JP7061517B2 - 炎検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、
炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、炎検出ユニットから出力された炎受光信号を補正する振動補正部と、
振動補正部で補正された炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、
振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた場合に火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせる火災判断制御部と、
が設けられたことを特徴とする。
振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に所定の係数を乗じて炎検出ユニットから出力された炎受光信号から減算することで、炎受光信号を補正する。
本発明の他の形態にあっては、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の炎波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、
燃焼炎以外から放射される赤外線エネルギーを非炎検出センサで受光して所定の非炎波長帯を観測した非炎受光信号を出力する1又は複数の非炎検出ユニットと、
炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、炎検出ユニットから出力された炎受光信号及び非炎検出ユニットから出力された非炎受光信号を補正する振動補正部と、
振動補正部で補正された炎受光信号及び非炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、
振動補正部により補正される炎受光信号が所定の補正限界に達した場合に、火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせる火災判断制御部と、
が設けられたことを特徴とする。
火災判断制御部は、振動補正部による炎受光信号の補正は所定の補正限界に達しないが、非炎受光信号の補正が所定の補正限界に達した場合は、振動補正部で補正された炎受光信号により火災を判断する。
振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に炎検出ユニットに固有な所定の第1係数を乗じて炎検出ユニットから出力された炎受光信号から減算することで炎受光信号を補正し、振動検出信号に非炎検出ユニットに固有な所定の第2係数を乗じて非炎検出ユニットから出力された非炎受光信号から減算することで非炎受光信号を補正しており、
火災判断制御部は、振動検出信号に第1係数を乗じた値又は振動検出信号に第2係数を乗じた値が所定の限界値以上又は限界値を超えた場合に、補正限界に達したと判断する。
火災判断制御部は、火災判断部に火災判断の禁止、保留又は破棄を行わせる回数が所定回数又は所定頻度に達した場合に振動障害を判定して受信装置に振動障害通知信号を送信する。
火災判断制御部は、火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせた後に、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合、火災判断部に火災判断の判断条件を緩和して火災を判断させる。
火災判断制御部は、振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた場合に、受信装置からの試験指示信号に基づく所定の自己試験を禁止し又は試験結果を破棄し、その後、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合に受信装置からの試験指示信号を待たずに自己試験を行う。
火災判断制御部は、振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた状態で受信装置から試験指示信号を受信した場合は、自己試験が実施不可能であることを示す試験障害応答信号を受信装置に送信し、その後、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合に受信装置に試験可能通知信号を送信して試験指示信号を送信させる。
本発明は焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、炎検出ユニットから出力された炎受光信号を補正する振動補正部と、振動補正部で補正された炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた場合に火災判断部に火災判断の禁止、保留又は破棄を行わせる火災判断制御部とが設けられたため、地震等による振動が炎検出装置に加わって炎検出ユニットの炎検出センサから圧電作用による信号が出力された場合、同じ振動が振動検出ユニットの振動センサに加わることで振動検出信号が出力され、炎検出ユニットから出力された炎受光信号を補正して炎受光信号に含まれる振動信号成分を軽減または除去することができ、振動に伴って炎検出ユニットから出力された信号により誤って炎と判断して非火災報を出力してしまうことを確実に防止できる。
また、振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に所定の係数を乗じて炎検出ユニットから出力された炎受光信号から減算することで、炎受光信号を補正するようにしたため、振動検出信号に乗じる係数は例えば、製造時に炎検出装置に所定の振動を加え、このときの炎受光信号と振動検出信号の相関に基づいて定める。すなわち例えば、このときの炎受光信号値に振動検出信号値を一致させるための比率を予め求めておくことで、簡単な演算により炎受光信号に含まれる振動信号成分を除去することができる。
本発明の他の形態にあっては、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の炎波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、燃焼炎以外から放射される赤外線エネルギーを非炎検出センサで受光して所定の非炎波長帯を観測した非炎受光信号を出力する1又は複数の非炎検出ユニットと、炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に基づき、炎検出ユニットから出力された炎受光信号及び非炎検出ユニットから出力された非受光信号を補正する振動補正部と、振動補正部で補正された炎受光信号及び非炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、振動補正部により補正される炎受光信号が所定の補正限界に達した場合に、火災判断部に火災判断結果の禁止、保留又は破棄を行わせる火災判断制御部とが設けられたため、CO2の共鳴放射帯である4.5μm帯の炎波長帯に対し長波長帯側の例えば5.0μm付近及び又は短波長側の例えば、2.3μm付近の非炎波長帯における赤外線エネルギーを検出して2波長帯域又は3波長帯域における各受光信号から炎を判断することで識別性能をさらに向上させた場合にも、1波長方式の場合と同様に、振動に伴って各検出ユニットから出力された信号により誤って炎と判断して非火災報を出力してしまうことを確実に防止でき、また、炎検出装置に大きな振動が加わった場合には、振動検出信号が飽和し、炎受光信号を正しく補正できないことから、この場合は、火災判断結果を禁止するか、火災判断結果を保留するか、又は、火災判断結果を採用せずに破棄することで、過大な振動により誤って非火災報が出力されることを確実に防止することができる。
また、火災判断制御部は、振動補正部による炎受光信号の補正は所定の補正限界に達しないが、非炎受光信号の補正が所定の補正限界に達した場合は、振動補正部で補正された炎受光信号により火災を判断するようにしたため、各検出ユニットに設けた検出センサの特性や物理配置(実装位置)によって振動の影響が異なり、これに応じて各検出ユニットの振動補正のための係数が異なっており、非炎受光信号が補正限界に達しても、炎受光信号が補正限界に達していない場合には、補正された炎受光信号のみにより火災を判断することで、火災判断の信頼性を向上可能とする。
また、振動補正部は、振動検出ユニットから出力された振動検出信号に炎検出ユニットに固有な所定の第1係数を乗じて炎検出ユニットから出力された炎受光信号から減算することで炎受光信号を補正し、振動検出信号に非炎検出ユニットに固有な所定の第2係数を乗じて非炎検出ユニットから出力された非炎受光信号から減算することで非炎受光信号を補正しており、火災判断制御部は、振動検出信号に第1係数を乗じた値又は振動検出信号に第2係数を乗じた値が所定の限界値以上又は限界値を超えた場合に、補正限界に達したと判断するようにしたため、予め求められた各検出ユニットに固有な振動補正のための係数とそのときの振動検出信号から、検出ユニット毎に、各炎受光信号が振動検出信号により補正可能かどうか判断することで、検出ユニット毎に振動の影響が異なっていても、各検出信号が補正限界に達しているかどうかを確実に判断することができる。
また、火災判断制御部は、火災判断部に火災判断結果の禁止、保留又は破棄を行わせる回数が所定回数又は所定頻度に達した場合に振動障害を判定して受信装置に振動障害通知信号を送信するようにしたため、炎検出装置に振動が加わって障害状態となっていることが受信装置から報知され、炎検出装置の状態を正確に把握して適切な運用管理ができる。
また、火災判断制御部は、火災判断部に火災判断結果の禁止、保留又は破棄を行わせた後に、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合、火災判断部に火災判断の判断条件を緩和して火災を判断させるようにしたため、振動障害により正常な火災判断ができない間に火災が発生している可能性があり、振動の影響が解消された場合には、例えば、火災判断が所定回数以上続いて場合に火災を確定する判断条件が設定されているときには、火災判断の回数を減らすことで判断条件を緩和し、振動障害が解消した後に迅速な火災の確定を行って火災警報の作動遅れを防止する。
また、火災判断制御部は、振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた場合に、受信装置からの試験指示信号に基づく所定の自己試験を禁止し又は試験結果を破棄し、その後、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合に受信装置からの試験指示信号を待たずに自己試験を行うようにしたため、振動障害中は、受信装置から指示があっても、火災擬似光となる試験光の照射による検出ユニットの減光率を検出する自己試験を行っても正しい減光率は得られないことから、自己試験は行わないようにし、振動障害が解消したら、受信装置からの指示がなくとも自己試験を実行して正しい減光率を速やか検出し、自己試験により検出された減光率による各受光信号の汚れ補正により炎検出装置の正常動作を保証する。
また、火災判断制御部は、振動検出信号が所定値以上又は所定値を超えた状態で受信装置から試験指示信号を受信した場合は、自己試験が実施不可能であることを示す試験障害応答信号を受信装置に送信し、その後、振動検出信号が所定値以下又は所定値を下回った場合に受信装置に試験可能通知信号を送信して試験指示信号を送信させるようにしたため、受信装置から試験指示信号を受信しときに振動障害が発生した場合は、正しい減光率は得られないことから自己試験は行わずに試験障害応答信号を受信装置に送信して振動障害を報知させ、振動障害が解消したら試験可能通知信号を受信装置に送信することで試験指示信号の送信を再開させ、自己試験を実行して正しい減光率を速やかに検出し、自己試験により検出された減光率による各受光信号の汚れ補正により炎検出装置の正常動作を保証する。
(装置の概要)
図1は炎検出装置の実施形態を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態の炎検出装置10は、炎検出ユニット12a、振動検出ユニット14、MPU(マイクロ処理ユニット)15に設けられた振動補正部36、火災判断部38及び火災判断制御部40で構成される。
図2は炎検出装置の外観を示した説明図である。図2に示すように、炎検出装置10は、天井面や壁面の取付ベースに取り付けられる本体50の下部に設けられたカバー52の監視範囲側の面に透光性窓18を設け、透光性窓18の内部に配置された基板56に、図1に示した炎検出ユニット12aの炎検出センサ16aと振動検出ユニット14の振動センサ17を配置している。
(炎検出ユニット12aの構成)
図1に示した炎検出ユニット12aにおいて、炎検出センサ16aは燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする波長帯域の赤外線エネルギーを受光し電気信号に変換して出力し、前置フィルタ24aは炎検出センサ16aから出力される炎受光信号から、炎の揺らぎ周波数に対応した所定の周波数帯域の信号成分のみを選択通過させ、プリアンプ26aは前置フィルタ24aを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28aで増幅して炎受光信号E1を出力する。
図3は炎検出センサの概略構成を示した説明図、図4は図3の炎検出センサにおける受光素子部の等価回路を示した回路図である。
透光性窓18は、図2に示したように、カバー52の、炎検出センサ16aの前面側に設けた所定の開口部に配置され、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため受光素子部22aについて、受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されつつ、それぞれ所定の拡がり角度を有する視野範囲の検知エリアが設定される。
図1の炎検出ユニット12aの前置フィルタ24aは、周波数選択部として機能し、炎検出センサ16aの受光素子部22aから出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26aに特定の周波数帯域の信号成分を含む受光信号を出力する。
プリアンプ26aは、前置フィルタ24aを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a、終段アンプ30aは、プリアンプ26aからの受光信号を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅し、炎受光信号E1(或いは炎受光信号E1’)として出力する。
図1に示した振動検出ユニット14において、振動センサ17は、炎検出装置10に加わる振動エネルギーを圧電作用により電気信号に変換して出力し、前置フィルタ24vは振動センサ17から出力される振動検出信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させ、プリアンプ26vは前置フィルタ24vを通過した信号成分を初段増幅し、メインアンプ28vはこれを増幅して振動検出信号Evを出力する。さらに、終段アンプ30vは振動検出信号Evを増幅して振動検出信号Ev’を出力する。
振動検出ユニット14の振動センサ17は、図3に示した炎検出センサ16aと同じ構成であり、振動センサ17における振動検出素子部22vの等価回路も図4に示した炎検出センサ16aにおける受光素子部22aの等価回路と同じになる。
振動センサ17に設けられた透光性窓18と光学波長フィルタ20vの間にはマスク部材41が配置されており、透光性窓18を通った外からの光をマスク部材41で遮り、振動センサ17で受けないようにしている。
前置フィルタ24vは、炎検出ユニット12aの前置フィルタ24aと同じであり、振動センサ17の振動検出素子部22vから出力される振動検出信号から、振動補正に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26vに特定の周波数帯域の信号成分を含む振動検出信号を出力する。
プリアンプ26vは、前置フィルタ24vを介して入力される振動検出信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28vは、プリアンプ26vからの各受光信号を増幅し、振動検出信号Evとして出力する。
MPU15は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、A/D変換ポート35a,35vを含む各種の入出力ポート等を備え、振動補正部36、火災判断部38及び火災判断制御部40は、CPUによるプログラムの実行により実現される機能である
(振動補正部36)
振動補正部36は、振動検出ユニット14から出力された振動検出信号Ev’により炎検出ユニット12aから出力された炎受光信号E1’を補正して振動信号成分を除去した炎受光信号E1aを出力する。
E1a=E1’-K1・Ev’ (式1)
として出力する。
E1t=K1・Evtとなるように比率を係数K1として設定すれば、(式1)により振動信号成分を除去できる。
すなわち係数K1は、
K1=E1t/Evt
として設定することができる。係数K1はあらかじめMPU15のメモリに記憶させておき、振動補正部36で必要に応じ読み出して補正を実行する。
火災判断部38は、振動補正部36で振動信号成分が除去された炎受光信号E1aを所定時間単位に取り込み、炎受光信号E1aの信号振幅に対する時間積分処理を行い、積分値ΣE1を算出する。
分値ΣFHを求め、この積分値の相対比ΣFL/ΣFHが、予め設定された閾値以下の場合には、炎に相当する受光出力が検出されなかったものと判断し、一方、閾値を超えた場合には、炎有り判断の第2要素とする。
(過大振動に対する火災判断の禁止)
図1のMPU15に設けられた火災判断制御部40は、振動検出ユニット14から出力された振動検出信号Ev’が予め定めた閾値Evth以下である場合又は閾値Evthを下回っている場合は、火災判断部38に、振動補正部36により補正された炎受光信号E1aを用いた、積分値ΣEaに基づく炎有無の判断(第1要素)と、フーリエ変換による周波数解析に基づく炎有無の判断(第2要素)を行わせるが、振動検出信号Ev’が閾値Evth以上又は閾値Evthを超えた場合には、火災判断部38による火災判断の制御を禁止させる制御を行う。この場合、火災判断制御部40は、火災判断部38による判断制御を保留しても良いし、判断が行われても判断結果を採用せずに破棄するようにしても良い。
よる炎有り判断の第1要素と、炎受光信号E1aの周波数分布による炎有り判断の第2要素の両方が成立し、且つ、例えばこれが所定回数連続した場合に炎との判断を確定(炎有りと断定)して火災検出信号を外部に出力するようにしているが、振動障害が解消した直後は、炎有りの第1要素と第2要素の両方が連続成立する要件回数、即ち回数閾値を低下させることで判断条件を緩和させる制御を行う。
図7は図1の炎検出装置の制御動作を示したフローチャートであり、MPU15による制御動作となる。
(自己試験)
本実施形態の炎検出装置10は炎の監視機能を維持するために、透光性窓18の汚れをチェックする自己試験を行っている。透光性窓18の汚れをチェックする自己試験は、火災受信盤から定期的に送信される試験指示信号を受信した場合に、炎検出装置10に設けられた試験ランプ42から炎模擬光となる試験光を透光性窓18に入射し、炎検出センサ16aで受光して、このときの炎受光信号E1’を、透光性窓18が汚れていない初期状態と比較演算して減光率を求め、減光率が所定の汚れ閾値を超えた場合に汚れ警報信号を火災受信盤に送信して汚れ警報を出力させている。
図1のMPU15に設けられた火災判断制御部40は、振動検出信号Ev’が閾値Evth値以上又はこれを超えた場合に、火災受信盤からの試験指示信号に基づく自己試験を禁止するか、又は試験結果を採用せずに破棄し、その後、振動検出信号Ev’が閾値Evth以下又はこれを下回った場合に火災受信盤からの試験指示信号を待たずに自己試験を行う。
図1のMPU15に設けられた火災判断制御部40は、振動検出信号Ev’が閾値Evth以上又はこれを超えた状態で火災受信盤から試験指示信号を受信した場合は、自己試験が実施不可能であることを示す試験障害応答信号を火災受信盤に送信し、その後、振動検出信号Ev’が閾値Evth以下又はこれを下回った場合に火災受信盤に試験可能通知信号を送信して試験指示信号を送信させる制御を行う。
(炎検出ユニット12a,非火災検出ユニット12b)
図10は2波長方式としての炎検出装置の実施形態を示したブロック図である。図10に示すように、本実施形態による2波長方式の炎検出装置10は、図1の炎検出ユニット12a及び振動検出ユニット14に加え、新たに概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E2’を出力する非炎検出ユニット12bが設けられる。
非炎検出ユニット12bは、炎検出センサ16aとは異なる所定の波長帯域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する非炎検出センサ16bを備える。即ち、炎検出ユニット12aは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換し炎受光信号E1を出力するのに対し、非炎検出ユニット12bは、本実施形態においては概ね5.0μm~7.0μmの波長帯域の赤外線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E2を出力する。
非炎検出センサ16bは、5.0μm~7.0μmの波長帯域の放射線を良好に透過する光学波長フィルタ20bと、光学波長フィルタ20bを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する、図4の受光素子部22aと同様の等価回路でなる受光素子部22bを備え、図3に示した炎検出センサ16aと同様な構造により、パッケージ化された構成とする。
図11は、図10の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
MPU15は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、A/D変換ポート35a,35b,35vを含む各種の入出力ポート等を備え、振動補正部36、火災判断部38及び火災判断制御部40は、CPUによるプログラムの実行により実現される機能である。
振動補正部36は、振動検出ユニット14から出力された振動検出信号Ev’に基づき、炎検出ユニット12aから出力された炎受光信号E1’を補正して振動信号成分を除去した炎受光信号E1aを出力する。
E1a=E1’-K1・Ev’・・・(式1)
として出力する。
E2a=E2’-K2・Ev’・・・(式2)
として出力する。
E1t=K1・Evt
となるように比率を係数K1として設定すれば、(式1)により振動信号成分を除去できる。
すなわち係数K1は、
K1=E1t/Evt
として設定することができる。
E2t=K2・Evt
となるように比率を係数K2として設定すれば、(式2)により振動信号成分を除去できる。
すなわち係数K2は、
K2=E2t/Evt
として設定することができる。
MPU15に設けられた火災判断部38は、振動補正部36で振動信号成分が除去された炎受光信号E1aと非炎受光信号E2aを所定時間単位に取り込み(例えば1/64秒単位)、炎受光信号E1aと非炎受光信号E2aの各々について信号振幅(基準電位からの差分の絶対値)の時間積分処理を行い(例えば2秒間の積分)、積分値ΣE1a,ΣE2a'を算出する。ここで、積分値ΣE1a,ΣE2aは、便宜上、炎積分値ΣE1a,非炎積分値ΣE2aとして区別する。
図10のMPU15に設けられた火災判断制御部40は、振動補正部36での振動検出信号Ev’による炎受光信号E1’の補正が所定の補正限界に達した場合に、火災判断部38に火災判断を禁止させるか、保留させるか又は火災判断結果を破棄させる制御を行う。
図12は図10の炎検出装置の制御動作を示したフローチャートであり、MPU15による制御動作となる。
上記の実施形態は、1波長方式と2波長方式の炎検出装置を例にとっているが、例えば、燃焼炎のCO2の共鳴放射帯である4.5μm付近の波長帯域、5.0μm付近の波長帯域及び2.3μm付近の波長帯域を加えた3波長式の炎検出装置にも適用できる。何れの場合も、補正を要する波長帯の受光信号を、振動センサからの振動検出信号に基づき補正することができる。
12a:炎検出ユニット
12b:非炎検出ユニット
14:振動検出ユニット
15:MPU
16a:炎検出センサ
16b:非炎検出センサ
17:振動センサ
18:透光性窓
20a,20b,20v:光学波長フィルタ
22a,22b:受光素子部
22v:振動検出素子部
24a,24b,24v:前置フィルタ
25:焦電体
26a,26b,26v:プリアンプ
27:FET
28a,28b,28v:メインアンプ
30a,30b,30v:終段アンプ
35a,35b,35v:A/D変換ポート
36:振動補正部
38:火災判断部
40:火災判断制御部
41:マスク部材
Claims (9)
- 燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
前記燃焼炎から放射される前記赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、
前記炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に基づき、前記炎検出ユニットから出力された前記炎受光信号を補正する振動補正部と、
前記振動補正部で補正された前記炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、
前記振動検出信号が所定値以上又は前記所定値を超えた場合に前記火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせる火災判断制御部と、
が設けられたことを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1記載の炎検出装置に於いて、
前記振動補正部は、前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に所定の係数を乗じて前記炎検出ユニットから出力された前記炎受光信号から減算することで、前記炎受光信号を補正することを特徴とする炎検出装置。
- 燃焼炎から放射される赤外線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
前記燃焼炎から放射される所定波長帯域の前記赤外線エネルギーを炎検出センサで受光して所定の炎波長帯を観測した炎受光信号を出力する炎検出ユニットと、
前記燃焼炎以外から放射される赤外線エネルギーを非炎検出センサで受光して所定の非炎波長帯を観測した非炎受光信号を出力する1又は複数の非炎検出ユニットと、
前記炎検出装置に加わる振動を振動センサで検出して振動検出信号を出力する振動検出ユニットと、
前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に基づき、前記炎検出ユニットから出力された前記炎受光信号及び前記非炎検出ユニットから出力された前記非炎受光信号を補正する振動補正部と、
前記振動補正部で補正された前記炎受光信号及び前記非炎受光信号により燃焼炎の有無を検出して火災を判断する火災判断部と、
前記振動補正部により補正される前記炎受光信号が所定の補正限界に達した場合に、前記火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせる火災判断制御部と、
が設けられたことを特徴とする炎検出装置。
- 請求項3記載の炎検出装置に於いて、前記火災判断制御部は、前記振動補正部による前記炎受光信号の補正は所定の補正限界に達しないが、前記非炎受光信号の補正が所定の補正限界に達した場合は、前記振動補正部で補正された前記炎受光信号により火災を判断することを特徴とする炎検出装置。
- 請求項3又は4記載の炎検出装置に於いて、
前記振動補正部は、前記振動検出ユニットから出力された前記振動検出信号に前記炎検出ユニットに固有な所定の第1係数を乗じて前記炎検出ユニットから出力された前記炎受光信号から減算することで前記炎受光信号を補正し、前記振動検出信号に前記非炎検出ユニットに固有な所定の第2係数を乗じて前記非炎検出ユニットから出力された前記非炎受光信号から減算することで前記非炎受光信号を補正しており、
前記火災判断制御部は、前記振動検出信号に前記第1係数を乗じた値又は前記振動検出信号に前記第2係数を乗じた値が所定の限界値以上又は前記限界値を超えた場合に、前記補正限界に達したと判断することを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1又は3記載の炎検出装置に於いて、前記火災判断制御部は、前記火災判断部に火災判断の禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせる回数が所定回数又は所定頻度に達した場合に振動障害を判定して受信装置に振動障害通知信号を送信することを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1又は3記載の炎検出装置に於いて、前記火災判断制御部は、前記火災判断部に火災判断を禁止、保留又は火災判断結果の破棄を行わせた後に、前記振動検出信号が前記所定値以下又は前記所定値を下回った場合、前記火災判断部に前記火災判断の判断条件を緩和して火災を判断させることを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1又は3記載の炎検出装置に於いて、前記火災判断制御部は、前記振動検出信号が所定値以上又は前記所定値を超えた場合に受信装置からの試験指示信号に基づく所定の自己試験を禁止又は試験結果を破棄し、その後、前記振動検出信号が前記所定値以下又は前記所定値を下回った場合に前記受信装置からの試験指示信号を待たずに前記自己試験を行うことを特徴とする炎検出装置。
- 請求項1又は3記載の炎検出装置に於いて、前記火災判断制御部は、前記振動検出信号が所定値以上又は前記所定値を超えた状態で受信装置から試験指示信号を受信した場合は自己試験が実施不可能であることを示す試験障害応答信号を前記受信装置に送信し、その後、前記振動検出信号が前記所定値以下又は前記所定値を下回った場合に前記受信装置に試験可能通知信号を送信して試験指示信号を送信させることを特徴とする炎検出装置。
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