JP2002042262A - 火災検知器 - Google Patents

火災検知器

Info

Publication number
JP2002042262A
JP2002042262A JP2000231456A JP2000231456A JP2002042262A JP 2002042262 A JP2002042262 A JP 2002042262A JP 2000231456 A JP2000231456 A JP 2000231456A JP 2000231456 A JP2000231456 A JP 2000231456A JP 2002042262 A JP2002042262 A JP 2002042262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
test
fire detector
disturbance
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000231456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3980816B2 (ja
Inventor
Masato Aizawa
真人 相澤
Hidenari Matsukuma
秀成 松熊
Keiichi Kawaguchi
圭一 川口
Masahiko Nemoto
雅彦 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hochiki Corp filed Critical Hochiki Corp
Priority to JP2000231456A priority Critical patent/JP3980816B2/ja
Publication of JP2002042262A publication Critical patent/JP2002042262A/ja
Priority to US10/743,388 priority patent/US20040137945A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3980816B2 publication Critical patent/JP3980816B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱光に影響されることなく正確な試験を行っ
て誤報や失報を防ぐようにする。 【解決手段】試験処理部35は、試験時に、試験光源を
所定周波数で点滅又は明滅し、透光性窓を介して検知セ
ンサで受光した試験光の受光検知信号により、透光性窓
の汚損状態を検出して外部に出力すると共に、受光検知
信号を汚損補償するための回路条件を調整する。外乱光
処理部36は、試験光の受光検知信号から外乱光の影響
を検出して処理する。即ち、試験中に得られた受光検知
信号から外乱光の影響を受けた信号部分を除去したり、
外乱光の影響を判定して、その試験を無効化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視区域内の火災
を検知する火災検知器に関し、特に、検知センサを内部
に備えた透光性窓の汚損状態を試験により監視する機能
を備えた火災検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定の監視対象物、例えばトンネ
ル内の壁面や天井にはトンネル内の火災を検出する火災
検知器が設置され、トンネル長手方向の両側区域の火災
を検出している。このような火災検知器としては、炎か
らの光や放射熱を受ける検知センサを用いて火災を検出
し、防災受信盤へ火災信号を送出する。
【0003】火災の検出の方法としては、特定の波長帯
の受光エネルギーが閾値以上かを検出する方法や、複数
の波長帯域の受光エネルギーを検出して相対比較で火災
判断するものなどがある。火災検知器は両側の監視区域
の火災を検出するために、左右別々の検知センサで火災
を検出している。
【0004】このような火災検知器は、車が頻繁に通る
トンネル内に設置されるものであるから、検知センサが
汚れないように筐体内に納め、検知センサの前面に光を
入射させる透光性窓を設けている。しかし、トンネル内
では火災検知器の筐体にゴミが付着して汚損するため、
透光性窓が汚れて光の透過率が徐々に減少し火災検出が
できなくなる。
【0005】そこで、火災検知器には受光窓の外部に試
験光源を設け、定期的に発光させ筐体内部の検知センサ
で受光して、透光性窓の汚損状態を検出して、防災受信
盤に汚損信号を送信する。また、火災検知器は試験時の
受光出力のレベルに応じて、感度を調整して透光性窓の
汚れ具合に応じた感度補償を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の火災検知器にあっては、試験時において偶然
に試験を行っている火災検知器の前を車が通ったり、外
部から何らかの光が入射するなどした場合には、検知セ
ンサの受光出力が正しいものとならず、この状態では正
しい感度補償が行われないし、または汚損などの異常を
検出できず、誤報や失報につながることがある。
【0007】本発明は、火災検知器の試験において、外
乱光に影響されることなく正確な試験を行って誤報や失
報を防ぐようにした火災検知器を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。
【0009】本発明の火災検知器は、所定の監視エリア
を視野とする透光性窓と、透光性窓内に配置され、光エ
ネルギーを電気信号に変換して受光検知信号として出力
する検知センサと、検知センサから出力される受光検知
信号に基づいて火災の判定を行う火災判定部と、透光性
窓の外側近傍に設けられた試験光源と、試験時に、試験
光源を所定周波数で点滅又は明滅し、透光性窓を介して
検知センサで受光した試験光の受光検知信号により、透
光性窓の汚損状態を検出して外部に出力すると共に、受
光検知信号を汚損補償するための回路条件を調整する試
験処理部とを備える。
【0010】このような火災検知器につき本発明は、試
験光の受光検知信号から外乱光の影響を検出して処理す
る外乱光処理部を設けたことを特徴とする。この外乱光
処理部は、試験中に得られた受光検知信号から外乱光の
影響を受けた信号部分を除去する。即ち、外乱光処理部
は、試験時に得られる受光検知信号の上下のピーク値の
各々を抽出して上下の平均ピーク値を算出し、各平均ピ
ーク値に近い上下のピーク値の一部を抽出することで外
乱光の影響を受けた上下のピーク値を除去する。外乱光
処理部は、外乱光の影響を受けた信号を除去した残りの
上下のピーク値から受光検知信号の振幅値を算出し、透
光性窓に汚れのない状態で検出された受光検知信号の振
幅初期値により、透光性窓の汚損状態を示す減光率を算
出する。
【0011】このように本発明は、試験時に得られた受
光検知信号が車両のヘッドライト等による外乱光の影響
を受けていたとしても、外乱光の影響を受けた異常な信
号の部分が除去されることとなり、外乱光を受けても、
これに影響されることなく正確な試験結果を得ることが
でき、汚損警報の誤報や汚損補償が適切に行われないこ
とによる失報を防ぐことができる。
【0012】また外乱光処理部は、試験中に外乱光の影
響を受けた受光検知信号を判定した場合、このときの試
験処理を無効と反対する。この場合、外乱光処理部は、
試験中に得られた受光検知信号の上下の各ピーク値のば
らつきが大きい場合に、外乱光の影響ありと判定する。
【0013】また外乱光処理部は、試験中に得られた受
光検知信号の振幅検出値が、透光性窓に汚れのない状態
で検出された受光検知信号の振幅初期値に所定の係数を
乗じた閾値を越えた場合に、外乱光の影響ありと判定す
る。
【0014】このように外乱光の影響を受けたことを判
定した場合に、このときの試験処理を無効とすること
で、そのとき得られた試験結果を採用せず、再試験等で
対応でき、外乱光に影響されることなく正確な試験結果
を得ることができる。
【0015】本発明の火災検知器は、更に、透光性窓の
内側に内部試験光源を設けた場合、試験処理部は、試験
時に、外部光源による試験後に、必要に応じて内部試験
光源を所定周波数で点滅又は明滅し、検知センサで受光
した試験光の受光検知信号により試験処理を行うように
する。この場合、外乱光処理部は内部試験光の受光検知
信号についても、外乱光の影響を検出して処理する。こ
の状態の詳細は、外部からの試験光による試験の場合と
同じになる。
【0016】また本発明の火災検知器は、検知センサと
して検出波長帯域に異なる少なくとも2つの検知センサ
を設けた所謂2波長方式の場合、試験光源からの試験光
を検知センサの一方のみに入射するように配置し、外乱
光処理部は、試験時に試験光が入射しない他の検知セン
サから受光検知信号が得られた場合、外乱光の影響あり
と判定して試験無効と判定するか又は外乱光の影響を受
けた信号部分の除去を行うようにしてもよい。
【0017】更に、本発明の火災検知器は、検知センサ
として検出波長帯域に異なる少なくとも2つの検知セン
サを設けた所謂2波長方式又は多波長方式の場合、外乱
光処理部は試験光による各検知センサからの受光検知信
号の各々に対し外乱光の影響を検出して処理することに
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の火災検知器が使用
されるトンネル防災設備の概略構成の説明図である。図
1において、監視室などに設置された防災受信盤1から
はトンネル5に対し伝送路2が引き出され、トンネル5
のトンネル壁面5aに沿って所定間隔Lで設置した本発
明の火災検知器3を接続している。
【0019】火災検知器3は、トンネル長手方向に沿っ
た左右2つの所定距離Lの区間を各々監視している。こ
のため距離Lの区間は、両側に位置する2台の火災検知
器3で重複して監視されている。例えばトンネル5内で
の車両事故などにより火災による火源4が存在したとす
ると、火源4を含む距離Lの区間の両側に設置している
2台の火災検知器3で火源4を検知し、防災受信盤1に
火災検知信号を送る。
【0020】防災受信盤1にあっては、火源4の両側に
位置する2台の火災検知器3からの火災検知信号を受信
して、斜線で示すLの区間に火源4が存在することを認
識でき、水噴霧制御における自動弁を起動し、火源4を
含む予め決められた放水区域について、トンネル壁面ま
たは天井面側に設置している水噴霧ヘッドから消火用水
を散布させる。
【0021】図2は図1のトンネル壁面5aに設置され
る本発明の火災検知器3の組立分解図である。図2にお
いて、本発明の火災検知器3は、カバー3aと本体3b
で構成され、カバー3aの左右に形成された傾斜面のそ
れぞれに透光性窓6a,6bを配置し、それぞれの内部
に、この実施形態にあっては2波長方式の検知センサを
内蔵している。
【0022】透光性窓6a,6bの上部には試験光源収
納部7が設けられる。試験光源収納部7の下部外側には
試験光源用窓8a,8bが設けられ、この内側に外部試
験光源を収納している。
【0023】火災検知器3の本体3b側にはコネクタ取
付穴3cが設けられ、後の説明で明らかにするように、
ここに防水コネクタにより信号ケーブルが接続される。
本体3bに対しカバー3aは、例えば4か所について取
付ネジ9により締付け固定される。
【0024】図3は本発明の火災検知器3の内部構造の
断面図である。図3において、火災検知器3はカバー3
aと本体3bで構成され、内部にモールドカバー13を
設けて仕切っている。本体3bに設けた信号ケーブル1
1を接続する防水コネクタ10のレセプタクル側からの
信号線15は、モールドカバー13の下部に取り付けた
避雷基板14にコネクタ接続される。
【0025】モールドカバー13の前面側となるカバー
3a内には主回路基板16が固定されている。この主回
路基板16にはカバー3aの傾斜面に配置している透光
性窓6a,6bに相対してセンサユニット18a,18
bを、ほぼ45°の傾斜角をもって配置している。セン
サユニット18a,18bのそれぞれには第1検知セン
サ19と第2検知センサ20が設けられており、この実
施形態にあっては2波長方式により炎を監視している。
【0026】カバー3aから張り出された試験光源収納
部7の下面両側には試験光源用窓8a,8bが設けら
れ、内蔵した外部試験光源の発光による外部試験光を透
光性窓6a,6bを介してセンサユニット18a,18
bの検知センサ19,20に照射することで、透光性窓
6a,6bの汚れの状態を検出できるようにしている。
【0027】また透光性窓6a,6bの内側に位置した
主回路基板16からは、センサユニット18a,18b
に相対して内部試験光源30a,30bが配置され、こ
の内部試験光源30a,30bからの内部試験光を直
接、第1検知センサ19と第2検知センサ20に照射す
ることで検知センサ自体及びその周辺回路のセンサユニ
ット故障を検出できるようにしている。
【0028】ここで試験光源用窓8a,8bの内側に配
置している外部試験光源及びカバー3aの主回路基板1
6上に配置している内部試験光源30a,30bとして
は、第1検知センサ19及び第2検知センサ20による
2波長方式による検出波長帯域をカバーできる光源とし
て白熱電球を使用している。
【0029】図4は2波長方式を取る本発明の火災検知
器の回路ブロック図である。図4において、防災受信盤
1からの伝送路2に接続されたトンネル内に設置される
火災検知器3は、MPUを用いた信号処理部21を備
え、この信号処理部21に対し右側検知部22aと左側
検知部22bを設けている。
【0030】右側検知部22aには第1検知センサ19
と第2検知センサ20が設けられ、透光性窓6aを通し
て外部からの光を受光して受光検知信号を出力するよう
にしている。第1検知センサ19及び第2検知センサ2
0は後の説明で明らかにするように、複数のアレイセン
サ、例えばこの実施形態にあっては4つのアレイセンサ
を内蔵しており、1つ1つのアレイセンサが独立した検
知センサとして受光検知信号を出力する。
【0031】第1検知センサ19に続いては加算増幅部
23が設けられ、加算増幅部23で得られた受光検知信
号をA/D変換器24によりデジタルデータに変換して
信号処理部21に取り込んでいる。同様に第2検知セン
サ20に続いて加算増幅部25が設けられ、加算増幅部
25からの受光検知信号をA/D変換器26によりデジ
タルデータに変換して信号処理部21に取り込んでい
る。
【0032】また右側検知部22aには外部試験光源2
8aと内部試験光源30aが設けられ、それぞれ外部試
験光源制御部27及び内部試験光源制御部29より火災
検知器3が防災受信盤1から試験コマンドを受けた際に
動作して試験動作を行わせる。
【0033】外部試験光源制御部27による外部試験光
源28aの発光制御、及び内部試験光源制御部29によ
る内部試験光源30aの発光制御は、実際の燃焼炎と同
様の例えば2Hzで明るさが変化する点滅制御を、試験
期間として定めた一定時間例えば2秒間又は4秒間行う
ようになる。
【0034】MPUを用いた信号処理部21は、同じく
MPUを用いた伝送制御部31を介して防災受信盤1に
接続されている。伝送制御部31に対してはアドレス設
定部32が設けられ、検知器固有のアドレスを設定して
いる。このため防災受信盤1にあっては、伝送路2に接
続している複数の火災検知器のアドレスを順番に指定し
て監視制御に必要な各種のコマンドを送信し、コマンド
に対する動作または応答を行わせる。
【0035】また信号処理部21に対してはEEPRO
Mなどの不揮発性の記憶部33が設けられ、火災検出デ
ータや試験の際に得られた試験データを履歴データとし
て記憶できるようにしている。
【0036】また記憶部33には火災検知器3を透光性
窓6a,6bに汚れがない状態で、外部試験光源28a
の制御で得られた受光検知信号を初期値(振幅初期値)
として記憶しており、この初期値を使用することで試験
時で得られた外部試験光による受光検知信号から透光性
窓6aの汚損状態を示す減光率(あるいは透過率)を算
出できるようにしている。
【0037】信号処理部21には火災判定部34、試験
処理部35及び外乱光処理部36の機能が設けられてい
る。火災判定部34は、第1検知センサ19と第2検知
センサ20による受光検知信号に基づいて2波長方式に
従った火災の判定を行う。ここで火災判定部34による
2波長方式の火災判定を説明すると次のようになる。
【0038】図5は、本発明の火災検知器3の設置が予
定されるトンネル内での火災監視で生ずる燃焼炎とその
他の代表的な放射体の放射線スペクトルを示している。
まず燃焼炎にあっては、スペクトル特性101a,10
1bのようにCO2 の共鳴放射により4.4〜4.5μ
m付近の波長帯域に放射線相対強度のピークがあり、ま
た、短波長側となる3.8μm付近に放射線相対強度が
低い波長帯域が存在する。
【0039】このような燃焼炎のスペクトル特性101
a,101bに対し、ノイズ放射源として太陽光のスペ
クトル特性102、トンネル内を走行する車両のエンジ
ンの加熱で生ずる300℃の低温放射体のスペクトル特
性103、更に人体のスペクトル特性104が存在す
る。
【0040】このような図5の燃焼炎の監視のため、本
発明の2波長方式にあっては図6のような検出波長特性
を設定している。図6において、センサユニットに設け
ている第1検知センサ19は、有炎燃焼時に発生するC
2 の共鳴放射による波長帯域である概ね4.5μmを
中心波長とした狭帯域バンドパスフィルタ特性106に
よる放射光を検出する。これに対し第2検知センサ20
は、概ね5.0〜7.0μmの帯域バンドパスフィルタ
特性で得られた放射光の検出特性をもつ。
【0041】具体的には、火災検知器に設けている透光
性窓6a,6bにサファイヤガラスを使用することで、
7.0μmの波長を超える光をカットするハイカット特
性105を設定し、これによって透光性窓6a,6bに
より波長7.0μm以下の波長の光を第1検知センサ1
9及び第2検知センサ20に入射している。
【0042】また第1検知センサ19の検出窓には、中
心波長4.5μmの狭帯域バンドパスフィルタ特性を構
成する光学波長フィルタが設けられる。更に第2検知セ
ンサ20の検出窓には、波長5.0μm以上の光を透過
する広帯域バンドパスフィルタ特性107を構成する光
学波長フィルタが設けられている。
【0043】したがって第1検知センサ19は、ハイカ
ット特性105と狭帯域バンドパスフィルタ特性106
とによって中心波長4.5μmの有炎燃焼時に発生する
CO 2共鳴放射による4.5μmの狭帯域の光108を
検出する。これに対し第2検知センサ20は、ハイカッ
ト特性105と広帯域バンドパスフィルタ特性107と
で決まる5.0〜7.0μmのバンドパスフィルタとし
ての波長帯域の光109による検出出力を生ずることに
なる。
【0044】図7は本発明の2波長方式における放射線
源の種類に対する第1検知センサ19による4.5μm
の狭帯域の受光検知信号、第2検知センサ20による
5.0〜7.0μmの帯域の受光検知信号、両者の相対
比、更に判定結果を表している。ここで相対比は温度条
件を一定とした場合の理想的な値となる。
【0045】このため図4の信号処理部21に設けた火
災判定部31にあっては、A/D変換器24,26によ
り読み込んだ第1検知センサ19の受光検知信号と第2
検知センサ20の受光検知信号の相対比を求め、図7の
理想的な相対比との比較により炎以外のノイズ光に対し
正確に燃焼炎を判断することができる。
【0046】再び図4を参照するに、火災検知器3の信
号処理部21に設けている試験処理部35は、防災受信
盤1からの試験実行コマンドを受信して試験処理動作を
行う。防災受信盤1からのコマンドは右側試験実行コマ
ンドと左側試験実行コマンドに分けて送信される。
【0047】このような防災受信盤1からの試験コマン
ドを受信した場合、信号処理部35は例えば右側検知部
22aの試験処理を実行し、その試験処理が済むと左側
検知部22bの試験処理を行うことになる。
【0048】この試験処理は、まず外部試験光源制御部
27を動作し、外部試験光源28aを例えば2Hzで点
滅して試験光源用窓8aから外部試験光を投光し、この
外部試験光を透光性窓6aを通して第1検知センサ19
及び第2検知センサ20で受光して電気信号に変換し、
加算増幅部23,25のそれぞれで加算増幅して受光検
知信号を出力し、A/D変換器24,26で試験による
受光検知信号を信号処理部21に取り込む。
【0049】このような外部試験光によって得られた受
光検知信号について、試験処理部35は予め定めた所定
レベルの閾値データと比較し、透光性窓6aの汚れが少
なくて受光検知信号が所定の正常な出力値が得られてい
れば、内部試験光源30aの発光制御による試験は行わ
ず、外部試験光源28aの発光制御の処理で試験を終了
する。
【0050】ここで試験処理部35による外部試験光源
28aの点滅制御で得られた受光検知信号が正常出力値
かどうかの判断としては、加算増幅部23,25に対す
る感度切替制御信号によって補償可能な透光性窓6aの
補償限界値に基づいて行っている。
【0051】この判断としては例えば透光性窓6aの汚
損による減光率が85%を超えた場合であり、減光率が
85%を超える透光性窓6aの汚損については加算増幅
部23による感度切替えでは補償不能であることから、
この場合には受光検知信号が正常出力値でないと判断
し、内部試験光源30の点滅試験の後に、防災受信盤1
に対し火災検知器3の清掃を要求する汚損信号等の異常
信号を送信する。
【0052】尚、試験処理部42で透光性窓6a,6b
の汚損状態を求める際には、増幅部34a,34bの感
度はその時点の補償された感度ではなく、記憶部40に
記憶している受光検知信号の振幅初期値を検出した時と
同じ感度(初期感度)に戻した状態で試験動作を行わせ
る。
【0053】一方、外部試験光源28aの点滅制御によ
る外部試験光の受光検知信号が汚損補償限界に対応した
閾値未満となった場合には、試験処理部35は外部光源
28aの制御による試験処理に続いて内部試験光源30
aの制御による試験処理を行う。
【0054】即ち、内部試験光源制御部29を動作して
同じく2Hzで内部試験光源30aを点滅し、この内部
試験光の受光で第1検知センサ19及び第2検知センサ
20より出力される受光検知信号を加算増幅した後のA
/D変換器24,26からの読込データについて、第1
検知センサ19及び第2検知センサ20及び周辺回路を
含むセンサユニットの故障の有無を判定する。
【0055】例えば内部試験光源30aからの内部試験
光による第1及び第2検知センサ19,20の正常時の
受光検知信号のレベルが決まっていることから、この正
常時の受光検知信号の相対比を検出し、相対比を含む上
下所定の範囲幅をセンサユニットの故障の判断レベルと
して設定し、センサユニット故障判断レベル以上の受光
検知信号であれば第1検知センサ19及び第2検知セン
サ20は正常と判断する。
【0056】この場合には伝送制御部31を介し防災受
信盤1に対し透光性窓の汚損信号を送信する。これに対
し受光検知信号が故障判定の正常範囲を越えた(外れ
た)場合には回路故障と判断し、回路故障信号を防災受
信盤1に送信する。この相対比が変動する要因として
は、2つの検知センサの内、1つが故障した場合であ
り、1つの検知センサが異常な受光検知信号を出力した
場合である。
【0057】このような防災受信盤1から試験実行コマ
ンドを受信した時の試験処理は、左側検知部22bにつ
いても同様である。このため本発明にあっては、透光性
窓6a,6bの汚れ度合いが外部試験光の受光検知信号
から汚損補償限界に対応した閾値以上の正常出力値であ
る場合には、内部試験光源による試験を行わなくとも第
1検知センサ19及び第2検知センサ20は正常に動作
していることから、この場合には内部試験光源30aに
よる試験は行わず、左側検知部22bについて防災受信
盤1からの左側試験実行コマンドを受けて試験処理を行
う。
【0058】このため透光性窓6a,6bに汚れがない
か少ない場合には、右側検知部の外部試験光源28aと
左側検知部22bの外部試験光源28bの2つの発光制
御による試験処理で済み、この場合、内部試験光源30
a,30bの発光制御による試験は不要となる。これに
対し透光性窓6a,6bの汚損状態が汚損限界として設
定された減光率85%を超えた時に、左右内外4つの試
験光源の発光制御による試験処理を行うことになる。
【0059】図8は図4の右側検知部22aにおける第
1検知センサ19側の加算増幅部23の詳細を示した回
路ブロック図である。図8において、まず第1検知セン
サ19には4つのアレイセンサ19a〜19dが含まれ
ており、それぞれ独立した検知センサとして燃焼炎4ま
たは外部試験光源28からの光を受光して受光検知信号
を出力する。この4つのアレイセンサは、1つの半導体
基板に設けられているものでも良いし、それぞれが別個
の素子部品として設けられているものでも良い。
【0060】加算増幅部23には各アレイセンサ19a
〜19dに対応してプリアンプ37a〜37dが設けら
れており、プリアンプ37a,37bを加算してパワー
アンプ38aで増幅し、A/D変換器24に入力してい
る。一方、プリアンプ37c,37dの出力はパワーア
ンプ38c,38dで増幅された後、加算され、切替ス
イッチ39を介してパワーアンプ38aの出力に加算さ
れている。
【0061】加算増幅部23に設けている切替スイッチ
39は、信号処理部21に設けている試験処理部35の
試験結果に基づいて透光性窓6aの汚損を補償するよう
に感度切替えが行われる。
【0062】即ち、透光性窓6aに汚れがない状態にあ
っては切替スイッチ39は図示のようにオフしており、
このためA/D変換器24にはアレイセンサ19a,1
9bの2つの受光検知信号の加算増幅信号が入力され
る。
【0063】一方、使用中に透光性窓6aが汚損し、試
験処理部35による外部試験光源28の試験発光で得ら
れた受光検知信号から減光率を求め、減光率が増加した
場合には、この減光率の増加として得られた汚損を補償
するため切替スイッチ39をオンする。
【0064】この切替スイッチ39のオンにより、A/
D変換器24には4つのアレイセンサ19a〜19dの
受光検知信号の加算増幅結果が入力され、これによって
透光性窓6aの汚れによる汚損を補償した受光検知信号
を得ることができる。
【0065】尚、図8の加算増幅部23にあっては、説
明を簡単にするため4つのアレイセンサ19a〜19d
を2つずつ2グループに分けて2段階に加算増幅する場
合を例にとっているが、更に複数のアレイセンサを多段
階に加算接続する汚損補償を行うことで、透光性窓6a
の汚れによる減光率の増加に対し、よりきめの細かな汚
損補償を行うことができる。
【0066】再び図4を参照するに、信号処理部21に
設けている外乱光処理部36は、外部試験光源28の制
御または内部試験光源30の制御で第1検知センサ19
または第2検知センサ20による試験光の受光で得られ
た受光検知信号をA/D変換器24,26で取り込んで
記憶した後、記憶した受光検知データから外乱光の影響
を検出して処理する。
【0067】この外乱光処理としては、基本的に次の2
つの処理がある。(1)外乱光の影響を受けた受光検知
データを除去して汚損状況を判定する。(2)外乱光の
影響の有無を判定し、外乱光の影響を受けていると判定
した場合には、その試験を無効とする。
【0068】図9は、図4の外乱光処理部36による外
乱光の影響を受けたデータを除去して汚損状況を判定す
る本発明の第1実施形態の外乱光処理を説明するための
信号波形図である。
【0069】図9(A)は図4の試験処理部35による
外部試験光源制御部27への発光制御信号であり、時刻
t1からt2までの所定の試験時間Tの間、外部試験光
源28に例えば2Hzの点滅制御信号を出力して外部試
験光源28を点滅させる。
【0070】図9(B)は、外部試験光源28を点滅に
より受光された第1検知センサ19からの受光検知信号
であり、加算増幅部23で増幅された後、A/D変換器
24でサンプリングされて信号処理部21内のメモリに
一時的に記憶される。
【0071】ここで図9(B)の受光検知信号は、0V
を中心に+2.5Vと−2.5Vのダイナミックレンジ
を持っており、この受光検知信号をA/D変換器24で
10ビットデータに変換しており、こりの場合、−2.
5Vが10進で0、0Vが10進で511、+2.5V
が10進で1023の値をとることになる。
【0072】本発明の第1実施形態の外乱光処理にあっ
ては、図9(B)のように、試験時に得られる受光検知
データの上下のピーク値の各々を抽出して各平均ピーク
値を算出し、平均ピーク値に近い上下のピーク値の一部
をばらつきが小さい順に抽出することで、外乱光の影響
を受けた上下のピーク値を除外する。
【0073】このように外乱光の影響を受けたピーク値
を除外した残りの上下のピーク値について、受光検知信
号の振幅値を算出し、記憶部33に予め記憶している透
光性窓に汚れのない状態で検出された受光検知信号の振
幅初期値により、透光性窓の汚損状態を示す減光率を算
出する。
【0074】更に具体的に説明すると次のようになる。
図9にあっては、例えば外部試験光源28を2Hzで4
秒間パルス点灯させ、図9(B)のように得られる受光
検知信号につき、0ボルトの中間電位を基準としてアッ
パ側ピーク値(上側ピーク値)とローワ側ピーク値(下
側ピーク値)を抽出する。
【0075】ここで受光検知信号の受光開始の時刻t1
から、ある期間については、ピーク値算出を行わない。
これは、本発明の試験光源にあっては太陽光にほぼ近い
試験光の波長特性を得るために白熱電球を使用してお
り、試験発光開始直後にあっては白熱電球のフィラメン
トの加熱が十分でないことから発光量が安定せず、ある
程度時間経過した時点からの受光検知データについてサ
ンプリングする。
【0076】図9(B)にあっては、時刻t1から3サ
イクル目からアッパ側ピーク値U0,U1,U2,U
3,U4,U5を抽出し、またローワ側ピーク値L0,
L1,L2,L3,L4,L5を抽出している。
【0077】このようにしてアッパ側ピーク値U0〜U
5、ローワ側ピーク値L0〜L5を抽出できたならば、
まずアッパ側ピーク値U0〜U5の平均ピーク値Uaを
次式で算出する。
【0078】 Ua =(U0 +U1 +U2 +U3 +U4 +U5 )/6 (1) 次に平均ピーク値Uaに対するアッパ側ピーク値U0〜
U5のそれぞれのばらつきΔU0〜ΔU5を次式で算出
する。
【0079】 ΔU0 =abs (U0 −Uau) ΔU1 =abs (U1 −Uau) ΔU2 =abs (U2 −Uau) (2) ΔU3 =abs (U3 −Uau) ΔU4 =abs (U4 −Uau) ΔU5 =abs (U5 −Uau) このようにしてアッパ側ピーク値U0〜U5の平均ピー
ク値Uaに対するばらつきΔU0〜ΔU5が算出できた
ならば、ばらつきの小さい順に所定数n、例えばn=3
つのアッパ側ピーク値例えばアッパ側ピーク値U0,U
2,U4を抽出し、その平均値をアッパ側ピーク代表値
とする。
【0080】次にローワ側ピーク値L0〜L5について
も、同様にして平均ピーク値Laを La =(L0 +L1 +L2 +L3 +L4 +L5 )/6 (3) で求める。続いて平均ピーク値Laに対する各ローワ側
ピーク値L0〜L5のばらつきΔL0〜ΔL5を次式で
算出する。
【0081】 ΔL0 =abs (L0 −Lau) ΔL1 =abs (L1 −Lau) ΔL2 =abs (L2 −Lau) (4) ΔL3 =abs (L3 −Lau) ΔL4 =abs (L4 −Lau) ΔL5 =abs (L5 −Lau) そして、ばらつきL0〜L5の内、小さい順にn=3つ
のローワ側ピーク値、例えばローワ側ピーク値L0,L
2,L4を抽出し、その平均値を求めて、これをローワ
側ピーク代表値とする。
【0082】このようにしてアッパ側ピーク代表値とロ
ーワ側ピーク代表値を求めた後は、受光検知信号の中に
外乱光の影響により振幅が一時的に増加している異常な
ピーク値があったとしても、ピーク値はピーク代表値を
算出する過程で除去され、外乱光による影響を受けてい
ないピーク値のみによってアッパ側代表値とローワ側代
表値が算出できる。
【0083】次にアッパ側ピーク代表値からローワ側ピ
ーク代表値を差し引くことで振幅検出値を求め、これと
記憶部33に予め記憶している透光性窓に汚れがない状
態での試験により検出された振幅初期値を用いて、次式
により減光率を算出する。
【0084】 減光率=100−(振幅検出値/振幅初期値)100[%] (5) ここで右辺第2項の振幅検出値と振幅初期値の比に10
0を掛け合わせた値は透過率を表しており、減光率はこ
の透過率を100から引いた値となる。
【0085】図10は図9の外乱光処理の第1実施形態
による減光率算出処理のフローチャートである。この外
乱光処理の第1実施形態を含む減光率算出処理は、ステ
ップS1で試験による受光検知データを取り込み、ステ
ップS2でアッパ側ピーク値をn個抽出して平均値を算
出し、ステップS3で平均値に近い例えば3つのピーク
値を抽出して算出した平均値をアッパ側代表値とする。
【0086】続いてステップS4でローワ側のピーク値
をn個抽出して平均値を算出し、ステップS5で平均値
に近い3つのピーク値を抽出して算出した平均値をロー
ワ側代表値とする。このようにしてアッパ側代表値及び
ローワ側代表値が算出できたならば、ステップS6でア
ッパ側代表値とローワ側代表値から振幅検出値を算出
し、ステップS7で初期振幅値と検出振幅値から減光率
を算出する。
【0087】この外乱光処理の第1実施形態にあって
は、図9(B)のように信号処理のために取り込むデー
タの数が多いほど外乱光除去の精度が上がることから、
この実施形態にあっては例えば試験時間を4秒と長めに
とっている。
【0088】図11は図4の火災検知器3における火災
検知処理の概略フローチャートである。この火災検知処
理にあっては、ステップS1で火災監視処理を行ってお
り、ステップS2で防災受信盤1側から例えば1日に1
回というように試験実行コマンドによる試験指令を受信
すると、ステップS3の試験処理を行う。
【0089】この試験処理は透光性窓の汚損状態を判定
して受光検知信号の利得を切り替える汚損補償処理を含
んでおり、更に試験処理の中には図10に示した外乱光
の影響を受けたデータを除外して行う減光率の算出処理
も含まれている。
【0090】図12は図11のステップS3の試験処理
の詳細を示したフローチャートである。この試験処理に
あっては、図4の火災検知器に示したように外部試験光
源28と内部試験光源30の両方を使用して試験し、且
つ第1検知センサ19と第2検知センサ20のそれぞれ
を使用した試験を行うことになる。
【0091】図12において、試験処理部35は防災受
信盤1から例えば右側検知部22aに対する試験実行コ
マンドを受信すると、外部試験光源制御部27を動作
し、ステップS1で外部試験光源28となる外部白熱電
球を例えば図9のようにT=4秒に亘り2Hzでパルス
駆動する。
【0092】外部試験光源28からの試験光は透光性窓
6aを通って第1検知センサ19及び第2検知センサ2
0で受光されるが、ステップS2にあっては第1検知セ
ンサ19で受光された受光検知信号をA/D変換器24
でサンプリングして信号処理部21に取り込み、ステッ
プS3で外乱光の影響を除去した減光率の算出処理、即
ち図10のフローチャートに示した減光率の算出処理を
実行する。
【0093】続いてステップS4で、算出された減光率
について透光性窓6aの汚損状況を判定し、ステップS
5で減光率が汚損補償限界となる85%以下であれば、
ステップS6で減光率が例えば50%より小さいか否か
判断する。50%より小さければステップS7でアレイ
センサ加算数=2とし、これは初期状態の通常監視レベ
ルである。即ち図8の加算増幅器23に設けている切替
スイッチ39をオフ状態とし、2つのアレイセンサ19
a,19bの加算増幅による受光検知信号の増幅状態と
する。
【0094】これに対し減光率が50%以上であった場
合には、ステップS8でアレイセンサ加算数を4つと
し、汚損補償を行う。即ち図8の加算増幅部23に設け
ている切替スイッチ39をオンし、アレイセンサ19a
〜19dの4つの加算増幅信号による受光検知信号を出
力する汚損補償状態を作り出す。そしてステップS9で
最終的に正常終了を防災受信盤1に出力する。
【0095】一方、ステップS5で減光率が汚損補償限
界の85%を越えた場合には、ステップS10に進み、
内部試験光源30としての内部ランプを内部試験光源制
御部29の動作で同じく2HzでT=4秒間パルス駆動
し、透光性窓6aの汚損による異常か第1検知センサ1
9そのもののセンサユニット故障か否かチェックする。
【0096】この内部試験光源30の点灯制御につい
て、ステップS11で第1検知センサ19及び第2検知
センサ20のそれぞれの受光検知信号をA/D変換器2
4,26でサンプリングして信号処理部21に取り込
み、それぞれの受光検知信号についてステップS12で
外乱光の影響を除去した検出データの算出処理を実行す
る。
【0097】このステップS12の処理は、図10の減
光率算出処理におけるステップS1〜S6までの処理で
あり、ステップS7の減光率の算出は行わない。ステッ
プS12で第1検知センサ19及び第2検知センサ20
の各検出データについて比率計算を行い、ステップS4
で、計算した比率がセンサユニット正常比率幅に入って
いるか否かチェックする。
【0098】正常比率幅に入っていればステップS15
でセンサユニットの正常と判断し、ステップS16で汚
損信号を防災受信盤1に出力して汚損警報を報知させ
る。ステップS14でセンサユニット正常比較幅に入っ
ていなかった場合には、ステップS12でセンサユニッ
ト異常と判断し、この場合にはステップS18で回路故
障信号を防災受信盤1に出力して故障警報を報知させ
る。
【0099】図13は、図12の検知器試験処理に対応
した防災受信盤1の処理動作のフローチャートである。
防災受信盤1にあっては、通常時にあってはアドレスN
を順番に指定して伝送路2に接続しているトンネル内の
火災検知器3に対し火災検出データの収集コマンドを送
っているが、例えば1日1回予め定めた時間になると試
験動作を起動し、図13に示す試験処理を実行する。
【0100】この試験処理はステップS1でアドレスN
をN=1に初期化した後、ステップS2でアドレスNの
火災検知器に対し右側試験実行コマンドを送信する。こ
の右側試験実行コマンドを受けた火災検知器3は、図1
2に示した検知器試験処理により図4の右側検知部22
aの試験を行う。
【0101】右側試験実行コマンドの送信が済むと、ス
テップS3で火災検知器からの応答信号の種別をチェッ
クしており、もし汚損信号や回路故障信号が受信される
と、ステップS4で異常処理としてそれぞれに対応した
警報の報知を行う。次にステップS5で同じアドレスN
の火災検知器に対し左側試験実行コマンドを送信し、図
4の左側検知部22bについて図12のフローチャート
の検知器試験処理を実行させ、ステップS6で応答を待
つ。
【0102】火災検知器より応答があるとステップS6
で応答信号種別を判別し、もし汚損信号や回路故障信号
を受信した場合には、ステップS7で異常処理としてそ
れぞれに対応した警報報知を行う。そしてステップS8
で全火災検知器の試験終了の有無をチェックし、終了し
ていなければ、ステップS9でアドレスNを1つアップ
し、ステップS2からの処理を繰り返す。
【0103】図14は、図4の火災検知器3について、
第1検知センサ19のみの試験処理を行うようにしたい
わゆる1波長方式の試験処理のフローチャートである。
この1波長方式の試験処理は、図4の第1検知センサ1
9と第2検知センサ20を備えた2波長方式の火災検知
器はもちろんのこと、第2検知センサ20側を備えてい
ない第1検知センサ19側のみの1波長の火災検知器に
ついてもそのまま適用することができる。
【0104】この1波長方式を対象とした検知器試験処
理にあっては、ステップS1で外部試験光源28として
の外部ランプをパルス駆動により点滅し、ステップS2
で第1検知センサ19側となる4.5μm狭帯域バンド
パス特性によるの受光検知信号の出力をA/D変換器2
4により信号処理部21に取り込み、ステップS3で図
10の減光率算出処理のフローチャートに従った外乱光
の影響を除去した減光率の算出を行う。
【0105】続いてステップS4で、算出した減光率に
ついて汚損状況を判定し、ステップS5で減光率が85
%以下であれば、ステップS6で減光率が50%未満か
否かチェックし、50%未満であればステップS7でア
レイセンサ加算数=2とし、現状の監視レベルを維持
し、50%を超えていた場合にはステップS8でアレイ
センサ加算数=4とし、加算増幅数を増加して汚損補償
を行い、ステップS9で正常終了信号を出力する。
【0106】一方、ステップS5で減光率が85%を越
えた場合には、ステップS10で火災検知器が汚損補償
限界に達しているかあるいは第1検知センサ19の素子
故障であることから、非作動信号を防災受信盤1に出力
し、火災検知器3の点検を促すことになる。
【0107】図15は、図4の信号処理部21に設けて
いる外乱光処理部36において、外乱光の影響を判定し
た際に、このときの試験を無効とする処理を行う場合の
外乱光判定処理の第2実施形態を示した信号波形図であ
る。
【0108】第2実施形態の外乱光判定処理にあって
は、試験中に得られた受光検知信号の上下の各ピーク値
のばらつきが大きい場合に外乱光の影響ありと判定す
る。
【0109】図15(A)は例えば外部試験光源28の
発光制御信号であり、発光開始時刻t1から終了時刻t
2の試験時間T、この場合にはT=2秒に亘り外部試験
光源28を2Hzでパルス駆動する。図15(B)は、
図15(A)の試験発光制御により第1検知センサ19
で受光された受光検知信号であり、0Uを中点として±
2.5Vの振幅で変化する信号となっている。
【0110】この図15(B)の受光検知信号に対し、
第2実施形態の外乱光判定処理にあっては、先頭の例え
ば1.5サイクルについては試験光源としての白熱電球
の光量が不足していることから無視し、1.5サイクル
目以降についてアッパ側ピーク値U0,U1,U2及び
ローワ側ピーク値L0,L1,L2を抽出する。
【0111】そしてアッパ側ピーク値U0〜U2につい
て平均ピーク値Uaを Ua =(U0 +U1 +U2 )/3 (6) で算出し、次に平均ピーク値Uaに対する各アッパ側ピ
ーク値U0〜U2のばらつきΔU0〜U2を次式で算出
する。
【0112】 ΔU0 =abs (U0 −Uau) ΔU1 =abs (U1 −Uau) (7) ΔU2 =abs (U2 −Uau) そして(7)式で求めた3つのばらつきU0〜U2の合
計ばらつき値が予め経験的に得られた閾値より大きいか
否か次式で判定する。
【0113】(ΔU0 +ΔU1 +ΔU2 )>閾値(=5
1) (8)ここでばらつき合計値の閾値
としては、例えば経験的に閾値=51を使用する。この
判定式である(8)式が成立したとき、即ち3つのアッ
パ側ピーク値の平均ピーク値に対するばらつきの合計値
が閾値より大きかった場合には、外乱光の影響を受けて
いると判定する。
【0114】同様にローワ側ピーク値L0〜L2につい
て、 La =(L0 +L1 +L2 )/3 (9) により平均ピーク値Laを求め、また ΔL0 =abs (L0 −Lau) ΔL1 =abs (L1 −Lau) (10) ΔL2 =abs (L2 −Lau) により平均ピーク値Laに対する各ピーク値L0〜L2
のばらつきΔL0〜L2を求める。最終的に条件式 (ΔL0 +ΔL1 +ΔL2 )>閾値(=51) (11) により3つのばらつき合計値が経験的な値である51を
持つ閾値より大きいか否かチェックし、閾値より大きけ
れば外乱光の影響を受けていると判定する。
【0115】図16は図15の外乱光判定処理のフロー
チャートである。まずステップS1で試験による受光検
知データを取り込み、ステップS2でアッパ側ピーク値
をn個例えばn=3個抽出し、平均値に対する各ピーク
値のばらつきの合計値を算出し、ステップS3で合計値
としてのばらつきが閾値より大きいか否かチェックす
る。閾値より大きければステップS7に進み、外乱光の
影響ありと判定する。
【0116】一方、ステップS3でアッパ側ピーク値に
ついて外乱光の影響がないと判定された場合には、ロー
ワ側ピーク値をn=3個抽出し、この平均値に対する各
ピーク値のばらつきの合計値を算出し、ステップS5で
合計値としてのばらつきを閾値と比較する。ばらつきが
閾値より大きければステップS7で外乱光の影響ありと
判定する。ばらつきが閾値以下であればステップS6で
外乱光の影響なしと判定する。
【0117】図17は図4の信号処理部21に設けてい
る外乱光処理部36による外乱光の影響を判定する外乱
光判定処理の第3実施形態を説明するための信号波形図
である。
【0118】図17(A)は外部試験光源28に対する
制御信号であり、試験開始のt1から終了のt2の試験
期間T=2秒間、外部試験光源28を2Hzでパルス駆
動する。
【0119】図17(B)は試験時に得られる第1検知
センサ19からの受光検知信号の信号波形図であり、破
線の信号波形が外乱光がなく、透過性窓が汚れていない
記憶部33に対する振幅初期値の記憶のために得られる
初期的な受光検知信号である。これに対し実線の受光検
知信号は、外乱光の影響を試験時に受けて±2.5Uの
ダイナミックレンジをオーバする過大な外乱受光状態と
なった場合である。
【0120】図17の外乱光判定処理の第3実施形態に
あっては、図15の外乱光判定処理と同様に、(6)式
から3つのアッパ側ピーク値U0〜U3の平均ピーク値
Uaと(9)式から3つのローワ側ピーク値L0〜L3
の平均ピーク値Laを算出し、次式により振幅検出値を
算出する。
【0121】 振幅検出値=Ua −La (12) このようにして試験時に得られた受光検知信号の振幅検
出値が算出できたならば、図12(B)の破線のように
汚れのない状態で得られた受光検知信号から求めて記憶
部33に記憶している振幅初期値に所定の係数K、例え
ばK=1.2を乗算した値と比較する。即ち次の判定を
行う。
【0122】 (振幅検出値)>(1.2×振幅初期値) (13) そして試験によって得られた振幅検出値が振幅初期値を
1.2倍した値を超えていた場合には、外乱光による影
響を受けていると判定する。
【0123】このような図17の外乱光の判定処理によ
り2Hzといった試験光にほぼ同期して外乱光が受光し
たような場合、具体的には周期的な発光を行う緊急車両
の回転警報灯の光を外乱光として受けたような場合に、
確実に外乱光を判定することができる。
【0124】図18は図17の外乱光判定処理のフロー
チャートである。この外乱光判定処理にあっては、ステ
ップS1で試験による受光検知データを取り込み、ステ
ップS2でアッパ側ピーク値n=3個と同じくローワ側
ピーク値のn=3個を抽出する。
【0125】続いてステップS3でアッパ側ピーク値平
均値とローワ側ピーク値平均値から振幅検出値を算出す
る。そしてステップS4で振幅検出値を記憶部に記憶し
ている振幅初期値に所定の係数K、例えばK=1.2を
乗算した値と比較し、振幅検出値が小さければステップ
S5で外乱光の影響なしと判定し、大きければステップ
S6で外乱光の影響ありと判定する。
【0126】図19は、図15または図17の外乱光判
定処理を行って外乱光を判定した場合に試験を無効とす
る火災検知器の検知器試験処理のフローチャートであ
り、図4の火災検知器3において外部試験光源28のみ
を駆動し且つ第1検知センサ19の受光検知信号を処理
する所謂1波長方式を対象とした試験処理を例にとって
いる。
【0127】この検知器試験処理にあっては、ステップ
S1で外部試験光源28としての外部ランプを2Hzで
2秒間点滅し、ステップS2で4.5μmに中心波長を
もつ狭帯域バンドパスフィルタの受光検知信号となる第
1検知センサ19からの受光検知信号をA/D変換器2
4でサンプリングして信号処理部21に取り込み、ステ
ップS3で図16のフローチャートまたは図18のフロ
ーチャートに従った外乱光判定処理を行う。
【0128】次にステップS4で外乱光の影響ありをチ
ェックし、外乱光の影響がなければステップS5で、実
際に得られた受光検知信号から減光率を求めて汚損状況
を判定し、ステップS6で減光率が85%以下であれ
ば、ステップS7で減光率50%と比較し、50%未満
であればステップS8でアレイセンサ加算数=2とし、
通常の監視レベルを維持する。
【0129】一方、ステップS7で減光率が50%以下
であれば、ステップS9でアレイセンサ加算数=4とし
て汚損補償を行い、ステップS10で正常終了信号を防
災受信盤1に出力する。
【0130】またステップS6で減光率が85%を越え
た場合には透光性窓6aが汚損補償限界を超えて汚れて
いるか第1検知センサ19のセンサユニット故障である
ことから、ステップS11で防災受信盤1に非作動信号
を出力する。更に、ステップS4で外乱光の影響ありと
判定された場合には、ステップS12で試験無効信号を
防災受信盤1に出力する。尚、外乱光判定処理において
は、図16のバラツキ判定をした後に、図18の処理を
行えば、より外乱光の影響を判定しやすい。
【0131】図20は図19の外乱光の影響を判定した
場合に試験無効信号を出力する検知器試験処理に対応し
た防災受信盤の処理動作のフローチャートである。この
防災受信盤の処理動作にあっては、例えば1日1回行う
試験処理の際に、ステップS1でアドレスN=1に初期
化し、ステップS2でアドレスNの火災検知器への右側
試験実行コマンドを送信し、ステップS3で応答信号種
別を判定する。
【0132】この右側試験実行コマンドの送信による図
4の右側検知部22aの試験で外乱光の影響ありが判定
されて試験無効信号が受信されると、ステップS4に進
み、予め定めたリトライ回数Mに達していなければ再び
ステップS2に戻って、同じアドレスNの火災検知器3
に対し右側試験実行コマンドを送信して再試験を行わせ
る。
【0133】この再試験はステップS4でリトライ回数
Mに達するまで繰り返し行われる。また応答信号種別と
して汚損信号及び回路故障信号を意味する不作動信号を
受信した場合には、ステップS5に進んで異常処理を行
い、異常警報を報知する。もちろん、応答信号種別とし
て正常信号を受信した場合にはステップS6に進み、同
じアドレスNへの右側試験実行コマンドの送信を行う。
【0134】この左側試験実行コマンド送信に続くステ
ップS7〜S9の処理は、右側試験実行コマンド送信後
のステップS3〜S5の場合と同じになる。そしてステ
ップS10で全検知器試験終了となるまで、ステップS
1でアドレスNを1つずつアップしながら、ステップS
2からの処理を繰り返す。
【0135】図21は図4の火災検知器3における検知
器試験処理の他の実施形態であり、この実施形態にあっ
ては外乱光の影響ありと判定した際に、可能な場合には
外乱光の影響を受けたデータを除去し、除去したデータ
から減光率が判定できる場合には、試験無効とせずに汚
損状況を判定して汚損補償処理を行うようにしたことを
特徴とする。
【0136】即ち図21のフローチャートにおいて、ス
テップS1〜S11は図19のフローチャートと同じで
あるが、新たにステップS12〜S14の処理が加わっ
ている。即ちステップS4で外乱光の影響ありと判断し
た場合には直ちに試験無効信号を出力せず、ステップS
12で外乱光に影響のあるデータを除去する処理を行
う。
【0137】この外乱光に影響のあるデータの除去につ
いては、例えば所定レベル以上のデータは外乱光の影響
在りとして除去する方法がよい。そして、ステップS1
3で残ったデータから減光率定可能であれば、ステップ
S15に戻って汚損状況を判定して、ステップS6以降
の汚損補償処理を行う。
【0138】一方、ステップS13で例えば外乱光の影
響のないデータが所定数以下の場合で減光率を計算する
には、データが少なく、減光率の判定が不可能であれ
ば、このとき初めてステップS14で試験無効信号を防
災受信盤1に送出することになる。
【0139】図22は図4の火災検知器3における検知
器試験処理の他の実施形態のフローチャートであり、こ
の実施形態にあっては外部試験光源28の試験発光と内
部試験光源30の試験発光を行い、第1検知センサ19
の受光検知信号について汚損状況に応じた処理を行うよ
うにしたことを特徴とする。
【0140】図22において、まずステップS1で外部
試験光源28としての外部ランプを例えば2秒間、2H
zで点滅し、ステップS2で第1検知センサ19からの
受光検知信号をA/D変換により信号処理部21に取り
込み、ステップS3で図16のフローチャートまたは図
18のフローチャートに従った外乱光判定処理を実行す
る。
【0141】続いてステップS4で外乱光の影響ありを
チェックし、影響がなければステップS5で汚損状況と
して減光率を判定し、ステップS6で汚損補償限界とし
ての85%と比較する。減光率が85%以下であればス
テップS7で減光率50%と比較し、50%未満であれ
ばステップS8でセンサアレイ加算数=2として通常監
視レベルを維持し、50%を超えているとステップS9
でセンサアレイ加算数=4として加算数を増加して汚損
補償を変更する。そしてステップS10で正常終了信号
を防災受信盤1に出力する。
【0142】一方、ステップS6で減光率が汚損補償限
界の85%を越えた場合には、ステップS11で内部試
験光源30としての内部ランプの点滅による試験処理を
行う。この内部試験光源の点滅についても、ステップS
12で第1検知センサ19からの受光検知信号を取り込
み、ステップS13で、ステップS3で同様に内部試験
光の受光で得られた受光検知信号について、図16のフ
ローチャートまたは図18のフローチャートに従った外
乱光判定処理を実行する。
【0143】続いてステップS14で外乱光の影響あり
をチェックし、影響がなければステップS17で汚損信
号を防災受信盤1に出力する。影響があった場合には、
ステップS15からの処理において第1検知センサ19
のセンサユニットの故障か否かチェックする。
【0144】即ちステップS15で受光レベルが規定レ
ベル幅に入っていれば、ステップS16でセンサユニッ
ト正常と判断し、この場合にはステップS17で汚損信
号を防災受信盤1に出力する。受光レベルが規定レベル
幅内でなければ、ステップS18でセンサユニット異常
を判断し、ステップS19で防災受信盤1に回路故障信
号を出力する。
【0145】またステップS3の外乱光判定処理に続い
て、ステップS4で外乱光の影響ありが判定された場合
には、ステップS20で試験処理を無効とし、ステップ
S21で防災受信盤1に対し試験無効信号を出力する。
この場合には再度、防災受信盤側からリトライとしての
試験実行コマンドが送られ、再試験を行うことになる。
【0146】尚、この再度の試験実行は、防災受信盤か
らの試験実行コマンドの受信で行われるのではなく、ス
テップS20の試験無効と判断したときに、火災検知器
自体が直ちに再試験を行っても良い。
【0147】図23は図4の火災検知器3における検知
器試験処理の他の実施形態であり、この実施形態は図2
のステップS11からの内部試験光源によるセンサユニ
ット故障の判定について、第1検知センサ19と第2検
知センサ20の両方についてセンサユニット故障を試験
するようにしたことを特徴とする。
【0148】図23において、ステップS1〜S14の
処理は図22のフローチャートと同じであるが、ステッ
プS6で減光率が汚損補償限界となる85%を超えたと
きのステップS11からの内部試験光源30の制御によ
るセンサユニット異常の検出処理が異なっている。
【0149】即ちステップS11で内部試験光源30と
しての内部ランプを例えば2Hzで2秒間点滅し、ステ
ップS12で第1検知センサ19の4.5μmに中心を
もつ狭帯域光学フィルタ特性で得た受光検知信号と第2
検知センサ20の5.0μm〜7.0μmをもつ帯域光
学フィルタ特性で得た受光検知信号の両方について、A
/D変換器24,26でサンプリングして信号処理部2
1に取り込む。
【0150】そしてステップS13で両方の受光検知信
号について図16のフローチャートまたは図18のフロ
ーチャートに従った外乱光判定処理を実行する。続いて
ステップS14で外乱光の影響ありをチェックし、影響
がなければステップS18で防災受信盤1に直ちに汚損
信号を出力する。
【0151】外乱光の影響があった場合にはステップS
15に進み、第1検知センサ19と第2検知センサ20
の受光検知信号の比率を算出し、ステップS16でセン
サユニット正常比率幅に入っていれば、ステップS17
でセンサユニット正常とし、ステップS18で汚損信号
を防災受信盤1に出力する。ステップS16でセンサユ
ニット正常比率幅に入っていなければ、ステップS19
でセンサユニット異常と判断し、回路故障信号をステッ
プS20で防災受信盤1に出力する。
【0152】またステップS4で外乱光の影響ありと判
断した場合には、ステップS21で試験無効とし、ステ
ップS22で試験無効信号を防災受信盤1に出力する点
は、図22のフローチャートと同じになる。
【0153】図24は本発明の火災検知器において外乱
光の影響を判定して外乱光の影響を受けた信号を除去す
る外乱光処理の第4の実施形態における検出器構造の説
明図である。
【0154】図24の実施形態にあっては、図3の火災
検知器3における内部構造の左側のセンサユニット18
aの部分を取り出しており、この実施形態にあっては透
光性窓6aの内側に配置している第1検知センサ19と
第2検知センサ20に対し、試験光源収納部7の下面外
側に設けている外部試験光源からの試験光が第1検知セ
ンサ19のみに照射されるように、試験光源用窓8aの
位置を配置している。
【0155】このように外部試験光源からの試験光が透
光性窓6aを通して第1検知センサ19のみに照射させ
る構造とすることで、この試験時に第2検知センサ20
から受光検知信号が得られれば、これは外乱光による受
光検知信号と判定し、第2検知センサ20の受光検知信
号の信号区間に対応する第1検知センサ19の受光検知
信号を除去することで、外乱光の影響を受けた信号を取
り除くことができる。
【0156】図25は図24の実施形態において試験時
に外乱光を受けなかった場合の信号波形であり、図25
(A)の試験発光区間に亘り図25(B)のように第1
検知センサ19からの受光検知信号が得られ、このとき
外乱光を受けていないことから、図25(C)の第2検
知センサ20からの受光検知信号は0Uを維持してい
る。
【0157】図26は図24の実施形態において試験中
に外乱光を受けた場合の信号波形図である。この場合、
図26(C)のように外乱光を受けることによって、本
来、試験光を受光することのない第2検知センサ20に
ついて受光検知信号が例えば時刻t1からt1´のΔT
の時間に亘り得られている。
【0158】そこで、図26(B)の第1検知センサ1
9からの受光検知信号について、この外乱光の判定時間
ΔTの信号部分を除去し、残りの受光検知信号を使用す
ることで、外乱光の影響を受けない試験処理を行うこと
ができる。もしくは、この試験処理を無効とするように
しても良い。
【0159】尚、上記の実施形態にあっては、外部試験
光源の発光制御による試験処理を4.5μmの狭帯域フ
ィルタ特性をもった第1検知センサ19からの受光検知
信号で行っているが、同様に5.0〜7.0μmの帯域
フィルタ特性をもった第2検知センサ20からの受光検
知信号について試験処理を行うようにしてもよい。
【0160】また上記の実施形態にあっては、図8に示
したように加算増幅部23において各検知センサの複数
のアレイセンサについて汚損状況を判断して素子出力を
加算することで補償をかけているが、増幅部のアンプゲ
インを変化させた感度補償による汚損補償を行うように
してもよい。
【0161】更に本発明は、その目的と利点を損なわな
い適宜の変形を含み、更に実施形態に示した数値による
限定は受けない。
【0162】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、外部試験光源の点滅で透光性窓の汚れ具合を試験す
る火災検知器の試験時にヘッドライトを点灯した車両が
通過したり外部からの何らかの光が入射するなどによっ
て、試験光に加えて外乱光が入射した場合にあっても、
外乱光の影響を受けた受光検知信号を除去する処理や、
外乱光の影響を受けたことを判定して試験結果を無効に
するなどの外乱光処理を行うことで、外乱光の影響を受
けた受光検知信号が得られても正確な火災検知器の試験
を行うことができ、外乱光の影響を受けて誤った汚損補
償による失報や外乱光による影響で検知器異常を出すな
どの誤報を確実に防止し、火災検知器の正確な試験を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成の概略ブロック図
【図2】本発明による火災検知器の組立分解図
【図3】本発明による火災検知器の内部構造の断面図
【図4】本発明による火災検知器の回路ブロック図
【図5】燃焼炎と他の放射線の波長スペクトル特性の説
明図
【図6】図4の2波長方式による検出特性の説明図
【図7】図4の2波長方式による放射線の種類に対する
相対比と判定結果の説明図
【図8】図4の加算増幅回路の詳細を示した回路ブロッ
ク図
【図9】図4の外乱光処理部で外乱光の影響を受けた信
号部分を除去する本発明による外乱光処理の第1実施形
態を説明するための信号波形図
【図10】図9の処理を組込んだ減光率算出処理のフロ
ーチャート
【図11】図4の2波長方式における火災検知器の試験
処理動作のフローチャート
【図12】図11の検知器試験処理の詳細を示したフロ
ーチャート
【図13】図11に対応した防災受信盤の処理動作のフ
ローチャート
【図14】1波長方式における火災検知器の試験処理動
作のフローチャート
【図15】図4の外乱光処理部で外乱光の影響を判定す
る本発明による外乱光処理の第2実施形態の処理を説明
するための信号波形図
【図16】図9の外乱光判定処理のフローチャート
【図17】図4の外乱光処理部で外乱光の影響を判定す
る本発明による外乱光処理の第3実施形態の処理を説明
するための信号波形図
【図18】図17の外乱光判定処理のフローチャート
【図19】外乱光の影響を判定して無効信号を出力する
1波長方式における火災検知器の試験処理動作のフロー
チャート
【図20】図11の無効信号の出力に対応した防災受信
盤の処理動作のフローチャート
【図21】外乱光の影響を判定して信号除去と無効信号
出力を行う1波長方式における火災検知器の試験処理動
作のフローチャート
【図22】外部と内部の試験光源による試験で外乱光の
影響を判定して無効信号を出力する1波長方式における
火災検知器の試験処理動作のフローチャート
【図23】外部と内部の試験光源による試験で外乱光の
影響を判定して無効信号を出力する2波長方式における
火災検知器の試験処理動作のフローチャート
【図24】2波長方式につき外部試験光を1つの検知セ
ンサのみに照射して外乱光を判定する検知器構造の説明
【図25】図24で外乱光がない場合の2つの検知セン
サの受光検知信号の信号波形図
【図26】図24で外乱光の影響を受けた場合の2つの
検知センサの受光検知信号の信号波形図
【符号の説明】
1:防災受信盤 2:伝送路 3:火災検知器 3a:カバー 3b:本体 4:火源 5:トンネル 5a:トンネル壁面 6a,6b:透光性窓 7:試験光源収納部 8a,8b:試験光源用窓 9:取付ねじ 10:防水コネクタ 11:信号ケーブル 13:モールドカバー 14:避雷基板 15:信号線 16:主回路基板 18a,18b:センサ部 19:第1検知センサ(4.5μm狭帯域フィルタ付
き) 19a〜19d:アレイセンサ 20:第2検知センサ(7μm広帯域フィルタ付き) 21:信号処理部(MPU) 22a:右側検知部 22b:左側検知部 23,25:加算増幅部 24,26:A/D変換器 27:外部試験光源制御部 28:外部試験光源 29:内部試験光源制御部 30:内部試験光源 31:伝送制御部 32:アドレス設定部 33:記憶部 34:火災判定部 35:試験処理部 36:外乱光処理部 37a〜37d:プリアンプ 38a,38c,38d:メインアンプ 39:切替スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 圭一 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 根本 雅彦 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 5C085 AA13 AB01 AC03 CA07 CA08 CA14 EA08 EA38 FA13 FA16 FA24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の監視エリアを視野とする透光性窓
    と、 前記透光性窓内に配置され、光エネルギーを電気信号に
    変換して受光検知信号として出力する検知センサと、 前記検知センサから出力される受光検知信号に基づいて
    火災の判定を行う火災判定部と、 前記透光性窓の外側近傍に設けられた試験光源と、 試験時に、前記試験光源を所定周波数で点滅又は明滅
    し、前記透光性窓を介して前記検知センサで受光した試
    験光の受光検知信号により、前記透光性窓の汚損状態を
    検出して外部に出力すると共に、前記受光検知信号を汚
    損補償するための回路条件を調整する試験処理部と、を
    備えた火災検知器に於いて、 前記試験光の受光検知信号から外乱光の影響を検出して
    処理する外乱光処理部を設けたことを特徴とする火災検
    知器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、試験中に得られた受光検知信号から外
    乱光の影響を受けた信号部分を除去することを特徴とす
    る火災検知器。
  3. 【請求項3】請求項1記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、試験時に得られる受光検知信号の上下
    のピーク値の各々を抽出して各々の平均ピーク値を算出
    し、前記平均ピーク値に近い上下のピーク値の一部を抽
    出することで外乱光の影響を受けた上下のピーク値を除
    去することを特徴とする火災検知器。
  4. 【請求項4】請求項3記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、外乱光の影響を受けた信号を除去した
    残りの上下のピーク値から受光検知信号の振幅値を算出
    し、前記透光性窓に汚れのない状態で検出された受光検
    知信号の振幅初期値により、前記透光性窓の汚損状態を
    示す減光率を算出することを特徴とする火災検知器。
  5. 【請求項5】請求項1記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、試験中に外乱光の影響を受けた受光検
    知信号を判定した場合、このときの試験処理を無効とす
    ることを特徴とする火災検知器。
  6. 【請求項6】請求項5記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、試験中に得られた受光検知信号の上下
    の各ピーク値のばらつきが大きい場合に、外乱光の影響
    ありと判定することを特徴とする火災検知器。
  7. 【請求項7】請求項5記載の火災検知器に於いて、前記
    外乱光処理部は、試験中に得られた受光検知信号の振幅
    検出値が、前記透光性窓に汚れのない状態で検出された
    受光検知信号の振幅初期値に所定の係数を乗じた閾値を
    越えた場合に、外乱光の影響ありと判定することを特徴
    とする火災検知器。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の火災検
    知器に於いて、 更に、前記透光性窓の内側に内部試験光源を設け、 前記試験処理部は、試験時に、前記外部試験光源による
    試験後に、必要に応じて前記内部試験光源を所定周波数
    で点滅又は明滅し、前記検知センサで受光した試験光の
    受光検知信号により試験処理を行い、 前記外乱光処理部は前記内部試験光源の受光検知信号か
    ら外乱光の影響を検出して処理することを特徴とする火
    災検知器。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれかに記載の火災検
    知器に於いて、 前記検知センサとして検出波長帯域に異なる少なくとも
    2つの検知センサを設け、前記試験光源からの試験光を
    前記検知センサの一方のみに入射するように配置し、前
    記外乱光処理部は、試験時に前記試験光が入射しない他
    の検知センサから受光検知信号が得られた場合、外乱光
    の影響ありと判定して、このときの試験処理を無効とす
    るか又は外乱光の影響を受けた信号部分の除去を行うこ
    とを特徴とする火災検知器。
  10. 【請求項10】請求項1乃至8のいずれかに記載の火災
    検知器に於いて、前記検知センサとして検出波長帯域に
    異なる少なくとも2つの検知センサを設け、前記外乱光
    処理部は試験光による前記各検知センサからの受光検知
    信号の各々に対し外乱光の影響を検出して処理すること
    を特徴とする火災検知器。
JP2000231456A 2000-07-31 2000-07-31 火災検知器 Expired - Fee Related JP3980816B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231456A JP3980816B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 火災検知器
US10/743,388 US20040137945A1 (en) 2000-07-31 2003-12-23 Data recording system for storing as data the contents of telephone calls made by internal telephones and by mobile telephones having memory card data storage function

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231456A JP3980816B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 火災検知器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002042262A true JP2002042262A (ja) 2002-02-08
JP3980816B2 JP3980816B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=18724289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000231456A Expired - Fee Related JP3980816B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 火災検知器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3980816B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100787759B1 (ko) * 2006-08-22 2007-12-24 정해룡 복수면을 갖은 에지조명 디스플레이 시스템
US7633075B2 (en) 2007-09-28 2009-12-15 Casio Computer Co., Ltd. Through hole formation state detecting device and electronic timepiece using the detecting device
JP2013246552A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Hochiki Corp 火災報知システム、火災報知システムの火災判断方法、及び火災報知システムの火災判断プログラム
JP2020106875A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 ホーチキ株式会社 火災検知器及びトンネル防災システム
JP2021106031A (ja) * 2017-04-03 2021-07-26 ホーチキ株式会社 トンネル防災設備の試験システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100787759B1 (ko) * 2006-08-22 2007-12-24 정해룡 복수면을 갖은 에지조명 디스플레이 시스템
US7633075B2 (en) 2007-09-28 2009-12-15 Casio Computer Co., Ltd. Through hole formation state detecting device and electronic timepiece using the detecting device
JP2013246552A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Hochiki Corp 火災報知システム、火災報知システムの火災判断方法、及び火災報知システムの火災判断プログラム
JP2021106031A (ja) * 2017-04-03 2021-07-26 ホーチキ株式会社 トンネル防災設備の試験システム
JP7061215B2 (ja) 2017-04-03 2022-04-27 ホーチキ株式会社 トンネル防災設備の試験システム
JP2020106875A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 ホーチキ株式会社 火災検知器及びトンネル防災システム
JP7268999B2 (ja) 2018-12-26 2023-05-08 ホーチキ株式会社 火災検知器及びトンネル防災システム
JP7503171B2 (ja) 2018-12-26 2024-06-19 ホーチキ株式会社 火災検知器及びトンネル防災システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3980816B2 (ja) 2007-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7564365B2 (en) Smoke detector and method of detecting smoke
US10467874B2 (en) Fire detector having a photodiode for sensing ambient light
JP4767404B2 (ja) 火災アラーム装置
US6967582B2 (en) Detector with ambient photon sensor and other sensors
WO2011089879A1 (ja) 感知器
JPS59187246A (ja) 光電式煙感知器の機能検査装置
JP6363356B2 (ja) 煙感知器の感度試験方法および感度試験装置並びに煙感知器
JP2001249047A (ja) 炎検出装置
JP2002042262A (ja) 火災検知器
JP2002042263A (ja) 火災検知器
CN219695831U (zh) 一种火焰探测设备
JP2002042264A (ja) 光学式火災検知器及び防災監視システム
JP3248114B2 (ja) 輻射式火災感知器
JP6948703B2 (ja) 光学監視装置
JP2002063664A (ja) 防災監視システムおよび防災受信盤
JP4624546B2 (ja) 防災監視設備
JP4638011B2 (ja) 防災受信盤
JP4650914B2 (ja) 防災受信盤及び光学式火災検知器
JP5848082B2 (ja) 炎感知器及び炎判定方法
JP4633915B2 (ja) 防災受信盤
JP3945756B2 (ja) 火災感知器
JP4873512B2 (ja) 火災検知器の初期設定装置
CN105190718A (zh) 火灾报警器
KR101936002B1 (ko) 불꽃 감지기 센서의 고장 진단 방법
JP2980923B2 (ja) 火災報知設備における空間伝送信号の受信レベル調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3980816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees