JP2002037955A - 常温硬化性ゴム組成物およびその用途 - Google Patents

常温硬化性ゴム組成物およびその用途

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野 恭 巨 有
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原 正 紀 菅
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野 薫 上
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の常温硬化性ゴム組成物は、非共役
ポリエンである特定の末端ビニル基含有ノルボルネン化
合物から導かれる構成単位を有し、かつ分子中に特定の
加水分解性シリル基を含有するシリル基含有エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)と、特定のシラン化合物の単独あるいは複数から
なる部分加水分解縮合物で、加水分解性メトキシシリル
基を有する、数平均分子量が250〜2,500のシラ
ン化合物の部分加水分解縮合物(B)と、硬化触媒
(C)とからなる。 【効果】上記組成物は、硬化速度が速く、耐候性に優
れ、しかも、各種被着体に対する密着性に著しく優れて
いる。この組成物は、塗料、接着剤、コーティング剤、
シーラント、バインダー等の用途、とりわけ自動車補修
用塗料等の用途において特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、硬化速度が速く、耐候性
に優れ、しかも密着性に優れる硬化物を形成し得る常温
硬化性ゴム組成物およびその用途に関し、さらに詳しく
は、特にメラミンアルキドやメラミンアクリル等の従来
からある塗料の塗膜に対する密着性を改良した、自動車
補修用塗料等の用途に有用な常温硬化性ゴム組成物およ
びその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】加水分解性シリル基含有ビニル系
樹脂が常温で空気中の湿分により緻密な網状構造を形成
し、高光沢、耐候性、耐変色性、耐溶剤性、硬度、無機
系基材に対する密着性等の優れた樹脂となることが既に
知られている。加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂の
このような優れた特性を生かし、塗料、接着剤、コーテ
イング剤、シーラント、バインダーなど多くの用途に使
用することが可能である。
【0003】しかしながら、加水分解性シリル基含有ビ
ニル系樹脂の有機系基材に対する密着性は必らずしも満
足のゆくものではなかった。たとえば自動車補修用塗料
としては、種々の旧来からある塗料の塗膜に対する密着
性が要求され、特にメラミンアクリルやメラミンアルキ
ッド上の密着性を確保することが課題であつた。メラミ
ンアルキドやメラミンアクリルに対する密着性改善の方
法として、アミン系シランカップリング剤またはその変
性物を添加する方法が知られているが、アミン系シラン
カップリング剤の添加は、加水分解性シリル基含有ビニ
ル系共重合体の保存安定性の低下を招いたり、また着色
しやすい等の問題があった。
【0004】特開平1−51468号公報には、加水分
解性シリル基含有ビニル系共重合体のメラミンアルキド
やメラミンアクリルに対する密着性がシラン化合物の部
分加水分解縮合物の添加により改善されることが記載さ
れているが、有機系基材に対する密着性の更なる向上が
要望されていた。また、自動車補修用塗料等の分野で
は、作業時間短縮の観点から硬化時間が短いこと、補修
後の耐久性の観点から耐候性に優れること、がそれぞれ
重要であり、これらの特性の向上が、大きな課題として
残されていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、硬化速度が速く、耐候性に優
れ、しかも、密着性に優れる硬化物を形成し得る常温硬
化性ゴム組成物およびその用途を提供することを目的と
している。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る常温硬化性ゴム組成物は、
非共役ポリエンである下記一般式[I]または[II]で
表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボル
ネン化合物から導かれる構成単位を有し、かつ、分子中
に下記一般式[III]で表わされる加水分解性シリル基
を含有するシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、下記一般
式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、
【0007】
【化18】
【0008】HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2
H(CH2)2CH2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2
2−、CH2=CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH
2)2CH2−を示し、nは0〜3の整数を示す]で表わさ
れるシラン化合物の単独あるいは複数からなる部分加水
分解縮合物で、加水分解性メトキシシリル基を有する、
数平均分子量が250〜2,500のシラン化合物の部
分加水分解縮合物(B)と、硬化触媒(C)とからなる
ことを特徴としている。
【0009】
【化19】
【0010】[式中、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基である。]
【0011】
【化20】
【0012】[式中、R3は水素原子または炭素原子数
1〜10のアルキル基である。]
【0013】
【化21】
【0014】[式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価
炭化水素基であり、Xはハイドライド基、ハロゲン基、
アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、
アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基およびアミ
ノ基から選ばれる加水分解性基であり、aは0、1また
は2の整数である]。
【0015】前記シラン化合物の部分加水分解縮合物
(B)としては、メチルオルトシリケートの部分加水分
解縮合物、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮
合物、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシランを
一成分として含む部分加水分解縮合物が挙げられる。前
記硬化触媒(C)としては、たとえば下記の一般式
【0016】
【化22】
【0017】[式中、R7は、炭素原子数1〜20の1
価のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であ
り、n’は1〜3の整数である。]で表わされるリン酸
および/または酸性リン酸エステル、リン酸および/ま
たは酸性リン酸エステルと、エポキシ化合物との付加反
応生成物、下記の一般式
【0018】
【化23】
【0019】[これらの式において、R3は、炭素原子
数1〜20の1価のアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基であり、R4は、水素またはメチル基であり、
5は、炭素原子数1〜10のアルキレン基、アラルキ
ル基、アリーレン基、または
【0020】
【化24】
【0021】である。]で表わされる酸性リン酸エステ
ル基を有する(メタ)アクリレートと他のビニルモノマ
ーとの共重合体であり、その数平均分子量(Mn)が
1,000〜30,000である(メタ)アクリレート
系共重合体、リン酸および/または酸性リン酸エステル
と、エポキシシランとの付加反応生成物、リン酸および
/または酸性リン酸エステルと、γ- グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランとの付加反応生成物が好ましく
用いられる。
【0022】本発明に係る他の常温硬化性ゴム組成物
は、前記一般式[III]で表わされる加水分解性シリル
基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合を含まな
い有機重合体(D)と、前記一般式[V]で表わされる
シラン化合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解
縮合物で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平
均分子量が250〜2,500のシラン化合物の部分加
水分解縮合物(B)と、硬化触媒(C)とを含有してな
る架橋可能なゴム組成物であって、電気・電子部品、輸
送機、土木・建築、医療またはレジャーの用途に用いら
れることを特徴としている。
【0023】前記電気・電子部品の用途としては、たと
えば重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板
のシーリング材、ポッティング材、コーティング材もし
くは接着剤;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の
絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;または
ゲルもしくはコンデンサの封入材が挙げられる。前記シ
ーリング材は、たとえば冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ガス
メーター、電子レンジ、スチームアイロンまたは漏電ブ
レーカー用のシール材として用いられる。
【0024】前記ポッティング材は、たとえばトランス
高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トラ
ンス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池
またはテレビ用フライバックトランスをポッティングす
るために用いられる。前記コーティング材は、高電圧用
厚膜抵抗器もしくはハイブリッドICの回路素子;HI
C;電気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュー
ル;印刷回路;セラミック基板;ダイオード、トランジ
スタもしくはボンディングワイヤーのバッファー材;半
導電体素子;または光通信用オプティカルファイバーを
コーティングするために用いられる。
【0025】前記接着剤は、ブラウン管ウェッジ、ネッ
ク、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品を接着す
るために用いられる。前記輸送機の用途としては、たと
えば自動車、船舶、航空機または鉄道車輛の用途が挙げ
られる。前記自動車の用途としては、具体的には、自動
車エンジンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィ
ルター用のシーリング材;イグナイタHICもしくは自
動車用ハイブリッドIC用のポッティング材;自動車ボ
ディ、自動車用窓ガラスもしくはエンジンコントロール
基板用のコーティング材;またはオイルパンのガスケッ
ト、タイミングベルトカバーのガスケット、モール、ヘ
ッドランプレンズ、サンルーフシールもしくはミラー用
の接着剤の用途が挙げられる。
【0026】前記船舶の用途としては、具体的には、配
線接続分岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリン
グ材;または電線もしくはガラス用の接着剤の用途が挙
げられる。前記土木・建築の用途としては、たとえば商
業用ビルのガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サ
ッシとの間のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくは
ショーケースにおける内装目地、バスタブ周り目地、プ
レハブ住宅用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地
に使用される建材用シーラント;複層ガラス用シーリン
グ材;道路の補修に用いられる土木用シーラント;金
属、ガラス、石材、スレート、コンクリートもしくは瓦
用の塗料・接着剤;または粘着シート、防水シートもし
くは防振シートの用途に用いられる。
【0027】前記医療の用途としては、たとえばあ医薬
用ゴム栓、シリンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム
栓用のシール材料が挙げられる。前記レジャーの用途と
しては、たとえばスイミングキャップ、ダイビングマス
クもしくは耳栓用のスイミング部材;またはスポーツシ
ューズもしくは野球グローブ用のゲル緩衝部材が挙げら
れる。
【0028】本発明に係るシーリング材、ポッティング
材、コーティング材、および接着剤は、前記一般式[II
I] で表わされる加水分解性シリル基を含有する、主鎖
に実質的に不飽和二重結合を含まない有機重合体(D)
と、前記一般式[V]で表わされるシラン化合物の単独
あるいは複数からなる部分加水分解縮合物で、加水分解
性メトキシシリル基を有する、数平均分子量が250〜
2,500のシラン化合物の部分加水分解縮合物(B)
と、硬化触媒(C)とを含有してなる架橋可能なゴム組
成物からなることを特徴としている。
【0029】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る常温硬化性ゴ
ム組成物およびその用途について具体的に説明する。本
発明に係る常温硬化性ゴム組成物は、シリル基含有エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム(A)と、シラン化合物の部分加水分解縮合物
(B)と、必要に応じて硬化触媒(C)とを含有してな
る。
【0030】[シリル基含有エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)]本発明
で用いられるシリル基含有エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、下記一
般式[III] で表わされる加水分解性シリル基を含有し
ており、特定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A0)に、特定のケイ素化合
物をハイドロシリレーション反応(ヒドロシリル化反
応)させることなどにより得ることができる。
【0031】
【化25】
【0032】一般式[III]において、Rは、非置換ま
たは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基であ
り、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水
素基であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアル
キル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これら
の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ
素原子等のハロゲン原子などで置換した基が挙げられ
る。
【0033】また、Xは、ハイドライド基(−H)、ハ
ロゲン基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシ
メート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メ
ルカプト基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基、
またはアミノ基である。ハロゲン基、アルコキシル基、
アシルオキシ基、ケトキシメート基、酸アミド基および
チオアルコキシ基の具体例は、後述する一般式[IV]中
のXにおけるこれらの基の具体例と同じ基が挙げられ
る。
【0034】aは0、1または2の整数であり、好まし
くは0または1である。エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A0)は、エチレンと、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエ
ンとのランダム共重合体である。
【0035】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オ
クテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセ
ン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、
1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エ
イコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセ
ン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中
でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好まし
く、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ンなどが好ましく用いられる。
【0036】これらのα- オレフィンは、単独で、ある
いは2種以上組み合わせて用いられる。本発明で用いら
れる非共役ポリエンは、下記の一般式[I]または[I
I]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物
である。
【0037】
【化26】
【0038】一般式[I]において、nは0ないし10
の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜1
0のアルキル基であり、R1の炭素原子数1〜10のア
ルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペ
ンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基などが挙げられる。
【0039】R2は水素原子または炭素原子数1〜5の
アルキル基である。R2の炭素原子数1〜5のアルキル
基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原
子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0040】
【化27】
【0041】一般式[II]において、R3は水素原子ま
たは炭素原子数1〜10のアルキル基である。R3のア
ルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具
体例と同じアルキル基を挙げることができる。上記一般
式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物
としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、
5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテ
ニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノル
ボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボル
ネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5-
ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペン
テニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボ
ルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボ
ルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボ
ルネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノ
ルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロ
ペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノル
ボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-
(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニ
ル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボ
ルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単
独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0042】上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル
-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損
なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用する
こともできる。このような非共役ポリエンとしては、具
体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘ
キサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチ
ル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテ
トラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、
5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-
ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロ
ロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボ
ルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。
【0043】上記のような諸成分からなるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A0)は、以下のような特性を有している。 (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とのモル比(エチレン/α- オレフィン) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)は、(a)エチレンで導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下単に
α- オレフィンということがある)から導かれる単位と
を、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜9
0/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、
特に好ましくは60/40〜80/20のモル比
[(a)/(b)]で含有している。
【0044】このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老
化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒
性および加工性に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴ
ム組成物が得られる。 (ii)ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)のヨウ素価は、0.5〜50(g/100
g)、好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましく
は1〜30(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/1
00g)である。
【0045】このヨウ素価が上記範囲内にあると、加水
分解性シリル基を目的とする含有量に調整でき、耐圧縮
永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老
化性)に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物
が得られる。ヨウ素価が50を超えると、コスト的に不
利になるので好ましくない。 (iii) 極限粘度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)の135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]は、0.001〜2dl/g、好ましくは
0.01〜2dl/g、さらに好ましくは0.05〜
1.0dl/g、より好ましくは0.05〜0.7dl
/g、特に好ましくは0.1〜0.5dl/gであるこ
とが望ましい。
【0046】この極限粘度[η]が上記範囲内にある
と、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れた架橋ゴム
成形体を提供することができ、流動性に優れたゴム組成
物が得られる。 (iv)分子量分布(Mw/Mn) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)のGPCにより測定した分子量分布
(Mw/Mn)は、3〜100、好ましくは3.3〜7
5、さらに好ましくは3.5〜50である。
【0047】この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲
内にあると、加工性に優れるとともに、強度特性に優れ
た架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A0)は、下記化合物
(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在
下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重合
圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/c
2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比
(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件
で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[I]または[II]で表わされる末端ビ
ニル基含有ノルボルネン化合物とをランダム共重合する
ことにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行な
うのが好ましい。(H)VO(OR)n3-n(式中、R
は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0
または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジ
ウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子である)
で表わされるバナジウム化合物。
【0048】上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重
合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的
には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd
(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦
3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c
+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこ
れらの電子供与体付加物を代表例として挙げることがで
きる。
【0049】より具体的には、VOCl3、VO(OC2
5)Cl2、VO(OC252Cl、VO(O−iso-
37)Cl2、VO(O−n-C49)Cl2、VO(O
253、VOBr3、VCl4、VOCl3、VO(O
−n-C493、VCl3・2OC612OHなどを例示
することができる。 (I)R'mAlX'3-m (R’は炭化水素基であり、
X’はハロゲン原子であり、 mは1〜3である)で表
わされる有機アルミニウム化合物。
【0050】上記有機アルミニウム化合物(I)として
は、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルア
ルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエ
トキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のア
ルキルアルミニウムセスキアルコキシド;R1 0.5Al
(OR10.5などで表わされる平均組成を有する部分的
にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアル
ミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルア
ルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド
等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハ
ロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミ
ニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジ
アルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化された
アルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシク
ロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル
アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキ
シ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなど
を挙げることができる。
【0051】本発明において、上記化合物(H)のう
ち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物
と、上記化合物(I)のうち、Al(OC252Cl
/Al2(OC253Cl3のブレンド物(ブレンド比
は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックス
レー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メ
ッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A0)が得られるので好ましい。
【0052】また、上記共重合の際に使用する触媒とし
て、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−405
86号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても
差し支えない。ケイ素化合物 本発明で用いられるケイ素化合物は、下記一般式[IV]
で表わされる。
【0053】
【化28】
【0054】一般式[IV]において、Rは、非置換また
は置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、好まし
くは脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基であ
り、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フ
ェニル基、トリル基等のアリール基、これらの炭素原子
に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子等の
ハロゲン原子などで置換した基が挙げられる。
【0055】また、Xは、ハイドライド基(−H)、ハ
ロゲン基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシ
メート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メ
ルカプト基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基、
またはアミノ基である。ハロゲン基としては、たとえ
ば、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられる。
【0056】アルコキシル基としては、たとえば、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、プロポキシブトキ
シ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキ
シ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル
オキシ基、フェノキシ基、などが挙げられる。アシルオ
キシ基としては、たとえば、アセトキシ基、ベンゾイル
オキシ基などが挙げられる。
【0057】ケトキシメート基としては、たとえば、ア
セトキシメート基、ジメチルケトキシメート基、ジメチ
ルケトキシメート基、シクロヘキシルメート基などが挙
げられる。アミド基としては、たとえば、ジメチルアミ
ド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチ
ルアミド基、ジフェニルアミド基などが挙げられる。
【0058】酸アミド基としては、たとえば、カルボン
酸アミド基、マレイン酸アミド基、アクリル酸アミド
基、イタコン酸アミド基などが挙げられる。チオアルコ
キシ基としては、たとえば、チオメトキシ基、チオエト
キシ基、チオプロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チ
オイソブトキシ基、sec-チオブトキシ基、tert-チオブ
トキシ基、チオペンチルオキシ基、チオヘキシルオキシ
基、チオフェノキシ基などが挙げられる。
【0059】アミノ基としては、たとえば、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブ
チルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
これらの中では、アルコキシル基、特に炭素原子数1〜
4のアルコキシル基が好ましい。上記一般式[IV]にお
けるaは0、1または2の整数であり、好ましくは0ま
たは1である。
【0060】上記一般式[IV]で表わされるケイ素化合
物としては、具体的には、トリクロロシラン、メチルジ
クロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロ
シラン、ジエチルクロロシラン、フェニルジクロロシラ
ン、ジフェニルクロロシラン等のハロゲン化シラン類;
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメ
トキシシラン、エチルジメトキシシラン、ブチルジメト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジエトキ
シシラン、ブチルエトキシシラン、フェニルジメトキシ
シラン等のアルコキシシラン類;トリアセトキシシラ
ン、メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシ
シラン等のアシロキシシラン類;トリス(アセトキシメ
ート)シラン、ビス(ジメチルケトキシメート)メチル
シラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシ
ラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシ
ラン等のケトキシメートシラン類;アミノキシシラン、
トリアミノキシシラン等のアミノオキシシラン類;メチ
ルジアミノシラン、トリアミノシラン等のアミノシラン
類などが挙げられる。これらの中では、特にアルコキシ
シラン類が望ましい。
【0061】上記一般式[IV]で表わされるケイ素化合
物は、上記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体ゴム(A0)中の二重結合1モル当た
り、0.01〜5モル、好ましくは0.05〜3モルと
することが好ましい。ハイドロシリレーション反応は、
遷移金属錯体の触媒を使用して行なう。このような触媒
としては、たとえば白金、ロジウム、コバルト、パラジ
ウムおよびニッケルから選ばれるVIII族遷移金属錯体
化合物が有効に使用される。これらの中では、特に塩化
白金酸、白金オレフィン錯体のような白金系触媒が好ま
しい。この場合、触媒の使用量は触媒量であるが、好ま
しくは反応物(エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A0)に対して、金属単位と
して0.1〜10000ppm、好ましくは1〜100
0ppm、特に好ましくは20〜200ppmである。
このハイドロシリレーション反応の好適な温度は30〜
180℃、好ましくは60〜150℃である。また、こ
のハイドロシリレーション反応は、必要に応じて加圧下
で行なうことができる。反応時間は10秒〜10時間程
度である。
【0062】なお、この反応では、溶剤は使用してもし
なくてもよいが、使用する場合はエーテル類、炭化水素
類のような不活性溶剤が好ましい。本発明においては、
上記ハイドロシリレーション反応により、エチレン・α
-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A0)中の二重結合に、上記一般式[IV]で表わされる
ケイ素化合物のSiH基が付加した、下記のような加水
分解性シリル基含有のエチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られる。
【0063】
【化29】
【0064】
【化30】
【0065】なお、上記一般式[IV]で表わされる加水
分解性シリル基含有化合物とともに、下記式で表わされ
る片末端水素変性シロキサンを付加させて、シロキサン
の特徴である耐候性、滑り性、ガス透過性を付与するこ
とも可能である。
【0066】
【化31】
【0067】(式中、R1は、一般式[IV]におけるR
と同様、非置換または置換の炭素原子数1〜12の1価
炭化水素基であり、特にアルキル基であることが好まし
い。また、mは5〜200の整数であり、特に10〜1
50の整数が好ましい。) [シラン化合物の部分加水分解縮合物(B)]本発明で用
いられるシラン化合物の部分加水分解縮合物(B)とし
ては、具体的には、メチルシリケート、メチルトリメト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシル
トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ- アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ- メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ- アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β- アミノ
エチル-γ-プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジ
メトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニル
メチルジメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラ
ン等のシラン化合物の部分加水分解縮合物で、その数平
均分子量(Mn)が250〜2,500のものが挙げら
れる。
【0068】このような部分加水分解縮合物(B)は、
シラン化合物を単独または複数混合し、必要量のH2
を加え、また必要に応じて塩酸、硫酸等の縮合触媒を少
量加え、常温〜100℃生成するメタノールを除去しな
がら縮合を進めることにより容易に得られる。メチルシ
リケートの部分加水分解縮合物でメトキシシリル基を含
有する化合物としては、たとえば日本コルコート社のメ
チルシリケート47、メチルシリケート51、メチルシ
リケート55、メチルシリケート58、メチルシリケー
ト60が挙げられる。
【0069】また、メチルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン等の部分加水分解縮合物でメトキシ
シリル基を含有する化合物としては、信越化学工業
(株)のAFP−1、AFR−2、AFP−6、信越化
学工業(株)のKR213、KR217、KR921
8、東芝シリコーン(株)のTSR165、TR335
7、日本ユニカー(株)のY−1587、FZ−370
1、FZ−3704等が挙げられる。
【0070】[硬化触媒(C)]本発明で用いられる硬化
触媒(C)としては、具体的には、ジブチルスズジラウ
レート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラ
ウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズ
等の有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフフェー
ト、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェー
ト、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシ
ルホスフェート等のリン酸およびまたはリン酸エステ
ル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シク
ロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グ
リシドール、アリルグリシジルエーテル、γ- グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ- グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ- グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、
【0071】
【化32】
【0072】カーデコラE[商品名;油化シエル(株)
製]、エピコート828 [商品名;油化シエル(株)製]
あるいはエピコート1001[商品名;油化シエル(株)
製]等のエポキシ化合物と、リン酸またはモノ酸性リン
酸エステルとの付加反応物;モノ[β- ヒドロキシエチ
ルメタクリレート]アシッドホスフェート、KAYAMER PM
−1、KAYAMER PM−2またはKAYAMER PM-21[商品名;日
本化薬(株)製]、あるいはグリシジルメタクリレート
とリン酸との反応物のような分子内に酸性リン酸エステ
ル基と重合性二重結合を併せ持つ化合物とビニルモノマ
ーとの共重合から得られる数平均分子量1,000〜3
0,000の酸性リン酸エステル基を含有する共重合
体;アルキルチタン酸塩;有機アルミニウム;マレイン
酸パラトルエンスルホン酸等の酸性化合物;ヘキシルア
ミン、ジ-2- エチルヘキシルアミン、N,N-ジメチルドデ
シルアミンあるいはドデシルアミン等のアミン類;水酸
化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のアルカリ性化
合物などが挙げられる。
【0073】これらの硬化触媒(C)は、添加しなくと
も硬化を進めることはできるが、硬化を速やかに進めた
い場合には1種単独で、あるいは2種以上組み合わせで
用いることができる。 [組成割合]上述したシリル基含有エチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、
シラン化合物の部分加水分解縮合物(B)および硬化触
媒(C)の混合比は、好ましくは(A):(B):
(C)=100:0.1〜100:0.5〜20(重量
比)、さらに好ましくは(A):(B):(C)=10
0:0.5〜20:0.5〜10(重量比)である。
【0074】シラン化合物の部分加水分解縮合物(B)
を用いたときの塗膜の基材への密着性改良効果は、低分
子量の加水分解性シラン化合物(B)がシリル基含有エ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重
合体ゴム(A)の網目構造に組み込まれることに起因し
ていると考えられる。 [その他の成分]本発明に係る常温硬化性ゴム組成物に
は、脱水剤は用いても用いなくてもよいが、長期にわた
る安定性、繰り返し使用しても問題のない安定性を確保
するために脱水剤を用いる事ができる。
【0075】脱水剤としては、具体的には、オルト蟻酸
メチル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト
酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ- メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、メチルシリケート、エチルシリケート等の加
水分解性エステル化合物が挙げられる。これらの加水分
解性エステル化合物は、シリル基含有エチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
の重合時に、加えても、重合後に加えてもよい。
【0076】また、本発明に係る常温硬化性ゴム組成物
には、必要に応じて、沈降防止剤、レベリング剤等の添
加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレ
ート等の繊維素;アルキド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化プロピレン樹脂、塩化ゴム、ポリビニ
ルブチラール等の樹脂;接着性改良剤;物性調整剤;保
存安定性改良剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;紫外線
吸収剤;金属不活性化剤;オゾン劣化防止剤;光安定
剤;アミン系ラジカル連鎖禁止剤;リン系過酸化物分解
剤;滑剤;顔料;発泡剤等の各種添加剤を、本発明の目
的を損なわない範囲で、配合することができる。
【0077】接着性改良剤としては、一般に用いられて
いる接着剤やアミノシラン化合物、エポキシシラン化合
物等のシランカップリング剤、その他の化合物を用いる
ことができる。このような接着性改良剤の具体例として
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、γ- アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、クマロン−インデン樹
脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、
α- メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエ
チルメチルスチレン、アルキルチタネート類、芳香族ポ
リイソシアネートなどが挙げられる。接着性改良剤を配
合する場合、その配合量は、シリル基含有エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、1〜50重量部程度が好
ましく、5〜30重量部程度がより好ましい。
【0078】保存安定性改良剤としては、たとえばケイ
素原子に加水分解性基が結合した化合物やオルト有機酸
エステル等を挙げることができる。このような保存安定
性改良剤の具体例としては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシラン、
エチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、トリメチルイソブトキシシラン、トリメチル(n-ブ
トキシ)シラン、n-ブチルトリメトキシシランやオルト
蟻酸メチル等を挙げることができる。
【0079】保存安定性改良剤を配合する場合、その配
合量としては、シリル基含有エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重
量部に対して、0.5〜20重量部程度が好ましく、1
〜10重量部程度がより好ましい。可塑剤も特に限定さ
れるものではなく、通常用いられる可塑剤がいずれも使
用できるが、本発明に係るゴム組成物に配合される各種
成分と相溶性のよいものが好ましい。
【0080】このような可塑剤としては、具体的には、
ポリブテン、水添ポリブテン、エチレン・α- オレフィ
ンコオリゴマー、α-メチルスチレンオリゴマー、ビフ
ェニル、トリフェニル、トリアリールジメタン、アルキ
レントリフェニル、液状ポリブタジエン、水添液状ポリ
ブタジエン、アルキルジフェニル、部分水素添加ターフ
ェニル、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリ
プロピレン等の炭化水素系化合物類;塩化パラフィン
類;ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ
(2-エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタ
レート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル
酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバ
ケート等の非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレング
リコールベンゾエート、トリエチレングリコールジベン
ゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等
のリン酸エステル類などが挙げられる。これらの中で
は、特に飽和炭化水素系化合物類が好ましい。これら
は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0081】これらの中で不飽和基を有さない炭化水素
系化合物類(具体的には水添ポリブテン、水添液状ポリ
ブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチック
ポリプロピレン等)が、本発明に係るゴム組成物に配合
される各種成分との相溶性が良好であり、またゴム組成
物の硬化速度への影響が小さく、しかも、得られる硬化
物の耐候性が良好となり、かつ安価なため好ましい。
【0082】これらの可塑剤は、前記エチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A0
に加水分解性シリル基を導入する際に、反応温度の調
節、反応系の粘度の調節などの目的で溶剤の代わりに用
いてもよい。可塑剤を配合する場合、その配合量は、加
水分解性シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に
対して、10〜500重量部程度が好ましく、20〜3
00重量部程度がより好ましい。
【0083】上記充填剤の具体例としては、たとえば木
粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭
素繊維、マイカ、クルミ殻粉、グラファイト、珪藻土、
白土、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水珪酸、カー
ボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化
チタン、炭酸マグネシウム、石英、アルミニウム微粉
末、フリント粉末、亜鉛末などが挙げられる。これらの
充填剤のうちでは沈降性シリカ、ヒュームシリカ、カー
ボンブラック等のチキソトロピック性を有する充填剤
や、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好まし
い。充填剤を配合する場合、その配合量は、シリル基含
有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム
共重合体ゴム(A)100重量部に対して、10〜50
0重量部程度が好ましく、20〜300重量部程度がよ
り好ましい。
【0084】上記老化防止剤としては、通常用いられて
いる公知の老化防止剤、たとえばイオウ系老化防止剤、
ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。イオ
ウ系老化防止剤としては、たとえばメルカプタン類、メ
ルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や
ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド
類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウ
レア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チ
オアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メ
ルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオア
ミド類、スルホキシド類などが挙げられる。
【0085】このようなイオウ系老化防止剤の具体例と
しては、メルカプタン類である2-メルカプトンベンゾチ
アゾール;メルカプタンの塩類である2-メルカプトベン
ゾチアゾールの亜鉛塩;スルフィド類である4,4'- チオ
- ビス(3-メチル-6-t- ブチルフェノール)、4,4'- チ
オ- ビス(2-メチル-6-t- ブチルフェノール)、2,2'-
チオ- ビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)、ビス
(3-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルベンジル)スル
フィド、テレフタロイルジ(2,6-ジ- メチル-4-t- ブチ
ル-3- ヒドロキシベンジルスルフィド、フェノチアジ
ン、2,2'- チオ- ビス(4-オクチルフェノール)ニッケ
ル、ジラウリルチオジプロピオネイト、ジステアリルチ
オジプロピオネイト、ジミリスチルチオジプロピオネイ
ト、ジトリデシルチオジプロピオネイト、ジステアリル
β,β'- チオジブチレイト、ラウリル−ステアリルチオ
ジプロピオネイト、2,2-チオ[ジエチル- ビス-3(3,5-
ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェノール)プロピオネイ
ト〕;ポリスルフィド類である2-ベンゾチアゾールジス
ルフィド;ジチオカルボン酸塩類であるチンクジブチル
ジチオカルバメイト、チンクジエチルジチオカルバメイ
ト、ニッケルジブチルジチオカルバメイト、チンクジ-n
-ブチルジチオカルバメイト、ジブチルアンモニウムジ
ブチルジチオカルバメイト、チンクエチル−フェニル−
ジチオカルバメイト、チンクジメチルカルバメイト;チ
オウレア類である1-ブチル-3- オキシ- ジエチレン-2-
チオウレア、ジ-o-トリル−チオウレア、エチレンチオ
ウレア;チオホスフェイト類であるトリラウリルトリチ
オホスフェイトなどを挙げることができる。
【0086】このようなイオウ系老化防止剤は、他の老
化防止剤に比べて本発明に係る硬化性ゴム組成物に用い
た場合、主鎖の熱による分解劣化を大幅に防止すること
ができ、表面タック(ベトツキ)の発生などを防止する
ことができる。上記ラジカル禁止剤としては、たとえば
2,2-メチレン- ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェ
ノール系ラジカル禁止剤や、フェニル-β-ナフチルアミ
ン、α- ナフチルアミン、N,N'-sec- ブチル-p- フェニ
レンジアミン、フェノチアジン、N,N'- ジフェニル-p-
フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤などが
挙げられる。
【0087】上記紫外線吸収剤としては、たとえば2-
(2'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリ
ジン)セバケートなどが挙げられる。上記老化防止剤を
配合する場合、その配合量は、シリル基含有エチレン・
α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部程度
が好ましく、1〜10重量部程度がより好ましい。
【0088】常温硬化性ゴム組成物およびその用途 本発明に係る常温硬化性ゴム組成物は、以上詳述したよ
うな加水分解性シリル基含有のエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムを(A)成分
とする硬化性組成物を含めて、次のような硬化性組成
物、すなわち、前記一般式[III]で表わされる加水分解
性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合
を含まない有機重合体(E)と、前記一般式[V]で表
わされるシラン化合物の単独あるいは複数からなる部分
加水分解縮合物で、加水分解性メトキシシリル基を有す
る、数平均分子量が250〜2,500のシラン化合物
の部分加水分解縮合物(B)と、硬化触媒(C)とを含
有してなる常温硬化性組成物は、電気・電子部品、輸送
機、土木・建築、医療またはレジャーの用途などに好適
に用いられる。
【0089】電気・電子部品の用途としては、具体的に
は、重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板
のシーリング材、ポッティング材、コーティング材もし
くは接着材;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の
絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;または
ゲルもしくはコンデンサの封入材などが挙げられる。上
記シーリング材は、たとえば冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、
ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン、漏電ブ
レーカー用のシール材として好適に用いられる。
【0090】上記ポッティング材は、たとえばトランス
高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トラ
ンス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池
またはテレビ用フライバックトランスをポッティングす
るために好適に用いられる。上記コーティング材は、た
とえば高電圧用厚膜抵抗器もしくはハイブリッドIC等
の各種回路素子;HIC、電気絶縁部品;半導電部品;
導電部品;モジュール;印刷回路;セラミック基板;ダ
イオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤー
等のバッファー材;半導電体素子;または光通信用オプ
ティカルファイバーをコーティングするために好適に用
いられる。
【0091】上記接着剤は、たとえばブラウン管ウェッ
ジ、ネック、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品
を接着するために好適に用いられる。上記輸送機の用途
としては、自動車、船舶、航空機または鉄道車輛の用途
がある。自動車の用途としては、たとえば自動車エンジ
ンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィルターの
シーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイ
ブリッドICのポッティング材;自動車ボディ、自動車
用窓ガラス、エンジンコントロール基板のコーティング
材;またはオイルパンもしくはタイミングベルトカバー
等のガスケット、モール、ヘッドランプレンズ、サンル
ーフシール、ミラー用の接着剤などが挙げられる。
【0092】船舶の用途としては、たとえば配線接続分
岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリング材;電
線もしくはガラス用の接着剤などが挙げられる。上記の
土木建築の用途としては、たとえば商業用ビルのガラス
スクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間のガラ
ス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケース等に
おける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅用の
外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用される建
材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路の補
修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、石
材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接着
剤;または粘着シート、防水シートもしくは防振シート
などが挙げられる。
【0093】上記の医療の用途としては、たとえば医薬
用ゴム栓、シリンジガスケット、減圧血管用ゴム栓など
が挙げられる。上記のレジャーの用途としては、たとえ
ばスイミングキャップ、ダイビングマスク、耳栓等のス
イミング部材;スポーツシューズ、野球グローブ等のゲ
ル緩衝部材などが挙げられる。
【0094】本発明に係る常温硬化性ゴム組成物は、電
気・電子部品、輸送機、土木建築、レジャー等の用途に
おいて、シーリング材(シール材)、ポッティング材、
コーティング材、接着剤として好適に用いることができ
る。
【0095】
【発明の効果】本発明に係る常温硬化性組成物は、シリ
ル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンラ
ンダム共重合体ゴム(A)または加水分解性シリル基を
含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合を含まない有
機重合体(E)と、シラン化合物の部分加水分解縮合物
(B)と、硬化触媒(C)とを含有しているので、硬化
速度が速く、耐候性に優れ、しかも、各種被着体に対す
る密着性に著しく優れている。
【0096】本発明に係る常温硬化性ゴム組成物は、塗
料、接着剤、コーティング剤、シーラント、バインダー
等の用途、とりわけ自動車補修用塗料等の用途において
特に有用である。
【0097】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお実施例、比較例で用いた共重合体ゴムの組成、
ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/Mn)
は、次のような方法で測定ないし求めた。 (1)共重合体ゴムの組成 共重合体ゴムの組成は13C−NMR法で測定した。 (2)共重合体ゴムのヨウ素価 共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。 (3)極限粘度[η] 共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135℃デカリン中
で測定した。 (4)分子量分布(Mw/Mn) 共重合体ゴムの分子量分布は、GPCにより求めた重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)で表わした。GPCには、カラムに東ソー
(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒
にはオルソジクロロベンゼンを用いた。
【0098】また実施例、比較例で行なった促進耐候試
験は、下記の方法に従って行なった。 [促進耐候試験]JIS B−7753に準拠して、サ
ンシャイン・カーボンアーク・ウェザロメーターを用
い、耐候性試験を行なった。
【0099】<試験条件> 照射・降雨サイクル:120分照射/18分降雨 ブラックパネル温度:63±2℃ 槽内温度:40±2℃ 照射時間:500時間
【0100】
【製造例1】[シリル基含有エチレン・プロピレン・5-
ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−
1)の製造]攪拌羽根を備えた実質内容積100リット
ルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)
を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2
- ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部
より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを
2.5kg、プロピレンを4.0kg、5-ビニル-2- ノ
ルボルネンを380gの速度で、また、水素を700リ
ットル、触媒としてVO(OEt)2Cl を45ミリモ
ル、Al(Et)1.5Cl1.5 を315ミリモルの 速
度で連続的に供給した。
【0101】以上に述べたような条件で共重合反応を行
なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボル
ネンランダム共重合体ゴム(A0−1)が均一な溶液状態
で得られた。その後、重合器下部から連続的に抜き出し
た重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を
停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶
媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行な
った。
【0102】上記のようにして得られたエチレン・プロ
ピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴ
ム(A0−1)は、エチレン含量が68モル%であり、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.2d
l/gであり、ヨウ素価(IV)が10(g/100g)で
あり、Mw/Mnが15であった。上記のようにして得
られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネ
ンランダム共重合体ゴム(A0−1)100gに、2%塩
化白金酸のトルエン溶液0.3gを加え、メチルジメト
キシシラン1.5gを仕込み、120℃で2時間反応さ
せた。反応後、過剰のメチルジメトキシシランと溶剤
(トルエン)を留去したところ、ジメトキシメチルシリ
ル基(−SiCH3(OCH32)を含有するエチレン
・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重
合体ゴム(A−1)101.5gが得られた。
【0103】
【製造例2】[シリル基含有ビニル重合体(1)の製
造]撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下ロート、冷却
管を備えた反応器にキシレン340gを仕込み、110
℃に加熱する。次に、スチレン140g、ブチルアクリ
レート166g、メチルメタクリレート467g、ステ
アリルメタクリレート100g、γ- メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン117g、N-メチロールアク
リルアミド10g、γ- メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン30g、アゾビスイソブチロニトリル30gを
溶かした溶液を反応器に3時間連続追加した。モノマー
追加終了後、別に用意したアゾビスイソブチロニトリル
3gをトルエン200gに溶かした溶液を更に1時間に
わたつて追加し、更に1時間後重合を行ない、シリル基
含有ビニル樹脂(1)を得た。
【0104】得られたシリル基含有ビニル重合体(1)
樹脂溶液の不揮発性成分の濃度は、65%であった。ま
た、GPC法による数平均分子量(Mn)は4,400
であった。
【0105】
【製造例3】[エポキシ化合物と酸性リン酸エステルと
の反応物の製造]撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下
ロート、冷却管を備えた反応器にMP−4(大八化学
(株)製モノブチルホスフエート:酸価670)を50
g取り、撹拌、窒素雰囲気下でγ- グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン70.5gを徐々に滴下した。発
熱が認められなくなった時点で更に80℃で1時間加熱
し、反応を進めた。冷却後、オルト酢酸メチル12g、
メタノール12g、キシレン96.5g加え、有効成分
濃度50%の硬化触媒溶液を得た。これを硬化触媒1と
する。
【0106】
【製造例4】[酸性リン酸エステル基含有共重合体の製
造]撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下ロート、冷却
管を備えた反応器にイソプロパノール170g、酢酸ブ
チル170gを仕込み、110℃に加熱した。次に、ス
チレン200g、ブチルアクリレート300g、メチル
メタクリレート380g、MR−200(大八化学社
製、α- アシッドホスホキシエチルメタクリレート)1
00g、アクリル酸20g、アゾビスイソブチロニトリ
ル30gを溶かした溶液を反応器に3時間連続追加し
た。モノマー追加終了後、別に用意したアゾビスイソブ
チロニトリル3gを酢酸ブチル200gに溶かした溶液
を更に1時間にわたって追加し、更に1時間後重合を行
なった後、イソプロパノール350gを加え、酸性リン
酸エステル基含有共重合体(樹脂固形分濃度50%)を
得た。これを硬化触媒2とする。
【0107】
【実施例1〜7、比較例1〜15】製造例1で得られた
シリル基含有エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノル
ボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)、または製造
例2で得られたシリル基含有ビニル重合体(1)、シラ
ン化合物の部分加水分解縮合物(B)、硬化触媒(C)
を第1表および第2表に示した組成で配合し、更にキシ
レンで塗装粘度に希釈し塗料化した。
【0108】熱硬化性樹脂塗膜は、磨き軟鋼板を#24
0研摩し、更に2液型ウレタンサーフェーサー[イサム
塗料(株)製 ハイプラサフ2C]を塗装し、乾燥後#4
00研摩した。その上にマジクロンMK−77[商品
名;メラミンアクリル樹脂クリアー塗料、関西ペイント
(株)製]を塗装し、150℃で30分間焼き付けを行
ない、中目コンパウンド処理したものを下地として用い
た。
【0109】上記の塗料を熱硬化性樹脂塗膜上に常法に
よりスプレー塗装した。これを60℃で30分強制乾燥
させ、室温で7日間放置して硬化塗膜を得た。密着性
は、2mm幅の碁盤目をナイフで切り、その上にセロフ
ァンテープを張り付けた後、剥離を行い、塗膜の状態を
目視で観察し、評価した。その後、試験片をブリスター
ボツクス(50℃、98%RH)に3日間入れ、再度密
着性評価を行なった。なお、密着性の評価は、日本塗料
検査協会の密着性評価基準に従って行なった。10点は
塗膜の剥離が認められず、0点は塗膜の全面剥離を基準
とした。
【0110】また、硬化速度の評価を次の方法で行なっ
た。すなわち、硬化性組成物(原材料)をモールド(2
0×80×5mm)内に満たし、23℃、50%RHの
条件で24時間養生した。次いで、上記のようにして得
られた硬化物を剥がし、硬化した部分の厚みを、スプリ
ング力の弱いダイヤルゲージで0.1mm単位まで測定
した。その測定した厚みが2mm以上である場合は◎、
1.0〜1.9mmである場合は△、0.9mm以下で
ある場合は×で硬化速度の評価を表した。
【0111】これらの結果を第1表および第2表に示
す。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08L 43/02 4J100 C08L 43/02 83/04 83/04 C09D 183/04 C09D 183/04 C09J 7/02 Z C09J 7/02 183/04 183/04 C09K 3/10 G C09K 3/10 Z C08K 5/54 (72)発明者 菊 地 義 治 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 有 野 恭 巨 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 永 井 三津子 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 坂 口 博 英 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 菅 原 正 紀 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 岸 正 夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 上 野 薫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 阿 部 孝 司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 関 根 道 夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4H017 AA03 AA31 AB07 AB08 AB17 AC01 AC05 AD03 AD05 AD06 AE03 AE04 AE05 4J002 BB151 BB201 BG073 BL021 CP032 CP092 CP102 CP152 CP162 CP171 DH026 EL026 EL036 EL056 EW046 EX066 EZ046 FD010 FD020 FD030 FD050 FD143 FD146 FD200 FD340 GB00 GH01 GJ02 GL00 GN00 GQ00 GQ01 GQ05 4J004 AA02 AA05 AA11 AA17 AB04 FA05 FA09 4J038 CB141 DL031 GA15 JC26 JC30 JC34 KA03 KA04 NA03 NA12 PB01 PB07 PB09 PB11 PC02 PC03 PC04 4J040 DA151 EK031 GA31 HD25 HD32 KA16 KA17 LA06 LA07 MA02 MA04 MA05 MA06 MB09 MB13 NA02 NA05 NA12 NA15 NA19 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q AS15R BA71H CA05 CA31 DA04 DA09 DA31 HA37 HA55 HA61 HB29 HC79 HC90 HC91 JA01 JA03 JA28 JA43 JA44 JA46 JA67

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非共役ポリエンである下記一般式[I]ま
    たは[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基
    含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有し、
    かつ分子中に下記一般式[III]で表わされる加水分解
    性シリル基を含有するシリル基含有エチレン・α- オレ
    フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
    と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化1】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、 硬化触媒(C)とからなることを特徴とする常温硬化性
    組成物; 【化2】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化3】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]、 【化4】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  2. 【請求項2】前記シラン化合物の部分加水分解縮合物
    (B)が、メチルオルトシリケートの部分加水分解縮合
    物であることを特徴とする請求項1に記載の常温硬化性
    組成物。
  3. 【請求項3】前記シラン化合物の部分加水分解縮合物
    (B)が、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の常温硬化
    性組成物。
  4. 【請求項4】前記シラン化合物の部分加水分解縮合物
    (B)が、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
    ンを一成分として含む部分加水分解縮合物であることを
    特徴とする請求項1に記載の常温硬化性組成物。
  5. 【請求項5】前記硬化触媒(C)が、下記の一般式 【化5】 [式中、R7は、炭素原子数1〜20の1価のアルキル
    基、アリール基またはアラルキル基であり、n’は1〜
    3の整数である。]で表わされるリン酸および/または
    酸性リン酸エステルであることを特徴とする請求項1に
    記載の常温硬化性ゴム組成物。
  6. 【請求項6】前記硬化触媒(C)が、リン酸および/ま
    たは酸性リン酸エステルと、エポキシ化合物との付加反
    応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の常温
    硬化性ゴム組成物。
  7. 【請求項7】前記硬化触媒(C)が、下記の一般式 【化6】 [これらの式において、R3は、炭素原子数1〜20の
    1価のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であ
    り、 R4は、水素またはメチル基であり、 R5は、炭素原子数1〜10のアルキレン基、アラルキ
    ル基、アリーレン基、または 【化7】 である。]で表わされる酸性リン酸エステル基を有する
    (メタ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合
    体であり、その数平均分子量(Mn)が1,000〜3
    0,000であることを特徴とする請求項1に記載の常
    温硬化性ゴム組成物。
  8. 【請求項8】前記硬化触媒(C)が、リン酸および/ま
    たは酸性リン酸エステルと、エポキシシランとの付加反
    応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の常温
    硬化性ゴム組成物。
  9. 【請求項9】前記硬化触媒(C)が、リン酸および/ま
    たは酸性リン酸エステルと、γ- グリシドキシプロピル
    トリメトキシシランとの付加反応生成物であることを特
    徴とする請求項1に記載の常温硬化性ゴム組成物。
  10. 【請求項10】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(D)と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化8】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、 硬化触媒(C)とを含有してなる架橋可能なゴム組成物
    であって、 電気・電子部品、輸送機、土木・建築、医療またはレジ
    ャーの用途に用いられることを特徴とする常温硬化性ゴ
    ム組成物; 【化9】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、aは0、1または2の整数である]。
  11. 【請求項11】前記電気・電子部品の用途が、重電部
    品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板のシーリン
    グ材、ポッティング材、コーティング材もしくは接着
    剤;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の絶縁シー
    ル材;OA機器用ロール;振動吸収剤;またはゲルもし
    くはコンデンサの封入材であることを特徴とする請求項
    10に記載のゴム組成物。
  12. 【請求項12】前記シーリング材が、冷蔵庫、冷凍庫、
    洗濯機、ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン
    または漏電ブレーカー用のシール材として用いられるこ
    とを特徴とする請求項11に記載のゴム組成物。
  13. 【請求項13】前記ポッティング材が、トランス高圧回
    路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、
    電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池または
    テレビ用フライバックトランスをポッティングするため
    に用いられることを特徴とする請求項11に記載のゴム
    組成物。
  14. 【請求項14】前記コーティング材が、高電圧用厚膜抵
    抗器もしくはハイブリッドICの回路素子;HIC;電
    気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュール;印刷
    回路;セラミック基板;ダイオード、トランジスタもし
    くはボンディングワイヤーのバッファー材;半導電体素
    子;または光通信用オプティカルファイバーをコーティ
    ングするために用いられることを特徴とする請求項11
    に記載のゴム組成物。
  15. 【請求項15】前記接着剤が、ブラウン管ウェッジ、ネ
    ック、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品を接着
    するために用いられることを特徴とする請求項11に記
    載のゴム組成物。
  16. 【請求項16】前記輸送機の用途が、自動車、船舶、航
    空機または鉄道車輛の用途であることを特徴とする請求
    項10に記載のゴム組成物。
  17. 【請求項17】前記自動車の用途が、自動車エンジンの
    ガスケット、電装部品もしくはオイルフィルター用のシ
    ーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイブ
    リッドIC用のポッティング材;自動車ボディ、自動車
    用窓ガラスもしくはエンジンコントロール基板用のコー
    ティング材;またはオイルパンのガスケット、タイミン
    グベルトカバーのガスケット、モール、ヘッドランプレ
    ンズ、サンルーフシールもしくはミラー用の接着剤であ
    ることを特徴とする請求項16に記載のゴム組成物。
  18. 【請求項18】前記船舶の用途が、配線接続分岐箱、電
    気系統部品もしくは電線用のシーリング材;または電線
    もしくはガラス用の接着剤であることを特徴とする請求
    項16に記載のゴム組成物。
  19. 【請求項19】前記土木・建築の用途が、商業用ビルの
    ガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間
    のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケー
    スにおける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅
    用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用され
    る建材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路
    の補修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、
    石材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接
    着剤;または粘着シート、防水シートもしくは防振シー
    トに用いられることを特徴とする請求項10に記載のゴ
    ム組成物。
  20. 【請求項20】前記医療の用途が、医薬用ゴム栓、シリ
    ンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム栓用のシール材
    料であることを特徴とする請求項10に記載のゴム組成
    物。
  21. 【請求項21】前記レジャーの用途が、スイミングキャ
    ップ、ダイビングマスクもしくは耳栓用のスイミング部
    材;またはスポーツシューズもしくは野球グローブ用の
    ゲル緩衝部材であることを特徴とする請求項10に記載
    のゴム組成物。
  22. 【請求項22】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(D)と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化10】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、 硬化触媒(C)とを含有してなる架橋可能なゴム組成物
    からなることを特徴とするシーリング材; 【化11】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  23. 【請求項23】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(D)と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化12】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、 硬化触媒(C)とを含有してなる架橋可能なゴム組成物
    からなることを特徴とするポッティング材; 【化13】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  24. 【請求項24】下記一般式[III] で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(D)と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化14】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、 硬化触媒(C)とを含有してなる架橋可能なゴム組成物
    からなることを特徴とするコーティング材; 【化15】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  25. 【請求項25】下記一般式[III] で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(D)と、 下記一般式[V] R1 nSi(OCH34-n ・・・[V] [式中、R1は、炭素原子数1〜30のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、 【化16】 HS(CH22CH2−、H2N(CH2)2NH(CH2)2
    2−、CH2=CH−CO−O(CH2)2CH2−、CH2
    =CH−CH=C(CH3)−CO−O(CH2)2CH2−を
    示し、nは0〜3の整数を示す]で表わされるシラン化
    合物の単独あるいは複数からなる部分加水分解縮合物
    で、加水分解性メトキシシリル基を有する、数平均分子
    量が250〜2,500のシラン化合物の部分加水分解
    縮合物(B)と、硬化触媒(C)とを含有してなる架橋
    可能なゴム組成物からなることを特徴とする接着剤; 【化17】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
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