JP2001249047A - 炎検出装置 - Google Patents

炎検出装置

Info

Publication number
JP2001249047A
JP2001249047A JP2000389821A JP2000389821A JP2001249047A JP 2001249047 A JP2001249047 A JP 2001249047A JP 2000389821 A JP2000389821 A JP 2000389821A JP 2000389821 A JP2000389821 A JP 2000389821A JP 2001249047 A JP2001249047 A JP 2001249047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
frequency
receiving element
light
light receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000389821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4404329B2 (ja
Inventor
Hidenari Matsukuma
秀成 松熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hochiki Corp filed Critical Hochiki Corp
Priority to JP2000389821A priority Critical patent/JP4404329B2/ja
Publication of JP2001249047A publication Critical patent/JP2001249047A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4404329B2 publication Critical patent/JP4404329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Control Of Combustion (AREA)
  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易かつ安価な構成を用いつつ、炎と炎以外
の放射線源との高い識別性能を実現することができる炎
検出装置を提供する。 【解決手段】 炎検出装置は、大別して、所定の波長帯
域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力
する第1の受光素子10aを備えたセンサモジュール1
00aと、第1の受光素子10aとは異なる所定の波長
帯域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して出
力する受光素子10bを備えたセンサモジュール100
bと、センサモジュール100a、100bの検知面側
に配置された透光性窓108と、センサモジュール10
0a、100bからの受光出力(増幅出力)に基づい
て、炎の判定処理を実行する炎判定処理部60と、を有
して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有炎燃焼時のCO
共鳴により発生する赤外線放射を検出して、炎の有無
を判定する炎検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有炎燃焼により発生する赤外線放
射を検出して、炎の有無を検出する炎検出装置にあって
は、炎と炎以外の赤外線放射体との識別を行うため、有
炎燃焼時に発生するCOの共鳴放射による波長帯域を
含む複数の波長帯域における放射線強度を検出して、そ
れら複数の波長帯域における検出値の相対比により炎の
有無を検出する2波長式、3波長式等の炎検出装置や炎
検出方法がよく知られている。
【0003】ここで、従来技術における2波長式、及
び、3波長式の炎検出装置について、簡単に説明する。
図15は、燃焼炎と、その他の代表的な放射体の放射線
スペクトルを示す概念図であり、横軸は放射線の波長、
縦軸は放射線の相対強度を示す。図15に示すように、
燃焼炎(スペクトル特性1a、1b)においては、CO
の共鳴放射により4.4〜4.5μm付近の波長帯域
に放射線相対強度のピークがあり、また、このピーク波
長の近傍に存在する特徴的な波長としては、例えば、短
波長側の3.8μm付近に、放射線相対強度が低い波長
帯域が存在する。
【0004】なお、COの共鳴放射により、4.3μ
m帯に赤外線の放射強度のピークがあることが知られて
いる。しかしながら、実際に測定した場合にあっては、
4.4〜4.5μm付近に放射強度のピークが現れるこ
とが経験的に示されている。したがって、以下では、特
に断らない限り、CO共鳴放射帯とは、4.4〜4.
5μm帯を指すものとする。
【0005】したがって、上述した2波長式の炎検出装
置にあっては、4.4〜4.5μm付近の波長帯域と、
3.8μm付近の波長帯域における各々の放射エネルギ
ーを狭帯域の光学波長バンドパスフィルタにより選択透
過(通過)させて、受光素子により該放射エネルギーを
検出して対応する電気信号に変換し、それぞれの検出出
力の相対比をとり、所定のしきい値と比較することによ
り炎と判定する。これにより、炎以外の赤外線放射体、
例えば、太陽光(6000°C)等の高温放射体(スペ
クトル特性2)や、300°C程度の比較的低温の放射
体(スペクトル特性3)、人体などの低温放射体(スペ
クトル特性4)等との識別が可能となる。
【0006】また、上述した2波長に加え、COの共
鳴放射帯である4.4〜4.5μm帯の長波長側の、例
えば、5.1μm付近の波長帯域における放射エネルギ
ーを、上記2波長式と同様の手法で検出し、これらの3
波長帯域における検出出力の相対比によって炎の有無を
判定する3波長式の炎検出装置も知られており、このよ
うな炎検出方法により、炎と炎以外の赤外線放射体との
識別性能をさらに向上させることができる。このような
複数波長方式の炎検出装置は、例えば、特公昭55−3
3119号公報、特公昭59−34252号公報等に記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、以下に示すような問題を有して
いた。 (1)有炎燃焼時に発生するCOの共鳴放射による波
長帯域(4.4〜4.5μm付近の波長帯域)を含む、
複数の波長帯域における放射線の強度を検出するにあた
って、一般に、光学式のバンドパスフィルタが使用され
ているが、これらの光学式バンドパスフィルタは、いず
れも狭帯域バンドパスフィルタで構成されていたため、
その製品価格が極めて高価であり、その結果、炎検出装
置のコストアップを招くという問題を有していた。
【0008】また、炎検出の精度を向上させるために、
上述した3波長式の炎検出装置のように、検出波長帯域
数を更に増やした場合には、狭帯域バンドパスフィルタ
をさらに追加して使用しなければならず、炎検出装置の
大幅なコストアップを招いていた。さらに、この場合、
各々異なる通過波長帯域を有する狭帯域バンドパスフィ
ルタを受光素子の前面に配置したセンサモジュールを、
個別に備える必要があるため、炎検出装置の装置規模が
大型化するという問題を有していた。
【0009】(2)また、4.4〜4.5μm付近の波
長帯域と、それよりも比較的短波長側、例えば、3.8
μm付近の波長帯域における、それぞれの放射線相対強
度の、例えば、相対比により炎を判定する2波長式の炎
検出装置にあっては、炎以外の比較的低温側の赤外線放
射体(例えば、図15において、スペクトル特性3を示
す比較的低温の放射体)等に対して、条件によっては、
炎と誤識別する可能性があり、その識別性能が必ずしも
十分ではなかった。
【0010】このような問題は、4.4〜4.5μm付
近の波長帯域と3.8μm付近の波長帯域における放射
線相対強度の相対比が、炎の燃焼状態により大きく変動
することに起因する。すなわち、図15に示すように、
比較的青い炎(完全燃焼に近い炎)が示すスペクトル特
性1aと、比較的赤い炎(不完全燃焼の度合いが大き
い)が示すスペクトル特性1bにおいて、4.4〜4.
5μm付近を含む長波長側では、炎の燃焼状態に関係な
く放射線の相対強度は、ほぼ安定して略同等の傾向を示
すのに対して、4.4〜4.5μm帯の短波長側、例え
ば、3.8μm付近の帯域では、炎の燃焼状態に応じて
放射線の相対強度は、大きく変動する傾向を示す。
【0011】具体的には、3.8μm付近の波長帯域で
は、比較的赤い炎のスペクトル特性1bは、比較的青い
炎のスペクトル特性1aに比較して、放射線の相対強度
が極めて大きく、4.4〜4.5μm付近の波長帯域と
3.8μm付近の波長帯域における放射線相対強度の相
対比は、比較的赤い炎のスペクトル特性1bの場合、き
わめて小さい値(すなわち、3.8μm付近の放射線相
対強度を基準として、4.4〜4.5μm付近の放射線
相対強度の相対比が、例えば、2程度)になり、比較的
青い炎のスペクトル特性1aの場合(すなわち、3.8
μm付近の放射線相対強度を基準として、4.4〜4.
5μm付近の放射線相対強度の相対比が、例えば、10
程度)に比較して、概ね5分の1以下となる。
【0012】そして、火災時等に発生する一般的な炎は
比較的赤い炎であることから、炎以外の赤外線放射体の
識別を行うために設定される、4.4〜4.5μm付近
の波長帯域と3.8μm付近の波長帯域における放射線
相対強度の相対比に対するしきい値と、比較的赤い炎の
スペクトル特性1bにおける相対比との間の差異が微小
(しきい値との大小関係が微妙)となり、比較的低温の
赤外線放射体との識別が困難になるという問題を有して
いた。
【0013】(3)炎検出装置は、一般に広い区域、例
えば、トンネル内やビルの吹き抜け部など高天井を有す
る建物内などで発生する火災を監視するために適用され
ることが多いため、一台の炎検出装置における検出感度
は、例えば、前方最遠で20m以上離れた区域を監視で
きるように高い検出感度に設定されている。そして、こ
のような高い検出感度に設定されていることにより、火
災監視区域内の、炎検出装置に比較的近距離の範囲を人
体等の低温放射体が通過したような場合であっても、
4.4〜4.5μm付近の波長帯域に無視できない程の
出力が現れることが、出願人の各種実験の結果、明らか
となっている。
【0014】また同様に、火災監視区域内の、炎検出装
置に比較的近距離の範囲を車両が通過した場合にも、
4.4〜4.5μm付近の帯域に無視できない程の出力
が現れることが、出願人の各種実験の結果、明らかにな
っている。この車両通過時の4.4〜4.5μm付近の
波長帯域と3.8μm付近の波長帯域における放射線相
対強度の相対比は、比較的低温側、例えば、図15のス
ペクトル特性“3”の場合に近いものであることが実験
によって明らかになっている。
【0015】このような人体や車両の通過時に、3.8
μm付近の波長帯域で検出される放射線相対強度は、
4.4〜4.5μm付近の波長帯域の放射線相対強度よ
りも、比較的小さくなることから、4.4〜4.5μm
付近の波長帯域と3.8μm付近の波長帯域における放
射線相対強度の相対比に基づいて、炎を識別する手法で
は、上記(2)の問題点において説明したように、比較
的低温側の放射に対してしきい値の設定が微妙であるた
め、炎との識別が困難となり、誤検出を起こす可能性が
あった。
【0016】このような問題を解決するためには、4.
4〜4.5μm帯の長波長側の、例えば、5.1μm付
近の波長帯域を加え、3つの波長帯域の放射エネルギー
を検出し、これらの検出出力の相対比によって炎の有無
を判定する3波長式を採用する方法があるが、この場
合、上記(1)の問題点が顕在化するという問題を有し
ていた。
【0017】(4)また、一般に、トンネル用の炎検出
装置等にあっては、検出性能の確認等を行うために、受
光素子の直近に配置した試験ランプを点滅させ、擬似火
炎光として受光素子に照射し、検出性能試験を行う方式
が採用されている。ここで、直近の試験ランプ(ハロゲ
ン球など)からの赤外線放射は、例えば、図16に示す
ような放射スペクトル特性を有している。すなわち、試
験ランプからの赤外線放射は、4.4〜4.5μm帯と
3.8μm帯の放射線相対強度の相対比の点で、図15
に示したような有炎燃焼のスペクトル特性1a、1bと
は全く異質のスペクトル特性を有しているため、4.4
〜4.5μm付近の波長帯域と3・8μm付近の波長帯
域における放射線相対強度の相対比に基づいて、炎を判
定(識別)する2波長式の炎検出装置にあっては、厳密
な検出性能試験を行うことが困難であるという問題を有
していた。
【0018】そこで、本発明は、このような問題点に鑑
み、簡易かつ安価な構成を用いつつ、炎と炎以外の放射
線源との高い識別性能を実現することができる炎検出装
置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る炎検出装置は、有炎燃焼時に発生するCO共鳴によ
り放射される第1の波長帯域の光を透過させる狭帯域バ
ンドパスフィルタにより構成される第1の光学波長フィ
ルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過した光を受
光して電気信号に変換して出力する第1の受光素子と、
前記第1の光学波長フィルタの透過波長帯域の長波長側
に隣接した第2の波長帯域の光を透過する広帯域バンド
パスフィルタにより構成される第2の光学波長フィルタ
と、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を受光し
て電気信号に変換して出力する第2の受光素子と、前記
第1の受光素子及び第2の受光素子の出力に基づいて所
定規模以上の炎の有無を判定する炎判定手段と、を備え
たことを特徴としている。
【0020】請求項2記載の発明に係る炎検出装置は、
請求項1記載の炎検出装置において、前記第1の受光素
子及び前記第2の受光素子を、焦電体で構成したことを
特徴としている。請求項3記載の発明に係る炎検出装置
は、請求項1記載の炎検出装置において、前記第1の光
学波長フィルタは、前記第1の受光素子を収納した第1
のセンサモジュールの、前記第1の受光素子の前面に配
置される狭帯域バンドパスフィルタと、前記第1のセン
サモジュールを収納する本体カバーの、前記第1の受光
素子の前面に設けられた窓用開口部に配置される前記セ
ンサモジュール保護用のハイカット特性を有する透光性
窓との透過率特性の組合せにより構成され、前記第2の
光学波長フィルタは、前記第2の受光素子を収納した第
2のセンサモジュールの、前記第2の受光素子の前面に
配置されるロングパスフィルタと、前記第2のセンサモ
ジュールを収納する本体カバーの、前記第2の受光素子
の前面に設けられた窓用開口部に配置される前記センサ
モジュール保護用のハイカット特性を有する透光性窓と
の透過率特性の組合せにより構成されることを特徴とし
ている。
【0021】請求項4記載の発明に係る炎検出装置は、
請求項3に記載の炎検出装置において、前記狭帯域バン
ドパスフィルタは、概ね4.5μm付近を中心波長とす
る狭帯域波長の光のみを選択透過させるよう構成され、
前記ロングパスフィルタは、概ね5.0μm付近を超え
る所定の波長帯域の光を透過させるカットオンフィルタ
により構成され、前記透光性窓は、概ね7.0μm付近
以下の光を透過させるハイカット特性を有するフィルタ
部材により構成されていることを特徴としている。
【0022】請求項5記載の発明に係る炎検出装置は、
請求項4に記載の炎検出装置において、前記透光性窓を
構成するフィルタ部材は、サファイアガラスであること
を特徴としている。請求項6記載の発明に係る炎検出装
置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炎検出装置に
おいて、前記第2の受光素子により設定される第2の検
知エリアは、前記第1の受光素子により設定される第1
の検知エリアの比較的近距離エリアに設定されているこ
とを特徴としている。
【0023】請求項7記載の発明に係る炎検出装置は、
請求項1乃至6のいずれかに記載の炎検出装置におい
て、前記第1の光学波長フィルタと、前記第2の光学波
長フィルタと、前記第1の受光素子と、前記第2の受光
素子とから構成される炎検出部を一対備え、該一対の炎
検知部により、該一対の炎検知部の設置位置を基準とす
る相異なる2方向に対し、所定の検知エリアを設定し
て、特定の火災監視区域内で発生する炎を検出すること
を特徴としている。請求項8記載の発明に係る炎検出装
置は、請求項7に記載の炎検出装置において、前記一対
の炎検知部は、トンネル内の所定の設置位置を基準とし
て、前記トンネルの長手方向の左右2方向に対し、各々
独立した3次元の検知エリアを設定して、前記トンネル
内で発生する炎を検出することを特徴としている。
【0024】請求項9記載の炎検出装置は、請求項1乃
至8のいずれかに記載の炎検出装置において、前記炎検
出装置は、前記第1の受光素子の出力から所定の周波数
の信号成分を選択抽出する第1の周波数抽出手段と、前
記第2の受光素子の出力から所定の周波数の信号成分を
選択抽出する第2の周波数抽出手段とを備え、前記第1
及び第2の周波数抽出手段は、前記信号成分の通過特性
が相互に異なるように設定されていることを特徴として
いる。
【0025】請求項10記載の炎検出装置は、請求項9
記載の炎検出装置において、前記第1及び第2の周波数
抽出手段は、選択抽出した周波数のうち、少なくとも、
実質的な炎特有のちらつき周波数帯域以外の周波数にお
いて、前記第2の周波数抽出手段により抽出された信号
成分の強度が、前記第1の周波数通過手段により抽出さ
れた信号成分の強度よりも大きくなるように、信号通過
特性が設定されていることを特徴としている。
【0026】請求項11記載の炎検出装置は、請求項9
又は10記載の炎検出装置において、前記炎判定手段
は、少なくとも、実質的な炎特有のちらつき周波数帯域
以外の周波数において、前記第1及び第2の周波数抽出
手段により抽出された各信号成分の強度に基づいて、炎
特有のちらつき周波数を含む炎以外の放射線源を判別す
ることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明に係る炎検出装置の
第1の実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実
施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサモジュール
と、該センサモジュールを収納した本体カバーの構成例
を示す概略構成図である。
【0028】図1に示すように、本実施形態に係る炎検
知器は、大別して、所定の波長帯域を有する赤外線エネ
ルギー(光エネルギー)を電気信号に変換して出力する
第1の受光素子10aを備えたセンサモジュール100
aと、第1の受光素子10aとは異なる所定の波長帯域
を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力す
る受光素子10bを備えたセンサモジュール100b
と、センサモジュール100a、100bの検知面側に
配置されたセンサモジュール保護用の透光性窓108
と、センサモジュール100a、100bから出力され
る各検出信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを
通過させる前置フィルタ20a、20bと、前置フィル
タ20a、20bを通過した信号成分を初段増幅するプ
リアンプ30a、30bと、プリアンプ30a、30b
からの出力を、後述する炎判定処理に適した信号レベル
に増幅するメインアンプ40a、40bと、メインアン
プ40a、40bから出力される増幅出力(アナログ信
号)をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換
器(以下、A/D変換器と記す)50a、50bと、A
/D変換された増幅出力に基づいて、炎の判定処理を実
行する炎判定処理部(炎判定手段)60と、を有して構
成されている。
【0029】以下、各構成について具体的に説明する。 (イ)センサモジュール100a、100b センサモジュール100aは、有炎燃焼時に発生するC
共鳴により放射される概ね4.5μmの波長帯域を
中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過
する光学式の狭帯域バンドパスフィルタであって、例え
ば、中心波長±200〜400nmの極めて狭い波長帯
域の放射線を選択透過する光学波長フィルタ105a
と、該光学波長フィルタ105aを透過した光を受光し
て電気信号に変換して出力する焦電型の第1の受光素子
10aを備えている。
【0030】具体的には、図2に示すように、センサモ
ジュール100aは、第1の受光素子10aが形成され
た基板101aと、該基板101aを基部103a上に
支持するための基板搭載部102aと、基板搭載部10
2a側の背面側から端子104aが延在して設けられた
基部103aと、受光素子10aの前方に狭帯域バンド
パスフィルタである光学波長フィルタ105aを備えた
カバー部材106aとからなるパッケージ化された構成
を有している。
【0031】また、センサモジュール100bは、概ね
5.0μmを超える所定の波長帯域の放射線を良好に透
過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィ
ルタである光学波長フィルタ105bと、該光学波長フ
ィルタ105bを透過した光を受光して電気信号に変換
して出力する焦電型の第2の受光素子10bを備えてい
る。
【0032】具体的には、図2に示すように、センサモ
ジュール100bは、第2の受光素子10bが形成され
た基板101bと、該基板101bを基部103b上に
支持するための基板搭載部102bと、基板搭載部10
2b側の背面側から端子104bが延在して設けられた
基部103bと、受光素子10bの前方にロングパスフ
ィルタである光学波長フィルタ105bを備えたカバー
部材106bとからなるパッケージ化された構成を有し
ている。
【0033】そして、これらのセンサモジュール100
a、100bは、本体カバー107内に設けられた共通
の取り付け部材110上に、互いに近接して所定の配列
で配置されている。なお、上述した光学波長フィルタ1
05a、105bは、例えば、シリコン、ゲルマニウ
ム、サファイア等の基板上に、テルル化鉛PbTeと硫
化亜鉛ZnSを蒸着積層することにより、上記所定の波
長帯域の光を透過する特性を持たせることができる。
【0034】(ロ)透光性窓108 透光性窓108は、センサモジュール100a、100
bが収納された本体カバー107の一面側(図2では上
面側)であって、センサモジュール100a、100b
の前面側に設けられた所定の開口部に配置され、例え
ば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形
成されている。したがって、上記受光素子10a、10
bは、各々の受光限界視野が透光性窓108aの縁辺部
で規制されることにより、略同一の拡がり角度を有する
検知エリアが設定される。ここで、透光性窓108を構
成するサファイアガラスは、概ね7.0μm付近以下の
波長帯域の放射線を良好に透過するハイカット特性を有
するフィルタ部材として機能する。
【0035】(ハ)前置フィルタ20a、20b 前置フィルタ20a、20bは、上記受光素子10a、
10bの各々から出力される検出信号から、炎判定処理
に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過さ
せて、後段の増幅手段(プリアンプ30a、30b、メ
インアンプ40a、40b)に伝達する機能を有してい
る。
【0036】(ニ)プリアンプ30a、30b/メイン
アンプ40a、40b プリアンプ30a、30bは、各前置フィルタ20a、
20bを介して入力される信号成分を所定の増幅率で初
段増幅し、メインアンプ40a、40bは、プリアンプ
30a、30bからの各出力を、後述する炎判定処理に
適した信号レベルに増幅する。
【0037】(ホ)A/D変換器50a、50b A/D変換部50a、50bは、メインアンプ40a、
40bから出力されたアナログ信号を後段の炎判定処理
部60における炎判定処理に適したデジタル信号に変換
する。なお、A/D変換部50a、50bは、後段の炎
判定処理部60がデジタル信号処理を行う場合にのみ必
要であり、アナログ信号レベルを直接基準値と比較する
ような処理回路の場合には省略することができる。
【0038】(ヘ)炎判定処理部60 炎判定処理部60は、マイクロプロセッサユニット(M
PU)等により構成され、第1の受光素子10aの受光
出力(増幅出力)と第2の受光素子10bの受光出力
(増幅出力)の相対比を算出することにより、炎と炎以
外の赤外線源(放射線源)との識別判定処理を行う。な
お、炎判定処理部60の具体的な処理動作については、
後述する。
【0039】上述したような構成を有する炎検出装置に
おいて、火炎FRから放射され、本体カバー107の透
光性窓108及びセンサモジュール100aの第1の光
学波長フィルタ105aを透過した赤外線エネルギー
は、第1の受光素子10aで電気信号に変換され出力さ
れる。第1の受光素子10aからの受光出力は、前置フ
ィルタ20aにより炎判定処理に用いられる特定の周波
数帯域の信号成分のみが通過し、プリアンプ30a、メ
インアンプ40aにより所定の信号増幅処理が施され、
A/D変換器50aによりデジタル信号に変換されて炎
判定処理部60に入力される。
【0040】一方、火炎FRから放射され、本体カバー
107の透光性窓108及びセンサモジュール100b
の第2の光学波長フィルタ105bを透過した赤外線エ
ネルギーは、第2の受光素子10bで電気信号に変換さ
れ出力される。第2の受光素子10bからの受光出力
は、前置フィルタ20bにより炎判定処理に用いられる
特定の周波数帯域の信号成分のみが通過し、プリアンプ
30b、メインアンプ40bにより所定の信号増幅処理
が施され、A/D変換器50bによりデジタル信号に変
換されて炎判定処理部60に入力される。
【0041】ここで、本実施形態に適用される各フィル
タによる各波長におけるフィルタ特性と透過率につい
て、具体的に説明する。図3は、第1及び第2の光学波
長フィルタの各波長における透過率を示す図である。こ
こでは、図2に示したセンサモジュール及び本体カバー
の構成を適宜参照しながら説明する。
【0042】上述したように、透光性窓材108である
サファイアガラスにより、概ね7.0μm付近以下の放
射線が良好に透過するハイカット特性を有する透過率特
性108Sが得られるとともに、光学波長フィルタ10
5aを構成する、概ね4.5μm付近を中心波長とする
狭帯域バンドパスフィルタにより、図3に示すように、
当該中心波長近傍の波長帯域の放射光を高い透過率で透
過する透過率特性105Saが得られ、これらの組合せ
により、結果、Taに示すような概ね4.5μm付近を
中心波長とする中心波長透過率が高い狭帯域バンドパス
フィルタが構成される。これら透過性窓材108である
サファイアガラス及び光学波長フィルタ105aの透過
率特性の組合せ(合成)により、本発明に係る第1の光
学波長フィルタが構成される。
【0043】一方、透光性窓材108であるサファイア
ガラスにより、概ね7.0μm付近以下の放射線が良好
に透過するハイカット特性を有する透過率特性108S
が得られるとともに、光学波長フィルタ105bを構成
するロングパスフィルタにより、概ね5.0μm付近を
超える所定の波長帯域の放射光を良好に透過するカット
オンフィルタ特性を有する透過率特性105Sbが得ら
れ、これらの組合せにより、結果、Tbに示すような概
ね5.0μm〜7.0μmの中心波長透過率が比較的低
い広帯域バンドパスフィルタが構成される。すなわち、
透光性窓材108であるサファイアガラス及び光学波長
フィルタ105bの透過率特性の組合せ(合成)によ
り、本発明に係る第2の光学波長フィルタが構成され
る。
【0044】ここで、第1の光学波長フィルタ(透光性
窓材108及び光学波長フィルタ105aの透過率特性
の合成)及び第2の光学波長フィルタ(透光性窓材10
8及び光学波長フィルタ105bの透過率特性の合成)
の中心波長の透過率は、図3に示すように、第1の光学
波長フィルタの中心波長透過率が、第2の光学波長フィ
ルタの中心波長透過率に対して、およそ数倍程度大き
い。しかし、第1の光学波長フィルタは狭帯域バンドパ
スフィルタであるので、その透過帯域は、広帯域バンド
フィルタである第2の光学波長フィルタに比べ、数分の
1程度である。しかし、第1の光学波長フィルタは、中
心波長透過率が高いため、透過率の帯域積分値Taは、
第2の光学波長フィルタの透過率の帯域積分値Tbに対
し、同程度、あるいは、大き過ぎない程度に設定され
る。
【0045】このようなフィルタ特性を有する炎検出装
置において、透光性窓材108を構成するハイカット特
性を有するサファイアガラスは、赤外線透過材質とし
て、一般的に使用されているものであり、また、5.0
μm付近を超える所定の波長帯域の放射光を良好に透過
するカットオンフィルタにより構成されるロングパスフ
ィルタを備えたセンサモジュール100bは、広い波長
帯域に対して均一な感度特性を有している焦電型の受光
素子を備えた汎用の人体検出用センサ等をそのまま利用
することができるので、いずれも安価に入手することが
可能であり、したがって、概ね5.0μm〜7.0μm
の広帯域バンドパスフィルタを極めて簡易かつ安価に構
成することができる。
【0046】なお、概ね5.0μm付近を超える所定の
波長帯域の放射光を良好に透過するカットオンフィルタ
により構成されるロングパスフィルタを備えたセンサモ
ジュール100bに対し、概ね4.5μmを中心波長と
する狭帯域の放射線を選択透過する狭帯域バンドパスフ
ィルタを備えたセンサモジュール100aは、現状で実
質十数倍程度の価格差があり、極めて高価であるが、本
実施形態においては、本体カバー内に収納される一組の
センサモジュールのうち、一方のみに狭帯域バンドパス
フィルタを備えたセンサモジュール100aを採用して
いるので、従来技術における2波長式や3波長式の炎検
出装置のように、検出する波長分の(高価な)狭帯域バ
ンドパスフィルタを備えたセンサモジュールを設ける必
要がなく、極めて安価に炎検出装置を構成することがで
きる。
【0047】次いで、上述したセンサモジュール、及
び、センサモジュールを収納した本体カバーにより設定
される検知エリアの拡がりについて、図面を参照して説
明する。図4は、本実施形態に係る炎検出装置により設
定される検知エリアの拡がりを説明する概略図である。
【0048】本実施形態に係る炎検出装置においては、
図4に示すように、センサモジュール100bにより設
定される検知エリアARb(すなわち、第2の受光素子
10bにより設定され、想定される炎以外の、特に、低
温側の赤外線放射により、4.5μm帯の出力に影響を
与える範囲での炎識別性能を向上するために、第2の波
長帯域で該放射を捕らえようとする所定のエリア)が、
センサモジュール100a(すなわち、第1の受光素子
10a)により設定される検知エリアARa(所定規模
以上の炎から、4.5μm帯(第1の波長帯域)の出力
が良好に得られ、正しく炎を判定できる遠方限界までの
エリア)の比較的近距離側のエリアに設定されている。
【0049】このような検知エリアの設定において、セ
ンサモジュール100b(第2の受光素子10b)にお
けるフィルタ特性(第2の光学波長フィルタで設定され
る特性)である、概ね5.0〜7.0μm付近の波長帯
域は、基本的に、炎からの赤外線を検出する目的に用い
るものではなく、想定される炎以外の、特に、低温側の
赤外線放射に相当する変化が4.5μm帯の出力に影響
を与え、炎として誤検出してしまう可能性の高い、炎検
出装置の比較的近いエリアから、該赤外線放射の変化に
より第2の波長帯域による出力を得て炎と炎以外の識別
性能を向上するように設定することが重要である。要す
るに、これを概ね4.5μm付近の波長帯域を検知する
ための検知エリアARaと同様に設定するため、大きな
検出感度に設定しても、受光素子10bからの検出信号
にはノイズ成分が増えるだけであることに基づいてい
る。
【0050】したがって、概ね5.0〜7.0μm付近
の波長帯域を、概ね4.5μm付近の波長帯域における
炎の検出処理に影響を与える、比較的低温の放射線源、
例えば、人体や車両等と炎との識別のためだけに利用す
ることにより、少なくとも炎検出装置に比較的近い位置
の前方を通過する人体や車両等と、炎との識別が可能な
程度の出力が得られるように、センサモジュール100
b(第2の受光素子10b)の検知エリアを設定すれば
よいことになる。ここで、第2の受光素子10bにより
設定される検知エリアを比較的近距離側のエリアに設定
する手法としては、例えば、プリアンプ30b、メイン
アンプ40bの増幅率を低くしたり、炎判定処理部60
での炎判定レベルを高くしたりする手法等を適用するこ
とができる。
【0051】次に、本実施形態に係る炎検出装置に適用
される炎判定処理部における制御処理について、図面を
参照して説明する。図5は、本実施形態に係る炎検出装
置に適用される炎判定処理部の処理動作の手順を示すフ
ローチャートであり、図6は、本実施形態に適用される
炎判定処理における判定結果を示す相関表である。
【0052】以下、各処理手順を図5を適宜参照しなが
ら説明する。なお、必要に応じて図2に示したセンサモ
ジュール及び本体カバーの構成を参照する。 (処理手順S1)まず、第1の受光素子10a及び第2
の受光素子10bの各受光出力(増幅出力)を、所定サ
ンプリング周期でA/D変換器50a、50bを介して
所定時間取り込み、該受光出力毎に強度の時間積分処理
を行う。
【0053】(処理手順S2/S3)次いで、上記処理
手順S1において、積分処理した第1の受光素子10a
の受光出力(以下、受光出力積分値という)、すなわ
ち、第1の光学波長フィルタ(透光性窓材108及び光
学波長フィルタ105aの透過率特性の合成)を透過し
た放射線の受光出力積分値が、予め設定された基準レベ
ルを超えたか否かを判定し、当該基準レベル以下の場合
には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと
して、処理手順S1に戻り、所定のサンプリング周期で
受光出力の取り込みを繰り返す。一方、上記受光出力積
分値が、基準レベルを超えた場合には、処理手順S1で
別に積分処理した受光素子10bの受光出力(受光出力
積分値)との相対比(すなわち、受光素子10aの受光
出力積分値/受光素子10bの受光出力積分値)を算出
する。
【0054】(処理手順S4/S5)次いで、算出され
た受光出力積分値の相対比が、予め設定されたしきい値
レベルを超えるか否かを判定し、当該しきい値レベル以
下の場合には、例えば、人体や車両等の炎以外の比較的
低温の放射線源による受光出力があったものとして、処
理手順S1に戻り、所定のサンプリング周期で受光出力
の取り込みを繰り返す。
【0055】一方、上記受光出力積分値の相対比が、し
きい値レベルを超えた場合には、炎と判定して、炎判定
出力を行う。ここで、上記しきい値レベルとしては、燃
焼炎の受光出力積分値の相対比(受光素子10aの受光
出力積分値/受光素子10bの受光出力積分値)が、燃
焼状態に関係なく、ほぼ5以上であること、及び、炎以
外からの受光出力積分値の相対比が2以下であることに
基づいて、例えば、3程度に設定すれば良いことにな
る。
【0056】したがって、上述した一連の炎判定処理に
より、図6に示すような放射線源の種類と判定結果との
相関関係が得られ、炎と炎以外の放射線源との識別を確
実に行うことができる。具体的には、検出対象となる放
射線源が、炎の場合には、概ね4.5μm帯の波長帯域
に、放射線の相対強度の強い(高い)受光出力が検出さ
れるとともに、4.5μm帯の長波長側である5.0〜
7.0μm帯の波長帯域に、放射線の相対強度の極弱
(微小な)受光出力が検出される。この場合、放射線相
対強度の相対比は、例えば、5.0程度以上となって、
炎判定の基準(しきい値レベル)である相対比“3”よ
りも大きくなるので、検出対象が炎であると判定され
る。
【0057】また、検出対象となる放射線源が、太陽光
(6000°C)等の高温放射体の場合や、車両等の比
較的低温の放射体の場合には、概ね4.5μm帯の波長
帯域に、放射線の相対強度の強い(高い)受光出力が検
出されるとともに、4.5μm帯の長波長側である5.
0〜7.0μm帯の波長帯域にも、放射線の相対強度の
強い(高い)受光出力が検出される。この場合、放射線
相対強度の相対比は、例えば、1.0〜1.2程度とな
って、炎判定の基準(しきい値レベル)である相対比
“3”よりも小さくなるので、検出対象が炎以外の放射
線源であると判定される。
【0058】さらに、検出対象となる放射線源が、人体
などの低温放射体の場合には、概ね4.5μm帯の波長
帯域に、放射線の相対強度の弱い(低い)受光出力が検
出されるとともに、4.5μm帯の長波長側である5.
0〜7.0μm帯の波長帯域に、放射線の相対強度の強
い(高い)受光出力が検出される。この場合、放射線相
対強度の相対比は、例えば、0.5程度となって、炎判
定の基準(しきい値レベル)である相対比“3”よりも
小さくなるので、検出対象が炎以外の放射線源であると
判定される。
【0059】なお、上記処理手順S4において、受光出
力積分値の相対比がしきい値レベルを超えた場合には、
さらに精度の高い炎判定を行うようにしても良い。例え
ば、受光素子10aの受光出力(増幅出力)の所定時間
のサンプリングデータに基づいて、高速フーリエ変換法
(FFT:Fast Fourier Transformation)等の周波数
解析を行い、炎特有のちらつき周波数(又は、ゆらぎ周
波数)が存在するかを解析する処理を適用することがで
きる。
【0060】<第2の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第2の実施形態について、図面を参照して説
明する。本実施形態においては、上述した第1の実施形
態に示した炎検出装置の構成をトンネル用の炎検出装置
(火災検知器)に適用した場合について説明する。図7
は、本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を示す概
略構成図であり、図8は、本実施形態に係る炎検出装置
のトンネル内での設置形態と検知エリアの拡がりを示す
概略図である。
【0061】図7(a)、(b)に示すように、本実施
形態に係る炎検出装置200は、筐体201の上部に設
けられたセンサ収納部202に、炎検出装置200のト
ンネル内壁面への設置状態において、少なくともトンネ
ルの長手方向(図8(b)の左右方向)に所定の曲率半
径を有して曲面状に形成された傾斜曲面203a、20
3bと、傾斜曲面203a、203bの各々の周縁部
(外周)に連続して設けられ、所定の傾斜角度を有して
形成された急傾斜面204a、204bと、傾斜曲面2
03a、203bの各々に設けられた個別の透光性窓2
05a、205bと、各透光性窓205a、205bの
内部に収納され、上記実施形態と同等の構成を有する一
対のセンサモジュール206a、206b、207a、
207bと、各透光性窓205a、205bの近傍の、
センサモジュール206a、206b、207a、20
7bを見渡せる位置に、個別の試験ランプ208a、2
08bを収納し、かつ、炎検出装置200の設置状態に
おいて、その下面側に試験光源用透光窓209a、20
9bを備えた試験用光源収納部210と、を有して構成
されている。
【0062】ここで、センサモジュール206a、20
7aは、上述した第1の実施形態におけるセンサモジュ
ール100aに相当し、センサモジュール206b、2
07bは、同様に、センサモジュール100bに相当す
る。また、傾斜曲面203a、203bの各々に設けら
れた個別の透光性窓205a、205bは、上述した第
1の実施形態における透光性窓108に相当し、サファ
イアガラスにより構成されている。
【0063】そして、このような構成を有する炎検出装
置のトンネル内壁面への設置状態は、例えば、図8
(a)に示すように、トンネル90内部下方の一方の壁
面(概ね、路面から2.5m程度の高さ)91aに、ト
ンネル90の長手方向に沿って、路面90a及び他方側
の壁面91bまでを監視するように設置されている。ま
た、その検知エリアは、センサモジュール206a、2
06b、及び、207a、207bが、図7(b)に示
すように、トンネルの長手方向の一方側及び他方側の傾
斜曲面203a、203bに設けられた透光性窓205
a、205bに対して、各々所定の位置関係で、かつ、
所定の傾斜角度で設置されていることにより、図8
(b)に示すように、各々所定の広がりを有する検知エ
リアAa、Ab、及び、Ba、Bbが設定される。
【0064】ここで、上述したように、センサモジュー
ル206a、207a(収納される受光素子)は、高い
検出感度により、遠方監視特性に優れた広い検知エリア
Aa、Baを設定している。また、センサモジュール2
06b、207b(収納される受光素子)は、センサモ
ジュール206a、207aよりも低い感度により、上
記検知エリアAa、Baのうち、比較的近距離側、すな
わち、炎検出装置200の近傍の前方領域を含む検知エ
リアAb、Bbを設定している。ここで、図8(b)に
おいては、検知エリアAa、Ba、及び、Ab、Bbを
平面的に示しているが、実際には、紙面に対して表裏方
向にも検知エリアを有しており、3次元的な広がりを有
する検知エリアが設定されている。
【0065】したがって、本実施形態に係る炎検出装置
によれば、トンネル内において、人体や車両等の放射線
源と炎との誤識別を抑制して、良好な炎検出を行うこと
ができる炎検出装置を、従来技術に比較して装置規模を
大型化することなく、極めて安価に実現することができ
る。また、試験用光源収納部210に収納された試験ラ
ンプ208a、208bを、疑似炎状態になるように点
滅させ、その試験光CKを試験光源用透光窓209a、
209bを介して、透光性窓205a、205b内のセ
ンサモジュール206a、206b、及び、207a、
207bに投光することにより、図10に示したような
スペクトル特性を有する赤外線放射であっても、概ね
4.5μm帯と概ね5.0〜7.0μm帯の波長帯域に
おける受光出力積分値の相対比が、図6に示した炎相当
(5.0程度以上)の値を示すことになるので、擬似火
炎による検出性能試験を厳密に行うことができる。
【0066】なお、図8(a)、(b)においては、ト
ンネル90内に設置された単一の炎検出装置200のみ
を示したが、トンネル90の長手方向に沿って、少なく
とも隣接して配置される炎検出装置の位置を含み、各々
の検知エリアAa、Baが相互補完的に重なるように、
例えば、25m間隔で炎検出装置が連続的に配置されて
いる。また、図8(a)において、93は、トンネル9
0内部の視界を確保するナトリウム灯等の照明灯、94
は、トンネル90内で発生した火災を検知する火災検知
器、95は、火災を検知した際に水を噴霧して火災の拡
大を防ぐ水噴霧ヘッド、96は、放水ノズルやホース等
を収納した消火栓設備、97は、トンネル90内の換気
を行うジェットファン、98は、非常用通路や出口を避
難者に認識させ、誘導する誘導表示灯である。また、上
述した実施形態にあっては、第1及び第2のセンサモジ
ュールに対して、共通の透光性窓を配設するようにして
いるが、各センサモジュールに対して、個別の透光性窓
を配設するようにしてもよい。
【0067】<第3の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第3の実施形態について説明する。まず、第
3の実施形態に係る炎検出装置において、炎と識別する
対象となる放射線源について説明する。上述したよう
に、第1及び第2の実施形態に示した炎検出装置におい
ては、CO共鳴放射帯(第1の波長帯域:概ね4.5
μmを中心波長とする狭帯域)、及び、その長波長側の
所定帯域(第2の波長帯域:例えば、概ね5.0〜7.
0μmの広帯域)を観測することにより、人体や車両等
の比較的低温の放射線源と炎とを良好に識別することが
できるとともに、第2の波長帯域を選択抽出する広帯域
バンドパスフィルタを簡易かつ安価な構成で実現するこ
とができることを説明した。
【0068】ところで、上述した炎検出装置が設置され
る環境(トンネル内等)においては、上述したような人
体や車両等のように、4.5μmを中心波長とする第1
の波長帯域及び5.0〜7.0μmの第2の波長帯域に
おいて、炎と明らかに異なるスペクトル特性(分光パタ
ーン)、又は、放射線相対強度の相対比(波長バラン
ス)を有する放射線源の他に、炎と同等又は類似する分
光パターン及び波長バランスを有する炎以外の放射線源
が存在する。その代表例としては、白熱ランプ類を備え
た照明設備や表示設備等があり、このような放射線源の
場合、上述したような炎検出の手法によっては、炎との
的確な識別が困難となる場合が生じる。
【0069】以下、図面を参照して具体的に説明する。
図9は、炎と回転灯との放射線スペクトルの関係を示す
特性図である。ここで、回転灯は、白熱ランプ類を備え
た設備の代表例であって、緊急車両や道路工事用の警告
・案内表示等に多用されており、炎検出処理の観点から
最も識別精度を必要とされる放射線源の一つである。な
お、本実施形態に係る炎検出装置において識別対象とな
る放射線源は、これに限定されるものではないことは言
うまでもない。
【0070】なお、図9の縦軸は、炎、回転灯各別個の
相対強度であり、それぞれの場合のピーク(所定波長帯
での)を“1”としている。実際の受光レベルは、検知
センサと炎又は回転灯の距離、その他によって変化す
る。すなわち、観測体(この場合、炎や回転灯)の存在
する場所によって、相対強度の小さい波長成分の信号レ
ベルも大きくなる、ここでは、比較的検知センサの近く
に存在する、又は、放射レベルの大きな回転灯について
問題にしている。
【0071】図9に示すように、回転灯からの赤外線放
射によるスペクトル特性5は、4.5μm及び5.0μ
m以上の波長帯域において、有炎燃焼のスペクトル特性
1(図15に示したスペクトル特性1a、1bと同等)
と同等又は同様の変化傾向を有していることが、出願人
の各種実験の結果、明らかとなっている。そのため、
4.5μm及び5.0〜7.0μmの波長帯域における
放射線相対強度の相対比(5.0〜7.0μm帯の放射
線相対強度に対する4.5μm帯の放射線相対強度)に
のみ基づいて、炎と炎以外の放射線源とを識別する上記
実施形態に係る手法によっては、炎と回転灯(炎以外の
放射線源)とを的確に識別することが困難な場合が生
じ、炎検出装置の信頼性が低下する可能性がある(以
下、便宜的に「問題点(5)」と記す)。
【0072】なお、このような炎と回転灯等の白熱ラン
プ類とを識別する手法としては、上述したような放射線
相対強度の相対比(波長バランス)による識別方法とは
別個に、いわゆる、周波数解析法を適用したものが知ら
れている。例えば、特開2000−57456号公報等
には、検知センサからの受光信号をMPUにサンプリン
グデータとして所定時間取り込み、当該データの周波数
分布パターンを高速フーリエ変換法(FFT)等の演算
方法を適用して周波数解析し、火災を判定する方法が記
載されている。
【0073】ここで、上記公報等に記載されている周波
数解析の手法について、図面を参照して簡単に説明す
る。図10は、炎及び回転灯からの赤外線エネルギーに
対する時系列観測波形(赤外線エネルギーの時間変動)
を示す図であり、図11は、図10に示した時系列観測
波形に基づいて周波数解析を行った場合の周波数分布パ
ターン(スペクトルパターン)を示す図である。
【0074】一般に、燃え上がった炎は、周りの酸素を
取り込んで大きく成長した後、周囲の酸素が少なくなる
と一瞬小さくなり、再びその外側からの酸素供給を受け
て大きく成長するという変動を周期的に繰り返している
ことが知られている。したがって、炎の赤外線エネルギ
ーを時系列的に観測すると、図10(a)に示すよう
に、低い周波数を含む周波数帯でちらつき(又は、ゆら
ぎ)を生じるという性質を有している。これに対して、
回転灯は、白熱ランプの発光ガイド部材を定速度で回転
させることにより、発光方向を周期的に変化させる機構
を有しているため、その赤外線エネルギーを時系列的に
観測すると、図10(b)に示すように、明確な周期的
変動を伴っており、その周波数は回転灯の回転数に依存
するという性質を有している。
【0075】そして、図10に示した時系列観測波形に
おける赤外線エネルギーの周期的な変動に着目して、炎
の赤外線エネルギーを周波数軸で観測すると、図11
(a)に示すように、概ね8Hzよりも低周波側に高い
出力レベルを示す周波数特性が得られることから、実質
的な炎のちらつき周波数が8Hzまでの周波数帯域に存
在するのに対して、例えば、道路トンネル内で使用され
る2Hz程度の低周波で回転する回転灯の赤外線エネル
ギーの場合にあっては、基本周波数の整数倍の周波数に
高調波成分が存在するため、図11(b)に示すよう
に、周波数軸の略全域において(すなわち、8Hzを越
える周波数帯域にまで)高い出力レベルを示す周波数特
性が得られる。
【0076】このように、炎と炎以外の放射線源におい
ては、各々特有の周波数特性が得られることから、ちら
つき周波数が概ね8Hzよりも低周波側、及び、高周波
側の各々の周波数帯域における信号レベルを所定の周波
数間隔(たとえば、0.5Hzピッチ)で高速フーリエ
変換法(FFT)により抽出し、各抽出信号レベルが個
別に設定されたしきい値以上であるか否か、あるいは、
抽出信号レベル相互の相対比が所定値以上であるか否か
を判別することにより、炎のちらつき周波数を含む炎以
外の放射線源(回転灯等)からの赤外線エネルギーを検
出して、火災と誤って判定することを防止することがで
きる。
【0077】したがって、本発明に係る第1及び第2の
実施形態に加え、上述した公報等に記載された周波数解
析による炎判定方法を適用することにより、炎と人体、
車両、回転灯等の炎以外の放射線源との識別を行うこと
が考えられるが、上述した周波数解析の手法において
は、火災判定の基準となる信号のサンプリング数が多い
うえ、サンプリング動作に要する時間も長く、かつ、該
サンプリングデータ(抽出信号)を演算処理する際のM
PUの負担が極めて大きくなるため、火災判定(サンプ
リング及び炎判定)に要する処理時間が増大して、良好
な火災検知機能が阻害されるという問題を有している
(以下、便宜的に「問題点(6)」と記す)。
【0078】ここで、炎検出装置(火災検知器)は、シ
ステム端末として防災受信盤から引き出された伝送路に
多数接続されており、同時に、防災機器としての性質
上、動作電源のバックアップが義務付けられているの
で、装置の大型化と高コスト化を避ける目的で、炎検出
装置単体の消費電力を最大限低く抑える必要がある。そ
のため、炎検出装置に搭載されるMPUとしては、例え
ば1MHz程度の比較的低速の基本クロックで動作する
低消費電力型のものを使用せざるを得ず、上記処理時間
を容易に短縮することができないという制約がある。
【0079】そこで、本実施形態に係る炎検出装置は、
上述した実施形態において、第1及び第2の波長帯域に
おける放射線源からの赤外線エネルギーを検知する各検
知センサ(センサモジュール)からの受光出力(検出信
号)を炎判定処理部に伝達する各信号処理経路に設定さ
れる信号通過特性(周波数通過特性)を所定の関係に調
整制御することにより、第1及び第2の波長帯域におけ
る実質的な炎特有のちらつき周波数帯域以外の周波数に
おける信号レベル(信号成分の強度)の差分を、実質的
な炎特有のちらつき周波数帯域の場合に比較して相対的
に増大させる構成を有している。
【0080】以下、本実施形態に係る炎検出装置につい
て、図面を参照して具体的に説明する。図12は、本発
明に係る炎検出装置の第3の実施形態を示す概略構成図
である。ここで、上述した第1及び第2の実施形態と同
等の構成については、同一の符号を付して、その説明を
簡略化又は省略する。
【0081】図12に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、大別して、第1の波長帯域の赤外線エネル
ギーを検出する第1の受光素子10aを備えたセンサモ
ジュール100aと、第1の波長帯域よりも長波長側の
第2の波長帯域の赤外線エネルギーを検出する受光素子
10bを備えたセンサモジュール100bと、センサモ
ジュール100a、100bの検知面側に共通に配置さ
れた透光性窓108と、センサモジュール100a、1
00bから出力される各受光出力から、所定の周波数帯
域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ(周波数フ
ィルタ)20a、20cと、各前置フィルタ20a、2
0cを通過した信号成分を炎判定処理に適した所定の信
号レベルに増幅するアンプ部30A、30Bと、アンプ
部30A、30Bからの信号に基づいて、炎と炎以外の
放射線源を識別し、火災を判定する処理を実行する炎判
定処理部60Aと、を有して構成されている。
【0082】ここで、センサモジュール100a、10
0bに備えられた光学波長フィルタ105a、105
b、及び、透光性窓108は、上述した実施形態と同様
に、各センサモジュール100a、100bに収納され
た受光素子10a、10bにより受光する赤外線エネル
ギーの波長が、各々概ね4.5μmを中心波長とする狭
帯域からなる第1の波長帯域、及び、概ね5.0〜7.
0μmの広帯域からなる第2の波長帯域となるように、
フィルタ特性が設定されている。
【0083】前置フィルタ20a及びアンプ部30Aか
らなる周波数抽出処理部(信号処理経路)PROAは、
本発明における第1の周波数抽出手段を構成し、上記受
光素子10aから出力される第1の波長帯域(4.5μ
mを中心波長とする狭帯域)の受光出力のうち、所定の
周波数帯域、例えば、概ね1〜8Hz帯域のちらつき周
波数成分を効率よく通過させる第1の周波数通過特性で
通過させ、増幅部30Aにより炎判定処理に適した所定
の信号レベルに増幅する。
【0084】また、前置フィルタ20c及びアンプ部3
0Bからなる周波数抽出処理部(信号処理経路)PRO
Bは、本発明における第2の周波数抽出手段を構成し、
上記受光素子10bから出力される第2の波長帯域
(5.0〜7.0μmの広帯域)の検出信号のうち、所
定の周波数帯域、例えば、概ね1〜16Hz帯域のちら
つき周波数成分のみを、上記第1の周波数通過特性と異
なる第2の周波数通過特性で通過させ、増幅部30Bに
より炎判定処理に適した所定の信号レベルに増幅する。
【0085】ここで、周波数抽出処理部PROA、PR
OBに設けられる前置フィルタ20a及び20cは、例
えば、容量素子C及び抵抗素子RからなるCRフィルタ
回路により構成することができるので、次段のアンプ部
30A及び30Bとともに、一体的な回路構成とするこ
とができる。また、本実施形態においては、前置フィル
タ20a、20cにより抽出された信号成分を増幅する
手段として、各々単一のアンプ部30A、30Bを示し
たが、具体的には、図1に示した構成と同様に、プリア
ンプとメインアンプにより構成されるものであってもよ
い。
【0086】炎判定処理部60Aは、アンプ部30A、
30Bからの信号に基づいて、炎と炎以外の放射線源
(人体や車両等)との識別判定処理を行う。また、アン
プ部30A、30Bからの信号を比較することで、波長
及び周波数の両面から“識別処理”を行うのと同等の効
果を得ることになる。
【0087】次いで、本実施形態に適用される前置フィ
ルタ(又は、周波数抽出処理部)における周波数通過特
性と、上記炎判定処理部における炎判定の処理動作につ
いて、具体的に説明する。図13は、本実施形態に適用
される周波数フィルタの周波数通過特性を示す特性図で
あり、図14は、本実施形態に係る周波数フィルタを適
用した場合の炎及び回転灯からの赤外線エネルギーに対
する時系列観測波形(赤外線エネルギーの時間変動)を
示す図である。まず、本実施形態における作用効果を明
確にするため、第1の周波数通過特性と第2の周波数通
過特性を同等に設定した場合(図13(a))における
時系列観測波形(図14(a))とを適宜対比させなが
ら説明する。
【0088】本実施形態に係る周波数フィルタ(前置フ
ィルタ20c)は、図13(b)に示すように、第2の
波長帯域(5.0〜7.0μmの広帯域)の受光出力の
信号周波数に対して、8Hzよりも低周波側の周波数帯
域においては、周波数抽出処理部PROA、PROB双
方の周波数通過特性SPA、SPBが同等になるように
設定されているとともに、8Hzよりも高周波側の周波
数帯域においては、周波数抽出処理部PROA側の周波
数通過特性SPAに比較して、周波数抽出処理部PRO
B側の周波数通過特性SPBが高くなるように設定され
ている。
【0089】すなわち、図11(a)に示したように、
実質的な炎特有のちらつき周波数は、概ね8Hzよりも
低周波側の周波数帯域に高い信号レベルが出現し、8H
zよりも高周波側の周波数帯域においては、ほとんど出
現しない(又は、信号レベルが極めて低い)のに対し
て、図11(b)に示したように、回転灯のちらつき周
波数は、概ね全周波数帯域において高い信号レベルが出
現する、という信号レベルの分布特性に基づいて、8H
zよりも高周波側の周波数帯域(すなわち、実質的な炎
特有のちらつき周波数帯域以外の周波数)における周波
数通過特性を、低周波側の周波数帯域(すなわち、実質
的な炎特有のちらつき周波数帯域)における周波数通過
特性よりも高く設定することにより、炎と回転灯の場合
で炎判定処理部60Aに出力される第1及び第2の波長
帯域の受光出力の信号バランス(相対比)を、周波数通
過特性を同等に設定した場合に比べて、大きく異ならせ
ることができる。
【0090】そのため、図13(a)に示した周波数通
過特性SPAを有する周波数フィルタ(前置フィルタ2
0a)を適用した場合の第1の波長帯域の受光出力に対
する時系列観測波形は、回転灯が炎特有の周波数を含ん
でいるため、図14(a)に示すように、炎(WSA;
図中、破線で表記)及び回転灯(LTA;図中、実線で
表記)それぞれの場合において、両者を明確に識別でき
るほどの違いが現れない。なお、本実施形態では、説明
を簡単にするために、第1の波長帯域の受光出力に対す
る時系列観測波形は、略同等の信号レベルの振幅X
を有しているものとする。
【0091】一方、上述したような周波数通過特性SP
Bを有する周波数フィルタ(前置フィルタ20c)を適
用した場合の第2の波長帯域の受光出力に対する時系列
観測波形は、回転灯が実質的な炎特有のちらつき周波数
帯域以外の周波数においても高い信号レベルを有してい
るため、図14(b)に示すように、回転灯の時系列観
測波形(LTB;図中、実線で表記)は、炎の時系列観
測波形(WSB;図中、破線で表記)に比較して、高周
波側の通過効率が高い分だけ、信号レベルの振幅が大き
く現れる波形特性(炎の信号レベルの振幅Y≪回転灯
の信号レベルの振幅Y)を示す。
【0092】したがって、炎判定処理部60Aにおける
第1及び第2の波長帯域の受光出力の比較処理におい
て、炎の場合にあっては、第2の波長帯域の周波数成分
のうち、8Hzより高周波側に信号レベルがほとんど出
現しないため、その振幅は前置フィルタ20aの周波数
通過特性SPAによっては顕著に拡大されることはなく
(振幅は微小となり)、第1の波長帯域における受光出
力に対する第2の波長帯域における受光出力の相対比は
小さくなる。
【0093】これに対して、回転灯の場合にあっては、
第2の波長帯域の略全周波数帯域に高い信号レベルが出
現するため、その振幅は前置フィルタ20cの周波数通
過特性SPBによって顕著に拡大されることになり(振
幅は過大となり)、第1の波長帯域における受光出力に
対する第2の波長帯域における受光出力の相対比が大き
くなる。
【0094】このように、本実施形態に係る炎検出装置
によれば、回転灯からの第1及び第2の波長帯域におけ
る受光出力(周波数成分)の信号バランス(相対比)
が、炎の場合に比較して顕著に異なることに基づいて、
しきい値比較等の簡易な判断手法を適用して、炎と回転
灯(炎のちらつき周波数を含む炎以外の放射線源)との
識別を的確に行うことができる。
【0095】なお、従来の2波長式又は3波長式の炎検
出装置においては、上記周波数抽出処理部に設けられる
各波長帯に対応する周波数フィルタ(前置フィルタ)の
周波数通過特性を異ならせることについては、何ら考慮
されておらず、図13(a)に示すように、ちらつき周
波数の略全周波数帯域において、各周波数フィルタの周
波数通過特性が略同等になるように設定されている。そ
のため、炎と回転灯からの第1及び第2の波長帯域にお
ける受光出力(周波数成分)の信号バランス(相対比)
に顕著な差異が見られず、各波長帯域における信号バラ
ンス(すなわち、受光出力の比較処理)のみによって
は、炎と回転灯とを的確に識別することができない。
【0096】これにより、上述した問題点(5)、
(6)に示したような多量のデータをサンプリングし
て、複雑な演算処理を行う周波数解析を適用することな
く、炎と回転灯等の放射線源との識別を行うことができ
るので、MPUを使用した場合における電気的及び時間
的な負荷を大幅に軽減することができる。また、上述し
た第1及び第2の実施形態と同様に、第1及び第2の波
長帯域の赤外線エネルギーを用いて炎と回転灯との識別
を行うことができるので、上記実施形態との組み合わせ
により、共通の装置構成を利用して、常に第1及び第2
の波長帯域における赤外線エネルギーの信号レベルのバ
ランスのみに基づいて、炎と炎以外の放射線源(人体、
車両、回転灯等)とを的確に識別することができ、誤報
の発生を防止して炎検出装置の信頼性を大幅に向上する
ことができる。
【0097】なお、本実施形態においては、周波数フィ
ルタの周波数通過特性を制御することにより、炎判定処
理部において炎判定に処理に用いられる第1及び第2の
波長帯域の受光出力の信号レベルの差分を拡大する手法
について説明したが、本発明は、これに限定されるもの
ではなく、上記各波長帯域の受光出力の信号バランスの
差異を顕著化するものであればよい。したがって、各周
波数抽出処理部に設けられた周波数フィルタの通過特性
に加え、アンプ部の信号増幅率を調整する手法、又は、
アンプからの信号をA/D変換し、A/D変換された検
知信号のデジタル値に、上記信号バランスの差異を顕著
化するような所定の重み付けを行う手法等を良好に適用
することができ、炎検出装置の回路構成における設計自
由度を向上することができる。
【0098】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、有炎燃焼
時に発生するCO共鳴により放射される第1の波長帯
域の光を透過させる狭帯域バンドパスフィルタにより構
成される第1の光学波長フィルタと、第1の光学波長フ
ィルタを透過した光を受光して電気信号に変換して出力
する第1の受光素子と、第1の光学波長フィルタの透過
波長帯域の長波長側に隣接した第2の波長帯域の光を透
過する広帯域バンドパスフィルタにより構成される第2
の光学波長フィルタと、第2の光学波長フィルタを透過
した光を受光して電気信号に変換して出力する第2の受
光素子と、第1及び第2の受光素子の出力に基づいて所
定規模以上の炎の有無を判定する炎判定手段と、を備え
ているので、第1の受光素子により炎特有の波長帯域の
受光出力を良好に検出することができるとともに、第2
の受光素子により人体や車両等の低温放射線源に基づく
波長帯域の受光出力を良好に検出することができ、これ
らの受光出力に基づいて、炎と他の赤外線放射線源との
識別を良好に行うことができる。
【0099】請求項2記載の発明によれば、上記第1及
び第2の受光素子を、焦電体で構成しているので、汎用
の、広い波長帯域に対して均一な感度特性を有している
受光素子を用いて、上記第1及び第2の光学波長フィル
タにより、所望のフィルタ特性を設定することができ、
良好な炎検出性能を有する炎検出装置を安価に実現する
ことができる。請求項3記載の発明によれば、上記第1
の光学波長フィルタは、第1の受光素子を収納した第1
のセンサモジュールの、第1の受光素子の前面に配置さ
れる狭帯域バンドパスフィルタと、第1のセンサモジュ
ールを収納する本体カバーの、第1の受光素子の前面に
設けられた窓用開口部に配置される前記センサモジュー
ル保護用のハイカット特性を有する透光性窓との透過率
特性の組合せにより構成され、また、第2の光学波長フ
ィルタは、第2の受光素子を収納した第2のセンサモジ
ュールの、第2の受光素子の前面に配置されるロングパ
スフィルタと、第2のセンサモジュールを収納する本体
カバーの、第2の受光素子の前面に設けられた窓用開口
部に配置されるセンサモジュール保護用のハイカット特
性を有する透光性窓との透過率特性の組合せにより構成
されているので、いずれも比較的安価に入手することが
できる汎用のフィルタ部材により、所望のフィルタ特性
を実現することができ、良好な炎判定性能を有する炎検
出装置を、簡易な構成で安価に実現することができる。
【0100】請求項4又は5記載の発明によれば、上記
狭帯域バンドパスフィルタは、概ね4.5μm付近を中
心波長とする狭帯域波長の光のみを選択透過させるよう
構成され、上記ロングパスフィルタは、概ね5.0μm
付近を超える所定の波長帯域の光を透過させるカットオ
ンフィルタにより構成され、上記透光性窓は、概ね7.
0μm付近以下の光を透過させるハイカット特性を有す
るフィルタ部材、例えば、サファイアガラスにより構成
されているので、人体や車両等の、特に低温放射線源に
基づく波長帯域の受光出力を良好に検出することがで
き、炎と他の赤外線放射線源との識別を簡易、安価、か
つ、良好に行うことができる。
【0101】請求項6記載の発明によれば、上記第2の
受光素子により設定される第2の検知エリアは、第1の
受光素子により設定される第1の検知エリアの比較的近
距離エリアに設定されているので、炎検出装置の比較的
近距離の位置を通過する人体や車両等の低温放射線源か
らの受光出力と、比較的遠方領域で発生する炎からの受
光出力を、明確に区別して検出することができ、低温放
射線源と炎との識別を良好に行うことができ、かつ、ノ
イズ要因を抑制することができる。
【0102】請求項7又は8記載の発明によれば、上記
第1及び第2の光学波長フィルタと、第1及び第2の受
光素子から構成される炎検出部を一対備え、該一対の炎
検知部により、該一対の炎検知部の設置位置を基準とす
る相異なる2方向、例えば、トンネルの長手方向の左右
2方向に対し、所定の検知エリアを設定して、炎を検出
するようにしているので、トンネル内等の特定の火災監
視区域内で発生する炎と、炎検出装置の比較的近距離の
位置を通過する人体や車両等の放射線源とを識別して、
良好な炎検出を行うことができるとともに、従来技術に
比較して装置規模を大型化することなく、簡易かつ安価
に炎検出装置を構成することができる。
【0103】請求項9記載の発明によれば、上記炎検出
装置は、第1の受光素子の出力から所定の周波数の信号
成分を選択抽出する第1の周波数抽出手段と、第2の受
光素子の出力から所定の周波数の信号成分を選択抽出す
る第2の周波数抽出手段とを備え、各々の周波数抽出手
段における信号成分の通過特性、すなわち、周波数通過
特性が相互に異なるように設定されているので、各波長
帯域における受光出力の信号バランスの差分を顕著化し
て、その信号バランスを比較することにより炎と炎以外
の放射線源とを判別することができる。
【0104】請求項10又は11記載の発明によれば、
上記第1及び第2の周波数抽出手段は、選択抽出した周
波数のうち、少なくとも、実質的な炎特有のちらつき周
波数帯域以外の周波数において、第2の周波数抽出手段
により抽出された信号成分の強度が、第1の周波数通過
手段により抽出された信号成分の強度よりも大きくなる
ように、信号通過特性が設定されているので、判定手段
により、例えば、炎特有のちらつき周波数を含む炎以外
の放射線源(回転灯等)からの受光出力の信号バランス
(各信号成分の強度の差)が、炎の場合に比較して顕著
になることに基づいて、炎と上記炎以外の放射線源との
識別を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炎検出装置の第1の実施形態を示
す概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る炎検出装置に適用される
センサモジュールと、該センサモジュールを収納した本
体カバーの構成例を示す概略構成図である。
【図3】第1の本実施形態に適用される第1及び第2光
学波長フィルタの各波長における透過率を示す図であ
る。
【図4】第1の実施形態に係る炎検出装置により設定さ
れる検知エリアの拡がりを説明する概略図である。
【図5】第1の実施形態に係る炎検出装置に適用される
炎判定処理部の処理動作の手順を示すフローチャートで
ある。
【図6】第1の実施形態に適用される炎判定処理におけ
る判定結果を示す相関表である。
【図7】本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を示
す概略構成図である。
【図8】第2の実施形態に係る炎検出装置のトンネル内
での設置形態と検知エリアの拡がりを示す概略図であ
る。
【図9】炎と回転灯との放射線スペクトルの関係を示す
特性図である。
【図10】 炎及び回転灯からの赤外線エネルギーに対
する時系列観測波形(赤外線エネルギーの時間変動)を
示す図である。
【図11】図10に示した時系列観測波形に基づいて周
波数解析を行った場合の周波数分布パターンを示す図で
ある。
【図12】本発明に係る炎検出装置の第3の実施形態を
示す概略構成図である。
【図13】本実施形態に適用される周波数フィルタの周
波数通過特性を示す特性図である。
【図14】本実施形態に係る周波数フィルタを適用した
場合の炎及び回転灯からの赤外線エネルギーに対する時
系列観測波形(赤外線エネルギーの時間変動)を示す図
である。
【図15】燃焼炎と、その他の代表的な放射体の放射線
スペクトルを示す概念図である。
【図16】検出性能試験時に試験ランプから投光される
試験光の放射スペクトル特性図である。
【符号の説明】
10a 第1の受光素子 10b 第2の受光素子 20a、20b、20c 前置フィルタ 30a、30b プリアンプ 40a、40b メインアンプ 50a、50b A/D変換器 60、60A 炎判定処理部 100a、100b センサモジュール 105a、105b 光学波長フィルタ 108 透光性窓 200 炎検出装置 208a、208b 試験ランプ PROA、PROB 周波数抽出処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08B 17/12 G08B 17/12 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有炎燃焼時に発生するCO共鳴により
    放射される第1の波長帯域の光を透過させる狭帯域バン
    ドパスフィルタにより構成される第1の光学波長フィル
    タと、 前記第1の光学波長フィルタを透過した光を受光して電
    気信号に変換して出力する第1の受光素子と、 前記第1の光学波長フィルタの透過波長帯域の長波長側
    に隣接した第2の波長帯域の光を透過する広帯域バンド
    パスフィルタにより構成される第2の光学波長フィルタ
    と、 前記第2の光学波長フィルタを透過した光を受光して電
    気信号に変換して出力する第2の受光素子と、 前記第1の受光素子及び第2の受光素子の出力に基づい
    て所定規模以上の炎の有無を判定する炎判定手段と、を
    備えたことを特徴とする炎検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の受光素子及び前記第2の受光
    素子を、焦電体で構成したことを特徴とする請求項1記
    載の炎検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の光学波長フィルタは、前記第
    1の受光素子を収納した第1のセンサモジュールの、前
    記第1の受光素子の前面に配置される狭帯域バンドパス
    フィルタと、前記第1のセンサモジュールを収納する本
    体カバーの、前記第1の受光素子の前面に設けられた窓
    用開口部に配置される前記センサモジュール保護用のハ
    イカット特性を有する透光性窓との透過率特性の組合せ
    により構成され、 前記第2の光学波長フィルタは、前記第2の受光素子を
    収納した第2のセンサモジュールの、前記第2の受光素
    子の前面に配置されるロングパスフィルタと、前記第2
    のセンサモジュールを収納する本体カバーの、前記第2
    の受光素子の前面に設けられた窓用開口部に配置される
    前記センサモジュール保護用のハイカット特性を有する
    透光性窓との透過率特性の組合せにより構成されること
    を特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  4. 【請求項4】 前記狭帯域バンドパスフィルタは、概ね
    4.5μm付近を中心波長とする狭帯域波長の光のみを
    選択透過させるよう構成され、 前記ロングパスフィルタは、概ね5.0μm付近を超え
    る所定の波長帯域の光を透過させるカットオンフィルタ
    により構成され、 前記透光性窓は、概ね7.0μm付近以下の光を透過さ
    せるハイカット特性を有するフィルタ部材により構成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の炎検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記透光性窓を構成するフィルタ部材
    は、サファイアガラスであることを特徴とする請求項4
    記載の炎検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の受光素子により設定される第
    2の検知エリアは、前記第1の受光素子により設定され
    る第1の検知エリアの比較的近距離エリアに設定されて
    いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の炎検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の光学波長フィルタと、前記第
    2の光学波長フィルタと、前記第1の受光素子と、前記
    第2の受光素子とから構成される炎検出部を一対備え、 該一対の炎検知部により、該一対の炎検知部の設置位置
    を基準とする相異なる2方向に対し、所定の検知エリア
    を設定して、特定の火災監視区域内で発生する炎を検出
    することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載
    の炎検出装置。
  8. 【請求項8】 前記一対の炎検知部は、トンネル内の所
    定の設置位置を基準として、前記トンネルの長手方向の
    左右2方向に対し、各々独立した3次元の検知エリアを
    設定して、前記トンネル内で発生する炎を検出すること
    を特徴とする請求項7記載の炎検出装置。
  9. 【請求項9】 前記炎検出装置は、 前記第1の受光素子の出力から所定の周波数の信号成分
    を選択抽出する第1の周波数抽出手段と、前記第2の受
    光素子の出力から所定の周波数の信号成分を選択抽出す
    る第2の周波数抽出手段とを備え、 前記第1及び第2の周波数抽出手段は、前記信号成分の
    通過特性が相互に異なるように設定されていることを特
    徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の炎検出装
    置。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の周波数抽出手段
    は、前記選択抽出した周波数のうち、少なくとも、実質
    的な炎特有のちらつき周波数帯域以外の周波数におい
    て、前記第2の周波数抽出手段により抽出された信号成
    分の強度が、前記第1の周波数通過手段により抽出され
    た信号成分の強度よりも大きくなるように、信号通過特
    性が設定されていることを特徴とする請求項9記載の炎
    検出装置。
  11. 【請求項11】 前記炎判定手段は、少なくとも、実質
    的な炎特有のちらつき周波数帯域以外の周波数におい
    て、前記第1及び第2の周波数抽出手段により抽出され
    た各信号成分の強度に基づいて、炎特有のちらつき周波
    数を含む炎以外の放射線源を判別することを特徴とする
    請求項9又は10記載の炎検出装置。
JP2000389821A 1999-12-28 2000-12-22 炎検出装置 Expired - Fee Related JP4404329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000389821A JP4404329B2 (ja) 1999-12-28 2000-12-22 炎検出装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-375743 1999-12-28
JP37574399 1999-12-28
JP2000389821A JP4404329B2 (ja) 1999-12-28 2000-12-22 炎検出装置

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008330010A Division JP4920671B2 (ja) 1999-12-28 2008-12-25 炎検出装置
JP2008330014A Division JP5013620B2 (ja) 1999-12-28 2008-12-25 炎検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001249047A true JP2001249047A (ja) 2001-09-14
JP4404329B2 JP4404329B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=26582735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000389821A Expired - Fee Related JP4404329B2 (ja) 1999-12-28 2000-12-22 炎検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4404329B2 (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001356047A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Hochiki Corp 炎検出装置およびその検知感度設定方法
JP2003227751A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd 炎感知器
JP2004133706A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Matsushita Electric Works Ltd 車上盗難警報装置
JP2005339284A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Hochiki Corp 火災検出器
JPWO2005069222A1 (ja) * 2004-01-15 2008-04-24 旭化成株式会社 情報認識装置、情報認識方法、情報認識プログラム及び警報システム
JP2008293238A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Nittan Co Ltd 炎感知器
JP2010175562A (ja) * 2010-04-28 2010-08-12 Hochiki Corp 炎検出装置およびその検知感度設定方法
KR101008897B1 (ko) 2005-10-10 2011-01-17 고견채 불꽃감지부 및 그를 이용한 불꽃감지시스템
CN103063295A (zh) * 2011-10-24 2013-04-24 阿尔卑斯电气株式会社 光源识别装置和光源识别方法
JP2014048161A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサモジュール
JP2016102651A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2016128796A (ja) * 2015-01-10 2016-07-14 ホーチキ株式会社 炎検出装置
WO2017104201A1 (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 株式会社フジクラ 光学素子および光学装置、光学素子および光学装置の検査装置、並びに光学素子および光学装置の検査方法
JP2018116538A (ja) * 2017-01-19 2018-07-26 日本ドライケミカル株式会社 火災検知器
CN108414092A (zh) * 2018-05-28 2018-08-17 芜湖纯元光电设备技术有限公司 一种红外光电火焰探测器
KR101953878B1 (ko) * 2017-11-21 2019-05-30 (주)도요테크놀러지 아날로그 및 디지털 센서 혼합형 적외선 불꽃감지기
JP2019174321A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2019220004A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2020129410A (ja) * 2018-12-10 2020-08-27 ホーチキ株式会社 炎検出装置
CN113340416A (zh) * 2020-02-18 2021-09-03 阿自倍尔株式会社 光检测系统、放电概率算出方法以及受光量测定方法
JP2022087327A (ja) * 2018-06-21 2022-06-09 ホーチキ株式会社 炎検出装置

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001356047A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Hochiki Corp 炎検出装置およびその検知感度設定方法
JP2003227751A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd 炎感知器
JP2004133706A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Matsushita Electric Works Ltd 車上盗難警報装置
JPWO2005069222A1 (ja) * 2004-01-15 2008-04-24 旭化成株式会社 情報認識装置、情報認識方法、情報認識プログラム及び警報システム
JP2005339284A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Hochiki Corp 火災検出器
KR101008897B1 (ko) 2005-10-10 2011-01-17 고견채 불꽃감지부 및 그를 이용한 불꽃감지시스템
JP2008293238A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Nittan Co Ltd 炎感知器
JP2010175562A (ja) * 2010-04-28 2010-08-12 Hochiki Corp 炎検出装置およびその検知感度設定方法
CN103063295A (zh) * 2011-10-24 2013-04-24 阿尔卑斯电气株式会社 光源识别装置和光源识别方法
JP2014048161A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサモジュール
JP2016102651A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2016128796A (ja) * 2015-01-10 2016-07-14 ホーチキ株式会社 炎検出装置
WO2017104201A1 (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 株式会社フジクラ 光学素子および光学装置、光学素子および光学装置の検査装置、並びに光学素子および光学装置の検査方法
JP2018116538A (ja) * 2017-01-19 2018-07-26 日本ドライケミカル株式会社 火災検知器
KR101953878B1 (ko) * 2017-11-21 2019-05-30 (주)도요테크놀러지 아날로그 및 디지털 센서 혼합형 적외선 불꽃감지기
JP2019174321A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP7184269B2 (ja) 2018-03-29 2022-12-06 ホーチキ株式会社 炎検出装置
CN108414092A (zh) * 2018-05-28 2018-08-17 芜湖纯元光电设备技术有限公司 一种红外光电火焰探测器
JP2019220004A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP7061517B2 (ja) 2018-06-21 2022-04-28 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2022087327A (ja) * 2018-06-21 2022-06-09 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP7277643B2 (ja) 2018-06-21 2023-05-19 ホーチキ株式会社 炎検出装置
JP2020129410A (ja) * 2018-12-10 2020-08-27 ホーチキ株式会社 炎検出装置
CN113340416A (zh) * 2020-02-18 2021-09-03 阿自倍尔株式会社 光检测系统、放电概率算出方法以及受光量测定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4404329B2 (ja) 2010-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001249047A (ja) 炎検出装置
US6967582B2 (en) Detector with ambient photon sensor and other sensors
EP2425411B1 (en) Beam detector to detect presence of particles in monitored space
US7474227B2 (en) Multiwavelength smoke detector using white light LED
EP2725565B1 (en) Light emitting unit and photoelectric smoke detector, and suction-type smoke detection system
US9459142B1 (en) Flame detectors and testing methods
JP5013620B2 (ja) 炎検出装置
US8154415B2 (en) Detector
CA2703457C (en) Device and method for detecting flames by means of detectors
JP3980816B2 (ja) 火災検知器
AU768582B2 (en) Flame detection device and flame detection method
JP5351073B2 (ja) 警報器
JP2002042263A (ja) 火災検知器
JP5848082B2 (ja) 炎感知器及び炎判定方法
JP3732075B2 (ja) 炎検出装置
WO2006049613A1 (en) Multiwavelength smoke detector using white light led
JP3150191U (ja) 警報器
JP7032982B2 (ja) 炎検出装置
JP7016765B2 (ja) 炎検出装置
JP4255420B2 (ja) 炎検知器
JP7011969B2 (ja) 炎検出装置
JP3963355B2 (ja) 炎検出装置
JP2003227751A (ja) 炎感知器
JP2002197580A (ja) 火災検知器及び火災検知器の汚損補償方法
JPH1061950A (ja) 火炎検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091030

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4404329

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees