JP6430795B2 - 炎検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有炎燃焼時のCO共鳴により発生する赤外線放射を検出して、炎の有無を判定する炎検出装置に関する。
従来、有炎燃焼により発生する放射線エネルギーを検出して、炎の有無を検出する炎検出装置にあっては、炎と炎以外の赤外線放射体との識別を行うため、有炎燃焼時に発生するCOの共鳴放射による波長帯域を含む複数の波長帯域における放射線強度を検出して、それら複数の波長帯域における検出値の相対比により炎の有無を検出する2波長式、3波長式等の炎検出装置や炎検出方法がよく知られている。
ここで、従来技術における2波長式、及び、3波長式の炎検出装置について、簡単に説明する。
図14は、燃焼炎と、その他の代表的な放射体の赤外波長域における放射線スペクトルを示す概念図であり、横軸は放射線の波長、縦軸は放射線の相対強度を示す。
図14に示すように、燃焼炎のスペクトル特性100においては、COの共鳴放射により4.5μm付近の波長帯域に放射線相対強度のピークがあり、また、このピーク波長の近傍に存在する特徴的な波長としては、例えば、長波長側の5.1μm付近に、放射線相対強度が低い波長帯域が存在する。
なお、理論上は4.3μm帯にCOの共鳴放射による放射強度のピークがあることが知られている。しかしながら、実際に燃焼炎を観測した場合にあっては、4.4〜4.5μm付近に放射強度のピークが現れることが経験的に示されている。したがって、以下では、特に断らない限り、CO共鳴放射帯とは、4.4〜4.5μm帯を指すものとする。
そして、2波長式の炎検出装置にあっては例えば、4.4〜4.5μm付近の波長帯域と、5.1μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを狭帯域の光学波長バンドパスフィルタにより選択透過(通過)させて、受光センサにより該放射線エネルギーを検出し、これを光電変換したうえで増幅等所定の加工を施してエネルギー量に対応する電気信号(以下、「受光信号」という)とし、上記各々の波長帯域の受光信号レベルの相対比をとり、所定の閾値と比較することにより炎の有無を判定する。これにより、炎以外の赤外線放射体、例えば、スペクトル特性102に示す太陽光(6000°C)等の高温放射体や、スペクトル特性104に示す300°C程度の比較的低温の放射体、スペクトル特性106に示す人体などの低温放射体等と炎との識別が可能となる。
また、例えば、上述した2波長に加え、COの共鳴放射帯である4.4〜4.5μm帯に対し短波長側の、例えば、3.8μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを2波長式と同様の手法で検出し、これらの3波長帯域における各受光信号の相対比によって炎の有無を判定する3波長式の炎検出装置も知られており炎と炎以外の赤外線放射体との識別性能をさらに向上させている。
このような炎検出装置をトンネルに設置して道路トンネル内での車両炎を監視する場合、炎検出装置を左右の両方向に検出エリアを持ち、トンネルの長手方向に沿って、隣接して配置される炎検出装置との検出エリアが相互補完的に重なるように、例えば、25m間隔で連続的に配置している。また、受光素子としては例えば焦電体が利用されている。
また、近年にあっては、トンネルの長手方向における炎検出装置の検出エリア(設置間隔)を例えば50m間隔に拡大して設置台数を低減することが望まれており、炎の検出エリアを拡大するため、炎から放射される4.5μm付近の放射線エネルギーを受光する受光ユニットを例えば従来の倍数に増設し、各受光センサで光電変換しこれらを必要に応じ適宜それぞれ増幅等して加工した各受光信号を加算することで、検出エリアを拡大してもS/N比を損なうことなく、十分な検出感度が得られるようにしている。
特公昭55−33119号公報 特公昭59−34252号公報 特許第3357330号公報
しかしながら、このように受光センサを設けた受光ユニットの受光信号から炎を判断するようにした炎検出装置にあっては、例えば長期間に亘り使用している間に、受光センサの劣化や故障、また受光ユニットの電気回路の劣化や故障等により受光ユニットが正常に受光信号を出力しなくなる場合があり、複数の受光ユニットの受光信号を加算して行う場合についても同様である。
本発明は、同一波長帯について複数の受光ユニットの受光出力に基づいて炎を判定、判断する炎検出装置について、受光ユニットの障害の有無を確実に判断して燃焼炎の有無を判断し検出可能とする炎検出装置を提供することを目的とする。
ここで、受光ユニットとは、光学波長フィルタと、受光素子を含む光電変換部を備えた受光センサと、該受光センサからの光電変換信号を必要に応じ適宜例えば増幅等して加工処理し受光信号として出力する電気回路を含む信号検出回路ユニットを指すものとする。
(炎検出装置)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
該複数の受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部と、
を備えたことを特徴とする。
(障害判断)
判断部は、各受光信号の相互相関が低い場合には、複数の受光ユニットの少なくとも1つが障害ありと判断する1要素とする。
(受光ユニットの詳細)
複数の受光ユニットの各々は、
燃焼炎から放射される、CO共鳴放射帯域を含む所定波長帯域の光を選択透過させる光学波長フィルタと、
光学波長フィルタを透過した光を受光素子で受光して光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力する1または複数の受光素子と、
を有する受光センサを備える。
受光ユニットの各々は更に、受光センサからの電気信号から所定周波数帯域の信号成分を選択抽出する周波数選択部と、
周波数選択部から出力する信号成分を増幅する増幅部と、
を備える。
(2つの受光ユニット)
受光ユニットは、少なくとも2つ設ける。
(受光ユニットの光学波長フィルタ共用)
各受光ユニットの光学波長フィルタは共用できる。
(信号振幅の相関)
判断部は、各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比に基づいて判定する。
(信号振幅の相関による炎判断)
判断部は、
各分割区間同士の信号積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とする。
(信号振幅の相関による障害判断)
また、各分割区間同士の信号積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、受光ユニットの障害判断の1要素とする。
(信号振幅の相関による炎判断の詳細)
判断部は、
複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に分割した場合、これらn個の区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ時間区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣE1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、
最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の閾範囲内にある場合は、炎有り判断の1要素とする。
(信号振幅の相関による障害判断の詳細)
また、判断部は、最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合は、受光ユニットの障害判断の1要素とする。
(周波数分布の相関)
判断部は、各受光信号相互の相関を、所定期間分の各受光信号から求めたそれぞれの周波数分布を比較して判定する。
(周波数分布の相関による炎判断)
判断部は、
所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、
各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とする。
(周波数分布の相関による障害判断)
また、各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、受光ユニットの障害判断の1要素とする。
(基本的な効果)
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、該複数の受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部とを備えるようにしたため、複数の受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号の、相互の相関を炎判断の他の1要素とすることで、複数の受光ユニットが正常に動作していれば相関が高くなって燃焼炎の有無判断の1要素とすることができ、一方、複数の受光ユニットの少なくとも1つが故障して受光信号に異常変動等が起きた場合は相関が低くなり、これによって受光ユニットの障害判断の1要素とすることができ、受光ユニットの障害の有無を確実に判断して燃焼炎の有無を判断し検出可能とする。
(障害判断による効果)
また、判断部は、各受光信号の相互相関が低い場合には、複数の受光ユニットの少なくとも1つが障害ありと判断する1要素とするようにしたため、長期間に亘り使用している間に、受光センサの劣化や故障、また受光ユニットの電気回路の劣化や故障等により受光ユニットが正常に受光信号を出力しなくなる障害を確実に判断して対処可能とする。
(受光ユニットによる効果)
また、複数の受光ユニットの各々は、燃焼炎から放射される、CO共鳴放射帯域を含む所定波長帯域の光を選択透過させる光学波長フィルタと、光学波長フィルタを透過した光を受光素子で受光して光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力する1または複数の受光素子とを有する受光センサを備え、更に、受光センサからの電気信号から所定周波数帯域の信号成分を選択抽出する周波数選択部と、周波数選択部から出力する信号成分を増幅する増幅部とを備えることで、複数の光電ユニットの各々は、燃焼炎から放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長の放射線エネルギーの確実に光電変換して受光信号を出力することを可能とする。
また、受光センサ内に複数の受光素子を設けることで、例えば、複数の受光素子の受光特性の相違によるばらつきを、複数の受光素子で光電変換した受光出力の加算により抑制して揃えることを可能とする。
(2つの受光ユニット)
また、受光ユニットは、少なくとも2つ設けるようにすることで、判断部によって、2つの受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号の、相互の相関を炎判断の他の1要素とすることを可能とする。
(受光ユニットの光学波長フィルタ共用による効果)
また、各受光ユニットの光学波長フィルタは共用することで、光学波長フィルタと、受光素子を含む光電変換部を備えた受光センサの簡単にして小型化を図ることを可能とする。
(信号振幅の相関による炎判断の効果)
また、判断部は、各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とすることで、各受光ユニットが正常に動作していることを判断して、例えば複数の受光信号の加算信号から燃焼炎の有りを判断し検出することを可能とする。
(信号振幅の相関による障害判断の効果)
また、判断部は、各分割区間同士の信号積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、受光ユニットの障害判断の1要素とし、受光ユニットの障害を確実に判断可能とする。
(信号振幅の相関による炎判断詳細の効果)
また、判断部は、複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に分割した場合、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ時間区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣE1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合は、炎有り判断の1要素とするようにしたため、最初の時間区間の2つの受光信号E1,E2の振幅変化が概ね一致している相関を基準に、残りの時間区間の相関のずれを比較し、相関のずれが少ない場合は2つの受光ユニットが正常に動作しているとして、例えば複数の受光信号の加算信号から燃焼炎の有りを判断し検出することを可能とする。
(信号振幅の相関による障害判断詳細の効果)
また、判断部は、最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合は、受光ユニットの障害判断の1要素とすることで、最初の時間区間の2つの受光信号E1,E2の相関を基準に、残りの時間区間の相関のずれが大きい場合は、受光ユニットの障害判断の1要素とし、受光ユニットの障害を確実に判断可能とする。
(周波数分布の相関による炎判断の効果)
また、判断部は、各受光信号相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とすることで、各受光ユニットが正常に動作していることを判断して、例えば複数の受光信号の加算信号から燃焼炎の有りを判断し検出することを可能とする。
(周波数分布の相関による障害判断)
また、判断部は、区分された周波数帯同士の相対レベルの積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、受光ユニットの障害判断の1要素とすることで、受光ユニットの障害を確実に判断可能とする。
炎検出装置の実施形態を示したブロック図 図1の炎検出装置に適用される受光ユニットの概略構成を示した説明図 図2の受光センサの等価回路を示した回路図 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットの各々から出力される受光信号を示した信号波形図 2つの受光信号の振幅変化の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャート 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニットの各々から出力される受光信号の周波数分布を示した説明図 2つの受光信号の周波数分布の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャート 受光ユニットに設けた複数の受光素子からの受光信号を加算する炎検出装置の実施形態を示したブロック図 図8の受光センサの等価回路を示した回路図 トンネル内に設置して火災を監視する2波長方式としての炎検出装置の他の実施形態を示したブロック図 図10の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長にお ける透過率を示した特性図 トンネル内に設置する炎検出装置の外観を示した説明図 炎検出装置のトンネル内での設置形態と検出エリアの拡がりを示した特性図 燃焼炎と、その他の代表的な放射体の放射線スペクトルを示した特性図
[炎検出装置の概要]
図1は本発明に係る炎検出装置の実施形態を機能構成により示したブロック図、図2は図1の炎検出装置に適用される受光ユニットの概略構成を示した説明図、図3は図2の受光センサの等価回路を示した回路図である。
図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10は、監視領域に存在する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測するものであり、大別して、燃焼炎からCO共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測して光電変換による受光信号E1,E2を出力する2組の受光ユニット12a,12bと、受光ユニット12a,12bが出力する受光信号E1,E2を加算した受光信号E3(=E1+E2)と、2組の受光ユニット12a,12bで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部15とを備える。
なお、本実施形態では、受光ユニット12a,12bからの受光信号E1,E2を最終的に加算アンプ32で加算して判断部15に入力し、また、加算アンプ32を設けたことで、受光信号E1,E2をアンプ30a,30bで2倍増幅して判断部15に入力している。
(受光ユニットと加算アンプの構成)
受光ユニット12a,12bは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯域を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光センサ16a,16bと、受光センサ16a,16bから出力される各受光信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ24a、24bと、前置フィルタ24a、24bを通過した信号成分を初段増幅するプリアンプ26a、26bと、プリアンプ26a、26bからの出力を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅して受光信号E1,E2を出力するメインアンプ28a、28bとで構成される。
ここで、受光センサ16a,16bは、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材を用いて共用する透光性窓18、光学波長フィルタ20a,20a、及び焦電型の受光素子22a,22bを備えている。
受光ユニット12a,12bからアンプ30a,30bを介して出力された受光信号E1、受光信号E2、及び加算アンプ32からの加算信号は、判断部15に設けたA/D変換ポート35a,35b,35cによりデジタル受光信号に変換して読み込まれ、後述する炎判断が実行される。以下、各構成について具体的に説明する。
(受光センサ16a,16b)
受光ユニット12aに設けた受光センサ16aは、光学波長フィルタ20a、受光素子22a及び共用する透光性窓18で構成される。光学波長フィルタ20aは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される概ね4.5μmの波長帯域を含む所定帯域の光のみを高い透過率で透過する光学式のバンドパスフィルタであって、例えば、4.5μmを含み且つ、後述する他の波長帯域を含まない、所定帯域の光を選択透過する。受光素子22aは焦電体とFETによる光電変換機能を備え、光学波長フィルタ20bを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する。
具体的には、図2に示すように、受光センサ16aは、基板36aの表面に配置された複数の焦電体25と基板36aの裏面に配置されたFET27を備えた受光素子22aと、基板36aを基部38a上に支持するための基板搭載部40aと、基板搭載部40a側の背面側から端子42aが延在して設けられた基部38aと、受光素子22aの前方に狭帯域バンドパスフィルタである光学波長フィルタ20aを備えたカバー部材44aとからなるパッケージ化された構成を有している。
また、受光素子22aの等価回路は、図3に示すように、FET27のゲートから例えば焦電体25と高抵抗29の並列回路を介してゲート端子Gに接続し、またFET27のドレインとソースをそれぞれドレイン端子Dとソース端子Sに接続している。
また、受光センサ16bも、図2及び図3に示した受光センサ16aと同様であり、4.5μmの波長帯域を含む所定帯域の放射線を選択透過する光学波長フィルタ20bと、光学波長フィルタ20bを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する複数の焦電体25とFET27による光電変換機能を備えた受光素子22bとを備えている。
また、受光センサ16a,16bは、本体カバー46内に設けられた共通の取り付け部材48上に、互いに近接して所定の配列で配置されている。
ここで、光学波長フィルタ20a、20bは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、サファイア等の基板上に、公知の方法でそれぞれ形成することができる。
(透光性窓18)
透光性窓18は、受光センサ16a、16bが収納された本体カバー46の監視エリア側に相当する上面側であって、受光センサ16a、16bの前面側に設けた所定の開口部に配置し、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため受光素子22a、22bは、各々の受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、略同一の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。
ここで、透光性窓48を構成するサファイアガラスは、概ね7.0μm付近以下の波長帯域の放射線を良好に透過するショートウェーブパス特性、換言すれば、概ね7.0μm付近より長波長の放射線を遮断するロングウェーブカット特性を有するフィルタ部材として機能する。また、本実施形態にあっては、透光性窓18は共用部材として、受光センサ16a,16bに含まれるものとして説明する。
(前置フィルタ24a、24b)
前置フィルタ24a、24bは、周波数選択部として機能し、受光センサ16a,16bの受光素子22a、22bの各々から出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26a、26bに特定の周波数帯域の信号成分を含む受光信号を出力する。
(プリアンプ26a、26bとメインアンプ28a、28b)
プリアンプ26a、26bは、前置フィルタ24a、24bを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a,28bは、プリアンプ26a、26bからの各受光信号を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅し、受光信号E1,E2として出力する。
(加算アンプ32)
加算アンプ32は、受光ユニット12a,12bのメインアンプ28a,28bからの電流出力となる受光信号E1,E2を入力して電流加算した後に、後段の判断部15に設けたA/D変換ポート35cの入力に適した電圧レベルの加算信号に変換して出力する。
(A/D変換ポート35a,35b,35c)
A/D変換ポート35a、35b,35cは判断部15の入力ポートとして設けたA/D変換器であり、受光信号(アナログ受光信号)E1,E2及び加算信号を判断部15のデジタル処理に適したデジタル信号に変換して読み込む。
(判断部15)
判断部15は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、A/D変換ポート35a,35b,35cを含む各種の入出力ポート等を備えたマイクロプロセッサユニット(MPU)等で構成する。また、判断部15は、CPUによるプログラムの実行により炎判断と障害判断の制御機能を実現する。
判断部15は、受光ユニット12a,12bで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号E1,E2の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする制御を行う。
即ち、判断部15は、受光ユニット12a,12bで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号E1,E2の、相互の相関を求め、相互の相関が所定基準を充足する場合は、両信号に相関があり、したがって受光ユニット12a,12bは正常と判定して、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づき燃焼炎の有無を判断し検出する制御を行う。
また、判断部15は、同様にして求めた所定期間分の受光信号E1,E2の、相互の相関が所定基準を充足しない場合は、両信号に相関が無く、したがって受光ユニット12a,12bの(少なくとも一方について)障害ありとする判断の1要素とする制御を行う。ここで、判断部15が受光ユニット12a,12bの障害判断の1要素とする制御を行う場合、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく燃焼炎の有無を判断する制御は行わない。
(受光信号E1,E2の、相互の相関による炎判断と障害判断)
判断部15による受光ユニット12a,12bで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号E1,E2の、相互の相関を求めて行う炎判断と受光ユニット12a,12bの障害判断の詳細を説明すると次のようになる。
図4は燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニット12a,12bの各々から出力される受光信号を示した信号波形図である。
図4に示す受信信号E1,E2(実際には受光信号2・E1と受光信号2・E2)の信号波形は、判断部15に設けたA/D変換ポート35a,35bで、各受光信号E1,E2を例えば64Hzでサンプリングしてデジタル受光信号に変換し、1回の相関演算の対象として所定期間T=2秒の受光信号E1,E2をバッファメモリに一時的に記憶した状態を、アナログ波形として示している。
判断部15は、所定期間T=2秒を、例えば500ミリ秒の4つの時間区間T1,T2,T3,T4に分割し、受光信号E1,E2の中点となる基準電位からのプラス及びマイナス側の振幅との差分の絶対値となる積分値として、受光信号E1について、各時間区間T1〜T4の積分値ΣE11,ΣE12,ΣE13,ΣE14を求め、また、受光信号E2について、各時間区間T1〜T4の積分値ΣE21,ΣE22,ΣE23,ΣE24を求める。
次いで、判断部15は、同じ時間区間T1〜T4同士の各々について、受光信号E1の信号積分値ΣE11,ΣE12,ΣE13,ΣE14と、受光信号E2の積分値ΣE21ΣE22,ΣE23,ΣE24の比R1,R2,R3,R4を、
R1=ΣE11/ΣE21 式(1)
R2=ΣE12/ΣE22 式(2)
R3=ΣE13/ΣE23 式(3)
R4=ΣE14/ΣE24 式(4)
として求め、これを受光信号E1,E2の、相互の相関とする。
この相互の相関を与える受光信号E1,E2の時間区間T1〜T4における積分値の比R1,R2,R3,R4は、その値が1の場合に受光信号E1,E2の振幅が完全に一致しており、一方、1より小さくなったり、大きくなったりすると、受光信号E1,E2の振幅が不一致の度合いが大きくなることを意味する。
このため受光信号E1,E2の相互の相関を判断するため、判断部15は、最初の時間区間T1の積分値の比R1に基づき、下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲を設定する。
判断部15は、下限閾値TH1及び上限閾値Th2を、最初の時間区間T1の比R1に対し例えば±10%の上限と下限の閾値TH1、TH2を、TH1=0.9・R1、TH2=1.1・R1として炎判定閾範囲を設定する。これを一般的に表現すると、最初の区間T1の信号積分値の比R1に、1未満の所定の定数αを乗じて下限閾値TH1(=α・R1)を設定すると共に、1を超える所定の定数βを乗じて上限閾値TH2(=β・R1)を設定ことを意味し、係数α,βの値は必要に応じて適宜の値が設定可能である。
このように下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲を設定した場合、判断部15は、次の条件の成立の有無を判定する。
0.9R1≦R2≦1.1R1 式(5)
0.9R1≦R3≦1.1R1 式(6)
0.9R1≦R4≦1.1R1 式(7)
判断部15は、前記式(5)〜(7)の全ての条件の成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の信号積分値の比R1に対し、残りの時間区間T2〜T4の全ての信号積分値の比R2〜R4が所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光信号E1,E2の振幅が概ね一致して受光ユニット12a,12bは正常に機能としていることから炎有りの判断の1要素とし、例えば受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を許容する。
この場合の受光信号E3による炎判断として、判断部15は、例えば受光信号E3から高速フーリエ変換(FFT)等の演算方法により周波数分布を求め、炎固有のゆらぎ周波数を含む例えば8Hz以下の周波数分布の積分値を求め、この積分値が所定の閾値以上の場合に、炎の可能性ありと判断し、更に他の炎判断の要素を考慮して炎と判断する処理を行う。
また、判断部15は、前記式(5)〜(7)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間T2〜T4の信号積分値の比R2〜R4の少なくとも1つが所定の炎判定閾範囲を外れた場合、換言すると、所定の障害判定閾範囲内にある場合は、受光ユニット12a,12bの障害判断の1要素とし、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を抑止し、他の条件と合わせて受光ユニット12a又は12bの障害の可能性を判定する。例えば、相互の相関に基づく受光ユニット12a,12bの障害判定が所定回数又は所定時間連続した場合に、受光ユニット12a,12bの障害を判定する。
(一般化した相互の相関の判断)
ここで、所定期間Tを分割する区間数iをi=1〜nと一般化し、また受光信号をE1〜Emと一般化すると、判断部15は、所定期間Tを、区間T1〜Tnに分割し、受光信号E1,Emの中点となる基準電位に対する差分の絶対値を積算した値(振幅積分値)として、受光信号E1について、各時間区間T1〜Tnの積分値ΣE11〜ΣE1nを求め、また、受光信号Emについて、各時間区間T1〜Tの積分値ΣEm1〜ΣEmを求め、更に、両者の比R1〜Rを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、これを受光信号E1,Emの、相互の相関とする。
次いで、前述と同様にして下限閾値TH1と上限閾値TH2を設定した場合、判断部15は、次の炎判定閾範囲内となる条件の成立の有無を判定する。
0.9R1≦R2≦1.1R1〜0.9R1≦Rn≦1.1R1
この炎判定閾範囲内となる条件の成立を判定した場合、受光信号E1,E2の振幅か概ね一致して受光ユニット12a,12bは正常に機能としていることから炎有りの判断の1要素とし、例えば受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を許容する。
また、判断部15は、炎判定閾範囲外となる少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、所定の障害判定閾範囲内にあると判定した場合は、受光ユニット12a,12bの障害判断の1要素とし、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を抑止し、他の条件と合わせて受光ユニット12a又は12bの障害の可能性を判断する。
(炎判断の処理動作)
図5は2つの受光信号の振幅変化の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャートである。
(ステップS1)
まず、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力する受光信号E1,E2を、所定サンプリング周期でA/D変換ポート35a、35bを介して所定時間T、例えばT=2秒に亘り取り込み、バッファメモリに一時的に記憶する。
(ステップS2)
次いで、判断部15は、ステップS1で取り込んだ所定期間Tの受光信号E1,E2を4つの時間区間T1,T2,T3,T4に分割し、各分割区間T1〜T4の受光信号E1の信号振幅の積分値ΣE11,ΣE12,ΣE13,ΣE14と、受光信号E2の積分値ΣE21,ΣE22,ΣE23,ΣE24を算出する。
なお、ステップS2以降の処理は、判断部15がA/D変換ポート35cから取り込んでいる受光信号E1,E2を加算した受光信号E3の信号レベルが所定の閾値以上となった場合に実行することが望ましい。
(ステップS3)
次いで、判断部15は、ステップS2で算出した受光信号E1,E2の各分割区間T1〜T4の積分値の比R1,R2,R3,R4を前記式(1)〜(4)により算出する。
(ステップS4)
次いで、判断部15は、最初の時間区間T1の積分値の比R1に基づき、下限閾値TH1と上限閾値TH2を、例えばTH1=0.9・R1、TH2=1.1・R1とした炎判定閾範囲を設定する。
(ステップS5)
次いで、判断部15は、ステップS3で算出した受光信号E1,E2の最初の時間区間T1に続く残りの時間区間T2〜T4の積分値の比R2,R3,R4が前記式(5)〜(7)により下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲内か否か判定する。
(ステップS6、S7)
次いで、判断部15は、ステップS6で前記式(5)〜(7)の全ての条件が成立することで、時間区間T2〜T4の積分値の比R2,R3,R4が全て炎判定閾範囲内にあることを判定した場合に、受光信号E1,E2の振幅が概ね一致して受光ユニット12a,12bは正常に機能していることから炎判断の1要素と判断し、ステップS7に進んで受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を許容する。
(ステップS6、S8)
一方、判断部15は、ステップS6で前記式(5)〜(7)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、TH1=0.9・R1、TH2=1.1・R1とした炎判定閾範囲外にあることを判定した場合(TH1=0.9・R1未満で且つTH2=1.1・R1より大きい障害判定閾範囲内にあることを判定した場合)、受光ユニット12a,12bの障害を判定する要素の1つと判断し、ステップS8に進んで、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を抑止し、他の障害要素と合わせて受光ユニット12a又は12bの障害を判断する。
[受光信号E1,E2の周波数分布の、相互の相関による判断]
(判断部15の概要)
図1に示した判断部15の他の実施形態として、受光信号E1,E2の周波数分布から相互の相関を求めて炎判断と受光ユニット12a,12bの障害判断を行うことができる。
この場合、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力された受光信号E1,E2の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割して、各分割区間の受光信号から所定範囲の周波数の相対レベル分布(周波数分布)を求め、各分割区間同士の周波数の相対レベル分布の積分値の比が全て所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とする。
また、判断部15は、各分割区間同時の区分された周波数の相対レベル分布の積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、受光ユニット12a,12bの障害判断の1要素とする。
(判断部の周波数分布の相互相関に基づく炎判断と障害判断)
図6は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニット12a,12bの各々から出力される受光信号E1,E2の周波数分布を示した説明図である。
図6に示すように、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを周波数軸で観測すると、概ね8Hzよりも低周波側に高い出力レベルを示す周波数特性が得られることから、実質的な炎のちらつき周波数が8Hzまでの周波数帯域に存在し、8Hzを超える例えば16Hzまでの高周波側は低いレベルを示す。このため、受光信号E1,E2の周波数分布の相互の相関は、例えば8Hzまでの範囲となる低周波側の周波数分布の相関を判断すれば良い。
まず、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力された所定期間T=2秒の受光信号E1,E2をA/D変換してバッファメモリに記憶し、例えば500ミリ秒の4つの時間区間T1,T2,T3,T4に分割し、各時間区間T1〜T4の受光信号E1,E2をそれぞれ高速フーリエ変換(FFT)して、各時間区間での周波数の相対レベル分布を求める。
続いて、判断部15は、受光信号E1の各区間T1〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値Σf11,Σf12,Σf13,Σf14を求め、また、受光信号E2についても、各区間T1〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値Σf21,Σf22,Σf23,Σf24を求める。
次いで、判断部15は、同じ時間区間T1〜T4の各々について、受光信号E1の周波数分布の積分値Σf11,Σf12,Σf13,Σf14と、受光信号E2の周波数分布の積分値Σf21Σf22,Σf23,Σf24との比Rf1,Rf2,Rf3,Rf4を、
Rf1=Σf11/Σf21 式(8)
Rf2=Σf12/Σf22 式(9)
Rf3=Σf13/Σf23 式(10)
Rf4=Σf14/Σf24 式(11)
として求め、これを受光信号E1,E2の、周波数分布の相互の相関とする。
この相互の相関を与える受光信号E1,E2の時間区間T1〜T4における周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1,Rf2,Rf3,Rf4は、その値が1の場合に受光信号E1,E2の周波数の相対レベル分布が完全に一致しており、一方、1より小さくなったり、大きくなったりすると、受光信号E1,E2の周波数の相対レベル分布が不一致の度合いが大きくなることを意味する。
このため受光信号E1,E2の周波数の相対レベル分布の相互の相関を判断するため、判断部15は、最初の時間区間T1の積分値の比Rf1に基づき、下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲を設定する。
判断部15は、下限閾値THf1及び上限閾値THf2を、最初の時間区間T1の比Rf1に対し例えば±10%の炎判定閾範囲とし、THf1=0.9・Rf1、THf2=1.1・Rf1に設定する。
このように下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲を設定した場合、判断部15は、次の条件の成立の有無を判定する。
0.9Rf1≦Rf2≦1.1Rf1 式(12)
0.9Rf1≦Rf3≦1.1Rf1 式(13)
0.9Rf1≦Rf4≦1.1Rf1 式(14)
判断部15は、前記式(12)〜(14)の全ての条件の成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1に対し、残りの時間区間T2〜T4の全ての周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf2〜Rf4が所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光信号E1,E2の周波数分布が概ね一致して受光ユニット12a,12bは正常に機能としていることから炎有りの判断の1要素とし、例えば受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を許容する。
また、判断部15は、前記式(12)〜(14)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の周波数分布の積分値の比Rf1に対し残りの時間区間T2〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf2〜Rf4の少なくとも1つが所定の炎判定閾範囲を外れた場合、換言すると、所定の障害判定閾範囲内にある場合は、受光ユニット12a,12bの障害判断の1要素とする。
(周波数分布の相関に基づく炎判断と障害判断の処理動作)
図7は2つの受光信号の周波数分布の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャートである。
(ステップS11)
まず、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力する受光信号E1,E2(実際には受光信号2・E1と受光信号2・E2)を、所定サンプリング周期でA/D変換ポート35a、35bを介して所定時間T、例えばT=2秒に亘り取り込み、バッファメモリに一時的に記憶する。
(ステップS12)
次いで、判断部15は、ステップS11で取り込んだ所定期間Tの受光信号E1,E2を4区間T1,T2,T3,T4に分割し、各区間T1〜T4の受光信号E1を高速フーリエ変換して8Hz以下の周波数範囲における相対レベル分布の積分値Σf11,Σf12,Σf13,Σf14と、受光信号E2について、高速フーリエ変換して8Hz以下の周波数範囲における相対レベルの積積分値Σf21,Σf22,Σf23,Σf24を算出する。
なお、ステップS12以降の処理は、判断部15がA/D変換ポート35cから取り込んでいる受光信号E1,E2を加算した受光信号E3の信号レベルが所定の閾値以上となった場合に実行することが望ましい。
(ステップS13)
次いで、判断部15は、ステップS12で算出した受光信号E1,E2の各区間T1〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1,Rf2,Rf3,Rf4を前記式(8)〜(11)により算出する。
(ステップS14)
次いで、判断部15は、最初の区間T1の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1に基づき、下限閾値THf1と上限閾値THf2を、例えばTHf1=0.9・Rf1、THf2=1.1・Rf1に設定する。
(ステップS15)
次いで、判断部15は、ステップS13で算出した受光信号E1,E2の最初の区間T1に続く残り区間T2〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf2,Rf3,Rf4を前記式(12)〜(14)により下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲内となるか否か判定する。
(ステップS16、S17)
次いで、判断部15は、ステップS16で前記式(12)〜(14)の全ての条件が成立することで炎判定閾範囲内にあることを判定した場合、受光信号E1,E2の周波数分布か概ね一致して受光ユニット12a,12bは正常に機能としていることから炎判断の1要素と判定し、ステップS17に進んで、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を許容する。
(ステップS16、S18)
一方、判断部15は、ステップS16で前記式(12)〜(14)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、THf1=0.9・Rf1、THf2=1.1・Rf1とした炎判定閾範囲外にあることを判定した場合(THf1=0.9・Rf1未満又はTHf2=1.1・Rf1より大きい障害判定閾範囲内にあることを判定した場合)、受光ユニット12a,12bの障害を判定する要素の1つと判断し、ステップS18に進んで、受光信号E1,E2を加算した受光信号E3に基づく炎判断を抑止し、他の障害要素と合わせて受光ユニット12a又は12bの障害を判断する。
[複数の受光素子を備えた受光ユニットの実施形態]
図8は受光ユニットに設けた複数の受光素子からの受光信号を加算する炎検出装置の他の実施形態による機能構成を示したブロック図である。
図8に示すように、本実施形態の受光ユニット12a,12bに設けた受光センサ16a,16bは、4つの受光素子22a,22bを各々備えている。受光素子22a,22bは、図2に示したカバー部材44a,44bの内部に配置した基板36a,36bの表側に例えば4個の焦電体25を配置し、図9の受光センサ16aの等価回路に示すように、焦電体25、高抵抗29及びFET27で構成した4つの受光素子22aを設け、各FET27のドレインとゲートをそれぞれドレイン端子Dとゲート端子Gに共通接続し、各FET27のソースはソース端子S1〜S4に個別に接続している。
4つの受光素子22a,22bの出力は4つの前置フィルタ24a,24bを通過した後に、電流出力となる4つの受光信号を加算(電流加算)してプリアンプ26a,26bに入力している。
ここで、4つの受光素子22a,22bからの受光出力は、4つの前置フィルタ24a,24bを通過した後に受光電流を加算してプリアンプ26a,26bに入力していることから、ランダムなノイズ成分については電流加算による増加はほとんどなく、燃焼炎からCO共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを光電変換した信号成分の電流加算となり、S/N比を低下させることなく、1つの受光素子による受光出力の概ね4倍に相当する受光電流としての受光信号を生成可能とする。
このように光学ユニット12a,12bは、受光する燃焼炎から放射された放射線エネルギーが微弱であっても、4つの受光素子22a,22bで光電変換した受光信号を加算することで、受光ユニット12a,12はS/N比を低下することなく十分なレベルをもつ受光信号E1,E2を出力可能となり、炎検出エリアを大幅に拡大可能とする。
なお、プリアンプ26a,26bから判断部15までの構成及び機能は、図1の実施形態の場合と同様になることから、その説明を省略する。
また、受光センサ16a,16bに設ける受光素子22a,22bの数は必要に応じて適宜に定めることができる。また、受光センサ16a,16bに設ける受光素子22a,22bの数は同数としても良いし、その数を異ならせるようにしても良い。
[トンネル用炎検出装置]
次に、図1の実施形態に示した炎検出装置の構成を、トンネル用の炎検出装置に適用した場合の実施形態について説明する。
(2波長式の炎検出装置)
図10はトンネル内に設置して炎を監視する2波長方式として炎検出装置の他の実施形態を示したブロック図である。
図10に示すように、受光ユニット12a,12bは、図1の実施形態と同じであり、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測した受光信号E1,E2を出力し、加算アンプ32で受光信号E1,E2を加算した受光信号E3出力すると共に受光信号E3のレベルに合せるように受光信号E1,E2を2倍に増幅して出力し、それぞれ判断部15に設けたA/D変換ポート35a〜35cの各々でデジタル受光信号に変換して取り込んでいる。
(受光ユニット12c)
受光ユニット12cは、受光センサ16a,16bとは異なる所定の波長帯域を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光センサ16cを備える。即ち、光ユニット16a,16bは、燃焼炎からCO共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E1,E2を出力するのに対し、受光ユニット12cは、概ね5.0μm〜7.0μmの波長帯域の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E4を出力する。
また、受光ユニット12cは、受光センサ16cに続いて、受光センサ16cから出力される受光信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ24cと、前置フィルタ24cを通過した信号成分を初段増幅するプリアンプ26cと、プリアンプ26cからの出力を増幅するメインアンプ28cとで構成される。受光ユニット12cのメインアンプ28cから出力された受光信号E4は、アンプ30cにより2倍の電圧レベルに増幅され、判断部15のA/D変換ポート35dによりデジタル受光信号に変換して読み込まれ、炎の判断処理に用いられる。
(受光センサ16cの構成)
受光センサ16cは、概ね5.0μmを超える所定の波長帯域の放射線を良好に透過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィルタである光学波長フィルタ20cと、光学波長フィルタ20cを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する図3の等価回路でなる受光素子22cを備え、図2に示したと同様な構造により、パッケージ化された構成を有し、光学ユニット12a,12bの受光センサ16a,16bと共に、本体カバー46内に設けられた共通の取り付け部材48上に、互いに近接して所定の配列で配置している。
(透光性窓18)
透光性窓18は、図2に示した受光センサ16a,16bと共に受光センサ16cが収納された本体カバー46の監視エリア側となる前面側に設けられた所定の開口部に配置され、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成され、受光センサ16a,16b、16cの受光素子22a,22b,22cは、各々の受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、略同一の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。
(受光センサ16a〜16cの波長透過特性)
図11は、図10の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
図11に示すように、図10の透光性窓18であるサファイアガラスにより、概ね7.0μm付近以下の放射線が良好に透過するショートウェーブパス特性(又は、ロングウェーブカット特性)を有する透過率特性50が得られるとともに、光学波長フィルタ20a,20bを構成する、概ね4.5μm付近を中心波長とするバンドパスフィルタにより、当該中心波長近傍の波長帯域の放射線エネルギーを高い透過率で透過する透過率特性52が得られ、これらの組合せにより、概ね4.5μm付近を中心波長とする中心波長透過率が高い合成特性54をもつ狭帯域バンドパスフィルタが構成される。
一方、透光性窓18であるサファイアガラスにより、概ね7.0μm付近以下の放射線エネルギーが良好に透過するショートウェーブパス特性を有する透過率特性50が得られると共に、光学波長フィルタ20cを構成するロングパスフィルタにより、概ね5.0μm付近を超える所定の波長帯域の放射線エネルギーを良好に透過するカットオンフィルタ特性を有する透過率特性56が得られ、これらの組合せにより、概ね5.0μm〜7.0μmの波長帯域の放射線エネルギーを高い透過率で透過する合成特性58をもつ広帯域バンドパスフィルタが構成される。
ここで、透光性窓18及び光学波長フィルタ20a,20bの透過率特性の合成特性54、並びに、透光性窓材18及び光学波長フィルタ20cの透過率特性の合成特性58の中心波長の透過率は、合成特性54の中心波長透過率が、合成特性58の中心波長透過率に対して、およそ数倍程度大きい。しかし、合成特性54は狭帯域バンドパスフィルタであるので、その透過帯域は、広帯域バンドフィルタである合成特性58に比べ、数分の1程度である。
(2波長方式による炎判断)
判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力される受光信号E1,E2(実際には受光信号2・E1と受光信号2・E2)の所定期間の、相互の相関から炎有りの1要素を判断した場合、加算した受光信号E3および受光ユニット12cから出力した受光信号E4を、A/D変換ポート35c,35dを介して所定時間取り込み、受光信号E3,E4毎に信号振幅の時間積分処理を行い、積分値ΣE3,ΣE4を算出する。ここで、積分値ΣE3,ΣE4は、便宜上、炎積分値ΣE3,非炎積分値ΣE4として区別する。
次いで、判断部15は、炎積分値ΣE3が、予め設定された基準レベル以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、炎積分値ΣE3が基準レベルを超えた場合には、非炎積分値ΣE4との相対比(ΣE3/ΣE4)を算出し、相対比(ΣE3/ΣE4)が、予め設定された閾値を超えた場合は、炎と判定して炎判断の1要素とし、閾値以下の場合には、例えば、人体や車両等の炎以外の比較的低温の放射線源による受光出力があったものとして、炎判断は抑止して行わない。
なお、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力される受光信号E1,E2の所定期間の、相互の相関から炎有理の1要素を判断した場合、図1の実施形態に示したように、A/D変換ポート35cを介して所定時間取り込んだ、加算した受光信号E3の高速フーリエ変換による8Hz以下の周波数帯域の周波数分布を他の1要素とし、複数の要素に基づく複合的な炎判断を行う。
(トンネル用炎検出装置の外観と検知エリア)
図12は、図10の機能構成を備えたトンネル用の炎検出装置の外観を示した説明図であり、図10に示した機能構成を2系統組み込んでいる。
図12に示すように、炎検出装置10は、筐体60の上部に設けられたセンサ収納部62に透光性窓64a、64b(図10の透光性窓18に相当)を設け、透光性窓64a,64b内の各々に、図10に示した光学ユニット12a〜12cの受光センサ16a〜16cを配置している。また、透光性窓64a、64bの近傍の内部の受光素子を見渡せる位置に、個別の試験ランプを収納した試験光源用透光窓66a、66bを設けている。
このような構成を有する炎検出装置10のトンネル内への設置は、図13に示すように、例えば、トンネル内部下方の一方の壁面68の概ね、路面から2.5m程度の高さに、トンネルの長手方向に沿って例えば50メートル間隔で設置している。
炎検出装置10の検知エリアは、図13に示すように、トンネル長手方向及び横方向に所定の広がりを有する検知エリア70a,70bが設定される。ここで、図10に示した燃焼炎から放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測して受光信号E1,E2を出力する受光ユニット12a,12bは、高い検出感度の設定により、遠方監視特性に優れた広い検知エリア70a,70bを設定している。
一方、概ね5.0μm〜7.0μmの波長帯域の放射線エネルギーを観測する光学ユニット12cは、低い検出感度の設定により、検知エリア70a,70bの中の比較的近距離側となる炎検出装置10の近傍の前方領域を含む検知エリア72a,72bを設定している。
なお、図13で検知エリア70a,70b及び、72a,72bを平面的に示しているが、実際には、3次元的な広がりを有する検知エリアを設定している。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比から燃焼炎の有無を判定しているが、本発明は、信号積分値の比に限定されず、各受光信号の相関係数等の適宜の値による相互の相関から燃焼炎の有無を判定しても良い。
上記の実施形態は、トンネル用の2波長方式の炎検出装置として、燃焼炎のCOの共鳴放射帯である4.4〜4.5μm付近の波長帯域と、5.0μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを観測して炎を判定しているが、4.4〜4.5μm付近の波長帯域と、3.8μm付近の波長帯域における各々の放射線エネルギーを観測して炎を判定するようにしても良い。
また、2波長に加え、燃焼炎のCOの共鳴放射帯である4.4〜4.5μm帯の短波長側の、例えば、3.8μm付近の波長帯域における放射線エネルギーを、2波長式と同様の手法で検出し、これらの3波長帯域における受光信号の相対比によって炎の有無を判定する3波長式の炎検出装置としても良い。
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:炎検出装置
12a,12b,12c:受光ユニット
15:判断部
16a,16b,16c:受光センサ
18:透光性窓
20a,20b,20c:光学波長フィルタ
22a,22b,22c:受光素子
24a,24b,24c:前置フィルタ
25:焦電体
26a,26b,26c:プリアンプ
27:FET
28a,28b,28c:メインアンプ
30a,30b:アンプ
32:加算アンプ
35a,35b,35c,35d:A/D変換ポート

Claims (8)

  1. 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
    放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
    前記複数の受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とすると共に、前記各受光信号の相互の相関が低い場合には、前記複数の受光ユニットの少なくとも1つが障害ありと判断する1要素とする判断部と、
    を備え
    前記判断部は、前記各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比に基づいて判定することを特徴とする炎検出装置。
  2. 請求項記載の炎検出装置に於いて、前記判断部は、前記各分割区間同士の信号積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合炎有り判断の1要素とする。
  3. 請求項記載の炎検出装置に於いて、前記判断部は、前記各分割区間同士の信号積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、前記受光ユニットの障害判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
  4. 請求項1記載の炎検出装置に於いて、
    前記判断部は、
    前記複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に分割した場合、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ時間区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣE1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
    R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
    として求め、
    最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合は、炎有り判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
  5. 請求項記載の炎検出装置に於いて
    前記判断部は
    前記複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に分割した場合、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ時間区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣEm1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
    R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
    として求め、
    最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合は、前記受光ユニットの障害判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
  6. 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
    放射線エネルギーのうち、同一の波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
    前記複数の受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とすると共に、前記各受光信号の相互の相関が低い場合には、前記複数の受光ユニットの少なくとも1つが障害ありと判断する1要素とする判断部と、
    を備え、
    前記判断部は、前記各受光信号相互の相関を、所定期間分の各受光信号から求めたそれぞれの周波数分布を比較して判定することを特徴とする炎検出装置。
  7. 請求項記載の炎検出装置に於いて、前記判断部は、
    前記所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、
    各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
  8. 請求項記載の炎検出装置に於いて、前記判断部は
    前記所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、
    各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の少なくとも1つが所定の障害判定閾範囲内にある場合、前記受光ユニットの障害判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
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