JP3963355B2 - 炎検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炎検出装置に関し、詳しくは、炎の発光を利用して火災に伴う炎の検出を行う炎検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炎から放射する光には可視光、紫外光及び赤外光といった様々な波長域の光が含まれているが、特に3〜5μm程度の赤外光には、燃焼時に生成されるCO2の共鳴放射と呼ばれる特定波長域(4.3μm付近の波長域)の光が含まれ、しかも、可視光のように周囲の光の影響を受けにくいため、この特定波長域を中心とした所定帯域の赤外エネルギーをセンサで検出し、所定レベル以上のエネルギーが検出されたときに火災に伴う炎の発生を判定するようにした炎検出装置が知られている。
【0003】
さらに、炎の発光エネルギーは、低い周波数(一般に数Hz程度)の帯域を中心とした揺らぎ(以下「揺らぎ信号成分」という)を持つことも知られており、上述のエネルギー強度の判定に加えて、時系列信号出力の周波数解析等によって求めた周波数特性を元に太陽光や照明光などの外乱光による誤判定を排除して検出精度の向上を図った炎検出装置も知られている。
【0004】
図12は、炎検出装置と赤外エネルギー放射体(以下「被検物」という)との関係図であり、1は炎検出装置の内部に設けられた検知素子、2は被検物である。検知素子1は受光面1aに到達した被検物2からの赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する例えば焦電型の赤外線センサである。なお、受光面1aの前面に特定波長域の光を通過させるための光学波長フィルタを装着しているが、図では省略してある。
【0005】
検知素子1の出力信号レベルは、検知素子1と被検物2との間の距離Rや赤外エネルギーの受光面への入射角θ(θは検知素子1の受光面の法線3とのなす角度)によって変化する。例えば、Rが大きくなると出力信号レベルは減少し、また、θが大きくなっても出力信号レベルは減少する。
【0006】
今、被検物2を規定の火炎モデルにするとともに、Rやθを様々に変化させながら検知素子1の出力信号レベルを平面図表上にプロットし、炎の検知が可能な最小の出力信号レベルのプロット点を結ぶことにより、炎検出装置の検知エリアを把握できる。
【0007】
図13は、検知エリアを示す図である。図において、4は炎検出装置、5は不図示の受光面の法線、6は炎の検知が可能な最小の出力信号レベルのプロット点を結んだ線であり、この線6の内側が検知エリア(以下、線6を検知エリアという)になる。但し、図では炎検出装置4の近くにある無効エリア(出力信号レベルが大きすぎて正確な炎の検知を行えないエリア)を省略している。
【0008】
検知エリア6は、炎検出装置4(の検知素子)の受光点Pから扇状に広がるとともに、その先で曲線を描いて閉じた形になっており、曲線上の任意点xと受光点Pとを結ぶ直線の長さLは、炎の検知が可能な最小の出力信号レベルに対応する上記距離Rに相当する。また、曲線上の任意点xと受光点Pとを結ぶ直線と法線5とのなす角φは、同じく炎の検知が可能な最小の出力信号レベルに対応する上記入射角θに相当する。
【0009】
図示の検知エリア6において、炎の検知が可能な距離Rの最大地点はθが最小(θ=0)となる法線4上の点yにある。すなわち、検知エリア6の受光点Pから最も遠い部分は点yの付近にある。
【0010】
このような形状の検知エリア6を有する炎検出装置4を、実際の火災監視対象に適用する場合は、図14に示すように、監視エリア8の全体が検知エリア6に完全に収まるように炎検出装置4の設置位置等の調節を行う。これにより、監視エリア8の全体を漏れなく監視することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の炎検出装置にあっては、検知エリア6の形状、特に最遠部の形状が曲線状になっているため、監視エリアの一般的な形状(矩形状)と一致せず、監視エリア8の外側に無用な検知エリア9が広がっていた。
【0012】
このため、例えば、図15に示すように、監視エリア8の境界部分に窓のような開口部10がある場合には、太陽や外灯などの外部光源11からの光が開口部10を通して入り込み、炎検出装置4で受光される結果、誤警報を発することがあるという問題点があった。
【0013】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、検知エリアの形を変更して、対象となる監視エリアの外側の無用な検知エリアを縮小することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた、監視領域における火災を検出する炎検出装置において、前記透光部材に複数の領域を設け、前記検知素子の検知エリアが前記監視領域を完全に含み且つ監視領域の形状に検知エリアが沿うように、前記透光部材の各領域の前記赤外線エネルギーに対応する透過率に差を持たせたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、表面荒さの異なるすりガラス加工によって前記透過率の差を持たせたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、すりガラス加工面を検知素子に対向する面としたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、透過波長帯域幅の異なる光学波長フィルタを用いて前記透過率の差を持たせたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記領域は、同心円状の複数の領域であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記領域は、同心円状の領域と楕円状の領域を含むことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記領域は、帯状の領域であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記帯状の領域の少なくとも一つを更に透過率の異なる複数の領域に分割することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記透光部材の中央部に位置する領域の透過率が最低、前記透光部材の周縁部に位置する領域の透過率が最大となるように設定することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記透光部材の直径方向に沿って各領域の透過率が増大又は減少変化することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた、監視領域における火災を検出する炎検出装置において、前記検知素子を二次元平面に複数個配列し、該炎検知装置の検知エリアが前記監視領域を完全に含み且つ監視領域の形状に検知エリアが沿うように、中央付近の検知素子の検知面サイズを周囲の検知素子の検知面サイズより小さくすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、炎検出装置の構造図である。炎検出装置20は、薄型円筒状のケース21と、このケース21の内部に収められたセンサパッケージ22とを備えており、ケース21の一端面にはめ込まれた透光部材23を介して外部の赤外エネルギーを取り込み、センサパッケージ22の光学波長フィルタ24でフィルタリングされた特定波長域の信号光を検知素子25で受光して電気信号に変換し、不図示の炎検出部に出力する。
【0017】
なお、光学波長フィルタ24は、例えば、燃焼時に生成されるCO2の共鳴放射と呼ばれる4.3μm付近の波長域を含む波長帯の透過特性を持つものであり、また、検知素子25は、例えば、焦電型の赤外線センサであるが、これに限定されない。要は、炎の発光を利用して火災に伴う炎の検出を行う炎検出装置に必要な検知特性を持つものであればよい。
【0018】
図示の炎検出装置20の検知視野角θTは、検知素子25の受光面(光学波長フィルタ24に対向する面)の端と透光部材23の端とを結んだ線26、27の開き角度で与えられ、この角度θTは、図13の検知エリア6における炎検出装置4(の検知素子)の受光点Pから扇状に広がる角度に相当する。
【0019】
本実施形態の特徴的な事項は、専ら透光部材23の構造にある。すなわち、透光部材23の一の役割は、従来技術の透光部材と同様に、ケース21と一体になって雨滴や埃などからセンサパッケージ22を保護する点にあるが、本実施形態では、さらに検知視野角θTの範囲内の入射光に対して入射角に応じた異なる透過率を与えるという二の役割を持つ点で従来技術と相違する。
【0020】
図2は、本実施形態の透光部材23の平面図である。略円形に成形された薄板状の透光部材23は、図示の例では三つの同心円領域23a、23b及び23cを有しており、各領域の透過率をそれぞれTa、Tb、Tcとすると、Ta>Tb>Tcの関係にある。但し、Taはほぼ100%またはできるだけ100%に近い値である。ここで、透過率(Transmittance)とは、物質層または異なる2媒質の境界面を通して波動が透過するとき、入射波に対する透過波の強度の比(一般に%で表す)をいう。例えば、透過率が100%のときは入射波の強度と透過波の強度が相等しく(透過損失がゼロ)、また、透過率が0%のときは入射波のすべてが透過中に失われて透過波の強度がゼロになる。
【0021】
図3は、図2の透光部材23を用いた場合の検知素子25の信号強度を示す図である。30a〜30cの扇状図形は、透光部材23の各領域23a〜23cに対応する信号を表し、扇の根元から先端までの長さで信号強度を模式化している。すなわち、Ta>Tb>Tcであるから、透過率Taを有する領域23aの透過波強度が最大となり、透過率Tbを有する領域23bの透過波強度がそれに次ぎ、透過率Tcを有する領域23cの透過波強度が最小となっている。
【0022】
三種類の扇状図形30a〜30cの長さの差は、透光部材23の各領域23a〜23cの透過率の差に対応し、例えば、Ta=90%、Tb=60%、Tc=30%とすると、Ta、Tb及びTcの各々の透過率差は30%であるから、検知素子25の受光特性を無視すれば、三種類の扇状図形30a〜30cの長さの差は、各々30%相当になる。
【0023】
図4は、上記の透光部材23を備えた炎検出装置20の検知エリア31を示す図である。図示の検知エリア31は、三種類のエリア31a〜31cを合成したものであり、第一のエリア31aは上記扇状図形30aに対応し、第二のエリア31bは上記扇状図形30bに対応し、第三のエリア31cは上記扇状図形30cに対応する。
【0024】
今、透光部材23の領域23aの透過率Taを従来の透光部材の透過率と同じ値とすれば、従来の炎検出装置の検知エリア6(以下「従来検知エリア」という)は破線の範囲で示すことができる。
【0025】
図からも理解されるように、従来検知エリア6は、第一のエリア31a、第二のエリア31b及び第三のエリア31cを含むと共に、さらに、第二のエリア31bと第三のエリア31cの延長先にハッチングで示す検知エリア6aを含む。したがって、本実施形態の検知エリア31は、従来検知エリア6からハッチングの検知エリア6aを除外したものということができ、この除外相当分のエリアは、透過部材23の領域23b及び23cの低透過率(Tb及びTc)によるものである。
【0026】
図5は、このような形状の検知エリア31を有する炎検出装置20を、実際の火災監視対象に適用した場合の図である。従来例と同様に、監視エリア32の全体が検知エリア31に完全に収まるように炎検出装置20の設置位置等の調節を行うことにより、監視エリア32の全体を漏れなく監視することができると共に、さらに、本実施形態では、以下に説明する特有の効果が得られる。
【0027】
すなわち、本実施形態の検知エリア31の形状、特に最遠部の形状が従来のような曲線状になっておらず、多少の凹凸があるものの、監視エリアの一般的な形状(矩形状)に沿う形状になっているため、監視エリアの外側の無用な検知エリア(図14の符号9参照)を縮小することができる。
【0028】
したがって、例えば、監視エリア32の境界部分に窓のような開口部(図15の符号10参照)があった場合でも、この開口部を介して入り込む太陽や外灯などの外部光源からのエネルギー強度を検知レベル以下に抑えることができ、誤警報を回避できるという特有の効果が得られるのである。
【0029】
なお、本実施形態における特徴的な事項の一つである透光部材23の構造は、上記例示のものに限定されない。発明の意図する範囲において様々な変形例を含むことはもちろんである。以下、その好ましい変形例を列挙する。
【0030】
図6は、第一の変形例を示す透光部材33の平面図であり、各々の透過率をTa、Tb及びTc(Ta>Tb>Tc)とする三つの領域33a〜33cの一つ(図では領域33b)の形状を楕円形にした例である。
【0031】
このような構造を有する透光部材33によれば、透光部材33の回転角度Fを変えることにより、検知エリア31の形を調節することができる。例えば、監視エリアを斜めに見通すように炎検出装置20を取り付けた場合(図9参照)に、透光部材33の楕円形領域33bの長径方向Eを縦にすれば、検知面の法線方向に沿って遠距離から近距離までの信号レベルを抑制することができる。
【0032】
図7は、第二の変形例を示す透光部材34の平面図であり、各々の透過率をTa、Tb及びTc(Ta>Tb>Tc)とする三種類の領域34a〜34cの形状を帯状にした例である。
【0033】
このような構造を有する透光部材34によれば、上記第一の変形例と同様に、透光部材34の回転角度Fを変えることにより、検知エリア31の形を調節することができる。
【0034】
図8は、第三の変形例を示す透光部材35の平面図であり、各々の透過率をTa、Tb及びTc(Ta>Tb>Tc)とする三つの領域35a〜35cの形状を帯状にしているが、透過率の高い領域35aと低い領域35cの間に中間の透過率を持つ領域35bを挟み込んで構成する点で上記第二の変形例と相違する。
【0035】
このような構造を有する透光部材35によれば、上記第一及び第二の変形例と同様に、透光部材35の回転角度Fを変えることにより、検知エリア31の形を調節することができるが、特に、図9に示すように、監視エリアを斜めに見通すように炎検出装置20を取り付けた場合に、透過率の低い領域35cが下になるようにすれば、検知エリア内の遠距離部分Eaに透過率の高い領域35aを対応させることができ、また、中間距離部分Ebに透過率の中間の領域35bを対応させることができ、さらに、近距離部分Ecに透過率の低い領域35cを対応させることができる。したがって、中間距離部分Ebからの信号強度と近距離部分Ecからの信号強度を各々の透過率に対応させて適切に抑制でき、特に、近距離部分Ecからの強い信号による炎の誤検出や受信系の飽和を防止できるという特有の効果が得られる。
【0036】
なお、上記実施形態並びに上記各変形例では、透光部材を三つ又は三種類の領域に分けているが、この領域数に限定されないことはいうまでもない。
【0037】
例えば、図10の第四の変形例に示す透光部材36のように、三種類の帯状領域36a〜36cの中央領域35cを、さらに三つの領域35d〜35fに分割し、各々の領域35a、35b、35d、35e、35fの透過率をTa、Tb、Tc、Td及びTe(Ta>Tb>Tc>Td>Te)としてもよい。
【0038】
このような構造を有する透光部材36によれば、特に、図9に示すように、監視エリアを斜めに見通すように炎検出装置20を取り付けた場合に、帯状領域の長手方向を縦にすれば、検知エリア内の遠距離部分Eaに透過率Tcの領域35dを対応させることができ、また、中間距離部分Ebに透過率Tdの領域35eを対応させることができ、さらに、近距離部分Ecに透過率Teの領域35fを対応させることができ、Tc>Td>Teであるので、中間距離部分Ebからの信号強度と近距離部分Ecからの信号強度を各々の透過率に対応させて適切に抑制でき、特に、近距離部分Ecからの強い信号による炎の誤検出や受信系の飽和を防止できるという上記第三の変形例と同様の効果が得られる。
【0039】
図11は、上記の実施形態並びに各変形例に適用して好ましい透過率調節の具体的手法を示す図である。図11(a)において、37は透光部材であり、透光部材37は透過率Taを有する、例えば、サファイアやパイレックス(登録商標)などの透光性プレート38の裏面側(図1のケース21の内部を臨む面)に二種類の光学波長フィルタ39、40を取り付けて(例えば、蒸着により)構成されている。
【0040】
第一の光学波長フィルタ39と第二の光学波長フィルタ40は、図11(b)に示すように、それぞれ広波長域Waと狭波長域Wbの透過特性を持っており、広波長域Waの透過特性を有する第一の光学波長フィルタ39の透過光量に比べて狭波長域Wbの透過特性を有する第二の光学波長フィルタ40の透過光量は少ないから、これら二つのフィルタ39、40に実質的な透過率差を持たせることができる。
【0041】
なお、透光部材の各領域毎の透過率に差を付ける方法は、かかる光学波長フィルタの利用以外にも様々考えられる。例えば、透光部材の各領域を表面荒さの異なる“すりガラス状”にしてもよい。但し、すりガラスは水滴や油等の付着によって透過率が変化するため、すりガラスの形成面を外部に露出してはならない。すなわち、炎検出装置のケースの内側にしなければならない。
【0042】
または、本発明の課題は、上述の透光部材の構造を工夫する以外の方法でも達成可能である。例えば、多数の検知素子を二次元平面に配列するとともに、中央付近の検知素子の検知面サイズを周囲の検知素子の検知面サイズより小さくすれば、法線方向からの入射光(入射角の小さい光)に対する出力信号レベルを小さくできる一方、入射角の大きい光に対する出力信号レベルを大きくできるので、上述の透光部材の構造を工夫した場合と同等ないしは類似の効果を期待できる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた炎検出装置において、前記透光部材に複数の領域を設け、各々の領域の前記赤外エネルギーに対する透過率に差を持たせたので、赤外エネルギーの入射角度に対応した透過率で前記電気信号のレベルを変化させることができ、監視エリアの外側の無用な検知エリアを縮小することができる。
請求項2記載の発明によれば、表面荒さの異なるすりガラス加工によって前記透過率の差を持たせたので、簡単な加工で済み、加工コストの削減を図ることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、すりガラス加工面を検知素子に対向する面としたので、加工面を水滴や油から保護して透過率の変動を回避できる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、透過波長帯域幅の異なる光学波長フィルタを用いて前記透過率の差を持たせたので、正確な透過率を得ることができ、検知エリアの変形精度を向上できる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記領域は、同心円状の複数の領域であるので、加工の容易化を図ることができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記領域は、同心円状の領域と楕円状の領域を含むので、透光部材の回転角度を変えて楕円状領域の向きを変えることにより、検知エリアの形を変化させることができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記領域は、帯状の領域であるりで、同心円状や楕円状の領域に比べて加工の容易化を図ることができると共に、透光部材の回転角度を変えて帯状領域の向きを変えることにより、検知エリアの形を変化させることができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の発明において、前記帯状の領域の少なくとも一つを更に透過率の異なる複数の領域に分割するので、検知エリアの形をきめ細かく変化させることができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記透光部材の中央部に位置する領域の透過率が最低、前記透光部材の周縁部に位置する領域の透過率が最大となるように設定するので、検知素子の(検知面の)法線方向の赤外エネルギーを大きく減衰でき、遠距離側の無用な検知エリアを小さくできる。
請求項10記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記透光部材の直径方向に沿って各領域の透過率が増大又は減少変化するので、透過率最低の領域を検知エリアの近距離部分に対応させれば、近距離部分からの赤外エネルギーを大きく減衰でき、近距離側の無効検知エリアを小さくできる。
請求項11記載の発明によれば、透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた炎検出装置において、前記検知素子を二次元平面に複数個配列するとともに、中央付近の検知素子の検知面サイズを周囲の検知素子の検知面サイズより小さくしたので、入射角ゼロの赤外エネルギーに対しては中央付近の検知素子によって小さな出力信号を得ることができる一方、入射角の大きい赤外エネルギーに対しては周囲の検知素子によって大きな出力信号を得ることができ、透光部材の構造を変えることなく、請求項1記載の発明と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炎検出装置の構成図である。
【図2】実施形態の透光部材の構造図である。
【図3】図2の透光部材を用いた場合の検知素子の信号強度を示す図である。
【図4】図2の透光部材を備えた炎検出装置の検知エリアを示す図である。
【図5】図4の検知エリアを実際の火災監視対象に適用した場合の図である。
【図6】第一の変形例に係る透光部材の構造図である。
【図7】第二の変形例に係る透光部材の構造図である。
【図8】第三の変形例に係る透光部材の構造図である。
【図9】炎検出装置を斜めに取り付けた場合の検知エリアを横方向からみた図である。
【図10】第四の変形例に係る透光部材の構造図である。
【図11】実施形態並びに各変形例に適用して好ましい透過率調節の具体的手法を示す図である。
【図12】炎検出装置と被検物との関係図である。
【図13】従来の検知エリアを示す図である。
【図14】従来の検知エリアを実際の火災監視対象に適用した場合の図である。
【図15】従来の検知エリアの不都合を説明する図である。
【符号の説明】
23 透光部材
25 検知素子
33 透光部材
34 透光部材
35 透光部材
36 透光部材
37 透光部材
23a〜23c 領域
33a〜33c 領域
34a〜34c 領域
35a〜35c 領域
36a〜36f 領域
39、40 光学波長フィルタ

Claims (11)

  1. 透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた、監視領域における火災を検出する炎検出装置において、
    前記透光部材に複数の領域を設け、前記検知素子の検知エリアが前記監視領域を完全に含み且つ監視領域の形状に検知エリアが沿うように、前記透光部材の各領域の前記赤外線エネルギーに対応する透過率に差を持たせたことを特徴とする炎検出装置。
  2. 表面荒さの異なるすりガラス加工によって前記透過率の差を持たせたことを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  3. すりガラス加工面を検知素子に対向する面としたことを特徴とする請求項2記載の炎検出装置。
  4. 透過波長帯域幅の異なる光学波長フィルタを用いて前記透過率の差を持たせたことを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  5. 前記領域は、同心円状の複数の領域であることを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  6. 前記領域は、同心円状の領域と楕円状の領域を含むことを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  7. 前記領域は、帯状の領域であることを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  8. 前記帯状の領域の少なくとも一つを更に透過率の異なる複数の領域に分割することを特徴とする請求項7記載の炎検出装置。
  9. 前記透光部材の中央部に位置する領域の透過率が最低、前記透光部材の周縁部に位置する領域の透過率が最大となるように設定することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  10. 前記透光部材の直径方向に沿って各領域の透過率が増大又は減少変化することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  11. 透光部材を介して入射する赤外エネルギーを電気信号に変換して出力する検知素子を備えた、監視領域における火災を検出する炎検出装置において、
    前記検知素子を二次元平面に複数個配列し、該炎検知装置の検知エリアが前記監視領域を完全に含み且つ監視領域の形状に検知エリアが沿うように、中央付近の検知素子の検知面サイズを周囲の検知素子の検知面サイズより小さくすることを特徴とする炎検出装置。
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