわ
かった。
【0073】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る固体電解質電池は、正極集電体上に正極活物質層が形
成されてなる正極と、負極集電体上に負極活物質層が形
成されてなる負極と、正極上及び負極上に配置される固
体電解質層とを備えてなる固体電解質電池において、固
体電解質層は、2層以上の多層構造を有し、多層構造を
有する固体電解質層を構成する各層のうち、最も正極活
物質層側及び負極活物質層側に位置する固体電解質層
が、数平均分子量が10万以上50万未満の高分子から
なり、多層構造を有する固体電解質層を構成する各層の
うち、正極活物質層及び負極活物質層と最も離れて位置
する固体電解質層が、数平均分子量が50万以上100
万以下の高分子からなる。
【0074】多層構造を有する固体電解質層を構成する
各層のうち、最も正極活物質層側及び負極活物質層側に
位置する固体電解質層は、数平均分子量が10万以上5
0万未満の高分子からなることより、正極活物質及び負
極活物質に塗布した際、当該正極活物質及び負極活物質
に対する浸透性が良好になり、正極活物質及び負極活物
質に対して染み込みやすくなる。そのため、固体電解質
層と活物質層との接触面積が大きくするとともに接触状
態を良好にする。
【0075】多層構造を有する固体電解質層を構成する
各層のうち、正極活物質層及び負極活物質層と最も離れ
て位置する固体電解質層が、数平均分子量が50万以上
100万以下の高分子からなることより、正極電極と負
極電極との物理的接触を防ぎ、内部短絡を阻止できる程
度に強い強度を有する。
【0076】したがって、本発明によれば、活物質層と
電解質層との接触面積を大きく取り、正極電極と負極電
極との接触による内部短絡を防止し、高容量を有し、軽
量、かつ形状の自由度に優れた固体電解質電池を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した固体電解質電池の一構成例の
斜視図である。
【図2】正極電極に第1固体電解質層及び第2固体電解
質層を形成した状態を示す断面図である。
【図3】負極電極に第1固体電解質層及び第2固体電解
質層を形成した状態を示す断面図である。
【図4】片面逐次塗布装置の概略構成図である。
【図5】両面同時塗布装置の概略構成図である。
【図6】プレス装置の概略構成図である。
【図7】片面逐次二層同時塗布装置の概略構成図であ
る。
【図8】アルミニウム箔の両面に正極活物質を塗布した
状態を示す断面図である。
【図9】銅箔の両面に負極活物質を塗布した状態を示す
断面図である。
【図10】従来の非水系リチウム二次電池の一構成例を
示す縦断面図である。
【図11】ゲル電池の一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
5 電極積層体収納部、7 正極活物質層、8 第1固
体電解質層、9 第2固体電解質層、10 正極電極、
12 負極活物質層、13 負極電極、14固体電解質
層、21 巻き出しロール、22 コータ・ヘッド、2
3 ドライヤ、24 巻き取りロール、33 正極電極
第1面、34 正極電極第2面、36負極電極第1面、
37 負極電極第2面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 健晴 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK18 AL06 AL12 AL16 AM00 AM03 AM07 AM16 BJ04 BJ12 CJ22 DJ04 DJ07 EJ01 EJ12 HJ00 HJ11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体上に正極活物質層が形成され
    てなる正極と、 負極集電体上に負極活物質層が形成されてなる負極と、 上記正極上及び上記負極上に配置される固体電解質層と
    を備えてなる固体電解質電池において、 上記固体電解質層は、2層以上の多層構造を有し、 上記多層構造を有する固体電解質層を構成する各層のう
    ち、最も正極活物質層側及び負極活物質層側に位置する
    固体電解質層が、数平均分子量が10万以上50万未満
    の高分子からなり、 上記多層構造を有する固体電解質層を構成する各層のう
    ち、正極活物質層及び負極活物質層と最も離れて位置す
    る固体電解質層が、数平均分子量が50万以上100万
    以下の高分子からなることを特徴とする固体電解質電
    池。
  2. 【請求項2】 上記正極と上記負極との間にセパレータ
    が配されることを特徴とする請求項1記載の固体電解質
    電池。
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