JP3248114B2 - 輻射式火災感知器 - Google Patents

輻射式火災感知器

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JP3248114B2
JP3248114B2 JP06697093A JP6697093A JP3248114B2 JP 3248114 B2 JP3248114 B2 JP 3248114B2 JP 06697093 A JP06697093 A JP 06697093A JP 6697093 A JP6697093 A JP 6697093A JP 3248114 B2 JP3248114 B2 JP 3248114B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火炎から放射される輻
射光を検出して火災を感知する輻射式火災感知器、特に
擬似炎信号による自己試験機能を有する輻射式火災感知
器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輻射式の火災感知器としては、火
炎から放射される特定波長帯の輻射エネルギーが一定量
以上に達したことを検出する定輻射式、火炎特有のちら
つきを検出するちらつき式、さらに複数の波長帯の輻射
エネルギーの大きさを比較する2波長式、3波長式等の
各種方式が存在する。そして、これらの輻射式火災感知
器においては、火炎から放射される紫外線や赤外線等の
輻射光を受光素子(例えばホトダイオード、焦電素子、
放電管等)で検出するものが多い。
【0003】また前記受光素子の前面には、防塵用の透
明ガラスや光学フィルタなどよりなる透光性カバーを設
けて、前記火炎からの輻射光はこの透光性カバーを透過
して受光素子に受光させるが、外部からの異物、水分も
しくはガス等の通過は阻止する構造(例えば気密構造)
とし、受光素子及び内部の火災感知回路等の保護を行っ
ているものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら輻射式火
災感知器に前記気密構造の透光性カバーを設けて、例え
ば焦電素子やホトダイオード等の受光素子を保護して
も、これらの素子の受光感度等の諸特性を、長期間にわ
たり初期状態と同一に保持することは困難であり、時間
の経過と共に感度劣化が生じ、時には火炎検出ができな
いことがある。また火災感知器が設置されてから時間が
経過すると、前記透光性カバーは、外気に含まれるゴミ
等の付着により汚損し、光の透過率が徐々に低下し、そ
の結果受光素子の受光量の減少により火炎検出ができな
いことがある。
【0005】このため、一部の高機能化された火災感知
器では、透光性カバーの外部に設けた擬似炎光源を点灯
させ、火災感知器が正常に火災感知動作を行なうかどう
かの動作試験を行なうものがある。しかし前記動作試験
で火災感知ができない場合に、透光性カバーの汚損によ
る動作不良で、この汚れを清掃すれば火災感知動作が正
常に復帰するのか、または受光素子を含む受光回路の故
障で、メーカの修理を要するものであるかの判別ができ
ないという問題点があった。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたもので、透光性カバーの内側に設けられた受光
素子により、火炎からの輻射透過光を受光して火災を感
知する輻射式火災感知器が動作不良の場合に、前記透光
性カバーの汚損に起因する動作不良と、前記受光素子を
含む受光回路の故障とを明確に判別し、あわせて透光性
カバーの汚損程度及び受光素子の劣化程度をも判別する
ことができる輻射式火災感知器を得ることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る輻射式火災
感知器は、火炎から放射される輻射光を透過させる透光
性カバーと、透光性カバーの内側に設けられ、光を受光
する受光素子と、受光素子の検出信号に基づき火災を感
知する手段とを有する輻射式火災感知器において、透光
性カバーの外側に設けられ、第1の動作試験手段の駆動
により第1の擬似炎信号を発光し、透光性カバーを透過
して受光素子に照射する第1の試験用発光素子と、第1
の動作試験手段を駆動させて第1の試験用発光素子に第
1の擬似炎信号を発光させた時に、受光素子の検出レベ
ルを計測し、その計測値に基づいて透光性カバーの汚損
に対する補正が必要か否か、またその汚損に対する補正
が可能な範囲であるか否かを判断する汚損補正判別手段
と、透光性カバーの内側に設けられ、第2の動作試験手
段の駆動により第2の擬似炎信号を発光し、直接又は間
接的に受光素子に照射する第2の試験用発光素子と、第
2の動作試験手段を駆動させて第2の試験用発光素子に
第2の擬似炎信号を発光させた時に、受光素子の検出レ
ベルを計測し、その計測値に基づいて受光素子の受光感
度の補正が必要か否か、また受光感度の補正が可能な範
囲であるか否かを判断する受光感度補正判別手段とを備
えたものである。
【0008】また、本発明に係る輻射式火災感知器は、
汚損補正判別手段が汚損に対する補正が必要であり、か
つ補正が可能な範囲であると判断した時に、汚損に対す
る補正の補正値を算出する汚損補正値演算手段と、受光
感度補正判別手段が受光感度に対する補正が必要であ
り、かつ補正が可能な範囲であると判断した時に、受光
感度に対する補正の補正値を算出する受光感度補正値演
算手段とをさらに備えたものである。
【0009】また、本発明に係る輻射式火災感知器の汚
損補正判別手段は、計測値と減光率基準値との比を透光
性カバーの減光率として算出する減光率算出部と、算出
した減光率があらかじめ設定された補正可能な減光率許
容範囲内であるか否かを判別する汚損程度判別部とを有
し、また、受光感度補正判別手段は、計測値と受光感度
基準値との比を受光感度として算出する受光感度算出部
と、算出した受光感度があらかじめ設定された補正可能
な受光感度許容範囲内であるか否かを判別する受光感度
判別部とを有するものである。
【0010】また、本発明に係る輻射式火災感知器の受
光素子は、それぞれ異なる波長の輻射光を検出する複数
の受光素子からなり、汚損補正判別手段は複数の受光素
子のうち1つの受光素子の計測値に基づき補正可能か否
かを判別するものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】本発明においては、火炎から放射される輻射光
を透過させる透光性カバーと、透光性カバーの内側に設
けられ、光を受光する受光素子と、受光素子の検出信号
に基づき火災を感知する手段とを有する輻射式火災感知
器において、第1の試験用発光素子は透光性カバーの外
側に設けられ、第1の動作試験手段の駆動により第1の
擬似炎信号を発光し、透光性カバーを透過して受光素子
に照射する。そして汚損補正判別手段は、第1の動作試
験手段を駆動させて第1の試験用発光素子に第1の擬似
炎信号を発光させた時に、受光素子の検出レベルを計測
し、その計測値に基づいて透光性カバーの汚損に対する
補正が必要か否か、またその汚損に対する補正が可能な
範囲であるか否かを判断する。また、第2の試験用発光
素子は、透光性カバーの内側に設けられ、第2の動作試
験手段の駆動により第2の擬似炎信号を発光し、直接又
は間接的に受光素子に照射する。そして、受光感度補正
判別手段は、第2の動作試験手段を駆動させて第2の試
験用発光素子に第2の擬似炎信号を発光させた時に、受
光素子の検出レベルを計測し、その計測値に基づいて受
光素子の受光感度の補正が必要か否か、また受光感度の
補正が可能な範囲であるか否かを判断する。
【0014】また、本発明においては、汚損補正判別手
段が汚損に対する補正が必要であり、かつ補正が可能な
範囲であると判断した時に、汚損補正値演算手段が汚損
に対する補正の補正値を算出する。また、受光感度補正
判別手段が受光感度に対する補正が必要であり、かつ補
正が可能な範囲であると判断した時に、受光感度補正値
演算手段が受光感度に対する補正の補正値を算出する。
【0015】また、本発明において汚損補正判別手段で
は、減光率算出部が、計測値と減光率基準値との比を透
光性カバーの減光率として算出する。そして、汚損程度
判別部が、算出した減光率があらかじめ設定された補正
可能な減光率許容範囲内であるか否かを判別する。ま
た、受光感度補正判別手段では、受光感度算出部が、計
測値と受光感度基準値との比を受光感度として算出す
る。そして、受光感度判別部が、算出した受光感度があ
らかじめ設定された補正可能な受光感度許容範囲内であ
るか否かを判別する。
【0016】また、本発明において受光素子は、それぞ
れ異なる波長の輻射光を検出する複数の受光素子からな
る。そして、汚損補正判別手段は複数の受光素子のうち
1つの受光素子の計測値に基づき補正可能か否かを判別
する。
【0017】
【0018】
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す輻射式火災感
知器の構成ブロック図である。図2は図1の輻射式火災
感知器の構造図であり、同図の(a)はその平面図を、
(b)はその断面図を示している。図3は図1の輻射式
火災感知器の左側と右側の2つの感知領域を示す図であ
り、図4は図2の受光素子と内部発光ダイオード(LE
D)との位置関係を示す図である。
【0020】最初に単一の火災感知器でも複数の感知領
域を有することが可能であることを説明する。図1の実
施例の輻射式火災感知器は、例えば壁面に設置される
と、火災感知器の正面方向(壁面に垂直な方向)に対し
て左右にそれぞれ45度の方向を中心軸とする2つのほ
ぼ独立した3次元空間の火災感知領域を有する。図3は
図1の輻射式火災感知器が壁面に設置された場合に、水
平面における左側と右側の感知領域を示すものであり、
例えば受光素子の受光面に垂直な直線距離で約50メー
トル程度までをこの感知領域とすることが可能である。
図3の左側と右側の感知領域内の火炎からそれぞれ放射
される輻射光は、方向別にその受光指向特性が前記感知
領域と一致するように配設された受光素子によりそれぞ
れ受光される。
【0021】図1〜図4において、1L,1Rは、それ
ぞれ左側と右側の感知領域に生じた火炎から放射される
赤外光のうち青色光成分(例えば波長が0.6〜0.7
5μ程度の成分であり、本発明では短波長成分ともい
う)を別個に受光する青色光受光素子であり、この実施
例では、共にフォトダイオードを使用する。2L,2R
は、それぞれ前記左側と右側の感知領域に生じた同一の
火炎から放射される赤外光のうち赤色光成分(例えば波
長が0.8〜2μ程度の成分であり、本発明では長波長
成分ともいう)を別個に受光する赤色光受光素子であ
り、この実施例では、共に焦電素子(赤外線を吸収し温
度変化を生じると、電圧又は焦電流を発生する素子)を
使用する。そして前記ホトダイオード1Lと焦電素子2
Lが図3の左側感知領域の受光センサとして、ホトダイ
オード1Rと焦電素子2Rが図3の右側感知領域の受光
センサとして、それぞれ炎の青色光成分と赤色光成分と
を別個に検出する。
【0022】3Lb,3Lrは、受光感度試験を行なう
ときに、それぞれ左側の青色光受光フォトダイオード1
Lと、左側の赤色光受光焦電素子2Lとを別個に照射す
るため、火炎と同一帯域の赤色光を、炎のゆらぎ周波数
である約8〜12Hzで点滅して発光する左側用の第2
の試験用の発光素子であり、この実施例では発光ダイオ
ードを用い、受光ガラス7の内側に設けられるので、以
下左側の内部LEDという。同様に、3Rb,3Rr
は、受光感度試験を行なうときに、それぞれ右側の青色
光受光フォトダイオード1Rと、右側の赤色光受光焦電
素子2Rとを別個に照射する火炎と同一帯域の赤色光を
約8〜12Hzで点滅して発光する右側用の第2の試験
用の発光素子であり、この実施例では発光ダイオードを
用い、受光ガラス7の内側に設けられるので、以下右側
の内部LEDという。上記左側又は右側の内部LED3
Lb,3Lr,3Rb,3Rrと、受光素子であるフォ
トダイオード1L,1R及び焦電素子2L,2Rとの位
置関係は図4に示されている。
【0023】4L,4Rは、受光ガラス7の左側と右側
の光透過部分についての汚損程度(具体的には光の透過
率)の試験を行なうため、それぞれ受光ガラス7の外部
に設けられ、火炎と同一帯域の赤色光を前記約8〜12
Hzで点滅して発光する左側用と右側用の第1の試験用
の発光素子であり、汚損程度の試験時には、左側又は右
側の方向から発光した炎の擬似光を、それぞれ、受光ガ
ラス7を透過させ、その内側にある左側のフォトダイオ
ード1Lと右側のフォトダイオード1Rとを別個に照射
する。この実施例では、発光素子として発光ダイオード
を用い、以下左側、右側の外部LEDという。
【0024】5L,5Rは、それぞれ左側と右側の動作
・火災表示灯であり、この実施例では、緑色と赤色の2
色発光ダイオードを用い、緑色LEDは動作表示灯とし
て、赤色LEDは火災表示灯として使用している。そし
てこの2色LEDによる表示状態は、火災感知器が火炎
検出信号を受信機へ送信し、これを受信した受信機の指
示に基づき行なわれるものであるが、この実施例におい
ては、最初に火炎を検出したときには、緑色LEDによ
るフラッシング点灯が行なわれ、この最初の検出信号が
受信機により蓄積復旧(リセット)された後の連続する
2回目の火炎を検出したときには、赤色LEDによるフ
ラッシング点灯が行なわれ、連続する3回以上の火炎検
出信号が受信機により確認された後には、赤色LEDに
よる連続点灯となる。なお、2色LEDの表示モード
は、上記3つの表示状態のほかに、2つの各LEDにつ
いて、フラッシング点灯(点滅周波数の低い場合と高い
場合がある)、連続点灯又は消灯を組み合せると、多く
の表示モードが考えられる。下記の表1にその表示モー
ド例を示す。
【0025】
【表1】
【0026】この実施例においては、点検用テスタの擬
似炎光源からの照射光をこの火災感知器に受光させて点
検試験を行なう場合に、前記テスタによる点検試験中で
あることを当該火災感知器に知らせるため、前記テスタ
にあらかじめ設けられた点検告知信号発生手段から火炎
に含まれる周波数帯とは異なる周波数で変調された光、
例えば約500Hzで点滅する光を発生する。6はこの
テスタから発生される前記点検告知信号の受光素子であ
り、この例では前記約500Hzで点滅する光を受光す
るホトダイオードである。なお点検用テスタについて
は、図6及び図7により説明する。7は受光ガラスであ
り、火災発生時の炎信号をこの受光ガラス7を透過さ
せ、フォトダイオード1L,1R及び焦電素子2L,2
Rへ受光させる。8L,8Rは、それぞれ左側の外部L
ED4L及び動作・火災表示灯5Lと、右側の外部LE
D4R及び動作・火災表示灯5Rの上に設けられた透明
ガラスである。9A,9Bは、それぞれこの火災感知器
のケースA、ケースBである。
【0027】図1の11L,11Rは、それぞれフォト
ダイオード1L,1Rの受光出力信号を増幅するプリア
ンプ、12L,12Rは、それぞれ焦電素子2L,2R
の受光出力信号を増幅するプリアンプ、13L,13
R,14L,14Rはそれぞれプリアンプ11L,11
R,12L,12Rの出力信号を増幅するアンプであ
る。ここで前記プリアンプ11L,11R,12L,1
2R及びアンプ13L,13R,14L,14Rは、各
受光素子から得られる出力信号のうち眞の火炎信号のみ
を増幅するため、例えば火災時の炎のゆらぎ周波数帯域
である約8〜12Hz程度の交流信号のみを、内蔵する
帯域通過フィルタ(BPF)により抽出して増幅するよ
うに設計されている。例えばアクティブフィルタを組込
んだ狭帯域増幅器として設計され、入力信号のうちの直
流成分と約12Hz以上の高域成分は減衰させ、前記狭
帯域信号のみを増幅している。
【0028】またプリアンプ11Lとアンプ13L、1
2Lと14L、11Rと13R、又は12Rと14Rよ
りなる2段の増幅回路は、ハイゲインで高感度であるの
で、火災の輻射光エネルギーが小さい遠方又は小規模火
災の場合にも、十分な計測値が得られる回路として使用
される。そしてプリアンプ11L,12L,11R、又
は12Rのみの増幅回路は、ロウゲインで低感度である
ので、火災の輻射光エネルギーが大きい大規模の場合に
も、増幅回路の出力は飽和せず、正しい計測値が得られ
る回路として使用される。15L〜18L及び15R〜
18Rは、それぞれ平滑回路であり、例えば抵抗器とコ
ンデンサとで構成され、前記プリアンプ又はアンプの出
力信号を入力して、この入力信号の平滑化信号を出力し
てセンサ制御回路20へ供給する。
【0029】センサ制御回路20は、前記火災の輻射光
エネルギーの大小に応じて、プリアンプ出力の入力され
た平滑回路の出力、またはアンプ出力の入力された平滑
回路の出力のいずれかを選択し、さらにプリアンプ又は
アンプの増幅度を制御することにより、受光信号レベル
が微小レベルと飽和レベルの中間に存在するリニア領域
における信号値を計測する。19は点検告知信号受光素
子6の出力信号を増幅するアンプであるが、常時動作可
能ではなく、この火災感知器が外部の受信機や中継器か
ら点検開始許可信号を受信したときに、センタ制御回路
20によって動作不能状態から動作可能状態にセットさ
れるアンプである。
【0030】20はセンサ制御回路、21は伝送制御回
路であり、それぞれマイクロプロセッサMPU、複数の
リード・オンリ・メモリROM、複数のランダム・アク
セス・メモリRAM、入出力(I/O)インタフェース
等を内蔵するものである。
【0031】図5は図1のセンサ制御回路の一例を示す
構成ブロック図である。図5において、MPU1と、R
OM1〜ROM9、RAM1〜RAM6及びI/Oイン
タフェースとは、データバス及びアドレスバスを介して
相互に結合されている。そして、この実施例では、RO
M1は制御プログラムの記憶領域、ROM2は受光素子
及び増幅器を介して得られる受光出力信号の正常範囲基
準値の記憶領域、ROM3は受光素子単体の補正可能範
囲しきい値の記憶領域、ROM4は受光素子及び増幅器
を介して得られる受光出力信号の汚損補正可能範囲のし
きい値の記憶領域、ROM5は減光率基準値の記憶領
域、ROM6は火災判断用のしきい値の記憶領域、RO
M7は複数の火災感知器を識別するため各火災感知器毎
に付与されたアドレスコード、種別コード種の記憶領
域、ROM8はその他の補助記憶領域にそれぞれ割当て
られた読出し専用メモリである。
【0032】またRAM1はデータの作業領域、RAM
2は減光率データ格納領域、RAM3は受光素子単体の
受光感度算出値格納用領域、RAM4は受光センサから
の受光出力値格納用領域、RAM5はタイマ領域、RA
M6はその他の補助記憶領域にそれぞれ割当てられた読
み書き自在のメモリである。I/Oインタフェースは、
内部にA/D変換器、マルチプレクサ、出力ポート、入
力ポート等を含んでいる。このマルチプレクサは平滑回
路15L〜18L、15R〜18Rや、アンプ19から
アナログ入力信号を選択してA/D変換器へ供給し、A
/D変換器はこれをディジタルデータに変換して、セン
サ制御回路内でのディジタル信号処理を可能にする。ま
たこの出力ポートは、例えば点灯回路へ点灯制御信号を
出力し、入力ポートは例えば伝送制御回路21からのデ
ータを入力する。
【0033】22は信号送受信部であり、受信回路、デ
ータの直列/並列変換回路、送信回路、データの並列/
直列変換回路等で構成され、伝送制御回路21の制御に
基づき、信号伝送線を介して、受信機又は中継器とデー
タの送受信を行なう。23L,23Rは、それぞれセン
サ制御回路20からの出力信号に基づき、外部LED4
L,4Rの点灯を制御する点灯回路、24Lと24R
も、それぞれセンサ制御回路20からの出力信号に基づ
き、内部LED3Lb,3Lrと3Rb,3Rrの点灯
を制御する点灯回路である。
【0034】25L,25Rは、それぞれセンサ制御回
路20からの出力信号に基づき、動作・火災表示灯5
L,5Rの点灯(連続点灯及びフラッシング点灯を含
む)を制御する点灯制御回路である。26,27は、共
にクロック回路であり、それぞれのクロック信号を発生
し、センサ制御回路20、伝送制御回路21へ供給す
る。28,29は、共にリセット回路であり、電源投入
後の初期動作や手動操作によりそれぞれリセット信号を
発生し、センサ制御回路20、伝送制御回路21へ供給
する。
【0035】図6は火災感知器の点検用テスタの外観図
であり、同図の(a)は側面図を、(b)は前面図を示
している。図6において、31L,31Rは、それぞれ
左側と右側の擬似炎信号として、前記火炎の赤外光帯域
において、炎のゆらぎ周波数である約8〜12Hzで発
光する発光素子(例えば発光ダイオード)である。また
32は、この点検用テスタによりある火災感知器を点検
中に、該当火災感知器に点検試験中であることを知らせ
ることを目的とする点検告知信号として、上記炎のゆら
ぎ周波数より高い周波数(この実施例では約500H
z)で発光する発光素子である。また図6の(a)に示
されるように、点検用テスタには、左側(L)、右側
(R)、左右両方(中央位置)の3位置のいずれかを選
択するスイッチが設けられており、8〜12Hz用発光
素子31Lまたは31Rのいずれか一方、または両方を
選択して発光できるようにしている。なお以下の例で
は、左側(L)と右側(R)の片側づつ点検試験を行な
う場合について説明する。
【0036】図7は点検時の火災感知器と点検用テスタ
の位置関係を示す図である。図7において、点検時に
は、点検用テスタの前面を火災感知器の受光ガラス7に
かぶせるまで押しつける。その結果、8〜12Hz用発
光素子31L又は31Rから発光された光は、それぞれ
フォトダイオード1L及び焦電素子2L又はフォトダイ
オード1R及び焦電素子2Rにより受光され、また50
0Hz用発光素子32から発光された光は点検告知信号
受光素子6により受光され、火災感知器の点検動作を行
なうことが可能となる。
【0037】なお、上記実施例において、センサ制御回
路20のMPU1、ROM1とROM6が火災感知手段
の一例であり、外部LED4L、4Rが第1の試験用発
光素子の一例であり、センサ制御回路20のMPU1、
ROM1、ROM4、ROM5と点灯回路23L、23
Rが第1の動作試験手段の一例である。また、内部LE
D3Lb、3Lr、3Rb、3Rrが第2の試験用発光
素子の一例であり、センサ制御回路20のMPU1、R
OM1、ROM2、ROM3と点灯回路24L、24R
が第2の動作試験手段の一例である。また、センサ制御
回路20のMPU1、ROM1とROM4が汚損程度判
別手段の一例であり、同じくMPU1、ROM1、RO
M2とROM3が受光感度判別手段の一例である。ま
た、センサ制御回路20のMPU1、ROM1とROM
5が減光率算出手段の一例であり、同じくMPU1、R
OM1とROM2が受光感度算出手段の一例である。
【0038】図8は図1の輻射式火災感知器の制御プロ
グラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
図9及び図10は、図1の輻射式火災感知器の受信割込
プログラムのその1及びその2を示すフローチャートで
ある。図11は図1の輻射式火災感知器の試験プログラ
ムを示すフローチャートである。図12及び図13は図
1の輻射式火災感知器の炎検出プログラムのその1及び
その2を示すフローチャートである。以下図8〜図13
を用いて、図1及び図4の火災感知器の動作を説明す
る。
【0039】図8のステップS31において、火災感知
器は、電源投入後のイニシアル処理を行なう。このイニ
シアル処理としては、例えば、センサ制御回路20及び
伝送制御回路21に含まれるRAMデータのクリアとR
OMデータのサムチェック(データの加算値のチェッ
ク)、図5のRAM3へ受光素子単体の補正用初期デー
タの格納、タイマ、カウンタ等のクリア、アンプの安定
化所要時間(例えば約0.5秒程度)の待機等の動作を
行なう。
【0040】図8のステップS32において、火災感知
器内のセンサ制御回路20は、図5のI/Oインタフェ
ースを用いて各受光センサの出力信号を平滑回路15L
〜18L、15R〜18Rから読込み、その値を量子化
してRAM4に格納する。前記I/Oインタフェース
は、MPU1の指令に基づき、内蔵するマルチプレクサ
により前記各平滑回路から出力される8つの入力信号か
ら逐次1つの信号を選択し、この選択された信号をA/
D変換器により量子化して、該量子化データを逐次RA
M4に格納し、該格納した複数データの平均値を算出す
る演算を行ない最終的な火災監視データを得るようにし
ている。
【0041】また前記A/D変換器を介したデータのサ
ンプリング周波数は、ナイキストのサンプリング定理に
基づき、火炎のゆらぎの最高周波数12Hzの2倍以上
の周波数、例えば25Hz以上とすることが望ましい
(即ちサンプリング周期は、0.04秒以下が望まし
い)。また前記サンプリングされた複数データの平均値
の算出は、サンプルデータの最大値と最小値の影響を排
除し、積分的機能を持たせるため、サンプルデータの数
はできるだけ多い方が望ましい。しかし火炎発生から火
災感知までに許容される時間は、一般に制約があるの
で、この時間的制約の範囲内で、左側及び右側の感知領
域につき、それぞれ長波長と短波長の各受光センサにつ
いて、可及的に多数のサンプルデータを収集し、この収
集したデータの平均値を算出して、この値を各波長域の
火災監視データとしている。
【0042】なお、受光センサの出力レベルが大きい場
合には、アンプから平滑回路を経た信号は飽和レベルと
なるので、その前段のプリアンプから平滑回路を経た信
号を取込み、飽和レベルに達する前のリニア領域におけ
る信号レベルを計測するようにしている。
【0043】図8のステップS33において、センサ制
御回路20は、受光素子単体の補正が必要か否かを判別
する。これはフォトダイオード1L,1R又は焦電素子
2L,2Rの各素子単体の受光感度が、使用後の時間の
経過と共に劣化することに対する補正の要否である。従
って所定期間毎に、内部LED3Lb,3Lrと3R
b,3Rrを駆動し、左側のフォトダイオード1L及び
焦電素子2Lと、左側のフォトダイオード1R及び焦電
素子2Rの受光出力値をそれぞれ計測し、該計測値と設
置初期の基準値との比を受光感度として算出し、該算出
値を図5のRAM3に格納しておく。
【0044】前記受光感度の算出値は、設置時の初期値
が1.00で、受光感度の低下に応じ、例えば、0.9
5、0.90、0.85…等と更新される。従って図5
のMPU1は、RAM3内の該当受光センサの受光感度
算出値を読出し、正常範囲(例えば1.00〜0.8
5)内であるか否かを判別し、ROM2に格納されてい
る正常範囲内であれば補正は不要と判断し、ステップS
35へ移り、正常範囲の下限値以下の値のときは補正は
必要と判断し、ステップS34において、前記火災監視
データに補正値(前記受光感度の逆数、即0.60の場
合には逆数の1/0.6)を乗算して補正演算を行な
う。これにより火災監視データは受光感度の低下による
影響が除去される。なお、前記受光感度には許容範囲
(例えば1.00〜0.50)をあらかじめ設定してR
OM3に格納しておき、受光感度の算出値が、この下限
値(上記例の0.50)以下になると、補正演算は行な
わずに、補正の限界を越えた旨の信号を出力する。この
詳細は図11において説明する。
【0045】図8のステップS35において、センサ制
御回路20は、受光ガラス7の汚損補正が必要か否かを
判別する。これは、例えば火災感知器がトンネル内等に
設置された場合、時間の経過と共に車の排気ガス等によ
り受光ガラス7の表面が汚れて、光の透過率が次第に低
下するからである。従って所定時間毎に外部LED4
L,4Rを用いて、受光ガラス7の左側及び右側の部分
の光の透過率をそれぞれ測定し、この減光率データをR
AM2に格納しておく。前記減光率データも、設置時の
初期値は1.00で、受光ガラス7の表面の汚れが進む
と、0.95、0.90、0.85、…等と更新され
る。
【0046】従って図5のMPU1はRAM2内の該当
する左側又は右側の減光率データを読出し、例えば1.
00であれば補正は不要と判別し、ステップS37へ移
り、1.00以下の値のときは補正が必要と判別し、前
記ステップS32による平均値データ又はステップS3
4による補正データに対して、ステップS36におい
て、補正値(前記減光率データの逆数)を乗算して補正
演算を行なう。これにより、平均値データ又は補正デー
タは、受光ガラスの汚損による影響が除去される。なお
前記減光率のデータには許容範囲の下限値(例えば0.
50)をあらかじめ設定してROM4に格納しておき、
この下限値以下になると、前記補正演算は行なわずに、
補正の限界を越えた旨の信号を出力したり、また前記下
限値よりやや上の値(例えば0.6)に設定された前置
下限値になると、受光ガラスの清掃を要する旨の信号を
出力したりする。この詳細は図11において説明する。
【0047】一般に2波長式輻射火災感知器において
は、火炎の赤色光を検出する受光センサ(この例では焦
電素子)の受光出力から、火炎の青色光を検出する受光
センサ(この例ではフォトダイオード)の受光出力を減
算して差分値を求め、この差分値が火炎判別用のしきい
値を越える場合に火炎と判別している。この実施例にお
いては、MPU1は、図8のステップS37において、
必要に応じあらかじめ前記受光感度と汚れの補正演算が
それぞれ行なわれた、監視領域別の焦電素子の受光出力
算出値からフォトダイオードの受光出力算出値を減算
し、その差データを算出する。そして次のステップS3
8において、前記減算結果の差データが、図5のROM
6にあらかじめ格納されている火炎判別用しきい値を越
えるかどうかを判別し、火炎判別を行なう。
【0048】前記火炎判別用しきい値としては、単一の
しきい値で火炎の検出は可能である。しかしこの実施例
では、検出した火炎が遠いか、近いかも同時に判るよう
に、ステップS38で火炎判別を行なう場合に、図5の
ROM6には、火炎判別用に、やや小さな値である第1
のしきい値と、やや大きな値である第2のしきい値とを
格納するようにしている。当然第2のしきい値は第1の
しきい値より大きな値である。そして前記ステップS3
7で算出した差のデータを、ステップS38では、まず
前記第1のしきい値と比較して、第1のしきい値を越え
る場合は火炎と判別する。そして次に前記差のデータを
第2のしきい値と比較して、第2のしきい値を越える場
合は近距離の火炎と判別し、越えない場合は遠距離の火
炎と判別する。勿論前記差のデータが第1のしきい値を
越えない場合は、火炎ではないと判別することになる。
【0049】MPU1は、ステップS38の判別結果が
火炎でない場合は、ステップS32に戻り、ステップS
32〜S38の処理を繰返す。また判別結果が火炎の場
合には、ステップS39において、伝送制御回路21に
火炎検出を通報し、伝送制御回路21は、信号送受信部
22を駆動し、信号伝送線を介して受信機に火炎検出信
号を送信する。
【0050】なお火災感知器から火炎検出信号を受信し
た受信機は、この検出信号を確認すると、直ちに火炎蓄
積復旧信号を火災感知器に送信し、最初の火炎検出信号
をリセットさせ、再び火災感知器が2回目の火炎検出信
号を送信してくるかをチェックする。そして同一の火災
感知器から連続して所定回数(例えば3回)以上の火炎
検出信号が送信されてきた場合に、眞の火災であると判
断する。このようにして誤警報の発生を防止している。
【0051】図9及び図10により図1の火災感知器の
受信割込ルーチンを説明する。まず受信機が複数の火災
感知器のうちの1つを選択し、この選択した火災感知器
にある動作指令を行なう場合には、各火災感知器毎にあ
らかじめ付与されたアドレスと動作指令の情報を信号伝
送線を介して送信する。図9及び図10は、前記受信機
が送信したアドレスと動作指令の情報を受信した火災感
知器が割込み処理として行なうルーチンを示している。
図9の受信割込ルーチンでは、各火災感知器は、まず受
信したアドレスが自己に付与されているアドレスと一致
するかを判別する(ステップS41)。自己のアドレス
と受信アドレスが異なる場合は、受信割込ルーチンから
メインルーチンに戻る。
【0052】火災感知器は、自己のアドレスと受信アド
レスとが一致した場合には、まず受信指令が情報要求で
あるかを判別し(ステップS42)、判別結果がYES
の場合には、自己の現在の情報を受信機へ送出する(ス
テップS43)。ここで火災感知器の現在情報とは、例
えば、現在火炎が検出されているか、もし検出されてい
る場合には、何回目の検出であるか、現在受光ガラス7
の光透過率は許容範囲内であるか、現在受光素子の受光
感度は許容範囲内であるか、等の現在の状態を示す複数
の情報を含むものである。
【0053】受信指令が情報要求でない場合は、次に受
信指令が試験命令であるかを判別し(ステップS4
4)、判別結果がYESの場合には、火災感知器は、ま
ず図8のステップS33の処理と同様に、左側と右側の
内部LED3Lb,3Lrと、3Rb,3Rrとを順番
に発光させ、左側のフォトダイオード1L及び焦電素子
2Lと、右側のフォトダイオード1R及び焦電素子2R
の受光感度をそれぞれ測定する。そして測定した受光感
度が設定されたしきい値(例えば基準値の50%)以下
であれば、この感度不良を記憶し、さらにこの試験を複
数回繰返して、感度不良の回数が連続して所定回数(例
えば3回)以上に達すると、はじめて試験を行った受光
素子が故障であると判断して、該当受光素子の故障信号
を受信機へ送信する。
【0054】次に火災感知器は、図8のステップS35
の処理と同様に、外部LED4Lと4Rとを順番に発光
させ、受光ガラス7の汚損程度を示す光の透過率を測定
し、この測定した光の透過率があらかじめ設定されたし
きい値(例えば基準値の50%)以下であれば、この汚
損不良を記憶し、前記と同様にこの試験を複数回繰返し
て、汚損不良の回数が、連続して所定回数(例えば3
回)以上に達すると、受光ガラスの汚れの清掃を要する
旨の通報を受信機に行なう。そして試験処理終了後、メ
インルーチンに戻る。
【0055】受信指令が試験命令でない場合は、次に点
検開始指令であるかを判別し(ステップS46)、判別
結果がYESなら、さらに右側のみか、左側のみか、左
右両方かを判別し(ステップS47)、この判別結果に
より、図6に示した点検用テスタの擬似炎光源により右
側受光素子の点検処理(ステップS48)、左側受光素
子の点検処理(ステップS50)、または右側と左側の
受光素子の点検処理(ステップS49及びS50)を行
なう。上記ステップS46〜S50の処理内容を説明す
る前に、まず、点検開始指令及び点検告知信号の必要性
について説明する。図14はトンネル内に設置された複
数の火災感知器と信号伝送線を介して接続される受信機
とを示す図である。図14のように、一般にトンネル内
では、それぞれの火災感知領域が多少重複するように複
数又は多数の火災感知器が設置され、各火災感知器は、
共通の信号伝送線を介して受信機に接続されることが多
い。
【0056】図14において、T1〜Tnは、それぞれ
#1〜#n火災感知器であり、いま#1〜#64までの
64個の火災感知器が設置されているものとする。そし
て保守員が前記テスタを用いて点検試験を行なう場合
に、必ずしも番号順に行なうとは限らないし、また使用
中に生じる機器の交換等により火災感知器のアドレスが
順番に設けられているとも限らない。従って点検試験に
よる火炎検出信号を受信する受信機側では、現在何番の
火災感知器をテスト中であるかを知る必要があり、従来
は設置場所の保守員が受信機側の保守員にトランシーバ
等で、これから何番の火災感知器のテストを行なうかを
連絡していた。
【0057】この実施例においては、火災感知器は前記
点検開始指令であるかを判別すると(ステップS4
6)、センサ制御回路20は、アンプ19に電源を供給
して、動作可能状態にセットする。また前記テスタに
は、擬似炎光源とは別に、点検告知信号(この例では約
500Hzの光信号)発生手段である発光素子32が設
けられており、点検試験を行なう火災感知器に対して、
現在テスタによる点検試験中であることを告知する信号
として前記約500Hzの光信号を照射する。
【0058】そして点検試験中の火災感知器は、前記約
500Hzの光信号を点検告知信号受光素子6及びアン
プ19を介して検出すると、この検出信号を自己のアド
レス番号と共に、受信機又は中継器等に送信する。従っ
て従来必要とされたトランシーバ等の連絡は不要とな
る。また前記テスタは、擬似炎光源からの光信号を火災
感知器に照射するから、受光ガラス7の汚損と受光素子
の感度が許容範囲内で、機器が正常に動作していれば、
該当火災感知器から火炎検出信号と点検中信号とが受信
機に送信される。
【0059】それ故、受信機側は、前記火炎検出信号と
点検中信号とを同時に受信することにより、点検試験中
の火災感知器が正常に動作したことを知ると共に、もし
他の火災感知器から火炎検出信号のみを受信した場合に
は、該当火災感知器が実際の火炎を検出したものである
ことを知ることができる。このように点検試験中の火災
感知器を除く、他のすべての火災感知器の火炎検出機能
を保持したままで、点検試験を行なうことができる。そ
して上記点検試験の処理が終了すると、該当火災感知器
はメインルーチンに戻る。
【0060】図9のステップS46において、点検開始
指令でないと判別された場合に、センサ制御回路20内
のMPU1は、図10のステップS51において、受信
した動作指令が動作表示灯(この実施例では、動作・火
災表示灯5L,5Rに含まれる2色LEDのうちの緑色
LED)の点灯又は消灯指令であるかを判別し、この判
別結果がYESの場合には、ステップS52において、
右側の動作灯か、左側の動作灯かを判別し、右側の場合
はステップS53で、また左側の場合はステップS54
で、それぞれ動作表示灯を点滅(フラッシング)点灯さ
せるか、または点滅状態を消灯させるかの動作を行な
う。上記点灯又は消灯動作が終了するとメインルーチン
に戻る。
【0061】図10のステップS51において、動作表
示灯の点灯又は消灯指令でないと判別された場合に、セ
ンサ制御回路20内のMPU1は、ステップS55にお
いて、受信した動作指令が火災表示灯(この実施例では
前記2色LEDのうちの赤色LED)の点灯又は消灯指
令であるかを判別し、この判別結果がYESの場合に
は、ステップS56において、右側の火災表示灯か、左
側の火災表示灯かを判別し、右側の場合はステップS5
7で、また左側の場合はステップS58で、それぞれ火
災表示灯を連続点灯とさせるか、または連続点灯状態を
消灯とさせるかの動作を行なう。上記点灯又は消灯動作
が終了するとメインルーチンに戻る。
【0062】図10のステップS55において、火災表
示灯の点灯又は消灯指令でないと判別された場合に、セ
ンサ制御回路20内のMPU1は、ステップS59にお
いて、受信した動作指令が蓄積復旧指令であるかを判別
する。ここで蓄積復旧指令とは、火災感知器が最初に火
炎を検出し、この検出信号を受信機に送信すると、この
検出信号を受信した受信機は、少し時間をおいて該当火
災感知器に対して、それまで収集して蓄積した火災監視
データをリセットさせ、再び新規データを収集させ、2
回目の火炎検出が行なわれるかどうかをテストしてみる
ため、即ち誤警報の発生を防止するために行なうリセッ
ト指令である。ステップS59の判別結果がYESの場
合には、右側か左側かを判別し(ステップS60)、右
側であればステップS61で、左側であればステップS
62で、それぞれ上記蓄積復旧の動作を行ない、その後
メインルーチンへ戻る。
【0063】図10のステップS59において、蓄積復
旧指令でないと判別された場合に、センサ制御回路20
内のMPU1は、ステップS63において、復旧指令で
あるかを判別し、この判別結果がYESの場合には、ス
テップS64において、すべてのデータをリセットさ
せ、NOの場合は直ちにメインルーチンに戻る。ここで
すべてのデータをリセットさせるとは、それまで収集し
た火災監視データのリセットのほか、動作表示灯や火災
表示灯の点灯データもリセット(即ち消灯)させて、火
災感知器を電源投入後の初期状態に復旧させることであ
る。この復旧処理の終了後にメインルーチンに戻る。
【0064】図11のフローチャートにより図1の火災
感知器の試験動作を説明する。この実施例では、図11
の試験ルーチンは、火災感知器の電源投入時、受信機か
らの試験指令、またはタイマ割込処理のいずれかの場合
に起動される。しかしどのような場合に、この試験ルー
チンを起動するかを、スイッチ等により選択するように
してもよい。図11のステップS71では、センサ制御
回路20は、左側又は右側の内部擬似光源(内部LE
D)3Lb,3Lr、又は3Rb,3Rrをフラッシン
グ点灯する。この場合に、前記擬似光は火炎のゆらぎ周
波数帯域である約8〜12Hzでフラッシングさせるよ
うにしている。
【0065】そしてセンサ制御回路20は、前記内部擬
似光源を発光させた状態で、受光素子である、フォトダ
イオード1Lと焦電素子2L、又はフォトダイオード1
Rと焦電素子2Lの検出信号に基づく各受光データを、
それぞれI/Oインタフェース内のマルチプレクサ及び
A/D変換器を介して逐次読込み、この読込んだデータ
を順次RAM4に格納する。そして火災感知までに許容
された時間の範囲内で、できるだけ多く読込んだ受光デ
ータの平均化処理を行ない、この平均化されたデータを
受光出力データとしてRAM4に格納する(ステップS
72)。前記受光データ収集の終了後に、センサ制御回
路20は、内部擬似光源を消灯し(ステップS73)、
前記平均化された受光データと、ROM2内にあらかじ
め格納されている受光感度基準値との比を該当受光素子
の受光感度として算出し、この受光感度の算出値があら
かじめ設定されROM2内に格納されている受光感度の
正常範囲(例えば1.00〜0.85)内であるか否か
により、前記受光データが正常か否かを判別する(ステ
ップS74)。
【0066】ステップS74の判別結果が正常の場合
は、補正は不要であると判断してステップS78へ移
り、正常でない場合はステップS75へ移る。ステップ
S75においては、前記受光感度の算出値が正常範囲内
ではないが、なお補正可能の範囲内であるかを次のよう
にして判別する。この実施例においては、前記受光感度
の許容範囲を、例えば1.00〜0.50のようにあら
かじめ設定してROM3に格納しておく。そして前記受
光感度の算出値が前記許容範囲の下限値(上記例の0.
50)以上であるか否かにより、前記受光データの補正
が可能であるか否かを判別する。
【0067】また、この実施例においては、前記受光感
度の許容範囲の下限値(前記0.50)よりもやや上の
値(例えば0.60)を前置下限値としてあらかじめ設
定しておき、前記ステップS75において、前記受光感
度の算出値が、前記前置下限値以下であるかの判別も同
時に行なうようにしている。
【0068】ステップS75で補正が可能と判別された
場合には、センサ制御回路20は、前記受光感度算出値
の逆数を前記受光データに乗算して、感度劣化の補正演
算を行ない、前記受光感度の値をRAM3に格納する
(ステップS76)。そしてステップS78へ移る。そ
してステップS75で、前記受光感度算出値が前記許容
範囲の下限値(上記例の0.50)以下であり、感度補
正が限界を越えて不可能と判別されると、火災感知器
は、ステップS77で該当受光素子の感度異常信号を受
信機へ送信する。またステップS75で、前記前置下限
値(上記例の0.60)との比較判別を行ない、前記受
光感度算出値が前記前置下限値以下になった場合には、
同様にステップS77で受信感度劣化の予告信号(感度
劣化の直前であり、部品の手配等の修理の準備を要する
ことを知らせる信号)を受信機に通報するようにしてい
る。
【0069】火災感知器から受光素子の異常信号を受信
した受信機は、該当火災感知器の同一受光素子の感度試
験を繰返して実施して、連続する所定回数(例えば3
回)以上の異常信号が返信された場合に、該当受光素子
は、故障したものと判断し、直ちに修理の指示を行な
う。また受信機が受光感度劣化の予告信号を受信した場
合も、同様に繰返し動作による確認を行ない、確認後修
理の準備を行なう。なお上記試験は左の試験と右側の試
験とを別個に行なう。
【0070】図11のステップS78では、センサ制御
回路20は、受光ガラス7の汚損試験のため、左側又は
右側の外部擬似光源(外部LED)4L又は4Rをフラ
ッシング点灯する。この場合に、前記光源は火災時の炎
のゆらぎ周波数帯域である約8〜12Hzでフラッシン
グさせるようにする。
【0071】そしてセンサ制御回路20は、この外部擬
似光源を発光させた状態で、受光素子である、フォトダ
イオード1L又は1Rの検出信号に基づく受光データ
を、それぞれI/Oインタフェース内のマルチプレクサ
及びA/D変換器を介して逐次読込み、この読込んだデ
ータを順次RAM4に格納する。そして時間の許容範囲
内で、できるだけ多く読込んだ受光データの平均化処理
を行ない、この平均化されたデータを受光出力データと
してRAM4に格納する(ステップS79)。なおこの
受光ガラス7の汚損試験の場合には、受光素子は1個で
足りるので、この実施例では焦電素子の受光データは利
用していない。
【0072】センサ制御回路20は、前記データ収集の
終了後に外部擬似光源を消灯し(ステップS80)、受
光ガラス7の左側と右側毎に、減光率の算出をする(ス
テップS81)。前記減光率は、前記平均化された受光
データとROM5にあらかじめ格納されている減光率基
準値との比として算出される。この実施例においては、
前記減光率の許容範囲を、例えば1.00〜0.50の
ようにあらかじめ設定してROM4に格納しておく。そ
して前記減光率の算出値が前記許容範囲の下限値(上記
例の0.50)以上であるか否かにより前記受光データ
の補正が可能であるか否かを判別する(ステップS8
2)。
【0073】また、この実施例においては、前記減光率
の許容範囲の下限値(前記0.50)よりもやや上の値
(例えば0.60)を前置下限値としてあらかじめ設定
しておき、前記ステップS82において、前記減光率の
算出値が、前記前置下限値以下であるかの判別も同時に
行なうようにしている。
【0074】ステップS82で補正が可能と判別された
場合には、センサ制御回路20は、前記減光率算出値の
逆数を前記受光データに乗算して、汚損の補正演算を行
ない、前記減光率の値をRAM3に格納する(ステップ
S83)。そしてステップS82で、前記減光率算出値
が前記許容範囲の下限値(上記例の0.50)以下であ
り、汚損補正が限界を越えて不可能と判別されると、火
災感知器は、ステップS84で受光ガラス7の左側又は
右側の汚損異常信号を受信機へ送信する。またステップ
S82で、前記前置下限値(上記例の0.60)との比
較判別を行ない、前記減光率算出値が前記前置下限値以
下になった場合には、同様にステップS84で汚損異常
の予告信号(汚損異常の直前であり、受光ガラス7の該
当受光方向の清掃を要することを知らせる信号)を受信
機に通報するようにしている。
【0075】火災感知器から汚損異常信号を受信した受
信機は、該当火災感知器の受光ガラスの汚損試験を繰返
して実施して、連続する所定回数(例えば3回)以上の
異常信号が返信された場合に、該当受光ガラスは汚損し
たものと判断し、直ちに清掃の指示を行なう。また受信
機が汚損異常の予告信号を受信した場合も、同様に繰返
し動作による確認を行ない、確認後清掃の準備指示を行
なう。なお上記試験は左側の試験と右側の試験とを別個
に行なう。
【0076】図12及び図13のフローチャートにより
図1の火災感知器の炎検出動作を説明する。なおこのフ
ローチャートに基づく炎検出動作は、実際に発生した火
炎の場合と、点検用テスタから発生される擬似炎信号の
場合に、共通に使用されるもので、図8のフローチャー
トのうち該当部分をさらに詳しく説明するものである。
図12のステップS91で、火災感知器は、イニシアル
処理を行なう。このイニシアル処理は図8のステップS
31の処理と同一のものであり、RAMデータのクリ
ア、ROMデータのサムチェック、受光素子単体の補正
用初期データの格納、カウンタのクリア、アンプの安定
化時間待ち等である。
【0077】そして次に受信データが自己の火災感知器
のアドレスと一致したかを判別し(ステップS92)、
一致した場合はステップS101へ移り、一致しない場
合は受光出力データを読込む(ステップS93)。そし
て時間の許容範囲内で、できるだけ多く読込んだ受光出
力データの平均化データを得る処理は、図11のステッ
プS72で説明した処理と同一である。
【0078】図12のステップS94で、センサ制御回
路20は、図8のステップS38の処理と同様に、前記
2つの受光出力の差データと火災判別用しきい値との大
小比較により、炎が検出されたか否かの判別をする。こ
の際、受光出力は図8のステップS33〜S37の処理
と同様に補正が行なわれた上で判別される。ステップS
94の判別で炎が検出されない場合は、センサ制御回路
20は、炎検出回数を計数するためRAM6内に設けた
カウンタの値fを0にセットし、前記カウンタの計数値
をクリアする(ステップS95)。即ちこのカウンタは
炎検出信号が連続して入力される場合は、順次カウント
アップするが、計数途中で炎検出が行なわれないと、そ
れまでの計数値を0に戻すものである。その後ステップ
S92へ戻る。
【0079】またステップS94の判別により炎が検出
された場合は、センサ制御回路20は、前記カウンタの
それまでの計数値fに1を加算し(ステップS96)、
前記カウンタfの値があらかじめ設定した数F(例えば
3)と等しいか、またはF以上であるかを判別する(ス
テップS97)。この判別結果として、前記カウンタの
値fが設定数F未満の場合には、ステップS92へ戻
り、炎検出回数の加算を繰返す。
【0080】ステップS97の判別結果として、連続し
て炎検出を行った回数(前記カウンタの値f)が設定数
Fに達したか、またはFを越えた場合には、次に点検フ
ラグがオンかどうかを判別し(ステップS98)、ここ
で擬似炎信号の検出か(点検フラグがオン)、火災発生
による炎信号の検出か(点検フラグがオフ)を判断す
る。そして擬似炎信号の検出の場合には、火炎信号と点
検中信号を共に送出情報としてセットし(ステップS9
9)、火災の炎信号の検出の場合にには、火炎信号のみ
を送出情報としてセットし(ステップS100)、ステ
ップS92へ戻る。
【0081】センサ制御回路20は、ステップS101
で、受信データが情報要求指令であるかを判別し、情報
要求指令の場合には、火災感知器内にあらかじめセット
された情報、例えば前記ステップS99,S100でセ
ットした火炎検出情報等を送出し(ステップS10
2)、この送出の終了した情報をクリアする(ステップ
S103)。ステップS101で情報要求指令ではない
と判別された場合には、センサ制御回路20は、受信デ
ータが点検開始許可信号であるかを判別し(ステップS
104)、この判別結果がYESの場合には、点検告知
信号受光回路である図1のアンプ19の電源をオンと
し、点検用テスタが自己の火災感知器に対して、点検告
知信号である前記約500Hzの光信号を照射したとき
に、この照射光を検出可能な状態にセットする(ステッ
プS105)。
【0082】保守員が前記点検用テスタを、点検対象と
する火災感知器の受光ガラス7に接近させ作動させる
と、テスタから発光された前記約500Hzの光信号は
点検告知信号受光素子6及びアンプ19を介して検出さ
れ、センサ制御回路20に供給される。センサ制御回路
20は、点検告知信号を供給されると、直ちに図13の
右側上部に示される点検告知信号受信割込ルーチンを起
動し、まず自己の火災感知器がテスタにより点検試験中
であることを受信機に通報できるように、点検告知信号
を送出情報としてセットし(ステップS111)、点検
フラグをオンして(ステップS112)、ステップS9
2へ戻る。
【0083】ステップS104で点検開始許可信号でな
いと判別された場合には、センサ制御回路20は、図1
3のステップS106で、受信データが自己の火災感知
器への点検終了信号であるかを判別し、この判別結果が
YESの場合には、点検信号受光回路(図1のアンプ1
9)の電源をオフにする(ステップS107)。ステッ
プS106で点検終了信号でないと判別された場合に
は、センサ制御回路20は、図13のステップS108
で、受信データが自己の火災感知器への復旧信号である
かを判別し、この判別結果がYESの場合には、図10
のステップS36で説明した復旧処理と同一の処理を行
ないステップS92へ戻る。また判別結果が復旧信号で
ない場合は、直接ステップS92へ戻る。
【0084】なお、上記実施例における輻射式火災感知
器は、透光性カバーの汚損程度を判別するのに、受光素
子の検出信号レベルの計測値と減光率基準値とから減光
率を算出して判別するようにしているが、受光素子の汚
損程度を判別する基準値として、あらかじめ計測値に対
応する汚損程度の許容範囲を設定して例えばROM5に
格納しておき、受光素子の検出信号レベルの計測値を汚
損程度許容範囲の下限値と比較して判別するようにして
もよい。また、受光素子の劣化程度を判別するのに、受
光素子の検出信号レベルの計測値と受光感度基準値との
比から受光感度を算出して判別するようにしているが、
受光素子の劣化程度を判別する基準値として、あらかじ
め計測値に対応する劣化許容範囲を設定して例えばRO
M2に格納しておき、受光素子の検出信号レベルの計測
値を劣化許容範囲の下限値と比較して判別するようにし
てもよい。
【0085】上記実施例における輻射式火災感知器は、
火炎からの輻射光の2つの波長帯において検出した輻射
エネルギーの大小関係を比較する2波長式の場合の例を
示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えば単一の波長帯の輻射エネルギー量を検出する定輻射
式や、火炎特有のちらつきを検出するちらつき式、さら
に3波長またはこれ以上の波長を利用する方式であって
も、透光性カバーの内側に受光素子を設けるすべての輻
射式火災感知器に適用可能であり、同様の効果を奏する
ことができる。
【0086】上記実施例における輻射式火災感知器は、
設置面に対する前方左側と右側の2つの感知領域を有す
る場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば前方のすべての3次元空間を単一の感
知領域とする場合や、広場の中心に設けられ、前方左側
と右側及び後方左側と右側の4つの感知領域を有する場
合であっても、即ち単数又は複数のいずれの感知領域を
有する輻射式火災感知器の場合にも、本発明を適用して
同様の効果を得ることが可能である。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透光性カ
バーの内側に設けられ受光素子の検出信号に基づき火災
を感知する手段とを有する輻射式火災感知器において、
透光性カバーの外側に設けられた第1の試験用発光素子
による第1の擬似炎信号に基づいて汚損補正判別手段
が、受光素子の検出レベルを計測し、その計測値に基づ
いて透光性カバーの汚損に対する補正が必要か否か、ま
たその汚損に対する補正が可能な範囲であるか否かを判
断し、また、透光性カバーの内側に設けられた第2の試
験用発光素子による第2の擬似炎信号に基づいて受光感
度補正判別手段が、受光素子の検出レベルを計測し、そ
の計測値に基づいて受光感度の低下に対する補正が必要
か否か、また受光感度の補正が可能な範囲であるか否か
を判断するようにしたので、感知器が動作不良を起こし
た場合に、透光性カバーの汚損によるものか、受光素子
を含む回路の問題によるものかを判別できる。そして、
さらに投光性カバーの汚損の補正、受光素子の性能低下
等による受光感度の補正が必要か否か、また、その補正
が可能か否かを判別するので、補正を行うだけでいいの
か、それとも清掃、交換等をする必要があるか等の判別
も行うことができ、補正を行うことで受光感度に左右さ
れない監視ができる。
【0088】また本発明によれば、汚損補正判別手段が
汚損に対する補正が必要であり、かつ補正が可能な範囲
であると判断した時に、汚損補正値演算手段が汚損に対
する補正の補正値を算出し、受光感度補正判別手段が受
光感度に対する補正が必要であり、かつ補正が可能な範
囲であると判断した時に、受光感度補正値演算手段が受
光感度に対する補正の補正値を算出するようにしたの
で、補正値二基づいた補正を行うことで受光感度に左右
されないより正確な監視ができる。
【0089】また本発明によれば、また、本発明におい
て汚損補正判別手段の減光率算出部が、計測値と減光率
基準値との比を透光性カバーの減光率として算出し、汚
損程度判別部が、算出した減光率があらかじめ設定され
た補正可能な減光率許容範囲内であるか否かを判別する
ようにし、受光感度補正判別手段の受光感度算出部が、
計測値と受光感度基準値との比を受光感度として算出
し、受光感度判別部が、算出した受光感度があらかじめ
設定された補正可能な受光感度許容範囲内であるか否か
を判別するようにしたので、感知器が動作不良を起こし
た場合に、透光性カバーの汚損によるものか、受光素子
を含む回路の問題によるものかを判別できる。
【0090】また本発明によれば、汚損補正判別手段は
複数の受光素子のうち1つの受光素子の計測値に基づき
補正可能か否かを判別するようにしたので、その感知器
において重要な方向のみを簡単に計測するだけでの判別
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す輻射式火災感知器の構
成ブロック図である。
【図2】図1の輻射式火災感知器の構成図である。
【図3】図1の輻射式火災感知器の左側と右側の感知領
域を示す図である。
【図4】図2の受光素子と内部LEDとの位置関係を示
す図である。
【図5】図1のセンサ制御回路の一例を示す構成ブロッ
ク図である。
【図6】火災感知器の点検用テスタの外観図である。
【図7】点検時の火災感知器と点検用テスタとの位置関
係を示す図である。
【図8】図1の輻射式火災感知器の制御プログラムのメ
インルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図1の輻射式火災感知器の受信割込プログラム
のその1を示すフローチャートである。
【図10】図1の輻射式火災感知器の受信割込プログラ
ムのその2を示すフローチャートである。
【図11】図1の輻射式火災感知器の試験プログラムを
示すフローチャートである。
【図12】図1の輻射式火災感知器の炎検出プログラム
のその1を示すフローチャートである。
【図13】図1の輻射式火災感知器の炎検出プログラム
のその2を示すフローチャートである。
【図14】トンネル内に設置された複数の火災感知器と
信号伝送線を介して接続される受信機とを示す図であ
る。
【符号の説明】
1L,1R 左側、右側フォトダイオード 2L,2R 左側、右側焦電素子 3Lb,3Lr 左側内部LED 3Rb,3Rr 右側内部LED 4L,4R 左側、右側外部LED 5L,5R 左側、右側動作・火災表示灯 6 点検告知信号受光素子 7 受光ガラス 8L,8R 左側、右側透明ガラス 9A ケースA 9B ケースB 11L,12L 左側プリアンプ 11R,12R 右側プリアンプ 13L,14L 左側アンプ 13R,14R 右側アンプ 15L〜18L 左側平滑回路 15R〜18R 右側平滑回路 19 アンプ 20 センサ制御回路 21 伝送制御回路 22 信号送受信部 23L,24L 左側点灯回路 23R,24R 右側点灯回路 25L,25R 左側、右側点灯制御回路 26,27 クロック回路 28,29 リセット回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炎から放射される輻射光を透過させる
    透光性カバーと、該透光性カバーの内側に設けられ、光
    受光する受光素子と、該受光素子の検出信号に基づき
    火災を感知する手段とを有する輻射式火災感知器におい
    て、 前記透光性カバーの外側に設けられ、第1の動作試験手
    段の駆動により第1の擬似炎信号を発光し、前記透光性
    カバーを透過して前記受光素子照射する第1の試験用
    発光素子と、前記第1の動作試験手段を駆動させて前記第1の試験用
    発光素子に第1の擬似炎信号を発光させた時に、前記受
    光素子の検出レベルを計測し、その計測値に基づいて前
    記透光性カバーの汚損に対する補正が必要か否か、また
    その汚損に対する補正が可能な範囲であるか否かを判断
    する汚損補正判別手段と、 前記透光性カバーの内側に設けられ、第2の動作試験手
    段の駆動により第2の擬似炎信号を発光し、直接又は間
    接的に前記受光素子照射する第2の試験用発光素子
    と、前記第2の動作試験手段を駆動させて前記第2の試験用
    発光素子に第2の擬似炎信号を発光させた時に、前記受
    光素子の検出レベルを計測し、その計測値に基づいて前
    記受光素子の受光感度の補正が必要か否か、また前記受
    光感度の補正が可能な範囲であるか否かを判断する受光
    感度補正判別手段と を備えたことを特徴とする輻射式火
    災感知器。
  2. 【請求項2】 前記汚損補正判別手段が前記汚損に対す
    る補正が必要であり、かつ前記補正が可能な範囲である
    と判断した時に、前記汚損に対する補正の補正値を算出
    する汚損補正値演算手段と、 前記受光感度補正判別手段が前記受光感度に対する補正
    が必要であり、かつ前記補正が可能な範囲であると判断
    した時に、前記受光感度に対する補正の補正値を算出す
    る受光感度補正値演算手段とをさらに備えたことを特徴
    とする請求項1記載の輻射式火災感知器。
  3. 【請求項3】 前記汚損補正判別手段は、前記計測値と
    減光率基準値との比を前記透光性カバーの減光率として
    算出する減光率算出部と、算出した前記減光率があらか
    じめ設定された補正可能な減光率許容範囲内であるか否
    かを判別する 汚損程度判別部とを有し、 また、前記受光感度補正判別手段は、前記計測値と受光
    感度基準値との比を前記受光感度として算出する受光感
    度算出部と、算出した前記受光感度があらかじめ設定さ
    れた補正可能な受光感度許容範囲内であるか否かを判別
    する受光感度判別部とを有することを特徴とする請求項
    1記載の輻射式火災感知器。
  4. 【請求項4】 前記受光素子は、それぞれ異なる波長の
    輻射光を検出する複数の受光素子からなり、前記汚損補
    正判別手段は前記複数の受光素子のうち1つの受光素子
    の計測値に基づき補正可能か否かを判別することを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の輻射
    式火災感知器。
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