JP3867965B2 - 炎検知器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炎検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル内に設置されている従来の炎検知器は、受光ガラスの外部に設けられている汚れ検出用発光素子を発光させ、受光ガラスの内側に配置されている汚れ検出用受光素子が上記発光を受光し、上記受光出力信号Vと、受光ガラスが汚れていない状態における初期受光出力信号V0とに基づいて、受光ガラスの光学的減光率DL(=1−V/V0)を算出する。そして、上記算出された受光ガラスの光学的減光率DLに基づいて、上記受光ガラスの汚れ量を把握している。上記受光ガラスの光学的減光率が所定のレベル(汚れレベルDS)以上になると、炎検知器を清掃する。
【0003】
上記汚れ検出用受光素子による受光は、汚れ検出用受光素子と狭帯域フィルタと増幅回路と平滑化回路とによって構成されている受光回路によって、所定の周波数(たとえば500Hz)付近を受光中心周波数として受光出力を得る。
【0004】
また、汚れ検出用発光素子による発光は、汚れ検出用発光素子と発光回路とによって構成されている試験回路によって、その発光中心周波数を、受光回路の受光中心周波数(たとえば500Hz)に固定し、発光する。これによって、受光ガラスの汚損検出試験時における外光の影響を除去するようにしている。
【0005】
つまり、数Hzの周波数成分の発光の太陽光、商用電源周波数(たとえば50Hz)の発光の照明灯等の発光を、たとえば500Hz付近を受光中心周波数とする狭帯域フィルタを用いることで、上記受光回路は除去でき、上記発光回路の発光成分のみの受光出力を得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、受光回路における増幅率の周波数特性を示す図である。
【0007】
しかし、上記従来例において、狭帯域フィルタの中心周波数(つまり受光回路の受光中心周波数)は、それを構成する電気部品の公差によって、図2に示すように、たとえば、500Hzになるように設計しても期待値通りにはならず、たとえば300Hz、800Hzというように、バラツキを持つ。このために、発光回路の中心周波数と受光回路の中心周波数とがずれ、この中心周波数のずれによって、受光回路の受光出力が減少する。
【0008】
ここで、狭帯域フィルタのバラツキを調整するためのハードウェアを設けると、コストが増加し、また、消費電流が増加するという問題がある。
【0009】
一方、受光ガラスの汚損検出精度を上げるには、S/Nを高くする必要があり、発光出力を上げることが考えられるが、このようにすると、中心周波数のずれの影響もあり、消費電流が大きく増加するという問題がある。
【0010】
本発明は、コストと消費電流とを増加せずに、受光ガラスの汚損検出精度を上げることができる炎検知器を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受光ガラスの外部に配置されている汚れ検出用発光素子が発光し、上記受光ガラスの内側に配置されている汚れ検出用受光素子が受光し、上記受光素子が受光した受光量に基づいて、上記受光ガラスの汚れ量を検出する炎検知器において、上記汚れ検出用発光素子が発光する光の中心周波数と、上記汚れ検出用受光素子の受光中心周波数とを整合させる周波数整合手段を有する炎検知器である。
【0012】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例である炎検知器FD1の構成を示すブロック図である。
【0013】
炎検知器FD1は、トンネルの壁面に設置され、受光ガラスG1と、太陽電池PD21、PD22と、焦電素子PE21、PE22とを有する。
【0014】
受光ガラスG1は、ラグビーボール状または半球状のガラスである。
【0015】
太陽電池PD21、PD22は、受光ガラスG1の内部に設けられた、火災検出用の短波長検出素子である。
【0016】
焦電素子PE21、PE22は、受光ガラスG1の内部に設けられた火災検出用の長波長検出素子である。
【0017】
太陽電池PD21と焦電素子PE21とは、右側火災検出部を構成している。また、太陽電池PD22と焦電素子PE22とは、左側火災検出部を構成している。
【0018】
右側火災検出部を構成する太陽電池PD21と焦電素子PE21とは、炎を検出する素子であり、焦電素子PE21の特性は、長波長側にピークを有し、太陽電池PD21の特性は、短波長側にピークを有する。そして、これらの出力の組み合わせによって、炎を検出する。
【0019】
左側火災検出部も、上記右側火災検出部と同様である。
【0020】
また、右側火災検出部用の汚れ検出用発光素子として、発光素子LED11が設けられ、発光素子LED11が、グローブG2の内部に設けられている。
【0021】
左側火災検出部用の汚れ検出用発光素子として、発光素子LED12が、設けられ、発光素子LED12が、グローブG3の内部に設けられている。
【0022】
また、右側火災検出部の汚れ検出用受光素子としての太陽電池PD11が、受光ガラスG1の内部に設けられている。さらに、左側火災検出部の汚れ検出用受光素子としての太陽電池PD12が、受光ガラスG1の内部に設けられている。
【0023】
発光素子LED11、LED12が発光し、上記発光を受光ガラスG1を介して、太陽電池PD11、PD12が受光し、上記受光量に基づいて、受光ガラスG1の汚れ量を検出する。
【0024】
受光ガラスG1が汚れていない状態における太陽電池PD11、PD12のそれぞれの初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)と、汚損検出試験時のそれぞれの出力信号V(PD11)、V(PD12)とによって、受光ガラスG1の汚れ量DL(=1−V/VO)が算出される。
【0025】
次に、炎検知器FD1の回路構成について説明する。
【0026】
炎検知器FD1は、受光ガラスG1と、グローブG2、G3と、太陽電池PD11、PD12、PD21、PD22と、焦電素子PE21、PE22と、発光素子LED11、LED12と、マイクロコンピュータMPUと、ROMと、RAMと、E2PROMと、送受信部と、定電圧部とを有する。
【0027】
また、各素子PD11、PD12、PD21、PD22、PE21、PE22に対して、狭帯域フィルタ、増幅部、平滑回路が設けられ、これらによってそれぞれ受光回路が構成されている。
【0028】
なお、素子PD21、PD22、PE21、PE22に対する狭帯域フィルタは、炎のゆらぎ(たとえば8Hz)周波数付近に、中心周波数を有し、素子PD11、PD12に対する狭帯域フィルタは、各素子の出力信号に含まれる外光の成分を除去するため、たとえば500Hz付近に、中心周波数を有する。発光素子LED11、LED12に対して発光回路が設けられ、これらによって試験回路を構成している。
【0029】
マイクロコンピュータMPUは、炎検知器FD1の全体の制御を行うものであり、A/D変換部、演算部、汚損検出部、火災判定部によって構成されている。ROMは、後述するフローチャートのプログラムの記憶領域である。RAMは、作業領域と記憶領域とである。E2PROMは、書き換え可能な記憶領域である。送受信部TRXは、防災受信機REとの間で、各種信号の送受信を行う。定電圧部は、各部に安定した電源を供給する。
【0030】
太陽電池PD11の出力信号から、狭帯域フィルタが、上記所定の周波数の信号成分を抽出し、この抽出された信号成分が、増幅部で増幅され、平滑回路で平滑化され、A/D変換部でA/D変換される。
【0031】
太陽電池PD12、PD21、PD22の出力信号、焦電素子PE21、PE22の出力信号についても、上記と同様である。
【0032】
発光素子LED11、LED12は、発光回路によって、太陽電池PD11、PD12の受光回路の受光中心周波数に整合して発光する。
【0033】
なお、図1に示すように、炎検知器FD1、炎検知器FD1と同様の炎検知器FD2、…、FDnと、防災受信機REとが、信号線および電源線等を含む配線Lを介して、各種信号の送受信を行うことによって、R型伝送方式のトンネル防災システムを構成する。
【0034】
次に、炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作について説明する。
【0035】
図3は、炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作を示すフローチャートである。
【0036】
なお、炎検知器FD1の動作のみについて説明するが、炎検知器FD2、…、FDnの動作も、炎検知器FD1の動作と同様である。
【0037】
まず、監視動作については、起動後、RAM等を初期設定(S1)した後に、設定入力がないので(S2)、汚損検出機能設定を行わず、監視動作を実行する(S3)。
【0038】
監視動作(S3)では、所定の検出周期のタイミングにおいて、太陽電池PD21、PD22、焦電素子PE21、PE22のそれぞれの出力信号V(PD21)、V(PD22)、V(PE21)、V(PE22)をサンプリングし、RAMに格納する。MPUは、これら出力信号の組み合わせ(右側火災検出部は、V(PD21)と、V(PE21)との組み合わせ、左側火災検出部は、V(PD22)とV(PE22)との組み合わせ)に基づいて、炎を検出した場合は、防災受信機REからの要求に従い、火災信号やこれら出力信号を送信する。
【0039】
また、所定の汚損検出周期のタイミングにおいて、発光素子LED11、LED12を発光させ、上記発光を太陽電池PD11、PD12が受光し、この出力信号V(PD11)、V(PD12)を、RAMに格納し、E2PROMに格納された受光ガラスG1が汚れていない状態における初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)を読み出し、受光ガラスG1の光学的減光率DL(=1−V(PD11)/V0(PD11)、1−V(PD12)/V0(PD12))を算出し、上記受光ガラスの光学的減光率DLが、所定のレベル(汚れレベルDS)以上であれば、防災受信機REからの要求に基づいて、汚れ検知信号や、これら出力信号を送信する。
【0040】
次に、汚損検出機能設定(S4)について説明する。
【0041】
汚損検出機能設定は、起動後、RAM等を初期設定(S1)した後に、設定入力あり(S2)のときに実行する。たとえば、炎検知器FD1に設けられた図示しない設定用スイッチを、起動時にオンすることで、設定入力あり(S2)と判断する。
【0042】
図4は、上記実施例における汚損検出機能設定(S4)を、具体的に示すフローチャートである。
【0043】
なお、以下の説明において、発光回路の発光中心周波数(発光周波数)を300〜800Hzまで所定周波数、たとえば2Hzづつずらして発光させ、そのときの受光回路の出力信号が最大となる周波数、つまり、受光回路の受光中心周波数に、発光回路の発光中心周波数を合わせるものとする。
【0044】
つまり、発光周波数f=300〜800Hz、最小発光周波数f0=300Hz、発光回数N=251、発光周波数間隔△f=2Hzで、マイクロコンピュータMPUが、発光回路に対して、オン、オフ時間を制御する出力を行うことによって、発光中心周波数を可変することができる。
【0045】
まず、発光回数N=0とし、発光素子LED11側の発光回路の発光周波数fをf0(=300Hz)に設定し(S11)、発光素子LED11を発光させ(S12)、太陽電池PD11が受光し、受光出力信号Vrの値をRAMに格納する(S13)。
【0046】
そして、N=N+1とし、発光周波数fを、△f(=2Hz)だけずらし、f→f0+Δfに設定し(S14)、発光回数N≦250であれば、ステップS12に戻り、発光し、N>250であれば(N=251のとき、f=800Hz)、ステップS16へ進む(S15)。
【0047】
S16では、受光出力信号Vrが最大であるときにおける発光周波数fを、発光素子LED11側の発光回路の発光周波数Frに設定し、E2PROMに格納する(S16)。
【0048】
次に、太陽電池PD11の受光回路の出力信号が規定値になるように、発光周波数が周波数Frに設定された発光素子LED11側の発光回路の発光電流Irを調整し、E2PROMに格納する(S17)。
【0049】
これと同様に、S11〜S16における同様の動作を、発光素子LED12側の発光回路、太陽電池PD12の受光回路についても行い、その受光出力信号Vlが最大となる発光周波数Flを設定し、E2PROMに格納する。また、太陽電池PD12の受光回路の出力信号が規定値になるように、発光周波数が周波数Flに設定されている発光素子LED12側の発光回路の発光電流I1を調整し、E2PROMに格納し(S17)、汚損検出機能設定を終了する(S18)。上記規定値は、汚損検出試験時の初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)である。
【0050】
そして、監視動作(S3)における汚損検出試験時には、右側火災検出部側の発光素子LED11の発光回路は、発光周波数Fr、発光電流Irの条件で、発光素子LED11を発光させ、また、左側火災検出部側の発光素子LED12の発光回路は、発光周波数Fl、発光電流I1の条件で、発光素子LED12を発光させる。
【0051】
なお、汚れ検出用受光素子として太陽電池PD11、PD12を用いているが、これらを設けずに、太陽電池PD21、PD22を、汚れ検出用受光素子として使用するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例は、炎検知器FD1、FD2、…、FDnと、防災受信機REとが、1つの信号線を介して、各種信号の送受信を行うR型伝送方式のトンネル防災システムであるが、炎検知器FD1、FD2、…、FDnと防災受信機REとが、個々の炎検知器専用の信号線を介して、各種信号を送受信するP型伝送方式のトンネル防災システムに、上記実施例を適用するようにしてもよい。
【0053】
さらに、発光回路と受光回路とを備えたその他の火災感知器において、発光回路と受光回路との中心周波数調整を実行するようにしてもよい。たとえば、発光素子を発光させ、上記発光を受光素子で受光し、受光素子の劣化を判断するような煙感知器等に、発光回路と受光回路との中心周波数調整を実行するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、汚損検出限界における光学的減光率の精度を上げる場合、そのコストが高くならず、また、その場合における消費電流が増加しないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である炎検知器FD1の構成を示すブロック図である。
【図2】受光回路における増幅率周波数特性を示す図である。
【図3】炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例における汚損検出機能設定(S4)を、具体的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
FD1、FD2〜FDn…炎検知器、
G1…受光ガラス、
LED11、LED12…汚れ検出用発光素子としての発光素子、
PD11、PD12…汚れ検出用受光素子としての太陽電池、
PD21、PD22…太陽電池、
PE21、PE22…焦電素子、
RE…防災受信機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、炎検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル内に設置されている従来の炎検知器は、受光ガラスの外部に設けられている汚れ検出用発光素子を発光させ、受光ガラスの内側に配置されている汚れ検出用受光素子が上記発光を受光し、上記受光出力信号Vと、受光ガラスが汚れていない状態における初期受光出力信号V0とに基づいて、受光ガラスの光学的減光率DL(=1−V/V0)を算出する。そして、上記算出された受光ガラスの光学的減光率DLに基づいて、上記受光ガラスの汚れ量を把握している。上記受光ガラスの光学的減光率が所定のレベル(汚れレベルDS)以上になると、炎検知器を清掃する。
【0003】
上記汚れ検出用受光素子による受光は、汚れ検出用受光素子と狭帯域フィルタと増幅回路と平滑化回路とによって構成されている受光回路によって、所定の周波数(たとえば500Hz)付近を受光中心周波数として受光出力を得る。
【0004】
また、汚れ検出用発光素子による発光は、汚れ検出用発光素子と発光回路とによって構成されている試験回路によって、その発光中心周波数を、受光回路の受光中心周波数(たとえば500Hz)に固定し、発光する。これによって、受光ガラスの汚損検出試験時における外光の影響を除去するようにしている。
【0005】
つまり、数Hzの周波数成分の発光の太陽光、商用電源周波数(たとえば50Hz)の発光の照明灯等の発光を、たとえば500Hz付近を受光中心周波数とする狭帯域フィルタを用いることで、上記受光回路は除去でき、上記発光回路の発光成分のみの受光出力を得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、受光回路における増幅率の周波数特性を示す図である。
【0007】
しかし、上記従来例において、狭帯域フィルタの中心周波数(つまり受光回路の受光中心周波数)は、それを構成する電気部品の公差によって、図2に示すように、たとえば、500Hzになるように設計しても期待値通りにはならず、たとえば300Hz、800Hzというように、バラツキを持つ。このために、発光回路の中心周波数と受光回路の中心周波数とがずれ、この中心周波数のずれによって、受光回路の受光出力が減少する。
【0008】
ここで、狭帯域フィルタのバラツキを調整するためのハードウェアを設けると、コストが増加し、また、消費電流が増加するという問題がある。
【0009】
一方、受光ガラスの汚損検出精度を上げるには、S/Nを高くする必要があり、発光出力を上げることが考えられるが、このようにすると、中心周波数のずれの影響もあり、消費電流が大きく増加するという問題がある。
【0010】
本発明は、コストと消費電流とを増加せずに、受光ガラスの汚損検出精度を上げることができる炎検知器を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受光ガラスの外部に配置されている汚れ検出用発光素子が発光し、上記受光ガラスの内側に配置されている汚れ検出用受光素子が受光し、上記受光素子が受光した受光量に基づいて、上記受光ガラスの汚れ量を検出する炎検知器において、上記汚れ検出用発光素子が発光する光の中心周波数と、上記汚れ検出用受光素子の受光中心周波数とを整合させる周波数整合手段を有する炎検知器である。
【0012】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例である炎検知器FD1の構成を示すブロック図である。
【0013】
炎検知器FD1は、トンネルの壁面に設置され、受光ガラスG1と、太陽電池PD21、PD22と、焦電素子PE21、PE22とを有する。
【0014】
受光ガラスG1は、ラグビーボール状または半球状のガラスである。
【0015】
太陽電池PD21、PD22は、受光ガラスG1の内部に設けられた、火災検出用の短波長検出素子である。
【0016】
焦電素子PE21、PE22は、受光ガラスG1の内部に設けられた火災検出用の長波長検出素子である。
【0017】
太陽電池PD21と焦電素子PE21とは、右側火災検出部を構成している。また、太陽電池PD22と焦電素子PE22とは、左側火災検出部を構成している。
【0018】
右側火災検出部を構成する太陽電池PD21と焦電素子PE21とは、炎を検出する素子であり、焦電素子PE21の特性は、長波長側にピークを有し、太陽電池PD21の特性は、短波長側にピークを有する。そして、これらの出力の組み合わせによって、炎を検出する。
【0019】
左側火災検出部も、上記右側火災検出部と同様である。
【0020】
また、右側火災検出部用の汚れ検出用発光素子として、発光素子LED11が設けられ、発光素子LED11が、グローブG2の内部に設けられている。
【0021】
左側火災検出部用の汚れ検出用発光素子として、発光素子LED12が、設けられ、発光素子LED12が、グローブG3の内部に設けられている。
【0022】
また、右側火災検出部の汚れ検出用受光素子としての太陽電池PD11が、受光ガラスG1の内部に設けられている。さらに、左側火災検出部の汚れ検出用受光素子としての太陽電池PD12が、受光ガラスG1の内部に設けられている。
【0023】
発光素子LED11、LED12が発光し、上記発光を受光ガラスG1を介して、太陽電池PD11、PD12が受光し、上記受光量に基づいて、受光ガラスG1の汚れ量を検出する。
【0024】
受光ガラスG1が汚れていない状態における太陽電池PD11、PD12のそれぞれの初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)と、汚損検出試験時のそれぞれの出力信号V(PD11)、V(PD12)とによって、受光ガラスG1の汚れ量DL(=1−V/VO)が算出される。
【0025】
次に、炎検知器FD1の回路構成について説明する。
【0026】
炎検知器FD1は、受光ガラスG1と、グローブG2、G3と、太陽電池PD11、PD12、PD21、PD22と、焦電素子PE21、PE22と、発光素子LED11、LED12と、マイクロコンピュータMPUと、ROMと、RAMと、E2PROMと、送受信部と、定電圧部とを有する。
【0027】
また、各素子PD11、PD12、PD21、PD22、PE21、PE22に対して、狭帯域フィルタ、増幅部、平滑回路が設けられ、これらによってそれぞれ受光回路が構成されている。
【0028】
なお、素子PD21、PD22、PE21、PE22に対する狭帯域フィルタは、炎のゆらぎ(たとえば8Hz)周波数付近に、中心周波数を有し、素子PD11、PD12に対する狭帯域フィルタは、各素子の出力信号に含まれる外光の成分を除去するため、たとえば500Hz付近に、中心周波数を有する。発光素子LED11、LED12に対して発光回路が設けられ、これらによって試験回路を構成している。
【0029】
マイクロコンピュータMPUは、炎検知器FD1の全体の制御を行うものであり、A/D変換部、演算部、汚損検出部、火災判定部によって構成されている。ROMは、後述するフローチャートのプログラムの記憶領域である。RAMは、作業領域と記憶領域とである。E2PROMは、書き換え可能な記憶領域である。送受信部TRXは、防災受信機REとの間で、各種信号の送受信を行う。定電圧部は、各部に安定した電源を供給する。
【0030】
太陽電池PD11の出力信号から、狭帯域フィルタが、上記所定の周波数の信号成分を抽出し、この抽出された信号成分が、増幅部で増幅され、平滑回路で平滑化され、A/D変換部でA/D変換される。
【0031】
太陽電池PD12、PD21、PD22の出力信号、焦電素子PE21、PE22の出力信号についても、上記と同様である。
【0032】
発光素子LED11、LED12は、発光回路によって、太陽電池PD11、PD12の受光回路の受光中心周波数に整合して発光する。
【0033】
なお、図1に示すように、炎検知器FD1、炎検知器FD1と同様の炎検知器FD2、…、FDnと、防災受信機REとが、信号線および電源線等を含む配線Lを介して、各種信号の送受信を行うことによって、R型伝送方式のトンネル防災システムを構成する。
【0034】
次に、炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作について説明する。
【0035】
図3は、炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作を示すフローチャートである。
【0036】
なお、炎検知器FD1の動作のみについて説明するが、炎検知器FD2、…、FDnの動作も、炎検知器FD1の動作と同様である。
【0037】
まず、監視動作については、起動後、RAM等を初期設定(S1)した後に、設定入力がないので(S2)、汚損検出機能設定を行わず、監視動作を実行する(S3)。
【0038】
監視動作(S3)では、所定の検出周期のタイミングにおいて、太陽電池PD21、PD22、焦電素子PE21、PE22のそれぞれの出力信号V(PD21)、V(PD22)、V(PE21)、V(PE22)をサンプリングし、RAMに格納する。MPUは、これら出力信号の組み合わせ(右側火災検出部は、V(PD21)と、V(PE21)との組み合わせ、左側火災検出部は、V(PD22)とV(PE22)との組み合わせ)に基づいて、炎を検出した場合は、防災受信機REからの要求に従い、火災信号やこれら出力信号を送信する。
【0039】
また、所定の汚損検出周期のタイミングにおいて、発光素子LED11、LED12を発光させ、上記発光を太陽電池PD11、PD12が受光し、この出力信号V(PD11)、V(PD12)を、RAMに格納し、E2PROMに格納された受光ガラスG1が汚れていない状態における初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)を読み出し、受光ガラスG1の光学的減光率DL(=1−V(PD11)/V0(PD11)、1−V(PD12)/V0(PD12))を算出し、上記受光ガラスの光学的減光率DLが、所定のレベル(汚れレベルDS)以上であれば、防災受信機REからの要求に基づいて、汚れ検知信号や、これら出力信号を送信する。
【0040】
次に、汚損検出機能設定(S4)について説明する。
【0041】
汚損検出機能設定は、起動後、RAM等を初期設定(S1)した後に、設定入力あり(S2)のときに実行する。たとえば、炎検知器FD1に設けられた図示しない設定用スイッチを、起動時にオンすることで、設定入力あり(S2)と判断する。
【0042】
図4は、上記実施例における汚損検出機能設定(S4)を、具体的に示すフローチャートである。
【0043】
なお、以下の説明において、発光回路の発光中心周波数(発光周波数)を300〜800Hzまで所定周波数、たとえば2Hzづつずらして発光させ、そのときの受光回路の出力信号が最大となる周波数、つまり、受光回路の受光中心周波数に、発光回路の発光中心周波数を合わせるものとする。
【0044】
つまり、発光周波数f=300〜800Hz、最小発光周波数f0=300Hz、発光回数N=251、発光周波数間隔△f=2Hzで、マイクロコンピュータMPUが、発光回路に対して、オン、オフ時間を制御する出力を行うことによって、発光中心周波数を可変することができる。
【0045】
まず、発光回数N=0とし、発光素子LED11側の発光回路の発光周波数fをf0(=300Hz)に設定し(S11)、発光素子LED11を発光させ(S12)、太陽電池PD11が受光し、受光出力信号Vrの値をRAMに格納する(S13)。
【0046】
そして、N=N+1とし、発光周波数fを、△f(=2Hz)だけずらし、f→f0+Δfに設定し(S14)、発光回数N≦250であれば、ステップS12に戻り、発光し、N>250であれば(N=251のとき、f=800Hz)、ステップS16へ進む(S15)。
【0047】
S16では、受光出力信号Vrが最大であるときにおける発光周波数fを、発光素子LED11側の発光回路の発光周波数Frに設定し、E2PROMに格納する(S16)。
【0048】
次に、太陽電池PD11の受光回路の出力信号が規定値になるように、発光周波数が周波数Frに設定された発光素子LED11側の発光回路の発光電流Irを調整し、E2PROMに格納する(S17)。
【0049】
これと同様に、S11〜S16における同様の動作を、発光素子LED12側の発光回路、太陽電池PD12の受光回路についても行い、その受光出力信号Vlが最大となる発光周波数Flを設定し、E2PROMに格納する。また、太陽電池PD12の受光回路の出力信号が規定値になるように、発光周波数が周波数Flに設定されている発光素子LED12側の発光回路の発光電流I1を調整し、E2PROMに格納し(S17)、汚損検出機能設定を終了する(S18)。上記規定値は、汚損検出試験時の初期出力信号V0(PD11)、V0(PD12)である。
【0050】
そして、監視動作(S3)における汚損検出試験時には、右側火災検出部側の発光素子LED11の発光回路は、発光周波数Fr、発光電流Irの条件で、発光素子LED11を発光させ、また、左側火災検出部側の発光素子LED12の発光回路は、発光周波数Fl、発光電流I1の条件で、発光素子LED12を発光させる。
【0051】
なお、汚れ検出用受光素子として太陽電池PD11、PD12を用いているが、これらを設けずに、太陽電池PD21、PD22を、汚れ検出用受光素子として使用するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例は、炎検知器FD1、FD2、…、FDnと、防災受信機REとが、1つの信号線を介して、各種信号の送受信を行うR型伝送方式のトンネル防災システムであるが、炎検知器FD1、FD2、…、FDnと防災受信機REとが、個々の炎検知器専用の信号線を介して、各種信号を送受信するP型伝送方式のトンネル防災システムに、上記実施例を適用するようにしてもよい。
【0053】
さらに、発光回路と受光回路とを備えたその他の火災感知器において、発光回路と受光回路との中心周波数調整を実行するようにしてもよい。たとえば、発光素子を発光させ、上記発光を受光素子で受光し、受光素子の劣化を判断するような煙感知器等に、発光回路と受光回路との中心周波数調整を実行するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、汚損検出限界における光学的減光率の精度を上げる場合、そのコストが高くならず、また、その場合における消費電流が増加しないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である炎検知器FD1の構成を示すブロック図である。
【図2】受光回路における増幅率周波数特性を示す図である。
【図3】炎検知器FD1、FD2、…、FDnの動作を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例における汚損検出機能設定(S4)を、具体的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
FD1、FD2〜FDn…炎検知器、
G1…受光ガラス、
LED11、LED12…汚れ検出用発光素子としての発光素子、
PD11、PD12…汚れ検出用受光素子としての太陽電池、
PD21、PD22…太陽電池、
PE21、PE22…焦電素子、
RE…防災受信機。
Claims (2)
- 受光ガラスの外部に配置されている汚れ検出用発光素子が発光し、上記受光ガラスの内側に配置されている汚れ検出用受光素子が受光し、上記受光素子が受光した受光量に基づいて、上記受光ガラスの汚れ量を検出する炎検知器において、
上記汚れ検出用発光素子が発光する光の中心周波数と、上記汚れ検出用受光素子の受光中心周波数とを整合させる周波数整合手段を有することを特徴とする炎検知器。 - 請求項1において、
上記汚れ検出用発光素子と、発光回路とによって構成されている試験回路と;
上記汚れ検出用受光素子と、狭帯域フィルタと、増幅部と、平滑回路とによって構成されている受光回路と;
を有し、上記周波数整合手段は、上記発光回路に対して、オン、オフ時間を制御する出力を行うことによって、上記試験回路の発光中心周波数を可変させ、所定範囲内において、上記発光中心周波数を可変させ、上記試験回路を発光させたときの、上記受光回路の出力が最大となる発光中心周波数を、上記試験回路の発光中心周波数に設定することを特徴とする炎検知器。
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