JP2005284704A - 炎感知器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学波長フィルタの構成の簡素化を図り、コストの低減化を可能にした炎検知器を提供する。
【解決手段】 CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過可能な分光透過特性を有する保護部材12と、保護部材12を介してCO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させる光学波長フィルタ13と、光学波長フィルタ13を透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する受光素子14aを内蔵したセンサ部14とを備えた炎感知器10において、光学波長フィルタ13は、CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させるとともに、保護部材12における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過可能な分光透過特性を有する保護部材12と、保護部材12を介してCO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させる光学波長フィルタ13と、光学波長フィルタ13を透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する受光素子14aを内蔵したセンサ部14とを備えた炎感知器10において、光学波長フィルタ13は、CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させるとともに、保護部材12における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は炎感知器に関し、特にその光学波長フィルタの構成に関する。
従来、2波長式炎感知器として、例えば概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の狭帯域バンドパスフィルタ(第1の光学波長フィルタ)とその透過光を受光する第1の受光素子を備えたセンサ部Aと、概ね5.0μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の狭帯域バンドパスフィルタ(第2の光学波長フィルタ)とその透過光を受光する第2の受光素子を備えたセンサ部Bとを備え、これらセンサ部A、Bの前面には、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成された共通の透過性窓が設けられているものがある(例えば特許文献1)。
特開2001−356047号公報(段落[0060]〜[0067])
従来の2波長式炎感知器の第1及び第2の光学波長フィルタは、その基材の前面及び裏面にバンドパスフィルタ及びサイドバンドカットフィルタをそれぞれ蒸着することにより、それ自体のみで、所定の狭帯域の分光透過特性を得るようにしている。そのため、その製品価格が高価であり、その結果、炎感知器のコストアップを招くという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、上記の透過性窓の分光透過特性も考慮して光学波長フィルタを構成することにより、光学波長フィルタの構成の簡素化を図り、コストの低減化を可能にした炎検知器を提供することを目的とする。
本発明に係る炎感知器は、CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過可能な分光透過特性を有する保護部材と、該保護部材を介して前記CO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる第1の光学波長フィルタと、該第1の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第1の受光素子とを備えた炎感知器において、前記第1の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域を透過させる分光透過特性を有するものである。
本発明に係る炎感知器の第1の光学波長フィルタは、第1の基材と、該第1の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第1のバンドパスフィルタと、該第1の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第1のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
本発明に係る炎感知器は、前記保護部材を介してCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させる第2の光学波長フィルタと、該第2の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第2の受光素子とを更に備え、前記第2の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有するものである。
本発明に係る炎感知器の第2の光学波長フィルタは、第2の基材と、該第2の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第2のバンドパスフィルタと、該第2の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第2のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
本発明に係る炎感知器において、前記保護部材はサファイアガラスからなり、第1及び第2の光学波長フィルタはシリコン基材を含むものである。
本発明に係る炎感知器の第1の光学波長フィルタは、CO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性として、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性が設定されたものである。
本発明においては、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線のみを透過させるために第1の光学波長フィルタを用いているが、例えばシリコンなどの安価な材質を選択した場合には、その透過特性から干渉膜の膜数を増やさなければならないが、保護部材の分光透過特性を積極的に考慮して設計することにより、干渉膜の膜数を増やすことなく理想的な特性を得ることができる。このため、光学波長フィルタの構成の簡素化が図られ、コストの低減化が可能になっている。このことは第2の光学波長フィルタにおいても同様である。また、感知器正面方向からCO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向からCO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性を設定することにより、視野角の広い炎感知器が得られる。
実施形態1.
図1(a)(b)は本発明の実施形態1に係る炎感知器、特にセンサ部の構成を示す断面図及びその光学波長フィルタの拡大図である。炎感知器10は、ケース11に取付けられた板状の保護部材12、光学波長フィルタ13、及び光検出素子(例えば焦電センサ)14を内蔵したセンサ部15から構成されている。光学波長フィルタ13は狭帯域バンドパスフィルタであり、シリコン基板13aを基材として、その前面側にバンドパスフィルタ13bが、その裏面側にサイドバンドカットフィルタ13cがそれぞれ蒸着されて形成されている。また、保護部材12には例えばサファイヤガラスが用いられており、この保護部材12は、後述のように、概ね7μm付近以下の波長帯域の赤外線を良好に透過するハイカット特性を有する。なお、光学波長フィルタ13は本発明の第1の光学波長フィルタに相当し、光検出素子14は本発明の第1の受光素子に相当するものである。また、シリコン基板13aは本発明の第1の基材に、バンドパスフィルタ13bは本発明の第1のバンドパスフィルタに、サイドバンドカットフィルタ13cは本発明の第1のサイドバンドカットフィルタにそれぞれ相当する。
図1(a)(b)は本発明の実施形態1に係る炎感知器、特にセンサ部の構成を示す断面図及びその光学波長フィルタの拡大図である。炎感知器10は、ケース11に取付けられた板状の保護部材12、光学波長フィルタ13、及び光検出素子(例えば焦電センサ)14を内蔵したセンサ部15から構成されている。光学波長フィルタ13は狭帯域バンドパスフィルタであり、シリコン基板13aを基材として、その前面側にバンドパスフィルタ13bが、その裏面側にサイドバンドカットフィルタ13cがそれぞれ蒸着されて形成されている。また、保護部材12には例えばサファイヤガラスが用いられており、この保護部材12は、後述のように、概ね7μm付近以下の波長帯域の赤外線を良好に透過するハイカット特性を有する。なお、光学波長フィルタ13は本発明の第1の光学波長フィルタに相当し、光検出素子14は本発明の第1の受光素子に相当するものである。また、シリコン基板13aは本発明の第1の基材に、バンドパスフィルタ13bは本発明の第1のバンドパスフィルタに、サイドバンドカットフィルタ13cは本発明の第1のサイドバンドカットフィルタにそれぞれ相当する。
図2(a)(b)(c)は保護部材12の分光透過率、光学波長フィルタ13の分光透過率及び合成された分光透過率をそれぞれ示した特性図である。保護部材12は、図2(a)に示されるように、概ね7μm付近以下の波長帯域の赤外線を良好に透過するハイカット特性を有している。光学波長フィルタ13は、図2(b)の実線に示されるように、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される波長帯域及び保護部材12の遮断領域である7μm付近以上の波長帯域の赤外線を透過させる分光透過特性を有している。保護部材12の分光透過特性と光学波長フィルタ13の分光透過特性とを合成することにより、図2(c)の実線に示されるように、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される波長帯域の赤外線のみを透過させることになり、光学波長フィルタ13は全体として狭帯域のバンドパスフィルタとして機能する。光学波長フィルタ13は、保護部材12の分光透過特性の遮断領域については重ねて遮断する必要がないので、サイドバンドカットフィルタ13cの機能を低減させることができ、その結果、干渉膜の膜数を少なくすることが可能になっている。この点の更に説明するために、従来の炎感知器の特性を図3に基づいて説明する。
図3は従来の炎感知器の特性を示したものであり、同図(a)(b)(c)はシリコン基板の分光透過率、シリコン基板の分光透過率とバンドパスフィルタの分光透過率とを合成したときの分光透過率、及びシリコン基板の分光透過率とバンドパスフィルタの分光透過率とサイドバンドカットフィルタの分光透過率とを合成したときの分光透過率(光学波長フィルタの分光透過率)をそれぞれ示したものである。このバンドパスフィルタは、本実施形態のバンドパスフィルタ13bと同様に、CO2共鳴放射帯域の赤外線及び保護部材12における分光透過特性の遮断領域の赤外線を含む波長帯域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する。しかし、このサイドバンドカットフィルタは、本実施形態のサイドバンドカットフィルタ13cがCO2共鳴放射帯域の赤外線及び保護部材12における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有するのに対して、CO2共鳴放射帯域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する。そのため、従来の炎感知器は、保護部材12の分光透過特性を考慮せずに、概ね7μm付近以上の波長帯域の赤外線もカットしていたので、サイドバンドカットフィルタの干渉膜の膜数が図2の例に比べて必然的に増加することになる。
このことから分かるように、本実施形態のサイドバンドカットフィルタ13cは干渉膜の膜数が従来のものに比べて少なくすることができる。その結果、光学波長フィルタ13の構成が簡素化でき、コストの低減化が可能になっている。また、上記のように、本実施形態の基材はシリコンから構成されているので、光学波長フィルタ13をケース11と導通させることによりシールド効果も得られ、高信頼性の炎感知器が得られる。
なお、本実施形態1に係る炎感知器10は、CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過可能な分光透過特性を有する保護部材と、該保護部材を介して前記CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させる第1の光学波長フィルタと、該第1の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第1の受光素子とを備えた炎感知器において、前記第1の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有するものである。
また、第1の光学波長フィルタは、第1の基材と、該第1の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第1のバンドパスフィルタと、前記第1の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第1のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
また、第1の光学波長フィルタは、第1の基材と、該第1の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第1のバンドパスフィルタと、前記第1の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第1のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
実施形態2.
図4は本発明の実施形態2に係る炎感知器の構成を示す断面図であり、ここは2個のセンサが内蔵された2波長式炎感知器のセンサ部の構成が示されている。この炎感知器20は2個のセンサA30,B40を内蔵しており、センサA30は炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される、概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の赤外線を検出し、センサ部B40は概ね5.0μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の赤外線を検出する。
図4は本発明の実施形態2に係る炎感知器の構成を示す断面図であり、ここは2個のセンサが内蔵された2波長式炎感知器のセンサ部の構成が示されている。この炎感知器20は2個のセンサA30,B40を内蔵しており、センサA30は炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される、概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の赤外線を検出し、センサ部B40は概ね5.0μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の赤外線を検出する。
センサ部A30は、受光素子31が形成された基板32と、該基板32を基部33上に支持するための基板搭載部34と、基板搭載部34側の背面側から端子35が外部へ突出して延在する基部33と、受光素子31の前方に狭帯域バンドパスフィルタである光学波長フィルタ36を備えたカバー部材37とからなるパッケージ化された構成を有している。また、センサB40は、受光素子41が形成された基板42と、該基板42を基部43上に支持するための基板搭載部44と、基板搭載部44側の背面側から端子45が外部へ突出して延在する基部43と、受光素子41の前方に狭帯域バンドパスフィルタである光学波長フィルタ46を備えたカバー部材47とからなるパッケージ化された構成を有している。そして、これらのセンサ部A30及びセンサ部B40は、本体カバー48内に設けられた共通の取り付け部材49上に、互いに近接して所定の配列で配置され、これらのセンサ部A30及びセンサ部B40の前面には、たとえば、サファイアガラス等の赤外線透光性の保護部材50が設けられている。そして、センサ部A30の光学波長フィルタ36の特性としては、上記のように、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする赤外線のみを高い透過率で透過する特性する特性を有している。センサ部B40の光学波長フィルタ46の分光透過特性としては、センサA30の光学波長フィルタ36の中心透過波長帯域に隣接していればよく、上記の5μm付近だけではなく、短波長側例えば3.8μm付近でもよい。上記の5μm付近で設定した場合の分光透過特性を図2(b)(c)において破線で示す。
なお、図4において、受光素子31は本発明の第1の受光素子に、光学波長フィルタ36は本発明の第1の光学波長フィルタに相当し、また、受光素子41は本発明の第2の受光素子に、光学波長フィルタ46は本発明の第2の光学波長フィルタに相当する。第1の光学波長フィルタ36と第2の光学波長フィルタ46の基本構成は同一である。即ち、第2の光学波長フィルタ46は図1(b)と同様な構成からなり、同図のシリコン基板13aは本発明の第2の基材に、バンドパスフィルタ13bは本発明の第2のバンドパスフィルタに、サイドバンドカットフィルタ13cは本発明の第2のサイドバンドカットフィルタに相当する。
図5は図4の炎感知器20を用いた炎感知器の回路構成図である。センサA30の出力及びセンサB40の出力はそれぞれ増幅器51,52で増幅されて判定処理部53に入力し、判定処理部53は、センサA30の出力及びセンサB40の出力に基づいて炎が発生しているどうかを判断する。炎が発生している状態においては、センサA30の出力(増幅器51の出力)の積分値が所定値に以上なっており、且つセンサB40の出力(増幅器52の出力)の積分値が所定値よりも小さい状態となるが、他の外的な要因があると、センサA30の出力の積分値及びセンサB40の出力の積分値が両方とも所定値以上になることがある。このような状態を判断から排除するために、判定処理部53は、センサA30の出力の積分値が所定値以上であって、且つセンサA30の出力の積分値とセンサB40の出力の積分値との比が所定以上であることをもって、炎が発生していると判断する。なお、この判断方法においては、例えばセンサA30の出力が所定値以上であることを検出した場合に、増幅器51,52の出力を周波数分析し、火炎特有のゆらぎ(ちらつき)周波数の特徴が得られる場合に炎有りと判断したり、上記の積分値のレベル比較との組み合わせ等の種々の手法を適用することができる。
なお、本実施形態2に係る炎感知器20は、実施形態1に係る炎感知器10に加えて、前記保護部材を介してCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させる第2の光学波長フィルタと、該第2の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第2の受光素子とを更に備え、前記第2の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有するものである。
また、第2の光学波長フィルタは、第2の基材と、該第2の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第2のバンドパスフィルタと、前記第2の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第2のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
また、第2の光学波長フィルタは、第2の基材と、該第2の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第2のバンドパスフィルタと、前記第2の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第2のサイドバンドカットフィルタとを有するものである。
実施形態3.
本発明の実施形態3に係る炎感知器は、その光学波長フィルタに対して赤外線が正面方向から入射した場合と斜め方向から入射した場合とで、光学波長フィルタの透過波長帯域の中心波長、帯域幅、透過率がそれぞれ変化することを考慮することにより、視野角の広い炎感知器を実現したものである。
本発明の実施形態3に係る炎感知器は、その光学波長フィルタに対して赤外線が正面方向から入射した場合と斜め方向から入射した場合とで、光学波長フィルタの透過波長帯域の中心波長、帯域幅、透過率がそれぞれ変化することを考慮することにより、視野角の広い炎感知器を実現したものである。
図6は本発明の実施形態3に係る炎感知器における光学波長フィルタの分光透過率の特性を示したものである。同図に示されるように、炎の二酸化炭素(CO2)共鳴スペクトルの中心波長(例えば4.4μm)と、斜め方向(正面方向を0度としたとき、例えば50度に設定)から赤外線が入射した場合の光学波長フィルタの分光透過特性の中心波長とを一致させるとともに、正面方向から赤外線が入射した場合の光学波長フィルタの分光透特性の中心波長をそれより若干長波長側にずらした位置(例えば4.52μm)に設定する。これにより、炎の二酸化炭素共鳴スペクトルに対する光学波長フィルタの分光透過率のたたみ込み積分値について、正面方向に対する斜め方向の比率を1又は1以上とする。このようにすることにより、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致することになり、斜め方向に対する感度が高くなるため、炎感知器の視野角特性を広げることが可能になっている。特に、光学波長フィルタの蒸着膜の通過帯材料として、ZnS、ゲルマニウムを含むものは、フィルタの角度シフト量が小さく、均一な感度特性を実現することができる。
なお、本実施形態3に係る炎感知器は、実施形態1、2に係る炎感知器10、20に加えて、前記第1の光学波長フィルタは、そのCO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性として、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性を設定したものである。
このとき、前記第2の光学波長フィルタは、そのCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線の分光透過特性として、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線の分光透過特性を設定すると、図5において、センサA30の出力の積分値とセンサB40の出力の積分値との比が所定以上であることをもって、炎が発生していると判断する場合に、赤外線の入射方向にかかわらず、正確な前記比を算出可能である。
このとき、前記第2の光学波長フィルタは、そのCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線の分光透過特性として、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線の分光透過特性を設定すると、図5において、センサA30の出力の積分値とセンサB40の出力の積分値との比が所定以上であることをもって、炎が発生していると判断する場合に、赤外線の入射方向にかかわらず、正確な前記比を算出可能である。
10 炎感知器、11 ケース、12 保護部材、13 光学波長フィルタ、13a シリコン基板、13b バンドパスフィルタ、13b バンドパスフィルタ、13c サイドバンドカットフィルタ、14 光検出素子、20 炎感知器、31 受光素子、32 基板、3 33 基部、34 基板搭載部、35 端子、36 光学波長フィルタ、37 カバー部材、 41 受光素子、42 基板、43 基部、44 基板搭載部、45 端子、46 光学波長フィルタ、47 カバー部材、48 本体カバー、49 部材、50 保護部材。
Claims (6)
- CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過可能な分光透過特性を有する保護部材と、該保護部材を介して前記CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させる第1の光学波長フィルタと、該第1の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第1の受光素子とを備えた炎感知器において、
前記第1の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有することを特徴とする炎感知器。 - 第1の光学波長フィルタは、第1の基材と、該第1の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第1のバンドパスフィルタと、前記第1の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第1のサイドバンドカットフィルタとを有することを特徴とする請求項1記載の炎感知器。
- 前記保護部材を介してCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させる第2の光学波長フィルタと、該第2の光学波長フィルタを透過した赤外線を受光して電気信号に変換して出力する第2の受光素子とを更に備え、前記第2の光学波長フィルタは、前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線を透過させるとともに、前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の炎感知器。
- 前記第2の光学波長フィルタは、第2の基材と、該第2の基材の前面側に蒸着されてCO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線を透過させる分光透過特性を有する第2のバンドパスフィルタと、該第2の基材の裏面側に蒸着されて前記CO2共鳴放射帯域に隣接した帯域の赤外線及び前記保護部材における分光透過特性の遮断領域の赤外線のみを透過させる分光透過特性を有する第2のサイドバンドカットフィルタとを有することを特徴とする請求項3記載の炎感知器。
- 前記保護部材はサファイアガラスであり、前記第1及び第2の光学波長フィルタはシリコン基材を含むことを特徴とする請求項4記載の炎感知器。
- 前記第1の光学波長フィルタは、そのCO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性として、感知器正面方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量と、感知器斜め方向から前記CO2共鳴放射帯域の赤外線が入射した場合の透過光量とがほぼ一致するように、前記CO2共鳴放射帯域の赤外線の分光透過特性を設定したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の炎感知器。
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