JP6252884B2 - 赤外線検出器の製造方法および波長スペクトル測定装置の製造方法 - Google Patents

赤外線検出器の製造方法および波長スペクトル測定装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アレイ状に形成され、それぞれ異なる波長の赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を有する赤外線検出器に関し、特に、赤外線検出画素として、半導体量子ドットを含む量子ドット型赤外線検出素子(Quantum Dot Infrared Photodetector、以下、「QDIP」とも称する)を光吸収層内に有する赤外線検出器に関する。
近年、室温付近から1000℃程度にわたる広範囲の熱検知や、二酸化炭素や大気汚染物質の濃度測定などを目的として、赤外線検出器に対する需要が高まっている。赤外線検出器の材料や構造には複数あり、その1つが光吸収層に半導体量子ドットを含む、QDIPである。
QDIPは、量子ドットの周囲が、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップをもつ半導体で3次元的に囲まれた構造を有する。また、量子ドットの領域に電子および正孔が強く閉じ込められている。その結果、量子ドット中に離散的なエネルギー準位が形成される。それらの準位のうち、伝導帯の複数の電子サブバンド準位を利用し、サブバンド間エネルギー差に相当する検出波長をもつ赤外線を検知することができる。
前述したように、QDIPは離散的なサブバンド間遷移を利用するため、赤外線検出帯域は原理的に狭帯域となる。また、電子および正孔が量子ドットに強く閉じ込められているため、暗電流を抑制でき、高いS/N(Signal/Noise)比が期待できる。
QDIPは、単体の素子としてではなく、複数の素子を1次元あるいは2次元的に配列させたアレイ検出器を構成して赤外線画像を取得する、さらに、アレイ検出器に分光器を組み合わせることによって赤外線スペクトルを取得する、といった利用法もある。
特に、後者の場合には、センサアレイの位置により検出する波長が変化している。分光器でカバーする全ての波長帯域に感度を持つ広帯域な赤外線センサをアレイ化する場合もあるが、分光器や光学系を含む分光装置等からの迷光を考慮すると、分光された波長のみを検出する、狭帯域動作のQDIPが望ましい場合もある。このとき、分光される光の波長に応じてセンサアレイの検出波長も変化しなければならない。
尚、本明細書において、検出波長等のパラメータが「変化している」とは、当該パラメータが「アレイ位置に応じて漸次異なっている」ことを意味するものとする。つまり、当該パラメータが「時間の経過に伴って変動する」という意味ではない。
このような検出波長が変化しているセンサアレイを実現する従来技術として、特許文献1の図6には、異なる高さを有する量子ドットを複数備えたセンサアレイが開示されている。特許文献1に開示された技術においては、量子ドットの高さが変化していることにより、電子または正孔のエネルギー準位が変化し、結果として検出波長が変化しているセンサアレイを実現している。
別の従来技術として、特許文献2には、量子ドットとそれを覆う中間層を熱アニールによってミキシングさせてエネルギー準位を変化させることにより、検出波長を変化させる手法が開示されている。特許文献2に開示された技術においては、熱アニールの温度を基板の位置によって変え、ミキシング度合いが異なることでエネルギー準位の変化量も異なり、その結果、センサアレイの位置により検出波長を変化させることができる。
特開2009−210474号公報 特開2012−109420号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、量子井戸構造を成膜した後のエッチングにより、量子ドット構造を形成している。このようにエッチング工程で形成される量子ドットは、エッチング断面が物理的あるいは化学的な損傷を受けており、それが暗電流の増加や検出感度の低下の原因となる。その結果、赤外線検出器としての性能が劣化するという問題がある。
一方、特許文献2に開示された技術では、熱アニールによって量子ドットと中間層をミキシングさせているが、これは検出波長の変化に伴って量子ドットの閉じ込めポテンシャルが浅くなり、暗電流の増大という副作用も生む。よって、暗電流の増大を最小限に留める観点から検出波長の変化量を大きくすることは難しい。
それ故、本発明の課題は、暗電流が小さく、S/N比に優れた赤外線検出器を提供することである。
本発明によれば、半導体基板と、前記半導体基板上にX軸およびY軸に沿ってアレイ状に形成され、前記半導体基板側から入射される赤外線をそれぞれ検出する複数の赤外線検出画素とを有し、前記複数の赤外線検出画素はそれぞれ、半導体から成る中間層と、アレイ状に配された複数の量子ドットを含み、前記中間層中に形成された少なくとも一層の量子ドット層と、半導体から成り、前記中間層中の前記量子ドット層上に形成されたキャップ層とから成る光吸収層を有すると共に、前記量子ドット層と前記キャップ層との量子閉じ込めによって形成される基底準位である第1の電子準位と励起準位である第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出する赤外線検出器であって、前記複数の赤外線検出画素は、前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方が、前記X軸および前記Y軸の少なくとも一方の軸方向に沿って漸次異なっていることにより、前記第1の電子準位と前記第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長が前記軸方向に沿って漸次異なっていることを特徴とする赤外線検出器が得られる。
前記複数の赤外線検出画素は、検出波長が前記軸方向に沿って線形に漸次異なるように、前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方が前記軸方向に沿って漸次異なっていてもよい。
前記複数の赤外線検出画素は、前記第1の電子準位のエネルギーと前記第2の電子準位のエネルギーとが、前記軸方向に沿って異符号で漸次異なっていてもよい。この場合、前記複数の赤外線検出画素は、前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方が前記軸方向に沿って漸次異なっていることに加え、前記量子ドット層に含まれる量子ドットの大きさが、前記軸方向に沿って漸次異なっていることにより、前記第1の電子準位のエネルギーと前記第2の電子準位のエネルギーとが、前記軸方向に沿って異符号で漸次異なっていてもよい。
前記中間層は、GaAsまたはAlGaAsから成り、前記量子ドット層は、InAsから成り、前記キャップ層は、InGaAsから成っていてもよい。
前記複数の赤外線検出画素は、前記キャップ層の厚さが5nmから10nmの間で、前記軸方向に沿って漸次異なっていてもよい。この場合、前記複数の赤外線検出画素は、InGaAsから成る前記キャップ層がIn組成が15%から20%の間で前記軸方向に沿って漸次異なっていてもよい。
また、本発明によれば、前記赤外線検出器と、入射する赤外線の波長に応じて分波する分光装置とを備え、前記複数の赤外線検出画素それぞれの検出波長と、前記分光装置によって分波されて各前記赤外線検出画素に入射される波長とが等しいことを特徴とする波長スペクトル測定装置が得られる。この場合、前記複数の赤外線検出画素は、前記分光装置の逆線分散に応じて、検出波長が前記軸方向に沿って漸次異なっていてもよい。
さらに、本発明によれば、前記赤外線検出器の製造方法であって、前記キャップ層の形成工程にて、前記量子ドット層の表面に対する前記キャップ層の原料の供給方向の相対角度を設定し、前記量子ドット層の表面に対する前記キャップ層の原料の供給レートを前記軸方向に沿って漸次異ならせることにより、各前記赤外線検出画素の前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方を前記軸方向に沿って漸次異ならせることを特徴とする赤外線検出器の製造方法が得られる。
本発明による赤外線検出器は、暗電流が小さく、S/N比に優れている。
本発明の実施例1による赤外線検出器の構造を示す断面図である。 本発明の実施例1による赤外線検出器の構造を示す上面および拡大断面図である。 本発明の実施例1による赤外線検出器の動作を説明する図である。 本発明の実施例1および2による赤外線検出器の波長応答スペクトルの測定例を示す図である。 本発明の実施例1〜3による赤外線検出器の製造方法を説明する図である。 本発明の実施例2による赤外線検出器の構造を示す上面および拡大断面図である。 本発明の実施例2による赤外線検出器の動作を説明する図である。 本発明の実施例3による赤外線検出器の構造を示す上面および拡大断面図である。 本発明の実施例3による赤外線検出器の動作を説明する図である。 本発明の実施例4による赤外線検出器を有する波長スペクトル測定装置の概略を示す図である。 本発明の実施例4に含まれる波長スペクトル測定装置の動作を説明する図である。 本発明の実施例4に含まれる分光装置の動作を説明する図である。
本発明による赤外線検出器は、半導体基板と、半導体基板上にX軸およびY軸に沿ってアレイ状に形成され、半導体基板側から入射される赤外線をそれぞれ検出する複数の赤外線検出画素とを有している。
複数の赤外線検出画素はそれぞれ、光吸収層を有している。光吸収層は、半導体から成る中間層と、アレイ状に配された複数の量子ドットを含み、中間層中に形成された少なくとも一層の量子ドット層と、半導体から成り、中間層中の量子ドット層上に形成されたキャップ層とを有している。
さらに複数の赤外線検出画素はそれぞれ、量子ドット層とキャップ層との量子閉じ込めによって形成される基底準位である第1の電子準位と励起準位である第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出する。
特に、本発明において、複数の赤外線検出画素は、キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方が、X軸およびY軸の少なくとも一方の軸方向に沿って漸次異なっている。これにより、第1の電子準位と第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長が軸方向に沿って漸次異なっている。
本発明において、キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方を軸方向に沿って漸次異ならせるために、エッチング工程や、熱アニール工程を経ることがない。したがって、本発明による赤外線検出器は、暗電流が小さく、S/N比に優れている。
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
[構成]
図1は、本発明の実施例1による赤外線検出器200の構造を説明する断面図である。
図1に示されるように、赤外線検出器200は、取得したい赤外線画像の1画素に相当する赤外線検出画素100が平面上に並んだ構造である(図1は断面であるため1次元にしか見えない点に注意)。赤外線検出器200は、半導体基板1、緩衝層2、下部コンタクト層3、光吸収層4、上部コンタクト層5、保護膜6、下部電極7、上部電極8などを備えている。
具体的には、半導体基板1の上に緩衝層2が形成されている。緩衝層2は、半導体基板1と同じ半導体材料から構成されている。また、緩衝層2の上に下部コンタクト層3が形成されている。下部コンタクト層3は、n型半導体を主材料として構成されている。尚、下部コンタクト層3は、半導体基板1上に、緩衝層2を介さず直接形成されていてもよい。また、下部コンタクト層3上に光吸収層4および下部電極7が形成されている。さらに、光吸収層4の上に上部コンタクト層5が形成されている。上部コンタクト層5は、n型半導体を主材料として構成されている。半導体基板1がn型である場合には、この上に直接、下部電極7が形成されても構わない。
光吸収層4と上部コンタクト層5は、エッチングプロセス等によりその一部が取り除かれており、光吸収層4の側壁部分と上部コンタクト層5の一部が保護膜6で覆われ、上部コンタクト層5の大部分が上部電極8で覆われている。この光吸収層4、上部コンタクト層5、保護膜6、上部電極8とで構成される赤外線検出画素100が平面に並んでいる。
上部電極8と下部電極7との間に適切な電圧を印加した条件下で、半導体基板1の下側から赤外線Xが入射されると、光吸収層4がその構造に応じた波長の赤外線を吸収し、その結果、上部電極8と下部電極7との間に光電流が流れる。図1には示されていないが、上部電極8上には導電性のバンプが形成され、その上に読み出し回路を貼り合わせることにより、多数の赤外線検出画素100からの光電流を一括して読み出すことができる。
入射赤外線Xの検出効率を高めるため、半導体基板1の下側に反射防止膜を形成する、あるいは半導体基板1での吸収を避けるため研磨によって薄膜化する、といった工夫をしてもよい。
光吸収層4は、量子ドット層42と、キャップ層43と、中間層41とを備えている。具体的には、下部コンタクト層3上に、中間層41、量子ドット層42、キャップ層43の順に、各層が繰り返し形成されている。このような積層を10回以上繰り返すことにより、光吸収層4における赤外線の吸収効率を大きくすることができる。尚、図1では略して3回の繰り返し積層が示されている。
尚、図1でキャップ層43は簡単のため平坦な構造として表現しているが、実際には量子ドット層42における量子ドットの凹凸形状の影響を受けて上面は凹凸形状をしている。この凹凸は、中間層41をキャップ層42上に40nm程度以上積層することにより、上面がほぼ平坦な形状にすることができる。
図2は、実施例1による赤外線検出器200の構造を示す上面および拡大断面図である。半導体基板1の上に赤外線検出画素100が平面上に並んでいると共に、下部電極7が形成されている。紙面の都合上、8×8個の検出画素しか示していないが、これに制限されずもっと多くても構わない。また、実際には円形状の基板のままではなく必要な部分のみを切り出して検出器として使われるが、半導体基板1上に形成されていることを分かり易くするために図2のように示している。
本実施例の特徴は、キャップ層43の厚さが少なくとも1つの軸(本例では、x軸)方向に沿って変化している(漸次異なっている)ことである。図2にはその変化の様子を分かり易く説明するため赤外線検出画素100A、100Bの拡大断面図も併せて示している。図2に示されるように、赤外線検出画素100Aのキャップ層43Aと、赤外線検出画素100Bのキャップ層43Bとの厚さを比較すると、後者が前者よりも厚い。その結果、赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Bで検出できる赤外線波長は異なる。これらの赤外線検出器画素の間にある画素が検出できる赤外線波長は、赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Bの中間の波長になる。
[動作]
次に、図3を利用して赤外線検出器200の動作を説明する。
図3は、実施例1による赤外線検出器200の動作を説明するものであり、図2に示す赤外線検出画素100Aおよび100Bの伝導帯の電子エネルギーバンド図が示されている。図3における左右方向が図1および図2の下上方向に相当、つまり図3を反時計回りに90度回転させると図1および2の方向と一致する。尚、厳密には量子ドットの電子エネルギーバンドは3次元構造であるが、近似として1次元で表している。
量子ドット層42とキャップ層43A、43Bから構成される量子閉じ込めにより、電子の基底準位EL1と励起準位EL2が形成される。EL1はキャップ層の底のエネルギーより低く、EL2はキャップ層43Aまたは43Bの底のエネルギーよりも高い。これら基底準位EL1と励起準位EL2のサブバンド間遷移エネルギー差(図中では矢印の長さ)に相当する検出波長の赤外線を吸収し検知することができる。
前述したごとく、赤外線検出画素100Aのキャップ層43Aと赤外線検出画素100Bのキャップ層43Bとを比較すると、後者の方が前者よりも厚い。これは、後者の方が電子の閉じ込めポテンシャルの幅が広くなることに相当する。その結果、赤外線検出画素100Aと比較して赤外線検出画素100Bの励起準位EL2のエネルギーが下がる。キャップ層43の厚さが量子ドットの基底準位EL1に与える影響が、EL2の変化に対して無視できる程度に小さいとすると、EL2とEL1のエネルギー差は、赤外線検出画素100Aと比較して100Bは小さくなる(後者の方が矢印が短くなる)。
波長λはエネルギー差ΔEとして、λ=h・c/ΔEと表される。ここでhはプランク定数、cは真空中での光速である。波長はエネルギー差の逆数であるから、赤外線検出画素100Aよりも100Bの方が検出波長は長波長化する。
赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Bの間に多数の検出画素があるが、検出波長は赤外線検出画素100Aから赤外線検出画素100Bまでほぼ線形に変化するように、キャップ層43の厚さが変化していていることが望ましい。これは、本発明による赤外線検出器は分光装置と組み合わせて利用される事が多く、分光装置は入射波長に応じておおむね線形に波長分波する機能をもつからである。
ここで注意すべき事は、図3に示したエネルギー差ではなく、この逆数である検出波長が、ほぼ線形に変化すべき量である。これに基づいてキャップ層43の厚さの変化量を設定する必要がある。
図4(A)および(B)は、試作したキャップ層43の厚さの異なる赤外線検出画素に対する、波長応答スペクトル測定結果の一例を示す。中間層41はGaAs(ヒ化ガリウム)、量子ドット層42はInAs(ヒ化インジウム)、キャップ層43はInGaAs(ヒ化インジウムガリウム)により、それぞれ構成されている。キャップ層43のInとGaの組成比は15:85である。また、量子ドット層42における量子ドットはxy平面内で20〜30nm程度、高さが4〜5nm程度である。
キャップ層43の厚さがそれぞれ(A)5nm、(B)10nmに対して、検出ピーク波長は(A)6.5μm、(B)8.5μmである。キャップ層43が厚い場合に検出波長が長波長化しており、上で定性的に説明したことを裏付けている。キャップ層43の厚さが5nm以上10nm以下の場合の検出波長は、その厚さに応じて6.5μmから8.5μmの中間の値をとることは、容易に推測できる。
このようにして、平面上に赤外線検出画素が並んだ赤外線検出器において、キャップ層の厚さが少なくとも1つの軸方向に沿って変化していることにより、この軸方向に検出波長が変化した赤外線検出器を提供できる。
[製造方法]
次に、本発明の実施例1による赤外線検出器200の製造方法を説明する。
[1:量子ドットを含む結晶成長プロセス]
図5は、本発明の実施例1による赤外線検出器の製造方法を説明する図であり、分子線エピタキシャル(MBE)装置の概略を示すものである。図5では、本発明に特徴的な製造方法を説明するために必要な部分のみを記している。
半導体基板1として、面方位が(001)面のGaAs基板を用意し、この基板をMBE装置の真空チャンバ300内の基板ホルダ301に装着する。基板ホルダ301は、ヒータを介して半導体基板1を高温にすることができると共に、原料供給源の位置に拠らず原料が基板上で均一な厚さになるように、半導体基板1を回転方向r301に回転させる回転機構が付与されている。第1の原料供給源302からはInが、第2の原料供給源303からはGaが、第3の原料供給源304からはAsが、それぞれ供給される。以下、特に記載の無い場合には基板回転を行う。
半導体基板1の自然酸化膜の除去処理を行った後、580℃程度に基板の温度を設定し、厚さ500nmで、緩衝層2を積層する。緩衝層2は、半導体基板1と同じGaAsから構成される。
次に、厚さ500nmで、n型の下部コンタクト層3を積層する。下部コンタクト層3は、Si原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成される。
次に、厚さ50nm程度で、i型の第1の中間層41を積層する。この中間層41はGaAsから構成される。
その後、基板温度を490℃程度まで低下させ、厚さが2〜3原子層程度となるように、InAsを供給する。
このとき、InAsとGaAsとの格子定数の違いから発生する歪みによって、InAsが島状に3次元的に成長する。この成長モードはSK(Stranski-Krastanov)モードと呼ばれ、この様式に従って量子ドットが形成される。その結果、量子ドットが高密度に平面状に並んだ量子ドット層42が形成される。量子ドットの典型的な直径は20〜30nm、高さ5nmであり、1平方センチメートルあたりの数密度は5×1010程度である。
量子ドット層42の形成時に、必要に応じてSi原子を量子ドットと同程度の数密度でドープする。これは、基底準位EL1に予め電子が1つドープされた状態にするためである。
次に、基板温度を再び上昇させ、基板回転を停止した後に、即ち、原料が基板上で不均一な厚さになる状態で、InGaAsからなるキャップ層43を形成する。InとGaの組成比は、例えば15:85である。図5において、第1の原料供給源302からInが供給される一方、第2の原料供給源303からGaが供給される。基板回転が停止し、かつ図5のように基板に対して右側から浅い角度で原料が供給される場合には、右側の供給レートが左側よりも大きくなる。InGaAs層の成膜レートはInとGaの供給レートで決まるため、右側の方が左側よりもキャップ層43が厚くなる。このようにして、図2に示すようなキャップ層43の厚さがx軸方向に沿って変化した構造ができる。
続いて、基板回転を開始し、GaAsから構成される中間層41を積層する。
上記の手順にしたがって、中間層41、量子ドット層42、キャップ層43の積層を10回以上繰り返す。これにより、光吸収層4を形成することができる。
最後に、厚さが200nmでn型の上部コンタクト層5を積層する。n型の上部コンタクト層5は、Si原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成される。
尚、InAsから構成される量子ドット層42は、InGaAsであってもよい。ただし、Inの組成比はキャップ層43のそれよりも大きくなければならない。また、中間層41はAlGaAsであってもよい。ただし、Al組成比が大きくなると結晶品質が低下するため、Al組成比は30%以下が望ましい。
上記製造方法において、量子ドット層42を含む光吸収層4やそれらの周辺構造をMBE法によって形成しているが、この方法に限定されるものではない。たとえば、これらの構造を、有機金属気相成長法(MOCVD法)等の他の結晶成長法を用いてもよい。
[2:検出器構造加工および電極プロセス]
続いて、紫外線リソグラフィー、ドライエッチングまたはウエットエッチング技術を利用して上部コンタクト層5、光吸収層4および下部コンタクト層3の一部をエッチングする。これにより、下部コンタクト層3の表面の一部が露出する。
このエッチングにより、分離された構造が赤外線検出画素100の1つになる。赤外線検出画素100の受光面の1辺の大きさは、用途によって異なるが、典型的には20μmから100μm程度である。
次いで、SiNx(窒化シリコン)から構成される保護膜6を化学気相成長(CVD)装置などを利用して成膜する。これにより、赤外線検出画素100の1つ1つの側壁に加え、上部コンタクト層5と下部コンタクト層3も保護膜6で覆われる。上部コンタクト層5と下部コンタクト層3へ電極を形成するため、まず保護膜6の一部をエッチングに取り除く。その後、AuGe/Ni/Auからなるアロイオーミック電極を形成し、上部電極7および下部電極6とする。上部電極7および下部電極6は、それぞれリフトオフ法によって形成する。リフトオフ法は、リソグラフィー、金属蒸着、レジスト剥離などの工程を含んでいる。
以上の工程により、実施例1による赤外線検出器200の基本構成が完成する。
図6は、本発明の実施例2による赤外線検出器201の構造を説明する上面および拡大断面図である。
図6に示されるように、実施例2の実施例1との違いは、キャップ層43の材料組成がx軸方向に変化している点である。即ち、キャップ層43Aとキャップ層43Cでは材料組成が異なる。それ以外は同じであるため、構成の詳細な説明は省略する。
次に、図7を利用して赤外線検出器201の動作を説明する。
図7は、実施例2による赤外線検出器201の動作を説明するものであり、図6に示す赤外線検出画素100Aおよび100Cの伝導帯の電子エネルギーバンド図が示されている。図7を反時計回りに90度回転させると図6の方向と一致する。
実施例1と同様に、量子ドット層42とキャップ層43Aまたは43Cから構成される量子閉じ込めにより、電子の基底準位EL1と励起準位EL2が形成される。
赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Cのキャップ層43Aとキャップ層43Cで厚さは同じであるが材料組成が異なる。これを図7では、キャップ層43Aよりもキャップ層43Cの伝導帯底のエネルギーが小さい、として表現している。つまり、後者の方が電子の閉じ込めポテンシャルが深いことに相当する。その結果、赤外線検出画素100Aと比較して100Cの励起準位EL2のエネルギーが下がる。キャップ層43の材料組成が量子ドットの基底準位EL1に与える影響が、EL2の変化に対して無視できる程度に小さいとすると、EL2とEL1のエネルギー差は赤外線検出画素100Aと比較して100Cは小さくなる。その結果、赤外線検出画素100Aよりも100Cの方が検出波長は長波長化する。
赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Cの間に多数の検出画素があるが、検出波長は赤外線検出画素100Aから赤外線検出画素100Cまでほぼ線形に変化するように、キャップ層43の材料組成が変化していることが望ましい。
図4(A)と(C)は、試作したキャップ層の厚さが異なる赤外線検出画素に対する、波長応答スペクトル測定結果の一例を示す。中間層41はGaAs、量子ドット層42はInAs、キャップ層43はInGaAsにより、それぞれ構成されている。量子ドット層42における量子ドットはxy平面内で20〜30nm程度、高さが4〜5nm程度であり、キャップ層43の高さは5nmである。
キャップ層のIn組成が(A)15%、(C)20%に対して、検出ピーク波長は(A)6.5μm、(C)7.5μmである。キャップ層のIn組成が大きい方場合に検出波長が長波長化しており、上で定性的に説明したことを裏付けている。キャップ層のIn組成が15%以上20%以下の場合の検出波長は、その厚さに応じて6.5μmから7.5μmの間の値をとることは、容易に想像できる。
次いで、製造方法については、実施例1とは異なるキャップ層43の積層方法のみを説明する。
図5において、第1の原料供給源302からはInが、第4の原料供給源305からはGaが、第3の原料供給源304からはAsがそれぞれ供給される。
基板回転を停止してキャップ層43を積層するが、InとGaは基板に対して浅い角度で供給されるため、Inは右側が左側よりも多く、Gaは左側が右側よりも多く供給されることになる。この結果、InGaAsから構成されるキャップ層43において、左側から右側にいくにしたがってIn組成比率が大きくなる。これが、図6および図7に示すキャップ層の材料組成がx軸方向に沿って変化した構造の作製方法である。
このようにして、平面上に赤外線検出画素が並んだ赤外線検出器において、キャップ層の材料組成が少なくとも1つの軸方向に沿って変化していることにより、この軸方向に検出波長が変化した赤外線検出器を提供できる。
尚、実施例1および2を組み合わせた構成も可能であることは、言うまでもない。
図8は、本発明の実施例3による赤外線検出器202の構造を説明する上面および拡大断面図である。
図8に示されるように、実施例3の実施例1および2との違いは、キャップ層43の厚さがx軸方向に沿って変化しているのに加えて、量子ドット層42における量子ドットの大きさも変化している。即ち、キャップ層43Aとキャップ層43Dでは厚さが異なり、また、量子ドット42Aと量子ドット42Dでは大きさが異なる。それ以外は既に説明した構造と同じであるため、構成の詳細な説明は省略する。
次に、図9を利用して赤外線検出器202の動作を説明する。
図9は、実施例3による赤外線検出器202の動作を説明するものであり、図8に示す赤外線検出画素100Aおよび100Dの伝導帯の電子エネルギーバンド図が示されている。図9を反時計回りに90度回転させると図8の方向と一致する。
実施例1および2と同様に、量子ドット層42A(または量子ドット層42D)とキャップ層43A(またはキャップ層43D)から構成される量子閉じ込めにより、電子の基底準位EL1と励起準位EL2が形成される。
まず、赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Dの量子ドット層42Aと42Dでは後者の方が量子ドットの大きさが小さい。これは、後者の方が電子の閉じ込めポテンシャルの幅が狭くなることに相当する。その結果、赤外線検出画素100Aと比較して100Dの基底準位EL1のエネルギーが上がる。
さらに、キャップ層43Aとキャップ層43Dを比較すると後者の方が前者よりも厚い。その結果、赤外線検出画素100Aと比較して100Dの励起準位EL2のエネルギーが下がることは、実施例1で説明した通りである。
したがって、EL2とEL1のエネルギー差は赤外線検出画素100Aと比較して100Dは小さくなる(後者の方が矢印が短くなる)。その結果、赤外線検出画素100Aよりも100Dの方が検出波長は長波長化する。
このとき、キャップ層43の厚さおよび量子ドット層42の大きさの変化により生じる、EL1とEL2の図8のx軸方向での変化が異符号であることにより、実施例1および2と比較して、実施例3がより広い範囲で赤外線検出波長を変化させることが可能となる。
赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Dの間に多数の検出画素があるが、検出波長は赤外線検出画素100Aから赤外線検出画素100Dまでほぼ線形に変化するように、キャップ層43の材料組成、および量子ドット層42における量子ドットの大きさが変化していることが望ましい。
次いで、製造方法については、量子ドット層42とキャップ層43の積層方法のみを説明する。
図5において、第1の原料供給源302からはInが、第2の原料供給源303からはGaが、第3の原料供給源304からはAsがそれぞれ供給される。
中間層41を積層後、基板回転を停止して基板温度を490℃程度に設定し、第1の原料供給源302からIn、第2の原料供給源303からAsを供給する。このとき、実施例2で説明したように、図5の右側が左側よりもInの供給レートが高くなるため、結果として右側が左側よりもInAs量子ドットの大きさが大きくなる。
その後、基板温度を上げると共に、基板ホルダ301を180度回転させる。これにより、図5では左右が入れ替わり、左側が右側よりもInAs量子ドットが大きくなる。
続いて、第1の原料供給源302からIn、第2の原料供給源303からGa、第3の原料供給源304からAsをそれぞれ供給すると、実施例1で説明した通り、右側の方が左側よりもキャップ層43が厚くなる。これが、図8および9に示す構造の作製方法である。
このようにして、平面上に赤外線検出画素が並んだ赤外線検出器において、キャップ層の材料組成と量子ドット層の量子ドットの大きさが少なくとも1つの軸方向に同時に変化していることにより、この軸方向に検出波長が変化した赤外線検出器を提供できる。このとき、前述の軸方向での励起準位EL2と基底準位EL1の変化が異符号であれば、実施例1および2よりも、より広い範囲で検出波長を変化させることができる。
図10は、本発明の実施例4による赤外線検出器を有する波長スペクトル測定装置の概略を示す図である。
実施例1で示した赤外線検出器200と分光装置400から構成される。分光装置400に大きい矢印で示される赤外線Xが入射すると、分光装置により入射波長に応じて分波される。図10ではその典型例として、x方向に赤外線XとXに分波されたものが示されている。XとXの波長は赤外線検出画素100Aと赤外線検出画素100Bの検出波長にそれぞれ一致するよう、分光装置は設計されている。
続いて図11は、波長スペクトル測定装置の動作を説明する図である。(a)はスペクトルを計測したい2次元領域500であり、そのうちx方向に一部のみが切り出された1次元領域501が集光レンズなどを介して分光装置400が入射される。(b)は赤外線検出器200の上面図を表しており、分光装置400により入射波長に応じてx方向へ分波される。
したがって、赤外線検出器200上の各赤外線検出画素100に射影されるのは、y方向には1次元領域501の空間分布がそのまま、x方向には波長成分が分解されたものある。1次元領域501を撮影したい2次元領域全体にわたりスキャンすることで、2次元領域のスペクトル計測が可能となる。このとき、赤外線検出器200はx方向にのみ検出波長が変化しており、y方向には検出波長は変化していない。
図12は、図10の分光装置400の動作を説明する図であり、分光装置の中に備えられている、入射波長ごとに光路を変える回折格子410の動作を説明する図である。回折格子には単位長さあたりN本の溝が刻まれている。入射赤外線412が回折格子の法線411に対して角度αで入射すると、法線に対して角度βの方向に回折される。αとβは図中法線の右側にある場合を正とする。赤外線の波長λに対して1次の回折だとすると、以下の数式1が満たされる。
Figure 0006252884
ここで、入射角αが一定だとして数式1の両辺をλで微分することで、以下の数式2が得られる。
Figure 0006252884
数式2は、単位波長あたり回折角βがどれだけ変化するかを表す式である。回折格子の逆線分散D=dλ/dx、つまり単位長さあたりの波長分解能は、分光装置の焦点距離fを用いてdx=f・dβと表されることと数式2を利用して、以下の数式3が得られる。
Figure 0006252884
例えば、回折格子の刻線数N=50(/mm)、f=130mmの分光装置を利用する。α=−7.1度の方向から波長が7.5μmの赤外線が入射すると、β=30度の方向に回折される。このとき、7.5μm付近での逆線分散D=0.133μm/mmである。よって、前述のβ=30度の位置にx方向に大きさ15mmの赤外線検出器があれば、7.5μmを中心として幅2μm、つまり6.5μmから8.5μmの範囲で波長分波される(計算式0.133×15=2.00μmより)。
x方向の大きさ15mmであるから、1画素の1辺の大きさが30μm(=0.03mm)の場合はx方向の画素数15/0.03=500とすればよい。
ここで逆線分散はx方向で一定でないことに注意しなければならない。上記の例では、波長6.5μmおよび8.5μmではそれぞれD=0.137、0.129μm/mmである。したがって、赤外線検出器200のx方向への波長変化はこの逆線分散Dに応じた値であることが最も好ましい。
上記のように逆線分散の変化に応じてx方向への波長変化していることが最も好ましいが、第1近似として線形に波長変化をしてもよい。その理由は以下の通りである。
逆線分散Dが波長7.5μmの時の値で一定であると仮定し、赤外線検出器のx方向への波長変化を線形にした場合を考える。この仮定により生じる実際のDとの誤差を、赤外線検出器のx方向の長さ15mmの半分である7.5mmで積分すると、x方向の両端(図中100Aと赤外線検出画素100B)でそれぞれ−0.02および+0.02μmとなる。これらの値は、赤外線検出器の両端の検出画素における、分光装置で分波される波長と検出画素の中心波長との誤差である。一方、量子ドットのサブバンド間遷移を利用する赤外線検出素子の波長幅は、図4(c)よりΔλ=0.5μm程度かそれ以上ある。Δλは前述の波長誤差±0.02μmより1桁大きく、この誤差を十分に吸収できると考えてよい。
分光装置は、理想的には入射赤外線を波長に応じての特定の方向にのみ回折するが、実際にはこの法則に従わない成分、即ち迷光成分が存在する。これは、装置内部での乱反射等、不完全性に基づくもので完全に除去することは不可能である。本実施例では各画素は回折波長に応じた赤外線しか検出しないため、ノイズ要因である回折波長から外れた迷光成分は検出しない。一方、従来例の多くで広い波長帯域をもつ赤外線検出器が利用され、回折波長から外れた迷光成分も検知する。
このようにして、赤外線検出画素が平面上に並び、その検出波長が1つの軸方向(x方向)に変化した赤外線検出器と、分光装置を組み合わせることにより、ノイズを低減した波長スペクトル測定装置を提供できる。
尚、本発明は上記実施例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
以上説明した実施例に限定されることなく、本発明は、特許請求の範囲に記載された技術範囲内であれば、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
1 半導体基板
2 緩衝層
3 下部コンタクト層
4 光吸収層
41 中間層
42、42A、42D 量子ドット層
43、43A、43B、43C、43D キャップ層
5 上部コンタクト層
6 保護膜
7 下部電極
8 上部電極
100、100A、100B、100C、100D 赤外線検出画素
200、201、202 赤外線検出器
300 真空チャンバ
301 基板ホルダ
302 第1の原料供給源
303 第2の原料供給源
304 第3の原料供給源
305 第4の原料供給源
400 分光装置
410 回折格子
411 法線
412 入射赤外線
413 回折赤外線
500 2次元領域
501 1次元領域

Claims (9)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上にX軸およびY軸に沿ってアレイ状に形成され、前記半導体基板側から入射される赤外線をそれぞれ検出する複数の赤外線検出画素とを有し、
    前記複数の赤外線検出画素はそれぞれ、
    半導体から成る中間層と、アレイ状に配された複数の量子ドットを含み、前記中間層中に形成された少なくとも一層の量子ドット層と、半導体から成り、前記中間層中の前記量子ドット層上に形成されたキャップ層とから成る光吸収層を有すると共に、
    前記量子ドット層と前記キャップ層との量子閉じ込めによって形成される基底準位である第1の電子準位と励起準位である第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出する赤外線検出器の製造方法であって、
    前記キャップ層の形成工程にて、前記量子ドット層の表面に対する前記キャップ層の原料の供給方向の相対角度を設定し、前記量子ドット層の表面に対する前記キャップ層の原料の供給レートを前記X軸および前記Y軸の少なくとも一方の軸方向に沿って漸次異ならせることにより、各前記赤外線検出画素の前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方を、前記軸方向に沿って漸次異ならせる結果として、前記第1の電子準位と前記第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長を前記軸方向に沿って漸次異ならせることを特徴とする赤外線検出器の製造方法
  2. 記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方を、前記軸方向に沿って漸次異ならせる請求項1に記載の赤外線検出器の製造方法
  3. 記第1の電子準位のエネルギーと前記第2の電子準位のエネルギーと、前記軸方向に沿って異符号で漸次異ならせることにより、当該赤外線検出画素が検出する前記第1の電子準位と前記第2の電子準位とのエネルギー差、前記軸方向に沿って漸次異ならせる請求項1または2に記載の赤外線検出器の製造方法
  4. 前記複数の赤外線検出画素は、前記キャップ層の厚さおよび材料組成の少なくとも一方を、前記軸方向に沿って漸次異ならせることに加え、前記量子ドット層に含まれる量子ドットの大きさ、前記軸方向に沿って漸次異ならせる結果として、前記第1の電子準位のエネルギーと前記第2の電子準位のエネルギーと、前記軸方向に沿って異符号で漸異ならせる請求項3に記載の赤外線検出器の製造方法
  5. 前記中間層は、GaAsまたはAlGaAsから成り、前記量子ドット層は、InAsから成り、前記キャップ層は、InGaAsから成る請求項1乃至4のいずれか一項に記載の赤外線検出器の製造方法
  6. 記キャップ層の厚さを、5nmから10nmの間で、前記軸方向に沿って漸次異ならせる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線検出器の製造方法
  7. nGaAsから成る前記キャップ層In組成を、15%から20%の間で前記軸方向に沿って漸次異ならせる請求項5に記載の赤外線検出器の製造方法
  8. 外線検出器と、入射する赤外線の波長に応じて分波する分光装置とを備え、
    前記複数の赤外線検出画素それぞれの検出波長と、前記分光装置によって分波されて各前記赤外線検出画素に入射される波長とが等しい波長スペクトル測定装置の製造方法において、
    前記赤外線検出器は、
    半導体基板と、前記半導体基板上にX軸およびY軸に沿ってアレイ状に形成され、前記半導体基板側から入射される赤外線をそれぞれ検出する複数の赤外線検出画素とを有し、
    前記複数の赤外線検出画素はそれぞれ、半導体から成る中間層と、アレイ状に配された複数の量子ドットを含み、前記中間層中に形成された少なくとも一層の量子ドット層と、半導体から成り、前記中間層中の前記量子ドット層上に形成されたキャップ層とから成る光吸収層を有すると共に、前記量子ドット層と前記キャップ層との量子閉じ込めによって形成される基底準位である第1の電子準位と励起準位である第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出するものであり、
    前記赤外線検出器を、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線検出器の製造方法によって製造することを特徴とする波長スペクトル測定装置の製造方法
  9. 前記複数の赤外線検出画素は、前記分光装置の逆線分散に応じて、検出波長が前記軸方向に沿って漸次異なっている請求項8に記載の波長スペクトル測定装置の製造方法
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