JP7190971B2 - Ndirガスセンサ及び光学デバイス - Google Patents
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Description
本発明は、簡素化した光学フィルタを用いた場合にも高精度なNDIRガスセンサ及び光学デバイスを提供することを課題とする。
基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である。
基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、SiO、SiO2、TiO2、ZnSからなる群から選択される少なくとも一つを含む第1層と、Si、Geからなる群から選択される少なくとも一つを含む第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である。
基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である。
基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、SiO、SiO2、TiO2、ZnSからなる群から選択される少なくとも一つを含む第1層と、Si、Geからなる群から選択される少なくとも一つを含む第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である。
また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。
また、本実施形態は、以下で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態に係るNDIRガスセンサは、一の態様において、基板と、基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、を備え、多層膜は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含み、活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上1000nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である。
図1に示すように、この例の光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2~2.5となる低屈折率材料(L)からなる層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2~4.2となる高屈折率材料(H)からなる層とを、Si基板上に直接設けられる層が上記高屈折率材料(H)となるように、Si基板の両面に交互積層することで、多層膜が形成されている。本実施形態の光学フィルタでは、図1の構成に限定されることなく、多層膜は、基板の一面上にのみ形成されていてもよく、基板の両面上に形成されていてもよい。
また、本実施形態の光学フィルタでは、多層膜は、屈折率が1.2~2.5となる第1層と屈折率が3.2~4.2となる第2層とが交互に積層されている限り、特に限定されないが、図1に例のように、高屈折率材料(H)が基板上に直接設けられることが本発明の効果を高めるうえで好ましい。
本実施形態に係るNDIRガスセンサでは、図2に示すように、赤外線発光素子から出力させる赤外線の光路中に赤外線受光素子を設置し、赤外線受光素子の前には検出対象であるガスの吸収波長を選択的に透過させる光学フィルタを設置する。
図3の比較例の技術では、分光感度に波長選択性(波長による感度変化)がない。一方、本発明では図3のように波長選択性がある。よって、本発明では、感度のない波長については光学フィルタでカットする必要がなく、光学フィルタに求められる機能は簡略化できる。
図4は、比較例による光学フィルタと本発明による光学フィルタとの相違を示す図である。
図4に示すように、本実施形態におけるNDIRガスセンサでは、カット特性を決定づけるカット面と呼ばれる多層積層の膜厚を大幅に減らすことができる。後述する実施例で示すように、多層膜が基板の両面に形成されている場合に、各面の総膜厚の比を0.5~2.0の範囲に含めることが可能である。つまり、通常バンドパス面の2倍よりも大きかったカット面の膜厚を、バンドパス面の0.5~2.0倍にすることが可能である。
光学フィルタは、基板と、基板上に形成され、屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する。多層膜は、基板の一面のみに形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。
光学フィルタは、NDIRガスセンサ内のうち、赤外線発光素子から放射された赤外線が赤外線受光素子に至る光路の間の何れかの場所に設置される。光学フィルタは、赤外線発光素子と一体形成されていてもよく、また、赤外線受光素子と一体形成されていてもよい。また、光路内の所定の場所に設置されていてもよい。また、光学フィルタを複数備える形態でもよい。
光学フィルタは、基板上に第1層及び第2層を蒸着法により成膜することで作成することができる。
基板の一面上に多層膜が形成されるため、基板は、多層膜を構成する各層の形成に適したものであればよい。一例としては、Si基板、Ge基板、ZnS基板、サファイア基板等が挙げられるが、これらに限らない。
多層膜は、屈折率の異なる複数の層を有する膜であり、具体的には、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含む。
なお、上記平均透過率が70%以上95%以下となる波長域の幅は、かかる波長域が複数ある場合にはその合計によるものとする。
光学フィルタの2400nm~6000nmの波長域における平均透過率が70%以上95%以下であることの確認方法としては、顕微FT-IR装置(ブルカー社製、Hyperion3000+TENSOR27)によって、例えば、波数範囲900cm-1から4200cm-1、波数分解能8cm-1にて透過スペクトルを取得し、上記波長域における透過率の数値積分値に対して、波長域(範囲)で割ることにより実施できる。測定点数としては、1000nmあたり200点(=5nmあたり1点)とする。6000nm~8000nmの波長域における平均透過率も同様の方法で確認が可能である。
なお、上記交互に積層された回数は、断面SEM観察により測定可能である。
本実施形態の多層膜の第1層は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下の層である。
第1層の具体的な材料としては、SiO、SiO2、TiO2、ZnS等が挙げられる。第1層は、上記材料からなるものとしてよい。
本実施形態の多層膜の第2層は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下の層である。
第2層の具体的な材料としては、Si、Ge等が挙げられる。第2層は、上記材料からなるものとしてよい。
なお、本実施形態における屈折率については、JIS K7142に準拠して、エリプソメーターにより測定した値とする。
赤外線受発光素子は、第一導電型半導体層、活性層AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)、及び第二導電型半導体層を有する素子である。
各層のAl組成は、二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)法により以下のように求めた。測定にはCAMECA社製磁場型SIMS装置IMS 7fを用いた。この手法は、固体表面にビーム状の一次イオン種を照射することで、スパッタリング現象により深さ方向に掘り進めながら、同時に発生する二次イオンを検出することで、組成分析を行う手法である。なおここで、Al組成とは、各層に含まれる全13族元素に対するAl元素の比率を指す。
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層は、GaAs基板やSi基板等の半導体基板上に形成されてもよい。
本実施形態では、基板から順に、第一導電型半導体層、活性層、第二導電型半導体層となるように各層を設けてもよく、基板から順に、第二導電型半導体層、活性層、第一導電型半導体層となるように各層を設けてもよい。そして、本実施形態では、好ましくは、第一導電型がn型、第二導電型がp型である。
本実施形態では、好ましくは、第一導電型半導体層と活性層との間にn型バリア層が、活性層と第二導電型半導体層との間にp型バリア層が、それぞれ設けられる。
n型バリア層としては、n型AlxIn1-xSb(0.20≦x≦0.35)が本発明の効果を高めるうえで好ましい。
p型バリア層としては、p型AlxIn1-xSb(0.20≦x≦0.35)が本発明の効果を高めるうえで好ましい。
各検出対象ガスに対する、活性層の好ましい組成及び光学フィルタの特性は以下の通りである。
検出対象ガスがNH3(5500nm~6500nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.05)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、光学フィルタは、5600nm~6000nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上400nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがNO(5100nm~5700nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.05)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、光学フィルタは、5200nm~5500nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがCO(4400nm~5000nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.12)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、光学フィルタは、4500nm~4800nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがCO2(4100nm~4400nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.12)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、光学フィルタは、4200nm~4350nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上150nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがCH2O(3100nm~3800nmに吸収有り)、又はC3H8(3200nm~3700nmに吸収有り)、又はC2H5OH(3200nm~3700nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.04≦x≦0.14)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、光学フィルタは、3300nm~3600nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがCH4(3200nm~3500nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.04≦x≦0.14)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、光学フィルタは、3200nm~3400nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上200nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
検出対象ガスがH2O(2500nm~2900nmに吸収有り)の場合、活性層は、AlxIn1-xSb(0.08≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、光学フィルタは、2400nm~2800nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上400nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であることが好ましい。
本実施形態に係る光学デバイスは、前述の本実施形態に係るNDIRガスセンサと同様の特徴を備えるものである。光学デバイスはNDIRガスセンサに限定されず、同様の特徴を有する赤外線放射温度計、赤外分光イメージング、人体検知センサ、であってよい。
本実施形態に係る光学デバイスによれば、簡素化した光学フィルタを用いた際にも、所望の波長帯域の赤外線のみを選択的に受光/発光が可能となる、という効果を得ることができる。
簡素化フィルタと赤外線受光素子とを組み合わせたIR-センサについて説明する。IR-センサは、例えばCO2センサのような光学デバイスの一部を構成する。まず、PINダイオード構造については、MBE法により作成した。活性層はAl0.04In0.96Sbとし、n型半導体層は、Snを1.0×1019原子/cm3ドーピングすることで、エネルギーバンドを縮退させ、2000nmより長波長の赤外線光に対して透明化している。さらに、活性層を挟むように、n型Al0.22In0.78Sbとp型Al0.22In0.78Sbをバリア層として設けた。図5に、実施例1に係る赤外線受発光素子の各層の積層構造を示す。
このようにして準備した半導体ウエハの表面にi線用ポジ型フォトレジストを塗布し、縮小投影型露光機によりi線を使用し露光を行った。次に現像を行い、半導体積層部の表面にレジストパターンを規則的に複数形成した。次に、ドライエッチング処理により、複数のメサを形成した。メサ形状を有する素子上に、ハードマスクとしてSiO2を成膜後、ドライエッチングで素子分離を行い、その後、保護膜としてSiNを成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。その後、フォトリソグラフィーとスパッタリングにより、複数のメサを直列接続した。その後、ポリイミド樹脂を保護膜として、素子表面を覆うように形成した。
上述した前工程プロセスにより作製したウエハをダイシングして個片化し、Auワイヤーをボンディングしリードフレームと結線して、エポキシ系モールド樹脂で受光面が露出するように封止した。このように作製した赤外線受光素子の分光感度スペクトルを測定した結果、図6の結果が得られた。図6に、実施例1に係る赤外線受光素子の分光スペクトルを示す。このセンサは、CO2の吸収帯域である4300nm付近の赤外線には感度を有するが、6000nmより長波長側の赤外線には、ほとんど感度を持たない。
光学フィルタの設計は、シミュレーションで実施した。シミュレーションの手法については、フレネル係数を利用した公知の計算手法を用いた。また、光学薄膜の材料としては、GeとSiOを想定し、これらの複素屈折率の波長分散データについては、文献値を用いた。以下に、光学シミュレーションにより計算した簡素化フィルタの設計について述べる。
図7に、実施例1に係る光学フィルタ(簡素化フィルタ)の透過スペクトルを、比較例に係る光学フィルタ(従来構成のフィルタ)の透過スペクトルと比較して、示す。図8に、実施例1に係る簡素化フィルタの積層構造を示す。図7に示すように、簡素化フィルタは2000nm~2500nm付近、あるいは6500nm以降に透過域をもつ。この領域の遮断機能を不要としたことで、光学薄膜の厚みは、従来フィルタの25000nmに対して8432nmにまで削減できている。図7で示す簡素化フィルタは、4180nm~4330nmの波長域において、平均透過率が81%となっている。また、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率は51%であり、その波長域での平均透過率は20%である。
次に、図9に、実施例1において赤外線受光素子と光学フィルタ(簡素化フィルタ)とを組み合わせて構成したCO2検出向けIR-センサの分光スペクトルを示す。この結果が示すように、どちらの光学フィルタを用いても、赤外線受光素子と組み合わせた際の出力は同等である。つまり、NDIR式ガスセンサ用のセンサ部品としての性能は一切低下させずに、光学フィルタの設計を大幅に簡素化できることを示せた。
簡素化フィルタと赤外線発光素子とを組み合わせたIR-LEDについて説明する。IR-LEDは、例えばCO2センサのような光学デバイスの一部を構成する。まず、PINダイオード構造については、MBE法により作成した。活性層はAl0.04In0.96Sbとし、n型半導体層は、Snを1.0×1019原子/cm3ドーピングすることで、エネルギーバンドを縮退させ、2000nmより長波長の赤外線光にたいして透明化している。さらに、活性層を挟むように、n型Al0.22In0.78Sbとp型Al0.22In0.78Sbをバリア層として設けた。図5に、実施例2に係る赤外線受発光素子の各層の積層構造を示す。
このようにして準備した半導体ウエハの表面にi線用ポジ型フォトレジストを塗布し、縮小投影型露光機によりi線を使用し露光を行った。次に現像を行い、半導体積層部の表面にレジストパターンを規則的に複数形成した。次に、ドライエッチング処理により、複数のメサを形成した。メサ形状を有する素子上に、ハードマスクとしてSiO2を成膜後、ドライエッチングで素子分離を行い、その後、保護膜としてSiNを成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。その後、フォトリソグラフィーとスパッタリングにより、複数のメサを直列接続した。その後、ポリイミド樹脂を保護膜として、素子表面を覆うように形成した。
上述した前工程プロセスにより作製したウエハをダイシングして個片化し、Auワイヤーをボンディングしリードフレームと結線して、エポキシ系モールド樹脂で発光面が露出するように封止した。このように作製した赤外線発光素子の発光スペクトルを測定した結果、図10の結果が得られた。図10に、実施例2に係る赤外線発光素子の発光スペクトルを示す。このIR-LEDは、CO2の吸収帯域である4300nm付近の赤外域では発光を示すが、6000nmより長波長側の赤外域では発光を示さない。
光学フィルタの設計は、シミュレーションで実施した。シミュレーションの手法については、フレネル係数を利用した公知の計算手法を用いた。また、光学薄膜の材料としては、GeとSiOを想定し、これらの複素屈折率の波長分散データについては、文献値を用いた。以下に、光学シミュレーションにより計算した簡素化フィルタの設計について述べる。
図7に、実施例2に係る光学フィルタ(簡素化フィルタ)の透過スペクトルを、比較例に係る光学フィルタ(従来構成のフィルタ)の透過スペクトルと比較して、示す。図8に、実施例2に係る簡素化フィルタの積層構造を示す。図7に示すように、簡素化フィルタは2000nm~2500nm付近、あるいは6500nm以降に透過域をもつ。この領域の遮断機能を不要としたことで、光学薄膜の厚みは、従来フィルタの25000nmに対して8432nmにまで削減できている。図7で示す簡素化フィルタは、4180nm~4330nmの波長域において、平均透過率が81%となっている。また、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率は51%であり、その波長域での平均透過率は20%である。
次に、図11に、実施例2において赤外線発光素子と光学フィルタ(簡素化フィルタ)とを組み合わせて構成したCO2検出向けIR-LEDの発光スペクトルを示す。この結果が示すように、どちらの光学フィルタを用いても、赤外線発光素子と組み合わせた際の出力は同等である。つまり、NDIR式ガスセンサ用の光源としての性能は一切低下させずに、光学フィルタの設計を大幅に簡素化できることを示せた。
簡素化フィルタと赤外線受光素子とを組み合わせたIR-センサについて説明する。IR-センサは、例えばCO2センサのような光学デバイスの一部を構成する。まず、PINダイオード構造については、MBE法により作成した。活性層はAl0.04In0.96Sbとし、n型半導体層は、Snを1.0×1019原子/cm3ドーピングすることで、エネルギーバンドを縮退させ、2000nmより長波長の赤外線光に対して透明化している。さらに、活性層を挟むように、n型Al0.22In0.78Sbとp型Al0.22In0.78Sbをバリア層として設けた。図5に、実施例3に係る赤外線受発光素子の各層の積層構造を示す。
このようにして準備した半導体ウエハの表面にi線用ポジ型フォトレジストを塗布し、縮小投影型露光機によりi線を使用し露光を行った。次に現像を行い、半導体積層部の表面にレジストパターンを規則的に複数形成した。次に、ドライエッチング処理により、複数のメサを形成した。メサ形状を有する素子上に、ハードマスクとしてSiO2を成膜後、ドライエッチングで素子分離を行い、その後、保護膜としてSiNを成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。その後、フォトリソグラフィーとスパッタリングにより、複数のメサを直列接続した。その後、ポリイミド樹脂を保護膜として、素子表面を覆うように形成した。
上述した前工程プロセスにより作製したウエハをダイシングして個片化し、Auワイヤーをボンディングしリードフレームと結線して、エポキシ系モールド樹脂で受光面が露出するように封止した。このように作製した赤外線受光素子の分光感度スペクトルを測定した結果、図6の結果が得られた。図6に、実施例1に係る赤外線受光素子の分光スペクトルを示す。このセンサは、CO2の吸収帯域である4300nm付近の赤外線には感度を有するが、6000nmより長波長側の赤外線には、ほとんど感度を持たない。
光学フィルタの設計は、シミュレーションで実施した。シミュレーションの手法については、フレネル係数を利用した公知の計算手法を用いた。また、光学薄膜の材料としては、SiとSiO2を想定し、これらの複素屈折率の波長分散データについては、文献値を用いた。以下に、光学シミュレーションにより計算した簡素化フィルタの設計について述べる。
図12に、実施例3に係る光学フィルタ(簡素化フィルタ)の透過スペクトルを、比較例に係る光学フィルタ(従来構成のフィルタ)の透過スペクトルと比較して、示す。図13に、実施例3に係る簡素化フィルタの積層構造を示す。図12に示すように、簡素化フィルタは2000nm~2500nm付近、あるいは6000nm~8000nmに透過域をもつ。この領域の遮断機能を不要としたことで、光学薄膜の厚みは、従来フィルタの25000nmに対して9780nmにまで削減できている。図12で示す簡素化フィルタは、4180nm~4330nmの波長域において、平均透過率が76%となっている。また、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率は62%であり、その波長域での平均透過率は24%である。
次に、図14に、実施例3において赤外線受光素子と光学フィルタ(簡素化フィルタ)とを組み合わせて構成したCO2検出向けIR-センサの分光スペクトルを示す。この結果が示すように、どちらの光学フィルタを用いても、赤外線受光素子と組み合わせた際の出力は同等である。つまり、NDIR式ガスセンサ用のセンサ部品としての性能は一切低下させずに、光学フィルタの設計を大幅に簡素化できることを示せた。
簡素化フィルタと赤外線受光素子とを組み合わせたIR-センサについて説明する。IR-センサは、例えばCH4センサのような光学デバイスの一部を構成する。まず、PINダイオード構造については、MBE法により作成した。活性層はAl0.09In0.91Sbとし、n型半導体層は、Snを1.0×1019原子/cm3ドーピングすることで、エネルギーバンドを縮退させ、2000nmより長波長の赤外線光に対して透明化している。さらに、活性層を挟むように、n型Al0.30In0.70Sbとp型Al0.30In0.70Sbをバリア層として設けた。図15に、実施例4に係る赤外線受発光素子の各層の積層構造を示す。
このようにして準備した半導体ウエハの表面にi線用ポジ型フォトレジストを塗布し、縮小投影型露光機によりi線を使用し露光を行った。次に現像を行い、半導体積層部の表面にレジストパターンを規則的に複数形成した。次に、ドライエッチング処理により、複数のメサを形成した。メサ形状を有する素子上に、ハードマスクとしてSiO2を成膜後、ドライエッチングで素子分離を行い、その後、保護膜としてSiNを成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。その後、フォトリソグラフィーとスパッタリングにより、複数のメサを直列接続した。その後、ポリイミド樹脂を保護膜として、素子表面を覆うように形成した。
上述した前工程プロセスにより作製したウエハをダイシングして個片化し、Auワイヤーをボンディングしリードフレームと結線して、エポキシ系モールド樹脂で受光面が露出するように封止した。このように作製した赤外線受光素子の分光感度スペクトルを測定した結果、図16の結果が得られた。図16に、実施例4に係る赤外線受光素子の分光スペクトルを示す。このセンサは、CH4の吸収帯域である3300nm付近の赤外線には感度を有するが、6000nmより長波長側の赤外線には、ほとんど感度を持たない。
光学フィルタの設計は、シミュレーションで実施した。シミュレーションの手法については、フレネル係数を利用した公知の計算手法を用いた。また、光学薄膜の材料としては、GeとSiOを想定し、これらの複素屈折率の波長分散データについては、文献値を用いた。以下に、光学シミュレーションにより計算した簡素化フィルタの設計について述べる。
図17に、実施例4に係る光学フィルタ(簡素化フィルタ)の透過スペクトルを、比較例に係る光学フィルタ(従来構成のフィルタ)の透過スペクトルと比較して、示す。図18に、実施例4に係る簡素化フィルタの積層構造を示す。図17に示すように、簡素化フィルタは6000nm~8000nmに透過域をもつ。この領域の遮断機能を不要としたことで、光学薄膜の厚みは、従来フィルタの25000nmに対して7529nmにまで削減できている。図17で示す簡素化フィルタは、3260nm~3380nmの波長域において、平均透過率が78%となっている。また、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率は85%であり、その波長域での平均透過率は52%である。
次に、図19に、実施例4において赤外線受光素子と光学フィルタ(簡素化フィルタ)とを組み合わせて構成したCH4検出向けIR-センサの分光スペクトルを示す。この結果が示すように、どちらの光学フィルタを用いても、赤外線受光素子と組み合わせた際の出力は同等である。つまり、NDIR式ガスセンサ用のセンサ部品としての性能は一切低下させずに、光学フィルタの設計を大幅に簡素化できることを示せた。
簡素化フィルタと赤外線受光素子とを組み合わせたIR-センサについて説明する。IR-センサは、例えばCO2センサのような光学デバイスの一部を構成する。まず、PINダイオード構造については、MBE法により作成した。活性層はInAs0.87Sb0.13とし、n型半導体層はエネルギーバンドを縮退させ、2000nmより長波長の赤外線光に対して透明化している。さらに、活性層を挟むように、n型Al0.30In0.70AsSbとp型Al0.30In0.70AsSbをバリア層として設けた。図20に、実施例5に係る赤外線受発光素子の各層の積層構造を示す。
このようにして準備した半導体ウエハの表面にi線用ポジ型フォトレジストを塗布し、縮小投影型露光機によりi線を使用し露光を行った。次に現像を行い、半導体積層部の表面にレジストパターンを規則的に複数形成した。次に、ドライエッチング処理により、複数のメサを形成した。メサ形状を有する素子上に、ハードマスクとしてSiO2を成膜後、ドライエッチングで素子分離を行い、その後、保護膜としてSiNを成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。その後、フォトリソグラフィーとスパッタリングにより、複数のメサを直列接続した。その後、ポリイミド樹脂を保護膜として、素子表面を覆うように形成した。
上述した前工程プロセスにより作製したウエハをダイシングして個片化し、Auワイヤーをボンディングしリードフレームと結線して、エポキシ系モールド樹脂で受光面が露出するように封止した。このように作製した赤外線受光素子の分光感度スペクトルを測定した結果、図21の結果が得られた。図21に、実施例5に係る赤外線受光素子の分光スペクトルを示す。このセンサは、CO2の吸収帯域である4300nm付近の赤外線には感度を有するが、6000nmより長波長側の赤外線には、ほとんど感度を持たない。
光学フィルタの設計は、シミュレーションで実施した。シミュレーションの手法については、フレネル係数を利用した公知の計算手法を用いた。また、光学薄膜の材料としては、SiとSiO2を想定し、これらの複素屈折率の波長分散データについては、文献値を用いた。以下に、光学シミュレーションにより計算した簡素化フィルタの設計について述べる。
図12に、実施例5に係る光学フィルタ(簡素化フィルタ)の透過スペクトルを、比較例に係る光学フィルタ(従来構成のフィルタ)の透過スペクトルと比較して、示す。図13に、実施例5に係る簡素化フィルタの積層構造を示す。図12に示すように、簡素化フィルタは2000nm~2500nm付近、あるいは6000nm~8000nmに透過域をもつ。この領域の遮断機能を不要としたことで、光学薄膜の厚みは、従来フィルタの25000nmに対して9780nmにまで削減できている。図12で示す簡素化フィルタは、4180nm~4330nmの波長域において、平均透過率が76%となっている。また、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率は62%であり、その波長域での平均透過率は24%である。
次に、図22に、実施例5において赤外線受光素子と光学フィルタ(簡素化フィルタ)とを組み合わせて構成したCO2検出向けIR-センサの分光スペクトルを示す。この結果が示すように、どちらの光学フィルタを用いても、赤外線受光素子と組み合わせた際の出力は同等である。つまり、NDIR式ガスセンサ用のセンサ部品としての性能は一切低下させずに、光学フィルタの設計を大幅に簡素化できることを示せた。
なお、実施例2の赤外線発光素子と実施例1、3~5のいずれかの赤外線受光素子と簡素化フィルタとを組み合わせて光学デバイスを構成してもよい。
Claims (25)
- 基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である、NDIRガスセンサ。 - 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.05)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、
前記光学フィルタは、5600nm~6000nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上400nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがNH3である、請求項2に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.05)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、
前記光学フィルタは、5200nm~5500nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがNOである、請求項4に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.12)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、
前記光学フィルタは、4500nm~4800nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがCOである、請求項6に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.12)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦0.90)を含み、
前記光学フィルタは、4200nm~4350nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上150nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがCO2である、請求項8に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.04≦x≦0.14)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、3300nm~3600nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上300nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがCH2O、C3H8又はC2H5OHである、請求項10に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.04≦x≦0.14)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、3200nm~3400nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上200nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがCH4である、請求項12に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.08≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.80≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~2800nmの波長域の中に、平均透過率が70%以上95%以下となる波長域を幅50nm以上400nm以下で含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上である、
請求項1に記載のNDIRガスセンサ。 - 測定対象ガスがH2Oである、請求項14に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記多層膜の膜厚は、5000nm以上25000nm以下である、請求項1~15の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記多層膜において前記第1層と前記第2層とが交互に積層された回数は、10回以上60回以下である、請求項1~16の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記第1層は、SiO、SiO2、TiO2、ZnSからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1~17の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記第2層は、Si、Geからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1~18の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記赤外線受発光素子は、赤外線LED及び/又は赤外線フォトダイオードである、請求項1~19の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記赤外線受発光素子は、赤外線LED及び赤外線フォトダイオードである、請求項1~20の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 前記多層膜が前記基板の両面上に形成されている、請求項1~21の何れか一項に記載のNDIRガスセンサ。
- 基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、SiO、SiO2、TiO2、ZnSからなる群から選択される少なくとも一つを含む第1層と、Si、Geからなる群から選択される少なくとも一つを含む第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である、NDIRガスセンサ。 - 基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が1.2以上2.5以下である第1層と、2400nm~6000nmの波長域における屈折率が3.2以上4.2以下である第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である、光学デバイス。 - 基板と、当該基板の少なくとも一面上に形成された屈折率の異なる複数の層を有する多層膜と、を有する光学フィルタと、
第一導電型半導体層、活性層及び第二導電型半導体層を有する赤外線受発光素子と、
を備え、
前記多層膜は、SiO、SiO2、TiO2、ZnSからなる群から選択される少なくとも一つを含む第1層と、Si、Geからなる群から選択される少なくとも一つを含む第2層と、が交互に積層された構造を含み、
前記活性層は、AlxIn1-xSb(0.02≦x≦0.20)又はInAsySb1-y(0.75≦y≦1)を含み、
前記光学フィルタは、2400nm~6000nmの波長域の中に、50nm以上の幅で平均透過率が70%以上となる波長域を含み、6000nm~8000nmの波長域における最大透過率が5%以上であり、かつ、6000nm~8000nmの波長域における平均透過率が2%以上60%以下である、光学デバイス。
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