JP2013246552A - 火災報知システム、火災報知システムの火災判断方法、及び火災報知システムの火災判断プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】火災報知システム1の監視領域を第1の検出部及び第2の検出部で重複監視し、第1及び第2の検出部は、それぞれの監視結果に応じた監視情報を防災受信機30へ送信し、防災受信機30は、第1及び第2の検出部の一方から受信した監視情報に基づき火災を判別してから第1所定時間の間は第1及び第2の検出部それぞれから受信した監視情報の両方に基づいて火災を判断し、第1所定時間の経過後、第2所定時間の間は一方の検出部から受信した監視情報に基づいて火災を判断する。
【選択図】図1
Description
また、本発明においては、一方の検出部に回路故障や透光性窓の汚損等の障害がある場合には、これと同じ監視領域を監視する他方の検出部からの監視情報に基づいて火災を判断する。この結果、一方の検出部に回路故障や透光性窓の汚損等の障害がある場合であっても、一方の検出部に回路故障や透光性窓の汚損等の障害がない他方の検出部の監視情報に基づいて火災を判断することができる。
例えば、汚損と判断された透光性窓を有する検出部(或いは回路故障と判断された検出部)を第3又は第4所定時間の間、火災判断に用いないようにしたので、一過性の汚損要因(或いは故障要因)により透光性窓が汚損した(或いは回路動作が不安定になった)状態で得られた信頼性の低い監視情報に基づいて火災と判別された場合であっても、誤報、非火災報を低減することができる。また、一方の検出部透光窓が汚損し(或いは回路が故障し)、火災検出ができない場合であっても、透光性窓が汚損していない(或いは回路故障のない)他方の検出部の監視情報に基づいて火災判断するので、失報を防止することができる。
また例えば、回路故障と判断された検出部を第3又は第4所定時間の間、火災判断に用いないようにしたので、一過性の故障要因により回路動作が不安定になった状態で得られた信頼性の低い監視情報に基づいて火災と判別された場合であっても、誤報、非火災報を低減することができる。また、一方の検出部の回路が故障し、火災検出ができない場合であっても、或いは回路故障のない他方の検出部の監視情報に基づいて火災判断するので、失報を防止することができる。
また、本発明においては、防災受信機は、記憶部に記憶されている情報に基づいて、受信した監視情報の内、対応する識別情報を用いて互いに隣り合う同じ監視領域を監視する第1及び第2の検出部との2つの監視情報に基づいて火災を判断するようにした。この結果、2組以上の検出部が設置されている場合であっても、互いに隣り合う同じ監視領域を監視する第1及び第2の検出部との2つの監視情報に基づいて火災を判断するため、誤報を低減し、非火災報を低減することができる。
また、本発明においては、トンネル内の監視領域を監視するようにしたので、トンネル内の火災判断において、誤報、非火災報を低減することができる。
また、本発明においては、2つの検出部を備える火災検知器を監視領域の境界毎に設け、この2つの検出部が互いに隣接する監視領域を監視するようにしたので、同じ監視領域を2つの火災検知器の検出部が重複して監視できる。この結果、火災検知器を監視領域の境界毎に1台ずつ設ければよいので、設置の手間を低減し、誤報、非火災報を低減することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る火災報知システム1の概略構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、火災報知システム1は、火災検知器10(10A、10B、10C、10D)、伝送路20、防災受信機30を含んで構成されている。
防災受信機30は、各火災検知器10から受信した監視情報に基づいて、火災が発生しているか否かを判別する。具体的には、防災受信機30は、火災検知器10から監視情報を受信すると、その判断部は、当該監視情報に含まれる情報から火災の有無を判別する。即ち、監視情報が赤外線量を示す場合にはこれを元に所定の演算等により火災判別処理を行い、火災有無を判別する。また、監視情報が火災を検知した旨を示す場合には、これに基づき火災と判別する。そして、この監視情報とともに送信された識別情報から、火災と判別した検出部を特定する。この検出部毎の火災判別に基づく火災判断(断定)処理については後述する。
この防災受信機30は、例えば、監視室などに設置され、火災が発生していると判断(断定)した場合、火災が発生していることを示す情報を表示部、音響報知部等に出力して警報する。
図2では3つの監視領域を示したが、監視領域は3つ未満であっても、4つ以上であってもよい。この場合、火災検知器10は、監視領域の境界に応じた数が設置される。
なお、トンネル長手方向(車両進行方向)の両端、つまり出入り口に設置される火災検知器10は、トンネル外側に監視領域が設定されていないので、トンネル外側を監視する検出部を備える必要がない。又は、この検出部の監視による監視情報は、防災受信機30での火災判別、火災判断に使用しないようにすればよい。
また、図示を省略しているが第1検出部11及び第2検出部12の第1検出素子111及び第2検出素子121の前方(監視領域側)には、それぞれ透光性窓が設けてあり、これにより監視領域からの光(赤外線)エネルギーを透過しつつ、監視領域側の環境から火災検知器10の内部を保護している。そして、第1検出素子111、121には、略4.5[μm]を中心とする所定波長帯域の光を選択的に透過する光学波長フィルタ(バンドパスフィルタ)が設けられている。
また同様に図示を省略しているが、火災検知器10は、第1検出部11及び第2検出部12にそれぞれ対応して、これらの透光性窓の汚損度を検出する汚損度検出部(汚損度検出手段)と、火災検知器10の内部回路(例えば図3に示した各構成部)の故障を検出する故障検出部(故障検出手段)を備えている。これらの構成等については後述する。
第1検出素子111は、有炎燃焼時に生じるCO2(二酸化炭素)による共鳴放射の波長帯域の放射光のエネルギーを受光し、電気信号に変換して検出信号として出力する光学センサである。つまり、第1検出素子111は、監視領域から受光した赤外線量に応じた検出信号(アナログ信号)を図示しないフィルタ回路や増幅回路等を介してA/D変換部112へ出力する。A/D変換部112はこれをデジタル信号に変換し、マイクロプロセッサを含むコンピューター回路からなる火災検知部130に出力する。A/D変換部112は火災検知部130に設けられてもよい。
第2検出部12は、第2検出素子121、A/D変換部122を備えている。第2検出素子121、A/D変換部122の機能は、第1検出素子111、A/D変換部112と同様である。
送受信部140は、防災受信機30から受信した設定コマンドに基づき各検出部の固有な識別情報を識別情報設定部150に記憶する。送受信部140は、火災検知部130が出力した検知信号に基づき生成される監視情報に、識別情報設定部150に記憶されている識別情報を付加して防災受信機30に送信する。なお、受信機からの設定コマンドによらず、他の手段と方法により、識別情報を識別情報設定部に予め登録記憶するようにしてもよい。
識別情報設定部150は、防災受信機30によって割り当てられた識別情報を記憶する。なお、「識別情報」は例えば火災検知器10のアドレス、後述する「識別子」は検出部のIDに相当する。
また、各火災検知器10に識別情報が割り当てられている場合には、これと別に各検出部を識別する識別子(第1検出部と第2検出部の別を示す各コード)を割り当てる。この場合、防災受信機30は、識別情報と識別子の組み合わせを用いて、検出部を識別ようにする。
透光性窓102、103は、例えば、サファイヤガラスで構成されている。このため透光性窓102、103は、約7.0[μm]の波長を超える光を遮断するハイカット(ロングウェーブカット)特性を有しているが、もちろん、4.5[μm]を含む波長帯の光を透過する。
判断部302は、送受信部301が受信した監視情報、及びタイマー部304が出力した情報に基づいて、トンネル40内で火災が発生しているか否かを判断する。判断部302は、記憶部303に記憶されている情報に基づいて、各火災検知器10の各検出部に、これらを識別する識別情報を割り当て、割り当てた識別情報を、設定コマンド情報として送受信部301を介して火災検知器10に送信する。例えば、防災受信機30は、図2において、火災検知器10Aの第2検出部12Aに識別情報「ID0001」を割り当て、第1検出部11Aに識別情報「ID0002」を割り当て、割り当てた識別情報を設定コマンドと共に火災検知器10Aに送信する。火災検知器10は、これを受けて自己の各検出部に対して割り当てられた識別情報を識別情報設定部150に記憶する。なお、防災受信機30は、火災検知器10毎に識別情報を割り当ててもよい。即ち判断部302は、トンネル40内において、図2に示したように、例えば、車両の進行方向に向かって、各火災検知器10に対して順番に、固有な識別情報を割り当てるようにしてもよい。この場合、火災検知器10から防災受信機30へ送信される監視情報は、火災検知器10の識別情報と、各検出部を示す情報(識別子)とを含むようにする。
このようなコマンド送信による火災検知器10への識別情報登録は、例えば防災受信機30を起動する毎に行うようにしてもよい。
判断部302は、火災検知器10から識別情報を含む監視情報を受信した場合、記憶部303に記憶されている情報に基づいて、同じ監視領域を監視している火災検知器10の第1検出部11または第2検出部12を抽出する。例えば、火災検知器10Aから、第1検出部11Aの識別情報「ID0002」を含む監視情報を受信した場合、判断部302は、第1検出部11Aと同じ監視領域を監視している火災検知器10Bの第2検出部12Bの識別情報を記憶部303に記憶された情報に基づいて抽出し、この識別情報を含む監視情報を参照して火災を判断する。判断部302は、トンネル40内で火災が発生していると判断した場合、火災が発生していることを示す発報情報を発報部305に出力する。なお、発報情報には、火災が発生している監視領域を示す情報が含まれている。また、判断部302は、火災の監視開始後、最初に監視情報を受信したとき、タイマー部304の動作(計時)を開始するように制御する。
タイマー部304は、判断部302の制御により動作(計時)を開始する。タイマー部304は、計時開始から予め設定されている時間である第1所定時間(例えば20秒)内である場合、その旨を示す情報を判断部302に出力する。タイマー部304は、第1所定時間が経過したとき、第1所定時間が経過したことを示す情報を判断部302に出力する。
発報部305は、判断部302が出力した発報情報に基づいて、火災が発生していることを示す情報、及び火災が発生している監視領域を示す情報を、出力部306へ出力する。
出力部306は、例えば、画像表示装置、ランプ、音響出力装置であり、発報部305から得た情報に応じて、発報内容を示す情報を表示したり、ランプを点灯(あるいは点滅)させたり、発報内容に応じた音声を出力することで警報する。出力部306は、画像表示装置、ランプ、音響出力装置のいずれか1つ、あるいは2つ以上の組み合わせであってもよい。
各火災検知器10の火災検知部130は、定期的に自己の第1検出部11、又は第2検出部12で受光した入射光量に応じた電気信号がA/D変換された検出信号をサンプリングする(ステップS1)。サンプリングは、例えば32Hzで2秒間(64回)とし、これを所定周期で行う。火災検知部130は、サンプリングした電気信号の所定の(例えば64回の)平均レベル又は積算レベルが例えば予め定められている閾値より大きいと判別した場合(ステップS2;Yes)、火災検知部130は、ステップS3に進み、一方、平均レベル又は積算レベルが予め定められている閾値以下であると判別した場合(ステップS2;No)、ステップS1へ戻る。
次に、2秒間のサンプリングデータをFFT演算する等して、第1検出部11、又は第2検出部12が検出した検出信号の中心周波数が、所定の周波数であるか否かに基づいて、検出信号が火災によるものか否かを判別する(ステップS3)。所定の周波数とは火災炎特有のちらつき(ゆらぎ)周波数であり、例えば、約2[Hz(ヘルツ)]である。火災検知部130は、検出信号の中心周波数の周期が所定の周波数であると判別した場合(ステップS3;Yes)、対応する検出部の監視領域に火災が有ると判断してステップS4に進み、検出信号の中心周波数の周波数が所定の周波数ではないと判別した場合(ステップS3;No)、ステップS1に戻る。
ステップS3で検出信号の中心周波数が所定の周波数であると判別した場合、火災検知部130は検知信号を送受信部140へ出力し、これに基づきステップS4で送受信部140は、検出信号に基づく監視情報を防災受信機30に送信する。例えば、火災検知器10Bの第2検出部12Bの検出信号が火災によると判別した場合、送信された監視情報には、火災検知器10Bの第2検出部12Bの識別情報、第2検出部12Bの検出信号に基づく火災(有り)を示す情報が含まれている。
防災受信機30の判断部302は、火災の監視開始後、火災検知器10の何れかから最初の監視情報を受信すると、受信した監視情報に基づき火災の有無を判別する。判断部302は、判別した結果を記憶部303に記憶させる(ステップS11)。次に、判断部302は、タイマー部304の、対応するタイマーに第1所定時間の計時を開始するように制御するとともに、この最初に受信した監視情報から識別情報を抽出し、抽出した識別情報に基づき監視情報を送信した火災報知器の検出部を特定する(ステップS12)。なお、この段階で出力部306から適宜の予備報知を行うようにしてもよい。
次に、判断部302は、記憶部303に記憶されている情報に基づいて、ステップS12で特定した検出部と同じ監視領域を監視している検出部を抽出する(ステップS13)。
次に、判断部302は、タイマー部304が計時した計時結果に基づき、第1所定時間内の処理を行う(ステップS14)。判断部302は、第1所定時間内にステップS13で抽出した検出部の監視情報を受信し、受信した監視情報に基づき火災有りと判別した場合(ステップS14;監視情報を受信)、当該監視領域で火災が発生していると判断してステップS17に進む。
一方、判断部302は、第1所定時間内にステップS13で抽出した検出部の監視情報に基づいて火災有りと判別しない場合、待機し、待機中にステップS12で特定した検出部の火災解消(復旧)情報を受信した場合(ステップS14;火災解消情報を受信)、ステップS11に戻る。
判断部302は、ステップS13で抽出した検出部の監視情報を受信せずに第1所定時間が経過した場合(ステップS14;第1所定時間経過)、タイマー部304の計時をクリアしてステップS15に進む。
次に、判断部302は、第2所定時間内の処理として、ステップS12で特定した最初の監視情報を送信してきた検出部の監視情報に基づき、引き続き火災有りと判別されているか否かを確認する(ステップS16)。判断部302は、引き続き火災有りと判別されている場合(ステップS16;火災を判別)、当該監視領域で火災が発生していると判断してステップS17に進み、一方、引き続き火災有りと判別されていない場合、あるいは火災が有りと判別されていないまま第2所定時間が経過した場合(ステップS16;第2所定時間経過)、タイマー部304の計時をクリアしてステップS11に戻る。
次に、判断部302は、ステップS14またはS16の処理に基づいて、火災が発生していると判断した場合、火災処理(警報処理)として判断した結果に基づく情報を、発報部305を介して出力部306に表示すると共に、音響で警報する(ステップS17)。
なお、ステップS17終了後、判断部302は、再びステップS11〜S17を繰り返す。このため、1回目の処理で、第1所定時間内に、一方の検出部からの監視情報しか得られなくても、次回の処理時、再度、第1所定時間内に同じ監視領域を監視している2つの検出部からの監視情報を受信しているか否かを判断する。
なお、監視情報の受信は図9の処理中にも適宜(例えば定期的に、或いは火災検知器10から監視情報が送信される毎に)行われており、最初の監視情報を受信後の図9の処理中に、別の監視領域を監視する検出部からの監視情報を受信した場合には、当該別の監視領域について図9と同じ処理を並行して行う。
(1)第1所定時間内に、同じ監視領域を監視している全て(ここでは2つ)の検出部に係る監視情報を受信し、且つ当該2つの監視情報のそれぞれから火災有りと判別した場合
(2)第1所定時間が経過した後から第2所定時間内に、最初に受信した監視情報に基づき引き続き火災有りと判別した場合
また、判断部302は、以下の(3)または(4)の場合に、火災が発生していないと判断する。
(3)第1所定時間内に、最初に受信した監視情報を送信した検出部に係る火災解消情報を受信し、これに基づき火災復旧を判別した場合
(4)第1所定時間が経過した後から第2所定時間内に、最初に受信した監視情報の検出部に係る監視情報に基づき引き続き火災有りと判別しない場合
なお、同じ監視領域を監視する検出部が3以上である場合には、(1)では、この全ての検出部に係る監視情報に基づきそれぞれ火災を判別した場合以外に、例えば2以上の所定数につき火災を判別した場合に火災と判断するようにしてもよい(1’)。
また、同じ監視領域を監視する検出部が3以上である場合には、(2)で第2所定時間内に、例えば2以上の所定数につき引き続き火災有りと判別された場合に火災と判断するようにしてもよい(2’)。
このような場合(1’)、(2’)に対応して、(3)、(4)の火災が発生していないとする条件についても、2以上の所定数の復旧を判別すること等に代えることができる。
まず、図2の例について説明する。防災受信機30は例えば、最初に、火源50に最も近い火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報を受信し、これに基づき監視領域40Bでの火災を判別する。通常であれば続いて第1所定時間内に、火災検知器10Cの第2検出部12Cに係る監視情報も受信し、これに基づき監視領域40Bでの火災が判別する。これによりトンネル40内の監視領域40Bで火災が発生していると判断し、図9のステップS17で説明したように火災処理を行う。
防災受信機30は、まず火源51から近い火災検知器10Bの第1検出部11Bからの監視情報を受信する。発炎筒による火源51によるエネルギーは、実際の火災の炎と比べて低いため、火源51から比較的遠方にある火災検知器10Cの第2検出部12Cからの検出信号レベルは小さく、火災検知器10Cの火災検知部130はこれに基づく火災を検知しないため、火災検知器10Cは発炎筒による火源51が存在しても、防災受信機30へ火災を検知した旨を示す監視情報を送信しない。図11の例では更に、車両60により第2検出部12Cからの火源51の見通しを遮ることになるので、火災検知器10Cは火災を検知せず、防災受信機へ火災を検知した旨を示す監視情報は送信しない。
従って、図11に示した例では、防災受信機30の判断部302は、第1所定時間内において、火災検知器10Bから第1検出部11Bに係る監視情報を受信するが、火災検知器10Cから第2検出部12Cに係る監視情報は受信しない。このため、判断部302は、第1所定時間内において、火災が発生しているか否かの判断を行わず待機する。次に、第1所定時間が経過した後から第2所定時間内、判断部302は、火災検知器10Cの第2検出部12Cに係る監視情報に基づかず、火災検知器10Bの第1検出部11Bからの監視情報に基づいて、火災が発生しているか否かを判断する。ここでは、火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報のみに基づいて、火災が発生しているか否かを判断することになる。ここで、火源51の中心周波数が所定の周波数と一致している時間は、通常、第1所定時間より短い(そうなるように考慮して第1所定時間を設定する)。従って、判断部302は、第1所定時間内に火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報を受信し、火災と判断し、発報情報を発報部305に出力してしまうという事態を避けることができる。
防災受信機30は、例えば、まず火源51から近い火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報を受信する。一方、第1検出部11Bと同じ監視領域を監視している火災検知器10Cの第2検出部12Cは、火源51からの光(赤外線)が車両60で遮られているため、当該火源51からの光を受光できない。この結果、防災受信機30は、第1所定時間内において、火災検知器10Cの第2検出部12Cに係る監視情報を受信しない。
従って、判断部302は、第1所定時間内において、火災が発生していると判断せずに待機する。
次に、第1所定時間が経過した後から第2所定時間内、判断部302は、火災検知器10Cの第2検出部12Cに係る監視情報に基づかず、火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報に基づいて、火災が発生しているか否かを判断する。火災検知器10Bの第1検出部11Bは、監視領域40Bで火災が発生しているため(火源51のエネルギーが減少しないため)監視情報を継続して送信している。この結果、判断部302は、火災検知器10Bの第1検出部11Bに係る監視情報を第2所定時間内に受信するため、監視領域40Bで火災が発生していると判断し、発報情報を発報部305に出力する。ここで、第1所定時間、第2所定時間の設定によっては、火災判断までに要する最大時間が従来に比べ若干長くなることもあり得るが、その場合でも、特に一過性の誤報、非火災報を低減する効果と比較すれば、大きな問題にはならない。
防災受信機30は、例えば、ノイズに基づく第1検出部11Bに係る監視情報を、火災検知器10Bから受信する。このようにノイズによる火災を検知した旨を示す監視情報が送信された(或いは、防災受信機30が火災を検知した旨を示す監視情報を受信したと誤認した)としても、一過性のものであり、もう一方の検出部に係る、火災を検知した旨の監視情報は受信されないので、防災受信機30は火災とは判断しない。
本実施形態では、火災検知器10aが備えている透光性窓102、103の汚損度合に応じて、防災受信機30aが火災判断に用いる火災検知器10aを選択する例について説明する。なお、火災検知器10aは、例えば図2に示したように、車両の進行方向に対して一定間隔L毎に配置されている。
送受信部140aは、防災受信機30aから受信した試験コマンドから識別情報を抽出し、抽出した識別情報が識別情報設定部150に記憶されている識別情報と一致するか判別する。なお、試験コマンドには、点灯試験を実施する対象の火災検知器10aを特定する識別情報、第1光源又は第2光源の点灯を指示する光源点灯指示情報が含まれている。即ち、試験コマンドは、例えば第1光源172を点灯、点滅又は明滅(以下、総称して「点灯」という)させて、第1検出部11を試験するコマンドであり、また例えば、第2光源182を点灯させて、第2検出部12を試験するコマンドである。送受信部140aは、抽出した識別情報が識別情報設定部150に記憶されている識別情報と一致する場合、試験コマンドに応じた試験指示信号を試験制御部160に出力する。
送受信部140aは、防災受信機30aからの試験コマンドに応じて試験制御部160により実施された試験結果として機能診断部190が出力した汚損情報に、識別情報設定部150に記憶されている識別情報及び各情報に係る検出部の識別子を付加して、伝送路20を介し防災受信機30aに送信する。
汚損情報は、透光性窓の汚損状況を表す情報であり、汚損状況を表す情報としては、第1光源172の点灯時における第1検出素子111が検出した信号レベルに基づく透過率又は減光率、第2光源182の点灯時における第2検出素子121が検出した信号レベルに基づく透過率又は減光率、或いは透過率又は減光率に基づいて判断された情報(例えば汚損の有無等)が用いられる。このような透光性窓の汚損は火災検知器10aの機能障害のひとつである。透過率又は減光率は、無汚損の初期状態における受光レベルと試験時の受光レベルとに基づいて火災検知器10aが算出してもよく、防災受信機30aが算出してもよい。また同様に、透過率又は減光率に基づく汚損度の判断は、火災検知器10aが判断してもよく、防災受信機30aが判断してもよい。汚損度は、汚損の度合いに応じて決まる値であり、透過率又は減光率をそのまま用いてもよいし、透過率や減光率に応じた段階的な指標値としてもよい。
送受信部140aは、故障検出部192が周期的に実施するビルトインテストによって故障が検出されている場合に、防災受信機30aからの周期的な呼び出しに応じるタイミングで、その旨を故障情報(識別情報が付してある)として伝送路20を介し防災受信機30aへ送信する。故障情報とは、火災検知器10a内の部品や回路の故障を示す情報である。故障は、汚損と同様に火災検知器10aの機能障害のひとつである。
光源制御部171は、試験制御部160が出力した光源点灯指示に応じて、予め定められている時間、予め定められている光量で第1光源172を点灯させるように制御する。光源制御部181は、試験制御部160が出力した光源点灯指示に応じて、予め定められている時間、予め定められている光量で第2光源182を点灯させるように制御する。予め定められている時間とは、例えば2秒である。第1光源172及び第2光源182は、透光性窓を介して第1及び第2検出素子が受光可能な、例えば火災の発生によって生じた炎が放射する光の波長(ここでは4.5μm)を含んだ光を第1及び第2検出素子へ照射する。
汚損度検出部191は、光源制御部171又は181により第1光源172又は第2光源182を点灯したとき、対応する検出部の第1検出素子111又は第2検出素子121における受光信号がA/D変換部112又は122でA/D変換された検出信号を受け取る。汚損度検出部191は、例えば、受け取った検出信号に基づいて、透光性窓の透過率を算出し、算出した透過率に基づく汚損度に応じた内容の汚損情報を生成し、生成した汚損情報を送受信部140aに出力する。汚損情報には識別情報及び対応する透光性窓(検出部)の識別子を付加する。
次に、汚損度検出部191で汚損度を判断する場合の具体的な処理について説明する。
汚損度検出部191は、第1光源172又は第2光源182を点灯した際に得られた第1検出部11、又は第2検出部12の検知信号のレベル(例えば振幅検出値等)と、予め同じ点灯条件で、無汚損時に第1光源172又は第2光源182を点灯した場合の初期検知信号レベルとに基づき、次式(1)を用いて透光性窓の透過率を算出する。
試験光源収納部108は、透光性窓102、103のy軸方向の上部に配置されている。試験光源収納部108は、第1光源172及び第2光源182を収容している。
透光性窓102は、第1光源172と第1検出部11との間に配置されている。透光性窓103は、第2光源182と第2検出部12との間に配置されている。
判断部302aは、送受信部301aが受信した監視情報、及びタイマー部304が出力した情報に基づいて、トンネル40内で火災が発生しているか否かを判断する。判断部302aは、トンネル40内の監視領域で火災が発生していると判断した場合、当該監視領域で火災が発生していることを示す発報情報を発報部305aに出力する。判断部302aは、火災の監視開始後、最初に監視情報を受信し、これが火災を示すものであったとき、タイマー部304の、対応するタイマーに第1所定時間の計時を開始するように制御する。
判断部302aは、制御部307から受信した汚損判定結果が検出部を火災の監視に利用できないことを示す場合、その検出部に対応させて、タイマー部304の、対応するタイマーに、予め定められている第3所定時間の計時を開始するように制御する。第3所定時間は、例えば60分等である。例えば透光性窓102又は103が一時的に結露していた場合、一定時間が経過すれば、結露していた状態が解消し、透過率が正常値に回復している場合もあるため、例えば第3所定時間は、この結露が解消するまでにかかる時間を考慮して決められている。第3所定時間は、例えば透光性窓の透過率に応じて決定するようにしてもよい。あるいは、第3所定時間は、試験を行った時刻に応じて決定するようにしてもよい。例えば結露しやすい時間帯では、第3所定時間を10分に決定するようにしてもよい。
判断部302aは、制御部307から受信した故障判定結果が火災検知器10aを火災の監視に利用できないことを示す場合、その火災検知器10a又は検出部に対応させて、タイマー部304の、対応するタイマーに、予め定められている第4所定時間の計時を開始するように制御する。第4所定時間は、例えば15秒〜20秒である。
タイマー部304は、監視領域毎、或いは火災検知器10aや検出部毎の複数の計時を並行して行えるように、複数のタイマーを有している。
出力部306aは、表示部306a1、音響報知部306a2を備えている。表示部306a1は、発報部305aから得た情報に応じて、発報内容を示す情報を表示することで警報する。音響報知部306a2は、発報部305aから得た情報に応じて、発報内容に応じた警報音や音声を出力することで警報する。
制御部307は、試験コマンドを所定の周期で生成し、生成した試験コマンドを送受信部301aに出力する。送受信部301aはこれを受け、伝送路20を介し火災検知器10aへ試験コマンドを送信する。なお、所定の周期は任意であるが、例えば、1時間、24時間等である。また同様に、制御部307は、故障情報確認のため周期的に火災検知器10aの呼び出しを行う呼び出し信号を送受信部301aに出力する。送受信部301aはこれを受け、伝送路20を介し火災検知器10aへ呼び出し信号を送信する。この場合の周期は任意であるが、例えば、10分、30分等である。
制御部307は、試験コマンドに応じ火災検知器10aからの返信を送受信部301aが受信して出力した汚損情報を機能認知部308に出力する。また、制御部307は、故障情報確認のための周期的な呼び出しに応じるタイミングで火災検知器10aから返信され送受信部が受信して出力した故障情報を機能認知部308に出力する。
汚損認知部308aは、制御部307が出力した汚損情報から識別情報、識別子(検出部)、識別子毎の透過率を抽出する。汚損認知部308aは、抽出した識別情報、識別子、識別子に対応する火災検知器10aの検出部の透光性窓の透過率を各々、記憶部309に記憶させる。汚損認知部308aは、記憶部309に記憶させた透過率に基づいて、汚損度を認知する。汚損認知部308aは、認知した結果に基づいて、各検出部が火災の監視に利用できるか否かを判定し、判定した結果である汚損判定結果、抽出した識別情報、識別子を判断部302aに出力する。なお、火災検知器10aの汚損度検出部191で透過率を算出し汚損度を判断する場合には、各検出部が火災の監視に利用できるか否かを汚損情報とし、汚損認知部308aではそのままその旨を認知、判定し、汚損判定結果、識別情報、識別子を判断部302aに出力するようにする。
故障認知部308bは、制御部307が出力した故障情報から識別情報を抽出する。故障認知部308bは、抽出した識別情報に対応する火災検知器10aの検出部の故障情報を各々、記憶部309に記憶させる。
故障認知部308bは、記憶部309に記憶させた検出部の故障情報に基づいて、火災検知器10aの故障を認知し、認知した結果に基づいて、各検出部が火災の監視に利用できるか否かを判定し、判定した故障判定結果、抽出した識別情報を判断部302aに出力する。故障内容が例えば第1検出素子111又は第2検出素子121の故障である場合等、検出部毎に特定されるものである場合には、故障情報には識別情報と共に識別子を付すことができ、故障認知部308bでもこれを認識することができる。故障情報に識別子が含まれる場合には、これも関連づけて同様に記憶させる。なお、故障情報に検出部の識別子が含まれない場合(故障情報は火災検知器10a毎のものである場合)には、両方の識別子が関連づけられて記憶されたものとして扱う。
次に、防災受信機30aの制御部307は、汚損情報を受信したか否か判別する(ステップS103)。制御部307は、汚損情報を受信したと判別した場合(ステップS103;Yes)、ステップS104に進む。制御部307は、汚損情報を受信していないと判別した場合(ステップS103;No)、汚損情報を受信するまでステップS103を繰り返す。なお、予め定められた時間が経過しても、汚損情報が受信できない場合、制御部307は、火災検知器10aに試験コマンドを再送信(リトライ)するようにしてもよい。試験コマンドを再送信しても、汚損情報を受信できない場合、制御部307は、試験コマンドを送信した対象である識別情報の火災検知器10aが異常であるとして、例えばステップS106の異常処理を行うようにしてもよい。
汚損認知部308aは、透過率が汚損警報閾値25%以下である場合、発報部305aにより、表示部306a1及び/又は音響報知部306a2から汚損警報を出力する(ステップS108)。この汚損警報閾値25%は、火災検知器としての監視性能を発揮できなくなる限界の汚損度合いに対応した透過率である。したがって、透過率が25%以下となった場合には火災検知器10aの透光性窓102の汚れを清掃しなければ正常な火災監視ができない。このとき、汚損認知部308aは、判定した結果に基づいて、この識別子によって特定される検出部に対応して、タイマー部304の、対応するタイマーに第3所定時間の計時を開始させる。
次に、制御部307は、同じ火災検知器10aの識別情報と共に、現在の検査対象識別子Nに対応する識別子を付して、試験コマンドを送信する。次に、この識別情報に該当する火災検知器10aの試験制御部160は、受信した試験コマンドに従い、検査対象識別子N=2の第2検出部12に対応する光源制御部181によって第2光源182を点灯させる。汚損度検出部191は、このとき第2検出素子121が受光した結果に基づく汚損情報を防災受信機30aに送信する。これを受け、汚損認知部308aは、ステップS103〜S108と同じ処理を繰返す(ステップS110)。
次に、制御部307は、検査対象識別子Nを1にして、次に試験を行う火災検知器10aへ試験コマンドを送信する。このようにして全ての火災検知器10aの検出部に対して、ステップS102〜S111の試験を行う(ステップS111)。
まず、防災受信機30aの判断部302aは、第1実施形態のステップS11〜S13(図9参照)と同様に行う。ステップS11〜S13において、判断部302aは、火災検知器10aを識別情報に基づき識別し、検出部を識別子に基づき識別する。
判断部302aは、タイマー部304の出力、受信した監視情報に基づいて、例えば以下(11)〜(15)のように火災を判断する。
(11)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でなく、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、第1所定時間内に、同じ監視領域を監視している全て(ここでは2つ)の検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(12)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中であり、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、最初に火災と判別された監視情報の検出部を、計時中である第3又は第4所定時間内除外し、最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(13)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でなく、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中である場合
この場合、判断部302aは、最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部を、計時中である第3又は第4所定時間内除外し、最初に火災と判別された監視情報の検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(14)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中であり、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、最初に火災と判別された監視情報の検出部及び最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部を、計時中である第3又は第4所定時間内除外し、待機する。
(15)(14)の待機後、第1所定時間が経過した後、且つ第2所定時間内に、その監視領域の何れかの検出部に対応する、計時中であった第3又は第4所定時間の計時が満了した場合
判断部302aは、計時中であった第3又は第4所定時間の計時が満了したタイマーに対応する検出部の監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(12’)その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時が第1所定時間内に満了しており、且つ第1所定時間内に最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、同じ監視領域を監視している全て(ここでは2つ)の検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(13’)その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でなく、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時が第1所定時間内に満了した場合
この場合、判断部302aは、同じ監視領域を監視している全て(ここでは2つ)の検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(12’’)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中であり、且つ最初に火災と判別された監視情報を受信した検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でなく、且つ第2所定時間内、最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、第1所定時間内、待機し、第2所定時間内に、最初に火災と判別された監視情報の検出部又は最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部の少なくともいずれかの監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
(13’’)第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でなく、且つ最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中であり、且つ第2所定時間内、最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第3又は第4所定時間の計時中でない場合
この場合、判断部302aは、第1所定時間内、待機し、第2所定時間内に、最初に火災と判別され監視情報の検出部又は最初に火災と判別された監視情報を受信した検出部と同じ監視領域を監視している検出部の少なくともいずれかの監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断する。
なお、例えば各検出部に共通の電源回路や火災検知部130の故障等、故障内容が検出部毎に特定できないこと等によって、故障情報に検出部を識別する識別子が含まれていない場合、(12)〜(14)、(12’)、(13’)、(12’’)、(13’’)において、故障情報または汚損情報に含まれる識別情報に対応する火災検知器10a(その全ての検出部)を除外するようにしてもよい。
第4所定時間を上記例のように例えば15秒〜20秒といった時間に設定すると、第1所定時間内に第4所定時間の計時が満了する可能性が高くなる。このため、例えば、第1所定時間内、その監視領域につき最初に火災と判別された監視情報の検出部に対応する第4所定時間の計時中である場合、又は最初に火災と判別された監視情報の検出部と同じ監視領域を監視している検出部に対応する第4所定時間の計時中である場合、判断部302aは、(12’)のようにタイマーの計時が満了した後、同じ監視領域を監視している全て(ここでは2つ)の検出部に係る監視情報に基づいてその監視領域の火災を判断するようにしてもよい。
なお、第1実施形態と同様に、同じ監視領域を監視する検出部が3以上であってもよい。この場合、例えば(12)において、第3又は第4所定時間の計時が行われている検出部を第3又は第4所定時間内、火災の判断から除外し、第3又は第4所定時間の計時が行われていない他の検出部に係る監視情報に基づいて火災を判断する。
なお、本実施形態では、防災受信機30aが透過率等を演算して、これに基づき汚損を認知する例を説明したが、汚損の認知を火災検知器10aが行い、認知した結果を汚損情報として防災受信機30aに送信するようにしてもよい。この場合、防災受信機30aは汚損情報から直接その旨を認知するようにする。
なお、第1及び第2実施形態において、火災検知器10、10aの第1検出部11及び第2検出部12、各々は、1つの検出素子を備える例を説明したが、これに限られない。第1検出部11及び第2検出部12、各々は、2つずつの検出素子を備え、それぞれ異なる波長の光を検出するようにしてもよい。これにより、さらに火災を精度良く検出できる。
また、境界部に設置する火災検知器、検出部については、図2、図11に示した例のように必ずしも同じ壁面側に設置する必要はなく、複数の検出部が同じ監視領域を監視できるように設置されていれば、例えば境界毎に交互に、対向する壁面に設置する等、適宜の設置が可能である。
Claims (10)
- 1の監視領域を第1の検出部及び第2の検出部で監視し、前記第1及び第2の検出部は、それぞれの監視結果に応じた監視情報を防災受信機へ送信し、
当該防災受信機は、前記第1及び第2の検出部の一方から受信した前記監視情報に基づき火災を判別してから第1所定時間の間は前記第1及び第2の検出部それぞれから受信した前記監視情報の両方に基づいて火災を判断し、
前記第1所定時間の経過後、第2所定時間の間は前記一方の検出部から受信した前記監視情報に基づいて火災を判断すること、
を特徴とする火災報知システム。 - 前記防災受信機は、前記第1及び第2の検出部の一方の機能に障害があるときは他方の前記検出部から受信した前記監視情報に基づいて火災を判断すること、
を特徴とする請求項1に記載の火災報知システム。 - 1の監視領域を第1の検出部及び第2の検出部が監視し、
前記第1及び第2の検出部は、それぞれの監視結果に応じた監視情報を防災受信機へ送信し、
前記防災受信機は、前記第1及び第2の検出部の一方から受信した前記監視情報に基づき火災を判別してから第1所定時間の間は前記第1及び第2の検出部それぞれから受信した前記監視情報の両方に基づいて火災を判断し、
前記第1所定時間の経過後、第2所定時間の間は前記一方の検出部から受信した前記監視情報のみに基づいて火災を判断すること、
を特徴とする火災報知システムの火災判断方法。 - 前記防災受信機が、前記第1及び第2の検出部の一方の機能に障害があるときは他方の前記検出部から受信した前記監視情報に基づいて火災を判断すること、
を特徴とする請求項3に記載の火災報知システムの火災判断方法。 - 1の監視領域を第1の検出部及び第2の検出部で監視し、それぞれの監視結果に応じた監視情報を当該第1及び第2の検出部から受信する防災受信機のコンピューターに、
前記第1及び第2の検出部の一方から受信した前記監視情報に基づき火災を判別してから第1所定時間の間は前記第1及び第2の検出部それぞれから受信した前記監視情報の両方に基づいて火災を判断する手順、
前記第1所定時間の経過後第2所定時間の間は、前記一方の検出部から受信した前記監視情報のみに基づいて火災を判断する手順、
を実行させる火災報知システムの火災判断プログラム。 - 防災受信機に接続され、共通の監視領域の火災を監視する第1の検出部と第2の検出部を備える火災報知システムであって、
前記第1及び第2の検出部はそれぞれ、前記監視領域の火災を監視した結果に応じた監視情報と、自身に割り当てられた識別情報とを前記防災受信機へ送信する送信部を有し、
前記防災受信機は、第1及び第2の検出部それぞれの識別情報が関連付けられた情報を前記監視領域毎に記憶する記憶部と、
前記第1又は第2の検出部の一方から受信した監視情報から火災を判別してから第1所定時間内に他方の検出部から受信した監視情報から火災を判別した場合に火災と判断し、前記第1所定時間内に他方の検出部から監視情報を受信できない又は他方の検出部から受信した監視情報から火災を判別しない場合で前記第1所定時間の経過後、第2所定時間が経過するまでの間は、前記一方の検出部から送信された監視情報から火災を判別したときに、火災と判断する判断部と、
を備えることを特徴とする火災報知システム。 - 前記第1及び第2の検出部は、透光性窓と、
当該透光性窓を介して監視領域からの光エネルギーを受光して電気信号に変換するセンサと、
前記透光性窓の汚損度を検出する汚損度検出手段と、を備え、
前記送信部は、前記汚損度検出手段で検出した汚損度に応じた汚損情報を前記防災受信機へ送信し、
前記判断部は、前記送信部から受信した前記汚損情報に基づいて前記透光性窓の汚損状態を判断し、前記第1及び第2の検出部のうち一方の透光性窓の汚損が判断された場合、予め定められている第3所定時間内、当該検出部からの監視情報を火災判断に使用せず、他方の検出部からの監視情報に基づいて火災を判断すること、
を特徴とする請求項6に記載の火災報知システム。 - 前記第1又は第2の検出部は、自己の回路故障を検出する故障検出手段を備え、
前記送信部は、前記故障検出手段で検出した故障情報を前記防災受信機へ送信し、
前記判断部は、前記送信部から受信した前記故障情報に基づいて前記回路故障を判断し、前記第1及び第2の検出部のうち一方の回路故障が判断された場合、予め定められている第4所定時間内、当該検出部からの監視情報を火災判断に使用せず、他方の検出部からの監視情報に基づいて火災を判断すること、
を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の火災報知システム。 - 前記監視領域は、道路トンネル内を車両の走行方向に所定間隔毎に区切った複数の領域のうち任意の一領域であること、
を特徴とする請求項1、2、6から請求項8のいずれか1項に記載の火災報知システム。 - 前記第1及び第2の検出部を一体に備える火災検知器が、前記監視領域の境界毎に設けられており、
前記火災検知器の第1及び第2の検出部は、互いに隣接する監視領域を監視すること、
を特徴とする請求項1、2、6から請求項9のいずれか1項に記載の火災報知システム。
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