JP2001356047A - 炎検出装置およびその検知感度設定方法 - Google Patents

炎検出装置およびその検知感度設定方法

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JP2001356047A JP2000178844A JP2000178844A JP2001356047A JP 2001356047 A JP2001356047 A JP 2001356047A JP 2000178844 A JP2000178844 A JP 2000178844A JP 2000178844 A JP2000178844 A JP 2000178844A JP 2001356047 A JP2001356047 A JP 2001356047A
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学 溝渕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無効検知エリアを縮小して実質的な有効検知
エリアを拡大しつつ、炎判定の精度を向上させることが
でき、さらに、検知エリアで発生した火炎の位置を概略
的に把握することができる炎検出装置およびその検知感
度設定方法を提供する。 【解決手段】 炎検出装置は、受光素子10を備えたセ
ンサ部SENと、センサ部SENの検出信号Spから所
定の信号成分Apのみを通過させるフィルタ部FLT
と、信号成分Apを可変設定される所定の増幅率で増幅
する増幅部AMPと、増幅部AMPの増幅出力信号Bp
をデジタル信号に変換するA/D変換器50と、A/D
変換された増幅出力信号Bpの飽和状態を検出する飽和
検出部61と、最適な検知感度に切り換え設定する感度
切り換え制御部62と、最適検知感度における増幅出力
信号Bpに基づいて、炎の判定処理を実行する炎判定部
63とを備えた信号処理部PROと、を有して構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火炎を観測して得
られる光エネルギーを検出することにより、炎の有無を
判定する炎検出装置およびその検知感度設定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、火炎等の火災源を検出するために
用いられる炎検出装置の概略構成としては、たとえば、
図23に示すように、火炎等からの輻射エネルギー(特
に、赤外線エネルギー)を検出する焦電型等の受光素子
を備えた検知センサ110と、該受光素子により検出、
出力される検出信号Spから、炎判定処理に用いられる
特定の周波数帯域の信号成分Apのみを通過させる前置
フィルタ120と、前置フィルタ120を通過した信号
成分Apを所定の信号レベルに初段増幅するプリアンプ
130と、プリアンプ130からの出力を、後述する信
号処理に適した信号レベルに増幅するメインアンプ14
0と、メインアンプ140から出力される増幅出力(ア
ナログ信号)Bpをデジタル信号に変換するアナログ−
デジタル変換器(以下、A/D変換器と記す)150
と、A/D変換された増幅出力に基づいて、炎の判定処
理を実行するマイクロプロセッサユニット(MPU)等
で構成される炎判定処理部160と、を有して構成され
ている。
【0003】ここで、検知センサ110の受光素子の前
面(検知エリア側)には、有炎燃焼時に発生するCO2
共鳴により放射される4.4μm〜4.5μm付近の波
長帯域の光を透過させる光学式の波長バンドパスフィル
タ111が設けられている。なお、光学式の波長バンド
パスフィルタ111は、たとえば、検知センサ110と
ともにセンサモジュールとしてパッケージ化された構成
を有している。そして、光学式の波長バンドパスフィル
タ111の役割としては、炎から発せられる輻射光に
は、可視光、紫外光、および赤外光といった様々な波長
域の光が含まれているが、燃焼炎にはCO2の共鳴放射
により4.4μm〜4.5μm付近に放射線相対強度の
ピークがあることが知られていることから、この4.4
μm〜4.5μm付近の波長帯域の光を良好に透過させ
るために検知センサの受光素子前面に光学式の波長バン
ドパスフィルタ111を設けることにより、燃焼炎特有
の受光出力を捕らえるようにするものである。
【0004】このような炎検出装置(以下、便宜的に
「第1の従来技術」という)においては、検知センサ1
10により火炎FRが観測されると、火炎FRの輻射エ
ネルギーに応じた検出信号Spが出力され、炎判定に用
いられる周波数帯域の信号成分Apのみが抽出、増幅さ
れて、炎判定処理部160に入力される。炎判定処理部
160においては、増幅信号Bpのレベルまたは時間積
分値が、所定の炎判定レベル以上に達した場合に炎有り
と判定するようにしている。なお、MPU等の演算処理
装置を使用することなく、簡易な比較器を用いて増幅信
号レベルまたは積分信号レベルが炎判定レベル以上か否
かを比較するものもある。
【0005】また、上述したような炎検出装置の構成に
おいては、炎と炎以外の赤外線放射線源、たとえば、太
陽光、照明等との識別が困難な場合があることから、こ
の識別性能を向上させるため、有炎燃焼時に発生するC
O2の共鳴放射による4.4μm〜4.5μm付近の波
長帯域を含む複数波長帯域における放射線強度を検出し
て、それら複数波長帯域における検出値の相対比により
炎と炎以外の赤外線放射線源との識別を行う2波長式、
3波長式などの炎検出装置が知られている。
【0006】以下、2波長検出方式の炎検出装置につい
て、図24に示す概略構成図を参照して簡単に説明す
る。図24に示すように、2波長式の炎検出装置(以
下、便宜的に「第2の従来技術」という)は、上述した
炎検出装置の構成(図23)と略同等の赤外線エネルギ
ー検出系を二組備えている。波長バンドパスフィルタ1
11aは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射
される4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域の光を透
過させる光学式の波長バンドパスフィルタであり、一
方、波長バンドパスフィルタ111bは、たとえば4.
4μm〜4.5μm付近帯域の短波長側の3.8μm付
近の波長帯域の光を透過させる光学式の波長バンドパス
フィルタである。また、検知センサ110aおよび検知
センサ110bは、波長バンドパスフィルタ111aお
よび波長バンドパスフィルタ111bを透過した光を受
光して電気信号に変換して出力する。
【0007】検知センサ110a、110b以降の前置
フィルタ120a、120b、プリアンプ130a、1
30b、メインアンプ140a、140b、A/D変換
器150a、150bは、上述した炎検出装置と略同等
の構成および動作を有している。また、炎判定処理部1
60は、それぞれの検知センサ110a、110bから
出力され、増幅された検出信号のレベルまたは時間積分
値の相対比を算出し、所定のしきい値と比較することに
より、炎と炎以外の赤外線放射体との識別性能を向上さ
せている。
【0008】さらに、燃焼炎から放射される赤外線エネ
ルギーは低い周波数(一般に数Hz程度)の帯域を中心
としたゆらぎ(ちらつき)信号成分を持つことが知られ
ていることから、検知センサの所定時間の時系列検出信
号出力の周波数解析等によって算出した周波数特性か
ら、炎特有のゆらぎ信号の特徴を有しているか否かを判
定するようにして、炎と炎以外の赤外線放射線源との識
別性能を向上させるようにした炎検出装置(以下、便宜
的に「第3の従来技術」という)も知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来技術においては、次に示すような問題点を
有していた。すなわち、検知センサの出力信号レベル
は、検知センサと被検体(放射線源)との間の距離L、
および、被検体からの赤外線エネルギーの検知センサへ
の入射角θ(θ=0゜は検知センサの受光面に垂直に入
射した場合)によって大きく異なり、距離Lまたは入射
角θが小さくなるほど出力信号レベルは増大する傾向を
示す。
【0010】(1)このため、距離Lまたは入射角θの
少なくともいずれか一方が相対的に小さい地点において
は、火炎よりも小さい規模の赤外線放射線源、たとえ
ば、ライターの炎やランプ類等であっても、検知センサ
の出力レベルが大きくなるため、上述した第1および第
2の従来技術(図23、図24)にあっては、炎判定の
ためのしきい値レベルを超えてしまう可能性がある。
【0011】(2)また、距離Lまたは入射角θの少な
くともいずれか一方が相対的に小さい地点においては、
火炎による検知センサの出力レベルは大きくなるため、
増幅部(上記プリアンプおよびメインアンプ)の最大出
力レベルを超えて飽和することがあるが、出力レベルが
飽和した場合、第2の従来技術にあっては、正確な相対
比が得られず、誤った炎の判定を行う可能性があり、ま
た、第3の従来技術にあっては、時系列の出力波形デー
タが飽和により波形が歪んで正確に得られなくなるた
め、正確な周波数解析の結果が得られず、誤った炎の判
定を行う可能性がある。
【0012】ここで、図25に示すように、火炎FRか
らの赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する検
知センサ110と、検知センサ110の出力をGa倍
(但し、Ga>>1)して出力する増幅部AMP(上記
プリアンプ130およびメインアンプ140に相当)と
を備えた炎検出装置の概略的な構成図を用いて、上記問
題点について具体的に説明する。なお、図25におい
て、Apは増幅部AMPの入力信号、Bpは増幅部AM
Pの出力信号、Vccは増幅部AMPの高電位側の電源電
圧である。
【0013】まず、図25(a)に示すように、検知セ
ンサ110に対し、距離L(または入射角θの少なくと
もいずれか一方)が大きい検知エリア内の位置の火炎F
Rを検出する場合、増幅部AMPの増幅度Gaを充分に
大きくすることにより、入力信号Apの信号レベルがG
a倍され、図26(a)に示すように、基準レベルを中
心にして所定の振幅の信号レベル(ゆらぎ信号成分)を
有する出力信号Bpを得ることができ、図示を省略した
炎判定処理部において、出力信号Bpの相対比算出によ
る炎判定、または、出力信号Bpの時系列波形の周波数
解析による炎のゆらぎ判定を正確に行うことができる。
なお、当然のことながら、2波長式の炎検出装置の場合
にあっては、2波長帯域それぞれの出力信号Bpを検出
することが必要になる。
【0014】しかしながら、図25(b)に示すよう
に、検知センサ110に対し、距離L(または入射角θ
の少なくともいずれか一方)が小さい位置で上記図25
(a)と同規模の火炎FRを検出した場合、入力信号A
pは距離の逆2乗則等の影響により増大し、これに伴っ
て出力信号Bpも増大することになるため、図26
(b)に示すように、出力信号Bpは電源電圧Vcc、G
NDを越えない信号レベル±Lv(増幅部AMPの最大
/最小出力レベル;以下、飽和レベルと記す)で飽和す
ることになる。なお、本説明では、増幅部AMPの電源
が、単電源の場合について説明した。
【0015】したがって、検知センサ110に対し、距
離Lまたは入射角θの少なくともいずれか一方が大きい
検知エリア内の位置の炎については、図26(a)に示
すように、その信号成分を含む出力信号Bpが良好に得
られるのに対して、検知センサ110に対し、距離Lま
たは入射角θの少なくともいずれか一方が小さい位置の
同規模の炎については、図26(b)に示すように、飽
和レベル±Lvを超過する、信号成分の一部がカットさ
れた出力信号Bp、すなわち、飽和により歪んだ信号波
形しか得られず、その結果、炎検出装置に近い位置の炎
の場合には、正確な相対比が得られないことになり、ま
た、正確な周波数解析の結果が得られなくなるという不
都合があった。
【0016】一方、増幅部AMPの増幅度Gaを小さく
して、出力信号Bpが飽和レベルを超過しないように設
定すれば、出力信号Bpの歪みや変形を回避して、適切
な信号波形が得られるため、炎検出装置に近い位置の炎
においても正確な相対比が得られ、また、正確な周波数
解析の結果が得られるが、増幅度Gaを小さくすること
により、検知感度の低下を招いて、検知エリアが縮小さ
れ、遠くの炎を検出できなくなるという不都合を生じる
ことになる。
【0017】(3)したがって、これら従来の炎検出装
置にあっては、図27に示すように、炎検出装置に近い
エリアを、無効検知エリア(炎と炎以外の放射線源との
識別を保証できないエリア)Ainvとして設定せざるを
得ず、全検知エリアから無効検知エリアAinvを除いた
有効検知エリア(炎と炎以外の放射線源との識別を保証
するエリア)Aeffが相対的に狭くなるという共通の問
題点がある。従来は、監視対象範囲がこの無効検知エリ
アAinvと重ならないように設置する等の対策を施して
いた。しかし、監視対象範囲が広くかつ遠方まで及ぶ場
合には、検知感度を高く設定等することにより検知エリ
アを広くしなければならないため、それに応じて無効検
知エリアAinvが拡大してしまい、設置位置の設定方法
のみによっては十分な対策が困難になっていた。
【0018】(4)さらに、上述した従来の炎検出装置
は、基本的に1つの検知感度により有効検知エリアを一
定に設定して(固定して)、有効検知エリア内での炎を
監視していたため、炎を判定した場合であっても有効検
知エリア内のどの領域に炎が存在しているかについて
は、全く把握することができず、たとえば、放水装置と
の連動システムを構成した場合、放水装置に炎地点、す
なわち、放水地点に関する情報を提供できず、有効検知
エリア全体に万遍なく放水することを余儀なくされるこ
とになって、消火までに長時間を要するとともに、放水
装置に付設する給水設備等の大規模化により設備のコス
トアップを招くという問題点もある。
【0019】そこで、本発明は、このような問題点に鑑
み、第1の目的として、無効検知エリアを縮小して実質
的な有効検知エリアを拡大することができ、また、第2
の目的として、炎判定の精度を向上させることができ、
さらに、第3の目的として、検知エリアで発生した火炎
の位置を概略的に把握することができる炎検出装置およ
びその検知感度設定方法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る炎検出装置
は、火炎を観測して得られる光を受光して電気信号に変
換して出力する検知センサと、前記検知センサからの出
力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部
と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて
炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置
において、検知感度を複数段階に切り換え制御する感度
切換制御手段と、前記増幅部からの増幅出力信号の飽和
状態を検出する飽和検出手段とを備え、前記感度切換制
御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した
場合に、検知感度を低感度側の最適な検知感度に切り換
え制御し、前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換
え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号
に基づいて炎の判定処理を行うことを特徴としている。
【0021】また、本発明に係る他の炎検出装置は、有
炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される第1の
波長帯域の光を透過させる第1の光学波長フィルタと、
前記第1の光学波長フィルタを透過した光を受光して電
気信号に変換して出力する第1の検知センサと、前記第
1の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増
幅して出力する第1の増幅部と、を備えた第1の検知グ
ループと、前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長
帯域に隣接した第2の波長帯域の光を透過させる第2の
光学波長フィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透
過した光を受光して電気信号に変換して出力する第2の
検知センサと、前記第2の検知センサからの出力信号を
所定の増幅率により増幅して出力する第2の増幅部と、
を備えた第2の検知グループと、前記第1の増幅部およ
び前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて、炎
の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置に
おいて、前記第1の検知グループおよび第2の検知グル
ープの検知感度をそれぞれ複数段階に切り換え制御する
感度切換制御手段と、前記第1の増幅器からの増幅出力
信号の飽和状態を検出する飽和検出手段とを備え、前記
感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態
を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2
の検知グループの検知感度を連動して低感度側の最適な
検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、最適な
検知感度に切り換え設定した状態における前記第1の増
幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づ
いて炎の判定処理を行うことを特徴としている。
【0022】本発明に係る炎検出装置の検知感度設定方
法は、火炎を観測して得られる光を受光して電気信号に
変換して出力する検知センサと、前記検知センサからの
出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部
と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて
炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置
の検知感度設定方法において、前記増幅部から出力され
る増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、検知感度
を低感度側に切り換え制御し、最適な検知感度に設定す
ることを特徴としている。
【0023】また、本発明に係る他の炎検出装置の検知
感度設定方法は、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴によ
り放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光
学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過
した光を受光して電気信号に変換して出力する第1の検
知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所
定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を
備えた第1の検知グループと、前記第1の光学波長フィ
ルタの中心透過波長帯域に隣接した第2の波長帯域の光
を透過させる第2の光学波長フィルタと、前記第2の光
学波長フィルタを透過した光を受光して電気信号に変換
して出力する第2の検知センサと、前記第2の検知セン
サからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力す
る第2の増幅部と、を備えた第2の検知グループと、前
記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力
信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備
えた炎検出装置の検知感度設定方法において、前記第1
の増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検出
した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知
グループの検知感度を連動して低感度側に切り換え制御
し、最適な検知感度に設定することを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明に係る炎検出装置の
第1の実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実
施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例
を示す図であり、図3は、本実施形態に係る炎検出装置
に適用される増幅部の作用を示す図である。
【0025】図1に示すように、本実施形態に係る炎検
出装置は、大別して、所定の波長帯域を有する赤外線エ
ネルギーを電気信号に変換して出力する受光素子10を
備えたセンサ部(検知センサ)SENと、センサ部SE
Nから出力される検出信号Spから、所定の周波数帯域
の信号成分Apのみを通過させるフィルタ部FLTと、
フィルタ部FLTを通過した信号成分Apを、可変設定
される所定の増幅率で増幅する増幅部AMPと、増幅部
AMPから出力される増幅出力信号(アナログ信号)B
pをデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器
(以下、A/D変換器と記す)50と、A/D変換され
た増幅出力信号Bpに基づいて、炎の判定処理を実行す
る信号処理部(炎判定手段)PROと、を有して構成さ
れている。
【0026】以下、各構成について具体的に説明する。 (イ)センサ部SEN センサ部SENは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴に
より放射される概ね4.4μm〜4.5μm付近の波長
帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率
で透過する光学式の波長バンドパスフィルタ(光学波長
フィルタ)11と、該光学波長フィルタ11を透過した
光を受光して電気信号に変換して出力する焦電型の受光
素子10を備えている。
【0027】ここで、センサ部SENの具体的な構成例
について説明すると、たとえば、図2に示すように、受
光素子10が形成された基板12と、該基板12を基部
14上に支持するための基板搭載部13と、基板搭載部
13側の背面側から端子15が外部へ突出して延在する
基部14と、受光素子10の前方に光学波長フィルタ1
1を備えたカバー部材16とにより、センサモジュール
としてパッケージ化された構成を有している。
【0028】(ロ)フィルタ部FLT フィルタ部FLTは、上記受光素子10から出力される
検出信号から、炎判定処理に用いられる特定の周波数帯
域の信号成分Apのみを通過させて、後段の増幅部AM
Pに伝達する前置フィルタ20を有して構成されてい
る。 (ハ)増幅部AMP 増幅部AMPは、抵抗R1を介してフィルタ部FLTか
らの信号成分Apが一方の入力端子(−)に接続され、
基準レベルが他方の入力端子(+)に接続されたアンプ
40と、該アンプ40の入力端子(−)と出力端子間に
接続された抵抗R2、R3および抵抗R2に並列接続さ
れたコンデンサCと、抵抗R2、R3の接続接点と基準
レベルとの間に、直接接続された抵抗R4、および、各
々切換スイッチ(アナログスイッチ)SW1、SW2を
介して接続された抵抗R5、R6とを備えている。
【0029】すなわち、増幅部AMPは、図3(a)に
示すように、アンプ40の入力端子(−)と出力端子間
に抵抗RおよびコンデンサCが並列接続されたRCフィ
ルタを備えた基本構成を有している。一般に、図3
(a)に示すような増幅部の構成において、増幅率を可
変調整する構成としては、図3(b)に示すように、抵
抗Rに対して可変抵抗Rvを直列接続して、この可変抵
抗Rvの抵抗値に応じて増幅率を調整する構成が知られ
ている。しかしながら、図3(b)に示すような増幅部
の構成においては、可変抵抗Rvの抵抗値を変化させる
ことにより増幅率を可変調整した場合、抵抗R、Rv、
コンデンサCからなるフィルタの特性が一緒に変化して
しまい、所望の出力信号特性を得られなくなるという問
題を有している。
【0030】そこで、本実施形態においては、図3
(c)に示すように、アンプ40の入力端子(−)と出
力端子間に固定抵抗R、Raを接続し、その接続接点N
と基準レベルとの間に、各々切換スイッチSWa、SW
bを介して並列接続された低抵抗値を有する抵抗Rb、
Rcとを備えた構成を有することにより、フィルタ特性
を固定して安定した増幅動作を実現しつつ、切換スイッ
チSWa、SWbの選択的な導通/遮断制御により、増
幅率を段階的に可変可能としている。したがって、この
ような増幅部AMPの構成によれば、フィルタ部FLT
を通過する信号成分Apを、段階的に可変設定される所
定の増幅率で、後述する炎判定処理に適した信号レベル
に増幅することができる。なお、本実施形態において
は、切換スイッチSW1、SW2がともに導通状態(O
N)にあるとき、最高増幅率(最高検知感度)となり、
切換スイッチSW1、SW2がともに遮断状態(OF
F)にあるとき、最低増幅率(最低検知感度)となる。
【0031】(ニ)A/D変換器50 A/D変換部50は、増幅部AMPから出力された増幅
出力信号Bpを、後段の信号処理部PROにおける各種
信号処理に適したデジタル信号に変換する。なお、A/
D変換部50は、後段の信号処理部PROがデジタル信
号処理を行う場合にのみ必要であり、アナログ信号レベ
ルを直接基準値と比較するような処理回路を有する場合
には省略することができる。
【0032】(ホ)信号処理部PRO 信号処理部PROは、A/D変換器50によりA/D変
換された増幅出力信号Bpの信号レベル(増幅出力信号
レベル)が飽和レベルに達しているか否か(飽和状態)
を検出する飽和検出部(飽和検出手段)61と、飽和検
出部61により増幅出力信号レベルの飽和を検出した場
合に、制御信号CS1、CS2を出力して、上記切換ス
イッチSW1、SW2の導通/遮断状態を制御して、増
幅部AMPの増幅率を段階的に切り換え、最適な検知感
度を設定する感度切換制御部(感度切換制御手段)62
と、感度切換制御部62により設定された検知感度(増
幅率)における、増幅部AMPからの増幅出力信号Bp
に基づいて、火炎等の有無を検出する判定処理を実行す
る炎判定部(炎判定手段)63とを備えている。
【0033】ここで、炎判定部63における炎検出の判
定処理の具体的な手法としては、たとえば、増幅部AM
Pからの増幅出力信号レベルの積分値と、所定の炎判定
レベル(しきい値)とを比較し、積分値が炎判定レベル
以上であることを検出した場合に炎有りと判定する方法
を適用することができる。また、他の判定処理方法とし
ては、所定のしきい値以上を検出した場合に、増幅出力
信号レベルの所定時間のサンプリングデータに基づいて
周波数解析を行い、火炎特有のゆらぎ(ちらつき)周波
数の特徴が得られる場合に炎有りと判定するものや、レ
ベル比較との組合せ等、種々の手法を適用することがで
きる。
【0034】次いで、本実施形態に係る炎検出装置の検
知感度設定方法について、図面を参照して説明する。図
4は、本実施形態に係る炎検出装置の検知感度設定方法
の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、図
1に示した炎検出装置の概略構成を適宜参照しながら説
明する。
【0035】まず、初期状態として、感度切換制御部6
2は、制御信号CS1、CS2を出力して、切換スイッ
チSW1、SW2をともに導通状態に切り換え制御し、
増幅部AMPの増幅率を最大に設定する(S101)。
すなわち、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定す
る。そして、火炎FRが観測されると、受光素子10に
より火炎FRの輻射エネルギーに応じた検出信号Spが
出力され、前置フィルタ20により特定の周波数帯域の
信号成分Apのみが通過して増幅部AMPに出力され
る。増幅部AMPは、上記初期状態により設定される最
高増幅率に基づいて、信号成分Apを増幅処理し、A/
D変換器50を介してA/D変換された増幅出力信号B
pを信号処理部PROに出力する。
【0036】次いで、信号処理部PROは、増幅部AM
Pからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S10
2)、所定時間のサンプリング値の積分値を算出し、飽
和検出部61により増幅出力信号Bpが飽和状態にある
か否かが検出され(S103)、飽和状態にない場合に
は、炎判定部63により増幅出力信号Bpに基づいて炎
の有無が判定される(S104)。
【0037】具体的には、飽和検出部61により、たと
えば、増幅出力信号Bpのサンプリング値の積分値が、
飽和検出用のしきい値を所定回数超えた場合(連続して
所定回数超えた場合、または、所定時間内に所定回数超
えた場合)に飽和状態が検出される。そして、飽和状態
が検出されない場合には、炎判定部63により、たとえ
ば、増幅出力信号Bpの所定時間のサンプリング値の積
分値が、炎判定レベルとなるしきい値を超えた場合に炎
有りと判定される。炎有りと判定された場合には、図示
を省略した伝送線等を介して監視制御盤等に火災発生信
号が出力され、防災管理者等に火災発生情報が通知され
(S105)、炎無しと判定された場合には、処理手順
S101に戻って、火炎FRの観測を継続する。
【0038】一方、飽和検出部61により、増幅出力信
号Bpの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御
部62により、炎検出装置の検知感度を低感度側の最適
な検知感度に切り換え制御する。具体的には、処理手順
S103において、増幅出力信号Bpの飽和を検出した
場合には、感度切換制御部62から制御信号CS1を出
力して、切換スイッチSW1を遮断状態とし、実質的に
抵抗R6を増幅部AMPから切り離すことにより、増幅
部AMPの増幅率を段階的に低くして検知感度を1段階
低下させる(S106)。
【0039】次いで、1段階低下した検知感度で、再び
火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S102〜S
105)と同様に、信号処理部PROは、増幅部AMP
からの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S10
7)、飽和検出部61により増幅出力信号Bpが飽和状
態にあるか否かが検出され(S108)、飽和状態にな
い場合には、炎判定部63により増幅出力信号Bpに基
づいて炎の有無が判定される(S109)。そして、炎
有りと判定された場合には、火災発生信号が出力され
(S110)、炎無しと判定された場合には、処理手順
S101に戻って、火炎FRの観測を継続する。
【0040】一方、処理手順S108において、飽和検
出部61により、増幅出力信号Bpの飽和状態が検出さ
れた場合には、感度切換制御部62から制御信号CS2
を出力して、切換スイッチSW2を遮断状態とし、実質
的に抵抗R5、R6の双方を増幅部AMPから切り離す
ことにより、増幅部AMPの増幅率を段階的に低くして
検知感度をさらに1段階低下させる(S111)。
【0041】次いで、さらに1段階(すなわち、2段
階)低下した検知感度で、再び火炎FRを観測し、増幅
部AMPからの増幅出力信号Bpに基づいて、上記一連
の処理手順(S102〜S105、または、S107〜
S110)と同様に、増幅部AMPからの増幅出力信号
Bpを順次読み込み(S112)、飽和状態を検出して
(S113)、飽和状態にない場合には、炎の有無が判
定される(S114)。炎有りと判定された場合には、
火災発生信号が出力され(S115)、炎無しと判定さ
れた場合には、処理手順S101に戻って、火炎FRの
観測を継続する。
【0042】一方、処理手順S113において、飽和検
出部61により、増幅出力信号Bpの飽和状態が検出さ
れた場合には、一義的に炎有りと判定して、火災発生信
号が出力される(S116、S117)。すなわち、炎
検出装置の検知感度を最低感度に設定した場合であって
も飽和状態が検出された場合には、無条件で火災発生信
号を出力することにより、火災発生の僅かな可能性をも
見逃さないようにするものである。上述したような一連
の処理手順によれば、増幅部AMPの増幅率を段階的に
変化させることにより、信号処理部PROに入力される
増幅出力信号Bpの飽和状態を回避する最適な検知感度
を設定して、適切な信号レベルを有する増幅出力信号B
pに基づいて炎判定処理を実行することができるので、
炎判定の精度を向上させることができる。
【0043】なお、上述した実施形態においては、検知
感度(すなわち、増幅部AMPの増幅率)を初期状態
(最高感度)から段階的に低感度側に切り換える手法に
ついて説明したが、本発明は、この手法に限定されるも
のではない。たとえば、検知感度(すなわち、増幅部A
MPの増幅率)を初期状態(最高感度)に設定して読み
込んだ増幅出力信号Bpが、飽和状態であることを検出
した場合には、切換スイッチSW1、SW2の双方をO
FF制御して、増幅部AMPの増幅率を最低の増幅率に
切り換えることにより、検知感度を最低感度に設定し、
最低感度側から段階的に高感度側に切り換える手法であ
ってもよい。
【0044】この場合、最低検知感度において読み込ん
だ増幅出力信号Bpの信号レベルが、所定のしきい値
(たとえば、炎判定レベル)以下であるか否かが検出さ
れ、しきい値以下である場合には、切換スイッチSW2
をON制御して増幅部AMPの増幅率を1段階高くし
て、検知感度を高感度側に1段階高くするように切り換
え制御する。一方、増幅出力信号Bpの信号レベルが、
所定のしきい値以上である場合には、炎有りと判定し
て、火災発生信号が出力される。
【0045】このような処理手順によれば、大規模な火
炎や拡大の早い火炎が発生した場合に、検知感度を高感
度側から低感度側に段階的に切り換える手法に比して、
迅速かつ正確に炎判定処理を実行することができる。ま
た、本実施形態におけるこのような最適感度設定方法に
よれば、飽和状態が検出されない検知感度のうち、一番
高い検知感度を最適検知感度とするように切り換え設定
して、炎判定を行うことができるので、信号対ノイズ比
(S/N)を改善して、炎判定処理の精度を一層向上す
ることができる。
【0046】なお、本実施形態において、1段階高い検
知感度における増幅出力信号レベルが飽和状態を検出し
た場合であって、かつ、当該検知感度より1段階低い検
知感度における増幅出力信号レベルの積分値が所定のし
きい値(たとえば、炎判定レベル)以下である場合に
は、飽和状態を検出した上記1段階高い検知感度に切り
換え、一義的に炎有りと判定して、火災発生信号を出力
するようにしてもよい。また、最低検知感度における増
幅出力信号レベルにおいても飽和状態を検出した場合
は、当該最低検知感度の設定状態を維持して、一義的に
炎有りと判定して、火災発生信号を出力するようにして
もよい。これにより、上記一連の処理手順において、炎
有りと判断される可能性が僅かでもある場合には、最終
的に無条件で火災発生信号を出力することができ、失報
の発生を確実に防止することができる。
【0047】次に、本発明に係る炎検出装置の検知感度
設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法
について、図面を参照して説明する。上述した実施形態
においては、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpの飽
和状態に基づいて、増幅部AMPの増幅率(すなわち、
検知感度)の切り換え制御、および、炎判定処理を実行
する場合について説明したが、炎検出装置の検知感度
は、炎の検知エリアと密接に関連していることから、上
記と同様の処理手順を用いて、火炎の発生領域を概略的
に把握することができる。すなわち、炎判定部63によ
り炎有りと判定された場合、その時点で設定されている
検知感度に対応した有効検知エリア内に火炎が位置して
いると判定される。
【0048】(火災発生領域の判定方法の第1の具体
例)図5は、本実施形態に係る火災位置判定方法の第1
の具体例を示す検知エリアの概略図であり、図6は、検
知感度と火災発生領域との関係を示すテーブルである。
図4に示したフローチャートの処理手順S101〜S1
04において設定された検知感度(最高感度)に対応す
る検知エリアは、図5(a)に示すように、炎検出装置
100から最も遠方の領域までを監視対象とする有効検
知エリアARaとなる。このとき、炎検出装置100近
傍の無効検知エリアAXaは、比較的大きな領域になら
ざるを得ない。したがって、図6に示すように、切換ス
イッチSW1、SW2がともにON制御された状態で、
炎判定部63により炎有りと判定された場合には、有効
検知エリアARa内で火炎faが発生していると判定す
る(関連付ける)ことができる。
【0049】また、図4に示したフローチャートの処理
手順S106〜S109において設定された検知感度に
対応する検知エリアは、図5(b)に示すように、炎検
出装置100から最遠の領域までの、略中程の領域を監
視対象とする有効検知エリアARbとなる。このとき、
炎検出装置100近傍の無効検知エリアAXbは、上記
無効検知エリアAXaに比較して、縮小された領域に設
定することができる。したがって、図6に示すように、
切換スイッチSW1がOFF制御され、切換スイッチS
W2がON制御された状態で、炎判定部63により炎有
りと判定された場合には、有効検知エリアARb内に火
炎fbが発生していると判定することができる。
【0050】さらに、図4に示したフローチャートの処
理手順S111〜S114において設定された検知感度
に対応する検知エリアは、図5(c)に示すように、炎
検出装置100の極近傍の領域を監視対象とする有効検
知エリアARcとなる。このとき、炎検出装置100近
傍の無効検知エリアAXcは、上記無効検知エリアAX
bに比較して、さらに縮小された領域に設定することが
できる。したがって、図6に示すように、切換スイッチ
SW1、SW2がともにOFF制御された状態で、炎判
定部63により炎有りと判定された場合には、有効検知
エリアARc内に火炎fcが発生していると判定するこ
とができる。
【0051】これにより、検知エリア内で発生した火炎
の位置を、概略的に把握することができ、たとえば、放
水装置に対して火炎発生地点に関する情報を提供するこ
とにより、消火時間の短縮および水損の影響を低減する
ことができるとともに、給水設備等の規模を削減して設
備コストを抑えることができる。また、検知感度を順次
変化させることにより、炎検出装置の近傍に設定される
無効検知エリアを実質的に縮小することができ、有効検
知エリアを相対的に拡大して広範囲の火炎監視機能を実
現することができる。
【0052】(火災発生領域の判定方法の第2の具体
例)図7は、本実施形態に係る火災位置判定方法の第2
の具体例を示すフローチャートであり、図8は、本実施
形態に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判
定処理の一例を示す概略図であり、図9は、本実施形態
に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判定処
理の他の例を示す概略図である。ここでは、図1に示し
た炎検出装置の概略構成を適宜参照して説明する。
【0053】第2の具体例に係る処理手順は、図7に示
すように、まず、初期状態として、感度切換制御部62
により、増幅部AMPの切換スイッチSW1、SW2を
ON制御して、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定
する(S301)。そして、火炎FRを観測することに
より受光素子10から検出信号Spが出力され、前置フ
ィルタ20により特定の周波数帯域の信号成分Apのみ
が通過して増幅部AMPにより増幅処理される。信号処
理部PROは、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを
順次読み込み(S302)、炎判定部63により炎の有
無を判定する(S303)。この判定結果は、設定され
ている検知感度(最高感度)に対応する有効検知エリア
(図5(a)に示したARaに相当)と関連付けて、エ
リア情報としてメモリ等の記憶手段に格納する(S30
4)。
【0054】次いで、感度切換制御部62により、増幅
部AMPの切換スイッチSW1をOFF制御して、炎検
出装置の検知感度を1段階低い検知感度側に切り換え制
御する(S305)。そして、1段階低下した検知感度
で、再び火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S3
02〜S304)と同様に、信号処理部PROは、増幅
部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S
306)、炎の有無を判定し(S307)、その判定結
果を、設定されている検知感度(最高感度より1段階低
い検知感度)に対応する有効検知エリア(図5(b)に
示したARbに相当)と関連付けて、エリア情報として
取得する(S308)。
【0055】さらに、感度切換制御部62により、増幅
部AMPの切換スイッチSW2をOFF制御して、炎検
出装置の検知感度をさらに1段階下げ、最低感度に切り
換え制御する(S309)。そして、最低感度で、再び
火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S302〜S
304、S306〜S308)と同様に、増幅部AMP
からの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S31
0)、炎の有無を判定し(S311)、その判定結果
を、設定されている検知感度(最低感度)に対応する有
効検知エリア(図5(c)に示したARcに相当)と関
連付けて、エリア情報として取得する(S312)。
【0056】次いで、検知エリアと炎判定結果が関連付
けられたエリア情報において、炎有りの判定結果に関連
付けられたエリア情報の中から最低の検知感度に対応す
る有効検知エリアと、炎無しの判定結果に関連付けられ
たエリア情報の中から最高の検知感度に対応する有効検
知エリアとを抽出する(S313、S314)。そし
て、抽出された各有効検知エリア相互の差分となる領域
を算出して(S315)、当該領域を炎発生エリアと判
定し(S316)、火災発生信号に該炎発生エリアの情
報を付加して出力する(S317)。
【0057】具体的には、図8(a)に示すように、有
効検知エリアARaに対応する検知感度(最高感度)の
とき、炎有りの判定結果が得られ、かつ、図8(b)に
示すように、有効検知エリアARbに対応する検知感度
(最高感度よりも1段階低い検知感度)のとき、炎無し
の判定結果が得られた場合には、図8(c)に示すよう
に、炎有りと判定された検知感度に対応する有効検知エ
リアARaから、炎無しと判定された検知感度に対応す
る有効検知エリアARbを除去した領域ARAに、火炎
FAが発生していると判定することができる。
【0058】また、他の例としては、図9(a)に示す
ように、有効検知エリアARbに対応する検知感度(最
高感度よりも1段階低い検知感度)のとき、炎有りの判
定結果が得られ、かつ、図9(b)に示すように、有効
検知エリアARcに対応する検知感度(最低感度)のと
き、炎無しの判定結果が得られた場合には、図9(c)
に示すように、炎有りと判定された検知感度に対応する
有効検知エリアARbから、炎無しと判定された検知感
度に対応する有効検知エリアARcを除去した領域AR
Bに、火炎FBが発生していると判定することができ
る。なお、この第2の具体例にあっては、基本的に炎検
出装置の切り換え設定が可能な全ての検知感度におい
て、炎判定処理とともに飽和状態検出処理が行われ、最
適検知感度の決定後、最適検知感度より低感度側の全て
の検知感度に切り換え制御される。
【0059】このように、最適検知感度より低感度側の
全ての検知感度に順次切り換え制御して、それぞれの検
知感度における増幅出力信号に基づいて炎判定処理を行
い、図8、図9に示したように、炎有りを判定した検知
感度に対応する有効検知エリアから、炎有りを判定しな
かった検知感度に対応する有効検知エリアを除去するこ
とにより、上述した第1の具体例に比して、火炎の発生
した位置を、さらに狭い領域内に特定することができ、
放水装置による消火時間の短縮や水損の低減を一層促進
することができる。
【0060】<第2の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第2の実施形態について、図面を参照して説
明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の
炎検出装置を2波長検出方式に適用したものである。図
10は、本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を示
す概略構成図であり、図11は、本実施形態に係る炎検
出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同
一の符号を付して、その説明を省略する。
【0061】図10に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、概略、第1の実施形態(図1参照)と略同
等の構成を有する第1の検知グループKGAおよび第2
の検知グループKGBと、各検知グループKGA、KG
Bから出力される出力信号(増幅出力信号)BA、BB
に基づいて、炎判定処理を実行する信号処理部(炎判定
手段)PROと、を備えている。
【0062】第1の検知グループKGAは、たとえば、
炎特有の波長帯域を有する赤外線エネルギーのみを抽出
し、電気信号に変換して出力する第1の受光素子10A
を備えたセンサ部(第1の検知センサ)SENAと、セ
ンサ部SENAから出力される検出信号SAから、所定
の周波数帯域の信号成分AAのみを通過させるフィルタ
部FLTAと、フィルタ部FLTAを通過した信号成分
AAを、可変設定される所定の増幅率で増幅する増幅部
(第1増幅部)AMPAと、増幅部AMPAから出力さ
れる増幅出力信号(アナログ信号)BAをデジタル信号
に変換するA/D変換器50Aと、を有して構成されて
いる。
【0063】また、第2の検知グループKGBは、第1
の受光素子10Aとは異なる所定の波長帯域、たとえ
ば、炎以外の放射線源から放出される赤外線エネルギー
を抽出し、電気信号に変換して出力する受光素子10B
を備えたセンサ部(第2の検知センサ)SENBと、セ
ンサ部SENBから出力される検出信号SBから、所定
の周波数帯域の信号成分ABのみを通過させるフィルタ
部FLTBと、フィルタ部FLTBを通過した信号成分
ABを、可変設定される所定の増幅率で増幅する増幅部
(第2の増幅部)AMPBと、増幅部AMPBから出力
される増幅出力信号(アナログ信号)BBをデジタル信
号に変換するA/D変換器50Bと、を有して構成され
ている。
【0064】以下、各構成について具体的に説明する。
なお、フィルタ部FLTA、FLTB、増幅部AMP
A、AMPB、および、A/D変換器50A、50B
は、上述した第1の実施形態と同等または略同等の構成
を有しているので、その説明を省略する。 (イ)センサ部SENA、SENBセンサ部SENA
は、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射され
る、概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長
とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学
式の狭帯域バンドパスフィルタであって、たとえば、中
心波長±200〜400nmの極めて狭い波長帯域の放
射線を選択透過する光学波長フィルタ(第1の光学波長
フィルタ)11Aと、該光学波長フィルタ11Aを透過
した光を受光して電気信号に変換して出力する焦電型の
第1の受光素子10Aを備えている。
【0065】また、センサ部SENBは、概ね5.0μ
m付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみ
を高い透過率で透過する光学波長フィルタ(第2の光学
波長フィルタ)11Bと、該光学波長フィルタ11Bを
透過した光を受光して電気信号に変換して出力する焦電
型の第2の受光素子10Bを備えている。
【0066】具体的には、図11に示すように、センサ
部SENAは、第1の受光素子10Aが形成された基板
12Aと、該基板12Aを基部14A上に支持するため
の基板搭載部13Aと、基板搭載部13A側の背面側か
ら端子15Aが外部へ突出して延在する基部14Aと、
受光素子10Aの前方に狭帯域バンドパスフィルタであ
る光学波長フィルタ11Aを備えたカバー部材16Aと
からなるパッケージ化された構成を有している。また、
センサ部SENBは、第1の受光素子10Bが形成され
た基板12Bと、該基板12Bを基部14B上に支持す
るための基板搭載部13Bと、基板搭載部13B側の背
面側から端子15Bが外部へ突出して延在する基部14
Bと、受光素子10Bの前方に狭帯域バンドパスフィル
タである光学波長フィルタ11Bを備えたカバー部材1
6Bとからなるパッケージ化された構成を有している。
【0067】そして、これらのセンサ部SENA、SE
NBは、本体カバー17内に設けられた共通の取り付け
部材19上に、互いに近接して所定の配列で配置され、
これらのセンサ部SENA、SENBの前面には、たと
えば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により
形成された共通の透光性窓18が設けられている。な
お、上述した光学波長フィルタ11A、11Bは、たと
えば、シリコン、ゲルマニウム、サファイア等の基板上
に、テルル化鉛PbTeと硫化亜鉛ZnSを蒸着積層す
ることにより、上記所定のフィルタ特性を持たせること
ができる。
【0068】また、光学波長フィルタ11Bのフィルタ
特性の設定としては、光学波長フィルター11Aの中心
透過波長帯域に隣接していれば、長波長側、たとえば、
概ね5.0μm付近でも、短波長側、たとえば、概ね
3.8μm付近でもよい。また、各光学波長フィルタ1
1A、11B単体で所望のフィルタ特性が得られない場
合には、たとえば、上記透光性窓18を構成するサファ
イアガラスが有するフィルタ特性、すなわち、概ね7.
0μm付近以下の波長帯域の放射線を良好に透過するハ
イカット特性等を利用した複合フィルタとして用いるこ
ともできる。
【0069】(ロ)信号処理部PRO 信号処理部PROは、第1の検知グループKGAからの
出力信号(A/D変換器50Aから出力される増幅出力
信号BA)の信号レベルが飽和レベルに達しているか否
か(飽和状態)を検出する飽和検出部(飽和検出手段)
61と、飽和検出部61により増幅出力信号レベルの飽
和を検出した場合に、制御信号CS1、CS2を出力し
て、第1の検知グループKGAの切換スイッチSW1A
および第2の検知グループKGBの切換スイッチSW1
B、あるいは、第1の検知グループKGAの切換スイッ
チSW2Aおよび第2の検知グループKGBの切換スイ
ッチSW2Bの導通/遮断状態を連動して制御し、増幅
部AMPA、AMPBの増幅率を段階的に切り換え、最
適な検知感度を設定する感度切換制御部(感度切換制御
手段)62と、感度切換制御部62により設定された検
知感度(増幅率)における、第1の検知グループKGA
および第2の検知グループKGB双方からの出力信号
(増幅出力信号BA、BB)に基づいて、火炎等の有無
を検出する判定処理を実行する炎判定部(炎判定手段)
63とを備えている。
【0070】このような構成を有する炎検出装置の検知
感度設定方法は、上述した第1の実施形態(図4参照)
と略同様に、第1の検知グループKGAを構成する増幅
部AMPA、および、第2の検知グループKGBを構成
する増幅部AMPBの増幅率を連動して段階的に可変制
御することにより検知感度を3段階に切り換え、第1の
検知グループからの出力信号が原則的には飽和状態とな
らない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を
行うことを特徴とする。すなわち、初期状態として、感
度切換制御部62により制御信号CS1、CS2が出力
され、増幅部AMPAの切換スイッチSW1A、SW2
A、および、増幅部AMPBの切換スイッチSW1B、
SW2Bを連動してともに導通状態に切り換え制御する
ことにより、双方の増幅部AMPA、AMPBの増幅率
を最大に設定して、炎検出装置の検知感度を最高感度に
設定する。
【0071】そして、火炎FRを観測すると、飽和検出
部61により第1の検知グループKGAの増幅部AMP
Aから出力される増幅出力信号BAを順次読み込んで、
増幅出力信号BAの飽和状態が検出され、飽和状態にな
い場合には、炎判定部63により第1の検知グループK
GAの増幅部AMPAからの増幅出力信号BA、およ
び、第2の検知グループKGBの増幅部AMPBからの
増幅出力信号BBに基づいて炎の有無が判定される。な
お、炎判定部63による炎判定処理については後述す
る。
【0072】一方、飽和検出部61により、増幅部AM
PAからの増幅出力信号BAの飽和状態が検出された場
合には、感度切換制御部62から制御信号CS1が出力
され、増幅部AMPAの切換スイッチSW1Aおよび増
幅部AMPBの切換スイッチSW1Bが連動して遮断制
御され、増幅部AMPA、AMPBの増幅率が連動して
1段階低い検知感度に切り換え設定される。そして、1
段階低下した検知感度で、再び火炎FRを観測して、上
記処理手順と同様に、増幅部AMPAからの増幅出力信
号BAの飽和検出処理、増幅部AMPAおよび増幅部A
MPBからの増幅出力信号BA、BBに基づく炎判定処
理、および、増幅部AMPA、AMPBの増幅率の連動
切換処理(感度切換処理)を実行する。
【0073】このような一連の処理を繰り返すことによ
り、信号処理部PROに入力される出力信号の飽和状態
が検出されない検知感度まで、増幅部AMPA、AMP
Bの増幅率が連動して低感度側に段階的に切り換え制御
され、飽和状態が検出されない最も高い検知感度を最適
な検知感度として設定することにより、適切な信号レベ
ルを有する増幅出力信号BA、BBに基づいて炎判定処
理を実行することができ、炎判定の精度を向上させるこ
とができる。
【0074】ここで、本実施形態に適用される炎検出部
における炎検出の判定処理の具体的な手法としては、上
述した飽和検出処理および感度切換処理により設定され
た最適な検知感度状態において、増幅部AMPAからの
増幅出力信号BAの積分値が、所定のしきい値(第1の
しきい値)以上を検出した場合に、第1の増幅部AMP
Aからの増幅出力信号BAの積分値と、増幅部AMPB
からの増幅出力信号BBの積分値の相対比を算出し、算
出した相対比が所定のしきい値(第2のしきい値)以上
を検出した場合に炎有りと判定する手法を適用すること
ができる。
【0075】また、他の手法として、増幅部AMPAか
らの増幅出力信号BAの積分値が、所定のしきい値(第
1のしきい値)以上を検出した場合に、第1の増幅部A
MPAからの増幅出力信号BAの積分値と、増幅部AM
PBからの増幅出力信号BBの積分値の相対比を算出
し、算出した相対比が所定のしきい値(第2のしきい
値)以上を検出した場合には、増幅器AMPAの増幅出
力信号BAの所定時間のサンプリングデータに基づいて
周波数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出
した場合に炎有りと判定する手法を適用することができ
る。
【0076】このような炎検出装置によれば、第1の検
知グループKGAにより炎特有の波長帯域の受光出力を
良好に検出することができるとともに、第2の検知グル
ープKGBにより人体や車両等の低温放射線源に基づく
波長帯域の受光出力を良好に検出することができ、これ
らの出力信号に基づいて、炎と他の赤外線放射線源との
識別を良好に行って、より炎判定処理の精度を向上する
ことができる。
【0077】なお、本実施形態に係る検知感度設定方法
は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次
段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知
感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、第1の検
知グループからの出力信号の飽和状態および所定のしき
い値以上かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切
り換え制御する手法を適用することもできる。また、本
実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される
火炎発生領域の判定方法、さらには、その他の処理手順
等についても、上述した第1の実施形態に示した手法を
良好に適用することができる。
【0078】<第3の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第3の実施形態について、図面を参照して説
明する。図12は、本発明に係る炎検出装置の第3の実
施形態を示す概略構成図であり、図13は、本実施形態
に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す
図であり、図14は、本実施形態に係る炎検出装置に適
用されるセンサ部における受光素子の配置例を示す図で
ある。ここで、上述した実施形態と同等の構成について
は、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0079】図12に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、大別して、赤外線エネルギーを電気信号に
変換して受光信号を個別に出力する複数の受光素子10
a〜10dを備えたセンサ部SENCと、センサ部SE
NCから出力される各検出信号Sa〜Sdから、所定の
周波数帯域の信号成分Aa〜Adのみを通過させるフィ
ルタ部FLTCと、信号成分Aa〜Adを加算し、信号
増幅する加算増幅部AMPCと、加算増幅部AMPCか
ら出力される増幅出力信号(アナログ信号)BCをデジ
タル信号に変換するA/D変換器50と、A/D変換さ
れた増幅出力信号BCに基づいて、炎の判定処理を実行
する信号処理部PROと、を有して構成されている。
【0080】以下、各構成について具体的に説明する。
なお、A/D変換器50は、上述した第1の実施形態と
同等または略同等の構成を有しているので、その説明を
省略する。 (イ)センサ部SENC/フィルタ部FLTC センサ部SENCは、略同一の検知エリアを有するよう
に設定され、かつ、火炎FR等の熱源からの赤外線エネ
ルギーを略同時に検出する複数の受光素子10a〜10
dと、受光素子10a〜10dの前面に共通に設けら
れ、概ね4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域を中心
波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する
光学式の波長バンドパスフィルタ(光学波長フィルタ)
11と、を有して構成され、フィルタ部FLTCは、該
受光素子10a〜10dの各々から個別に出力される検
出信号Sa〜Sdから、炎判定処理に用いられる特定の
周波数帯域の信号成分Aa〜Adのみを通過させる前置
フィルタ20a〜20dを有して構成されている。
【0081】ここで、センサ部SENCの具体的な構成
例について説明すると、たとえば、図13に示すよう
に、複数の受光素子10a〜10dが密接して形成され
た基板12と、該基板12を基部14上に支持するため
の基板搭載部13と、基板搭載部13側の背面側から端
子15が外部へ突出して延在する基部14と、受光素子
10の前方に光学波長フィルタ11を備えたカバー部材
16とにより、センサモジュールとしてパッケージ化さ
れた構成を有している。
【0082】そして、このようなセンサ部SENCに適
用される受光素子10a〜10dの配置例としては、た
とえば、図14(a)〜(c)に示すように、単一の基
板12上に、同一の素子寸法(サイズ)、すなわち、同
一の検知感度を有する受光素子10a〜10dを複数個
(本実施形態においては、4個)、マトリクス状(図14
(a))や直線状(図14(b))、あるいは、千鳥状
(図14(c))等の任意の配列でアレイ状に形成した
ものを適用することができる。ここで、アレイ状とは、
同一の基板上に同一の製造プロセスにより、同一の感度
特性を有するように形成された受光素子群であることを
意味している。
【0083】なお、図12、図14においては、説明の
都合上、4個の受光素子10a〜10dを備えたセンサ
部SENCの構成について示したが、受光素子の設置数
や配置方法、素子寸法等については、何ら限定されるも
のではない。また、一般に、検知出力レベルは、受光素
子の面積に略比例するので、各受光素子の素子寸法、素
子合計寸法が大きくなるほど大きな検知出力レベルを得
ることができる。
【0084】上述したように、受光素子10a〜10d
をアレイ状に形成し、パッケージ化することにより、セ
ンサ部SENの構成を小型化することができるととも
に、各受光素子の検知感度特性を略均一化して、各検出
信号Sa〜Sdを略同等(Sa≒Sb≒Sc≒Sd)に
することができ、後述する信号成分の加算増幅におい
て、本来の炎検出成分のみを良好に顕在化させることが
できる。なお、加算増幅の作用については後述する。
【0085】(ロ)加算増幅部AMPC 加算増幅部AMPCは、前置フィルタ20a〜20dを
通過する信号成分Aa〜Adを初段増幅して出力線La
〜Ldに出力するプリアンプ30a〜30dと、信号処
理部PROからの制御信号CS3、CS4に基づいて、
出力線La〜Ld相互の接続状態、すなわち、プリアン
プ30b〜30dの出力の接点NAに対する接続状態を
制御する切換スイッチSW3、SW4と、プリアンプ3
0a〜30dの出力線La〜Ldを結合接続(出力信号
を加算)して得られる出力信号を、後述する信号処理部
PROにおける信号処理に適した信号レベルに増幅する
メインアンプ40Cと、を有して構成されている。
【0086】すなわち、プリアンプ30aの出力線La
は、接点NAを介して、常時メインアンプ40Cに接続
され、プリアンプ30bの出力線Lbは、切換スイッチ
SW3を介して接点NAに接続され、プリアンプ30
c、30dの加算出力線Lc、Ldは、切換スイッチS
W4を介して接点NAに接続されている。
【0087】したがって、プリアンプ30a〜30dか
らの各増幅出力は、切換スイッチSW3、SW4の導通
/遮断状態に応じて、接点NAにおいて加算合成され、
後段のメインアンプ40に入力される。ここで、プリア
ンプ30a〜30dから出力線La〜Ldを介して出力
される各増幅出力は、略同一の条件下で(略同一の検知
エリアを略同時に監視して)得られた検出信号Sa〜S
dに基づく信号であるので、これらの出力線La〜Ld
を接点NAにおいて結合接続することにより、出力線の
接続本数に応じて各増幅出力が積算されて、S/Nが改
善された出力を得ることができる。なお、切換スイッチ
SW3、SW4の切り換え制御と加算増幅部AMPCに
おける増幅率との関係については後述する。
【0088】(ハ)信号処理部PRO 信号処理部PROは、加算増幅部AMPCからA/D変
換器50Cを介して出力される増幅出力信号BCの信号
レベルが飽和レベルに達しているか否か(飽和状態)を
検出する飽和検出部61と、飽和検出部61により増幅
出力信号レベルの飽和を検出した場合に、制御信号CS
3、CS4を出力して、加算増幅部AMPCの切換スイ
ッチSW3、SW4の導通/遮断状態を制御し、加算増
幅率(出力線La〜Ldの出力数)を段階的に切り換
え、最適な検知感度を設定する感度切換制御部62と、
感度切換制御部62により設定された検知感度(加算増
幅率)における増幅出力信号BCに基づいて、火炎等の
有無を検出する判定処理を実行する炎判定部63とを備
えている。
【0089】ここで、炎検出判定の具体的な手法として
は、たとえば、加算増幅出力の積分レベルと所定の炎判
定レベルとを比較する方法を適用することができる。ま
た、他の炎判定方法としては、炎特有のゆらぎ周波数の
特徴が得られるか否かを判定するものや、レベル比較と
の組合せ等、種々の手法を適用することができる。
【0090】次いで、本実施形態に係る炎検出装置の検
知感度設定方法について、図面を参照して説明する。図
15は、本実施形態に係る炎検出装置に適用される増幅
部における出力線相互の接続状態とその作用を説明する
ための概念図である。このような構成を有する炎検出装
置の検知感度設定方法は、上述した第1の実施形態(図
4参照)と同様に、加算増幅部AMPCの加算増幅率
(出力線La〜Ldの出力数)を段階的に可変制御する
ことにより検知感度を3段階に切り換え、加算増幅部A
MPCからの増幅出力信号BCが飽和状態とならない最
適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うこと
を特徴とする。
【0091】すなわち、初期状態として、図15(a)
に示すように、感度切換制御部62により制御信号CS
3、CS4が出力され、加算増幅部AMPCの切換スイ
ッチSW3、SW4をともに導通状態に切り換え制御す
ることにより、接点NAに対して全てのプリアンプ30
a〜30dの出力線La〜Ldが接続され、加算増幅部
AMPCの増幅率を最大に設定して、炎検出装置の検知
感度を最高感度に設定する。そして、火炎FRを観測す
ると、加算増幅部AMPCから出力される増幅出力信号
BCを順次読み込んで、飽和検出部61により増幅出力
信号BCの飽和状態が検出され、飽和状態にない場合に
は、炎判定部63において加算増幅部AMPCからの増
幅出力信号BCに基づいて炎の有無が判定される。
【0092】一方、飽和検出部61により、加算増幅部
AMPCからの増幅出力信号BCの飽和状態が検出され
た場合には、感度切換制御部62から制御信号CS4が
出力され、図15(b)に示すように、加算増幅部AM
PCの切換スイッチSW4が遮断制御されることによ
り、接点NAに対してプリアンプ30c、30dの出力
線Lc、Ldが切り離されて、加算増幅部AMPCの加
算効果を考慮した増幅率が初期状態の半分となる(1段
階低い)検知感度に切り換え設定される。
【0093】そして、1段階低下した検知感度で、再び
火炎FRを観測して、上記処理手順と同様に、増幅部A
MPCからの増幅出力信号BCの飽和検出処理、加算増
幅部AMPCからの増幅出力信号BCに基づく炎判定処
理、および、加算増幅部AMPCの増幅率切換処理(感
度切換処理)が実行され、飽和検出部61により、加算
増幅部AMPCからの増幅出力信号BCの飽和状態が検
出された場合には、感度切換制御部62から制御信号C
S3、CS4が出力され、図15(c)に示すように、
加算増幅部AMPCの切換スイッチSW3、SW4が遮
断制御されることにより、接点NAに対してプリアンプ
30b、30c、30dの出力線Lb、Lc、Ldが切
り離されて、増幅部AMPCの増幅率がさらに1段階低
い検知感度に切り換え設定される。
【0094】このような一連の処理を繰り返すことによ
り、信号処理部PROに入力される出力信号BCの飽和
状態が検出されない検知感度まで、切換スイッチSW
3、SW4が順次遮断制御されて、加算増幅部AMPC
の増幅率が低感度側に段階的に切り換え制御され、飽和
状態が検出されない最も高い検知感度を最適な検知感度
として設定することにより、適切な信号レベルを有する
増幅出力信号に基づいて炎判定処理を実行することがで
き、炎判定の精度を向上させることができる。
【0095】また、複数の受光素子10a〜10dから
の検出信号を加算増幅する加算増幅部AMPCを適用す
ることにより、従来と同等の信号増幅率を実現するため
にメインアンプ40Cに必要とされる増幅率を大幅に低
減することができるとともに、本来の炎検出成分のみを
良好に増幅させて顕在化させることができ、信号処理部
PROに入力される増幅出力信号のS/Nを大幅に改善
して、より正確な炎判定処理を行うことができる。
【0096】なお、本実施形態に係る検知感度設定方法
は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次
段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知
感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、最低検知
感度での出力信号の飽和状態を監視しながら、順次段階
的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することも
できる。
【0097】また、本実施形態に係る検知感度設定方法
に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらに
は、その他の処理手順等についても、上述した第1の実
施形態に示した手法を良好に適用することができる。さ
らに、本実施形態においては、センサ部SENCの構成
として、同一の特性を有する複数の受光素子10a〜1
0dを同一の基板上に近接して配置され、一体的にパッ
ケージ化されたものを示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0098】以下に、本発明に係る炎検出装置に適用さ
れるセンサ部の他の構成例について説明する。図16
は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部
の他の構成例を示す図であり、図17は、本実施形態に
係る炎検出装置に適用されるセンサ部における受光素子
の他の配置例を示す図である。ここで、上述した実施形
態と同等の構成については、同一の符号を付して、その
説明を省略する。
【0099】センサ部SENCの他の構成としては、図
16に示すように、たとえば、図2に示したような基板
12上に所定の素子寸法を有する単一の受光素子10の
みを形成してパッケージ化した同一種類のセンサモジュ
ールSENmを複数個用意し、これらを互いに近接して
取り付け部材19A上に所定の配列で配置した構成を適
用することもできる。
【0100】このように、個別独立してパッケージ化さ
れた同一種類のセンサモジュールSENmを複数個近接
して配置することにより、上述したアレイ状の受光素子
10a〜10dに比較して、センサ部SENCの構成が
大型化する等の問題が生じるものの、その一方で比較的
安価な汎用のセンサモジュールを適用することができる
ので、センサ部SENCを安価かつ簡易に構成すること
ができる。なお、このような構成によっても上述した構
成と同様に、各受光素子10の検知感度特性を略均一化
して、各検出信号を略同等にすることができる。
【0101】また、受光素子の他の配置例としては、た
とえば、図17(a)、(b)に示すように、受光素子
10a、10bの素子面積を基準として、同一の基板1
2上に素子面積が2倍となる受光素子10i、4倍とな
る受光素子10j、10kを形成する。
【0102】このような構成を有するセンサ部SENC
によれば、受光素子10iの検知感度は受光素子10
a、10bの2倍に、また、受光素子10j、10kの
検知感度は4倍に設定されるので、検出信号レベルを異
ならせた各受光素子10a、10b、10i〜10kか
ら出力される検出信号を加算合成するように構成するこ
とができ、センサ部SENCおよび加算増幅部AMPC
における出力線数を削減することが可能となる。また、
任意の素子寸法で受光素子を形成することにより、加算
合成(増幅率、すなわち、検知感度)の設定に一層多様
性を持たせることができる。
【0103】<第4の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第4の実施形態について、図面を参照して説
明する。第4の実施形態は、上述した第3の実施形態の
炎検出装置を2波長検出方式に適用したものである。図
18は、本発明に係る炎検出装置の第4の実施形態を示
す概略構成図であり、図19は、本実施形態に係る炎検
出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同
一の符号を付して、その説明を省略する。
【0104】図18に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略
同等の構成を有する第1の検知グループKGDおよび第
2の検知グループKGEと、各検知グループKGD、K
GEから出力される出力信号(増幅出力信号BD、B
E)に基づいて、炎判定処理を実行する信号処理部PR
Oと、を備えている。
【0105】第1の検知グループKGDは、略同一の検
知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出
力可能な複数の受光素子10a〜10dを備えたセンサ
部SENDと、センサ部SENDから個別に出力される
検出信号Sa〜Sdから、所定の周波数帯域の信号成分
Aa〜Adを通過させるフィルタ部FLTDと、フィル
タ部FLTDを通過した信号成分Aa〜Adを、可変設
定される所定の増幅率で加算増幅する増幅部AMPD
と、増幅部AMPDから出力される増幅出力信号(アナ
ログ信号)BDをデジタル信号に変換するA/D変換器
50Dと、を有して構成されている。
【0106】第2の検知グループKGEは、略同一の検
知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出
力可能な複数の受光素子10a〜10dを備えたセンサ
部SENEと、センサ部SENEから個別に出力される
検出信号Sa〜Sdから、所定の周波数帯域の信号成分
Aa〜Adを通過させるフィルタ部FLTEと、フィル
タ部FLTEを通過した信号成分Aa〜Adを、可変設
定される所定の増幅率で加算増幅する増幅部AMPE
と、増幅部AMPFから出力される増幅出力信号(アナ
ログ信号)BEをデジタル信号に変換するA/D変換器
50Eと、を有して構成されている。
【0107】以下、各構成について具体的に説明する。
なお、フィルタ部FLTD、FLTE、増幅部AMP
D、AMPE、および、A/D変換器50D、50E
は、上述した第3の実施形態と同等または略同等の構成
を有しているので、その説明を省略する。 (イ)センサ部SEND、SENE センサ部SENDは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴
により放射される、概ね4.4〜4.5μm付近の波長
帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率
で透過する光学式の狭帯域バンドパスフィルタであっ
て、たとえば、中心波長±200〜400nmの極めて
狭い波長帯域の放射線を選択透過する光学波長フィルタ
(第1の光学波長フィルタ)11Dと、該光学波長フィ
ルタ11Dを透過した光を略同時に受光して電気信号に
変換して個別に出力する複数の第1の受光素子10a〜
10dを備えている。すなわち、センサ部SEND(第
1の検知グループKGD)は、炎特有の波長帯域を有す
る赤外線エネルギーのみを抽出して、検出するように構
成されている。
【0108】また、センサ部SENEは、概ね5.0μ
m付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみ
を高い透過率で透過する光学波長フィルタ11E(第2
の光学波長フィルタ)と、該光学波長フィルタ11Eを
透過した光を略同時に受光して電気信号に変換して個別
に出力する複数の第2の受光素子10a〜10dを備え
ている。すなわち、センサ部SENE(第2の検知グル
ープKGE)は、センサ部SENDとは異なる所定の波
長帯域、たとえば、炎以外の放射線源から放出される赤
外線エネルギーを抽出して、検出するように構成されて
いる。
【0109】ここで、センサ部SEND、SENEの具
体的な構成例は、図19に示すように、図13に示した
センサ部SENCと同様に、各センサ部SEND、SE
NEを構成する複数の受光素子10a〜10dが、基板
12D、12E上に各々密接して形成され、センサモジ
ュールとしてパッケージ化された構成を有し、さらに、
図11に示したセンサ部SENA、SENBと同様に、
センサ部SEND、SENEが、前方に共通の透光性窓
18が設けられた本体カバー17内の取り付け部材19
上に、互いに近接して配置された構成を有している。な
お、光学波長フィルタ11D、11Eは、上述した第2
の実施形態に示したものと同様に、所定のフィルタ特性
を持たせることができる。
【0110】(ロ)信号処理部PRO 信号処理部PROは、第1の検知グループKGDからの
出力信号(A/D変換器50Dから出力される増幅出力
信号BD)の飽和状態を検出する飽和検出部61と、飽
和検出部61により増幅出力信号レベルの飽和状態を検
出した場合に、制御信号CS3、CS4を出力して、第
1の検知グループKGDの切換スイッチSW3Dおよび
第2の検知グループKGEの切換スイッチSW3E、あ
るいは、第1の検知グループKGDの切換スイッチSW
4Dおよび第2の検知グループKGEの切換スイッチS
W4Eの導通/遮断状態を連動して制御し、増幅部AM
PD、AMPEの加算増幅率を段階的に切り換え、最適
な検知感度を設定する感度切換制御部62と、感度切換
制御部62により設定された検知感度(加算増幅率)に
おける、第1の検知グループKGDおよび第2の検知グ
ループKGE双方からの出力信号に基づいて、火炎等の
有無を検出する判定処理を実行する炎判定部63とを備
えている。
【0111】このような構成を有する炎検出装置の検知
感度設定方法は、上述した第2の実施形態と同様に、第
1の検知グループKGDを構成する増幅部AMPD、お
よび、第2の検知グループKGEを構成する増幅部AM
PBの加算効果を考慮した増幅率を連動して段階的に可
変制御することにより検知感度を3段階に切り換え、第
1の検知グループからの出力信号が原則的には飽和状態
とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処
理を行うことを特徴とする。
【0112】すなわち、初期状態として、増幅部AMP
Dおよび増幅部AMPEの増幅率を最大として、炎検出
装置の検知感度を最高感度に設定し、火炎FRを観測し
た場合における第1の検知グループKGDからの出力信
号の飽和状態に応じて、増幅部AMPDの切換スイッチ
SW3D、SW4D、および、増幅部AMPEの切換ス
イッチSW3E、SW4Eを連動して、順次低感度側に
段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことによ
り、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知
感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づい
て、炎の有無を判定する。なお、具体的な処理手順は、
上述した第2の実施形態と同等であるので、詳細な説明
を省略する。
【0113】このような炎検出装置によれば、適切な信
号レベルを有する出力信号に基づいて炎判定処理を実行
することができ、炎判定の精度を向上させることができ
る。特に、第1の検知グループKGDにより炎特有の波
長帯域の受光出力を良好に検出することができるととも
に、第2の検知グループKGEにより人体や車両等の低
温放射線源に基づく波長帯域の受光出力を良好に検出す
ることができるので、これらの出力信号に基づいて、炎
と他の赤外線放射線源との識別を良好に行って、より炎
判定処理の精度を向上することができる。
【0114】なお、本実施形態に係る検知感度設定方法
は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次
段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知
感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、第1の検
知グループからの出力信号の飽和状態および所定のしき
い値かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換
え制御する手法を適用することもできる。また、本実施
形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎
発生領域の判定方法、さらには、その他の処理手順等に
ついても、上述した各実施形態に示した手法を良好に適
用することができる。
【0115】<第5の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第5の実施形態について、図面を参照して説
明する。図20は、本発明に係る炎検出装置の第5の実
施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施
形態と同等の構成については、同一の符号を付して、そ
の説明を省略する。
【0116】図20に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略
同等の構成を有するセンサ部SENF、フィルタ部FL
TF、加算増幅部AMPF1と、第1の実施形態(図1
参照)と略同等の構成を有する増幅部AMPF2と、A
/D変換器50と、信号処理部PROと、を有して構成
されている。
【0117】ここで、加算増幅部AMPF1は、接点N
Bに対するプリアンプ30a〜30dの出力線La〜L
dの接続状態を制御する切換スイッチSW1F、SW2
Fを備え、また、増幅部AMPF2は、メインアンプ4
0に付加される抵抗R5の接続状態を制御する切換スイ
ッチSW3Fを備えている。各切換スイッチSW1F、
SW2F、SW3Fは、信号処理部PROの感度切換制
御部62から出力される制御信号CS5、CS6、CS
7に基づいて、導通/遮断状態が切り換え制御される。
なお、他の構成については、上述した各実施形態と同等
または略同等の構成を有しているので、その説明を省略
する。
【0118】このような構成を有する炎検出装置の検知
感度設定方法は、加算増幅部AMPF1の加算効果を考
慮した増幅率、および、増幅部AMPF2の増幅率を段
階的に可変制御することにより検知感度を複数段階に切
り換え、A/D変換された増幅出力信号BFが飽和状態
とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処
理を行うことを特徴とする。
【0119】すなわち、初期状態として、加算増幅部A
MPF1の切換スイッチSW1F、SW2Fおよび増幅
部AMPF2の切換スイッチSW3Fを全て導通状態と
して、各々の増幅部の増幅率を最大として、炎検出装置
の検知感度を最高感度に設定し、火炎FRを観測した場
合における増幅出力信号BFの飽和状態に応じて、加算
増幅部AMPF1の切換スイッチSW1F、SW2Fま
たは増幅部AMPF2の切換スイッチSW3Fを制御信
号CS5〜CS7に応じて別個独立して、順次低感度側
に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことに
より、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検
知感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づ
いて、炎の有無を判定する。
【0120】このような炎検出装置によれば、細分化さ
れた検知感度に応じて増幅出力信号が出力され、より適
切な信号レベルを有する増幅出力信号に基づいて炎判定
処理を実行することができるので、炎判定の精度を一層
向上させることができる。なお、本実施形態に係る検知
感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高
感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法
の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換
え、第1の検知グループからの出力信号の飽和状態およ
び所定のしきい値かを監視しながら、順次段階的に高感
度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
【0121】また、本実施形態に係る検知感度設定方法
に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらに
は、図10および図18に示したような2組の検知グル
ープを有する構成(2波長検出方式)、その他の処理手
順等についても、上述した各実施形態に示した構成およ
び手法を良好に適用することができる。
【0122】<第6の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第6の実施形態について、図面を参照して説
明する。図21は、本発明に係る炎検出装置の第6の実
施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施
形態と同等の構成については、同一の符号を付して、そ
の説明を省略する。
【0123】図21に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略
同等の構成を有するセンサ部SENGおよびフィルタ部
FLTGと、フィルタ部FLTGを通過した信号成分A
a〜Ad相互を所定の組み合わせで加算合成し、可変設
定される所定の増幅率で加算増幅する加算増幅部AMP
Gと、A/D変換器50と、信号処理部PROと、を有
して構成されている。
【0124】そして、加算増幅部AMPGは、フィルタ
部FLTGを介して個別に入力される信号成分Aa〜A
dを、各々所定の増幅率で初段増幅するプリアンプ30
a〜30dと、プリアンプ30a、30bの出力線L
a、Lbを接点naにおいて結合接続(加算)した出力
を、所定の増幅率で増幅するメインアンプ40aと、プ
リアンプ30cの出力を所定の増幅率で増幅するメイン
アンプ40bと、プリアンプ30dの出力を所定の増幅
率で増幅するメインアンプ40cと、接点NCに対する
メインアンプ40b、40cの出力線LGb、LGcの
接続状態を切り換え制御する切換スイッチSW1G、S
W2Gと、を有して構成されている。ここで、各切換ス
イッチSW1G、SW2Gは、信号処理部PROの感度
切換制御部62から出力される制御信号CS8、CS9
に基づいて、導通/遮断状態が切り換え制御される。な
お、他の構成については、上述した各実施形態と同等ま
たは略同等の構成を有しているので、その説明を省略す
る。
【0125】このような構成において、受光素子10
a、10b、前置フィルタ20a、20b、プリアンプ
30a、30bおよびメインアンプ40aを含む回路構
成を検知グループKG11とし、受光素子10c、前置
フィルタ20c、プリアンプ30cおよびメインアンプ
40bを含む回路構成を検知グループKG12とし、受
光素子10d、前置フィルタ20d、プリアンプ30d
およびメインアンプ40cを含む回路構成を検知グルー
プKG13とし、これらの検知グループKG11、KG
12、KG13は、各々検知感度が異なるように構成さ
れている。
【0126】具体的には、たとえば、検知グループKG
11の検知感度を基準として、検知グループKG12が
検知グループKG11と略同一の検知感度に設定され、
また、検知グループKG13が検知グループKG11の
2倍の検知感度に設定されている。したがって、たとえ
ば、受光素子10a〜10dの素子寸法が略同一に形成
されている場合には、検知グループKG11の信号増幅
率(すなわち、プリアンプ30a、30bの増幅率と、
接点naにおける加算効果を考慮した実質的な増幅率)
を基準として、検知グループKG12の信号増幅率(す
なわち、プリアンプ30cの増幅率)を略同一に設定
し、また、検知グループKG13の信号増幅率(すなわ
ち、プリアンプ30dの増幅率)を略2倍に設定するこ
とにより実現される。
【0127】また、プリアンプ30a〜30dの増幅率
が略同一に設定されている場合には、たとえば、図17
に示したように、受光素子10aまたは10bの素子面
積を基準として、受光素子10c(図17では、受光素
子10i)の素子面積を2倍とし、受光素子10d(図
17では、受光素子10j、10k)の素子面積を4倍
となるように形成することにより実現することができ
る。すなわち、検知グループKG11、KG12、KG
13の検知感度は、各検知グループに備えられた受光素
子の出力数、素子寸法、増幅器の増幅率に基づいて決定
されるので、これらのいずれか単独、あるいは、これら
を適宜組み合わせることにより所望の検知感度を実現す
ることができる。
【0128】このような構成を有する炎検出装置の検知
感度設定方法は、上述した第3の実施形態と同様に、加
算増幅部AMPGの増幅率を段階的に可変制御すること
により検知感度を3段階に切り換え、A/D変換された
増幅出力信号BGが飽和状態とならない最適な検知感度
に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とす
る。
【0129】すなわち、初期状態として、加算増幅部A
MPGの切換スイッチSW1G、SW2Gをともに導通
状態とし、各検知グループKG11、KG12、KG1
3からの出力を結合加算して加算増幅部AMPGの増幅
率を最大として、炎検出装置の検知感度を最高感度に設
定し、火炎FRを観測した場合における増幅出力信号B
Gの飽和状態に応じて、加算増幅部AMPGの切換スイ
ッチSW1G、SW2Gを制御信号CS8、CS9に応
じて、結合加算される各検知グループKG11、KG1
2、KG13からの出力数を削減して順次低感度側に段
階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことによ
り、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知
感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づい
て、炎の有無を判定する。
【0130】このような炎検出装置によれば、各検知グ
ループKG11、KG12、KG13の出力の任意の組
み合わせと、各検知グループKG11、KG12、KG
13を構成する受光素子の出力数、素子寸法、プリアン
プおよびメインアンプの増幅率との組み合わせにより、
多様な検知感度を設定することができるので、より適切
な信号レベルを有する増幅出力信号に基づいて炎判定処
理を実行することができ、炎判定の精度を一層向上させ
ることができる。
【0131】なお、本実施形態に係る検知感度設定方法
は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次
段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知
感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、出力信号
の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順
次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用する
こともできる。また、本実施形態に係る検知感度設定方
法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さら
には、図10および図18に示したような2組の検知グ
ループを有する構成(2波長検出方式)、その他の処理
手順等についても、上述した各実施形態に示した構成お
よび手法を良好に適用することができる。
【0132】<第7の実施形態>次に、本発明に係る炎
検出装置の第7の実施形態について、図面を参照して説
明する。図22は、本発明に係る炎検出装置の第7の実
施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施
形態と同等の構成については、同一の符号を付して、そ
の説明を省略する。
【0133】図22に示すように、本実施形態に係る炎
検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略
同等の構成を有するセンサ部SENHおよびフィルタ部
FLTHと、フィルタ部FLTHを通過した信号成分A
a〜Af相互を所定の組み合わせで加算合成し、所定の
増幅率で加算増幅する加算増幅部AMPHと、A/D変
換器50a〜50cと、加算増幅部AMPHからA/D
変換器50a〜50cを介して出力される増幅出力信号
BHa、BHb、BHcを選択的に読み込んで、炎の判
定処理を実行する火災判定処理部60を備えた信号処理
部PROと、を有して構成されている。
【0134】そして、加算増幅部AMPHは、受光素子
10a〜10fに対応してフィルタ部FLTHを介して
個別に入力される信号成分Aa〜Afを、各々所定の増
幅率で初段増幅するプリアンプ30a〜30fと、プリ
アンプ30a、30b、30cの出力線La、Lb、L
cを接点naにおいて結合接続(加算)した出力を、所
定の増幅率で増幅するメインアンプ40aと、プリアン
プ30d、30eの出力線Ld、Leを接点nbにおい
て結合接続した出力を、所定の増幅率で増幅するメイン
アンプ40bと、プリアンプ30fの出力を所定の増幅
率で増幅するメインアンプ40fと、を有して構成され
ている。各メインアンプ40a〜40cから出力線LH
a〜LHcは、各々A/D変換器50a〜50cを介し
て、信号処理部PROに出力される。
【0135】このような構成において、受光素子10a
〜10c、前置フィルタ20a〜20c、プリアンプ3
0a〜30cおよびメインアンプ40aを含む回路構成
を検知グループKG21とし、受光素子10d、10
e、前置フィルタ20d、20e、プリアンプ30d、
30eおよびメインアンプ40bを含む回路構成を検知
グループKG22とし、受光素子10f、前置フィルタ
20f、プリアンプ30fおよびメインアンプ40cを
含む回路構成を検知グループKG23とし、これらの検
知グループKG21、KG22、KG23は、各々検知
感度が異なるように構成されている。ここでは、受光素
子10a〜10c、前置フィルタ20a〜20c、プリ
アンプ30a〜30cおよびメインアンプ40aの各回
路素子が同等の動作特性を有するものとして、検知グル
ープKG21が最大の検知感度を有し、以下、検知グル
ープKG22、KG23の検知感度が順次低くなるよう
に設定されているものとする。
【0136】信号処理部PROは、感度切換制御部62
により、各検知グループKG21、KG22、KG23
から出力線LHa〜LHcを介して入力される各増幅出
力信号BHa〜BHcを、選択的に取り込むソフト的な
内部処理を行い、その出力信号を飽和検出部61および
炎判定部63に出力することにより、検知感度設定処理
および炎判定処理を実行する。すなわち、信号処理部P
RO(感度切換制御部62)は、上述した各実施形態に
示した複数の切換スイッチSWおよび感度切換制御部6
2に相当するソフト的な機能を備え、飽和検出部61に
よる当該出力信号の飽和状態およびしきい値比較結果に
基づいて、選択する出力信号をソフト的に切り換えるこ
とにより、検知感度の切り換え設定を行う。なお、他の
構成については、上述した各実施形態と同等または略同
等の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0137】このような構成を有する炎検出装置の検知
感度設定方法は、加算増幅部AMPHから出力され、選
択された増幅出力信号の飽和状態およびしきい値比較結
果に応じて、取り込む増幅出力信号の選択状態をソフト
的に切り換え制御することにより、実質的に炎検出装置
の検知感度を検知グループKG21、KG22、KG2
3の増幅特性に応じた3段階に切り換え、増幅出力信号
が飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態
で炎判定処理を行うことを特徴とする。すなわち、火炎
FRが観測した場合、初期状態として、飽和検出部61
により最大の増幅率を有する検知グループKG21から
の出力信号(増幅出力信号LHa)が選択されて取り込
まれ、感度切換制御部62により、当該出力信号につい
て飽和検出処理、および、所定のしきい値との比較処理
が実行される。
【0138】飽和検出部61が当該出力信号について飽
和状態を検出した場合には、感度切換制御部62によ
り、検知グループKG22からの出力信号(増幅出力信
号LHb)が選択されて取り込まれ、当該出力信号につ
いて飽和検出処理、および、所定のしきい値との比較処
理が実行される。当該出力信号についても飽和状態が検
出された場合には、検知グループKG23からの出力信
号(増幅出力信号LHc)が選択されて上記と同様の処
理が実行される。
【0139】このように、各検知グループKG21、K
G22、KG23からの出力信号の飽和状態に応じて、
選択される検知グループKG21、KG22、KG23
からの出力信号をソフト的に順次切り換えて、検知感度
を低感度側に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り
返すことにより、飽和状態とならない出力信号が得られ
る最適な検知感度を設定し、当該検知感度における出力
信号に基づいて、炎の有無を判定する。
【0140】このような炎検出装置によれば、各検知グ
ループKG21、KG22、KG23からの出力信号を
信号処理部PRO内部でソフト的に選択することによ
り、炎検出装置の検知感度を段階的に切り換え制御する
ことができるので、検知感度の切り換え制御に関連する
制御素子を削減して、より簡素化された信頼性の高い構
成で上述した実施形態と同等の作用効果を得ることがで
きるとともに、処理のスピードを向上して、炎の判定処
理を迅速化することができる。
【0141】なお、本実施形態に係る検知感度設定方法
は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次
段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知
感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、出力信号
の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順
次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用する
こともできる。
【0142】また、各検知グループKG21、KG2
2、KG23からの出力信号(増幅出力信号LHa、L
Hb、LHc)を一度に信号処理部PRO内部に選択し
て取り込み、それぞれの出力信号において、飽和検出処
理および所定のしきい値との比較処理を実行するように
して、さらに処理スピードを向上させても良い。また、
本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現され
る火炎発生領域の判定方法、さらには、図10および図
18に示したような2組の検知グループを有する構成
(2波長検出方式)、その他の処理手順等についても、
上述した各実施形態に示した構成および手法を良好に適
用することができる。
【0143】なお、上述した第2の実施形態(図10参
照)および第4の実施形態(図18参照)に示した2波
長検出方式の場合においては、各々異なる波長帯域を検
出する2組の検知グループの構成について、略同一の構
成を適用した場合について説明したが、本発明に係る炎
検出装置は、この構成に限定されるものではなく、検知
グループ相互の構成を異なるように構成してもよい。
【0144】具体的には、たとえば、一方の検知グルー
プに備えられた増幅部(プリアンプまたはメインアン
プ)の増幅率を可変制御可能な構成とし、他方の検知グ
ループを、一方の検知グループに備えられた受光素子と
略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号
を個別に出力可能な受光素子を複数備えた検知センサを
有し、該検知センサから増幅部への出力数を可変制御可
能な構成としてもよい。この場合、上述したように、そ
れぞれの検知グループは連動して切り換え制御が行われ
る必要があるため、それぞれ同じ段階で同じ検知感度を
備えるように構成する。
【0145】また、2波長検出方式の場合において、各
検知グループの有効検知エリアは同等に設定されるもの
であってもよく、また、炎特有の波長帯域に隣接した波
長帯域を検出する側の検知グループの有効検知エリア
が、比較的近距離エリアに設定されるものであってもよ
い。さらに、上述した各実施形態において、検知感度の
段階数や受光素子の数等は、適宜変更設定できるもので
あることは言うまでもない。
【0146】なお、検知感度の段階数は、2以上であれ
ばよいが、多いほど最適な検知感度は高感度になること
からS/Nが良くなり、炎判定の精度を向上することが
できる。但し、段階数があまりにも多くなると、切り換
えに要する時間により炎判定までの時間が遅くなること
から、装置の性能、設置環境、炎判定までの時間等を考
慮して、最適な段階数を設定することになる。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る炎検
出装置およびその検知感度設定方法によれば、検知感度
を段階的に切り換え設定することにより、検知エリアの
拡がりを調整することができるので、近距離側の無効検
知エリアを縮小することができ、実質的に有効検知エリ
アを拡大して広範囲の火炎の検出を保証することができ
る。
【0148】また、増幅部からの増幅出力信号の信号レ
ベルが飽和しているか否かに応じて、検知感度を段階的
に切り換え制御し、信号レベルが飽和しない最適な検知
感度を設定するようにしているので、炎判定の精度を向
上させることができる。さらに、検知感度を段階的に切
り換え設定することにより、検知エリアの拡がりを段階
的に調整することができるので、検知エリア内で発生し
た火炎の位置を概略的に把握することができる。したが
って、たとえば、放水装置に対して、この火炎発生領域
に関する情報を提供することにより、消火時間の短縮お
よび水損の影響を低減することができるとともに、ま
た、給水設備等の規模を削減して設備コストを抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炎検出装置の第1の実施形態を示
す概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る炎検出装置に適用される
センサ部の構成例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る炎検出装置に適用される
増幅部の作用を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る炎検出装置の検知感度設
定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係る火災位置判定方法の第1
の具体例を示す検知エリアの概略図である。
【図6】検知感度と火災発生領域との関係を示すテーブ
ルである。
【図7】第1の実施形態に係る火災位置判定方法の第2
の具体例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係る火災位置判定方法におけ
る炎発生エリアの判定処理の一例を示す概略図である。
【図9】第1の実施形態に係る火災位置判定方法におけ
る炎発生エリアの判定処理の他の例を示す概略図であ
る。
【図10】本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を
示す概略構成図である。
【図11】第2の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部の構成例を示す図である。
【図12】本発明に係る炎検出装置の第3の実施形態を
示す概略構成図である。
【図13】第3の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部の構成例を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部における受光素子の配置例を示す図である。
【図15】第3の実施形態に係る炎検出装置に適用され
る増幅部における出力線相互の接続状態とその作用を説
明するための概念図である。
【図16】第3の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部の他の構成例を示す図である。り、
【図17】第3の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部における受光素子の他の配置例を示す図であ
る。
【図18】本発明に係る炎検出装置の第4の実施形態を
示す概略構成図である。
【図19】第4の実施形態に係る炎検出装置に適用され
るセンサ部の構成例を示す図である。
【図20】本発明に係る炎検出装置の第5の実施形態を
示す概略構成図である。
【図21】本発明に係る炎検出装置の第6の実施形態を
示す概略構成図である。
【図22】本発明に係る炎検出装置の第7の実施形態を
示す概略構成図である。
【図23】従来技術における1波長検出方式の炎検出装
置を示す概略構成図である。
【図24】従来技術における2波長検出方式の炎検出装
置を示す概略構成図である。
【図25】火炎の位置と炎検出装置の増幅部の増幅度と
の関係を示す概略図である。
【図26】炎検出装置の増幅部から得られる出力信号レ
ベルの例を示す概略図である。
【図27】従来技術における炎検出装置により設定され
る検知エリアの拡がりを示す概略図である。
【符号の説明】
SEN センサ部(検知センサ) FLT フィルタ部 AMP 増幅部 PRO 信号処理部 SW1、SW2 切換スイッチ 10、10a〜10f 受光素子 20、20a〜20f 前置フィルタ 30、30a〜30f プリアンプ 40、40a〜40c メインアンプ 50、50a〜50c A/D変換器 61 飽和検出部(飽和検出手段) 62 感度切換制御部(感度切換制御手段) 63 炎判定部(炎判定手段) FR 火炎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 雅彦 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 相澤 真人 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 溝渕 学 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 浅野 功 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 川端 芳美 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA04 AA18 AB02 BA13 BB27 BC03 BC10 BC14 BC28 CA08 DA06 5C085 AA13 AB01 AB08 AC03 AC07 BA14 BA34 BA35 CA03 CA04 CA07 DA11 DA13 DA16 DA17 EA19 EA27 EA38 EA55

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炎を観測して得られる光を受光して電
    気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知セン
    サからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力す
    る増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に
    基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎
    検出装置において、 検知感度を複数段階に切り換え制御する感度切換制御手
    段と、 前記増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出する飽
    和検出手段とを備え、 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和
    状態を検出した場合に、検知感度を低感度側の最適な検
    知感度に切り換え制御し、 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した
    状態における前記増幅部からの増幅出力信号に基づいて
    炎の判定処理を行うことを特徴とする炎検出装置。
  2. 【請求項2】 前記感度切換制御手段は、検知感度を前
    記飽和検出手段が前記飽和状態を検出しない検知感度ま
    で低感度側に段階的に切り換え制御することを特徴とす
    る請求項1記載の炎検出装置。
  3. 【請求項3】 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出
    手段が前記飽和状態を検出した場合に、検知感度を最低
    検知感度に切り換え制御し、該最低検知感度における増
    幅出力信号が、所定のしきい値以下であることを検出し
    た場合には、前記検知感度を高感度側に段階的に切り換
    え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出
    手段が前記飽和状態を検出しない検知感度のうち、最も
    高い検知感度を最適検知感度として切り換え設定するこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の炎検出装置。
  5. 【請求項5】 前記感度切換制御手段は、1段階高い所
    定の検知感度において前記飽和検出手段が前記飽和状態
    を検出し、該検知感度より1段階低い検知感度において
    増幅出力信号が前記所定のしきい値以下であることを検
    出した場合には、前記飽和状態を検出した検知感度に切
    り換え制御すること特徴とする請求項2または3記載の
    炎検出装置。
  6. 【請求項6】 前記感度切換制御手段は、最低検知感度
    においても前記飽和状態を検出した場合は、該最低検知
    感度の設定状態を維持することを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の炎検出装置。
  7. 【請求項7】 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切
    り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力
    信号が、所定のしきい値以上であることを検出した場合
    に炎有りと判定することを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の炎検出装置。
  8. 【請求項8】 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切
    り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力
    信号が、所定のしきい値以上を検出した場合に、増幅出
    力信号の所定時間のサンプリングデータに基づいて周波
    数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出した
    場合に炎有りと判定することを特徴とする請求項1乃至
    6記載のいずれかに記載の炎検出装置。
  9. 【請求項9】 前記炎判定手段は、前記判定処理により
    炎有りと判定した場合は、当該検知感度に対応した有効
    検知エリア内に火炎が位置していると判定することを特
    徴とする請求項7または8記載の炎検出装置。
  10. 【請求項10】 前記感度切換制御手段は、前記最適検
    知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え制御
    し、 前記炎判定手段は、切り換え設定した全ての検知感度に
    おいて、飽和検出および炎の判定処理を行い、炎有りと
    判定した検知感度に対応した有効検知エリアから炎有り
    と判定しなかった検知感度に対応した有効検知エリアを
    除去したエリアに火炎が位置していると判定することを
    特徴とする請求項7または8記載の炎検出装置。
  11. 【請求項11】 前記感度切換制御手段は、前記増幅部
    の増幅率を制御することにより、前記検知感度を複数段
    階に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の
    炎検出装置。
  12. 【請求項12】 前記検知センサは、略同一の検知エリ
    アを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能
    な複数の受光素子を備え、 前記感度切換制御手段は、前記増幅部に出力する前記受
    光素子の出力数を制御することにより、前記検知感度を
    複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項1
    記載の炎検出装置。
  13. 【請求項13】 前記検知センサは、略同一の検知エリ
    アを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能
    な複数の受光素子を備え、 前記感度切換制御手段は、前記増幅部に出力する前記受
    光素子の出力数または前記増幅部の増幅率の少なくとも
    いずれか一方を制御することにより、前記検知感度を複
    数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項1記
    載の炎検出装置。
  14. 【請求項14】 前記検知センサは、前記受光素子が複
    数個配置され、一体的にパッケージ化されたものである
    ことを特徴とする請求項12または13記載の炎検出装
    置。
  15. 【請求項15】 前記検知センサは、前記各受光素子を
    個別にパッケージ化して、複数個近接して配置したもの
    であることを特徴とする請求項12または13記載の炎
    検出装置。
  16. 【請求項16】 前記複数の受光素子は、各々同一素子
    寸法に形成されていることを特徴とする請求項14また
    は15記載の炎検出装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の受光素子は、異なる素子寸
    法で形成されているものを含むことを特徴とする請求項
    14または15記載の炎検出装置。
  18. 【請求項18】 前記検知センサの前面に、有炎燃焼時
    に発生するCO2共鳴により放射される波長帯域の光を
    透過させる光学波長フィルタを配置したことを特徴とす
    る請求項1記載の炎検出装置。
  19. 【請求項19】 有炎燃焼時に発生するCO2共鳴によ
    り放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光
    学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過
    した光を受光して電気信号に変換して出力する第1の検
    知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所
    定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を
    備えた第1の検知グループと、 前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接
    した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フ
    ィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を
    受光して電気信号に変換して出力する第2の検知センサ
    と、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅
    率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第
    2の検知グループと、前記第1の増幅部および前記第2
    の増幅部からの増幅出力信号に基づいて、炎 の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置に
    おいて、 前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検
    知感度をそれぞれ複数段階に切り換え制御する感度切換
    制御手段と、 前記第1の増幅器からの増幅出力信号の飽和状態を検出
    する飽和検出手段とを備え、 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和
    状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび
    第2の検知グループの検知感度を連動して低感度側の最
    適な検知感度に切り換え制御し、 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した
    状態における前記第1の増幅部および前記第2の増幅部
    からの増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行うこと
    を特徴とする炎検出装置。
  20. 【請求項20】 前記感度切換制御手段は、検知感度を
    前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出しない検知感度
    まで、低感度側に段階的に切り換え制御することを特徴
    とする請求項19記載の炎検出装置。
  21. 【請求項21】 前記感度切換制御手段は、前記飽和検
    出手段が前記第1の増幅器からの増幅出力信号の飽和状
    態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第
    2の検知グループの検知感度を連動して最低検知感度に
    切り換え制御し、該最低検知感度における前記第1の増
    幅器の増幅出力信号が、第1のしきい値以下であること
    を検出した場合には、前記第1の検知グループおよび第
    2の検知グループの検知感度を連動して高感度側に段階
    的に切り換え制御することを特徴とする請求項19記載
    の炎検出装置。
  22. 【請求項22】 前記感度切換制御手段は、前記飽和検
    出手段が前記第1の増幅器からの増幅出力信号の飽和状
    態を検出しない検知感度のうち、最も高い検知感度に前
    記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知
    感度を連動して切り換え制御することを特徴とする請求
    項20または21記載の炎検出装置。
  23. 【請求項23】 前記感度切換制御手段は、1段階高い
    所定の検知感度において前記飽和検出手段が前記第1の
    増幅器からの増幅出力信号の飽和状態を検出し、該検知
    感度より1段階低い検知感度において増幅出力信号が第
    1のしきい値以下であることを検出した場合には、前記
    飽和状態を検出した検知感度に前記第1の検知グループ
    および第2の検知グループの検知感度を連動して切り換
    え制御することを特徴とする請求項20または21記載
    の炎検出装置。
  24. 【請求項24】 前記感度切換制御手段は、最低検知感
    度においても前記第1の増幅器からの増幅出力信号の飽
    和状態を検出した場合は、該最低検知感度の設定状態を
    維持することを特徴とする請求項20または21記載の
    炎検出装置。
  25. 【請求項25】 前記炎判定手段は、最適な検知感度に
    切り換え設定した状態における前記第1の増幅部からの
    増幅出力信号が、第1のしきい値以上であることを検出
    した場合に、前記第1の増幅部からの増幅出力信号の積
    分値と、前記第2の増幅部からの増幅出力信号の積分値
    の相対比を算出し、算出した相対比が第2のしきい値以
    上であることを検出した場合には炎有りと判定すること
    を特徴とする請求項19乃至24のいずれかに記載の炎
    検出装置。
  26. 【請求項26】 前記炎判定手段は、最適な検知感度に
    切り換え設定した状態における前記第1の増幅部からの
    増幅出力信号が、第1のしきい値以上であることを検出
    した場合に、前記第1の増幅部からの増幅出力信号の積
    分値と前記第2の増幅部からの増幅出力信号の積分値の
    相対比を算出し、算出した相対比が第2のしきい値以上
    であることを検出した場合は、前記第1の増幅器の増幅
    出力信号の所定時間のサンプリングデータに基づいて周
    波数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出し
    た場合に炎有りと判定することを特徴とする請求項19
    乃至24のいずれかに記載の炎検出装置。
  27. 【請求項27】 前記炎判定手段は、判定処理により炎
    有りと判定した場合は、当該時点において設定している
    前記第1の検知グループの検知感度に対応した有効検知
    エリア内に火炎が位置していると判定することを特徴と
    する請求項25または26記載の炎検出装置。
  28. 【請求項28】 前記感度切換制御手段は、前記第1の
    検知グループおよび第2の検知グループの最適検知感度
    より低感度側の全ての検知感度に連動して切り換え制御
    し、 前記炎判定手段は、切り換え設定した全ての検知感度に
    おいて、飽和検出および炎の判定処理を行い、炎有りと
    判定した検知感度に対応した第1の検知グループの有効
    検知エリアから炎有りと判定しなかった第1の検知グル
    ープの検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエ
    リアに火炎が位置していると判定することを特徴とする
    請求項25または26記載の炎検出装置。
  29. 【請求項29】 前記感度切換制御手段は、前記第1の
    増幅部および第2の増幅部の増幅率を連動して制御する
    ことにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御す
    ることを特徴とする請求項19記載の炎検出装置。
  30. 【請求項30】 前記第1の検知センサおよび第2の検
    知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、か
    つ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備
    え、 前記感度切換制御手段は、前記第1の増幅部および第2
    の増幅部にそれぞれ出力する前記受光素子の出力数を連
    動して制御することにより、前記検知感度を複数段階に
    切り換え制御することを特徴とする請求項19記載の炎
    検出装置。
  31. 【請求項31】 前記第1の検知センサおよび第2の検
    知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、か
    つ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備
    え、 前記感度切換制御手段は、前記第1の増幅部および第2
    の増幅部にそれぞれ出力する前記受光素子の出力数また
    は前記第1の増幅部および第2の増幅部の増幅率の少な
    くともいずれか一方を連動して制御することにより、前
    記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴と
    する請求項19記載の炎検出装置。
  32. 【請求項32】 一方の検知グループの検知センサは、
    略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号
    を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、 前記感度切換制御手段は、前記一方の検知グループにお
    いて、当該検知グループの増幅部に出力する前記受光素
    子の出力数または前記増幅部の増幅率の少なくともいず
    れか一方を制御し、他方の検知グループにおいて、当該
    検知グループの増幅部の増幅率を制御することにより、
    前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴
    とする請求項19記載の炎検出装置。
  33. 【請求項33】 前記検知センサは、前記受光素子が複
    数個配置され、一体的にパッケージ化されたものである
    ことを特徴とする請求項30乃至32のいずれかに記載
    の炎検出装置。
  34. 【請求項34】 前記検知センサは、前記各受光素子を
    個別にパッケージ化して、複数個近接して配置したもの
    であることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか
    に記載の炎検出装置。
  35. 【請求項35】 前記複数の受光素子は、各々同一素子
    寸法に形成されていることを特徴とする請求項33また
    は34記載の炎検出装置。
  36. 【請求項36】 前記複数の受光素子は、異なる素子寸
    法で形成されているものを含むことを特徴とする請求項
    33または34記載の炎検出装置。
  37. 【請求項37】 火炎を観測して得られる光を受光して
    電気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知セ
    ンサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力
    する増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号
    に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた
    炎検出装置の検知感度設定方法において、 前記増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検
    出した場合に、検知感度を低感度側に切り換え制御し、
    最適な検知感度に設定することを特徴とする炎検出装置
    の検知感度設定方法。
  38. 【請求項38】 有炎燃焼時に発生するCO2共鳴によ
    り放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光
    学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過
    した光を受光して電気信号に変換して出力する第1の検
    知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所
    定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を
    備えた第1の検知グループと、 前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接
    した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フ
    ィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を
    受光して電気信号に変換して出力する第2の検知センサ
    と、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅
    率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第
    2の検知グループと、 前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出
    力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を
    備えた炎検出装置の検知感度設定方法において、 前記第1の増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状
    態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第
    2の検知グループの検知感度を連動して低感度側に切り
    換え制御し、最適な検知感度に設定することを特徴とす
    る炎検出装置の検知感度設定方法。
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