JP2002040138A - 物体認識方法及び装置、記録媒体 - Google Patents

物体認識方法及び装置、記録媒体

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JP2002040138A
JP2002040138A JP2000225500A JP2000225500A JP2002040138A JP 2002040138 A JP2002040138 A JP 2002040138A JP 2000225500 A JP2000225500 A JP 2000225500A JP 2000225500 A JP2000225500 A JP 2000225500A JP 2002040138 A JP2002040138 A JP 2002040138A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極力ノイズデータ削除が必要な場合に限ってそ
の動作を実行させることで、認識対象とすべき物体を適
切に認識できるようにする。 【解決手段】水分発生度合いに対応する推定値SPは、
ワイパ動作がOFFの場合は−1、間欠モードでは1、低
速モードでは3、高速モードでは10が0.1秒毎に加減算
される。このSPと削除エリア(A〜E)が対応してお
り、SPが大きくなるにつれてスプラッシュが発生する
可能性が高くなるため削除エリアを広くしていく。な
お、推定値SPが300以下に対応するAタイプの削除エ
リアではデータ削除しない。間欠からOFFとなった時点
でSPは下がり始めるが、ワイパがOFF状態でも1ずつ
減算されるだけなので、推定値SPが300となるのは、O
FF状態となってから770秒後(12分50秒後)である。つ
まり、ワイパ動作停止後も路面に水がたまっておりスプ
ラッシュが発生すると思われる場合はノイズデータを削
除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車幅方向の所定範
囲内に渡り送信波を照射し、その反射波に基づいて車両
前方の物体を認識する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば光波,ミリ波などの送
信波を照射し、その反射波を検出することによって、車
両前方の物体を認識する物体認識装置が考えられてい
る。この種の装置としては、例えば、先行車両などの障
害物を検出して警報を発生する装置や、先行車両と所定
の車間距離を保持するように車速を制御する装置などに
適用され、それらの制御対象としての先行車両などの物
体認識に利用されている。
【0003】このような物体認識に際しては、降雨時な
どにおけるノイズデータを適切に削除することが望まれ
る。このノイズデータの削除のための対策は種々考えら
れており、例えば、霧等の空気中に浮遊する粒子に光を
出力したときのその粒子までの距離に対する反射光の受
光強度範囲を予め記憶しておき、受光信号レベルがその
受光強度範囲内にあるときには距離の出力をしないよう
にすることが考えられる。また、特公平6−80436
号においては、車両の走行速度が所定値以上を示し、距
離データが所定値の状態を所定時間以上継続して出力し
た場合には、霧などの浮遊微粒子が発生していると判断
している。これは、霧などの浮遊微粒子による反射の場
合には、車両が走行していても常に所定距離のところに
発生し続ける性質に着目したものである。
【0004】なお、降雨時などにおけるノイズデータと
しては、降雨そのものによるものだけなく、例えば水た
まりが生じている場合に、前方車両が巻き上げた水しぶ
き(スプラッシュ)によってノイズデータが生じること
も考えられる。また、送信波の照射部分に水滴が付着す
ることでノイズデータが生じることもある。例えばレー
ザ光を送信波として用いる場合にはレーザ光を絞ってビ
ーム形状にして照射しているが、そのビーム照射部に水
滴が付着すると絞ったビームが散乱されて広がってしま
い、実際に物体が存在している位置とは異なる位置に存
在しているように認識してしまう可能性もある。例え
ば、絞った送信波ビームの状態においては、認識処理に
おいて想定している認識エリア外の物体によって反射さ
れることはないが、散乱によって送信波ビームが広がっ
てしまうと、認識エリア外の物体によっても反射される
こととなる。そのため、例えば、実際には自車と同一車
線上には車両は存在せず、隣接車線にしか車両が存在し
ない状況であっても、あたかも自車と同一車線上に車両
(先行車)が存在するように誤認識してしまう可能性が
ある。これによって、例えば車間制御においては、その
実際には存在しない先行車を追い抜けないという不都合
が生じてしまう。特に、自車から近距離に先行車が存在
すると誤認識した場合には、不要な減速を実施してしま
う可能性もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなノイズデータ削除のための処理を「常に実行」して
いるのでは処理負荷の増大につながる。また、ノイズデ
ータを削除するための処理自体が、必ずしも真にノイズ
データのみを削除できるものではなく、ノイズデータで
あると推定されるものを削除しているだけなので、見か
け上ノイズデータと同じような性状を持つ低反射物体を
も削除してしまう可能性がある。例えば先行車両のリフ
レクタや白いボディ部分を検知している場合には反射率
が相対的に高いためノイズデータと間違う可能性が低い
が、例えば汚れた車・黒っぽい車やトラックの荷台の下
方部分等は低反射物体となる。トラックの荷台の下方部
分が低反射物体となることについて補足する。通常の乗
用車のリフレクタやボディ等で反射するように送信波を
照射するため、車高が高いトラック等では荷台の下辺り
で反射し、低反射物体として作用する場合があることに
起因するのである。
【0006】このようなノイズデータ削除によるデメリ
ットを防止するためには、データを削除する範囲を決め
るための定数をシビアに設定することが考えられるが、
その場合には、実際にはノイズデータであるデータを削
除できなくなってしまう。ノイズデータであるか否かの
判定に際しては現状では「推定」という手法を採らざる
を得ないため、上述の問題は完全には解決するのは難し
い。但し、ノイズデータの削除を常に行っていることに
より不都合が生じることを鑑みれば、極力その削除が必
要な場合に限ってデータ削除動作を実行させることで、
適切なノイズデータ削除という効果を得ると共に、処理
負荷の低減及び本来削除すべきでないデータを誤って削
除してしまうというデメリット防止という効果をも得る
ことができる。
【0007】そこで本発明は、極力ノイズデータ削除が
必要な場合に限ってその動作を実行させることで、認識
対象とすべき物体を適切に認識できる技術を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の物体認識
方法を実現するための装置としての一例である請求項2
記載の物体認識装置によれば、推定手段が、車両前方の
空間に浮遊する水分によって反射されたと推定されるノ
イズデータ、あるいは送信波照射部分に水分が付着する
ことにより送信波が散乱することによって得られたと推
定されるノイズデータの原因となる水分の発生度合いを
推定する。そして、判定手段が、その推定された水分の
発生度合いに基づいてノイズデータの削除の必要性を判
定し、認識手段は、削除が必要な場合に限ってノイズデ
ータを削除し、残った検出結果に基づいて物体を認識す
る。
【0009】このように「水分」を原因とするノイズデ
ータが発生し易い状況に限りノイズデータの削除を行う
ことによって、ノイズデータ削除のための処理を「常に
実行」するものに対しては処理負荷の低減という利点が
ある。また、ノイズデータを削除するための処理自体
が、必ずしも真にノイズデータのみを削除できるもので
はなく、ノイズデータであると推定されるものを削除し
ているだけなので、見かけ上ノイズデータと同じような
性状を持つ低反射物体をも削除してしまうことを鑑みれ
ば、ノイズデータが発生し易い状況でない場合にはノイ
ズデータの削除を行わないことで、必要なデータを削除
してしまうことを防止できる。逆に言えば、ノイズデー
タが発生し易い状況に限りノイズデータの削除を行うの
で、その際のデータ削除範囲をシビアに設定しても問題
がない。したがって、極力ノイズデータ削除が必要な場
合に限ってその動作を実行させることで、認識対象とす
べき物体を適切に認識できるのである。このように適切
な認識ができれば、前方車両を適切に認識でき、その認
識した物体に基づいて行う車間制御なども安定する。
【0010】なお、請求項2の場合は認識手段にて対処
したが、請求項3に示すように、レーダ手段においてノ
イズデータの削除を行ってもよい。このようにノイズデ
ータが削除された状態の検出結果に基づいて認識手段が
車両前方の物体を認識すれば、やはり同様の効果が得ら
れる。
【0011】また請求項4に示すように、判定手段が、
推定手段によって推定された水分の発生度合いに基づい
て、ノイズデータ削除の必要性だけでなくノイズデータ
の削除範囲も定めてもよい。そしてこの場合は、ノイズ
データ削除を行う認識手段又はレーダ手段が、その定め
られた削除範囲に基づいてノイズデータ削除を実行す
る。水分の発生度合いが違えばノイズデータの発生する
範囲も異なるため、それに対応するための措置である。
具体的には、例えば請求項5に示すように、水分の発生
度合いが大きいほどノイズデータ削除の必要性が高いと
判定することが考えられる。
【0012】そして、水分の発生度合いの推定に際して
は、例えば請求項6に示すようにワイパの動作状況に基
づくことが考えられる。ワイパが動作している場合には
降雨状態である可能性が高く、ノイズデータの原因とな
る水分も発生している可能性が高いからである。
【0013】また、ワイパは拭い能力の異なる少なくと
も2種類の動作モードを持つことが多いため、請求項7
に示すように、推定手段が、ワイパの動作状況としてそ
の動作モードまで加味して水分の発生度合いを推定する
ことが考えられる。具体的には、請求項8に示すよう
に、ワイパの拭い能力の高いほど水分の発生度合いが大
きいと推定することが考えられる。つまり、拭い能力が
高い動作モードが選択されているということは、相対的
に水分の発生度合いが大きい状況が生じていると推定で
きるからであり、このようにすることでより適切な推定
が可能となる。ここで、拭い能力の異なる少なくとも2
種類の動作モードとは、例えばワイパの拭き速度の違い
から高速モードと低速モードという2種類が考えられ
る。さらに、現在一般的に採用されている動作モードと
して間欠モードがあるため、これを含めた3種類として
もよい。そして、拭い能力として見た場合には、拭いの
力の高い順番に高速モード→低速モード→間欠モードと
なる。なお、間欠モードはワイパが所定のインターバル
をおいて間欠的に作動するのに対して、高速モード及び
低速モードは連続的に作動する。その意味では、連続モ
ードと間欠モードという2種類も理屈的には考えられ
る。但し、現在一般的に採用されているものとしては、
高速モードと低速モードの2種類、あるいは間欠モード
を加えた3種類であり、それらの拭い能力の大小につい
ては上述した通りであるので、この関係を基準として以
下の説明を進めることとする。
【0014】また、ワイパが動作しなくなった場合を考
えると、その状態からはその時点において降雨などがほ
とんどないことが推定されるだけであり、ここで問題に
している車両前方の空間に浮遊する水分や、送信波照射
部分に付着した水分が存在しないということと同義では
ない。つまり、それまでの降雨状態によっては水たまり
が存在していれば水しぶきなどが継続して発生するし、
それまでの降雨によって送信波照射部分に水分が付着し
ていれば、その状態がしばらく継続する可能性もある。
【0015】そこで請求項9に示すように、ワイパが動
作している状況から動作しない状況になった後において
は、ワイパ動作中の状況も加味して水分の発生度合いを
推定すればよい。ワイパ動作中の状況の加味の仕方は種
々考えられるが、要は、間欠モードを数分続けた後にワ
イパを停止させた場合と、高速モードを数十分続けた後
にワイパを停止させた場合とでは、その停止後の水分の
発生度合いが異なるため、そのような停止前の状態を反
映して推定するということである。このような点に着目
することで、より適切な推定が可能となる。
【0016】この説明からも判るように、最終的には水
分の発生度合いを推定するためにワイパの動作状況に着
目したのであるから、この動作状況としては、もちろん
動作しているか否かという捉え方もできるが、それだけ
でなく動作継続時間も含めた捉え方もできる。もちろ
ん、複数の動作モードがある場合には、それぞれの動作
モードの動作継続時間を動作状況として把握することが
考えられる。したがって、概略的に言えば、拭い能力の
高いモードであるほど、そして動作の継続時間が長いほ
ど水分発生度合いが高いと推定することが考えられる。
【0017】なお、ワイパを動作させるための操作レバ
ーなどをドライバが手動で操作する場合には、ワイパス
イッチなど、ワイパの動作状態を直接把握してもよい
が、例えば請求項10に示すように雨滴センサからの検
出結果に基づいてワイパの動作状況を間接的に把握して
もよい。この場合は、雨滴センサからの検出結果に基づ
いてワイパが自動的に動作する構成であるため、雨滴セ
ンサからの検出結果からワイパの動作状況を把握するこ
とができるからである。
【0018】なお、請求項11に示すように、物体認識
装置の各手段をコンピュータシステムにて実現する機能
は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログ
ラムとして備えることができる。このようなプログラム
の場合、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光
磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じ
てコンピュータシステムにロードして起動することによ
り用いることができる。この他、ROMやバックアップ
RAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前
記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバッ
クアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用
いても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明が適用された車両制
御装置1について、図面と共に説明する。この車両制御
装置は、自動車に搭載され、警報すべき領域に障害物が
所定の状況で存在する場合に警報を出力したり、前車
(先行車両)に合わせて車速を制御したりする装置であ
る。
【0020】図1は、そのシステムブロック図である。
車両制御装置は認識・車間制御ECU3を中心に構成さ
れている。認識・車間制御ECU3はマイクロコンピュ
ータを主な構成として入出力インターフェース(I/
O)および各種の駆動回路や検出回路を備えている。こ
れらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明
は省略する。
【0021】認識・車間制御ECU3は、レーザレーダ
センサ5、車速センサ7、ブレーキスイッチ9、スロッ
トル開度センサ11から各々所定の検出データを入力し
ており、警報音発生器13、距離表示器15、センサ異
常表示器17、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器
21および自動変速機制御器23に所定の駆動信号を出
力している。また認識・車間制御ECU3には、警報音
量を設定する警報音量設定器24、警報判定処理におけ
る感度を設定する警報感度設定器25、クルーズコント
ロールスイッチ26、図示しないステアリングホイール
の操作量を検出するステアリングセンサ27、ヨーレー
トセンサ28及びワイパ操作レバーに対する操作を検出
するワイパスイッチ30が接続されている。なお、ワイ
パスイッチ30は、ワイパの3つの動作モードとしての
間欠モード、低速モード、高速モードのいずれが
選択されているかを検出する。また認識・車間制御EC
U3は、電源スイッチ29を備え、その「オン」によ
り、所定の処理を開始する。
【0022】ここで、レーザレーダセンサ5は、図2に
示すように、発光部、受光部及びレーザレーダCPU7
0などを主要部として次のように構成されている。発光
部は、パルス状のレーザ光を、発光レンズ71及びスキ
ャナ72を介して放射する半導体レーザダイオード(以
下、単にレーザダイオードと記載)75を備えている。
そして、レーザダイオード75は、レーザダイオード駆
動回路76を介してレーザレーダCPU70に接続さ
れ、レーザレーダCPU70からの駆動信号によりレー
ザ光を放射(発光)する。また、スキャナ72にはミラ
ー73が鉛直軸を中心に揺動可能に設けられ、レーザレ
ーダCPU70からの駆動信号がモータ駆動部74を介
して入力されると、このミラー73は図示しないモータ
の駆動力により揺動する。すると、レーザ光は車両前方
の測定エリアの中心方向を中心にし、車幅方向の所定角
度の範囲でレーザ光を不連続に掃引照射(スキャン)し
て出力される。本実施形態でのスキャンエリアは、0.
15deg×105点(±約7.8deg)であり、こ
のエリア内を順次走査する。具体的には、左方向から右
方向へスキャンし、水平ビーム番号を0〜104とした
105本の送信レーザ光ビームを0.15°おきに照射
する。水平ビーム番号0が−7.8degに相当し、水
平ビーム番号104が+7.8degに相当する。な
お、このレーザ光はガラス板77を通して照射されるた
め、例えば降雨時などにこのガラス板77に水滴が付着
することで、レーザ光が散乱される可能性がある。
【0023】一方、受光部は、図示しない物体に反射さ
れたレーザ光を受光レンズ81を介して受光し、その強
度に対応する電圧を出力する受光素子83とを備えてい
る。そして、この受光素子83の出力電圧は、アンプ8
5に入力される。アンプ85は入力電圧を増幅してコン
パレータ87に出力する。コンパレータ87はアンプ8
5の出力電圧を基準電圧と比較し、出力電圧>基準電圧
となったとき所定の受光信号を時間計測回路89へ出力
する。
【0024】時間計測回路89には、レーザレーダCP
U70からレーザダイオード駆動回路76へ出力される
駆動信号も入力され、上記駆動信号をスタートパルスP
A、上記受光信号をストップパルスPBとし、2つのパ
ルスPA,PB間の位相差(すなわち入力時間差)を2
進デジタル信号に符号化する。また、ストップパルスP
Bのパルス幅も時間として計測する。そして、それらの
値を2進デジタル信号に符号化してレーザレーダCPU
70へ出力する。レーザレーダCPU70は、時間計測
回路89から入力された2つのパルスPA,PB間の入
力時間差及びストップパルスPBのパルス幅(受信信号
強度に相当)を含む測距データを、認識・車間制御EC
U3へ出力する。
【0025】なお、本実施形態のアンプ85はバイポー
ラトランジスタを用いて構成されており、次のような特
性を持っている。つまり、受光信号の強度が小さい場合
には図2(b)に示すように飽和しないが、受光信号の
強度が大きくなると図2(c)に示すようにアンプ出力
が飽和してしまう(飽和電圧Vsat )。但し、二点鎖線
で示すように、少数キャリヤ蓄積効果により、受光信号
強度が大きければ大きいほど信号パルスの立ち下がりが
遅れる特性を持っている。また、アンプ出力である信号
パルスが所定のしきい値電圧よりも大きくなっている時
間を示すパルス幅は、受光信号強度と相関関係があり、
受光信号強度の対数に略比例している。そのため、たと
え図2(c)のようにアンプ出力が飽和して受光信号強
度が直接得られなくても、パルス幅を基にし、上述の相
関関係を参照すれば、受光信号強度を推定することがで
きる。
【0026】認識・車間制御ECU3は、このように構
成されていることにより、レーザレーダセンサ5からの
測距データを基にして物体を認識し、その認識物体から
得た先行車の状況に合わせて、ブレーキ駆動器19、ス
ロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動
信号を出力することにより車速を制御する、いわゆる車
間制御を実施している。また、認識物体が所定の警報領
域に所定時間存在した場合等に警報する警報判定処理も
同時に実施している。この場合の物体としては、自車の
前方を走行する前車やまたは停止している前車あるいは
路側にあるガードレールや支柱物体等が該当する。
【0027】続いて認識・車間制御ECU3の内部構成
について制御ブロックとして説明する。レーザレーダセ
ンサ5から出力された測距データは物体認識ブロック4
3に送られる。物体認識ブロック43では、測距データ
として得た距離データとスキャン角度θについては、レ
ーザレーダ中心を原点(0,0)とし、車幅方向をX
軸、車両前方方向をZ軸とするXZ直交座標に変換す
る。そして、この直交座標に変換し計測データに基づい
て、物体の中心位置(X,Z)、大きさ(W,D)を求
めると共に、中心位置(X,Z)の時間的変化に基づい
て、自車位置を基準とする前車等の障害物の相対速度
(Vx,Vz)を求める。さらに物体認識ブロック43
では、車速センサ7の検出値に基づいて車速演算ブロッ
ク47から出力される車速(自車速)Vと上記求められ
た相対速度(Vx,Vz)とから物体が停止物体である
か移動物体であるかの認識種別が求められ、この認識種
別と物体の中心位置とに基づいて自車両の走行に影響す
る物体が選択され、その距離が距離表示器15により表
示される。なお、物体の大きさを示す(W,D)は、そ
れぞれ(横幅,奥行き)である。このようなデータを持
つ物体のモデルを「物標モデル」と呼ぶこととする。
【0028】この物体認識ブロック43にて求めたデー
タが異常な範囲の値がどうかがセンサ異常検出ブロック
44にて検出され、異常な範囲の値である場合には、セ
ンサ異常表示器17にその旨の表示がなされる。また、
ステアリングセンサ27からの信号に基づいて操舵角演
算ブロック49にて操舵角が求められ、ヨーレートセン
サ28からの信号に基づいてヨーレート演算ブロック5
1にてヨーレートが演算される。
【0029】カーブ半径(曲率半径)算出ブロック57
では、車速演算ブロック47からの車速と操舵角演算ブ
ロック49からの操舵角とヨーレート演算ブロック51
からのヨーレートとに基づいて、カーブ半径(曲率半
径)Rを算出する。先行車判定ブロック53では、この
カーブ半径Rおよび物体認識ブロック43にて求められ
た認識種別、中心位置座標(X,Z)、物体の大きさ
(W,D)及び相対速度(Vx,Vz)に基づいて先行
車を選択し、その先行車に対する距離Zおよび相対速度
Vzを求める。
【0030】そして、車間制御部及び警報判定部ブロッ
ク55が、この先行車との距離Z、相対速度Vz、クル
ーズコントロールスイッチ26の設定状態およびブレー
キスイッチ9の踏み込み状態、スロットル開度センサ1
1からの開度および警報感度設定器25による感度設定
値に基づいて、警報判定ならば警報するか否かを判定
し、クルーズ判定ならば車速制御の内容を決定する。そ
の結果を、警報が必要ならば、警報発生信号を警報音発
生器13に出力する。また、クルーズ判定ならば、自動
変速機制御器23、ブレーキ駆動器19およびスロット
ル駆動器21に制御信号を出力して、必要な制御を実施
する。そして、これらの制御実行時には、距離表示器1
5に対して必要な表示信号を出力して、状況をドライバ
ーに告知している。
【0031】このような車間制御や警報判定に際して
は、その前提となる物体認識が適切に行われていること
が重要である。そこで、上述した物体認識ブロック43
において実行される物体認識にかかる動作について、説
明する。図3は物体認識の全体を示すメインフローチャ
ートであり、最初のステップであるS10では、レーザ
レーダセンサ5から1スキャン分の測距データの読み込
みを行う。レーザレーダセンサ5でのスキャン周期は1
00msecとし、100msec毎にデータを取り込
むこととする。
【0032】続くS20では、測距データに基づき、水
分浮遊状態の推定を行う。この処理を図4のフローチャ
ートなどを参照して説明する。図4の最初のステップで
あるS201では、ワイパ操作があるか否かを判断す
る。なお、この判断においては、ワイパスイッチ30が
間欠、低速(Lo)、高速(Hi)の各動作モー
ドのいずれに選択されているかの区別はせず、いずれか
の動作モードが選択されていればワイパ操作ありと判断
する。ワイパ操作がない場合、つまりいずれの動作モー
ドも選択されていない場合には(S201:NO)、M
ODE=−1とする。なお、このMODEの値は後述す
るS208において水分発生度合いの推定値SPの算出
に用いられる。
【0033】そして、ワイパ操作がある場合には(S2
01:YES)、S203〜S207によって、その動
作モードに応じたMODE値を設定する。S203では
動作モードが間欠モードか否かを判断し、間欠モードで
ない場合には(S203:NO)、低速モードか否かを
判断し(S204)、低速モードでもない場合には(S
204:NO)、高速モードであるため、S205へ移
行して、MODE=10とする。また、低速モードの場
合には(S204:YES)、S206へ移行してMO
DE=3とする。一方、間欠モードの場合には(S20
3:YES)、S207へ移行してMODE=1とす
る。つまり、このMODE値は、ワイパ操作がない場合
には−1、間欠モードでは1、低速モードでは3、高速
モードでは10となる。
【0034】このようにしてMODE値が設定される
と、S208において、推定値SPを下式のように算出
する。 SP=SP(n−1)+MODE なお、SP(n−1)は前回の推定値SPである。ま
た、本処理は0.1秒毎に実行されるので、この推定値
SPも0.1秒毎に加減算されることとなる。
【0035】そして、続くS209では、推定値SPが
上限ガード値である8000以上となったか否かを判断
し、SP≧8000の場合には(S209:YES)、
推定値SPを上限ガード値である8000にする(S2
10)。一方、SP<8000の場合には(S209:
NO)、推定値SPが下限ガード値である0以下となっ
たか否かを判断し(S211)、SP≦0の場合には
(S211:YES)、推定値SPを下限ガード値であ
る0にする(S212)。それ以外の場合は(S21
1:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0036】図4に示す処理が終了すると、図3のS3
0へ移行して、ノイズ削除定数の設定を行う。この処理
を図5(a)のフローチャートなどを参照して説明す
る。図5(a)の最初のステップであるS301では、
S20の処理(すなわち図4に示した処理)にて得た推
定値SPを呼び出し、その推定値SPに基づいてノイズ
削除定数を設定する(S302)。このノイズ削除定数
の設定は、図5(b)に示す設定マップを参照して行
う。
【0037】このマップは、推定値SPの値に応じてノ
イズ削除定数としての削除しきい値L及び削除距離Dを
設定するためのものであり、本実施形態では、次のよう
な対応関係となっている。なお、削除しきい値Lとして
は受光パルス幅を用い、1LSBを6.4nsecとした値
を用いる。 [推定値SPの範囲] [削除しきい値] [削除距離] [エリアタイプ] SP≦300 L=0LSB D=0m A 300≦SP≦1000 L=2LSB D=1m B 1000≦SP≦3000 L=6LSB D=3m C 3000≦SP≦8000 L=12LSB D=6m D 8000≦SP L=20LSB D=10m E 図5(a)に示す処理が終了すると、図3のS40へ移
行して、ノイズ削除を行う。この処理を図6(a)のフ
ローチャートなどを参照して説明する。
【0038】図6(a)の最初のステップであるS40
1では、S30の処理(すなわち図5(a)に示した処
理)にて得たノイズ削除定数、すなわち削除しきい値L
及び削除距離Dを呼び出す。そして、これら削除しきい
値L及び削除距離Dにて定まる削除エリアに該当するデ
ータ(ビーム単位のデータという意味でビームデータと
も称す。)があるか否かを判断し(S402)、該当す
るデータがあれば(S402:YES)、そのビームデ
ータを削除する(S403)。
【0039】ここで、削除エリアは、図6(b)に示す
ように設定される。すなわち、受光強度を縦軸、削除距
離を横軸とした場合、削除距離が0で削除しきい値がL
の点と、削除距離がDで削除しきい値が0の点を結んだ
線と、縦軸及び横軸とで囲まれるエリアを削除エリアと
して設定する。つまり、自車から近距離に出現した反射
受光強度の低いビームデータは削除されるのであるが、
そのエリアの境界を規定する距離及び受光強度を、削除
しきい値L及び削除距離Dにて示している。
【0040】なお、図5(b)に示すノイズ削除定数の
設定マップ及び図6(b)に示す削除エリアからも判る
ように、推定値SPが大きくなるほど、削除エリアが広
くなっている。図5(b)に示したエリアタイプA〜E
について削除エリアの広さの関係(あるいは包含関係)
を示せば、A<B<C<D<Eとなる。これは、次の理
由による。つまり、推定値SPと路面の水たまり状況に
は相関があり、また水たまり状況と水しぶき(スプラッ
シュ)などによる浮遊水分にも相関がある。さらに、浮
遊水分が多いほどノイズの出現距離は長くなり、そのノ
イズデータによる受光強度も大きくなる。したがって、
このような状況におけるノイズデータを適切に削除する
ため、推定値SPが大きくなるほど広い削除エリアとし
たのである。この説明からも判るように、推定値SPが
特許請求の範囲に記載した「水分の発生度合い」を示す
パラメータとなっている。なお、削除エリアタイプAの
場合は、実際には何もデータを削除しないこととなる。
【0041】図7(a)には、通常の車両・汚れた車両
・スプラッシュの発生距離及びその反射光による受光強
度の分布を示した。雨の降り方が激しくなるほど路面に
水がたまり、レーザレーダセンサ5にて捕らえられるス
プラッシュの発生距離も0〜7mと長くなる。そのた
め、図5(b)に示したエリアタイプであれば削除エリ
アがEタイプを適用することが好ましい。但し、路面が
濡れている程度であれば、スプラッシュの発生距離も0
〜3mと相対的に短くなり、また反射光による受光強度
も相対的に小さくなる。そのため、削除エリアがCタイ
プ程度でも十分である。
【0042】また、図7(a)からも判るように、たと
え図5(b)に示した削除エリアEタイプであっても、
通常の車両であればノイズデータとして削除されること
はない。それに対して汚れた車両の場合には、受光強度
が相対的に小さくなるので、削除エリアEタイプを適用
することで削除されてしまう可能性はある。その反面、
スプラッシュなどによるノイズデータは適切に削除で
き、誤って車両として認識されることを防止できる。つ
まり、ノイズデータの削除の方を優先した。しかし、常
にこのノイズデータの削除を行うのではなく、例えば天
候のよい状況であれば、図3のS40においてはノイズ
データの削除がされないため、汚れた車両であってもデ
ータが失われることはない。
【0043】一方、図7(b)は、ノイズデータの削除
に用いる削除エリアのタイプがワイパ操作に応じてどの
ように変化するかを示す具体例のタイムチャートであ
る。ワイパ動作状況は、最初数秒間は間欠モードであ
り、その後低速(Lo)モードとなり、最後の数秒間も
間欠モードとなってその後停止(OFF)した。水分発
生度合いに対応する推定値SPは、ワイパ動作がLoモ
ードとなってすぐに上限値の8000となり、ワイパ動
作がLoモードから間欠モードになってもそのまま上限
値の8000であり、間欠モードから停止(OFF)と
なった時点で下がり始める。しかし、図4のフローチャ
ートからも判るように、OFF状態では(S201:N
O)、MODE値は0.1秒毎に1ずつ減算される(S
202)だけなので、データ削除されない削除エリアが
Aタイプとなる推定値SP=300となるのは、ワイパ
がOFF状態となってから770秒後(12分50秒
後)である。なお、削除エリアはタイプAから始まって
B→C→D→Eと変化し推定値SPが8000の間はタ
イプEのままである。その後、推定値SPが8000か
ら低下すると共に先ほどとは反対に変化していき、推定
値が300以下になるとタイプAに戻る。
【0044】これからも判るように、水分の発生度合い
の大きさをワイパの動作状況から推定し、相対的に大き
なスプラッシュが発生する可能性が高くなるにつれて削
除エリアを拡大していく。一方、ワイパ動作を停止させ
ても、停止前の状況から路面に水がたまっておりスプラ
ッシュが発生すると思われる場合は、削除エリアを瞬時
に縮小するのではなく、徐々に縮小していくようにし
た。本実施形態の場合であれば、推定値SPが上限値8
000まで到達していた場合には、上述のようにワイパ
動作を停止してから770秒間はノイズデータの削除を
行うようにした。
【0045】なお、ここではノイズデータとしてスプラ
ッシュを主眼において説明したが、発光部のガラス板7
7に水滴が付着した場合にレーザ光が散乱されて広がっ
てしまい、実際に物体が存在している位置とは異なる位
置に存在しているように認識してしまうようなノイズデ
ータに対しても同様の観点で対処可能である。特に、こ
のような散乱光によって隣接車線の車両をあたかも自車
と同一車線上に車両(先行車)が存在するように誤認識
してしまった場合には、散乱光のため受光強度が相対的
に低い反射光しか得られないため、図7(a)に示した
スプラッシュを削除する際と同じようなエリア設定で大
半が対処できる。
【0046】以上でノイズデータの削除に関連する処理
説明は終わり図3のフローチャートの説明を続ける。S
40の処理(つまり図6(a)に示す処理)が終了する
と、S50へ移行して、セグメント化を行う。上述した
ように、測距データとして得た距離データとスキャン角
度θについては極座標系からXZ直交座標系に変換し、
その変換後のデータをグルーピングしてセグメントを形
成する。この様子を図8に示す。本実施形態では、点認
識されたデータ同士のX軸方向の距離△Xが0.2m以
下、Z軸方向の距離△Zが2m以下という2条件を共に
満たす場合に、その点集合を一体化してセグメントデー
タを求める。このセグメントデータは、一体化された点
集合を含むような大きさに設定された、X軸及びZ軸に
平行な2辺を持つ長方形の領域であり、中心座標(X,
Z)と大きさを示すための2辺のデータ(W,D)をデ
ータ内容とする。
【0047】続くS60では、認識対象の個々の車両な
どを物標化する物標化処理を行う。物標とは、一まとま
りのセグメントに対して作成される物体のモデルであ
る。こ物標化の内容は物体認識ブロック43についての
説明の際に行ったが簡単に繰り返しておくと、S30で
得たセグメントデータに基づいて、物体の中心位置
(X,Z)、大きさ(W,D)を求めると共に、中心位
置(X,Z)の時間的変化に基づいて、自車位置を基準
とする前車等の障害物の相対速度(Vx,Vz)を求め
る。さらに物体が停止物体であるか移動物体であるかの
認識種別が求められ、この認識種別と物体の中心位置と
に基づいて自車両の走行に影響する物体が選択され、そ
の距離が距離表示器15により表示される。なお、物体
の大きさを示す(W,D)は、それぞれ(横幅,奥行
き)である。このようなデータを持つ物標モデルが図1
に示す物体認識ブロック43から先行車判定ブロック5
3へ出力される。
【0048】本実施形態においては、レーザレーダセン
サ5がレーダ手段に相当し、認識・車間制御ECU3の
物体認識ブロック43が推定手段、判定手段及び認識手
段に相当する。また、図4に示す処理が推定手段として
の処理の実行に相当し、図5(a)及び図6(a)のS
401、S402に示す処理が判定手段としての処理の
実行に相当する。また、図6(a)のS403及び図3
のS50、S60の処理が認識手段としての処理の実行
に相当する。
【0049】以上説明したように、本実施形態の車両制
御装置1によれば、ワイパの動作状況に基づいて水分発
生度合いを推定し、この度合いより判定したノイズデー
タが発生し易い状況に限ってノイズデータの削除を行う
ため、このようなノイズデータ削除のための処理を「常
に実行」するものに対しては処理負荷の低減という利点
が得られる。また、図7(a)を参照して説明したよう
に、汚れた車両も見かけ上ノイズデータと同じような性
状を持つ低反射物体であるため削除エリア内に入ってし
まい、データ削除されてしまう可能性があるが、ノイズ
データが発生し易い状況でない場合、つまり本実施例の
場合は推定値SPが300以下の場合にはノイズデータ
の削除を行わないので、ノイズデータ削除を優先すべき
とき以外は必要なデータを削除してしまうことを防止で
きる。このように、極力ノイズデータ削除が必要な場合
に限ってその動作を実行させることで、先行車を適切に
認識でき、その認識した物体に基づいて行う車間制御な
ども安定する。
【0050】なお、本発明はこのような実施形態に何等
限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範
囲において種々なる形態で実施し得る。 (1)例えば、上記実施形態では認識・車間制御ECU
3内の物体認識ブロック43にてノイズデータの削除を
行ったが。レーザレーダセンサ5においてノイズデータ
を削除してもよい。つまり、ワイパスイッチ30の検出
結果を図2に示すレーザレーダCPU70に出力し、レ
ーザレーダCPU70において図3のS20〜S40に
相当する処理を行って該当するビームデータを削除し、
その削除後の測距データを認識・車間制御ECU3(の
物体認識ブロック43)に出力するように構成するので
ある。
【0051】(2)上記実施形態ではワイパスイッチ3
0がオンされていることで雨天(降雨)状態であること
を推定したが、それ以外でも、例えばフロントガラスに
設けられ、雨滴を検出するセンサを用い、その検出結果
に基づいて推定してもよい。この場合は、雨滴センサか
らの検出結果に基づいてワイパが自動的に動作する構成
であるため、雨滴センサからの検出結果からワイパの動
作状況を把握することができるからである。
【0052】(3)上記実施形態では、物体認識ブロッ
ク43において、レーザレーダセンサ5から得た距離デ
ータとスキャン角度θを極座標系からXZ直交座標系に
変換していたが、レーザレーダセンサ5において直交座
標系に変換してから物体認識ブロック43に出力するよ
うにしてもよい。
【0053】(4)上記実施形態では「レーダ手段」と
してレーザ光を用いたレーザレーダセンサ55を採用し
たが、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであって
もよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距
離以外に方位を測定できる方式であればよい。そして、
例えばミリ波でFMCWレーダ又はドップラーレーダな
どを用いた場合には、反射波(受信波)から先行車まで
の距離情報と先行車の相対速度情報が一度に得られるた
め、レーザ光を用いた場合のように、距離情報に基づい
て相対速度を算出するという過程は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された車両制御装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】 レーザレーダセンサに関する説明図である。
【図3】 物体認識に係る処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】 図3の処理中で実行される水分発生度合いの
推定処理を示すフローチャートである。
【図5】 (a)は図3の処理中で実行されるノイズ削
除定数設定処理を示すフローチャートであり、(b)は
ノイズ削除定数の設定マップである。
【図6】 (a)は図3の処理中で実行されるノイズ削
除処理を示すフローチャートであり、(b)は削除エリ
アの説明図である。
【図7】 (a)は通常の車両・汚れた車両・スプラッ
シュの発生距離及びその反射光による受光強度の分布を
示す説明図であり、(b)はノイズデータの削除に用い
る削除エリアのタイプがワイパ操作に応じてどのように
変化するかを示す具体例のタイムチャートである。
【図8】 測距データのセグメント化の内容を示す説明
図である。
【符号の説明】
1…車両制御装置、3…認識・車間制御ECU、5…レ
ーザレーダセンサ、7…車速センサ、9…ブレーキスイ
ッチ、11…スロットル開度センサ、13…警報音発生
器、15…距離表示器、17…センサ異常表示器、19
…ブレーキ駆動器、21…スロットル駆動器、23…自
動変速機制御器、24…警報音量設定器、25…警報感
度設定器、26…クルーズコントロールスイッチ、27
…ステアリングセンサ、28…ヨーレートセンサ、29
…電源スイッチ、30…ワイパスイッチ、43…物体認
識ブロック、44…センサ異常検出ブロック、47…車
速演算ブロック、49…操舵角演算ブロック、51…ヨ
ーレート演算ブロック、53…先行車判定ブロック、5
5…車間制御部及び警報判定部ブロック、57…カーブ
半径算出ブロック、70…レーザレーダCPU、71…
発光レンズ、72…スキャナ、73…ミラー、74…モ
ータ駆動回路、75…半導体レーザダイオード、76…
レーザダイオード駆動回路、77…ガラス板、81…受
光レンズ、83…受光素子、85…アンプ、87…コン
パレータ、89…時間計測回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08G 1/16 G08G 1/16 D G01S 17/88 A (72)発明者 大方 浩司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 野澤 豊史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 白井 孝昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H180 AA01 BB13 CC03 CC11 CC12 CC14 LL02 LL04 LL07 LL09 5J084 AB01 AD01 BA04 BA32 BB02 BB21 CA03 CA31 EA04 EA22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車幅方向の所定範囲内に渡り送信波を照射
    し、その反射波に基づいて車両前方の物体を認識する物
    体認識方法であって、 前記反射波による受信信号の内、前記車両前方の空間に
    浮遊する水分によって反射されたと推定されるノイズデ
    ータ、あるいは送信波照射部分に水分が付着することに
    より送信波が散乱することによって得られたと推定され
    るノイズデータを削除した上で前記物体認識が可能であ
    り、 前記ノイズデータの原因となる水分の発生度合いを推定
    し、その推定された水分の発生度合いに基づいて前記ノ
    イズデータの削除の必要性を判定し、削除が必要な場合
    に限って前記ノイズデータの削除を実行することを特徴
    とする物体認識方法。
  2. 【請求項2】車幅方向の所定範囲内に渡り送信波を照射
    し、その反射波を受信して物体を検出するレーダ手段
    と、 該レーダ手段による検出結果に基づき、車両前方の物体
    を認識する認識手段とを備えた物体認識装置であって、 前記車両前方の空間に浮遊する水分によって反射された
    と推定されるノイズデータ、あるいは送信波照射部分に
    水分が付着することにより送信波が散乱することによっ
    て得られたと推定されるノイズデータの原因となる水分
    の発生度合いを推定する推定手段と、 該推定手段によって推定された水分の発生度合いに基づ
    いてノイズデータ削除の必要性を判定する判定手段とを
    備え、 前記認識手段は、前記判定手段によってノイズデータ削
    除が必要であると判定された場合に限り、前記レーダ手
    段による検出結果に対して前記ノイズデータの削除を実
    行し、残った検出結果に基づいて物体を認識することを
    特徴とする物体認識装置。
  3. 【請求項3】車幅方向の所定範囲内に渡り送信波を照射
    し、その反射波を受信して物体を検出するレーダ手段
    と、 該レーダ手段による検出結果に基づき、車両前方の物体
    を認識する認識手段とを備えた物体認識装置であって、 前記車両前方の空間に浮遊する水分によって反射された
    と推定されるノイズデータ、あるいは送信波照射部分に
    水分が付着することにより送信波が散乱することによっ
    て得られたと推定されるノイズデータの原因となる水分
    の発生度合いを推定する推定手段と、 該推定手段によって推定された水分の発生度合いに基づ
    いてノイズデータ削除の必要性を判定する判定手段とを
    備え、 前記レーダ手段は、前記判定手段によってノイズデータ
    削除が必要であると判定された場合に限り前記ノイズデ
    ータの削除を実行し、検出結果とすることを特徴とする
    物体認識装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の物体認識装置にお
    いて、 前記判定手段は、前記推定手段によって推定された水分
    の発生度合いに基づいて、前記ノイズデータの削除範囲
    も定め、 前記ノイズデータ削除を行う認識手段又はレーダ手段
    は、前記判定手段によって定められた削除範囲に基づい
    て前記ノイズデータ削除を実行することを特徴とする物
    体認識装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の物体認識装置において、 前記判定手段は、前記推定手段によって推定された水分
    の発生度合いが大きいほど、前記ノイズデータ削除の必
    要性が高いと判定すると共に前記削除範囲も広く定める
    ことを特徴とする物体認識装置。
  6. 【請求項6】請求項2〜5のいずれかに記載の物体認識
    装置において、 前記推定手段は、前記車両に設けられたワイパの動作状
    況に基づいて、前記水分の発生度合いを推定することを
    特徴とする物体認識装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の物体認識装置において、 前記ワイパは、拭い能力の異なる少なくとも2種類の動
    作モードを持ち、 前記推定手段は、前記ワイパの動作状況としてその動作
    モードまで加味して前記水分の発生度合いを推定するこ
    とを特徴とする物体認識装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の物体認識装置において、 前記推定手段は、前記ワイパの拭い能力の高いほど前記
    水分の発生度合いが大きいと推定することを特徴とする
    物体認識装置。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれかに記載の物体認識
    装置において、 前記推定手段は、前記ワイパが動作している状況から動
    作しない状況になった後においては、前記ワイパ動作中
    の状況も加味して、前記水分の発生度合いを推定するこ
    とを特徴とする物体認識装置。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれかに記載の物体認
    識装置において、 前記ワイパは、前記車両に設けられた雨滴センサからの
    検出結果に基づいて自動的に動作可能に構成されてお
    り、 前記推定手段は、前記雨滴センサからの検出結果に基づ
    いて前記ワイパの動作状況を把握することを特徴とする
    物体認識装置。
  11. 【請求項11】請求項2〜10のいずれか記載の物体認
    識装置の各手段としてコンピュータシステムを機能させ
    るためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
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