JP7032982B2 - 炎検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、監視エリアの燃焼炎から放射される放射線エネルギーを検出して、燃焼炎の有無を判断する炎検出装置であって、
筐体の前面に並べて配置され、四角形状とした一対の透光性窓と、
筐体の前面に、一対の透光性窓に挟まれて筐体の前面から監視エリア側に張出し形成された中央凸部と、
各透光性窓に対応して筐体の前面内側に配置された一対の検出センサと、
各透光性窓に対応して中央凸部の各透光性窓側となる側面の各々に配置された一対の試験窓と、
各試験窓に対応して中央凸部の内部に配置され、対応した試験窓を介して当該試験窓に対応した透光性窓に試験光を照射する一対の試験光源と、
を備えたことを特徴とする。
一対の試験光源の各々からの試験光は、試験光源に対応しない試験窓からは照射されない。
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを、透光性窓を介して検出センサにより観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、透光性窓を四角形状としたため、四角形状とした透光性窓の外周縁で受光素子の視野範囲が規制されて矩形の検知エリアが形成され、円形の透光性窓の場合のように矩形の監視エリアに対する不感帯の発生が抑制され、矩形エリアを相対的に拡大することができる。
S1=πr2
S2=4r2
S3=2πr2
となり、矩形エリアに不感帯を発生しないための円形の透光性窓は2倍(S3/S1=2)にサイズを大きくする必要があるが、四角形状とした透光性窓の場合は約1.27倍(S2/S1=1.2738・・・)のサイズアップで済む。
また、四角形状とした透光性窓は、筐体の前面に張出し形成された中央凸部の両側に配置されており、中央凸部の両側壁面に、四角形状とした透光性窓に対応して一対の試験窓が配置され、各透光性窓に対応して検出センサが設けられ、中央凸部の内部に、一対の試験窓を介して各透光性窓に試験光を照射する一対の試験光源が設けられたため、実質的に2つの受光素子と透光性窓とで形成される2つの矩形エリアにより、長方形状に広い矩形エリアを得ることができる。
(装置概要)
図1は炎検出装置に組み込まれる炎検出部の実施形態を示したブロック図であり、2波長式の炎検出装置を例にとっている。本実施形態の炎検出装置は、監視領域の炎の有無を検出する火災検出装置であるものとする。図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10の検出部は、炎検出部11-1と、同じ構成の別の炎検出部11-2(図示省略)の2組が組み込まれている。
炎検出部11-1の透光性窓18-1に対しては試験光源として機能する試験光源60-1が設けられる。試験光源60-1は後の説明で明らかにする炎検出装置10の筐体(ケース本体)50の前面の中央凸部54に配置され、自己試験の一項目である汚れ試験の際、試験光源60-1の駆動による炎模擬光となる試験光を透光性の試験窓56-1から出力し、この試験光を透光性窓18-1内に配置された炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cに受光させる。
図2は炎検出装置の外観を示した説明図、図3は図2の炎検出装置を正面から示した説明図、図4は図2の炎検出装置を下側から見て中央凸部の試験光源及び試験窓と透光性窓内側の検出ユニットを一部断面で示した説明図である。
図1に示した炎検出ユニット12a,12bにおいて、炎検出センサ16a,16bは燃焼炎からCO2共鳴に伴って放射される、概ね4.5μmを中心波長とする赤外線波長帯域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して受光信号として出力し、前置フィルタ24a,24bは炎検出センサ16a,16bから出力される受光信号から、炎の揺らぎ周波数に対応した所定の周波数帯域の信号成分のみを選択通過させ、プリアンプ26a,26bは前置フィルタ24a,24bを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28a,28bでさらに増幅して炎受光信号E1,E2を出力する。そして、終段アンプ30a,30bはこれを炎判断処理に適した信号レベルに増幅して炎受光信号E1’,E2‘を出力する。
図6は炎検出センサの概略構成を示した説明図、図7は図6の炎検出センサの等価回路を示した回路図である。
四角形状とした透光性窓18は、図2乃至図4に示したように、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cが収納された図6のセンサユニットの監視エリア側に相当する上面側であって、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cの前面側に設けた、センサ収納部52の所定の開口部に配置され、上述のように、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cは、受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、所定の拡がり角度を有する有効視野範囲72a,72bの検知エリアが設定される。
図1の炎検出ユニット12a,12bの前置フィルタ24a,24bは、周波数選択部として機能し、炎検出センサ16a,16bの受光素子部22a,22bから出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26a,26bに特定の周波数帯域の信号成分からなる受光信号を出力する。
プリアンプ26a,26bは、前置フィルタ24a,24bを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a,28bは、プリアンプ26a,26bからの各受光信号を増幅し、炎受光信号E1,E2として出力する。終段アンプ30a,30bは、炎受光信号E1,E2を最終的に炎判断処理に適した信号レベルに調整増幅し、炎受光信号E1’,E2’としてMPU15のA/D変換ポート35a,35bへ出力する。
A/D変換ポート35a、35b,35cはMPU15の入力ポートとして設けたA/D変換器であり、炎受光信号E1’,E2’及び加算した炎受光信号E3を判断部15のデジタル処理に適したデジタル受信信号に変換して読み込む。
非炎検出ユニット12cは、炎検出センサ16a,16bとは異なる所定の波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する非炎検出センサ16cを備える。即ち、炎検出ユニット12a,12bは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする波長帯の赤外線エネルギーを電気信号に変換した炎受光信号E1,E2を出力するのに対し、非炎検出ユニット12cは、概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換した非炎受光信号E4を出力する。
非炎検出センサ16cは、概ね5.0μmを超える所定の波長帯域の赤外線を良好に透過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィルタである光学波長フィルタ20cと、光学波長フィルタ20cを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する図7と同様の等価回路でなる受光素子部22cを備え、図6に示したと同様な構造により、パッケージ化された構成とする。
図8は、図1の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
図9は燃焼炎から放射される赤外線を観測した場合に図1の炎検出部から得られる炎受光信号を示した信号波形図であり、図9(A)は終段アンプ30aからの、炎受光信号E1'の信号波形を示し、図9(B)は終段アンプ30bからの、炎受光信号E2'の信号波形を示す。図9(A)と(B)は、同じ構成の炎受光ユニット12a,12b経由で同時に得られたもので、相似性を有する。また、終段アンプ30aと30bの増幅率が同じであれば、ほぼ同じ波形となる。
図11は従来の円形透光性窓と本実施形態の四角形状の透光性窓の検知エリアを対比して示した説明図であり、図11(A)は従来の円形透光性窓の場合を示し、図11(B)は本実施形態の四角形状の透光性窓の場合(理想状態)を示す。
図11(A)示した従来の炎検出装置100の円形の透光性窓102の場合にあっては、検知エリア106内に確保できる最大の矩形エリアは矩形エリア108である。矩形の監視エリアの最大も矩形エリア108と同じになる。また、不感帯109が発生している。
S1=πr2
であり、また、本実施形態による四角形状とした透光性窓18の場合、従来の円形に外接するサイズとしたとき、面積S2は、
S2=4r2
であり、更に、図11(A)の不感帯104を無くすためにサイズアップした円形の透光性窓102aの面積S3は、
S3=2πr2
となる。
S3/S1=2πr2/πr2=2倍
とする必要があるが、四角形状とした本実施形態の透光性窓18とするためには、円形の透光性窓102の面積を
S2/S1=4r2/πr2=4/π=1.274倍程度
とすれば良い。このため、炎検出装置の大型化を抑制することができる。
図2及び図3に示したように、四角形状とした透光性窓18-1,18-2は、センサ収納部52の前面に張出し形成された中央凸部54の両側に配置されており、中央凸部54の両側壁面に、四角形状とした透光性窓18-1,18-2に対応して試験窓56-1,56-2が配置され、中央凸部54の内部に、試験窓56-1,56-2を介して四角形状とした透光性窓18-1,18-2に試験光を照射する試験光源60-1,60-2が設けられている。
試験制御部38は、火災受信盤から試験信号を受信した場合に動作し、試験光源60-1,60-2を、順次、所定周期で発光駆動し、透光性窓18-1,18-2を介して炎検出部11-1,11-2に試験光を出力して汚れ試験を行う。
(受光信号の平均)
上記の実施形態は、炎検出ユニット12a,12bからの炎受光信号E1,E2を加算アンプ32で加算した炎受光信号E3を用いて判断部36により炎の有無の判断を行っているが、これに限定されず、例えば、炎検出ユニット12a,12bからの炎受光信号E1,E2の平均を求め、平均受光信号を取り込んで判断部36により炎の有無の判断を行うようにしても良い。
また、上記の実施形態は、2波長方式の炎検出装置として、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の赤外線を観測して炎の有無を判断しているが、4.5μm付近の波長帯域と、2.3μm付近の波長帯域における各々の赤外線を観測して炎の有無を判断するようにしても良い。
また、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm帯の短波長側の、例えば、2.3μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを、5.0μm付近の波長帯域における赤外線を検出する2波長式と同様の手法で検出し、これらの3波長帯域における受光信号の相対比が炎からの放射の特徴に従うことを炎有りの判断要素とする3波長式の炎検出装置としても良い。
また上記の実施形態の試験制御部38は、炎検出センサ16a,16bの感度試験を行う。試験制御部38の感度試験は、火災受信盤から定期的に送信される試験信号を受信した場合に、試験光を炎検出センサ16a,16bに入射して、この時の受光レベルに基づいて受光感度を検出し、受光感度が所定の閾値感度に低下するまでは、検出感度の逆数となる補正値で受光値を補正し、検出感度が所定の感度閾値に低下して補正が不可能となった場合には、炎検出センサ16a,16bの故障信号を防災受信盤に送信してセンサ故障警報を出力させる制御を行う。この感度試験は、非炎検出センサ16cについても同様に行う。
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
11-1,11-2:炎検出部
12a,12b:炎検出ユニット
12c:非炎検出ユニット
15:MPU
16a,16b:炎検出センサ
16c:非炎検出センサ
18-1,18-2:透光性窓
20a,20b,20c:光学波長フィルタ
22a,22b,22c:受光素子部
24a,24b,24c:前置フィルタ
25:受光電極
26a,26b,26c:プリアンプ
27:FET
28a,28b,28c:メインアンプ
30a,30b,30c:終段アンプ
32:加算アンプ
35a,35b,35c,35d:A/D変換ポート
36:判断部
38:試験制御部
45:焦電体
50:筐体
52:センサ収納部
54:中央凸部
56-1,56-2:試験窓
60-1,60-2:試験光源
74-1,74-2:反射フード
Claims (2)
- 監視エリアの燃焼炎から放射される放射線エネルギーを検出して、燃焼炎の有無を判断する炎検出装置であって、
筐体の前面に並べて配置され、四角形状とした一対の透光性窓と、
前記筐体の前面に、前記一対の透光性窓に挟まれて前記筐体の前面から前記監視エリア側に張出し形成された中央凸部と、
前記各透光性窓に対応して前記筐体の前面内側に配置された一対の検出センサと、
前記各透光性窓に対応して前記中央凸部の各透光性窓側となる側面の各々に配置された一対の試験窓と、
前記各試験窓に対応して前記中央凸部の内部に配置され、対応した試験窓を介して当該試験窓に対応した透光性窓に試験光を照射する一対の試験光源と、
を備えたことを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1記載の炎検出装置であって、
前記一対の試験光源の各々からの試験光は、前記試験光源に対応しない試験窓からは照射されないことを特徴とする炎検出装置。
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