JP6526971B2 - 炎検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される、それぞれ異なる所定波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
各受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部と、
を備えたことを特徴とする。
判断部は、
複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に等間隔で分割し、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ分割区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣEm1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、
最初の分割区間の信号積分値の比R1に対し残りの分割区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合は、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とする。
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される、それぞれ異なる所定波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
各受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号から求めたそれぞれの周波数分布を比較して判定した相互の相関を、燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部と、
を備えたことを特徴とする。
判断部は、
所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、
各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とする。
本発明は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、燃焼炎から放射される、それぞれ異なる所定波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、各受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部とを備えるようにしたため、相関が高い場合は燃焼炎から放射される放射線エネルギーの時間的な変化が略一致していることから受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、この相関を炎有り判断の1要素とすることで、燃焼炎の有無をより確実に判断し検出可能とする。
また、1の受光ユニットは、燃焼炎から放射される、CO2共鳴放射帯域を含む所定波長帯の光を選択透過させる光学波長フィルタと、光学波長フィルタを透過した光を受光素子で受光して光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力する1または複数の受光素子とを有する受光センサを備え、他の受光ユニットは、燃焼炎から放射される、CO2共鳴放射帯域を含まない所定波長帯の光を選択透過させる光学波長フィルタと、光学波長フィルタを透過した光を受光素子で受光して光電変換した電気信号に基づく受光信号を出力する1または複数の受光素子とを有する受光センサを備え、更に、受光ユニットの各々は、更に、受光センサからの電気信号から所定周波数帯域の信号成分を選択抽出する周波数選択部と、周波数選択部から出力する信号成分を増幅する増幅部とを備えることで、光電ユニットの各々は、燃焼炎から放射される、概ね4.5μmを中心波長とする帯域波長の放射線エネルギー及びこれとは異なる帯域波長の放射線エネルギーの確実に光電変換して受光信号を出力することを可能とする。
また、受光ユニットは、少なくとも2つ設けるようにすることで、判断部によって、2つの受光ユニットで略同時期に観測して出力した異なる波長帯における所定期間分の受光信号の、相互の相関を炎判断の他の1要素とすることを可能とする。
また、判断部は、各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とすることで、燃焼炎の有りをより確実に判断し検出することを可能とする。
また、判断部は、複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に分割した場合、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ時間区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣEm1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、最初の時間区間の信号積分値の比R1に対し残りの時間区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合は、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とするようにしたため、最初の時間区間の2つの受光信号E1,E2の振幅変化が概ね一致している相関を基準に、残りの時間区間の相関のずれを比較し、相関のずれが少ない場合は燃焼炎の有りを判断し検出することを可能とする。
また、判断部は、各受光信号相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光ユニットへ入力された光が炎からの放射による可能性有りとし、炎有り判断の1要素とすることで、燃焼炎の有りをより確実に判断し検出することを可能とする。
図1は本発明に係る炎検出装置の実施形態を機能構成により示したブロック図、図2は図1の炎検出装置に適用される受光ユニットの概略構成を示した説明図、図3は図2の受光センサの等価回路を示した回路図、図4は燃焼炎の放射線スペクトルを示した特性図、図5は図1の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
受光ユニット12aは、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光センサ16aと、受光センサ16aから出力される受光信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる前置フィルタ24aと、前置フィルタ24aを通過した信号成分を初段増幅するプリアンプ26aと、プリアンプ26aからの出力を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅して受光信号E1を出力するメインアンプ28aとで構成する。
受光ユニット12aに設けた受光センサ16aは、光学波長フィルタ20a、受光素子22a及び共用する透光性窓18で構成する。光学波長フィルタ20aは、図5に示すように、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される概ね4.5μmの波長帯を含む所定帯域の光のみを高い透過率で透過する透過特性54をもつ光学式のバンドパスフィルタであって、例えば、4.5μmを含み且つ、後述する他の波長帯を含まない、所定帯域の光を選択透過する。受光素子22aは焦電体とFETによる光電変換機能を備え、光学波長フィルタ20aを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する。
透光性窓18は、受光センサ16a、16bが収納された本体カバー46の監視エリア側に相当する上面側であって、受光センサ16a、16bの前面側に設けた所定の開口部に配置し、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成している。このため受光素子22a、22bは、各々の受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、略同一の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。
図5は、図1の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
前置フィルタ24a、24bは、周波数選択部として機能し、受光センサ16a,16bの受光素子22a、22bの各々から出力される受光信号から、炎判断処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分のみを通過させる例えばアクティブフィルタであり、後段のプリアンプ26a、26bに特定の周波数帯域の信号成分を含む受光信号を出力する。
プリアンプ26a、26bは、前置フィルタ24a、24bを介して入力される受光信号を所定の増幅率で初段増幅し、メインアンプ28a,28bは、プリアンプ26a、26bからの各受光信号を、後述する炎判断処理に適した信号レベルに増幅し、受光信号E1,E2として出力する。
A/D変換ポート30a、30bは判断部15の入力ポートとして設けたA/D変換器であり、受光信号(アナログ受光信号)E1,E2を判断部15のデジタル処理に適したデジタル信号に変換して読み込む。
判断部15は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、A/D変換ポート30a,30bを含む各種の入出力ポート等を備えたマイクロプロセッサユニット(MPU)等で構成する。また、判断部15は、CPUによるプログラムの実行により炎判断の制御機能を実現する。
判断部15による受光ユニット12a,12bで略同時期に観測して出力した所定期間分の受光信号E1,E2の、相互の相関を求めて行う炎判断の詳細を説明すると次のようになる。
R1=ΣE11/ΣE21 式(1)
R2=ΣE12/ΣE22 式(2)
R3=ΣE13/ΣE23 式(3)
R4=ΣE14/ΣE24 式(4)
として求め、これを受光信号E1,E2の、相互の相関とする。
0.9R1≦R2≦1.1R1 式(5)
0.9R1≦R3≦1.1R1 式(6)
0.9R1≦R4≦1.1R1 式(7)
判断部15は、前記式(5)〜(7)の全ての条件の成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の信号積分値の比R1に対し、残りの時間区間T2〜T4の全ての信号積分値の比R2〜R4が所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光信号E1,E2の振幅波形が概ね相似し、受光ユニット12a,12bは共に燃焼炎からの放射線エネルギーをそれぞれ異なる波長帯で観測していると推定できることから、この場合に、炎有りの判断の1要素とし、例えば燃焼炎からCO2共鳴により放射される4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーによる十分な振幅レベルを持つ受光信号E1に基づく炎判断を許容する。
ここで、所定期間Tを分割する区間数iをi=1〜nと一般化し、また受光信号をE1〜Emと一般化すると、判断部15は、所定期間Tを、区間T1〜Tnに分割し、受光信号E1,Emの中点となる基準電位に対する差分の絶対値を積算した値(振幅積分値)として、受光信号E1について、各時間区間T1〜Tnの積分値ΣE11〜ΣE1nを求め、また、受光信号Emについて、各時間区間T1〜Tnの積分値ΣEm1〜ΣEmnを求め、更に、両者の比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、これを受光信号E1,Emの、相互の相関とする。
0.9R1≦R2≦1.1R1〜0.9R1≦Rn≦1.1R1
この炎判定閾範囲内となる条件の成立を判定した場合、受光信号E1,E2の振幅波形が概ね相似し、受光ユニット12a,12bは燃焼炎からの放射線エネルギーを観測していると推定できることから、炎有りの判断の1要素とし、受光信号E1に基づく炎判断を許容する。
図7は2つの受光信号の振幅変化の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャートである。
まず、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力する受光信号E1,E2を、所定サンプリング周期でA/D変換ポート30a、30bを介して所定時間T、例えばT=2秒に亘り取り込み、バッファメモリに一時的に記憶する。
次いで、判断部15は、ステップS1で取り込んだ所定期間Tの受光信号E1,E2を4つの時間区間T1,T2,T3,T4に分割し、各分割区間T1〜T4の受光信号E1の信号振幅の積分値ΣE11,ΣE12,ΣE13,ΣE14と、受光信号E2の積分値ΣE21,ΣE22,ΣE23,ΣE24を算出する。
次いで、判断部15は、ステップS2で算出した受光信号E1,E2の各分割区間T1〜T4の積分値の比R1,R2,R3,R4を前記式(1)〜(4)により算出する。
次いで、判断部15は、最初の時間区間T1の積分値の比R1に基づき、下限閾値TH1と上限閾値TH2を、例えばTH1=0.9・R1、TH2=1.1・R1とした炎判定閾範囲を設定する。
次いで、判断部15は、ステップS3で算出した受光信号E1,E2の最初の時間区間T1に続く残りの時間区間T2〜T4の積分値の比R2,R3,R4が前記式(5)〜(7)により下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲内か否か判定する。
次いで、判断部15は、ステップS6で前記式(5)〜(7)の全ての条件が成立することで、時間区間T2〜T4の積分値の比R2,R3,R4が全て炎判定閾範囲内にあることを判定した場合に、受光信号E1,E2の振幅波形が概ね相似して燃焼炎からの放射線エネルギーによる受光信号であると推定して、炎判断の1要素と判断し、ステップS7に進んで受光信号E1に基づく炎判断を許容する。
一方、判断部15は、ステップS6で前記式(5)〜(7)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、TH1=0.9・R1、TH2=1.1・R1とした炎判定閾範囲外にあることを判定した場合、受光ユニット12a,12bからの受光信号E1,E2は燃焼炎からの放射線エネルギーによるものではないと推定し、ステップS8に進んで、受光信号E1に基づく炎判断を抑止する。
(判断部15の概要)
図1に示した判断部15の他の実施形態として、受光信号E1,E2の周波数分布から相互の相関を求めて炎判断を行うことができる。
図8は、燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測した場合に図1の受光ユニット12a,12bの各々から出力される受光信号E1,E2の周波数分布を示した説明図である。
Rf1=Σf11/Σf21 式(8)
Rf2=Σf12/Σf22 式(9)
Rf3=Σf13/Σf23 式(10)
Rf4=Σf14/Σf24 式(11)
として求め、これを受光信号E1,E2の、周波数分布の相互の相関とする。
0.9Rf1≦Rf2≦1.1Rf1 式(12)
0.9Rf1≦Rf3≦1.1Rf1 式(13)
0.9Rf1≦Rf4≦1.1Rf1 式(14)
判断部15は、前記式(12)〜(14)の全ての条件の成立を判定した場合、即ち、最初の時間区間T1の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1に対し、残りの時間区間T2〜T4の全ての周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf2〜Rf4が所定の炎判定閾範囲内にある場合、受光信号E1,E2の周波数分布が概ね相似し、受光ユニット12a,12bは共に燃焼炎からの放射線エネルギーによる受光信号E1,E2を出力していると推定でき、炎有りの判断の1要素とし、例えば受光信号E1に基づく炎判断を許容する。
図9は2つの受光信号の周波数分布の相関を判断する図1の判断部の処理動作の手順を示したフローチャートである。
(ステップS11)
まず、判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力する受光信号E1,E2を、所定サンプリング周期でA/D変換ポート30a、30bを介して所定時間T、例えばT=2秒に亘り取り込み、バッファメモリに一時的に記憶する。
次いで、判断部15は、ステップS11で取り込んだ所定期間Tの受光信号E1,E2を4区間T1,T2,T3,T4に分割し、各区間T1〜T4の受光信号E1を高速フーリエ変換して8Hz以下の周波数範囲における相対レベル分布の積分値Σf11,Σf12,Σf13,Σf14と、受光信号E2について、高速フーリエ変換して8Hz以下の周波数範囲における相対レベルの積積分値Σf21,Σf22,Σf23,Σf24を算出する。
次いで、判断部15は、ステップS12で算出した受光信号E1,E2の各区間T1〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1,Rf2,Rf3,Rf4を前記式(8)〜(11)により算出する。
次いで、判断部15は、最初の区間T1の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf1に基づき、下限閾値THf1と上限閾値THf2を、例えばTHf1=0.9・Rf1、THf2=1.1・Rf1に設定する。
次いで、判断部15は、ステップS13で算出した受光信号E1,E2の最初の区間T1に続く残り区間T2〜T4の周波数の相対レベル分布の積分値の比Rf2,Rf3,Rf4を前記式(12)〜(14)により下限閾値TH1と上限閾値TH2を持つ炎判定閾範囲内となるか否か判定する。
次いで、判断部15は、ステップS16で前記式(12)〜(14)の全ての条件が成立することで炎判定閾範囲内にあることを判定した場合、受光信号E1,E2の周波数分布か概ね相似し、受光ユニット12a,12bは燃焼炎からの放射線エネルギーによる受光信号E1,E2を出力している推定し、炎判断の1要素と判定し、ステップS17に進んで、受光信号E1に基づく炎判断を許容する。
一方、判断部15は、ステップS16で前記式(12)〜(14)の少なくとも何れか1つの条件の不成立を判定した場合、即ち、THf1=0.9・Rf1、THf2=1.1・Rf1とした炎判定閾範囲外にあることを判定した場合、受光ユニット12a,12bは燃焼炎以外の放射線エネルギーによる受光信号E1,E2を出力していると推定し、ステップS18に進んで、受光信号E1炎判断を抑止する。
図10は受光ユニットに設けた複数の受光素子からの受光信号を加算する炎検出装置の他の実施形態による機能構成を示したブロック図である。
次に、図1の実施形態に示した炎検出装置の構成を、トンネル用の炎検出装置に適用した場合の実施形態について説明する。
図12に示すように、受光ユニット12a,12bは、図1の実施形態と同じであり、燃焼炎からCO2共鳴により放射される、概ね4.5μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測した受光信号E1と概ね2.3μmを中心波長とする狭帯域波長帯の放射線エネルギーを観測した受光信号E2を出力し、それぞれ判断部15に設けたA/D変換ポート30a,30bの各々でデジタル受光信号に変換して取り込んでいる。
受光ユニット12cは、受光センサ16a,16bとは異なる所定の波長帯を有する放射線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光センサ16cを備える。即ち、受光ユニット12cは、概ね5.0μm〜7.0μmの波長帯の放射線エネルギーを電気信号に変換した受光信号E3を出力する。
受光センサ16cは、概ね5.0μmを超える所定の波長帯の放射線を良好に透過するカットオンフィルタで構成されるロングパスフィルタである光学波長フィルタ20cと、光学波長フィルタ20cを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する図3の等価回路でなる受光素子22cを備え、図2に示したと同様な構造により、パッケージ化された構成を有し、光学ユニット12a,12bの受光センサ16a,16bと共に、本体カバー46内に設けられた共通の取り付け部材48上に、互いに近接して所定の配列で配置している。
透光性窓18は、図2に示した受光センサ16a,16bと共に受光センサ16cが収納された本体カバー46の監視エリア側となる前面側に設けられた所定の開口部に配置され、例えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成され、受光センサ16a,16b、16cの受光素子22a,22b,22cは、各々の受光限界視野が透光性窓18の縁辺部で規制されることにより、略同一の拡がり角度を有する検知エリアが設定される。
図13は、図12の実施形態に適用される光学波長フィルタ及び透光性窓の各波長における透過率を示した特性図である。
判断部15は、受光ユニット12a,12bから出力される受光信号E1,E2の所定期間の、相互の相関から炎有りの1要素を判断した場合、受光信号E1および受光ユニット12cから出力した受光信号E3を、A/D変換ポート30a,30cを介して所定時間取り込み、受光信号E1,E3毎に信号振幅の時間積分処理を行い、積分値ΣE1,ΣE3を算出する。ここで、積分値ΣE1,ΣE3は、便宜上、炎積分値ΣE1,非炎積分値ΣE3として区別する。
上記の実施形態は、各受光信号の相互の相関を、所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、各分割区間同士の信号積分値の比から燃焼炎の有無を判定しているが、信号積分値の比に限定されず、各受光信号の相関係数等の適宜の値による相互の相関から燃焼炎の有無を判定しても良い。
12a,12b,12c:受光ユニット
15:判断部
16a,16b,16c:受光センサ
18:透光性窓
20a,20b,20c:光学波長フィルタ
22a,22b,22c:受光素子
24a,24b,24c:前置フィルタ
25a,25b:焦電体
26a,26b,26c:プリアンプ
27a,27b:FET
28a,28b,28c:メインアンプ
30a,30b,30c:A/D変換ポート
Claims (2)
- 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される、それぞれ異なる所定波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
前記各受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号の、相互の相関を燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部と、
を備え、
前記判断部は、
前記複数の受光ユニットから出力された所定期間分の各受光信号E1〜Emを1以上の整数nの時間区間に等間隔で分割し、これらn個の分割区間の各々について1の受光信号E1の信号積分値ΣE11〜ΣE1nと、同じ分割区間に対応する他の受光信号Emの積分値ΣEm1〜ΣEmnの比R1〜Rnを、
R1〜Rn=ΣE11/ΣEm1〜ΣE1n/ΣEmn
として求め、
最初の分割区間の信号積分値の比R1に対し残りの分割区間の信号積分値の比R2〜Rnの全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合は、炎有り判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
- 燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測して燃焼炎の有無を判断し検出する炎検出装置であって、
燃焼炎から放射される、それぞれ異なる所定波長帯を観測した受光信号を出力する複数の受光ユニットと、
前記各受光ユニットで略同時期に観測して出力した所定期間分の各受光信号から求めたそれぞれの周波数分布を比較して判定した相互の相関を、燃焼炎の有無判断の1要素とする判断部と、
を備え、
前記判断部は、
前記所定期間分の各受光信号を複数の時間区間に分割した、所定範囲の周波数の相対レベル分布を求め、
各分割区間同士の周波数相対レベル分布の積分値の比の全てが所定の炎判定閾範囲内にある場合、炎有り判断の1要素とすることを特徴とする炎検出装置。
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