JP7114306B2 - 炎検出装置 - Google Patents

炎検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7114306B2
JP7114306B2 JP2018076588A JP2018076588A JP7114306B2 JP 7114306 B2 JP7114306 B2 JP 7114306B2 JP 2018076588 A JP2018076588 A JP 2018076588A JP 2018076588 A JP2018076588 A JP 2018076588A JP 7114306 B2 JP7114306 B2 JP 7114306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
light
flame
unit
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018076588A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019184451A (ja
Inventor
秀成 松熊
克明 奥山
慎樹 大森
匡記 祖父江
史織 鈴木
知明 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hochiki Corp filed Critical Hochiki Corp
Priority to JP2018076588A priority Critical patent/JP7114306B2/ja
Publication of JP2019184451A publication Critical patent/JP2019184451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7114306B2 publication Critical patent/JP7114306B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

本発明は、有炎燃焼時のCO2共鳴により発生する赤外線放射を検出して、炎の有無を判定する炎検出装置に関する。
従来、有炎燃焼により発生する放射線エネルギーを検出して、炎の有無を検出する炎検出装置にあっては、有炎燃焼時に発生するCO2の共鳴放射波長帯域における放射線を検出して、炎の有無を検出する炎検出装置や炎検出方法がよく知られている。
ここで、従来技術における炎検出装置について、簡単に説明する。
図7は、燃焼炎と、その他の代表的な放射体の赤外波長域における放射線スペクトルを示す概念図であり、横軸は放射線の波長、縦軸は放射線の相対強度を示す。
図7に示すように、燃焼炎のスペクトル特性100においては、CO2の共鳴放射により4.5μm付近の波長帯域に放射線相対強度のピークがある。
なお、以下では、特に断らない限り、CO2共鳴放射帯とは、4.5μm帯を指すものとする。また、受光素子(光電変換素子)としては例えば焦電体が利用されている。
このように、従来の炎検出装置は、燃焼炎のCO2共鳴に伴って放射される4.5μm帯の赤外線を焦電体を用いた受光素子で電気信号に変換し、この電気信号から炎特有のちらつき周波数成分を抽出して炎の有無を判定するようにしている。
特開昭55-088125号公報 特許第4014188号公報
ところで、従来の炎検出装置に設けられた受光素子として利用する焦電体は、放射線エネルギーを電気信号に変換する焦電作用に加え、振動エネルギーを電気信号に変換する圧電作用を示すことが知られており、本来は4.5μm付近となる炎からの赤外線光を受光して焦電作用により光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力するものであるが、地震等により炎検出装置に振動が加わると、受光素子が変形して圧電作用が働いて検出信号を出力してしまい、これにより誤って炎と判断して非火災報を出力する可能性がある。
本発明は、焦電作用と圧電作用をもつ受光素子の受光信号から燃焼炎を検出する炎検出装置について、受光信号から振動の影響を除去して確実な燃焼炎検出を可能とする炎検出装置を提供することを目的とする。
(炎検出装置)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される放射線エネルギーを受光素子で受光して所定の波長帯を観測した受光信号を出力する受光ユニットと、
炎検出装置に加わる振動を振動検出素子で検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、受光ユニットから出力された受光信号を補正する振動補正部と
振動補正部で補正された受光信号により燃焼炎の有無判断する判断部と、
を備え、
受光ユニット及び振動検出ユニットは、
受光素子及び振動検出素子の各々を構成する焦電素子と、
所定の波長帯域の光を焦電素子に対し選択透過させる光学波長フィルタと、
を備えた同一のパッケージ構成を有し、
振動検出ユニットは、焦電素子に対し光の入射を遮断するマスク部材がパッケージ構成の前方に配置されたことを特徴とする。
(振動補正演算)
振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に所定の係数を乗じて受光ユニットから出力された受光信号から減算することで、受光信号を補正する。
(補正係数)
振動補正部は、受光素子を遮光した状態で振動が加えられたときに、受光ユニットから出力される受光信号を振動検出ユニットから出力される振動検出信号で除した値を所定の係数として設定する。
(加速度検出素子による振動検出)
振動検出ユニットは、焦電素子に代えて焦電素子以外の加速度検出素子により振動検出素子を構成する。
(基本的な効果)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを受光素子で受光して所定の波長帯を観測した受光信号を出力する受光ユニットと、炎検出装置に加わる振動を振動検出素子で検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、受光ユニットから出力された受光信号を補正する振動補正部とが設けられ、振動補正部で補正された受光信号により燃焼炎の有無を検出し判断するようにしたため、地震等による振動が炎検出装置に加わって受光ユニットの受光素子から圧電作用による信号が出力された場合、同じ振動が振動検出ユニットの振動検出素子に加わることで振動検出信号が出力され、受光ユニットから出力された受光信号を補正して受光信号に含まれる振動信号成分を軽減または除去することができ、振動に伴って受光ユニットから出力された信号により誤って炎と判断して非火災報を出力してしまうことを確実に防止できる。
(振動補正演算の効果)
また、振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に所定の係数を乗じて受光ユニットから出力された受光信号から減算することで、受光信号を補正するようにしたため、振動検出信号に掛ける係数は例えば、製造時に炎検出装置に所定の振動を加え、このときの受光信号と振動検出信号の相関に基づいて定める。すなわち例えば、このときの受光信号値に振動検出信号値を一致させるための比率を予め求めておくことで、簡単な演算により受光信号に含まれる振動信号成分を除去することができる。
(焦電素子による振動検出の効果)
また、受光ユニットの受光素子は第1の焦電素子であり、振動検出ユニットの振動検出素子は、第2の焦電素子であり、受光ユニットは、燃焼炎から放射される所定波長帯域の光を選択透過させる光学波長フィルタと、光学波長フィルタを透過した光を受光して光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力する焦電素子とを有する受光センサを備え、振動検出ユニットは、外部から加わる振動により圧電変換した電気信号に基づく振動検出信号を出力する第2の焦電素子と、第2の焦電素子に対し光の入射を遮断するように配置されたマスク部材とを有する振動センサを備えたため、受光ユニットの受光センサは、第1の焦電センサにおける、赤外線エネルギーを電気信号に変換する焦電作用により、燃焼炎から放射される所定波長帯の放射線エネルギーを確実に光電変換して受光信号を出力することを可能し、また、振動検出ユニットの振動センサは、第2の焦電素子に対し光の入射を遮断するように配置されたマスク部材により外からの放射線(光)を受けないようにすることで、圧電作用のみにより炎検出装置に加わる振動に伴う振動検出信号を確実に出力することを可能とする。
(同一の焦電素子による振動検出による効果)
また、振動検出ユニットの振動検出素子を、受光ユニットの第1の焦電素子と同じ構成を有する第2の焦電素子としたため、炎検出装置に振動が加わった際の、第1の焦電素子の圧電出力信号(振動の影響により出力される受光信号)と第2の焦電素子の圧電出力信号(振動検出信号)を相似特性とすることができ、振動補正演算を簡単にすることができる。
(加速度検出素子による振動検出の効果)
また、振動検出ユニットの振動検出素子を加速度検出素子としたため、炎検出装置の振動に伴い受光素子が圧電作用により出力する信号は振動による加速度の大きさに略比例する関係にあることから、加速度検出素子で検出した加速度信号に基づき受光ユニットの受光信号を補正することで、受光信号から振動に伴う信号成分を確実に除去することができる。
炎検出装置の実施形態を示したブロック図 炎検出装置の外観を示した説明図 受光センサの概略構成を示した説明図 図3の受光センサにおける受光素子の等価回路を示した回路図 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから出力される受光信号を示した信号波形図 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから出力される受光信号の周波数分布を示した説明図 燃焼炎と、その他の代表的な放射体の放射線スペクトルを示した特性図
[炎検出装置の概要]
(装置の概要)
図1は炎検出装置の実施形態を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10は、受光ユニット11、振動検出ユニット12、MPU(マイクロ処理ユニット)15に設けられた振動補正部36と判断部38で構成される。
受光ユニット11は、監視領域に存在する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測するものであり、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする赤外線波長帯の放射線エネルギーを受光して光電変換し、これを電気的に処理して受光信号E1を出力する。
受光ユニット11には、受光センサ16a、前置フィルタ24a、プリアンプ26a、メインアンプ28aが設けられ、メインアンプ28aから出力された受光信号E1は終段アンプ30aを介して、受光信号E1’としてMPU15のA/D変換ポート35aでデジタル信号に変換して取り込まれる。
以降、A/D変換前後で信号の記号を区別せず、変換後のデジタル信号も受光信号E1'として説明する。A/D変換によるサンプリングは、たとえば64Hzでおこない、1秒間に64点の受光信号データを得る。
振動検出ユニット12は、地震等により炎検出装置10に加わる振動を電気信号に変換し、これを電気的に処理して振動検出信号Evを出力する。振動検出ユニット12には、振動センサ17、前置フィルタ24v、プリアンプ26v、メインアンプ28vが設けられ、メインアンプ28vから出力された振動検出信号Evは終段アンプ30aを介して、振動検出信号Ev’としてMPU15のA/D変換ポート35vでデジタル受光信号に変換して取り込まれる。
こちらも、A/D変換前後で信号の記号を区別せず、以降、変換後のデジタル信号も受光信号Ev'として説明する。A/D変換によるサンプリングは、たとえば64Hzでおこない、1秒間に64点の振動検出信号データを得る。
振動補正部36は、振動検出信号Ev’に基づき、受光信号E1'を補正して、受光信号E1'に含まれる振動信号成分を除去した受光信号E1aを出力する。
判断部38は、振動補正部36で振動信号成分が除去された受光信号E1aに基づき、監視範囲の燃焼炎の有無を判断して検出する。
(装置外観と受光ユニット、振動検出ユニット)
図2は炎検出装置の外観を示した説明図である。図2に示すように、炎検出装置10は、天井面や壁面の取付ベースに取り付けられる本体50の下部に設けられたカバー52の監視範囲側の面に透光性窓18を設け、透光性窓18の内部に配置された基板56に、図1に示した光学ユニット11の受光センサ16aと振動検出ユニット12の振動センサ17を配置している。
また、透光性窓18の近傍には、内部の受光素子を見通せる位置に、試験光源として試験ランプ42を収納した試験光源収納部43を設けている。試験光源収納部43には、試験ランプ42からの試験光を透過する試験用透光性窓44を配している。試験時に試験ランプ42から発した試験光は、試験用透光性窓44、透光性窓18を透過して受光センサ16aで受光される。このときの受光信号に基づき、受光センサ16aの故障有無や透光性窓18の汚れ状況などを試験する。
(受光ユニットの構成)
図1に示した受光ユニット11において、受光センサ16aは燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする所定の赤外線波長帯域の放射線エネルギーを受光し、電気信号に変換して出力し、前置フィルタ24aは受光センサ16aから出力される受光信号から、炎の揺らぎ周波数に対応した所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させ、プリアンプ26aは前置フィルタ24aを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28aはこれをさらに増幅して受光信号E1を出力する。
ここで、受光センサ16aは、光学波長フィルタ20a、及び受光素子22aを備えている。受光素子22aは焦電素子(第1の焦電素子)である。
受光ユニット11から出力された受光信号E1は、終段アンプ30aを介して受光信号E1’となり、MPU15に設けたA/D変換ポート35aによりデジタル受光信号E1’に変換して読み込まれ、振動補正部36による振動補正と判断部38による炎判断が実行される。以下、各構成について具体的に説明する。
(受光センサ16a)
図3は受光センサの概略構成を示した説明図、図4は図3の受光センサにおける受光素子の等価回路を示した回路図である。
図3に示すように、受光センサ16aは、基板46の表面に支持配置された焦電体45を備え、これに受光電極25を設け、基板46の裏面側に配置されたFET27を備えてなる受光素子22aと、基板46を基部47上に支持しつつ基部47を貫通して設けられた端子48と、受光素子22aの前方(図示上方)に4.5μm付近の赤外線を選択透過するバンドパスフィルタである光学波長フィルタ20aを備えたカバー部材49とからなるパッケージ構成を有している。すなわち、受光センサ16aは焦電センサであり、受光素子22aは焦電素子である。
また、受光素子22aの等価回路は、図に示すように、FET27のゲートから例えば焦電体45と図3で図示省略した高抵抗29の並列回路を介してゲート端子Gに接続し、またFET27のドレインとソースをそれぞれドレイン端子Dとソース端子Sに接続している。
ここで、光学波長フィルタ20aは、例えば、シリコン、サファイア等の基板上に、公知の方法でそれぞれ形成することができる。
(透光性窓18)
透光性窓18は、図2に示したように、カバー52の、受光センサ16aの前面側に設けた所定の開口部に配置され、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため受光センサ16aは、受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、所定の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。
本実施形態の炎検出装置10は、この検知エリア内に設定された所定の監視範囲の炎を検出する火災検出器である。
(前置フィルタ24a)
前置フィルタ24aは、周波数選択部として機能し、受光センサ16aの受光素子22aから出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26aに特定の周波数帯域の信号成分を含む受光信号を出力する。
(プリアンプ26aとメインアンプ28a)
プリアンプ26aは、前置フィルタ24aを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28aは、プリアンプ26aからの光信号を増幅し、受光信号E1として出力する。さらに、終段アンプ30aは受光信号E1を増幅して受光信号E1’を出力する。
(振動検出ユニット12の構成)
図1に示した振動検出ユニット12において、振動センサ17は、炎検出装置10に加わる振動エネルギーを圧電作用により電気信号に変換して出力し、前置フィルタ24vは振動センサ17から出力される振動検出信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させ、プリアンプ26vは前置フィルタ24vを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28vはこれを増幅して振動検出信号Evを出力する。さらに、終段アンプ30vは振動検出信号Evを増幅して振動検出信号Ev’を出力する。
ここで、振動検出センサ17は、受光ユニット11に設けた受光センサ16aと同じ構成の焦電センサであり、光学波長フィルタ20v、及び第2の焦電素子である振動検出素子22vを備えている。
振動検出ユニット12から終段アンプ30vを介して出力された振動検出信号Ev’は、MPU15に設けたA/D変換ポート35vによりデジタル信号に変換して読み込まれ、これに基づき振動補正部36による受光信号E1’の振動補正が実行される。以下、各構成について具体的に説明する。
(振動検出ユニット12の振動センサ17)
振動検出ユニット12の振動センサ17は、図3に示した受光センサ16aと同じ構成であり、振動センサ17における振動検出素子の等価回路も図4に示した受光センサ16aにおける受光素子22aの等価回路と同じになる。
(透光性窓18とマスク部材40)
振動センサ17に設けられた透光性窓18と光学波長フィルタ20vの間にはマスク部材40が配置されており、透光性窓18を通った外からの光をマスク部材40で遮り、振動センサ17で受けないようにしている。
このため振動センサ17に設けられた焦電体は圧電作用のみにより振動エネルギーを電気信号に変換して出力する。
なお、マスク部材40は、カバー52と一体に設けても良いし、カバー52の一部をマスク部材40としても良い。或いは、マスク部材40は、振動センサ(焦電センサ)のカバー部材とし、すなわち光学波長フィルタを取り除き、カバー部材の開口を塞ぐようにしても良い。
(振動検出ニット12の前置フィルタ24v)
前置フィルタ24vは、受光ユニット11aの前置フィルタ24aと同じであり、振動センサ17の振動検出素子22vから出力される振動検出信号から、振動補正に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26vに特定の周波数帯域の信号成分を含む振動検出信号を出力する。
前置フィルタ24vで通過させる信号周波数帯域、またその通過特性を、前置フィルタ24aと同じにすることにより、炎検出装置10に振動が加わったときに受光素子22aからの出力に基づく受光信号E1(或いはE1’)と、このときの振動検出素子22vからの出力に基づく振動検出信号Ev(或いはEv’)の信号波形を概ね相似とすることができ、振動補正を容易にすることができる。
(振動検出ユニット12のプリアンプ26vとメインアンプ28v)
プリアンプ26vは、前置フィルタ24vを介して入力される振動検出信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28vは、プリアンプ26vからの各受光信号を増幅し、振動検出信号Evとして出力する。
[MPU15による振動補正と炎判断]
MPU15は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、A/D変換ポート35a,35vを含む各種の入出力ポート等を備え、振動補正部36及び判断部38は、CPUによるプログラムの実行により実現される機能である。
(振動補正部36)
振動補正部36は、振動検出ユニット12から出力された振動検出信号Ev’により受光ユニット11aから出力された受光信号E1’を補正して振動信号成分を除去した受光信号E1aを出力する。
具体的に、振動補正部36は、振動検出ユニット12から出力された振動検出信号Ev’に所定の係数Kを乗じて受光ユニット11から出力された受光信号E1’から減算することで、振動信号成分を除去した受光信号E1aを
E1a=E1’-K・Ev’・・・(式1)
として出力する。
ここで、振動検出信号Ev’に掛ける係数Kは、受光素子22aに外部から光が入らないように透光性窓18を遮光した状態で、例えば炎検出装置10に炎のゆらぎ周波数帯の所定周波数の振動を加え、このときの受光素子22a及び振動検出素子22vから圧電作用のみによる振動検出信号を出力させる。
このとき受光ユニット11から終段アンプ30aを通して出力される信号をE1tとし、振動検出ユニット12から終段アンプ30vを通して出力される信号をEvtとすると、
E1t=K・Evt
となるように比率を係数Kとして設定すれば、式1により振動信号成分を除去できる。
係数Kは
K=E1t/Evt
として設定することができる。係数KはあらかじめMPU15のメモリに記憶させておき、振動補正部36で読み出して補正を実行する。
また、振動のみにより受光ユニット11及び振動検出ユニット12の各々から出力される信号は、振動が大きくなると飽和することから、例えば震度5の揺れに対し信号が飽和しないように、プリアンプ26a,26v及びメインアンプ28a,28v、終段アンプ30a,30vによる増幅率を設定する。
(判断部38)
判断部38は、振動補正部36で振動信号成分が除去された受光信号E1aを所定時間単位に取り込み、受光信号E1aの信号振幅に対する時間積分処理を行い、積分値ΣE1を算出する。
図5は燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットから出力される受光信号E1’を示した信号波形図である。振動時に焦電センサの圧電作用によって出力される受光信号E1’も、これと類似の信号波形を呈するため、非火災報の原因となる。同様にして、振動時に焦電センサの圧電作用によって出力される振動検出信号Ev’もまた類似の信号波形を呈するので、これに基づき受光信号E1’を補正して非火災報を回避する。
判断部38は、図5に示す受光信号E1’から振動に基づく信号成分が除去された受光信号E1aをT=2秒単位(128点の受光信号データ単位)ごとに取込み、受光信号E1の基準電位からの差分の絶対値となる積分値ΣE1を求める。
次いで、判断部38は、積分値ΣE1が、予め設定された閾値以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、積分値ΣE1が閾値を超えた場合には、炎有り判断の第1要素とする。

また、判断部38は、T=2秒間分ごとに取込んだ受光信号E1aを高速フーリエ変換して分析し、8Hz以下の周波数帯域の周波数分布が所定条件を満たす場合に炎有り判断の第2要素とし、第一要素とあわせて複合的な炎有無判断を行う。
図6は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合出力される受光信号E1aの周波数分布を示した説明図である。判断部38は、E1‘が振動補正された受光信号E1aをT=2秒単位(128点単位)に取込み、高速フーリエ変換により図6に示す周波数分布を得る。
図6に示すように、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを周波数軸で観測すると、概ね8Hzよりも低周波側に高い出力レベルを示す周波数分布が得られることから、実質的な炎のちらつき周波数が8Hzまでの周波数帯域FLに存在し、8Hzを超える例えば16Hzまでの高周波側の周波数帯域FHは低いレベルを示す。
このため、受光信号E1aの周波数分布に基づく炎判断は、例えば8Hzまでの範囲となる低周波側FLの相対強度の積分値ΔFLおよび高周波側FHの相対強度の積分値ΣF
Hを求め、この積分値の相対比ΣFL/ΣFHが、予め設定された閾値以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、閾値を超えた場合には、炎有り判断の第2要素とする。
そして、判断部38は、2秒単位で取り込んだ受光信号E1aの積分値による炎有り判断の第1要素と、受光信号E1aの周波数分布による炎有り判断の第2要素の両方が成立し、且つ、所定回数連続した場合に炎との判断を確定して火災検出信号を外部に出力する。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、1波長方式の炎検出装置を例にとっているが、例えば、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを観測して炎を判定する2波長式の炎検出装置にも適用できる。
同様に、例えば、上記2波長式に2.3μm付近の波長帯域を加えた3波長式の炎検出装置にも適用できる。何れの場合も、補正を要する波長帯の受光信号を、振動センサからの振動検出信号に基づき補正することができる。
また、上記の実施形態は、振動検出センサとして焦電センサを例にとっているが、加速度センサなど、振動を検出して信号を出力する適宜のセンサが利用できる。
また、本発明は、振動補正演算の方法を含め、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:炎検出装置
11:受光ユニット
12:振動検出ユニット
15:MPU
16a:受光センサ
17:振動センサ
18:透光性窓
20a,20v:光学波長フィルタ
22a受光素子
22v:振動検出素子
24a,24v:前置フィルタ
25:受光電極
26a,26v:プリアンプ
27:FET
28a,28v:メインアンプ
30a,30v:終段アンプ
35a,35v:A/D変換ポート
36:振動補正部
38:判断部
40:マスク部材
45:焦電体

Claims (4)

  1. 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
    前記燃焼炎から放射される前記放射線エネルギーを受光素子で受光して所定の波長帯を観測した受光信号を出力する受光ユニットと、
    前記炎検出装置に加わる振動を振動検出素子で検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
    前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に基づき、前記受光ユニットから出力された前記受光信号を補正する振動補正部と
    前記振動補正部で補正された前記受光信号により燃焼炎の有無判断する判断部と、
    を備え、
    前記受光ユニット及び前記振動検出ユニットは、
    前記受光素子及び前記振動検出素子の各々を構成する焦電素子と、
    前記所定の波長帯域の光を前記焦電素子に対し選択透過させる光学波長フィルタと、
    を備えた同一のパッケージ構成を有し、
    前記振動検出ユニットは、前記焦電素子に対し光の入射を遮断するマスク部材が前記パッケージ構成の前方に配置されたことを特徴とする炎検出装置。
  2. 請求項1記載の炎検出装置に於いて、
    前記振動補正部は、前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に所定の係数を乗じて前記受光ユニットから出力された前記受光信号から減算することで、前記受光信号を補正することを特徴とする炎検出装置。
  3. 請求項2記載の炎検出装置に於いて、
    前記振動補正部は、前記受光素子を遮光した状態で振動が加えられたときに、前記受光ユニットから出力される前記受光信号を前記振動検出ユニットから出力される前記振動検出信号で除した値を前記所定の係数として設定することを特徴とする炎検出装置。
  4. 請求項1記載の炎検出装置に於いて、
    前記振動検出ユニット前記焦電素子に代えて焦電素子以外の加速度検出素子により前記振動検出素子を構成したことを特徴とする炎検出装置。
JP2018076588A 2018-04-12 2018-04-12 炎検出装置 Active JP7114306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018076588A JP7114306B2 (ja) 2018-04-12 2018-04-12 炎検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018076588A JP7114306B2 (ja) 2018-04-12 2018-04-12 炎検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019184451A JP2019184451A (ja) 2019-10-24
JP7114306B2 true JP7114306B2 (ja) 2022-08-08

Family

ID=68340789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018076588A Active JP7114306B2 (ja) 2018-04-12 2018-04-12 炎検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7114306B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109652A (ja) 2000-09-26 2002-04-12 Nohmi Bosai Ltd 炎検知器および火災報知設備
US20170108374A1 (en) 2015-10-16 2017-04-20 Raytheon Bbn Technologies Corp. Methods and apparatus for improved sensor vibration cancellation

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59104295U (ja) * 1982-12-28 1984-07-13 松下電工株式会社 赤外線式炎検知器
JPH01116419A (ja) * 1987-10-29 1989-05-09 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 赤外線検知器
JPH0359426A (ja) * 1989-07-28 1991-03-14 Seiwa Denki Kk 火炎検知器
JPH08271342A (ja) * 1995-03-31 1996-10-18 Nec San-Ei Instr Co Ltd 赤外線検出装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109652A (ja) 2000-09-26 2002-04-12 Nohmi Bosai Ltd 炎検知器および火災報知設備
US20170108374A1 (en) 2015-10-16 2017-04-20 Raytheon Bbn Technologies Corp. Methods and apparatus for improved sensor vibration cancellation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019184451A (ja) 2019-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5109079B2 (ja) 炎感知器
US10061034B2 (en) Signal processing device and noise strength determining method
KR20090010895A (ko) 쿼츠-보강형 광음향 분광법을 수행하기 위한 방법 및 기체센서
US9117359B2 (en) Photoelectric smoke detector and process for testing the photoelectric smoke detector
KR20110059608A (ko) 저 농도 가스의 스펙트럼 분석에 적용되는 장치
JPWO2018198504A1 (ja) 異常検知器
US8661874B2 (en) Photoacoustic detector with background signal correction
JP7114306B2 (ja) 炎検出装置
US6756593B2 (en) Flame Sensor
JP3938276B2 (ja) 炎感知器および炎検知方法
JP2003173896A (ja) 異常放電検出装置、異常放電検出方法、及び、プラズマ処理装置
JP7277643B2 (ja) 炎検出装置
JP7061517B2 (ja) 炎検出装置
JP6526971B2 (ja) 炎検出装置
JP6748696B2 (ja) 炎検出装置
JP7177598B2 (ja) 炎検出装置
CN116803103A (zh) 在mems麦克风中识别光干涉
JP2020129410A (ja) 炎検出装置
JP7170791B2 (ja) 炎検出装置
JP2019174321A (ja) 炎検出装置
JP5848082B2 (ja) 炎感知器及び炎判定方法
CN112986149A (zh) 光声探测器单元、光声传感器和所属的制造方法
JP7016765B2 (ja) 炎検出装置
JP2019191901A (ja) 炎検出装置
JP2003227751A (ja) 炎感知器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180621

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7114306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150