JP7057228B2 - 炎検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有炎燃焼時のCO2共鳴により発生する赤外線放射を検出して、炎の有無を判定する炎検出装置に関する。
従来、有炎燃焼により発生する放射線エネルギーを検出して、炎の有無を検出する炎検出装置にあっては、有炎燃焼時に発生する放射線のうち、CO2の共鳴放射波長帯域における赤外線強度を検出して、炎の有無を検出する炎検出装置や炎検出方法がよく知られている。
ここで、従来技術における炎検出装置について、簡単に説明する。図14は、燃焼炎と、その他の代表的な放射体の赤外波長域における赤外線スペクトルを示す概念図であり、横軸は赤外線の波長、縦軸は赤外線の相対強度を示す。
図14に示すように、燃焼炎のスペクトル特性100においては、4.5μm付近の波長帯域に、CO2の共鳴放射に伴う赤外線相対強度のピークがある。
なお、以下では、特に断らない限り、CO2共鳴放射帯とは、4.5μm帯を指すものとする。また、赤外線エネルギーを検出する検出センサとしては例えば焦電センサが利用されている。
このように、従来の炎検出装置は、燃焼炎のCO2共鳴に伴って放射される4.5μm帯の赤外線を焦電体等のセンサで電気信号に変換し、この電気信号から炎特有のちらつき周波数成分を抽出して炎の有無を判定するようにしている。
また、従来の2波長式の炎検出装置にあっては例えば、4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを狭帯域の光学波長バンドパスフィルタにより選択透過(通過)させて、各々について検出センサにより該放射線エネルギーを検出し、これを光電変換したうえで増幅等所定の処理を施してエネルギー量に対応する電気信号(以下、「受光信号」という)とし、上記各々の波長帯域の受光信号レベルの相対比をとり、所定の閾値と比較することにより炎の有無を判定する。
このような炎検出装置を高天井のアトリウム等の天井面や壁面に設置して火災による炎を監視する。
また、炎検出装置は透光性窓を介して有炎燃焼により発生する赤外線エネルギーを検出して炎の有無を監視しており、炎の監視機能を維持するために、透光性窓の汚れを監視するための自己試験として、汚れ試験を行っている。
汚れ試験は、火災受信盤から定期的に送信される試験信号を受信した場合に、炎検出装置の外側に設けられた試験ランプから炎模擬光となる試験光を透光性窓に入射し、検出センサで受光して、このときの受光信号を汚れていない初期状態と比較演算して減光率を求め、減光率が所定の汚れ閾値を超えた場合に汚れ警報信号を火災受信盤に送信して汚れ警報を出力させている。
このような汚れ試験に使用する試験ランプは、基板に配置されたランプホルダに取付けられ、基板の筐体に対する取付け固定により、透光性窓の内側に配置された検出センサに試験光が照射されるように、試験窓の内側の所定位置に位置決めされた状態で取付けられている。
このようなランプホルダを使用することで、試験ランプを安定的に保持し、また組立や部品交換等を容易にしている。また従来、ランプホルダは回路基板上に固定され、この回路基板が筐体に取り付けられることで筐体内の所定位置に試験ランプが配置される。
特開昭55-088125号公報 特許第4014188号公報 特許第4404329号公報 特許第3357330号公報 特開2002-42263号公報
しかしながら、このような従来の炎検出装置にあっては、筐体に対する基板の取付け固定により試験窓に対する試験ランプの取付位置が決められており、ランプホルダに試験ランプを取付ける際の寸法誤差に、基板を筐体に取り付ける際の寸法誤差が加わり、試験ランプの取付位置とセンサ位置の相対的なずれが大きくなる傾向があった。
試験ランプとセンサ位置の相対的なずれが大きくなるが大きくなると、試験ランプからセンサに照射されて検出される光量のばらつきが大きくなる。このため、試験窓から照射した試験光が透光性窓の内側に配置された受光素子に十分に届かずに受光量が不足するといった問題が生じる恐れがある。
本発明は、試験窓に対する試験ランプとセンサ位置の相対的なずれ寸法のばらつきを低減して、透光性窓に対する試験光の照射を確実に行うことを可能とする炎検出装置を提供することを目的とする。
(炎検出装置)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを、透光性窓を介して検出センサにより観測して燃焼炎の有無を判断し検出する2組の炎検出部が設けられた炎検出装置であって、
筐体の前面に配置された前記透光性窓の間に、内部を収納部として筐体の前面から張出し形成された凸部と、
凸部の両側壁面に配置された一対の試験窓と、
一対の試験窓を介して透光性窓に試験光を照射する一対の試験ランプと、
一対の試験ランプを一対の試験窓の間に配置した凸部の収納部に組込んで筐体側に固定するランプホルダと、
が設けられたことを特徴とする。
(対称構造の分割ランプホルダ)
ランプホルダは、組み合わせ状態で収納部に収納可能な対称構造の分割ランプホルダであり、
分割ランプホルダを組み合わせた状態で収納部に収納して筐体側に個別に固定する。
(分割ランプホルダの突合せ構造)
分割ランプホルダは、突合せ構造を備える。
(矩形面又はテーパ面の段付き突合せ構造)
分割ランプホルダの突合せ構造を、矩形面又はテーパ面の段付き突合せ構造とする。
(一体型ランプホルダ)
ランプホルダは、少なくとも一対の試験ランプを組込み固定する一対のランプ固定部を一体に形成し、当該一体に形成したランプ固定部を直接前記筐体側に固定する。
(基本的な効果)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを、透光性窓を介して検出センサにより観測して燃焼炎の有無を判断し検出する2組の炎検出部が設けられた炎検出装置であって、筐体の前面に配置された前記透光性窓の間に、内部を収納部として筐体の前面から張出し形成された凸部と、凸部の両側壁面に配置された一対の試験窓と、一対の試験窓を介して透光性窓に試験光を照射する一対の試験ランプと、一対の試験ランプを一対の試験窓の間に配置した凸部の収納部に組込んで筐体側に固定するランプホルダとが設けられたため、試験ランプを装着したランプホルダは筐体側に直接固定されており、従来のようにランプホルダを取り付けた基板を筐体に取り付ける際の取付寸法誤差が発生せず、試験窓や検出センサに対する試験ランプの取付位置の誤差を低減し、試験窓から照射した試験光が透光性窓の内側に配置された検出センサに十分且つ確実に届くことで、運用中に透光性窓の汚れ度合を監視する汚れ試験を確実に行うことを可能とする。
(対称構造の分割ランプホルダによる効果)
また、ランプホルダは、組み合わせ状態で収納部に収納可能な対称構造の分割ランプホルダであり、分割ランプホルダを組み合わせた状態で収納部に収納して筐体側に個別に固定するようにしたため、一対の分割ランプホルダは同一形状であることから、2組の炎検出ユニットに対応して同じ分割ランプホルダを準備して向い合せるように組み合わせればよく、分割ランプホルダは1種類の形状を準備すれば済む。このため製造が容易でコストも低減できる。
(分割ランプホルダの突合せ構造による効果)
また、分割ランプホルダは、突合せ構造を備え、これを矩形面又はテーパ面の段付き突合せ構造としたため、対称構造の分割ランプホルダを組み合わせて筐体側、すなわち凸部の収納部に組付け固定する場合に、分割ランプホルダ同士の位置合わせが突合せ構造により確実に行われ、筐体側に分割ランプホルダを取付ける際の位置決め精度を高めることができ、相互の配置寸法誤差、即ち相対的な配置ずれを小さくすることができる。
(一体型ランプホルダの効果)
また、ランプホルダは、少なくとも一対の試験ランプを組込み固定する一対のランプ固定部を一体に形成し、当該一体に形成したランプ固定部を直接前記筐体側に固定するようにしたため、筐体側への組付け寸法誤差がランプ固定部ごとに生ずることを防止するので、試験ランプの検出センサに対する位置決め精度を高めることができ、あわせて組立性も向上する。
炎検出装置に組み込まれる炎検出部の実施形態を示したブロック図 炎検出装置の外観を示した説明図 図2の炎検出装置を正面から示した説明図 図2の炎検出装置を下側から見て中央凸部に配置された試験ランプ及び試 験窓と透光性窓の内側に配置された炎検出部を一部断面で示した説明図 図1の炎検出装置に組み込まれる検出ユニットを組立分解状態で示した説明図 炎検出センサの構造を示した説明図 図6の炎受光センサの等価回路を示した回路図 図1の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における赤外線透過率を示した特性図 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の炎検出部から出力される炎受光信号を示した信号波形図 燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測した場合に得られる加算した炎受光信号の周波数分布を示した説明図 透光性窓の汚れ試験に用いるランプユニットのセンサ収納部に対する組立分解状態を示した説明図 図11のランプホルダを取出して示した説明図 図12の分割ランプホルダを取出して示した説明図 燃焼炎の放射線スペクトルを示した特性図 一体型ランプホルダ及び検出ユニットを直接に筐体側に固定した炎検出 装置を一部断面で示した説明図 図15の一体型ランプホルダを取出して示した説明図
[炎検出装置]
(装置概要)
図1は炎検出装置に組み込まれる炎検出部の実施形態を示したブロック図であり、2波長式の炎検出装置を例にとっている。本実施形態の炎検出装置は、監視領域の炎の有無を検出する火災検出装置であるものとする。図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10の検出部は、炎検出部11-1と、同じ構成の別の炎検出部11-2(図示省略)の2組が組み込まれている。
炎検出部11-1は、炎検出ユニット12a,12b、非炎検出ユニット12c、MPU(マイクロプロセッサユニット)15に設けられた判断部36と試験制御部38で構成される。
炎検出ユニット12a,12bは、監視エリアに存在する燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測するものであり、燃焼炎からCO2共鳴に伴って放射される4.5μmを中心とする所定の波長帯域の赤外線を受光して光電変換し、炎受光信号E1,E2を出力する。
炎検出ユニット12a,12bには、サファイアガラス等を用いた赤外線の透光性窓18、炎検出センサ16a,16b、前置フィルタ24a,24b、プリアンプ26a,26b、メインアンプ28a,28bが設けられ、メインアンプ28a,28bから出力された炎受光信号E1,E2は終段アンプ30a,30bで更に増幅されて炎受光信号E1’,E2’となり、MPU15のA/D変換ポート35a,35bでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。
また、炎検出ユニット12a,12bからの炎受光信号E1,E2は加算アンプ32で加算されて炎受光信号E3としてMPU15に出力され、MPU15のA/D変換ポート35cでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。
以下では、A/D変換前後で同じ記号を使用して説明する。後述する受光信号E4’についても同様である。
非炎検出ユニット12cは、監視エリアに存在する燃焼炎以外の発熱体等から放射される赤外線エネルギーを観測するものであり、概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線を受光して電気信号に変換した非炎受光信号E4を出力する。
非炎検出ユニット12cには、炎検出ユニット12a,12bと共用する赤外線の透光性窓18-1、非炎検出センサ16c、前置フィルタ24c、プリアンプ26c、メインアンプ28cが設けられ、メインアンプ28cから出力された炎受光信号E4は終段アンプ30cで更に増幅されて炎受光信号E4’となり、MPU15のA/D変換ポート35dでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。
判断部36は、炎受光信号E1、E2を加算した受光信号E3の信号レベル、例えば受光信号E3の所定期間の積分値ΣE3が所定閾値以上又は所定閾値を上回った場合に、炎受光信号E3と非炎受光信号E4’の、同じ期間の積分値の比ΣE3/Σ4’を算出し、これが別の閾値以上又はそれを超えた場合に炎有りと判断する。
(汚れ試験の概要)
炎検出部11-1の透光性窓18-1に対しては試験光源として機能する試験光源60-1が設けられる。試験光源60-1は後の説明で明らかにする炎検出装置10の筐体(ケース本体)50の前面の中央凸部54に配置され、自己試験の一項目である汚れ試験の際、試験光源60-1の駆動による炎模擬光となる試験光を透光性の試験窓56-1から出力し、この試験光を透光性窓18-1内に配置された炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cに受光させる。
中央凸部54には別の炎検出部11-2の透光性窓18-2の汚れ試験に用いる試験光源60-2と試験窓56-2も同様に配置されている。
試験光源60-1,60-2には例えばクリプトンランプが使用される。また、試験光源60-1には試験光を試験窓56-1側、すなわち各検出センサに向けて反射する反射板として機能する反射フード74-1が設けられる。一方で、反射フード74-1は試験光源60-1の試験光を試験窓56-1からのみ出力させ、試験窓56-2側には透過しないようになっている。また、試験光源60-2にも同様に反射フード74-2が設けられ、試験光を試験窓56-2からのみ出力させる。
図1の例では、反射フード74-1と74-1は一体で、遮光性を有する板状部材の両面に反射コーティングを施している。
透光性窓18-1の汚れ試験は、炎検出ユニット12a,12bからの受光信号E1,E2を加算した炎受光信号E3に基づいて行われる。MPU15に設けられた試験制御部38は、図示しない火災受信盤から定期的に送信された試験信号を受信すると、試験光源60-1,60-2を順次駆動して試験光を出力させ、このとき加算器32から出力される炎受光信号E3を読み込んで初期状態(汚れのない状態)との比較演算により減光率を算出し、算出した減光率が所定の閾値以上又は所定の閾値を超えた場合に汚れ警報信号を火災受信盤に送信して汚れ警報を出力させ、管理者に炎検出装置10の清掃計画等の策定を促す。
(装置外観とセンサユニット)
図2は炎検出装置の外観を示した説明図、図3は図2の炎検出装置を正面から示した説明図、図4は図2の炎検出装置を下側から見て中央凸部の試験光源及び試験窓と透光性窓内側の検出ユニットを一部断面で示した説明図である。
図2乃至図4に示すように、炎検出装置10は、筐体50の前面に配置された前面カバーのセンサ収納部52に、図1の炎検出部11-1を含む2組の炎検出ユニットに対応して、赤外線の透光性窓18-1,18-2が設けられる。
なお、以下の説明で透光性窓18-1,18-2を区別する必要がない場合は、透光性窓18ということがある。同様に、試験窓56-1,56-2についても試験窓56ということがある。
透光性窓18-1,18-2内の各々には、図1に示した炎検出部11-1、及び他の炎検出部11-2における炎検出ユニット12a,12bの炎検出センサ16a,16b及び非炎検出ユニット12cの非炎検出センサ16cが配置されている。
また、センサ収納部52に設けられた透光性窓18-1,18-2の間には、中央凸部54が張出し形成される。中央凸部54には分割ランプホルダ72-1,72-2に取り付けられた試験光源60-1,60-2が内蔵され、分割ランプホルダ―72-1,72-2はねじ82により筐体側に直接位置決め固定され、更に、中央凸部54の左右の側壁には試験窓56-1,56-2が配置される。
試験光源60-1は試験光を試験窓56-1から透光性窓18-1に向けて出力する。また、試験光源60-2は試験光を試験窓56-2から透光性窓18-2に向けて出力する。
図2及び図3に示した一対の透光性窓18の内部には図5に示すように検出ユニットが組み込まれている。検出ユニット61はユニット本体62とユニットカバー64で構成され、内部にセンサ基板48をビス68により固定して収納している。ユニット本体62は、例えばアルミダイカスト等の成形品を使用している。
センサ基板48には炎検出センサ16a,16bが隣接配置されている。ユニットカバー56の、炎検出センサ16a,16bに対向する位置には受光開口66a,66bが形成され、監視エリア側から透光性窓18を通った光を炎検出センサ16a,16bで受光できるようにしている。
また、センサ基板48には非炎検出センサ16cが配置され、ユニットカバー64の、非炎検出センサ16cに対向する位置には受光開口66cが形成され、監視エリア側から透光性窓18を通った光を非炎検出センサ16cで受光できるようにしている。
図示を省略しているが、透光性窓18-1,18-2に対応する一対のセンサユニットのユニット本体62は、センサ収納部52に内側からビス止め固定される。
また、検出ユニット61は本体基板65に配置されて位置決めされており、検出ユニット61からの信号線、試験光源60-1,60-2の制御線は、MPU15を実装した本体基板65に接続される。
なお、従来は例えばこの別の回路基板上にセンサユニット及びランプホルダを取り付け、この基板を筐体側に取り付けていた。
(炎検出ユニット12a,12bの構成)
図1に示した炎検出ユニット12a,12bにおいて、炎検出センサ16a,16bは燃焼炎からCO2共鳴に伴って放射される、概ね4.5μmを中心波長とする赤外線波長帯域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して受光信号として出力し、前置フィルタ24a,24bは炎検出センサ16a,16bから出力される受光信号から、炎の揺らぎ周波数に対応した所定の周波数帯域の信号成分のみを選択通過させ、プリアンプ26a,26bは前置フィルタ24a,24bを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28a,28bでさらに増幅して炎受光信号E1,E2を出力する。そして、終段アンプ30a,30bはこれを炎判断処理に適した信号レベルに増幅して炎受光信号E1’,E2’を出力する。
ここで、炎検出センサ16a,16bは、光学波長フィルタ20a,20b、及び受光素子部22a,22bを備えている。
炎検出ユニット12a,12bから終段アンプ30a,30bを介して出力された炎受光信号E1’,E’2は、MPU15に設けたA/D変換ポート35a,35bによりデジタル受光信号E1’,E2’に変換して読み込まれる。
また、炎検出ユニット12a,12bから出力された炎受光信号E1及びE2は加算アンプ32で加算され、加算アンプ32からの炎受光信号E3はMPU15に設けたA/D変換ポート35cによりデジタル受光信号E3に変換して読み込まれ、判断部36で炎受光信号E3に基づく炎の有無の判断が実行される。以下、各構成について具体的に説明する。
なお、本実施形態においては受光信号E1’,E2’を炎の有無判断に使用していないが、これを適宜使用して判断するようにしても良い。
(炎検出センサ16a,16b)
図6は炎検出センサの概略構成を示した説明図、図7は図6の炎検出センサの等価回路を示した回路図である。
図6に示すように、炎検出センサ16aは、基板40の表面に支持配置された焦電体45を備え、これに受光電極25を設け、基板40の裏面側に配置されたFET27、高抵抗(図示省略)を備えてなる受光素子部22aと、基板40を基部38上に支持しつつ基部38を貫通して設けられた端子42と、受光素子部22aの前方(図示上方)に光学波長フィルタ20aを備えたカバー部材44とからなるパッケージ構成を有している。
また、受光素子部22aの等価回路は、図7に示すように、FET27のゲートから例えば焦電体45と高抵抗29の並列回路を介してゲート端子Gに接続し、またFET27のドレインとソースをそれぞれドレイン端子Dとソース端子Sに接続している。
ここで、光学波長フィルタ20aは、4.5μmを中心とする所定の波長帯域を選択透過させるもので、例えば、シリコン、サファイア等の基板上に、公知の方法でそれぞれ形成することができる。
また、炎検出ユニット12bの炎検出センサ16bも、炎検出センサ16aと同じ構造となる。
更に、非炎検出ユニット12cの非炎検出センサ16cも、炎検出センサ16aと同じ構造となるが、光学波長フィルタ22cとして、概ね5.0μmを超える所定の波長帯域の赤外線を良好に透過するカットオンフィルタ(ロングパスフィルタ)を使用した点で相違する。
(透光性窓18)
透光性窓18-1は、図2及び図3に示したように、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cが収納された図6のセンサユニットの監視エリア側に相当する上面側であって、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cの前面側に設けた、センサ収納部52の所定の開口部に配置され、上述のように、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。
このため炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cは、受光限界視野が透光性窓18-1の縁辺部で規制されることにより、所定の拡がり角度を有する視野範囲の検知エリアが設定される。
ここで、透光性窓18-1を構成するサファイアガラスは、概ね7.0μm付近以下の波長帯域の赤外線を良好に透過するショートウェーブパス特性、換言すれば、概ね7.0μm付近より長波長の赤外線を遮断するロングウェーブカット特性を有するフィルタ部材として機能する。また、本実施形態にあっては、透光性窓18-1は、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cで共用する。
(前置フィルタ24a,24b,24c)
図1の炎検出ユニット12a,12bの前置フィルタ24a,24bは、周波数選択部として機能し、炎検出センサ16a,16bの受光素子部22a,22bから出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26a,26bに特定の周波数帯域の信号成分からなる受光信号を出力する。
同様に、前置フィルタ24cは、非炎検出センサ16cの受光部22cから出力された受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26cに特定の周波数帯域の信号成分からなる受光信号を出力する。
このような周波数選択フィルタは、前置フィルタとしてだけでなくプリアンプから終段アンプまで適宜に配置され、周波数選択(抽出)しつつ信号増幅されるようになっている。
(プリアンプ26a,26b,26cとメインアンプ28a,28b,28c)
プリアンプ26a,26bは、前置フィルタ24a,24bを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a,28bは、プリアンプ26a,26bからの各受光信号を増幅し、炎受光信号E1,E2として出力する。終段アンプ30a,30bは、受光信号E1,E2を最終的に炎判断処理に適した信号レベルに調整増幅し、E1',E2'としてMPU15のA/D変換ポート35a,35bへ出力する。
同様に、プリアンプ26cは、前置フィルタ24cを介して出力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28c、終段アンプ30cは、プリアンプ26cからの受光信号を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅し、炎受光信号E4、炎受光信号E4’として出力する。
(A/D変換ポート35a,35b,35c)
A/D変換ポート35a、35b,35cはMPU15の入力ポートとして設けたA/D変換器であり、炎受光信号E1’,E2'及び加算した炎受光信号E3を判断部15のデジタル処理に適したデジタル信号に変換して読み込む。
(非炎検出ユニット12c)
非炎検出ユニット12cは、炎検出センサ16a,16bとは異なる所定の波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する非炎検出センサ16cを備える。即ち、炎検出ユニット12a,12bは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする波長帯の赤外線エネルギーを電気信号に変換した炎受光信号E1,E2を出力するのに対し、非炎検出ユニット12cは、概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換した非炎受光信号E4を出力する。
また、非炎検出ユニット12cは、非炎検出センサ16cに続いて、非炎検出センサ16cから出力される受光信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ24cと、前置フィルタ24cを通過した信号成分を初段増幅するプリアンプ26cと、プリアンプ26cからの出力を増幅するメインアンプ28cとで構成される。
非炎検出ユニット12cのメインアンプ28cから出力された非炎受光信号E4は、終段アンプ30cによりさらに調整増幅されて非炎受光信号E4’となり、MPU15のA/D変換ポート35dによりデジタル受光信号E4’に変換して読み込まれ、判断部36で炎の判断処理に用いられる。
(非炎検出センサ16cの構成)
非炎検出センサ16cは、概ね5.0μmを超える所定の波長帯域の赤外線を良好に透過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィルタである光学波長フィルタ20cと、光学波長フィルタ20cを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する図7と同様の等価回路でなる受光素子部22cを備え、図6に示したと同様な構造により、パッケージ化された構成とする。
(非炎検出センサ16cの波長透過特性)
図8は、図1の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
図8に示すように、図1の透光性窓18-1であるサファイアガラスにより、概ね7.0μm付近以下の赤外線が良好に透過するショートウェーブパス特性(又は、ロングウェーブカット特性)を有する透過率特性90が得られる。
また、光学波長フィルタ20a,20bを構成する、概ね4.5μm付近を中心波長とするバンドパスフィルタにより、当該中心波長近傍の波長帯域の赤外線エネルギーを選択透過する透過率特性92が得られる。これらの組合せにより、概ね4.5μm付近を中心波長とする合成透過特性94をもつバンドパスフィルタが構成される。
一方、光学波長フィルタ20cを構成するロングパスフィルタにより、概ね5.0μm付近を超える所定の波長帯域の赤外線を選択透過するカットオンフィルタ特性を有する透過率特性96が得られる。これとサファイアガラスの透過特性90との組合せにより、概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線を選択透過する合成特性98をもつ広帯域バンドパスフィルタが構成される。
(判断部36)
図9は燃焼炎から放射される赤外線を観測した場合に図1の炎検出部から出力される炎受光信号を示した信号波形図であり、図9(A)はA/D変換ポート35aからの、受光信号E1'の信号波形を示し、図9(B)はA/D変換ポート35bからの、受光信号E2'の信号波形を示す。図9(A)と(B)は、同じ構成の炎受光ユニット12a,12b経由で同時に得られたもので、相似性を有する。また、終段アンプ30aと30bの増幅率が同じであれば、ほぼ同じ波形となる。
炎受光信号E3は、図9(A)と図9(B)を、加算アンプ32の増幅率を加味して合成した波形となる。
なお、本実施形態にあっては、A/D変換は64Hzで受光信号をサンプリングして行うものとし、すなわち各信号につき1秒間に64点のデジタルデータが得られるものとする。
判断部36は、図9に示す炎受光信号について、T=2秒(128データ)単位で基準電位からの差分の絶対値の和となる炎積分値ΣE3を求め、炎積分値ΣE3が所定の閾値以上又はこれを上回った場合に、次に説明する相対比判断へ進む。
判断部36は、炎積分値ΣE3が所定の閾値以上又はこれを上回った場合、この時と同じ2秒間について、炎積分値ΣE3を求めたと同様にして非炎積分値ΣE4’を求める。
次いで、判断部36は、炎積分値ΣE3と、非炎積分値ΣE4’との相対比(ΣE3/ΣE4’)を算出し、相対比(ΣE3/ΣE4’)が、予め設定された閾値を超えた場合は、炎と判定して炎有り判断の第1要素を充足したとする。
また、判断部36は炎受光信号E3について、炎積分値ΣE3の算出に使用したのと同じ2秒間分(128データ)を高速フーリエ変換して結果を分析し、たとえば8Hz以下の周波数帯域に主成分がある場合に炎有り判断の第2要素を充足したとし、第1要素と第2要素の両方を充足した場合に、炎有りと判断する。
図10は、燃焼炎から放射される赤外線を観測した場合に図1の炎検出部から得られる炎受光信号E3の周波数分布を示した説明図である。判断部36は、前述のとおり炎受光信号E3のT=2秒間(128データ)分を高速フーリエ変換して、例えば図10に示す周波数分布を得る。
図10に示すように、燃焼炎から放射される赤外線を周波数軸で観測すると、概ね8Hzよりも低周波側FLに高い強度を示す周波数分布が得られることから、受光信号E3の周波数の主要な成分が8Hzまでの周波数帯域FLに存在することがわかる。一方、8Hzを超え、16Hzまでの高周波側の周波数帯域FHでは比較的強度の低い分布を示す。このような分布特性は、炎を観測した場合の信号の特徴である。
このため、炎受光信号E3の周波数分布に基づく炎判断は、例えば8Hzまでの範囲となる低周波側の相対強度積分値ΣFLおよび8Hzを超え16Hzまでの範囲となる高周波側の相対強度積分値ΣFHを求め、両積分値の比ΣFL/ΣFHが、予め設定された閾値以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、炎有り判断の第2要素を充足しなかったとする。一方、ΣFL/ΣFHが閾値を超えた場合には、炎有り判断の第2要素を充足したとする。判断部36は、上記各判断をT=2秒ごとに繰り返す。
(試験ランプの取付構造)
図11は透光性窓の汚れ試験に用いるランプユニットのセンサ収納部に対する組立分解状態を示した説明図である。
図2示したセンサ収納部52に張出形成された中央凸部54の内側には、図11に示すように、ランプ収納空間を設けたランプ収納部80が形成されており、ランプ収納部80に対しては内側からランプユニット70が取付け固定される。
ランプユニット70は、対称構造の分割ランプホルダ72-1,72-2を組み合わせており、分割ランプホルダ72-1,72-2の底部両側に形成された一対の筐体取付部76の通し穴を介して4本のねじ82により、ランプ収納部80の開口周囲の4箇所に形成された取付リブのねじ穴84にねじ込み固定することで、筐体側となるセンサ取付部52に直接に取り付け、中央凸部54の両側面に配置された試験窓56-1,56-2に対応する試験ランプ60-1,60-2を所定の取付位置に固定している。
このように本実施形態にあっては、試験ランプ60-1,60-2を装着した分割ランプホルダ72-1,72-2を対称に組み合わせたランプユニット70を筐体側に直接固定しており、従来のようにランプホルダを基板に取り付け、さらに基板を筐体側に取り付けることにより取り付け誤差大きくなることを回避し、試験窓56-1,56-2に対する試験ランプ60-1,60-2の取付位置の誤差を低減し、試験窓56-1,56-2から照射した試験光が透光性窓18-1,18-2の内側に配置された炎受光センサ16a,16b及び非炎受光センサ16cに十分且つ確実に届くことで、運用中に透光性窓18-1,18-2の汚れ度合を監視する汚れ試験を確実に行うことを可能とする。
本実施形態において、センサ収納部52を含む筐体は、例えばアルミダイカスト等の成形品を使用しており、回路基板に比べて寸法精度が高く、例えば振動時の撓み等も少ない。すなわち、高精度の筐体に対してランプホルダ、回路基板をそれぞれ位置決めするので、回路基板にランプホルダを取り付ける場合に比べて、回路基板上の検出センサに対する試験ランプの位置決め精度が高くなる。
また、ランプ収納部80は1か所であり、透光性窓18-1,18-2に対応してそれぞれ離れて別の場所に設ける場合に比べ、試験ランプと透光性窓、また受光センサとの相互の配置寸法誤差、即ち相対的な位置ずれが生じる要因を減らすことができる。
(対称構造の分割試験ホルダ)
図12は図11のランプホルダを取出して示した説明図であり、図12(A)は側面を示し、図12(B)は平面を示す。図13は図12の分割ランプホルダを分割した片側を取出して示した説明図であり、図13(A)は試験ランプを装着した状態を示し、図13(B)は試験ランプの組立分解状態を示す。
図12(B)に示すように、ランプユニット70は平面から見ると、図11のランプ収納部80の開口形状に対応した箱状の部材であり、テーパ分割面75により突き合わされた段付き突合せ構造を持つ一対の分割ランプホルダ72-1,72-2で構成されている。なお、段付き突合せ構造はテーパ分割面75に限定されず、矩形分割面等としても良い。
分割ランプホルダ72-1は図13に示すように、中央に起立したホルダ本体72aにテーパ面72bが形成され、テーパ面72bに開口したソケット穴72cにリード線付きのソケット78-1を装着し、ソケット78-1に対し試験ランプ60-1の端子を挿入して取り付けており、試験ランプ60-1の背面側、つまり、ランプ収納部80に収納した状態で試験窓56-1と反対の側には反射フード74-1が装着されている。
分割ランプホルダ72-1は、その左右の向きを入れ替えると、図12の分割ランプホルダ72-2と同じになる。即ち、分割ランプホルダ72-1,72-2は同じ形状及び構造であり、分割ランプホルダ72-1,72-2をテーパ分割面75を突き合わせて組合せることで、略箱形に一体化され、図12に示すように、一つのランプユニット70として組み合わせられた状態でランプ収納部80に組み込まれ、筐体側となるセンサ収納部52に直接に取付け固定される。
このようにランプユニット70を構成する分割ランプホルダ72-1,72-2は同じ形状及び構造であることから、部品種類を減らすことができ、また部品価格を低減することができる。
また、分割ランプホルダ72-1に装着された試験ランプ60-1の裏面側には反射フード74-1が設けられており、試験ランプ60-1の試験光が試験ランプ60-2側に漏れて反対側の炎検出部11-2の検出センサで受光されることを防止するとともに、炎検出部11-1側に入射する試験光量を増やす働きをする。
この点は、分割ランプホルダ72-2も同様であり、試験ランプ60-2の裏面側には反射フード74-2が設けられており、試験ランプ60-2の試験光が試験ランプ60-1側に漏れて反対側の炎検出部11-1の検出センサで受光されることを防止するとともに、炎検出部11-2側に入射する試験光量を増やす働きをする。
反射フード74-1,74-2は、例えば金属表面に金メッキを施し、これを曲げ成形して構成している。
なお、試験ランプ60-1,60-2に設けられた反射フード74-1,74-2に加え、図12(B)に示す分割ランプホルダ72-1,72-2のテーパ分割面75の間に、例えば表面に金メッキを施した薄い金属反射板を屈曲形成して挟み込むことで、金属反射板により遮光壁を形成し、試験ランプ60-1,60-2からの光が相互に干渉しないように分離しても良い。この場合、反射フード74-1,74-2は設けず、金属反射板による遮光壁(反射壁)のみとしても良い。
なお、本実施形態にあっては、ランプ収納部80の開口形状に対応した箱状形状のランプホルダの外周側面及び/又は後端面が、凸部54の内壁面によってガイドされることで、組立作業性を向上するとともに、試験ランプの位置決め効果を一層高めるようにしている。
(試験制御部38)
図1のMPU15に設けられた試験制御部38は、火災受信盤10から試験信号を受信した場合に動作し、試験光源60-1,60-2を、順次、所定周期で発光駆動し、試験窓56-1,56-2及び透光性窓18-1,18-2を介して炎受光部11-1,11-2に試験光を照射して汚れ試験を行う。
例えば透光性窓18-1の汚れ試験を例にとると、試験制御部38は試験光源60-1を発光駆動することにより、火災炎に相当する炎模擬光を試験窓56-1を通して出力させ、透光性窓18-1を介して炎検出センサ16a,16bに入射させる。試験光源60-1からの炎疑似光は、炎検出センサ16a,16bで受光する4.5μmを含み、且つ、炎に固有な2~8Hzのゆらぎ周波数をもつ光としている。
透光性窓18-1は工場出荷時に汚れはなく、その際に汚れ試験で得られた炎受光信号E3の受光レベルがそれぞれ基準受光レベルとしてMPU15のメモリに記憶されており、減光率の演算に利用される。
すなわち、試験時の炎受光信号E3と基準受光レベルから減光率を求める。つまり、出荷時の減光率は0となっている。設置環境で運用期間が経過していくと、透光性窓18-1に汚れが付着し、減光率は徐々に増加していく。
なお、減光率はこのように炎受光信号E3について求めても良いし、炎受光信号E1’,E2’、非炎受光信号E4’の何れかひとつ又は複数、又は全てについて求め、個別の減光率に基づいて以下に説明する補正を行っても良い。また、例えば各減光率の代表値や平均値を求めて汚れ警報や汚れ予告警報を行うようにしても良い。
試験制御部38は、汚れ試験により減光率を求めると共に、(1-減光率)の逆数となる補正値を求めてメモリに記憶させ、その後の運用状態で検出される炎受光信号E3及び非炎受光信号E4’の受光レベル(受光値)を補正値で除算して汚れ補正を行い、判断部36は汚れ補正された炎受光信号E3及び非炎受光信号E4’の受光値により火災を判断する。
また、試験制御部38は、汚れ補正が不可能となる限界に対応した減光率となる閾値、例えば閾値0.5が予め設定されており、汚れ試験で求められた減光率が閾値以上又は閾値を上回った場合に透光性窓18-1の汚れ補正が不可能(例えば補正をしても所定の監視エリア全体を監視できない状態)となる汚れ異常と判断し、火災受信盤に汚れ警報信号を送信して汚れ警報を出力させる制御を行う。
また、試験制御部38は、閾値より小さい所定の予告閾値、例えば予告閾値0.4を予め設定し、汚れ試験で求められた減光率が予告閾値以上又は予告閾値を上回った場合に汚れ警報が近いと判断し、火災受信盤に汚れ予告警報信号を送信し、汚れ予告警報を出力させる制御を行うようにしても良い。
なお、本実施形態の汚れ試験は、透光性窓18の汚れと試験窓56の汚れをあわせて検出することになる。基準受光レベルを取得する場合には、透光性窓18だけでなく試験窓56も汚れていない状態で行う。
[一体型ランプホルダと検出ユニット筐体固定構造]
(一体型ランプホルダ)
図15は一体型のランプホルダ及び検出ユニットを直接に筐体側に固定した炎検出装置の実施形態を一部断面で示した説明図である。
図15に示すように、本実施形態の炎検出装置10は、センサ収納部52に設けられた透光性窓18-1,18-2の間に形成された中央凸部54には一体型のランプホルダ72に取り付けられた試験光源60-1,60-2が内蔵され、ランプホルダ72はねじ82により筐体側に固定されている。
図16は図15の一体型ランプホルダを取出して示した説明図であり、図16(A)は側面を示し、図16(B)は平面を示す。
図16に示すように、一体型のランプホルダ72は、一対の試験ランプ60-1,60-2を組込み固定する一対のランプ固定部90-1,90-2を一体に形成している。ランプ固定部90-1,90-2は、ランプホルダ72の中央に起立されてテーパ面92-1,92-2が形成され、テーパ面92-1,92-2に開口したソケット穴にリード線付きのソケットを装着し、ソケットに対し試験ランプ60-1,60-2の端子を挿入して取り付けており、試験ランプ60-1,60-2の背面側には反射フード74-1,74-2が装着されている。
このように本実施形態にあっては、試験ランプ60-1,60-2を組込み固定するランプ固定部90-1,90-2がランプホルダ72に一体化されたため、筐体側への組付け寸法誤差がランプ固定部90-1,90-2ごとに生ずることを防止し、試験ランプ60-1,60-2の炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cに対する位置決め精度を高めることができ、あわせて図11乃至図13に示した分割ランプホルダ72-1,72-2に比べ組立性も向上する。
(検出ユニット筐体固定構造)
図15に示すように、本実施形態にあっては、炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cが配置されたセンサ基板48が収納された検出ユニット61は、本実施形態においては両端上側に固定リブ61a,61bが一体に形成されており、固定リブ61a,61bを筐体内側にねじ82により直接固定している。
このように筐体側へセンサ基板48が収納された検出ユニット61が直接に固定されることで、実質的にセンサ基板48の組付け寸法誤差が小さくなり、図4に示したように、検出ユニット61を本体基板65に配置して位置決めしていた場合に比べ、センサ基板48に配置している炎検出センサ16a,16b及び非炎検出センサ16cに対する透光性窓18-1,18-2及び試験ランプ60-1,60-2の位置決め精度を高めることができ、相対的な配置寸法ずれを小さくすることができる。
(他の実施形態)
一方、上記実施形態では検出ユニット61を、本体基板65を介して、又は筐体に直接的に組み付けているが、検出ユニット61とランプホルダ72に適宜の組合せ構造を設け、検出ユニット61をランプホルダ72-1,72-2、又は一体に形成したランプホルダ72に直接位置決め固定しても良く、このようにすれば、試験ランプ60-1,60-2と検出ユニット61との相対的配置寸法誤差が小さくなり、位置決め精度が高くなる。
こうして検出ユニット61を直接取り付けたランプホルダ72-1,72-2、又は一体に形成したランプホルダ72を直接筐体側に位置決め固定することで、試験ランプ60-1,60-2と試験窓56-1,56-2もそれぞれ相対的配置寸法誤差が小さくなり、高精度で位置決めされる。同様に、試験ランプ60-1,60-2と透光性窓18-1,18-2とについても相対的配置寸法誤差が小さくなり、高精度で位置決めされる。
[本発明の変形例]
(突合せ構造)
分割ランプホルダの突合せ構造は上記実施形態に限らず、例えば相互に嵌合させる構造やその他適宜の構造を採用して良い。また、段付き突合せ構造として、他の段付き形状を採用して良い。
(2波長方式)
また、上記の実施形態は、2波長方式の炎検出装置として、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の赤外線を観測して炎を判定しているが、4.5μm付近の波長帯域と、2.3μm付近の波長帯域における各々の赤外線を観測して炎を判定するようにしても良い。
(3波長方式)
また、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm帯の短波長側の、例えば、2.3μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを、5.0μm付近の波長帯域における赤外線を検出する2波長式と同様の手法で検出し、これらの3波長帯域における受光信号の相対比が炎からの放射の特徴に従うことを炎有りの判断要素とする3波長式の炎検出装置としても良い。もちろん、他の波長帯を使用した1波長式、2波長式、3波長式、又は他の方式の炎検出装置としても良い。また、赤外線以外の放射線エネルギーを観測する炎検出装置に適用しても良い。
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:炎検出装置
11-1:炎検出部
12a,12b:炎検出ユニット
12c:非炎検出ユニット
15:MPU
16a,16b:炎検出センサ
16c:非炎検出センサ
18-1,18-2:透光性窓
20a,20b,20c:光学波長フィルタ
22a,22b:炎検出素子部
22c:非炎検出素子部
24a,24b,24c:前置フィルタ
25:受光電極
26a,26b,26c:プリアンプ
27:FET
28a,28b,28c:メインアンプ
30a,30b,30c:終段アンプ
32:加算アンプ
35a,35b,35c,35d:A/D変換ポート
36:判断部
38:試験制御部
45:焦電体
48:センサ基板
50:筐体
52:センサ収納部
54:中央凸部
56-1,56-2:試験窓
60-1,60-2:試験光源
61:検出ユニット
64:ユニットカバー
61a,61b:固定リブ
65:本体基板
72:ランプホルダ
72-1,72-2:分割ランプホルダ
74-1,74-2:反射フード
75:分割面
76:筐体取付部
78-1:ソケット
80:ランプ収納部
84:ねじ穴
90-1,90-2:ランプ固定部

Claims (5)

  1. 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを、透光性窓を介して検出センサにより観測して燃焼炎の有無を判断し検出する2組の炎検出部が設けられた炎検出装置であって、
    筐体の前面に配置された前記透光性窓の間に、内部を収納部として前記筐体の前面から張出し形成された中央凸部と、
    前記中央凸部の両側壁面に配置された一対の試験窓と、
    前記一対の試験窓を介して前記透光性窓に試験光を照射する一対の試験ランプと、
    前記一対の試験ランプを前記一対の試験窓の間に配置した前記中央凸部の前記収納部に組込んで前記筐体側に固定するランプホルダと、
    が設けられたことを特徴とする炎検出装置。
  2. 請求項1記載の炎検出器に於いて、前記ランプホルダは、組み合わせ状態で前記収納空間に収納可能な対称構造の分割ランプホルダであり、
    前記分割ランプホルダを組み合わせた状態で前記収納部に収納して前記筐体側に個別に固定したことを特徴とする炎検出装置。
  3. 請求項2記載の炎検出器に於いて、前記分割ランプホルダは、突合せ構造を備えたことを特徴とする炎検出装置。
  4. 請求項3記載の炎検出器に於いて、前記分割ランプホルダの突合せ構造を、矩形面又はテーパ面の段付き突合せ構造としたことを特徴とする炎検出装置。
  5. 請求項1記載の炎検出器に於いて、前記ランプホルダは、少なくとも一対の前記試験ランプを組込み固定する一対のランプ固定部を一体に形成し、一体に形成した前記ランプ固定部を直接前記筐体側に固定したことを特徴とする炎検出装置。



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