JP4549494B2 - 炎検出装置およびその検知感度設定方法 - Google Patents

炎検出装置およびその検知感度設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火炎を観測して得られる光エネルギーを検出することにより、炎の有無を判定する炎検出装置およびその検知感度設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火炎等の火災源を検出するために用いられる炎検出装置の概略構成としては、たとえば、図23に示すように、火炎等からの輻射エネルギー(特に、赤外線エネルギー)を検出する焦電型等の受光素子を備えた検知センサ110と、該受光素子により検出、出力される検出信号Spから、炎判定処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分Apのみを通過させる前置フィルタ120と、前置フィルタ120を通過した信号成分Apを所定の信号レベルに初段増幅するプリアンプ130と、プリアンプ130からの出力を、後述する信号処理に適した信号レベルに増幅するメインアンプ140と、メインアンプ140から出力される増幅出力(アナログ信号)Bpをデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器と記す)150と、A/D変換された増幅出力に基づいて、炎の判定処理を実行するマイクロプロセッサユニット(MPU)等で構成される炎判定処理部160と、を有して構成されている。
【0003】
ここで、検知センサ110の受光素子の前面(検知エリア側)には、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域の光を透過させる光学式の波長バンドパスフィルタ111が設けられている。
なお、光学式の波長バンドパスフィルタ111は、たとえば、検知センサ110とともにセンサモジュールとしてパッケージ化された構成を有している。
そして、光学式の波長バンドパスフィルタ111の役割としては、炎から発せられる輻射光には、可視光、紫外光、および赤外光といった様々な波長域の光が含まれているが、燃焼炎にはCO2の共鳴放射により4.4μm〜4.5μm付近に放射線相対強度のピークがあることが知られていることから、この4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域の光を良好に透過させるために検知センサの受光素子前面に光学式の波長バンドパスフィルタ111を設けることにより、燃焼炎特有の受光出力を捕らえるようにするものである。
【0004】
このような炎検出装置(以下、便宜的に「第1の従来技術」という)においては、検知センサ110により火炎FRが観測されると、火炎FRの輻射エネルギーに応じた検出信号Spが出力され、炎判定に用いられる周波数帯域の信号成分Apのみが抽出、増幅されて、炎判定処理部160に入力される。炎判定処理部160においては、増幅信号Bpのレベルまたは時間積分値が、所定の炎判定レベル以上に達した場合に炎有りと判定するようにしている。なお、MPU等の演算処理装置を使用することなく、簡易な比較器を用いて増幅信号レベルまたは積分信号レベルが炎判定レベル以上か否かを比較するものもある。
【0005】
また、上述したような炎検出装置の構成においては、炎と炎以外の赤外線放射線源、たとえば、太陽光、照明等との識別が困難な場合があることから、この識別性能を向上させるため、有炎燃焼時に発生するCO2の共鳴放射による4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域を含む複数波長帯域における放射線強度を検出して、それら複数波長帯域における検出値の相対比により炎と炎以外の赤外線放射線源との識別を行う2波長式、3波長式などの炎検出装置が知られている。
【0006】
以下、2波長検出方式の炎検出装置について、図24に示す概略構成図を参照して簡単に説明する。
図24に示すように、2波長式の炎検出装置(以下、便宜的に「第2の従来技術」という)は、上述した炎検出装置の構成(図23)と略同等の赤外線エネルギー検出系を二組備えている。波長バンドパスフィルタ111aは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域の光を透過させる光学式の波長バンドパスフィルタであり、一方、波長バンドパスフィルタ111bは、たとえば4.4μm〜4.5μm付近帯域の短波長側の3.8μm付近の波長帯域の光を透過させる光学式の波長バンドパスフィルタである。また、検知センサ110aおよび検知センサ110bは、波長バンドパスフィルタ111aおよび波長バンドパスフィルタ111bを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する。
【0007】
検知センサ110a、110b以降の前置フィルタ120a、120b、プリアンプ130a、130b、メインアンプ140a、140b、A/D変換器150a、150bは、上述した炎検出装置と略同等の構成および動作を有している。また、炎判定処理部160は、それぞれの検知センサ110a、110bから出力され、増幅された検出信号のレベルまたは時間積分値の相対比を算出し、所定のしきい値と比較することにより、炎と炎以外の赤外線放射体との識別性能を向上させている。
【0008】
さらに、燃焼炎から放射される赤外線エネルギーは低い周波数(一般に数Hz程度)の帯域を中心としたゆらぎ(ちらつき)信号成分を持つことが知られていることから、検知センサの所定時間の時系列検出信号出力の周波数解析等によって算出した周波数特性から、炎特有のゆらぎ信号の特徴を有しているか否かを判定するようにして、炎と炎以外の赤外線放射線源との識別性能を向上させるようにした炎検出装置(以下、便宜的に「第3の従来技術」という)も知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術においては、次に示すような問題点を有していた。
すなわち、検知センサの出力信号レベルは、検知センサと被検体(放射線源)との間の距離L、および、被検体からの赤外線エネルギーの検知センサへの入射角θ(θ=0゜は検知センサの受光面に垂直に入射した場合)によって大きく異なり、距離Lまたは入射角θが小さくなるほど出力信号レベルは増大する傾向を示す。
【0010】
(1)このため、距離Lまたは入射角θの少なくともいずれか一方が相対的に小さい地点においては、火炎よりも小さい規模の赤外線放射線源、たとえば、ライターの炎やランプ類等であっても、検知センサの出力レベルが大きくなるため、上述した第1および第2の従来技術(図23、図24)にあっては、炎判定のためのしきい値レベルを超えてしまう可能性がある。
【0011】
(2)また、距離Lまたは入射角θの少なくともいずれか一方が相対的に小さい地点においては、火炎による検知センサの出力レベルは大きくなるため、増幅部(上記プリアンプおよびメインアンプ)の最大出力レベルを超えて飽和することがあるが、出力レベルが飽和した場合、第2の従来技術にあっては、正確な相対比が得られず、誤った炎の判定を行う可能性があり、また、第3の従来技術にあっては、時系列の出力波形データが飽和により波形が歪んで正確に得られなくなるため、正確な周波数解析の結果が得られず、誤った炎の判定を行う可能性がある。
【0012】
ここで、図25に示すように、火炎FRからの赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する検知センサ110と、検知センサ110の出力をGa倍(但し、Ga>>1)して出力する増幅部AMP(上記プリアンプ130およびメインアンプ140に相当)とを備えた炎検出装置の概略的な構成図を用いて、上記問題点について具体的に説明する。なお、図25において、Apは増幅部AMPの入力信号、Bpは増幅部AMPの出力信号、Vccは増幅部AMPの高電位側の電源電圧である。
【0013】
まず、図25(a)に示すように、検知センサ110に対し、距離L(または入射角θの少なくともいずれか一方)が大きい検知エリア内の位置の火炎FRを検出する場合、増幅部AMPの増幅度Gaを充分に大きくすることにより、入力信号Apの信号レベルがGa倍され、図26(a)に示すように、基準レベルを中心にして所定の振幅の信号レベル(ゆらぎ信号成分)を有する出力信号Bpを得ることができ、図示を省略した炎判定処理部において、出力信号Bpの相対比算出による炎判定、または、出力信号Bpの時系列波形の周波数解析による炎のゆらぎ判定を正確に行うことができる。なお、当然のことながら、2波長式の炎検出装置の場合にあっては、2波長帯域それぞれの出力信号Bpを検出することが必要になる。
【0014】
しかしながら、図25(b)に示すように、検知センサ110に対し、距離L(または入射角θの少なくともいずれか一方)が小さい位置で上記図25(a)と同規模の火炎FRを検出した場合、入力信号Apは距離の逆2乗則等の影響により増大し、これに伴って出力信号Bpも増大することになるため、図26(b)に示すように、出力信号Bpは電源電圧Vcc、GNDを越えない信号レベル±Lv(増幅部AMPの最大/最小出力レベル;以下、飽和レベルと記す)で飽和することになる。なお、本説明では、増幅部AMPの電源が、単電源の場合について説明した。
【0015】
したがって、検知センサ110に対し、距離Lまたは入射角θの少なくともいずれか一方が大きい検知エリア内の位置の炎については、図26(a)に示すように、その信号成分を含む出力信号Bpが良好に得られるのに対して、検知センサ110に対し、距離Lまたは入射角θの少なくともいずれか一方が小さい位置の同規模の炎については、図26(b)に示すように、飽和レベル±Lvを超過する、信号成分の一部がカットされた出力信号Bp、すなわち、飽和により歪んだ信号波形しか得られず、その結果、炎検出装置に近い位置の炎の場合には、正確な相対比が得られないことになり、また、正確な周波数解析の結果が得られなくなるという不都合があった。
【0016】
一方、増幅部AMPの増幅度Gaを小さくして、出力信号Bpが飽和レベルを超過しないように設定すれば、出力信号Bpの歪みや変形を回避して、適切な信号波形が得られるため、炎検出装置に近い位置の炎においても正確な相対比が得られ、また、正確な周波数解析の結果が得られるが、増幅度Gaを小さくすることにより、検知感度の低下を招いて、検知エリアが縮小され、遠くの炎を検出できなくなるという不都合を生じることになる。
【0017】
(3)したがって、これら従来の炎検出装置にあっては、図27に示すように、炎検出装置に近いエリアを、無効検知エリア(炎と炎以外の放射線源との識別を保証できないエリア)Ainvとして設定せざるを得ず、全検知エリアから無効検知エリアAinvを除いた有効検知エリア(炎と炎以外の放射線源との識別を保証するエリア)Aeffが相対的に狭くなるという共通の問題点がある。従来は、監視対象範囲がこの無効検知エリアAinvと重ならないように設置する等の対策を施していた。しかし、監視対象範囲が広くかつ遠方まで及ぶ場合には、検知感度を高く設定等することにより検知エリアを広くしなければならないため、それに応じて無効検知エリアAinvが拡大してしまい、設置位置の設定方法のみによっては十分な対策が困難になっていた。
【0018】
(4)さらに、上述した従来の炎検出装置は、基本的に1つの検知感度により有効検知エリアを一定に設定して(固定して)、有効検知エリア内での炎を監視していたため、炎を判定した場合であっても有効検知エリア内のどの領域に炎が存在しているかについては、全く把握することができず、たとえば、放水装置との連動システムを構成した場合、放水装置に炎地点、すなわち、放水地点に関する情報を提供できず、有効検知エリア全体に万遍なく放水することを余儀なくされることになって、消火までに長時間を要するとともに、放水装置に付設する給水設備等の大規模化により設備のコストアップを招くという問題点もある。
【0019】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑み、第1の目的として、無効検知エリアを縮小して実質的な有効検知エリアを拡大することができ、また、第2の目的として、炎判定の精度を向上させることができ、さらに、第3の目的として、検知エリアで発生した火炎の位置を概略的に把握することができる炎検出装置およびその検知感度設定方法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る炎検出装置は、火炎を観測して得られる光電気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置において、検知感度を複数段階に切り換え制御する感度切換制御手段と、前記増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出する飽和検出手段とを備え、前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した場合に、検知感度を低感度側の最適な検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、少なくとも、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号が、所定のしきい値以上であることを検出した場合に炎有りと判定する炎の判定処理を行い、前記感度切換制御手段は、前記最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、切り換え設定した全ての検知感度において、前記飽和検出および前記炎の判定処理を行い、前記炎有りと判定した検知感度に対応した有効検知エリアから、炎有りと判定しなかった検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエリアに、火炎が位置していると判定する炎発生エリアの判定処理を行うことを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係る他の炎検出装置は、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第1の検知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を備えた第1の検知グループと、前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第2の検知センサと、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第2の検知グループと、前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて、炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置において、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度をそれぞれ複数段階に切り換え制御する感度切換制御手段と、前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出する飽和検出手段とを備え、前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して低感度側の最適な検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行うことを特徴としている。
【0022】
本発明に係る炎検出装置の検知感度設定方法は、火炎を観測して得られる光電気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置の検知感度設定方法において、前記増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、検知感度を低感度側に切り換え制御し、最適な検知感度に設定し、少なくとも、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号が、所定のしきい値以上であることを検出した場合に炎有りと判定する炎の判定処理を行い、前記最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え設定した状態において、前記飽和検出および前記炎の判定処理を行い、前記炎有りと判定した検知感度に対応した有効検知エリアから、炎有りと判定しなかった検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエリアに、火炎が位置していると判定する炎発生エリアの判定処理を行うことを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係る他の炎検出装置の検知感度設定方法は、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過した光電気信号に変換して出力する第1の検知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を備えた第1の検知グループと、前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光電気信号に変換して出力する第2の検知センサと、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第2の検知グループと、前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置の検知感度設定方法において、前記第1の増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して低感度側に切り換え制御し、最適な検知感度に設定することを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る炎検出装置の第1の実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図であり、図3は、本実施形態に係る炎検出装置に適用される増幅部の作用を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、大別して、所定の波長帯域を有する赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する受光素子10を備えたセンサ部(検知センサ)SENと、センサ部SENから出力される検出信号Spから、所定の周波数帯域の信号成分Apのみを通過させるフィルタ部FLTと、フィルタ部FLTを通過した信号成分Apを、可変設定される所定の増幅率で増幅する増幅部AMPと、増幅部AMPから出力される増幅出力信号(アナログ信号)Bpをデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器と記す)50と、A/D変換された増幅出力信号Bpに基づいて、炎の判定処理を実行する信号処理部(炎判定手段)PROと、を有して構成されている。
【0026】
以下、各構成について具体的に説明する。
(イ)センサ部SEN
センサ部SENは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される概ね4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の波長バンドパスフィルタ(光学波長フィルタ)11と、該光学波長フィルタ11を透過した光を受光して電気信号に変換して出力する焦電型の受光素子10を備えている。
【0027】
ここで、センサ部SENの具体的な構成例について説明すると、たとえば、図2に示すように、受光素子10が形成された基板12と、該基板12を基部14上に支持するための基板搭載部13と、基板搭載部13側の背面側から端子15が外部へ突出して延在する基部14と、受光素子10の前方に光学波長フィルタ11を備えたカバー部材16とにより、センサモジュールとしてパッケージ化された構成を有している。
【0028】
(ロ)フィルタ部FLT
フィルタ部FLTは、上記受光素子10から出力される検出信号から、炎判定処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分Apのみを通過させて、後段の増幅部AMPに伝達する前置フィルタ20を有して構成されている。
(ハ)増幅部AMP
増幅部AMPは、抵抗R1を介してフィルタ部FLTからの信号成分Apが一方の入力端子(−)に接続され、基準レベルが他方の入力端子(+)に接続されたアンプ40と、該アンプ40の入力端子(−)と出力端子間に接続された抵抗R2、R3および抵抗R2に並列接続されたコンデンサCと、抵抗R2、R3の接続接点と基準レベルとの間に、直接接続された抵抗R4、および、各々切換スイッチ(アナログスイッチ)SW1、SW2を介して接続された抵抗R5、R6とを備えている。
【0029】
すなわち、増幅部AMPは、図3(a)に示すように、アンプ40の入力端子(−)と出力端子間に抵抗RおよびコンデンサCが並列接続されたRCフィルタを備えた基本構成を有している。一般に、図3(a)に示すような増幅部の構成において、増幅率を可変調整する構成としては、図3(b)に示すように、抵抗Rに対して可変抵抗Rvを直列接続して、この可変抵抗Rvの抵抗値に応じて増幅率を調整する構成が知られている。
しかしながら、図3(b)に示すような増幅部の構成においては、可変抵抗Rvの抵抗値を変化させることにより増幅率を可変調整した場合、抵抗R、Rv、コンデンサCからなるフィルタの特性が一緒に変化してしまい、所望の出力信号特性を得られなくなるという問題を有している。
【0030】
そこで、本実施形態においては、図3(c)に示すように、アンプ40の入力端子(−)と出力端子間に固定抵抗R、Raを接続し、その接続接点Nと基準レベルとの間に、各々切換スイッチSWa、SWbを介して並列接続された低抵抗値を有する抵抗Rb、Rcとを備えた構成を有することにより、フィルタ特性を固定して安定した増幅動作を実現しつつ、切換スイッチSWa、SWbの選択的な導通/遮断制御により、増幅率を段階的に可変可能としている。
したがって、このような増幅部AMPの構成によれば、フィルタ部FLTを通過する信号成分Apを、段階的に可変設定される所定の増幅率で、後述する炎判定処理に適した信号レベルに増幅することができる。なお、本実施形態においては、切換スイッチSW1、SW2がともに導通状態(ON)にあるとき、最高増幅率(最高検知感度)となり、切換スイッチSW1、SW2がともに遮断状態(OFF)にあるとき、最低増幅率(最低検知感度)となる。
【0031】
(ニ)A/D変換器50
A/D変換部50は、増幅部AMPから出力された増幅出力信号Bpを、後段の信号処理部PROにおける各種信号処理に適したデジタル信号に変換する。なお、A/D変換部50は、後段の信号処理部PROがデジタル信号処理を行う場合にのみ必要であり、アナログ信号レベルを直接基準値と比較するような処理回路を有する場合には省略することができる。
【0032】
(ホ)信号処理部PRO
信号処理部PROは、A/D変換器50によりA/D変換された増幅出力信号Bpの信号レベル(増幅出力信号レベル)が飽和レベルに達しているか否か(飽和状態)を検出する飽和検出部(飽和検出手段)61と、飽和検出部61により増幅出力信号レベルの飽和を検出した場合に、制御信号CS1、CS2を出力して、上記切換スイッチSW1、SW2の導通/遮断状態を制御して、増幅部AMPの増幅率を段階的に切り換え、最適な検知感度を設定する感度切換制御部(感度切換制御手段)62と、感度切換制御部62により設定された検知感度(増幅率)における、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpに基づいて、火炎等の有無を検出する判定処理を実行する炎判定部(炎判定手段)63とを備えている。
【0033】
ここで、炎判定部63における炎検出の判定処理の具体的な手法としては、たとえば、増幅部AMPからの増幅出力信号レベルの積分値と、所定の炎判定レベル(しきい値)とを比較し、積分値が炎判定レベル以上であることを検出した場合に炎有りと判定する方法を適用することができる。また、他の判定処理方法としては、所定のしきい値以上を検出した場合に、増幅出力信号レベルの所定時間のサンプリングデータに基づいて周波数解析を行い、火炎特有のゆらぎ(ちらつき)周波数の特徴が得られる場合に炎有りと判定するものや、レベル比較との組合せ等、種々の手法を適用することができる。
【0034】
次いで、本実施形態に係る炎検出装置の検知感度設定方法について、図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る炎検出装置の検知感度設定方法の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、図1に示した炎検出装置の概略構成を適宜参照しながら説明する。
【0035】
まず、初期状態として、感度切換制御部62は、制御信号CS1、CS2を出力して、切換スイッチSW1、SW2をともに導通状態に切り換え制御し、増幅部AMPの増幅率を最大に設定する(S101)。すなわち、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定する。
そして、火炎FRが観測されると、受光素子10により火炎FRの輻射エネルギーに応じた検出信号Spが出力され、前置フィルタ20により特定の周波数帯域の信号成分Apのみが通過して増幅部AMPに出力される。増幅部AMPは、上記初期状態により設定される最高増幅率に基づいて、信号成分Apを増幅処理し、A/D変換器50を介してA/D変換された増幅出力信号Bpを信号処理部PROに出力する。
【0036】
次いで、信号処理部PROは、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S102)、所定時間のサンプリング値の積分値を算出し、飽和検出部61により増幅出力信号Bpが飽和状態にあるか否かが検出され(S103)、飽和状態にない場合には、炎判定部63により増幅出力信号Bpに基づいて炎の有無が判定される(S104)。
【0037】
具体的には、飽和検出部61により、たとえば、増幅出力信号Bpのサンプリング値の積分値が、飽和検出用のしきい値を所定回数超えた場合(連続して所定回数超えた場合、または、所定時間内に所定回数超えた場合)に飽和状態が検出される。そして、飽和状態が検出されない場合には、炎判定部63により、たとえば、増幅出力信号Bpの所定時間のサンプリング値の積分値が、炎判定レベルとなるしきい値を超えた場合に炎有りと判定される。炎有りと判定された場合には、図示を省略した伝送線等を介して監視制御盤等に火災発生信号が出力され、防災管理者等に火災発生情報が通知され(S105)、炎無しと判定された場合には、処理手順S101に戻って、火炎FRの観測を継続する。
【0038】
一方、飽和検出部61により、増幅出力信号Bpの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御部62により、炎検出装置の検知感度を低感度側の最適な検知感度に切り換え制御する。
具体的には、処理手順S103において、増幅出力信号Bpの飽和を検出した場合には、感度切換制御部62から制御信号CS1を出力して、切換スイッチSW1を遮断状態とし、実質的に抵抗R6を増幅部AMPから切り離すことにより、増幅部AMPの増幅率を段階的に低くして検知感度を1段階低下させる(S106)。
【0039】
次いで、1段階低下した検知感度で、再び火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S102〜S105)と同様に、信号処理部PROは、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S107)、飽和検出部61により増幅出力信号Bpが飽和状態にあるか否かが検出され(S108)、飽和状態にない場合には、炎判定部63により増幅出力信号Bpに基づいて炎の有無が判定される(S109)。そして、炎有りと判定された場合には、火災発生信号が出力され(S110)、炎無しと判定された場合には、処理手順S101に戻って、火炎FRの観測を継続する。
【0040】
一方、処理手順S108において、飽和検出部61により、増幅出力信号Bpの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御部62から制御信号CS2を出力して、切換スイッチSW2を遮断状態とし、実質的に抵抗R5、R6の双方を増幅部AMPから切り離すことにより、増幅部AMPの増幅率を段階的に低くして検知感度をさらに1段階低下させる(S111)。
【0041】
次いで、さらに1段階(すなわち、2段階)低下した検知感度で、再び火炎FRを観測し、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpに基づいて、上記一連の処理手順(S102〜S105、または、S107〜S110)と同様に、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込み(S112)、飽和状態を検出して(S113)、飽和状態にない場合には、炎の有無が判定される(S114)。
炎有りと判定された場合には、火災発生信号が出力され(S115)、炎無しと判定された場合には、処理手順S101に戻って、火炎FRの観測を継続する。
【0042】
一方、処理手順S113において、飽和検出部61により、増幅出力信号Bpの飽和状態が検出された場合には、一義的に炎有りと判定して、火災発生信号が出力される(S116、S117)。すなわち、炎検出装置の検知感度を最低感度に設定した場合であっても飽和状態が検出された場合には、無条件で火災発生信号を出力することにより、火災発生の僅かな可能性をも見逃さないようにするものである。
上述したような一連の処理手順によれば、増幅部AMPの増幅率を段階的に変化させることにより、信号処理部PROに入力される増幅出力信号Bpの飽和状態を回避する最適な検知感度を設定して、適切な信号レベルを有する増幅出力信号Bpに基づいて炎判定処理を実行することができるので、炎判定の精度を向上させることができる。
【0043】
なお、上述した実施形態においては、検知感度(すなわち、増幅部AMPの増幅率)を初期状態(最高感度)から段階的に低感度側に切り換える手法について説明したが、本発明は、この手法に限定されるものではない。
たとえば、検知感度(すなわち、増幅部AMPの増幅率)を初期状態(最高感度)に設定して読み込んだ増幅出力信号Bpが、飽和状態であることを検出した場合には、切換スイッチSW1、SW2の双方をOFF制御して、増幅部AMPの増幅率を最低の増幅率に切り換えることにより、検知感度を最低感度に設定し、最低感度側から段階的に高感度側に切り換える手法であってもよい。
【0044】
この場合、最低検知感度において読み込んだ増幅出力信号Bpの信号レベルが、所定のしきい値(たとえば、炎判定レベル)以下であるか否かが検出され、しきい値以下である場合には、切換スイッチSW2をON制御して増幅部AMPの増幅率を1段階高くして、検知感度を高感度側に1段階高くするように切り換え制御する。一方、増幅出力信号Bpの信号レベルが、所定のしきい値以上である場合には、炎有りと判定して、火災発生信号が出力される。
【0045】
このような処理手順によれば、大規模な火炎や拡大の早い火炎が発生した場合に、検知感度を高感度側から低感度側に段階的に切り換える手法に比して、迅速かつ正確に炎判定処理を実行することができる。
また、本実施形態におけるこのような最適感度設定方法によれば、飽和状態が検出されない検知感度のうち、一番高い検知感度を最適検知感度とするように切り換え設定して、炎判定を行うことができるので、信号対ノイズ比(S/N)を改善して、炎判定処理の精度を一層向上することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、1段階高い検知感度における増幅出力信号レベルが飽和状態を検出した場合であって、かつ、当該検知感度より1段階低い検知感度における増幅出力信号レベルの積分値が所定のしきい値(たとえば、炎判定レベル)以下である場合には、飽和状態を検出した上記1段階高い検知感度に切り換え、一義的に炎有りと判定して、火災発生信号を出力するようにしてもよい。
また、最低検知感度における増幅出力信号レベルにおいても飽和状態を検出した場合は、当該最低検知感度の設定状態を維持して、一義的に炎有りと判定して、火災発生信号を出力するようにしてもよい。
これにより、上記一連の処理手順において、炎有りと判断される可能性が僅かでもある場合には、最終的に無条件で火災発生信号を出力することができ、失報の発生を確実に防止することができる。
【0047】
次に、本発明に係る炎検出装置の検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法について、図面を参照して説明する。
上述した実施形態においては、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpの飽和状態に基づいて、増幅部AMPの増幅率(すなわち、検知感度)の切り換え制御、および、炎判定処理を実行する場合について説明したが、炎検出装置の検知感度は、炎の検知エリアと密接に関連していることから、上記と同様の処理手順を用いて、火炎の発生領域を概略的に把握することができる。すなわち、炎判定部63により炎有りと判定された場合、その時点で設定されている検知感度に対応した有効検知エリア内に火炎が位置していると判定される。
【0048】
(火災発生領域の判定方法の参考例
図5は、火災位置判定方法の参考例を示す検知エリアの概略図であり、図6は、参考例における検知感度と火災発生領域との関係を示すテーブルである。
図4に示したフローチャートの処理手順S101〜S104において設定された検知感度(最高感度)に対応する検知エリアは、図5(a)に示すように、炎検出装置100から最も遠方の領域までを監視対象とする有効検知エリアARaとなる。このとき、炎検出装置100近傍の無効検知エリアAXaは、比較的大きな領域にならざるを得ない。
したがって、図6に示すように、切換スイッチSW1、SW2がともにON制御された状態で、炎判定部63により炎有りと判定された場合には、有効検知エリアARa内で火炎faが発生していると判定する(関連付ける)ことができる。
【0049】
また、図4に示したフローチャートの処理手順S106〜S109において設定された検知感度に対応する検知エリアは、図5(b)に示すように、炎検出装置100から最遠の領域までの、略中程の領域を監視対象とする有効検知エリアARbとなる。このとき、炎検出装置100近傍の無効検知エリアAXbは、上記無効検知エリアAXaに比較して、縮小された領域に設定することができる。
したがって、図6に示すように、切換スイッチSW1がOFF制御され、切換スイッチSW2がON制御された状態で、炎判定部63により炎有りと判定された場合には、有効検知エリアARb内に火炎fbが発生していると判定することができる。
【0050】
さらに、図4に示したフローチャートの処理手順S111〜S114において設定された検知感度に対応する検知エリアは、図5(c)に示すように、炎検出装置100の極近傍の領域を監視対象とする有効検知エリアARcとなる。このとき、炎検出装置100近傍の無効検知エリアAXcは、上記無効検知エリアAXbに比較して、さらに縮小された領域に設定することができる。
したがって、図6に示すように、切換スイッチSW1、SW2がともにOFF制御された状態で、炎判定部63により炎有りと判定された場合には、有効検知エリアARc内に火炎fcが発生していると判定することができる。
【0051】
これにより、検知エリア内で発生した火炎の位置を、概略的に把握することができ、たとえば、放水装置に対して火炎発生地点に関する情報を提供することにより、消火時間の短縮および水損の影響を低減することができるとともに、給水設備等の規模を削減して設備コストを抑えることができる。
また、検知感度を順次変化させることにより、炎検出装置の近傍に設定される無効検知エリアを実質的に縮小することができ、有効検知エリアを相対的に拡大して広範囲の火炎監視機能を実現することができる。
【0052】
(火災発生領域の判定方法の具体例)
図7は、本実施形態に係る火災位置判定方法の具体例を示すフローチャートであり、図8は、本実施形態に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判定処理の一例を示す概略図であり、図9は、本実施形態に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判定処理の他の例を示す概略図である。ここでは、図1に示した炎検出装置の概略構成を適宜参照して説明する。
【0053】
具体例に係る処理手順は、図7に示すように、まず、初期状態として、感度切換制御部62により、増幅部AMPの切換スイッチSW1、SW2をON制御して、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定する(S301)。
そして、火炎FRを観測することにより受光素子10から検出信号Spが出力され、前置フィルタ20により特定の周波数帯域の信号成分Apのみが通過して増幅部AMPにより増幅処理される。
信号処理部PROは、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込み(S302)、炎判定部63により炎の有無を判定する(S303)。この判定結果は、設定されている検知感度(最高感度)に対応する有効検知エリア(図5(a)に示したARaに相当)と関連付けて、エリア情報としてメモリ等の記憶手段に格納する(S304)。
【0054】
次いで、感度切換制御部62により、増幅部AMPの切換スイッチSW1をOFF制御して、炎検出装置の検知感度を1段階低い検知感度側に切り換え制御する(S305)。
そして、1段階低下した検知感度で、再び火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S302〜S304)と同様に、信号処理部PROは、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S306)、炎の有無を判定し(S307)、その判定結果を、設定されている検知感度(最高感度より1段階低い検知感度)に対応する有効検知エリア(図5(b)に示したARbに相当)と関連付けて、エリア情報として取得する(S308)。
【0055】
さらに、感度切換制御部62により、増幅部AMPの切換スイッチSW2をOFF制御して、炎検出装置の検知感度をさらに1段階下げ、最低感度に切り換え制御する(S309)。
そして、最低感度で、再び火炎FRを観測し、上記一連の処理手順(S302〜S304、S306〜S308)と同様に、増幅部AMPからの増幅出力信号Bpを順次読み込んで(S310)、炎の有無を判定し(S311)、その判定結果を、設定されている検知感度(最低感度)に対応する有効検知エリア(図5(c)に示したARcに相当)と関連付けて、エリア情報として取得する(S312)。
【0056】
次いで、検知エリアと炎判定結果が関連付けられたエリア情報において、炎有りの判定結果に関連付けられたエリア情報の中から最低の検知感度に対応する有効検知エリアと、炎無しの判定結果に関連付けられたエリア情報の中から最高の検知感度に対応する有効検知エリアとを抽出する(S313、S314)。
そして、抽出された各有効検知エリア相互の差分となる領域を算出して(S315)、当該領域を炎発生エリアと判定し(S316)、火災発生信号に該炎発生エリアの情報を付加して出力する(S317)。
【0057】
具体的には、図8(a)に示すように、有効検知エリアARaに対応する検知感度(最高感度)のとき、炎有りの判定結果が得られ、かつ、図8(b)に示すように、有効検知エリアARbに対応する検知感度(最高感度よりも1段階低い検知感度)のとき、炎無しの判定結果が得られた場合には、図8(c)に示すように、炎有りと判定された検知感度に対応する有効検知エリアARaから、炎無しと判定された検知感度に対応する有効検知エリアARbを除去した領域ARAに、火炎FAが発生していると判定することができる。
【0058】
また、他の例としては、図9(a)に示すように、有効検知エリアARbに対応する検知感度(最高感度よりも1段階低い検知感度)のとき、炎有りの判定結果が得られ、かつ、図9(b)に示すように、有効検知エリアARcに対応する検知感度(最低感度)のとき、炎無しの判定結果が得られた場合には、図9(c)に示すように、炎有りと判定された検知感度に対応する有効検知エリアARbから、炎無しと判定された検知感度に対応する有効検知エリアARcを除去した領域ARBに、火炎FBが発生していると判定することができる。
なお、この具体例にあっては、基本的に炎検出装置の切り換え設定が可能な全ての検知感度において、炎判定処理とともに飽和状態検出処理が行われ、最適検知感度の決定後、最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え制御される。
【0059】
このように、最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に順次切り換え制御して、それぞれの検知感度における増幅出力信号に基づいて炎判定処理を行い、図8、図9に示したように、炎有りを判定した検知感度に対応する有効検知エリアから、炎有りを判定しなかった検知感度に対応する有効検知エリアを除去することにより、上述した参考例に比して、火炎の発生した位置を、さらに狭い領域内に特定することができ、放水装置による消火時間の短縮や水損の低減を一層促進することができる。
【0060】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の炎検出装置を2波長検出方式に適用したものである。
図10は、本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を示す概略構成図であり、図11は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図10に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、概略、第1の実施形態(図1参照)と略同等の構成を有する第1の検知グループKGAおよび第2の検知グループKGBと、各検知グループKGA、KGBから出力される出力信号(増幅出力信号)BA、BBに基づいて、炎判定処理を実行する信号処理部(炎判定手段)PROと、を備えている。
【0062】
第1の検知グループKGAは、たとえば、炎特有の波長帯域を有する赤外線エネルギーのみを抽出し、電気信号に変換して出力する第1の受光素子10Aを備えたセンサ部(第1の検知センサ)SENAと、センサ部SENAから出力される検出信号SAから、所定の周波数帯域の信号成分AAのみを通過させるフィルタ部FLTAと、フィルタ部FLTAを通過した信号成分AAを、可変設定される所定の増幅率で増幅する増幅部(第1増幅部)AMPAと、増幅部AMPAから出力される増幅出力信号(アナログ信号)BAをデジタル信号に変換するA/D変換器50Aと、を有して構成されている。
【0063】
また、第2の検知グループKGBは、第1の受光素子10Aとは異なる所定の波長帯域、たとえば、炎以外の放射線源から放出される赤外線エネルギーを抽出し、電気信号に変換して出力する受光素子10Bを備えたセンサ部(第2の検知センサ)SENBと、センサ部SENBから出力される検出信号SBから、所定の周波数帯域の信号成分ABのみを通過させるフィルタ部FLTBと、フィルタ部FLTBを通過した信号成分ABを、可変設定される所定の増幅率で増幅する増幅部(第2の増幅部)AMPBと、増幅部AMPBから出力される増幅出力信号(アナログ信号)BBをデジタル信号に変換するA/D変換器50Bと、を有して構成されている。
【0064】
以下、各構成について具体的に説明する。なお、フィルタ部FLTA、FLTB、増幅部AMPA、AMPB、および、A/D変換器50A、50Bは、上述した第1の実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
(イ)センサ部SENA、SENB
センサ部SENAは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される、概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の狭帯域バンドパスフィルタであって、たとえば、中心波長±200〜400nmの極めて狭い波長帯域の放射線を選択透過する光学波長フィルタ(第1の光学波長フィルタ)11Aと、該光学波長フィルタ11Aを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する焦電型の第1の受光素子10Aを備えている。
【0065】
また、センサ部SENBは、概ね5.0μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学波長フィルタ(第2の光学波長フィルタ)11Bと、該光学波長フィルタ11Bを透過した光を受光して電気信号に変換して出力する焦電型の第2の受光素子10Bを備えている。
【0066】
具体的には、図11に示すように、センサ部SENAは、第1の受光素子10Aが形成された基板12Aと、該基板12Aを基部14A上に支持するための基板搭載部13Aと、基板搭載部13A側の背面側から端子15Aが外部へ突出して延在する基部14Aと、受光素子10Aの前方に狭帯域バンドパスフィルタである光学波長フィルタ11Aを備えたカバー部材16Aとからなるパッケージ化された構成を有している。また、センサ部SENBは、第1の受光素子10Bが形成された基板12Bと、該基板12Bを基部14B上に支持するための基板搭載部13Bと、基板搭載部13B側の背面側から端子15Bが外部へ突出して延在する基部14Bと、受光素子10Bの前方に狭帯域バンドパスフィルタである光学波長フィルタ11Bを備えたカバー部材16Bとからなるパッケージ化された構成を有している。
【0067】
そして、これらのセンサ部SENA、SENBは、本体カバー17内に設けられた共通の取り付け部材19上に、互いに近接して所定の配列で配置され、これらのセンサ部SENA、SENBの前面には、たとえば、サファイアガラス等の赤外線透光性の部材により形成された共通の透光性窓18が設けられている。
なお、上述した光学波長フィルタ11A、11Bは、たとえば、シリコン、ゲルマニウム、サファイア等の基板上に、テルル化鉛PbTeと硫化亜鉛ZnSを蒸着積層することにより、上記所定のフィルタ特性を持たせることができる。
【0068】
また、光学波長フィルタ11Bのフィルタ特性の設定としては、光学波長フィルター11Aの中心透過波長帯域に隣接していれば、長波長側、たとえば、概ね5.0μm付近でも、短波長側、たとえば、概ね3.8μm付近でもよい。
また、各光学波長フィルタ11A、11B単体で所望のフィルタ特性が得られない場合には、たとえば、上記透光性窓18を構成するサファイアガラスが有するフィルタ特性、すなわち、概ね7.0μm付近以下の波長帯域の放射線を良好に透過するハイカット特性等を利用した複合フィルタとして用いることもできる。
【0069】
(ロ)信号処理部PRO
信号処理部PROは、第1の検知グループKGAからの出力信号(A/D変換器50Aから出力される増幅出力信号BA)の信号レベルが飽和レベルに達しているか否か(飽和状態)を検出する飽和検出部(飽和検出手段)61と、飽和検出部61により増幅出力信号レベルの飽和を検出した場合に、制御信号CS1、CS2を出力して、第1の検知グループKGAの切換スイッチSW1Aおよび第2の検知グループKGBの切換スイッチSW1B、あるいは、第1の検知グループKGAの切換スイッチSW2Aおよび第2の検知グループKGBの切換スイッチSW2Bの導通/遮断状態を連動して制御し、増幅部AMPA、AMPBの増幅率を段階的に切り換え、最適な検知感度を設定する感度切換制御部(感度切換制御手段)62と、感度切換制御部62により設定された検知感度(増幅率)における、第1の検知グループKGAおよび第2の検知グループKGB双方からの出力信号(増幅出力信号BA、BB)に基づいて、火炎等の有無を検出する判定処理を実行する炎判定部(炎判定手段)63とを備えている。
【0070】
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、上述した第1の実施形態(図4参照)と略同様に、第1の検知グループKGAを構成する増幅部AMPA、および、第2の検知グループKGBを構成する増幅部AMPBの増幅率を連動して段階的に可変制御することにより検知感度を3段階に切り換え、第1の検知グループからの出力信号が原則的には飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
すなわち、初期状態として、感度切換制御部62により制御信号CS1、CS2が出力され、増幅部AMPAの切換スイッチSW1A、SW2A、および、増幅部AMPBの切換スイッチSW1B、SW2Bを連動してともに導通状態に切り換え制御することにより、双方の増幅部AMPA、AMPBの増幅率を最大に設定して、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定する。
【0071】
そして、火炎FRを観測すると、飽和検出部61により第1の検知グループKGAの増幅部AMPAから出力される増幅出力信号BAを順次読み込んで、増幅出力信号BAの飽和状態が検出され、飽和状態にない場合には、炎判定部63により第1の検知グループKGAの増幅部AMPAからの増幅出力信号BA、および、第2の検知グループKGBの増幅部AMPBからの増幅出力信号BBに基づいて炎の有無が判定される。なお、炎判定部63による炎判定処理については後述する。
【0072】
一方、飽和検出部61により、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御部62から制御信号CS1が出力され、増幅部AMPAの切換スイッチSW1Aおよび増幅部AMPBの切換スイッチSW1Bが連動して遮断制御され、増幅部AMPA、AMPBの増幅率が連動して1段階低い検知感度に切り換え設定される。
そして、1段階低下した検知感度で、再び火炎FRを観測して、上記処理手順と同様に、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの飽和検出処理、増幅部AMPAおよび増幅部AMPBからの増幅出力信号BA、BBに基づく炎判定処理、および、増幅部AMPA、AMPBの増幅率の連動切換処理(感度切換処理)を実行する。
【0073】
このような一連の処理を繰り返すことにより、信号処理部PROに入力される出力信号の飽和状態が検出されない検知感度まで、増幅部AMPA、AMPBの増幅率が連動して低感度側に段階的に切り換え制御され、飽和状態が検出されない最も高い検知感度を最適な検知感度として設定することにより、適切な信号レベルを有する増幅出力信号BA、BBに基づいて炎判定処理を実行することができ、炎判定の精度を向上させることができる。
【0074】
ここで、本実施形態に適用される炎検出部における炎検出の判定処理の具体的な手法としては、上述した飽和検出処理および感度切換処理により設定された最適な検知感度状態において、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの積分値が、所定のしきい値(第1のしきい値)以上を検出した場合に、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの積分値と、増幅部AMPBからの増幅出力信号BBの積分値の相対比を算出し、算出した相対比が所定のしきい値(第2のしきい値)以上を検出した場合に炎有りと判定する手法を適用することができる。
【0075】
また、他の手法として、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの積分値が、所定のしきい値(第1のしきい値)以上を検出した場合に、増幅部AMPAからの増幅出力信号BAの積分値と、増幅部AMPBからの増幅出力信号BBの積分値の相対比を算出し、算出した相対比が所定のしきい値(第2のしきい値)以上を検出した場合には、増幅部AMPAの増幅出力信号BAの所定時間のサンプリングデータに基づいて周波数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出した場合に炎有りと判定する手法を適用することができる。
【0076】
このような炎検出装置によれば、第1の検知グループKGAにより炎特有の波長帯域の受光出力を良好に検出することができるとともに、第2の検知グループKGBにより人体や車両等の低温放射線源に基づく波長帯域の受光出力を良好に検出することができ、これらの出力信号に基づいて、炎と他の赤外線放射線源との識別を良好に行って、より炎判定処理の精度を向上することができる。
【0077】
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、第1の検知グループからの出力信号の飽和状態および所定のしきい値以上かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、その他の処理手順等についても、上述した第1の実施形態に示した手法を良好に適用することができる。
【0078】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12は、本発明に係る炎検出装置の第3の実施形態を示す概略構成図であり、図13は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図であり、図14は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部における受光素子の配置例を示す図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0079】
図12に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、大別して、赤外線エネルギーを電気信号に変換して受光信号を個別に出力する複数の受光素子10a〜10dを備えたセンサ部SENCと、センサ部SENCから出力される各検出信号Sa〜Sdから、所定の周波数帯域の信号成分Aa〜Adのみを通過させるフィルタ部FLTCと、信号成分Aa〜Adを加算し、信号増幅する加算増幅部AMPCと、加算増幅部AMPCから出力される増幅出力信号(アナログ信号)BCをデジタル信号に変換するA/D変換器50と、A/D変換された増幅出力信号BCに基づいて、炎の判定処理を実行する信号処理部PROと、を有して構成されている。
【0080】
以下、各構成について具体的に説明する。なお、A/D変換器50は、上述した第1の実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
(イ)センサ部SENC/フィルタ部FLTC
センサ部SENCは、略同一の検知エリアを有するように設定され、かつ、火炎FR等の熱源からの赤外線エネルギーを略同時に検出する複数の受光素子10a〜10dと、受光素子10a〜10dの前面に共通に設けられ、概ね4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の波長バンドパスフィルタ(光学波長フィルタ)11と、を有して構成され、フィルタ部FLTCは、該受光素子10a〜10dの各々から個別に出力される検出信号Sa〜Sdから、炎判定処理に用いられる特定の周波数帯域の信号成分Aa〜Adのみを通過させる前置フィルタ20a〜20dを有して構成されている。
【0081】
ここで、センサ部SENCの具体的な構成例について説明すると、たとえば、図13に示すように、複数の受光素子10a〜10dが密接して形成された基板12と、該基板12を基部14上に支持するための基板搭載部13と、基板搭載部13側の背面側から端子15が外部へ突出して延在する基部14と、受光素子10の前方に光学波長フィルタ11を備えたカバー部材16とにより、センサモジュールとしてパッケージ化された構成を有している。
【0082】
そして、このようなセンサ部SENCに適用される受光素子10a〜10dの配置例としては、たとえば、図14(a)〜(c)に示すように、単一の基板12上に、同一の素子寸法(サイズ)、すなわち、同一の検知感度を有する受光素子10a〜10dを複数個(本実施形態においては、4個)、マトリクス状(図14(a))や直線状(図14(b))、あるいは、千鳥状(図14(c))等の任意の配列でアレイ状に形成したものを適用することができる。ここで、アレイ状とは、同一の基板上に同一の製造プロセスにより、同一の感度特性を有するように形成された受光素子群であることを意味している。
【0083】
なお、図12、図14においては、説明の都合上、4個の受光素子10a〜10dを備えたセンサ部SENCの構成について示したが、受光素子の設置数や配置方法、素子寸法等については、何ら限定されるものではない。また、一般に、検知出力レベルは、受光素子の面積に略比例するので、各受光素子の素子寸法、素子合計寸法が大きくなるほど大きな検知出力レベルを得ることができる。
【0084】
上述したように、受光素子10a〜10dをアレイ状に形成し、パッケージ化することにより、センサ部SENの構成を小型化することができるとともに、各受光素子の検知感度特性を略均一化して、各検出信号Sa〜Sdを略同等(Sa≒Sb≒Sc≒Sd)にすることができ、後述する信号成分の加算増幅において、本来の炎検出成分のみを良好に顕在化させることができる。なお、加算増幅の作用については後述する。
【0085】
(ロ)加算増幅部AMPC
加算増幅部AMPCは、前置フィルタ20a〜20dを通過する信号成分Aa〜Adを初段増幅して出力線La〜Ldに出力するプリアンプ30a〜30dと、信号処理部PROからの制御信号CS3、CS4に基づいて、出力線La〜Ld相互の接続状態、すなわち、プリアンプ30b〜30dの出力の接点NAに対する接続状態を制御する切換スイッチSW3、SW4と、プリアンプ30a〜30dの出力線La〜Ldを結合接続(出力信号を加算)して得られる出力信号を、後述する信号処理部PROにおける信号処理に適した信号レベルに増幅するメインアンプ40Cと、を有して構成されている。
【0086】
すなわち、プリアンプ30aの出力線Laは、接点NAを介して、常時メインアンプ40Cに接続され、プリアンプ30bの出力線Lbは、切換スイッチSW3を介して接点NAに接続され、プリアンプ30c、30dの加算出力線Lc、Ldは、切換スイッチSW4を介して接点NAに接続されている。
【0087】
したがって、プリアンプ30a〜30dからの各増幅出力は、切換スイッチSW3、SW4の導通/遮断状態に応じて、接点NAにおいて加算合成され、後段のメインアンプ40に入力される。ここで、プリアンプ30a〜30dから出力線La〜Ldを介して出力される各増幅出力は、略同一の条件下で(略同一の検知エリアを略同時に監視して)得られた検出信号Sa〜Sdに基づく信号であるので、これらの出力線La〜Ldを接点NAにおいて結合接続することにより、出力線の接続本数に応じて各増幅出力が積算されて、S/Nが改善された出力を得ることができる。なお、切換スイッチSW3、SW4の切り換え制御と加算増幅部AMPCにおける増幅率との関係については後述する。
【0088】
(ハ)信号処理部PRO
信号処理部PROは、加算増幅部AMPCからA/D変換器50Cを介して出力される増幅出力信号BCの信号レベルが飽和レベルに達しているか否か(飽和状態)を検出する飽和検出部61と、飽和検出部61により増幅出力信号レベルの飽和を検出した場合に、制御信号CS3、CS4を出力して、加算増幅部AMPCの切換スイッチSW3、SW4の導通/遮断状態を制御し、加算増幅率(出力線La〜Ldの出力数)を段階的に切り換え、最適な検知感度を設定する感度切換制御部62と、感度切換制御部62により設定された検知感度(加算増幅率)における増幅出力信号BCに基づいて、火炎等の有無を検出する判定処理を実行する炎判定部63とを備えている。
【0089】
ここで、炎検出判定の具体的な手法としては、たとえば、加算増幅出力の積分レベルと所定の炎判定レベルとを比較する方法を適用することができる。また、他の炎判定方法としては、炎特有のゆらぎ周波数の特徴が得られるか否かを判定するものや、レベル比較との組合せ等、種々の手法を適用することができる。
【0090】
次いで、本実施形態に係る炎検出装置の検知感度設定方法について、図面を参照して説明する。
図15は、本実施形態に係る炎検出装置に適用される増幅部における出力線相互の接続状態とその作用を説明するための概念図である。
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、上述した第1の実施形態(図4参照)と同様に、加算増幅部AMPCの加算増幅率(出力線La〜Ldの出力数)を段階的に可変制御することにより検知感度を3段階に切り換え、加算増幅部AMPCからの増幅出力信号BCが飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
【0091】
すなわち、初期状態として、図15(a)に示すように、感度切換制御部62により制御信号CS3、CS4が出力され、加算増幅部AMPCの切換スイッチSW3、SW4をともに導通状態に切り換え制御することにより、接点NAに対して全てのプリアンプ30a〜30dの出力線La〜Ldが接続され、加算増幅部AMPCの増幅率を最大に設定して、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定する。
そして、火炎FRを観測すると、加算増幅部AMPCから出力される増幅出力信号BCを順次読み込んで、飽和検出部61により増幅出力信号BCの飽和状態が検出され、飽和状態にない場合には、炎判定部63において加算増幅部AMPCからの増幅出力信号BCに基づいて炎の有無が判定される。
【0092】
一方、飽和検出部61により、加算増幅部AMPCからの増幅出力信号BCの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御部62から制御信号CS4が出力され、図15(b)に示すように、加算増幅部AMPCの切換スイッチSW4が遮断制御されることにより、接点NAに対してプリアンプ30c、30dの出力線Lc、Ldが切り離されて、加算増幅部AMPCの加算効果を考慮した増幅率が初期状態の半分となる(1段階低い)検知感度に切り換え設定される。
【0093】
そして、1段階低下した検知感度で、再び火炎FRを観測して、上記処理手順と同様に、増幅部AMPCからの増幅出力信号BCの飽和検出処理、加算増幅部AMPCからの増幅出力信号BCに基づく炎判定処理、および、加算増幅部AMPCの増幅率切換処理(感度切換処理)が実行され、飽和検出部61により、加算増幅部AMPCからの増幅出力信号BCの飽和状態が検出された場合には、感度切換制御部62から制御信号CS3、CS4が出力され、図15(c)に示すように、加算増幅部AMPCの切換スイッチSW3、SW4が遮断制御されることにより、接点NAに対してプリアンプ30b、30c、30dの出力線Lb、Lc、Ldが切り離されて、増幅部AMPCの増幅率がさらに1段階低い検知感度に切り換え設定される。
【0094】
このような一連の処理を繰り返すことにより、信号処理部PROに入力される出力信号BCの飽和状態が検出されない検知感度まで、切換スイッチSW3、SW4が順次遮断制御されて、加算増幅部AMPCの増幅率が低感度側に段階的に切り換え制御され、飽和状態が検出されない最も高い検知感度を最適な検知感度として設定することにより、適切な信号レベルを有する増幅出力信号に基づいて炎判定処理を実行することができ、炎判定の精度を向上させることができる。
【0095】
また、複数の受光素子10a〜10dからの検出信号を加算増幅する加算増幅部AMPCを適用することにより、従来と同等の信号増幅率を実現するためにメインアンプ40Cに必要とされる増幅率を大幅に低減することができるとともに、本来の炎検出成分のみを良好に増幅させて顕在化させることができ、信号処理部PROに入力される増幅出力信号のS/Nを大幅に改善して、より正確な炎判定処理を行うことができる。
【0096】
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、最低検知感度での出力信号の飽和状態を監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
【0097】
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、その他の処理手順等についても、上述した第1の実施形態に示した手法を良好に適用することができる。
さらに、本実施形態においては、センサ部SENCの構成として、同一の特性を有する複数の受光素子10a〜10dを同一の基板上に近接して配置され、一体的にパッケージ化されたものを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
以下に、本発明に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の他の構成例について説明する。
図16は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の他の構成例を示す図であり、図17は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部における受光素子の他の配置例を示す図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0099】
センサ部SENCの他の構成としては、図16に示すように、たとえば、図2に示したような基板12上に所定の素子寸法を有する単一の受光素子10のみを形成してパッケージ化した同一種類のセンサモジュールSENmを複数個用意し、これらを互いに近接して取り付け部材19A上に所定の配列で配置した構成を適用することもできる。
【0100】
このように、個別独立してパッケージ化された同一種類のセンサモジュールSENmを複数個近接して配置することにより、上述したアレイ状の受光素子10a〜10dに比較して、センサ部SENCの構成が大型化する等の問題が生じるものの、その一方で比較的安価な汎用のセンサモジュールを適用することができるので、センサ部SENCを安価かつ簡易に構成することができる。なお、このような構成によっても上述した構成と同様に、各受光素子10の検知感度特性を略均一化して、各検出信号を略同等にすることができる。
【0101】
また、受光素子の他の配置例としては、たとえば、図17(a)、(b)に示すように、受光素子10a、10bの素子面積を基準として、同一の基板12上に素子面積が2倍となる受光素子10i、4倍となる受光素子10j、10kを形成する。
【0102】
このような構成を有するセンサ部SENCによれば、受光素子10iの検知感度は受光素子10a、10bの2倍に、また、受光素子10j、10kの検知感度は4倍に設定されるので、検出信号レベルを異ならせた各受光素子10a、10b、10i〜10kから出力される検出信号を加算合成するように構成することができ、センサ部SENCおよび加算増幅部AMPCにおける出力線数を削減することが可能となる。また、任意の素子寸法で受光素子を形成することにより、加算合成(増幅率、すなわち、検知感度)の設定に一層多様性を持たせることができる。
【0103】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
第4の実施形態は、上述した第3の実施形態の炎検出装置を2波長検出方式に適用したものである。
図18は、本発明に係る炎検出装置の第4の実施形態を示す概略構成図であり、図19は、本実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0104】
図18に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略同等の構成を有する第1の検知グループKGDおよび第2の検知グループKGEと、各検知グループKGD、KGEから出力される出力信号(増幅出力信号BD、BE)に基づいて、炎判定処理を実行する信号処理部PROと、を備えている。
【0105】
第1の検知グループKGDは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子10a〜10dを備えたセンサ部SENDと、センサ部SENDから個別に出力される検出信号Sa〜Sdから、所定の周波数帯域の信号成分Aa〜Adを通過させるフィルタ部FLTDと、フィルタ部FLTDを通過した信号成分Aa〜Adを、可変設定される所定の増幅率で加算増幅する増幅部AMPDと、増幅部AMPDから出力される増幅出力信号(アナログ信号)BDをデジタル信号に変換するA/D変換器50Dと、を有して構成されている。
【0106】
第2の検知グループKGEは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子10a〜10dを備えたセンサ部SENEと、センサ部SENEから個別に出力される検出信号Sa〜Sdから、所定の周波数帯域の信号成分Aa〜Adを通過させるフィルタ部FLTEと、フィルタ部FLTEを通過した信号成分Aa〜Adを、可変設定される所定の増幅率で加算増幅する増幅部AMPEと、増幅部AMPFから出力される増幅出力信号(アナログ信号)BEをデジタル信号に変換するA/D変換器50Eと、を有して構成されている。
【0107】
以下、各構成について具体的に説明する。なお、フィルタ部FLTD、FLTE、増幅部AMPD、AMPE、および、A/D変換器50D、50Eは、上述した第3の実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
(イ)センサ部SEND、SENE
センサ部SENDは、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される、概ね4.4〜4.5μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学式の狭帯域バンドパスフィルタであって、たとえば、中心波長±200〜400nmの極めて狭い波長帯域の放射線を選択透過する光学波長フィルタ(第1の光学波長フィルタ)11Dと、該光学波長フィルタ11Dを透過した光を略同時に受光して電気信号に変換して個別に出力する複数の第1の受光素子10a〜10dを備えている。すなわち、センサ部SEND(第1の検知グループKGD)は、炎特有の波長帯域を有する赤外線エネルギーのみを抽出して、検出するように構成されている。
【0108】
また、センサ部SENEは、概ね5.0μm付近の波長帯域を中心波長とする狭帯域の放射線のみを高い透過率で透過する光学波長フィルタ11E(第2の光学波長フィルタ)と、該光学波長フィルタ11Eを透過した光を略同時に受光して電気信号に変換して個別に出力する複数の第2の受光素子10a〜10dを備えている。すなわち、センサ部SENE(第2の検知グループKGE)は、センサ部SENDとは異なる所定の波長帯域、たとえば、炎以外の放射線源から放出される赤外線エネルギーを抽出して、検出するように構成されている。
【0109】
ここで、センサ部SEND、SENEの具体的な構成例は、図19に示すように、図13に示したセンサ部SENCと同様に、各センサ部SEND、SENEを構成する複数の受光素子10a〜10dが、基板12D、12E上に各々密接して形成され、センサモジュールとしてパッケージ化された構成を有し、さらに、図11に示したセンサ部SENA、SENBと同様に、センサ部SEND、SENEが、前方に共通の透光性窓18が設けられた本体カバー17内の取り付け部材19上に、互いに近接して配置された構成を有している。
なお、光学波長フィルタ11D、11Eは、上述した第2の実施形態に示したものと同様に、所定のフィルタ特性を持たせることができる。
【0110】
(ロ)信号処理部PRO
信号処理部PROは、第1の検知グループKGDからの出力信号(A/D変換器50Dから出力される増幅出力信号BD)の飽和状態を検出する飽和検出部61と、飽和検出部61により増幅出力信号レベルの飽和状態を検出した場合に、制御信号CS3、CS4を出力して、第1の検知グループKGDの切換スイッチSW3Dおよび第2の検知グループKGEの切換スイッチSW3E、あるいは、第1の検知グループKGDの切換スイッチSW4Dおよび第2の検知グループKGEの切換スイッチSW4Eの導通/遮断状態を連動して制御し、増幅部AMPD、AMPEの加算増幅率を段階的に切り換え、最適な検知感度を設定する感度切換制御部62と、感度切換制御部62により設定された検知感度(加算増幅率)における、第1の検知グループKGDおよび第2の検知グループKGE双方からの出力信号に基づいて、火炎等の有無を検出する判定処理を実行する炎判定部63とを備えている。
【0111】
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、上述した第2の実施形態と同様に、第1の検知グループKGDを構成する増幅部AMPD、および、第2の検知グループKGEを構成する増幅部AMPBの加算効果を考慮した増幅率を連動して段階的に可変制御することにより検知感度を3段階に切り換え、第1の検知グループからの出力信号が原則的には飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
【0112】
すなわち、初期状態として、増幅部AMPDおよび増幅部AMPEの増幅率を最大として、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定し、火炎FRを観測した場合における第1の検知グループKGDからの出力信号の飽和状態に応じて、増幅部AMPDの切換スイッチSW3D、SW4D、および、増幅部AMPEの切換スイッチSW3E、SW4Eを連動して、順次低感度側に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことにより、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づいて、炎の有無を判定する。なお、具体的な処理手順は、上述した第2の実施形態と同等であるので、詳細な説明を省略する。
【0113】
このような炎検出装置によれば、適切な信号レベルを有する出力信号に基づいて炎判定処理を実行することができ、炎判定の精度を向上させることができる。
特に、第1の検知グループKGDにより炎特有の波長帯域の受光出力を良好に検出することができるとともに、第2の検知グループKGEにより人体や車両等の低温放射線源に基づく波長帯域の受光出力を良好に検出することができるので、これらの出力信号に基づいて、炎と他の赤外線放射線源との識別を良好に行って、より炎判定処理の精度を向上することができる。
【0114】
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、第1の検知グループからの出力信号の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、その他の処理手順等についても、上述した各実施形態に示した手法を良好に適用することができる。
【0115】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
図20は、本発明に係る炎検出装置の第5の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0116】
図20に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略同等の構成を有するセンサ部SENF、フィルタ部FLTF、加算増幅部AMPF1と、第1の実施形態(図1参照)と略同等の構成を有する増幅部AMPF2と、A/D変換器50と、信号処理部PROと、を有して構成されている。
【0117】
ここで、加算増幅部AMPF1は、接点NBに対するプリアンプ30a〜30dの出力線La〜Ldの接続状態を制御する切換スイッチSW1F、SW2Fを備え、また、増幅部AMPF2は、メインアンプ40に付加される抵抗R5の接続状態を制御する切換スイッチSW3Fを備えている。各切換スイッチSW1F、SW2F、SW3Fは、信号処理部PROの感度切換制御部62から出力される制御信号CS5、CS6、CS7に基づいて、導通/遮断状態が切り換え制御される。なお、他の構成については、上述した各実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0118】
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、加算増幅部AMPF1の加算効果を考慮した増幅率、および、増幅部AMPF2の増幅率を段階的に可変制御することにより検知感度を複数段階に切り換え、A/D変換された増幅出力信号BFが飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
【0119】
すなわち、初期状態として、加算増幅部AMPF1の切換スイッチSW1F、SW2Fおよび増幅部AMPF2の切換スイッチSW3Fを全て導通状態として、各々の増幅部の増幅率を最大として、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定し、火炎FRを観測した場合における増幅出力信号BFの飽和状態に応じて、加算増幅部AMPF1の切換スイッチSW1F、SW2Fまたは増幅部AMPF2の切換スイッチSW3Fを制御信号CS5〜CS7に応じて別個独立して、順次低感度側に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことにより、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づいて、炎の有無を判定する。
【0120】
このような炎検出装置によれば、細分化された検知感度に応じて増幅出力信号が出力され、より適切な信号レベルを有する増幅出力信号に基づいて炎判定処理を実行することができるので、炎判定の精度を一層向上させることができる。
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、第1の検知グループからの出力信号の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
【0121】
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、図10および図18に示したような2組の検知グループを有する構成(2波長検出方式)、その他の処理手順等についても、上述した各実施形態に示した構成および手法を良好に適用することができる。
【0122】
<第6の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。
図21は、本発明に係る炎検出装置の第6の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0123】
図21に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略同等の構成を有するセンサ部SENGおよびフィルタ部FLTGと、フィルタ部FLTGを通過した信号成分Aa〜Ad相互を所定の組み合わせで加算合成し、可変設定される所定の増幅率で加算増幅する加算増幅部AMPGと、A/D変換器50と、信号処理部PROと、を有して構成されている。
【0124】
そして、加算増幅部AMPGは、フィルタ部FLTGを介して個別に入力される信号成分Aa〜Adを、各々所定の増幅率で初段増幅するプリアンプ30a〜30dと、プリアンプ30a、30bの出力線La、Lbを接点naにおいて結合接続(加算)した出力を、所定の増幅率で増幅するメインアンプ40aと、プリアンプ30cの出力を所定の増幅率で増幅するメインアンプ40bと、プリアンプ30dの出力を所定の増幅率で増幅するメインアンプ40cと、接点NCに対するメインアンプ40b、40cの出力線LGb、LGcの接続状態を切り換え制御する切換スイッチSW1G、SW2Gと、を有して構成されている。
ここで、各切換スイッチSW1G、SW2Gは、信号処理部PROの感度切換制御部62から出力される制御信号CS8、CS9に基づいて、導通/遮断状態が切り換え制御される。なお、他の構成については、上述した各実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0125】
このような構成において、受光素子10a、10b、前置フィルタ20a、20b、プリアンプ30a、30bおよびメインアンプ40aを含む回路構成を検知グループKG11とし、受光素子10c、前置フィルタ20c、プリアンプ30cおよびメインアンプ40bを含む回路構成を検知グループKG12とし、受光素子10d、前置フィルタ20d、プリアンプ30dおよびメインアンプ40cを含む回路構成を検知グループKG13とし、これらの検知グループKG11、KG12、KG13は、各々検知感度が異なるように構成されている。
【0126】
具体的には、たとえば、検知グループKG11の検知感度を基準として、検知グループKG12が検知グループKG11と略同一の検知感度に設定され、また、検知グループKG13が検知グループKG11の2倍の検知感度に設定されている。
したがって、たとえば、受光素子10a〜10dの素子寸法が略同一に形成されている場合には、検知グループKG11の信号増幅率(すなわち、プリアンプ30a、30bの増幅率と、接点naにおける加算効果を考慮した実質的な増幅率)を基準として、検知グループKG12の信号増幅率(すなわち、プリアンプ30cの増幅率)を略同一に設定し、また、検知グループKG13の信号増幅率(すなわち、プリアンプ30dの増幅率)を略2倍に設定することにより実現される。
【0127】
また、プリアンプ30a〜30dの増幅率が略同一に設定されている場合には、たとえば、図17に示したように、受光素子10aまたは10bの素子面積を基準として、受光素子10c(図17では、受光素子10i)の素子面積を2倍とし、受光素子10d(図17では、受光素子10j、10k)の素子面積を4倍となるように形成することにより実現することができる。すなわち、検知グループKG11、KG12、KG13の検知感度は、各検知グループに備えられた受光素子の出力数、素子寸法、増幅部の増幅率に基づいて決定されるので、これらのいずれか単独、あるいは、これらを適宜組み合わせることにより所望の検知感度を実現することができる。
【0128】
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、上述した第3の実施形態と同様に、加算増幅部AMPGの増幅率を段階的に可変制御することにより検知感度を3段階に切り換え、A/D変換された増幅出力信号BGが飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
【0129】
すなわち、初期状態として、加算増幅部AMPGの切換スイッチSW1G、SW2Gをともに導通状態とし、各検知グループKG11、KG12、KG13からの出力を結合加算して加算増幅部AMPGの増幅率を最大として、炎検出装置の検知感度を最高感度に設定し、火炎FRを観測した場合における増幅出力信号BGの飽和状態に応じて、加算増幅部AMPGの切換スイッチSW1G、SW2Gを制御信号CS8、CS9に応じて、結合加算される各検知グループKG11、KG12、KG13からの出力数を削減して順次低感度側に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことにより、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づいて、炎の有無を判定する。
【0130】
このような炎検出装置によれば、各検知グループKG11、KG12、KG13の出力の任意の組み合わせと、各検知グループKG11、KG12、KG13を構成する受光素子の出力数、素子寸法、プリアンプおよびメインアンプの増幅率との組み合わせにより、多様な検知感度を設定することができるので、より適切な信号レベルを有する増幅出力信号に基づいて炎判定処理を実行することができ、炎判定の精度を一層向上させることができる。
【0131】
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、出力信号の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、図10および図18に示したような2組の検知グループを有する構成(2波長検出方式)、その他の処理手順等についても、上述した各実施形態に示した構成および手法を良好に適用することができる。
【0132】
<第7の実施形態>
次に、本発明に係る炎検出装置の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。
図22は、本発明に係る炎検出装置の第7の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0133】
図22に示すように、本実施形態に係る炎検出装置は、概略、第3の実施形態(図12参照)と略同等の構成を有するセンサ部SENHおよびフィルタ部FLTHと、フィルタ部FLTHを通過した信号成分Aa〜Af相互を所定の組み合わせで加算合成し、所定の増幅率で加算増幅する加算増幅部AMPHと、A/D変換器50a〜50cと、加算増幅部AMPHからA/D変換器50a〜50cを介して出力される増幅出力信号BHa、BHb、BHcを選択的に読み込んで、炎の判定処理を実行する火災判定処理部60を備えた信号処理部PROと、を有して構成されている。
【0134】
そして、加算増幅部AMPHは、受光素子10a〜10fに対応してフィルタ部FLTHを介して個別に入力される信号成分Aa〜Afを、各々所定の増幅率で初段増幅するプリアンプ30a〜30fと、プリアンプ30a、30b、30cの出力線La、Lb、Lcを接点naにおいて結合接続(加算)した出力を、所定の増幅率で増幅するメインアンプ40aと、プリアンプ30d、30eの出力線Ld、Leを接点nbにおいて結合接続した出力を、所定の増幅率で増幅するメインアンプ40bと、プリアンプ30fの出力を所定の増幅率で増幅するメインアンプ40fと、を有して構成されている。各メインアンプ40a〜40cから出力線LHa〜LHcは、各々A/D変換器50a〜50cを介して、信号処理部PROに出力される。
【0135】
このような構成において、受光素子10a〜10c、前置フィルタ20a〜20c、プリアンプ30a〜30cおよびメインアンプ40aを含む回路構成を検知グループKG21とし、受光素子10d、10e、前置フィルタ20d、20e、プリアンプ30d、30eおよびメインアンプ40bを含む回路構成を検知グループKG22とし、受光素子10f、前置フィルタ20f、プリアンプ30fおよびメインアンプ40cを含む回路構成を検知グループKG23とし、これらの検知グループKG21、KG22、KG23は、各々検知感度が異なるように構成されている。ここでは、受光素子10a〜10c、前置フィルタ20a〜20c、プリアンプ30a〜30cおよびメインアンプ40aの各回路素子が同等の動作特性を有するものとして、検知グループKG21が最大の検知感度を有し、以下、検知グループKG22、KG23の検知感度が順次低くなるように設定されているものとする。
【0136】
信号処理部PROは、感度切換制御部62により、各検知グループKG21、KG22、KG23から出力線LHa〜LHcを介して入力される各増幅出力信号BHa〜BHcを、選択的に取り込むソフト的な内部処理を行い、その出力信号を飽和検出部61および炎判定部63に出力することにより、検知感度設定処理および炎判定処理を実行する。すなわち、信号処理部PRO(感度切換制御部62)は、上述した各実施形態に示した複数の切換スイッチSWおよび感度切換制御部62に相当するソフト的な機能を備え、飽和検出部61による当該出力信号の飽和状態およびしきい値比較結果に基づいて、選択する出力信号をソフト的に切り換えることにより、検知感度の切り換え設定を行う。
なお、他の構成については、上述した各実施形態と同等または略同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0137】
このような構成を有する炎検出装置の検知感度設定方法は、加算増幅部AMPHから出力され、選択された増幅出力信号の飽和状態およびしきい値比較結果に応じて、取り込む増幅出力信号の選択状態をソフト的に切り換え制御することにより、実質的に炎検出装置の検知感度を検知グループKG21、KG22、KG23の増幅特性に応じた3段階に切り換え、増幅出力信号が飽和状態とならない最適な検知感度に設定された状態で炎判定処理を行うことを特徴とする。
すなわち、火炎FRが観測した場合、初期状態として、飽和検出部61により最大の増幅率を有する検知グループKG21からの出力信号(増幅出力信号LHa)が選択されて取り込まれ、感度切換制御部62により、当該出力信号について飽和検出処理、および、所定のしきい値との比較処理が実行される。
【0138】
飽和検出部61が当該出力信号について飽和状態を検出した場合には、感度切換制御部62により、検知グループKG22からの出力信号(増幅出力信号LHb)が選択されて取り込まれ、当該出力信号について飽和検出処理、および、所定のしきい値との比較処理が実行される。当該出力信号についても飽和状態が検出された場合には、検知グループKG23からの出力信号(増幅出力信号LHc)が選択されて上記と同様の処理が実行される。
【0139】
このように、各検知グループKG21、KG22、KG23からの出力信号の飽和状態に応じて、選択される検知グループKG21、KG22、KG23からの出力信号をソフト的に順次切り換えて、検知感度を低感度側に段階的に切り換え制御する処理手順を繰り返すことにより、飽和状態とならない出力信号が得られる最適な検知感度を設定し、当該検知感度における出力信号に基づいて、炎の有無を判定する。
【0140】
このような炎検出装置によれば、各検知グループKG21、KG22、KG23からの出力信号を信号処理部PRO内部でソフト的に選択することにより、炎検出装置の検知感度を段階的に切り換え制御することができるので、検知感度の切り換え制御に関連する制御素子を削減して、より簡素化された信頼性の高い構成で上述した実施形態と同等の作用効果を得ることができるとともに、処理のスピードを向上して、炎の判定処理を迅速化することができる。
【0141】
なお、本実施形態に係る検知感度設定方法は、図4に示したように、検知感度を最高感度から順次段階的に低感度側に切り換え制御する手法の他に、検知感度を最高感度から一旦最低感度に切り換え、出力信号の飽和状態および所定のしきい値かを監視しながら、順次段階的に高感度側に切り換え制御する手法を適用することもできる。
【0142】
また、各検知グループKG21、KG22、KG23からの出力信号(増幅出力信号LHa、LHb、LHc)を一度に信号処理部PRO内部に選択して取り込み、それぞれの出力信号において、飽和検出処理および所定のしきい値との比較処理を実行するようにして、さらに処理スピードを向上させても良い。
また、本実施形態に係る検知感度設定方法に基づいて実現される火炎発生領域の判定方法、さらには、図10および図18に示したような2組の検知グループを有する構成(2波長検出方式)、その他の処理手順等についても、上述した各実施形態に示した構成および手法を良好に適用することができる。
【0143】
なお、上述した第2の実施形態(図10参照)および第4の実施形態(図18参照)に示した2波長検出方式の場合においては、各々異なる波長帯域を検出する2組の検知グループの構成について、略同一の構成を適用した場合について説明したが、本発明に係る炎検出装置は、この構成に限定されるものではなく、検知グループ相互の構成を異なるように構成してもよい。
【0144】
具体的には、たとえば、一方の検知グループに備えられた増幅部(プリアンプまたはメインアンプ)の増幅率を可変制御可能な構成とし、他方の検知グループを、一方の検知グループに備えられた受光素子と略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な受光素子を複数備えた検知センサを有し、該検知センサから増幅部への出力数を可変制御可能な構成としてもよい。
この場合、上述したように、それぞれの検知グループは連動して切り換え制御が行われる必要があるため、それぞれ同じ段階で同じ検知感度を備えるように構成する。
【0145】
また、2波長検出方式の場合において、各検知グループの有効検知エリアは同等に設定されるものであってもよく、また、炎特有の波長帯域に隣接した波長帯域を検出する側の検知グループの有効検知エリアが、比較的近距離エリアに設定されるものであってもよい。
さらに、上述した各実施形態において、検知感度の段階数や受光素子の数等は、適宜変更設定できるものであることは言うまでもない。
【0146】
なお、検知感度の段階数は、2以上であればよいが、多いほど最適な検知感度は高感度になることからS/Nが良くなり、炎判定の精度を向上することができる。但し、段階数があまりにも多くなると、切り換えに要する時間により炎判定までの時間が遅くなることから、装置の性能、設置環境、炎判定までの時間等を考慮して、最適な段階数を設定することになる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る炎検出装置およびその検知感度設定方法によれば、検知感度を段階的に切り換え設定することにより、検知エリアの拡がりを調整することができるので、近距離側の無効検知エリアを縮小することができ、実質的に有効検知エリアを拡大して広範囲の火炎の検出を保証することができる。
【0148】
また、増幅部からの増幅出力信号の信号レベルが飽和しているか否かに応じて、検知感度を段階的に切り換え制御し、信号レベルが飽和しない最適な検知感度を設定するようにしているので、炎判定の精度を向上させることができる。
さらに、検知感度を段階的に切り換え設定することにより、検知エリアの拡がりを段階的に調整することができるので、検知エリア内で発生した火炎の位置を概略的に把握することができる。したがって、たとえば、放水装置に対して、この火炎発生領域に関する情報を提供することにより、消火時間の短縮および水損の影響を低減することができるとともに、また、給水設備等の規模を削減して設備コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る炎検出装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 第1の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
【図3】 第1の実施形態に係る炎検出装置に適用される増幅部の作用を示す図である。
【図4】 第1の実施形態に係る炎検出装置の検知感度設定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 火災位置判定方法の参考例を示す検知エリアの概略図である。
【図6】 参考例における検知感度と火災発生領域との関係を示すテーブルである。
【図7】 第1の実施形態に係る火災位置判定方法の具体例を示すフローチャートである。
【図8】 第1の実施形態に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判定処理の一例を示す概略図である。
【図9】 第1の実施形態に係る火災位置判定方法における炎発生エリアの判定処理の他の例を示す概略図である。
【図10】 本発明に係る炎検出装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図11】 第2の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
【図12】 本発明に係る炎検出装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図13】 第3の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
【図14】 第3の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部における受光素子の配置例を示す図である。
【図15】 第3の実施形態に係る炎検出装置に適用される増幅部における出力線相互の接続状態とその作用を説明するための概念図である。
【図16】 第3の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の他の構成例を示す図である。り、
【図17】 第3の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部における受光素子の他の配置例を示す図である。
【図18】 本発明に係る炎検出装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。
【図19】 第4の実施形態に係る炎検出装置に適用されるセンサ部の構成例を示す図である。
【図20】 本発明に係る炎検出装置の第5の実施形態を示す概略構成図である。
【図21】 本発明に係る炎検出装置の第6の実施形態を示す概略構成図である。
【図22】 本発明に係る炎検出装置の第7の実施形態を示す概略構成図である。
【図23】 従来技術における1波長検出方式の炎検出装置を示す概略構成図である。
【図24】 従来技術における2波長検出方式の炎検出装置を示す概略構成図である。
【図25】 火炎の位置と炎検出装置の増幅部の増幅度との関係を示す概略図である。
【図26】 炎検出装置の増幅部から得られる出力信号レベルの例を示す概略図である。
【図27】 従来技術における炎検出装置により設定される検知エリアの拡がりを示す概略図である。

Claims (35)

  1. 火炎を観測して得られる光を電気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置において、
    検知感度を複数段階に切り換え制御する感度切換制御手段と、
    前記増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出する飽和検出手段と、
    を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した場合に、検知感度を低感度側の最適な検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、少なくとも、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号が、所定のしきい値以上であることを検出した場合に炎有りと判定する炎の判定処理を行い、
    前記感度切換制御手段は、前記最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え制御し、前記炎判定手段は、切り換え設定した全ての検知感度において、前記飽和検出および前記炎の判定処理を行い、前記炎有りと判定した検知感度に対応した有効検知エリアから、炎有りと判定しなかった検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエリアに、火炎が位置していると判定する炎発生エリアの判定処理を行うことを特徴とする炎検出装置。
  2. 前記感度切換制御手段は、検知感度を前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出しない検知感度まで低感度側に段階的に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  3. 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した場合に、検知感度を最低検知感度に切り換え制御し、該最低検知感度における増幅出力信号が、所定のしきい値以下であることを検出した場合には、前記検知感度を高感度側に段階的に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  4. 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出しない検知感度のうち、最も高い検知感度を最適検知感度として切り換え設定することを特徴とする請求項2または3記載の炎検出装置。
  5. 前記感度切換制御手段は、1段階高い所定の検知感度において前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出し、該検知感度より1段階低い検知感度において増幅出力信号が前記所定のしきい値以下であることを検出した場合には、前記飽和状態を検出した検知感度に切り換え制御すること特徴とする請求項2または3記載の炎検出装置。
  6. 前記感度切換制御手段は、最低検知感度においても前記飽和状態を検出した場合は、該最低検知感度の設定状態を維持することを特徴とする請求項2または3記載の炎検出装置。
  7. 前記炎判定手段は、前記最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号が、所定のしきい値以上を検出した場合に、増幅出力信号の所定時間のサンプリングデータに基づいて周波数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出した場合に炎有りと判定することを特徴とする請求項1乃至6記載のいずれかに記載の炎検出装置。
  8. 前記感度切換制御手段は、前記増幅部の増幅率を制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  9. 前記検知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記増幅部に出力する前記受光素子の出力数を制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  10. 前記検知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記増幅部に出力する前記受光素子の出力数または前記増幅部の増幅率の少なくともいずれか一方を制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  11. 前記検知センサは、前記受光素子が複数個配置され、一体的にパッケージ化されたものであることを特徴とする請求項9または10記載の炎検出装置。
  12. 前記検知センサは、前記各受光素子を個別にパッケージ化して、複数個近接して配置したものであることを特徴とする請求項9または10記載の炎検出装置。
  13. 前記複数の受光素子は、各々同一素子寸法に形成されていることを特徴とする請求項11または12記載の炎検出装置。
  14. 前記複数の受光素子は、異なる素子寸法で形成されているものを含むことを特徴とする請求項11または12記載の炎検出装置。
  15. 前記検知センサの前面に、有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される波長帯域の光を透過させる光学波長フィルタを配置したことを特徴とする請求項1記載の炎検出装置。
  16. 有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第1の検知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を備えた第1の検知グループと、
    前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第2の検知センサと、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第2の検知グループと、
    前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて、炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置において、
    前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度をそれぞれ複数段階に切り換え制御する感度切換制御手段と、
    前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出する飽和検出手段と、
    を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して低感度側の最適な検知感度に切り換え制御し、
    前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行うことを特徴とする炎検出装置。
  17. 前記感度切換制御手段は、検知感度を前記飽和検出手段が前記飽和状態を検出しない検知感度まで、低感度側に段階的に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  18. 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して最低検知感度に切り換え制御し、該最低検知感度における前記第1の増幅部の増幅出力信号が、第1のしきい値以下であることを検出した場合には、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して高感度側に段階的に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  19. 前記感度切換制御手段は、前記飽和検出手段が前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出しない検知感度のうち、最も高い検知感度に前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して切り換え制御することを特徴とする請求項17または18記載の炎検出装置。
  20. 前記感度切換制御手段は、1段階高い所定の検知感度において前記飽和検出手段が前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出し、該検知感度より1段階低い検知感度において増幅出力信号が第1のしきい値以下であることを検出した場合には、前記飽和状態を検出した検知感度に前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して切り換え制御することを特徴とする請求項17または18記載の炎検出装置。
  21. 前記感度切換制御手段は、最低検知感度においても前記第1の増幅部からの増幅出力信号の飽和状態を検出した場合は、該最低検知感度の設定状態を維持することを特徴とする請求項17または18記載の炎検出装置。
  22. 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記第1の増幅部からの増幅出力信号が、第1のしきい値以上であることを検出した場合に、前記第1の増幅部からの増幅出力信号の積分値と、前記第2の増幅部からの増幅出力信号の積分値の相対比を算出し、算出した相対比が第2のしきい値以上であることを検出した場合には炎有りと判定することを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の炎検出装置。
  23. 前記炎判定手段は、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記第1の増幅部からの増幅出力信号が、第1のしきい値以上であることを検出した場合に、前記第1の増幅部からの増幅出力信号の積分値と前記第2の増幅部からの増幅出力信号の積分値の相対比を算出し、算出した相対比が第2のしきい値以上であることを検出した場合は、前記第1の増幅部の増幅出力信号の所定時間のサンプリングデータに基づいて周波数解析を行い、炎特有のゆらぎ周波数の特徴を検出した場合に炎有りと判定することを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の炎検出装置。
  24. 前記炎判定手段は、判定処理により炎有りと判定した場合は、当該時点において設定している前記第1の検知グループの検知感度に対応した有効検知エリア内に火炎が位置していると判定することを特徴とする請求項22または23記載の炎検出装置。
  25. 前記感度切換制御手段は、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に連動して切り換え制御し、
    前記炎判定手段は、切り換え設定した全ての検知感度において、飽和検出および炎の判定処理を行い、炎有りと判定した検知感度に対応した第1の検知グループの有効検知エリアから炎有りと判定しなかった第1の検知グループの検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエリアに火炎が位置していると判定することを特徴とする請求項22または23記載の炎検出装置。
  26. 前記感度切換制御手段は、前記第1の増幅部および第2の増幅部の増幅率を連動して制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  27. 前記第1の検知センサおよび第2の検知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記第1の増幅部および第2の増幅部にそれぞれ出力する前記受光素子の出力数を連動して制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  28. 前記第1の検知センサおよび第2の検知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記第1の増幅部および第2の増幅部にそれぞれ出力する前記受光素子の出力数または前記第1の増幅部および第2の増幅部の増幅率の少なくともいずれか一方を連動して制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  29. 一方の検知グループの検知センサは、略同一の検知エリアを略同時に監視し、かつ、受光信号を個別に出力可能な複数の受光素子を備え、
    前記感度切換制御手段は、前記一方の検知グループにおいて、当該検知グループの増幅部に出力する前記受光素子の出力数または前記増幅部の増幅率の少なくともいずれか一方を制御し、他方の検知グループにおいて、当該検知グループの増幅部の増幅率を制御することにより、前記検知感度を複数段階に切り換え制御することを特徴とする請求項16記載の炎検出装置。
  30. 前記検知センサは、前記受光素子が複数個配置され、一体的にパッケージ化されたものであることを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載の炎検出装置。
  31. 前記検知センサは、前記各受光素子を個別にパッケージ化して、複数個近接して配置したものであることを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載の炎検出装置。
  32. 前記複数の受光素子は、各々同一素子寸法に形成されていることを特徴とする請求項30または31記載の炎検出装置。
  33. 前記複数の受光素子は、異なる素子寸法で形成されているものを含むことを特徴とする請求項30または31記載の炎検出装置。
  34. 火炎を観測して得られる光を電気信号に変換して出力する検知センサと、前記検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する増幅部と、前記増幅部から出力される増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置の検知感度設定方法において、
    前記増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、検知感度を低感度側に切り換え制御し、最適な検知感度に設定し、少なくとも、最適な検知感度に切り換え設定した状態における前記増幅部からの増幅出力信号が、所定のしきい値以上であることを検出した場合に炎有りと判定する炎の判定処理を行い、
    前記最適検知感度より低感度側の全ての検知感度に切り換え設定した状態において、前記飽和検出および前記炎の判定処理を行い、前記炎有りと判定した検知感度に対応した有効検知エリアから、炎有りと判定しなかった検知感度に対応した有効検知エリアを除去したエリアに、火炎が位置していると判定する炎発生エリアの判定処理を行うことを特徴とする炎検出装置の検知感度設定方法。
  35. 有炎燃焼時に発生するCO2共鳴により放射される第1の波長帯域の光を透過させる第1の光学波長フィルタと、前記第1の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第1の検知センサと、前記第1の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第1の増幅部と、を備えた第1の検知グループと、
    前記第1の光学波長フィルタの中心透過波長帯域に隣接した第2の波長帯域の光を透過させる第2の光学波長フィルタと、前記第2の光学波長フィルタを透過した光を電気信号に変換して出力する第2の検知センサと、前記第2の検知センサからの出力信号を所定の増幅率により増幅して出力する第2の増幅部と、を備えた第2の検知グループと、
    前記第1の増幅部および前記第2の増幅部からの増幅出力信号に基づいて炎の判定処理を行う炎判定手段と、を備えた炎検出装置の検知感度設定方法において、
    前記第1の増幅部から出力される増幅出力信号の飽和状態を検出した場合に、前記第1の検知グループおよび第2の検知グループの検知感度を連動して低感度側に切り換え制御し、最適な検知感度に設定することを特徴とする炎検出装置の検知感度設定方法。
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