JP3912738B2 - トンネル防災システムおよび炎検知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル防災システムおよび炎検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトンネル内の防災システムは、複数の炎検知器と防災受信盤とによって構成され、複数の炎検知器と防災受信盤との間で、火災信号や汚損信号等の各種信号の送受信を行う。
【0003】
ここで、複数の炎検知器と防災受信盤とが1つの信号線のみで各種信号の送受信を行うもの(R型(直列)伝送方式)と、複数の炎検知器と防災受信盤とが各種信号毎にそれぞれ専用の信号線を用いて、送受信を行うもの(P型(並列)伝送方式)とがある。
【0004】
炎検知器は、受光ガラスが汚れることによって、受光ガラス内の火災検出部の火災検出感度が低下する。このために、炎検知器が受光ガラスの汚損を検知し、汚損信号を防災受信盤に送信し、防災受信盤が汚損信号を受信、表示することによって、防災システムの管理者は、炎検知器の清掃を行う。このようにすることによって、炎検知器は、火災検出が可能な火災検出部の火災検出感度を維持している。
【0005】
従来、防災管理者の負担低減の観点から、清掃周期をできるだけ長くするように、炎検知器の汚損信号を出力する閾値(つまり汚損警報レベル)は、火災検出部が火災検出感度を維持することができつつ、可能な限り高いレベルである汚損確定レベル(たとえば、受光ガラスの光学的減光率85%)に設定されている。
【0006】
また、P型伝送方式に用いられる炎検知器においては、汚損警報レベル(つまり、汚損確定レベル。たとえば、受光ガラスの光学的減光率85%)は、一定値に固定され、E2PROM内に格納されている。つまり、複数の炎検知器の全てが、同一の汚損警報レベルであるので、防災受信盤が汚損信号を受信、表示すると、防災管理者は、急いで清掃準備を整え、炎検知器の清掃を行う。
【0007】
R型検知器は、直列伝送方式であり、多彩な信号を送信できるので、段階的な汚損警報信号を送信することができる。
【0008】
しかし、P型検知器は、並列伝送であるので、既設システムとの互換性と価格的な制限とによって、従来の信号に新規信号を追加することが困難であり、段階的な汚損警報信号を送信することができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、急いで清掃準備を整えることは、大変な作業であるので、防災管理者がゆとりを持って炎検知器を清掃できるようにして欲しいという要望がある。
【0010】
この要望を実現するには、炎検知器の汚損警報レベルを下げて設定する方法が考えられるが、この方法では、炎検知器の清掃回数を増加させることになり、かえって防災管理者の負担が増加するという問題がある。
【0011】
また、汚損信号を汚損度合いに応じて段階的に出力する方法が考えられるが、このようにするには、専用の信号線を追加しなければならず、炎検知器数に比例して増加するので、防災システム全体のコストが増加するという問題がある。
【0012】
本発明は、P型伝送方式において、炎検知器の清掃回数を増加させずに、しかも、専用の信号線を追加せずに、炎検知器の清掃をゆとりをもって準備することができるトンネル防災システムおよび炎検知器を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受光ガラス内に配置されている火災検出部と、汚損確認試験時に上記受光ガラスの汚損を検出する汚損検出部と、故障確認試験時に上記火災検出部の故障を判定する故障判定部とを具備する複数の炎検知器と、上記複数の炎検知器のそれぞれに接続されている複数の動作信号線と、上記複数の炎検知器を互いに縦属接続している試験開始信号線と、上記複数の炎検知器に接続されている共通の汚損信号線と、上記複数の動作信号線と上記試験開始信号線と上記汚損信号線とを介して、上記複数の炎検知器と接続されている防災受信盤と、少なくとも1つの上記炎検知器に、汚損警報レベルを設定する汚損警報レベル設定手段とを有し、上記防災受信盤が、上記試験開始信号線を介して前段の上記炎検知器に試験開始信号を出力し、上記前段の炎検知器が、上記試験開始信号の入力によって、上記故障確認試験と汚損確認試験とを行い、上記故障確認試験と上記汚損確認試験との終了後に、後段の上記炎検知器に上記試験開始信号を出力することによって、上記複数の炎検知器の上記故障確認試験と上記汚損確認試験とを順次、実行し、上記防災受信盤は、上記複数の炎検知器のうちの1つの炎検知器が上記汚損確認試験をしているときに、上記汚損信号線を介して、汚損信号が出力されると、上記故障確認試験時に、上記1つの炎検知器から、上記1つの炎検知器に対応する専用の上記動作信号線を介して、正常信号または故障信号が出力されることによって、どの炎検知器から汚損信号が出力されたかを判断可能であることを特徴とするトンネル防災システムである。
【0014】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例であるトンネル防災システムTS1を示す回路図である。
【0015】
トンネル防災システムTS1は、炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDn(炎検知器FD3、…、FDnは図示を省略)と、防災受信盤REと、電源線P、Cと、動作信号線PAと、汚損信号線Voと、試験開始信号線Ninとを有する。
【0016】
炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDnは、トンネル内の壁面等に所定間隔(たとえば、25m間隔)で配置されている炎検知器である。防災受信盤REは、電源線P、Cと、動作信号線PAと、汚損信号線Voと、試験開始信号線Nin1、Nin2、Nin3、…とを介して、炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDnに接続されている。
【0017】
電源線P、Cは、複数の炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDnに、電源を供給する複数の炎検知器に共通する電源線である。
【0018】
動作信号線PAは、炎検知器が炎を検出した場合に、火災信号を出力する火災検知信号線であり、炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDnのそれぞれは、専用の動作信号線PA1、PA2、PA3、…、PAn(動作信号線PA3、…、PAnは図示を省略)を介して、防災受信盤REに接続されている。
【0019】
試験開始信号線Ninは、炎検知器に試験開始信号を入力する信号線である。なお、試験開始信号線Ninは、試験開始信号線Nin1、Nin2、Nin3、…を総称するものである。炎検知器FD1は、試験開始信号線Nin1を介して、防災受信盤REに接続されている。
【0020】
また、炎検知器FD2、FD3、…、FDnは、縦続接続され、たとえば炎検知器FD2が試験開始信号線Nin2を介して、炎検知器FD1に接続されるというように、炎検知器FDmが、試験開始信号線Ninmを介して、炎検知器FDm−1に接続されている。
【0021】
次に、炎検知器の汚れを試験する方法について説明する。
【0022】
炎検知器FD1は、防災受信盤REから試験開始信号を入力されると、検知器試験を行い、検知器試験の終了後に、炎検知器FD2に、試験開始信号を出力する。炎検知器FD2、FD3、…、FDn−1は、たとえば炎検知器FD2は、炎検知器FD1から試験開始信号を入力されると、検知器試験を行い、検知器試験の終了後に、炎検知器FD3に試験開始信号を出力するというように、炎検知器FDmは、炎検知器FDm−1から試験開始信号を入力されると、検知器試験を行い、検知器試験の終了後に、炎検知器FDm+1に試験開始信号を出力することによって、複数の炎検知器の検知器試験を順次行う。
【0023】
次に、炎検知器の汚れを試験する内容について説明する。
【0024】
炎検知器の検知器試験は、後述する故障確認試験と汚損確認試験とによって構成されている。故障確認試験時に、炎検知器の火災検出部が正常であるか否かを調べ、動作信号線PAを介して、正常信号または故障信号を防災受信盤REに出力する。なお、本実施例において、防災受信盤REは、試験結果として正常信号が出力されないことにより、故障信号が出力されたと判断する。汚損確認試験時に、受光ガラスG1の汚損が、汚損警報レベル以上であると、汚損信号線Voを介して、汚損信号を防災受信盤REに出力する。
【0025】
汚損信号線Voは、炎検知器が受光ガラスG1の汚損を検知した場合に、汚損信号を出力する汚損信号線であり、複数の炎検知器に共通する汚損信号線である。炎検知器FD1、FD2、FD3、…、FDnのそれぞれが、専用の汚損信号線を介して、防災受信盤REに接続されていてもよいが、本実施例では、複数の炎検知器の汚損信号線Voとして、1本の汚損信号線のみを設け、信号線数を少なくしている。
【0026】
つまり、ある炎検知器の汚損確認試験時に、複数の炎検知器に共通の汚損信号線Voを介して、汚損信号が出力された場合、故障確認試験時に、複数の炎検知器のうちのそれぞれの炎検知器に専用の動作信号線PAを介して、正常信号または故障信号が出力されるので、防災受信盤RE側では、どの炎検知器から汚損信号が出力されたかを判断でき、したがって、複数の炎検知器の汚損信号線Voとして、1本の汚損信号線のみを設けている。
【0027】
よって、防災受信盤REと複数の炎検知器とは、複数の炎検知器共通の汚損信号線Voと、複数の炎検知器専用の動作信号線PA1、PA2、PA3、…、PAnとによって構成されている、複数の炎検知器のそれぞれに対応する複数の汚損信号線を介して、接続され、防災受信盤REは、上記複数の炎検知器のそれぞれからの汚損信号を特定している。
【0028】
防災受信盤REは、公知のものであり、電源線P、Cに接続されている図示しない電源部、各種信号線PA、Vo、Nin1に接続されている図示しない各種入出力回路、防災受信盤REの全体を制御する図示しないマイクロコンピュータMPU、図示しない表示部等を備えている。
【0029】
各種入出力回路は、試験開始信号を出力し、また、複数の炎検知器からの火災信号と、正常信号または故障信号と、汚損信号とを入力する。そして、マイクロコンピュータMPUは、これらの入力信号に基づいて、複数の炎検知器のそれぞれの状態を、表示部に表示する。この表示部には、複数の炎検知器のそれぞれに対応する図示しない火災表示部と、図示しない故障確認試験結果表示部と、図示しない汚損確認試験結果表示部とが設けられている。
【0030】
次に、炎検知器FD1の構造と回路構成とについて説明する。
【0031】
図2は、炎検知器FD1の構造と回路構成とを示す図である。
【0032】
炎検知器FD1は、トンネルの壁面に設置され、ラグビーボール状または半球状の受光ガラスG1と、グローブG2、G3とを有する。
【0033】
受光ガラスG1の内部には、火災検出用の短波長検出素子の一例としての太陽電池PD21と、火災検出用の長波長検出素子の一例としての焦電素子PE21と、故障確認用光源の一例としての発光素子LED31とが設けられている。
【0034】
グローブG2の内部には、汚損検出用光源の一例としての発光素子LED11が設けられている。
【0035】
太陽電池PD21、焦電素子PE21には、炎のゆらぎ周波数付近に中心周波数を有する狭帯域フィルタと、増幅部と、平滑回路とが設けられ、これらによって、右側火災検出部30が構成されている。太陽電池PD21と焦電素子PE21とは、炎を検出する素子であり、焦電素子PE21の特性は、長波長側にピークを有し、太陽電池PD21の特性は、短波長側にピークを有する。これらの出力信号の組み合わせによって、炎を検出する。
【0036】
発光素子LED31には、発光回路が設けられ、これらによって右側故障確認試験用発光部40を構成する。上記発光回路は、炎のゆらぎ周波数付近に中心周波数を有するように、発光素子LED31を発光させる。故障確認試験時において、発光素子LED31が発光し、上記発光を、太陽電池PD21、焦電素子PE21が受光し、これらの出力信号の値が、それぞれ規定範囲内であれば、右側火災検出部30が正常であると判断する。上記出力信号の値が規定範囲外であれば、右側火災検出部30が故障であると判断する。
【0037】
発光素子LED11には、発光回路が設けられ、これらによって、右側汚損確認試験用発光部が構成されている。上記発光回路は、たとえば500Hz付近に中心周波数を有するように、発光素子LED11を発光させる。
【0038】
太陽電池PD11には、たとえば500Hz付近に中心周波数を有する狭帯域フィルタと、増幅部と、平滑回路とが設けられ、これらによって、右側汚損確認試験用受光部が構成されている。汚損確認試験時に、発光素子LED11が発光し、受光ガラスG1を介して、上記発光を太陽電池PD11が受光し、この出力信号に基づいて、受光ガラスG1の汚損を検出する。右側汚損確認試験用発光部と右側汚損確認試験用受光部とによって、右側汚損検出部50が構成されている。
【0039】
受光ガラスG1が汚れていない状態における太陽電池PD11の初期出力信号V0(PD11)と、汚損試験時の出力信号V(PD11)とによって、受光ガラスG1の光学的減光率DL(=1−V(PD11)/V0(PD11))を算出し、受光ガラスG1の光学的減光率DLが、汚損警報レベルDS以上になると、防災受信盤REに汚損信号を出力する。
【0040】
炎検知器FD1は、マイクロコンピュータMPUと、ROMと、RAMと、E2PROMと、出力回路CC1、CC2と、入出力回路CC3と、定電圧部と、設定スイッチとを有する。
【0041】
マイクロコンピュータMPUは、炎検知器FD1の全体を制御するものであり、A/D変換部と、演算部と、汚損検出部と、火災判定部と、故障判定部とによって構成されている。
【0042】
各素子PD11、PD21、PE21の出力信号から、それぞれ対応する狭帯域フィルタが、上記所定の周波数の信号成分を抽出し、増幅部が増幅し、平滑回路が平滑化し、A/D変換部がA/D変換する。
【0043】
ROMは、後述するフローチャートのプログラムを記憶する領域である。RAMは、作業領域と記憶領域とである。E2PROMは、書き換え可能な記憶領域である。
【0044】
出力回路CC1は、たとえばスイッチング回路であり、動作信号線PA1を介して、防災受信盤REと接続され、火災信号、故障確認試験時における正常信号または故障信号を出力する。
【0045】
出力回路CC2は、たとえばスイッチング回路であり、汚損信号線Voを介して、防災受信盤REと接続され、汚損確認試験時に、受光ガラスG1の汚損を検知すると、汚損信号を出力する。
【0046】
入出力回路CC3は、たとえばスイッチング回路であり、試験開始信号線Nin1、Nin2を介して、防災受信盤REと炎検知器FD2とに接続されている。
【0047】
マイクロコンピュータMPUは、防災受信盤REから試験開始信号が入力されると、炎検知器FD1の試験を行い、試験終了後に、炎検知器FD2に試験開始信号を出力する。
【0048】
定電圧部は、電源線P、Cを介して、防災受信盤REに接続され、炎検知器FD1の各部に安定した電源を供給する。
【0049】
汚損警報レベル設定手段の一例としての設定スイッチは、たとえばディップスイッチであり、汚損警報レベルDSを任意に設定することができる。これにより、設置現場毎に汚損警報レベルDSを任意に設定できるとともに、状況に応じて汚損警報レベルDSを変更することもできる。
【0050】
炎検知器FD1は、通常使用されている汚損確定レベル(たとえば、受光ガラスG1の光学的減光率85%)よりも低いレベル(たとえば、受光ガラスG1の光学的減光率50%)に、汚損警報レベルDSが設定され、トンネル内の坑口周辺に設置されている。
【0051】
なお、炎検知器FD2〜FDnのそれぞれの構成も、炎検知器FD1の構成と同様であり、その汚損警報レベルDSは、汚損確定レベル(たとえば、受光ガラスG1の光学的減光率85%)である。
【0052】
また、炎検知器FD2〜FDnの汚損警報レベルは、従来の炎検知器の汚損警報レベルDS(汚損確定レベルであり、たとえば、受光ガラスG1の光学的減光率85%)と同様であるので、炎検知器FD2〜FDnとして、従来の炎検知器を用いてもよい。
【0053】
従来の炎検知器は、炎検知器FD1から設定スイッチを省いたものであり、汚損警報レベルDSは、汚損確定レベル(たとえば、受光ガラスの光学的減光率85%)であり、その汚損確定レベルは、E2PROMに格納されている。
【0054】
なお、図示されていないが、受光ガラスG1内には、右側火災検出部30と、右側故障確認試験用発光部40と、右側汚損確認試験用受光部と、図示しない左側火災検出部と、図示しない左側故障確認試験用発光部と、図示しない左側汚損確認試験用受光部とが設けられている。
【0055】
右側火災検出部30と、左側火災検出部とは、その構成、動作が互いに同様である。右側故障確認試験用発光部40と、図示しない左側故障確認試験用発光部とは、その構成、動作が互いに同様である。右側汚損確認試験用受光部と、図示しない左側汚損確認試験用受光部とは、その構成、動作が互いに同様である。
【0056】
また、グローブG3内には、図示しない左側汚損確認試験用発光部とが設けられている。右側汚損確認試験用発光部と、図示しない左側汚損確認試験用発光部とは、その構成、動作が互いに同様である。
【0057】
次に、炎検知器FD1の動作について説明する。
【0058】
図3は、炎検知器FD1の動作を示すフローチャートである。
【0059】
なお、炎検知器FD1の右側火災検出部30関係の動作のみについて説明するが、左側火災検出部関係の動作も同様であり、また、炎検知器FD2、…、FDnの動作も、同様である。
【0060】
起動後、RAM等の初期設定(S1)した後に、監視動作を実行し(S2)、試験開始信号を受信した場合(S3)は、試験を実行し(S4)、試験開始信号を受信しない場合(S3)は、ステップS2へ戻る。
【0061】
試験開始信号は、たとえば、防災受信盤REが試験開始信号線Nin1にハイ信号を出力し、入出力回路CC3を介して、炎検知器FD1に入力される。
【0062】
監視動作(S2)では、所定の検出周期のタイミングにおいて、太陽電池PD21、焦電素子PE21のそれぞれの出力信号V(PD21)、V(PE21)、をサンプリングし、RAMに格納する。
【0063】
MPUは、これらの出力信号の組み合わせによって、炎を検出した場合(たとえば、V(PD21)<V(PE21))には、出力回路CC1を動作させ、動作信号線PAを介して、防災受信盤REに火災信号を出力し、防災受信盤REは、図示しない炎検知器FD1用火災表示部の火災表示灯を点灯させる。火災信号としては、たとえば、ロウ信号である。
【0064】
次に、試験動作(S4)について詳細に説明する。
【0065】
図4は、上記実施例における試験動作(S4)の詳細を示すフローチャートである。
【0066】
まず、故障確認試験を実行し(S10〜S14)、その後に、汚損確認試験(S20〜S25)を実行する。なお、故障確認試験と汚損確認試験の実行を前後させてもよいし、同時に行ってもよい。
【0067】
故障確認試験は、発光素子LED31を発光させ(S10)、上記発光による太陽電池PD21、焦電素子PE21の出力信号V(PD21)、V(PE21)をサンプリングし、RAMに格納する(S11)。
【0068】
MPUは、出力信号V(PD21)、V(PE21)の値が、それぞれの正常レベル範囲内であれば、出力回路CC1を動作させ、動作信号線PA1を介して、防災受信盤REに正常信号を出力し(S12、S14)、防災受信盤REは、図示しない炎検知器FD1用故障確認試験結果表示部の正常表示灯を点灯させる。
【0069】
また、MPUは、出力信号V(PD21)、V(PE21)の値が、正常レベル範囲外であれば、出力回路CC1を動作させず、動作信号線PA1を介して、防災受信盤REに正常信号を出力しないことにより(S12、S13)、防災受信盤REは、故障信号が出力されたと判断し、図示しない炎検知器FD1用故障確認試験結果表示部の故障表示灯を点灯させる。
【0070】
汚損確認試験は、発光素子LED11を発光させ(S20)、上記発光による太陽電池PD11の出力信号V(PD11)をサンプリングし、RAMに格納する(S21)。
【0071】
MPUは、E2PROMに格納された初期出力信号V0(PD11)を読み出し、受光ガラスG1の光学的減光率DL(=1−V(PD11)/V0(PD11)を算出する(S22)。
【0072】
そして、設定スイッチから、汚損警報レベルDSを読み込み(S23)、受光ガラスG1の光学的減光率DLが、汚損警報レベルDS以上であれば、出力回路CC2を動作させ、汚損信号線Voを介して、防災受信盤REに汚損信号を出力する(S24、S25)。
【0073】
防災受信盤REは、直前に行われた故障確認試験時の正常信号または故障信号に基づいて、炎検知器FD1からの受信した汚損信号であると判断し、図示しない炎検知器FD1用汚損試験結果表示部の汚損表示灯を点灯させる。
【0074】
また、MPUは、受光ガラスG1の光学的減光率DLが、汚損警報レベルDSよりも小さければ(S24)、汚損試験を終了する。汚損信号としては、たとえば、ハイ信号である。
【0075】
試験終了後、炎検知器FD1は、入出力回路CC3を動作させ、試験開始信号線Nin2を介して、炎検知器FD2に試験開始信号を出力する(S26)。試験開始信号としては、たとえば、ハイ信号である。
【0076】
炎検知器は、汚損警報レベルDSを設定する汚損警報レベル設定手段を備えているので、設置状況に応じて、汚損警報レベルDSを任意に変更することができる。つまり、所定の炎検知器における汚損警報レベルDSと、上記所定以外の炎検知器における汚損警報レベルDSとを、設置状況に応じて、異ならせる。
【0077】
したがって、防災システムは、信号線数を増加させることなく、汚損警報レベルDSの異なる炎検知器を混在させることができ、防災システム全体として段階的な汚損信号を出力することができる。
【0078】
汚損警報レベルDSが低い炎検知器FD1は、他の炎検知器に比べて、低いレベルの汚損が発生すると、汚損警報を出力するので、この出力された汚損警報によって、炎検知器清掃の目安となる情報を、防災管理者に提供することができる。したがって、防災管理者は、炎検知器の清掃の準備を、ゆとりをもって実行することができる。汚れやすいトンネル抗口に、炎検知器FD1が取り付けれているので、より早く汚損信号を出力することができ、その効果が期待できる。
【0079】
上記実施例において、汚損警報レベルDSの低い炎検知器FD1を、トンネル坑口に取り付けているが、このようにする代わりに、他の汚れやすい場所(たとえば集塵機周辺)に、汚損警報レベルDSの低い炎検知器FD1を取り付けるようにしてもよく、このようにしても、より早く汚損信号を出力することができ、防災管理者に炎検知器清掃の目安となる情報を提供することができ、防災管理者は、ゆとりをもって炎検知器の清掃を行うことができる。
【0080】
また、複数の炎検知器の汚損警報レベルを、設置現場等の状況に応じて、任意に変更するようにしてもよい。
【0081】
なお、汚損検出部の受光素子として、太陽電池PD11を用いているが、この太陽電池PD11を設けずに、汚損検出部の受光素子として、太陽電池PD21を使用するようにしてもよい。
【0082】
上記実施例によれば、炎検知器は、汚損警報レベルを設定する汚損警報レベル設定手段を備え、設置状況に応じて汚損警報レベルを任意に変更できるので、汚損警報レベルが互いに異なる炎検知器を混在させることができ、したがって、防災システム全体として段階的な汚損信号を出力できる。この場合、防災システムは、信号線数を増加させる必要がない。
【0083】
なお、汚損警報レベル設定手段として、ディップスイッチを用いたが、所定の信号線のハイ/ロー信号を用いて、予めE2PROMに記憶されている汚損警報レベルを選択するようにしてもよい。
【0084】
また、1つの炎検知器に複数、たとえば2つの汚損警報レベルを有するようにしてもよく、この場合、一方を本警報、他方を予備形容として汚損信号線からの出力形態(連続出力、パルス出力)を変えるようにすれば、前もって予備警報が出力した時点でゆとりをもって炎検知器の清掃の準備ができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、ある炎検知器の汚損確認試験時に、複数の炎検知器に共通の汚損信号線を介して、汚損信号が出力された場合、故障確認試験時に、複数の炎検知器のうちのそれぞれの炎検知器に専用の動作信号線を介して、正常信号または故障信号が出力されるので、防災受信盤は、どの炎検知器から汚損信号が出力されたかを判断することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるトンネル防災システムTS1を示す回路図である。
【図2】炎検知器FD1の構造と回路構成とを示す図である。
【図3】炎検知器FD1の動作を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例における試験動作(S4)の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
FD1〜FDn…炎検知器、
PA…動作信号線、
Vo…汚損信号線、
Nin…試験開始信号線、
G1…受光ガラス、
CC1、CC2…出力回路、
30…火災検出部。
Claims (4)
- 受光ガラス内に配置されている火災検出部と、汚損確認試験時に上記受光ガラスの汚損を検出する汚損検出部と、故障確認試験時に上記火災検出部の故障を判定する故障判定部とを具備する複数の炎検知器と;
上記複数の炎検知器のそれぞれに接続されている複数の動作信号線と;
上記複数の炎検知器を互いに縦属接続している試験開始信号線と;
上記複数の炎検知器に接続されている共通の汚損信号線と;
上記複数の動作信号線と上記試験開始信号線と上記汚損信号線とを介して、上記複数の炎検知器と接続されている防災受信盤と;
少なくとも1つの上記炎検知器に、汚損警報レベルを設定する汚損警報レベル設定手段と;
を有し、上記防災受信盤が、上記試験開始信号線を介して前段の上記炎検知器に試験開始信号を出力し、上記前段の炎検知器が、上記試験開始信号の入力によって、上記故障確認試験と汚損確認試験とを行い、上記故障確認試験と上記汚損確認試験との終了後に、後段の上記炎検知器に上記試験開始信号を出力することによって、上記複数の炎検知器の上記故障確認試験と上記汚損確認試験とを順次、実行し、
上記防災受信盤は、上記複数の炎検知器のうちの1つの炎検知器が上記汚損確認試験をしているときに、上記汚損信号線を介して、汚損信号が出力されると、上記故障確認試験時に、上記1つの炎検知器から、上記1つの炎検知器に対応する専用の上記動作信号線を介して、正常信号または故障信号が出力されることによって、どの炎検知器から汚損信号が出力されたかを判断可能であることを特徴とするトンネル防災システム。 - 請求項1において、
上記汚損警報レベルは、汚損確定レベルよりも低いレベルであることを特徴とするトンネル防災システム。 - 請求項1または請求項2において、
上記少なくとも1つの炎検知器は、トンネル坑口、集塵機周辺に設置されていることを特徴とするトンネル防災システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
上記複数の炎検知器の内の少なくとも1つの炎検知器に設定されている汚損警報レベルと、上記複数の炎検知器の内の他の炎検知器に設定されている汚損警報レベルとが異なっていることを特徴とするトンネル防災システム。
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