JP2002037942A - 硬化性弾性組成物およびその用途 - Google Patents

硬化性弾性組成物およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の硬化性弾性組成物は、特定の末端
ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位
を有し、かつ分子中に特定の加水分解性シリル基を含有
するシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)と、分子内に1個の
シラノール基を有する化合物および/または水分と反応
して分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成
し得る化合物(B)とからなる。 【効果】上記組成物は、硬化物の伸びや表面の残留タッ
クの改善するとともに、硬化速度が速く、耐候性に優れ
る硬化物を形成することができる。この組成物は、接着
剤、粘着剤、塗料、密封材(シーリング材)、防水材、
吹き付け材、型取り用材料、注型ゴム材料等の用途に好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、湿気により硬化し、引張
り物性およぴ表面特性の改善されたゴム状弾性体となる
新規な重合体もしくは重合体組成物およびその用途に関
し、さらに詳しくは、分子中に加水分解性シリル基を有
するシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴムと、分予内に1個のシラノ
ール基(≡SiOH)を有する化合物、およぴ/または
水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有する化
合物を生成し得る化合物とを混合、溶解してなる組成
物、もしくは両者を予め反応させて該シリル基含有エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴムの加水分解性シリル基含有量を調節する方法に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】分子内に少くとも1個の反応性シ
リコン官能基を有するプロピレンオキシド系重合体の製
造方法は、後述するように、数多く混察され、既に工業
的に生産されているものもあるが、たとえば鐘淵化学工
業(株)から製造販売されている、主鎖がポリオキシプ
ロピレンで末端にメトキシシリル官能基が結合した有機
重合体(商品名:MSポリマー)のように、硬化物の伸
びや表面の残留タック(ベトつき)が、その配合組成や
使用条件の影響により、用途によっては充分でなかっ
た。
【0003】そこで、本願発明者らは、上記プロピレン
オキシド系重合体に代わるポリマーを開発し、硬化物の
伸びや表面の残留タック(ベトつき)の改善するととも
に、硬化速度が速く、耐候性に優れる硬化物を形成し得
る組成物について鋭意研究し、特定の末端ビニル基含有
ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有し、かつ
分子中に特定の加水分解性シリル基を含有するシリル基
含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴムと、分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物および/または水分と反応して分子内に1個の
シラノール基を有する化合物を生成し得る化合物とから
なる組成物が、硬化速度が速く、耐候性に優れる硬化物
を形成し得ること、およびその硬化物の伸びや表面の残
留タック(ベトつき)が改善されていることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0004】なお、特開昭61−34066号公報に
は、分子内に少なくとも1個の反応性シリコン官能基を
有するプロピレンオキシド系重合体と、分子内に1個の
シラノール基を有する化合物、および/または水分と反
応して分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生
成し得る化合物とからなることを特徴とする引張り特性
の改善された組成物が記載されている。また、特開昭6
1−34067号公報には、分子内に少なくとも1個の
反応性シリコン官能基を有する有機ビニル系重合体と、
分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物を生成し得る化合物とからなることを特徴とす
る硬化性弾性組成物が記載されている。
【0005】しかしながら、これらの公報には、特定の
末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成
単位を有し、かつ分子中に特定の加水分解性シリル基を
含有するシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴムについては何ら記載さ
れていない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、硬化物の伸びや表面の残留タ
ックの改善するとともに、硬化速度が速く、耐候性に優
れる硬化物を形成し得る硬化性弾性組成物(硬化性ゴム
組成物)およびその用途を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る硬化性弾性組成物は、非共
役ポリエンである下記一般式[I]または[II]で表わ
される少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン
化合物から導かれる構成単位を有し、かつ分子中に下記
一般式[III]で表わされる加水分解性シリル基を含有す
るシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)と、分子内に1個のシ
ラノール基を有する化合物および/または水分と反応し
て分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し
得る化合物(B)とからなることを特徴としている。
【0008】
【化9】
【0009】[式中、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基である。]
【0010】
【化10】
【0011】[式中、R3は水素原子または炭素原子数
1〜10のアルキル基である。]
【0012】
【化11】
【0013】[式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価
炭化水素基であり、Xはハイドライド基、ハロゲン基、
アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、
アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基およびアミ
ノ基から選ばれる加水分解性基であり、aは0、1また
は2の整数である。] この組成物で用いられる、水分と反応して分子内に1個
のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物とし
ては、(CH3)3Si−NH−Si(CH3)3が特に好まし
い。
【0014】本発明に係る硬化性弾性組成物は、上記の
成分(A)と成分(B)とを含有していればよく、たと
えば前記シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、分子内に1
個のシラノール基を有する化合物および/または水分と
反応して分子内に1個のシラノール基を有する化合物を
生成し得る化合物(B)とを予め反応させて、シリル基
含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)の加水分解性シリル基の含有量を
減少させたシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を含有す組成
物であってもよい。この組成物で用いられる、水分と反
応して分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生
成し得る化合物としては、(CH3)3Si−NH−Si
(CH3)3が特に好ましい。
【0015】本発明に係る他の硬化性弾性組成物は、前
記一般式[III]で表わされる加水分解性シリル基を含
有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合を含まない有機
重合体(C)と、分子内に1個のシラノール基を有する
化合物および/または水分と反応して分子内に1個のシ
ラノール基を有する化合物を生成し得る化合物(B)と
からなる架橋可能なゴム組成物であって、電気・電子部
品、輸送機、土木・建築、医療またはレジャーの用途に
用いられることを特徴としている。
【0016】前記電気・電子部品の用途としては、たと
えば重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板
のシーリング材、ポッティング材、コーティング材もし
くは接着剤;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の
絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;または
ゲルもしくはコンデンサの封入材が挙げられる。前記シ
ーリング材は、たとえば冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ガス
メーター、電子レンジ、スチームアイロンまたは漏電ブ
レーカー用のシール材として用いられる。
【0017】前記ポッティング材は、たとえばトランス
高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トラ
ンス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池
またはテレビ用フライバックトランスをポッティングす
るために用いられる。前記コーティング材は、高電圧用
厚膜抵抗器もしくはハイブリッドICの回路素子;HI
C;電気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュー
ル;印刷回路;セラミック基板;ダイオード、トランジ
スタもしくはボンディングワイヤーのバッファー材;半
導電体素子;または光通信用オプティカルファイバーを
コーティングするために用いられる。
【0018】前記接着剤は、ブラウン管ウェッジ、ネッ
ク、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品を接着す
るために用いられる。前記輸送機の用途としては、たと
えば自動車、船舶、航空機または鉄道車輛の用途が挙げ
られる。前記自動車の用途としては、具体的には、自動
車エンジンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィ
ルター用のシーリング材;イグナイタHICもしくは自
動車用ハイブリッドIC用のポッティング材;自動車ボ
ディ、自動車用窓ガラスもしくはエンジンコントロール
基板用のコーティング材;またはオイルパンのガスケッ
ト、タイミングベルトカバーのガスケット、モール、ヘ
ッドランプレンズ、サンルーフシールもしくはミラー用
の接着剤の用途が挙げられる。
【0019】前記船舶の用途としては、具体的には、配
線接続分岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリン
グ材;または電線もしくはガラス用の接着剤の用途が挙
げられる。前記土木・建築の用途としては、たとえば商
業用ビルのガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サ
ッシとの間のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくは
ショーケースにおける内装目地、バスタブ周り目地、プ
レハブ住宅用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地
に使用される建材用シーラント;複層ガラス用シーリン
グ材;道路の補修に用いられる土木用シーラント;金
属、ガラス、石材、スレート、コンクリートもしくは瓦
用の塗料・接着剤;または粘着シート、防水シートもし
くは防振シートの用途に用いられる。
【0020】前記医療の用途としては、たとえばあ医薬
用ゴム栓、シリンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム
栓用のシール材料が挙げられる。前記レジャーの用途と
しては、たとえばスイミングキャップ、ダイビングマス
クもしくは耳栓用のスイミング部材;またはスポーツシ
ューズもしくは野球グローブ用のゲル緩衝部材が挙げら
れる。
【0021】本発明に係るシーリング材、ポッティング
材、コーティング材、および接着剤は、前記一般式[II
I]で表わされる加水分解性シリル基を含有する、主鎖
に実質的に不飽和二重結合を含まない有機重合体(C)
と、分子内に1個のシラノール基を有する化合物および
/または水分と反応して分子内に1個のシラノール基を
有する化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋
可能なゴム組成物からなることを特徴としている。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る硬化性弾性組
成物およびその用途について具体的に説明する。本発明
に係る硬化性弾性組成物は、シリル基含有エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)と、分子内に1個のシラノール基を有する化合物
および/または水分と反応して分子内に1個のシラノー
ル基を有する化合物を生成し得る化合物(B)とからな
る。
【0023】[シリル基含有エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)]本発明
で用いられるシリル基含有エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、下記一
般式[III]で表わされる加水分解性シリル基を含有し
ており、特定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A0)に、特定のケイ素化合
物をハイドロシリレーション反応(ヒドロシリル化反
応)させることなどにより得ることができる。
【0024】
【化12】
【0025】一般式[III]において、Rは、非置換ま
たは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基であ
り、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水
素基であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアル
キル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これら
の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ
素原子等のハロゲン原子などで置換した基が挙げられ
る。
【0026】また、Xは、ハイドライド基(−H)、ハ
ロゲン基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシ
メート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メ
ルカプト基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基、
またはアミノ基である。ハロゲン基、アルコキシル基、
アシルオキシ基、ケトキシメート基、酸アミド基および
チオアルコキシ基の具体例は、後述する一般式[IV]中
のXにおけるこれらの基の具体例と同じ基が挙げられ
る。
【0027】aは0、1または2の整数であり、好まし
くは0または1である。エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A0)は、エチレンと、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエ
ンとのランダム共重合体である。
【0028】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オ
クテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセ
ン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、
1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エ
イコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセ
ン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中
でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好まし
く、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ンなどが好ましく用いられる。
【0029】これらのα- オレフィンは、単独で、ある
いは2種以上組み合わせて用いられる。本発明で用いら
れる非共役ポリエンは、下記の一般式[I]または[I
I]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物
である。
【0030】
【化13】
【0031】一般式[I]において、nは0ないし10
の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜1
0のアルキル基であり、R1の炭素原子数1〜10のア
ルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペ
ンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基などが挙げられる。
【0032】R2は水素原子または炭素原子数1〜5の
アルキル基である。R2の炭素原子数1〜5のアルキル
基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原
子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0033】
【化14】
【0034】一般式[II]において、R3は水素原子ま
たは炭素原子数1〜10のアルキル基である。R3のア
ルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具
体例と同じアルキル基を挙げることができる。上記一般
式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物
としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、
5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテ
ニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノル
ボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボル
ネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5-
ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペン
テニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボ
ルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボ
ルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボ
ルネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノ
ルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロ
ペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノル
ボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-
(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニ
ル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボ
ルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単
独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0035】上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル
-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損
なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用する
こともできる。このような非共役ポリエンとしては、具
体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘ
キサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチ
ル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテ
トラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、
5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-
ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロ
ロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボ
ルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。
【0036】上記のような諸成分からなるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A0)は、以下のような特性を有している。 (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とのモル比(エチレン/α- オレフィン) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)は、(a)エチレンで導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下単に
α- オレフィンということがある)から導かれる単位と
を、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜9
0/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、
特に好ましくは60/40〜80/20のモル比
[(a)/(b)]で含有している。
【0037】このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老
化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒
性および加工性に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴ
ム組成物が得られる。 (ii)ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)のヨウ素価は、0.5〜50(g/100
g)、好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましく
は1〜30(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/1
00g)である。
【0038】このヨウ素価が上記範囲内にあると、加水
分解性シリル基を目的とする含有量に調整でき、耐圧縮
永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老
化性)に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物
が得られる。ヨウ素価が50を超えると、コスト的に不
利になるので好ましくない。 (iii) 極限粘度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)の135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]は、0.001〜2dl/g、好ましくは
0.01〜2dl/g、さらに好ましくは0.05〜1
dl/g、より好ましくは0.05〜0.7dl/g、
特に好ましくは0.1〜0.5dl/gであることが望
ましい。
【0039】この極限粘度[η]が上記範囲内にある
と、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れた架橋ゴム
成形体を提供できる、流動性に優れたゴム組成物が得ら
れる。 (iv)分子量分布(Mw/Mn) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A0)のGPCにより測定した分子量分布
(Mw/Mn)は、3〜100、好ましくは3.3〜7
5、さらに好ましくは3.5〜50である。
【0040】この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲
内にあると、加工性に優れるとともに、強度特性に優れ
た架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A0)は、下記化合物
(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在
下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重合
圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/c
2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比
(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件
で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[I]または[II]で表わされる末端ビ
ニル基含有ノルボルネン化合物とをランダム共重合する
ことにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行な
うのが好ましい。(H)VO(OR)n3-n(式中、R
は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0
または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジ
ウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子である)
で表わされるバナジウム化合物。
【0041】上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重
合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的
には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd
(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦
3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c
+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこ
れらの電子供与体付加物を代表例として挙げることがで
きる。
【0042】より具体的には、VOCl3、VO(OC2
5)Cl2、VO(OC252Cl、VO(O−iso-
37)Cl2、VO(O−n-C49)Cl2、VO(O
253、VOBr3、VCl4、VOCl3、VO(O
−n-C493、VCl3・2OC612OHなどを例示
することができる。(I)R'mAlX'3-m(R’は炭化
水素基であり、X’はハロゲン原子であり、mは1〜3
である)で表わされる有機アルミニウム化合物。
【0043】上記有機アルミニウム化合物(I)として
は、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルア
ルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエ
トキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のア
ルキルアルミニウムセスキアルコキシド;R1 0.5Al
(OR10.5などで表わされる平均組成を有する部分的
にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアル
ミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルア
ルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド
等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハ
ロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミ
ニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジ
アルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化された
アルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシク
ロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル
アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキ
シ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなど
を挙げることができる。
【0044】本発明において、上記化合物(H)のう
ち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物
と、上記化合物(I)のうち、Al(OC252Cl
/Al2(OC253Cl3のブレンド物(ブレンド比
は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックス
レー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メ
ッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A0)が得られるので好ましい。
【0045】また、上記共重合の際に使用する触媒とし
て、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−405
86号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても
差し支えない。ケイ素化合物 本発明で用いられるケイ素化合物は、下記一般式[IV]
で表わされる。
【0046】
【化15】
【0047】一般式[IV]において、Rは、非置換また
は置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、好まし
くは脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基であ
り、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フ
ェニル基、トリル基等のアリール基、これらの炭素原子
に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子等の
ハロゲン原子などで置換した基が挙げられる。
【0048】また、Xは、ハイドライド基(−H)、ハ
ロゲン基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシ
メート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メ
ルカプト基、アルケニルオキシ基、チオアルコキシ基、
またはアミノ基である。ハロゲン基としては、たとえ
ば、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられる。
【0049】アルコキシル基としては、たとえば、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、プロポキシブトキ
シ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキ
シ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル
オキシ基、フェノキシ基、などが挙げられる。アシルオ
キシ基としては、たとえば、アセトキシ基、ベンゾイル
オキシ基などが挙げられる。
【0050】ケトキシメート基としては、たとえば、ア
セトキシメート基、ジメチルケトキシメート基、ジメチ
ルケトキシメート基、シクロヘキシルメート基などが挙
げられる。アミド基としては、たとえば、ジメチルアミ
ド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチ
ルアミド基、ジフェニルアミド基などが挙げられる。
【0051】酸アミド基としては、たとえば、カルボン
酸アミド基、マレイン酸アミド基、アクリル酸アミド
基、イタコン酸アミド基などが挙げられる。チオアルコ
キシ基としては、たとえば、チオメトキシ基、チオエト
キシ基、チオプロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チ
オイソブトキシ基、sec-チオブトキシ基、tert-チオブ
トキシ基、チオペンチルオキシ基、チオヘキシルオキシ
基、チオフェノキシ基などが挙げられる。
【0052】アミノ基としては、たとえば、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブ
チルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
これらの中では、アルコキシル基、特に炭素原子数1〜
4のアルコキシル基が好ましい。上記一般式[IV]にお
けるaは0、1または2の整数であり、好ましくは0ま
たは1である。
【0053】上記一般式[IV]で表わされるケイ素化合
物としては、具体的には、トリクロロシラン、メチルジ
クロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロ
シラン、ジエチルクロロシラン、フェニルジクロロシラ
ン、ジフェニルクロロシラン等のハロゲン化シラン類;
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメ
トキシシラン、エチルジメトキシシラン、ブチルジメト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジエトキ
シシラン、ブチルエトキシシラン、フェニルジメトキシ
シラン等のアルコキシシラン類;トリアセトキシシラ
ン、メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシ
シラン等のアシロキシシラン類;トリス(アセトキシメ
ート)シラン、ビス(ジメチルケトキシメート)メチル
シラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシ
ラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシ
ラン等のケトキシメートシラン類;アミノキシシラン、
トリアミノキシシラン等のアミノオキシシラン類;メチ
ルジアミノシラン、トリアミノシラン等のアミノシラン
類などが挙げられる。これらの中では、特にアルコキシ
シラン類が望ましい。
【0054】上記一般式[IV]で表わされるケイ素化合
物は、上記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体ゴム(A0)中の二重結合1モル当た
り、0.01〜5モル、好ましくは0.05〜3モルと
することが好ましい。ハイドロシリレーション反応は、
遷移金属錯体の触媒を使用して行なう。このような触媒
としては、たとえば白金、ロジウム、コバルト、パラジ
ウムおよびニッケルから選ばれるVIII族遷移金属錯体
化合物が有効に使用される。これらの中では、特に塩化
白金酸、白金オレフィン錯体のような白金系触媒が好ま
しい。この場合、触媒の使用量は触媒量であるが、好ま
しくは反応物(エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A0)に対して、金属単位と
して0.1〜10,000ppm、好ましくは1〜10
00ppm、特に好ましくは20〜200ppmであ
る。このハイドロシリレーション反応の好適な温度は3
0〜180℃、好ましくは60〜150℃である。ま
た、このハイドロシリレーション反応は、必要に応じて
加圧下で行なうことができる。反応時間は10秒〜10
時間程度である。
【0055】なお、この反応では、溶剤は使用してもし
なくてもよいが、使用する場合はエーテル類、炭化水素
類のような不活性溶剤が好ましい。本発明においては、
上記ハイドロシリレーション反応により、エチレン・α
-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A0)中の二重結合に、上記一般式[IV]で表わされる
ケイ素化合物のSiH基が付加した、下記のような加水
分解性シリル基含有のエチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られる。
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】なお、上記一般式[IV]で表わされる加水
分解性シリル基含有化合物とともに、下記式で表わされ
る片末端水素変性シロキサンを付加させて、シロキサン
の特徴である耐候性、滑り性、ガス透過性を付与するこ
とも可能である。
【0059】
【化18】
【0060】(式中、R1は、一般式[IV]におけるR
と同様、非置換または置換の炭素原子数1〜12の1価
炭化水素基であり、特にアルキル基であることが好まし
い。また、mは5〜200の整数であり、特に10〜1
50の整数が好ましい。) [分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/
または水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有
する化合物を生成し得る化合物(B)] 本発明で用いられる分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物としては、≡SiOH基を分子中に1個有する
化合物であれば、特に制限はなく、使用することができ
る。具体的には、(CH33SiOH、(CH3CH2
3SiOH、(CH3CH2CH23SiOH、(n-C4
93SiOH、(sec-C493SiOH、(t-C
493SiOH、(C5113SiOH、(C613
3SiOH、(C653SiOH、(C652Si(C
3)(OH)、(C65)Si(CH32(OH)、(C
652Si(C25)(OH)、(C65)Si(C
252(OH)、C65−CH2Si(C252(O
H)、
【0061】
【化19】
【0062】などのような一般式R3SiOH(式中、R
は同一または異種の置換もしくは非置換のアルキル基ま
たはアリール基)で表わすことができる化合物;
【0063】
【化20】
【0064】
【化21】
【0065】などのようなシラノール墓を含有する環状
ポリシロキサン化含物;
【0066】
【化22】
【0067】などのようなシラノール基を含有する鎖状
ポリシロキサン化合物;
【0068】
【化23】
【0069】などのような主鎖がケイ素、炭素からなる
ポリマー末端にシラノール基が結合した化合物;
【0070】
【化24】
【0071】などのようなポリシラン主鎖末端にシラノ
ール基が結合した化合物;
【0072】
【化25】
【0073】などのような主鎖がケイ素、炭素、酸素か
らなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物な
どが例示できる。 ≡SiOH基含量の高いもの程、同一添加量では効果が
大きく、(CH3)3SiOH、(CH3CH23SiOHな
どが好ましく、また取扱い易さ、空気中での安定性から
は、(C653SiOH、(C652Si(CH3)(O
H)、(C65)Si(CH32(OH)が好ましい。
【0074】本発明で用いられる水分と反応して分子内
に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合
物としては、いわゆるシリル化剤として知られている、
(CH3)3Si−NH−Si(CH3)3、(CH3)3SiN(C
3)2、(CH3)3SiO−C(CH3)(NSi(C
3)3)、
【0075】
【化26】
【0076】(CH3)3Si−NH−CO−NH−Si(C
3)3
【0077】
【化27】
【0078】CF3−SO2−OSi(CH3)3等が好適に
使用できるが、加水分解生成物の含≡SiOH含量から
は、(CH3)3Si−NH−Si(CH3)3が特に好まし
い。これらの化合物(B)が硬化物の引張り物性の改
善、すなわち低モジュラス・高伸び化に効果があり、ま
た残留タックの改善にも効果があるのは、これらのシリ
コン化合物または、加水分解して生成するシラノール化
合物が、シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)中の加水分解性
シリル基と反応し、キャッピングすることにより、この
シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)硬化物の架橋点の数が滅
少し、架橋点間分子量が増大し、結果として低モジュラ
ス・高伸ぴ化が達成されるものと考えられる。残留タッ
クが改善される理由については明らかではないが、本発
明では、架橋点間の分子量が大きくなりモジュラスが低
下するため、架橋に関与しないフリーの分子鎖・枝は少
なく、そのために残留タックが少なくなっているとも考
えられる。
【0079】これらの化合物(B)の添加量は、硬化物
の期待物性により変量できる。このシリル基含有エチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A)中の加水分解性シリル基のモル数に対し、シ
ラノール当量(≡SiOH)で計算し、添加量を決定す
ればよく、低モジュラス・高伸ぴ化を目的とする場合に
は、通常は加水分解性シリル基のモル数に対し、シラノ
ール基当量で0.1〜0.9倍になるように化合物
(B)の添加量が決定される。ただし、化合物(B)に
よりキャップされずに残る加水分解性シリル基の数が少
くとも分子内に0.1個は残るように考慮されねばなら
ない。シラノール基当量で0.9倍を超えて使用するこ
とも可能であるが、経済性からみて有利でない。特にシ
ラノール基当量に対し、0.3倍モル以上、好ましくは
0.5倍モル以上使用した組成物は、充分に硬化せず、
未硬化状態になる場合がある。しかしながら、驚くべき
ことには、この未硬化物の表面の薄層部分は充分に硬化
が進み、完全にタックフリーの状態となる。すなわち、
表面部分は完全に硬化するが、内部が未硬化状態の半硬
化物が得られる。この組成物は、たとえばシーリング材
のような用途には、いわゆる、マスチック型シーラント
として好適に使用することが可能である。
【0080】上記化合物(B)の添加方法については、
大きく分けて3通りある。一つは、この化合物(B)を
シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)に単に添加する方法であ
り、化合物(B)の性状等必要に応じて、加熱撹拌条件
等を工夫し、均一に分散、溶解させてやればよい。この
場合、完全に均一透明な状態にする必要はなく、不透明
な状態であっても、充分、分散していれば目的は達せさ
れる。また必要に応じて、分散性改良剤、たとえば界面
活性剤等を併用することも可能である。
【0081】二番目の方法としては、最終製品を便用す
る際に化合物(B)を所定量添加混合する方法であり、
たとえば2成分型のシーリング材として使用するような
場合、基剤と硬化剤の外に第三成分として化合物(B)
を混合し使用することができる。三番目の方法は、化含
物(B)を予めシリル基含有エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と反応さ
せてしまうもので、必要に応じて、錫系、チタン酸エス
テル系、酸または塩基性触媒を併用し、また水分により
シラノール基の含有する化合物を生成する化合物の場合
は必要量の水も添加し、減圧下、加熱脱揮することによ
り目的が達せられる。
【0082】ここにおいて使用できる触媒としては、具
体的には、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチ
タネート等のチタン製エステル類;ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテー
ト、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オ
クチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ノプロビルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリ
ン、N-メチルモルホリン、1,3-ジアザビシクロ(5.4.6)
ウンデセン-7(DBU)等のアミン系化合物あるいはそ
れらのカルボン酸等の塩;過剰のポリアミンと多塩基酸
より得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミ
ンとエポキシ化合物との反応生成物;アミノ基を有する
シランカップリング剤、たとえばγ- アミノプロピルト
リメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン等のシラノール縮合触媒な
どが挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよい
し、2種以上併用することも可能である。
【0083】このようにして得られる本発明に係る硬化
性弾性組成物は、必要に応じてホワイトカーボン、カー
ボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、
石綿、ガラス繊維等のような補強性または非補強性の充
填剤や可塑剤およぴ酸化防止剤、紫外線吸収剤剤、顔
料、難燃剤等の各種添加剤を混入することにより、接着
剤や粘着剤、塗料、密封材組成物、防水材、吹き付け
材、型取り用材料および注型ゴム材料等として有用に使
用することができる。なかでも、密封材組成物と粘着剤
組成物への応用は、特に有用である。
【0084】本発明に係る硬化性弾性体組成物をシーリ
ング材に使用する場合には、必要に応じて可塑剤、充填
剤、補強剤、垂れ防止剤、着色剤、老化防止剤、接着促
進剤、硬化触媒、物性調整剤などを配合し得る。可塑剤
としては、物性の調節、性状の調節などの目的により、
ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エ
チルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エ
ステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケー
ト等の非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコ
ールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾ
エート等のポリアルキレングリコールのエステル類;ト
リクレジルホスフェート、トリブチルホスフェエート等
のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;ポリブテン、
水添ポリブテン、エチレン・α- オレフィンオリゴマ
ー、α- メチルスチレンオリゴマー、ビフェニル、トリ
フェニル、トリアリールジメタン、アルキレントリフェ
ニル、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、
アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、パラフィ
ン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン等の炭
化水素系油などを単独または2種以上混含して使用する
ことができるが、必ずしも必要とするものではない。
【0085】これらの中で不飽和基を有さない炭化水素
系化合物類(具体的には水添ポリブテン、水添液状ポリ
ブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチック
ポリプロピレン等)が、本発明に係る組成物に配合され
る各種成分との相溶性が良好であり、またゴム組成物の
硬化速度への影響が小さく、しかも得られる硬化物の耐
候性が良好となり、かつ安価なため好ましい。
【0086】なお、これらの可塑剤は、エチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A0)に加水分解性シリル基を導入する際に、反応温度
の調節、反応系の粘度の調節等の目的で溶剤の代わりに
用いてもよい。充填剤、補強剤としては、重質および軽
質炭酸カルシウム;脂肪酸、樹脂酸、陽イオン界面活性
剤、陰イオン界面活性剤などで表面処理を行なった炭酸
カルシウム;炭酸マグネシウム;タルク;酸化チタン;
硫酸バリウム;アルミナ;アルミニウム、亜鉛、鉄など
の金属粉;ベントナイト;カオリンクレー;ヒュームド
シリカ;石英粉;カーボンブラックなどの通常のものを
1種または2種以上用いる。特にヒュームドシリカなど
透明性を与える充填剤、補強剤を用いると透明性に優れ
たシーリング材を作ることも可能である。
【0087】垂れ防止材としては、水添ヒマシ油誘導
体;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸バリウムなどの金属石ケン類などが挙
げられるが、使用目的または充填剤、補強剤の配合によ
っては不要な場合がある。着色剤としては、必要に応じ
通常の無機、有機顔料、染料などが使用できる。物性調
整剤としては、各種シランカップリング剤、たとえばメ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシ
ラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソ
プロペノキシシラン、メテルトリイソプロペノキシシラ
ン、γ- グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキ
シシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン類;γ-
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ- グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ- ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ- メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ- メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアル
コキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン
類などが必要じ応じて添加される。
【0088】上記のような物性調整剤を用いることによ
り、本発明に係る硬化性弾性組成物を硬化させたときの
硬度を上げたり、硬度を下げ伸びを出したりし得る。接
着促進剤は、シリル基含有エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)自体がガラ
ス、ガラス以外のセラミック類、金属などに対し接着性
を有し、また各種プライマーを用いれば広範囲な材科に
対し接着させることが可能であるので必ずしも必要では
ないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、各種シランカ
ップリング剤、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソ
シアネートなどを1種または2種以上用いることによ
り、さらに多種類の被着体に対しても接着性を改善する
ことができる。
【0089】硬化触媒としては、テトラブチルチタネー
ト、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル
類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、
ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫
などの有機錫化合物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オ
クチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、才レイル
アミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベン
ジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレ
ンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフ
ェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、1,
3-ジアザビシクロ(5.4.6)ウンデセン-7(DBU)など
のアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸などの
塩;過剰のポリアミンと多塩基酸より得られる低分子量
ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物と
の反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング
剤、たとえばγ- アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シランなどの公知のシラノール縮合触媒1種または2種
以上を必要に応じて用いればよい。なお、作業性の改
善、粘度の低下などの目的で溶剤を配合してもよく、た
とえばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソ
ルブなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン
系溶剤が挙げられる。それらの溶剤は、シリル基含有エ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重
合体ゴム(A)製造時に用いてもよい。
【0090】老化防止剤は、特に添加することを要しな
いが、たとえば通常の酸化防止剤、挙げられる。イオウ
系老化防止剤としては、たとえばメルカプタン類、メル
カプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類やヒ
ンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド
類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウ
レア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チ
オアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メ
ルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオア
ミド類、スルホキシド類などが挙げられる。
【0091】このようなイオウ系老化防止剤の具体例と
しては、メルカプタン類である2-メルカプトンベンゾチ
アゾール;メルカプタンの塩類である2-メルカプトベン
ゾチアゾールの亜鉛塩;スルフィド類である4,4'- チオ
- ビス(3-メチル-6-t- ブチルフェノール)、4,4'- チ
オ- ビス(2-メチル-6-t- ブチルフェノール)、2,2'-
チオ- ビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)、ビス
(3-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルベンジル)スル
フィド、テレフタロイルジ(2,6-ジ- メチル-4-t- ブチ
ル-3- ヒドロキシベンジルスルフィド、フェノチアジ
ン、2,2'- チオ- ビス(4-オクチルフェノール)ニッケ
ル、ジラウリルチオジプロピオネイト、ジステアリルチ
オジプロピオネイト、ジミリスチルチオジプロピオネイ
ト、ジトリデシルチオジプロピオネイト、ジステアリル
β,β'- チオジブチレイト、ラウリル−ステアリルチオ
ジプロピオネイト、2,2-チオ[ジエチル- ビス-3(3,5-
ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェノール)プロピオネイ
ト〕;ポリスルフィド類である2-ベンゾチアゾールジス
ルフィド;ジチオカルボン酸塩類であるチンクジブチル
ジチオカルバメイト、チンクジエチルジチオカルバメイ
ト、ニッケルジブチルジチオカルバメイト、チンクジ-n
-ブチルジチオカルバメイト、ジブチルアンモニウムジ
ブチルジチオカルバメイト、チンクエチル−フェニル−
ジチオカルバメイト、チンクジメチルカルバメイト;チ
オウレア類である1-ブチル-3- オキシ- ジエチレン-2-
チオウレア、ジ-o-トリル−チオウレア、エチレンチオ
ウレア;チオホスフェイト類であるトリラウリルトリチ
オホスフェイトなどを挙げることができる。
【0092】このようなイオウ系老化防止剤は、他の老
化防止剤に比べて本発明に係る硬化性ゴム組成物に用い
た場合、主鎖の熱による分解劣化を大幅に防止すること
ができ、表面タック(ベトツキ)の発生などを防止する
ことができる。上記ラジカル禁止剤としては、たとえば
2,2-メチレン- ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェ
ノール系ラジカル禁止剤や、フェニル-β-ナフチルアミ
ン、α- ナフチルアミン、N,N'-sec- ブチル-p- フェニ
レンジアミン、フェノチアジン、N,N'- ジフェニル-p-
フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤などが
挙げられる。
【0093】上記紫外線吸収剤としては、たとえば2-
(2'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリ
ジン)セバケートなどが挙げられる。上記老化防止剤を
配合する場合、その配合量は、シリル基含有エチレン・
α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部程度
が好ましく、1〜10重量部程度がより好ましい。
【0094】かかるシーリング材組成物は、すベての配
合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気によ
り硬化する1成分型として調製してもよく、また硬化剤
として別途硬化触媒、充填剤、可塑剤、水などの成分を
予め配合しておき、該配合剤(材)とシリル基含有エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム組成物とを使用前に混合する2成分型として調製
することもできる。
【0095】前記シーリング材組成物が1成分型の場
合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含
有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、ま
たは配合混練中に減圧などにより脱水するのが好まし
い。また、前記シーリング材組成物が2成分型の場合、
シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)を含有する主剤に硬化触
媒を配合する必要がないので配含剤中には若干の水分を
含有していてもゲル化の心配は少ないが、長期間の貯蔵
安定性を必要とする場合には脱水乾燥するのが好まし
い。脱水、乾燥方法としては粉状などの固状物の場合は
加熱乾燥法、液状物の場合は減圧脱水法または合成ゼオ
ライト、活性アルミナ、シリカゲルなどを使用した脱水
法が好適である。また、イソシアネート化合物を少量配
合してイソシアネート基と水とを反応させて脱水しても
よい。かかる脱水乾燥法に加えてメタノール、エタノー
ルなどの低級アルコール;n-プロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ- メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ- メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ- グリシドキシプロピル
トリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添
加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
【0096】本発明に係る硬化性弾性組成物を粘着剤と
して用いる場合には、必要に応じて前記シーリング材で
用いた硬化触媒、老化防止剤、可塑剤、補強剤、物性調
整剤、溶剤などが使用され得る。また、目的によって
は、ロジンエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹
脂、キシレンフェノール樹脂、クマロン樹脂、芳香族
系、脂肪族/芳香族共重合系およぴ脂環族系などの石油
樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、低分子
量ポリスチレン樹脂など通常の粘着剤組成物に添加され
る公知の添加剤を配合してもよい。前記粘着剤組成物
は、テープ、シート、ラベル、箔などに広く適用し得
る。すなわち、たとえば合成樹脂製または変性天然物製
のフィルム、紙、あらゆる種類の布、金属箔、金属化プ
ラスチック箔、アスベストまたはガラス機維布などの基
質材料に無溶剤液状型、溶剤型、エマルジョン型または
ホットメルト型などの形で前記粘着剤組成物を塗布し、
湿気または水分に暴露し、常温硬化または加熱硬化させ
ればよい。
【0097】硬化性弾性組成物およびその用途 本発明に係る硬化性ゴム組成物は、以上詳述したような
加水分解性シリル基含有のエチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴムを(A)成分とす
る硬化性組成物を含めて、次のような硬化性組成物、す
なわち、前記一般式[III]で表わされる加水分解性シリ
ル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合を含ま
ない有機重合体(C)と、分子内に1個のシラノール基
を有する化合物および/または水分と反応して分子内に
1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物
(B)とを含有してなる硬化性組成物は、電気・電子部
品、輸送機、土木・建築、医療またはレジャーの用途な
どに好適に用いられる。
【0098】電気・電子部品の用途としては、具体的に
は、重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板
のシーリング材、ポッティング材、コーティング材もし
くは接着材;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の
絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;または
ゲルもしくはコンデンサの封入材などが挙げられる。上
記シーリング材は、たとえば冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、
ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン、漏電ブ
レーカー用のシール材として好適に用いられる。
【0099】上記ポッティング材は、たとえばトランス
高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トラ
ンス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池
またはテレビ用フライバックトランスをポッティングす
るために好適に用いられる。上記コーティング材は、た
とえば高電圧用厚膜抵抗器もしくはハイブリッドIC等
の各種回路素子;HIC、電気絶縁部品;半導電部品;
導電部品;モジュール;印刷回路;セラミック基板;ダ
イオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤー
等のバッファー材;半導電体素子;または光通信用オプ
ティカルファイバーをコーティングするために好適に用
いられる。
【0100】上記接着剤は、たとえばブラウン管ウェッ
ジ、ネック、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品
を接着するために好適に用いられる。上記輸送機の用途
としては、自動車、船舶、航空機または鉄道車輛の用途
がある。自動車の用途としては、たとえば自動車エンジ
ンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィルターの
シーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイ
ブリッドICのポッティング材;自動車ボディ、自動車
用窓ガラス、エンジンコントロール基板のコーティング
材;またはオイルパンもしくはタイミングベルトカバー
等のガスケット、モール、ヘッドランプレンズ、サンル
ーフシール、ミラー用の接着剤などが挙げられる。
【0101】船舶の用途としては、たとえば配線接続分
岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリング材;電
線もしくはガラス用の接着剤などが挙げられる。上記の
土木建築の用途としては、たとえば商業用ビルのガラス
スクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間のガラ
ス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケース等に
おける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅用の
外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用される建
材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路の補
修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、石
材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接着
剤;または粘着シート、防水シートもしくは防振シート
などが挙げられる。
【0102】上記の医療の用途としては、たとえば医薬
用ゴム栓、シリンジガスケット、減圧血管用ゴム栓など
が挙げられる。上記のレジャーの用途としては、たとえ
ばスイミングキャップ、ダイビングマスク、耳栓等のス
イミング部材;スポーツシューズ、野球グローブ等のゲ
ル緩衝部材などが挙げられる。
【0103】本発明に係る硬化性弾性組成物は、電気・
電子部品、輸送機、土木建築、レジャー等の用途におい
て、シーリング材(シール材)、ポッティング材、コー
ティング材、接着剤として好適に用いることができる。
【0104】
【発明の効果】本発明に係る硬化性弾性組成物は、特定
のシリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)または特定の加水分解
性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合
を含まない有機重合体(E)と、分子内に1個のシラノ
ール基を有する化合物および/または水分と反応して分
子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る
化合物(B)とを含有しているので、硬化物の伸びや表
面の残留タックの改善するとともに、硬化速度が速く、
耐候性に優れる硬化物を形成することができる。
【0105】したがって、本発明に係る硬化性弾性組成
物は、接着剤、粘着剤、塗料、密封材(シーリング
材)、防水材、吹き付け材、型取り用材料、注型ゴム材
料等の用途に好適である。
【0106】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお実施例、比較例で用いた共重合体ゴムの組成、
ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/Mn)
は、次のような方法で測定ないし求めた。 (1)共重合体ゴムの組成 共重合体ゴムの組成は13C−NMR法で測定した。 (2)共重合体ゴムのヨウ素価 共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。 (3)極限粘度[η] 共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135℃デカリン中
で測定した。 (4)分子量分布(Mw/Mn) 共重合体ゴムの分子量分布は、GPCにより求めた重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)で表わした。GPCには、カラムに東ソー
(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒
にはオルソジクロロベンゼンを用いた。
【0107】また、実施例、比較例で行なった硬化速度
試験および促進耐候試験は、下記の方法に従って行なっ
た。 (1)硬化速度試験 硬化性組成物(原材料)をモールド(20×80×5m
m)内に満たし、50℃、50%RHの条件で24時間
養生した。
【0108】次いで、上記のようにして得られた硬化物
を剥がし、硬化した部分の厚みを、スプリング力の弱い
ダイヤルゲージで0.1mm単位まで測定した。その測
定した厚みが1mm以上である場合は◎、0.5〜1m
m未満である場合は△、0.5mm未満である場合は×
で硬化速度の評価を表した。 (2)促進耐候試験 JIS B−7753に準拠して、サンシャイン・カー
ボンアーク・ウェザロメーターを用い、耐候性試験を行
なった。
【0109】<試験条件> 照射・降雨サイクル:120分照射/18分降雨 ブラックパネル温度:63±2℃ 槽内温度:40±2℃ 照射時間:250時間
【0110】
【製造例】[シリル基含有エチレン・プロピレン・5-ビ
ニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)
の製造]攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルの
ステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用
いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノ
ルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より
液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを2.5
kg、プロピレンを4.0kg、5-ビニル-2- ノルボル
ネンを380gの速度で、また、水素を700リット
ル、触媒としてVO(OEt)2Clを45ミリモル、A
l(Et)1.5Cl1.5 を315ミリモルの速度で連続
的に供給した。
【0111】以上に述べたような条件で共重合反応を行
なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボル
ネンランダム共重合体ゴム(A0−1)が均一な溶液状態
で得られた。その後、重合器下部から連続的に抜き出し
た重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を
停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶
媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行な
った。
【0112】上記のようにして得られたエチレン・プロ
ピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴ
ム(A0−1)は、エチレン含量が68モル%であり、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.2d
l/gであり、ヨウ素価(IV)が10(g/100g)で
あり、Mw/Mnが15であった。上記のようにして得
られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネ
ンランダム共重合体ゴム(A0−1)100gに、2%塩
化白金酸のトルエン溶液0.3gを加え、メチルジメト
キシシラン1.5gを仕込み、120℃で2時間反応さ
せた。反応後、過剰のメチルジメトキシシランと溶剤
(トルエン)を留去したところ、ジメトキシメチルシリ
ル基(−SiCH3(OCH32)を含有するエチレン
・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重
合体ゴム(A−1)101.5gが得られた。
【0113】
【参考例1】n-ブチルアクリレート128g(1モ
ル)、ビニルトリメトキシシラン0.74g(0.00
5モル)、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン1.44g(0.008モル)を混合し、α,α'-
アゾビスイソブチロニトリル0.3gを加えて撹拌溶解
した。この混合溶液30gを乾燥窒素ガスで置換した冷
却管および滴下ロートを取付けてある300ml容量の
4口撹拌具付フラスコに入れ、油浴(80℃)で室素雰
囲気下に加熱した。数分後、重合が始まり発熱がみら
れ、内容物ば増粘した。この発熱が緩やかになってか
ら、残りの混合液を滴下ロートより徐々に滴下した。約
3時間で全量を滴下した。滴下終了15分および30分
後にα,α'-アゾビスイソブチロニトリルの20重量%
アセトン溶液を60mlずつ加え、さらに30分加熱撹
拌を続け重合反応を完了させた。得られた重合体は、無
色透明の粘ちゅう液で、23℃での粘度は890ポイ
ズ、ガスクロマトグラフ分析により残存モノマーは15
%、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)分
析法による平均分子量は21000であった。
【0114】
【参考例2〜7】下記第1表に示す成分を使用し、参考
例1と同様にして重合体を製造した。得られた重合体の
粘度、残存モノマー量、平均分子量を第1表に示す。
【0115】
【表1】
【0116】第1表中の*1:B型粘度計による。 *2:ガスクロマトグラフ分析(内部標準法)による。 *3:GPC分析による。 BA:n-ブチルアクリレート 2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート VAc:酢酸ビニル HDDA:CH2=CH−CO−O(CH2)6O−CO−
CH=CH2 TMPA:(CH2=CH−CO−O)3C−CH2CH3 NPCDA:CH2=CH−CO−OCH2−C(CH3)2
−CH2O−CO−CH=CH2 FA−731A:
【0117】
【化28】
【0118】MAPDMS:CH2=C(CH3)−CO−
O(CH2)5−Si(OCH3)2(CH3) MAPTMS:CH2=C(CH3)−CO−(CH2)5−S
i(OCH3)3 MPDMS:γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン MPTES:γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン AIBN:α,α'-アゾビスイソブチロニトリル
【0119】
【実施例1】製造例で得られたシリル基含有エチレン・
プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合
体ゴム(A−1)30gに対し、トリフェニルシラノー
ル0.43gを添加し、90℃で2時間攪拌したところ
完全に透明均一になった。これに硬化触媒としてNO9
18[ジブチルスズオキシドとジ-2- エチルヘキシルフ
タレートの2:1熱処理物、三共有機化学(株)製]
0.9gを加え、充分に撹拌混合した後、遠心脱泡(3
000rpm×10分)を行ない、ポリエチレン製の型
枠(11×8×0.3cm)に流し込んだ。室温で3
日、50℃で4日養生し硬化させたところゴム状弾性を
示す無色透明の硬化シートが得られた。
【0120】この硬化物シートからJlS−K−630
1規定の3号ダンベルを打抜き、オートグラフにて引張
速度200mm/分で引張試験を行ない、伸び破断強度
を測定した。結果を第2表に示す。表からトリフェニル
シラノールを添加することによって、引張特性が大幅に
改善され、従来伸びが不足していたアクリル系ポリマー
硬化物の高伸び化が可能になった。
【0121】
【比較例1〜23】参考例1で得られた有機重合体
(1)30gに対し、トリフェニルシラノール0.43
gを添加し、90℃で2時間攪拌したところ完全に透明
均一になった。これに硬化触媒としてNO918[ジブ
チルスズオキシドとジ-2- エチルヘキシルフタレートの
2:1熱処理物、三共有機化学(株)製]0.9gを加
え、充分に撹拌混合した後、遠心脱泡(3000rpm
×10分)を行ない、ポリエチレン製の型枠(11×8
×0.3cm)に流し込んだ。室温で3日、50℃で4
日養生し硬化させたところゴム状弾性を示す無色透明の
硬化シートが得られた。
【0122】この硬化物シートからJlS−K−630
1規定の3号ダンベルを打抜き、オートグラフにて引張
速度200mm/分で引張試験を行ない、伸び破断強度
を測定した。トリフェニルシラノールを添加しなかった
例とともに結果を第2表に示した。さらに参考例2〜7
で得られた有機重合体(2)〜(7)についても、トリ
フェニルシラノールを添加したものと添加しないものの
硬化物物性を示した。
【0123】表からトリフェニルシラノールを添加する
ことによって、引張特性が大幅に改善され、従来伸びが
不足していたアクリル系ポリマー硬化物の高伸び化が可
能になった。また、トリフェニルシラノールにかえて分
子内に2個以上のシラノール基を有する化合物を生成し
うる化合物である(CH32Si(OCH32(以下、ジ
メトキシ化合物という)、CH2=CHSi(OCH3)
3(以下、トリメトキシ化合物という)を添加した他
は、比較例1と同様に硬化物を調製し、伸びおよび破断
強度を測定した。結果を第3表(比較例8〜15)およ
び第4表(比較例16〜23)に示す。
【0124】第2表と第3表、第4表との比較から明ら
かなように、トリフェニルシラノールのようなシラノー
ル基を1個だけ有する化合物を用いた場合には、伸び率
が特異的に大きく改善されることがわかる。
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】
【実施例2〜4】トリフェニルシラノールを使用する代
りに、第5表に示した各種シラノールを製造例で製造し
たシリル基含有エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノ
ルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)に添加し、
実施例1と全く同様にして硬化物を作製し、引張試験を
行なった。結果を第5表に示す。
【0129】いずれのシラノール化合物も高伸び化が達
成されている。
【0130】
【比較例24〜26】トリフェニルシラノールを使用す
る代りに、第5表に示した各種シラノールを参考例1で
製造した有機重合体(1)に添加し、比較例1と全く同
様にして硬化物を作製し、引張試験を行なった。結果を
第5表に示す。いずれのシラノール化合物も高伸び化が
達成されている。
【0131】
【表5】
【0132】
【実施例5〜7】トリフェニルシラノールを使用する代
りに、第6表に示した水分と反応してシラノール墓を有
する化合物を生成しうる各種シリコン化合物を製造例で
製造したシリル基含有エチレン・プロピレン・5-ビニル
-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)に添
加し、実施例1と全く同様にして硬化物を作製し、引張
試験を行なった。結果を第6表に示す。
【0133】シラノール基を生成し得る各種シリコン化
合物の添加効果も、シラノール化含物の効果と同程度で
あり、従来伸びの不足していたアクリル系ポリマー硬化
物の仲びを大幅に改善することができる。
【0134】
【比較例27〜29】トリフェニルシラノールを使用す
る代りに、第6表に示した水分と反応してシラノール墓
を有する化合物を生成しうる各種シリコン化合物を参考
例1で製造した有機重合体(1)に添加し、比較例1と
全く同様にして硬化物を作製し、引張試験を行なった。
結果を第6表に示す。
【0135】シラノール基を生成し得る各種シリコン化
合物の添加効果も、シラノール化含物の効果と同程度で
あり、従来伸びの不足していたアクリル系ポリマー硬化
物の仲びを大幅に改善することができる。
【0136】
【表6】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08K 5/541 4M109 5/5445 5/5445 C09D 183/04 C09D 183/04 C09J 183/04 C09J 183/04 C09K 3/10 C09K 3/10 G Z H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 菊 地 義 治 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 有 野 恭 巨 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 永 井 三津子 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 坂 口 博 英 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 菅 原 正 紀 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 岸 正 夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 上 野 薫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 阿 部 孝 司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 関 根 道 夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4H017 AA03 AA31 AB07 AB16 AB17 AC01 AC05 AD03 AD05 AD06 AE03 AE04 AE05 4J002 BB201 EX046 EX076 GB00 GH00 GJ00 GL00 GN00 GQ00 GQ01 GQ05 4J038 CB101 CB111 CB141 DL051 DL161 DL171 GA01 GA02 GA06 GA09 GA12 GA13 GA15 JC32 JC33 JC34 JC35 JC36 KA03 PB05 PB07 PB09 PC01 PC02 PC03 PC04 4J040 DA121 DA131 DA151 EK051 EK121 EK131 GA01 GA02 GA03 GA07 GA14 GA22 GA23 GA24 GA30 GA31 HD32 HD33 HD34 HD36 HD37 JB02 KA16 MA02 MA05 MA06 NA16 NA19 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA16Q AA19Q AS15R AU21R BA71H BA77H BA78H CA05 CA31 HA61 JA03 JA43 JA50 JA57 4M109 AA01 EA20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非共役ポリエンである下記一般式[I]ま
    たは[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基
    含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有し、
    かつ分子中に下記一般式[III]で表わされる加水分解性
    シリル基を含有するシリル基含有エチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなることを特
    徴とする硬化性弾性組成物; 【化1】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化2】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]、 【化3】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  2. 【請求項2】水分と反応して分子内に1個のシラノール
    基を有する化合物を生成し得る化合物が、(CH3)3Si
    −NH−Si(CH3)3であることを特徴とする請求項1
    に記載の硬化性弾性組成物。
  3. 【請求項3】前記シリル基含有エチレン・α- オレフィ
    ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、分
    子内に1個のシラノール基を有する化合物および/また
    は水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有する
    化合物を生成し得る化合物(B)とを予め反応させて、
    シリル基含有エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
    ンランダム共重合体ゴム(A)の加水分解性シリル基の
    含有量を減少させたシリル基含有エチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性弾性組
    成物。
  4. 【請求項4】水分と反応して分子内に1個のシラノール
    基を有する化合物を生成し得る化合物が、(CH3)3Si
    −NH−Si(CH3)3であることを特徴とする請求項3
    に記載の硬化性弾性組成物。
  5. 【請求項5】下記一般式[III]で表わされる加水分解
    性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結合
    を含まない有機重合体(C)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋可能
    なゴム組成物であって、 電気・電子部品、輸送機、土木・建築、医療またはレジ
    ャーの用途に用いられることを特徴とする硬化性弾性組
    成物; 【化4】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  6. 【請求項6】前記電気・電子部品の用途が、重電部品、
    弱電部品、電気・電子機器の回路や基板のシーリング
    材、ポッティング材、コーティング材もしくは接着剤;
    電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の絶縁シール
    材;OA機器用ロール;振動吸収剤;またはゲルもしく
    はコンデンサの封入材であることを特徴とする請求項5
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記シーリング材が、冷蔵庫、冷凍庫、洗
    濯機、ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロンま
    たは漏電ブレーカー用のシール材として用いられること
    を特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】前記ポッティング材が、トランス高圧回
    路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、
    電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池または
    テレビ用フライバックトランスをポッティングするため
    に用いられることを特徴とする請求項6に記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】前記コーティング材が、高電圧用厚膜抵抗
    器もしくはハイブリッドICの回路素子;HIC;電気
    絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュール;印刷回
    路;セラミック基板;ダイオード、トランジスタもしく
    はボンディングワイヤーのバッファー材;半導電体素
    子;または光通信用オプティカルファイバーをコーティ
    ングするために用いられることを特徴とする請求項6に
    記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記接着剤が、ブラウン管ウェッジ、ネ
    ック、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品を接着
    するために用いられることを特徴とする請求項6に記載
    の組成物。
  11. 【請求項11】前記輸送機の用途が、自動車、船舶、航
    空機または鉄道車輛の用途であることを特徴とする請求
    項5に記載の組成物。
  12. 【請求項12】前記自動車の用途が、自動車エンジンの
    ガスケット、電装部品もしくはオイルフィルター用のシ
    ーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイブ
    リッドIC用のポッティング材;自動車ボディ、自動車
    用窓ガラスもしくはエンジンコントロール基板用のコー
    ティング材;またはオイルパンのガスケット、タイミン
    グベルトカバーのガスケット、モール、ヘッドランプレ
    ンズ、サンルーフシールもしくはミラー用の接着剤であ
    ることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 【請求項13】前記船舶の用途が、配線接続分岐箱、電
    気系統部品もしくは電線用のシーリング材;または電線
    もしくはガラス用の接着剤であることを特徴とする請求
    項11に記載の組成物。
  14. 【請求項14】前記土木・建築の用途が、商業用ビルの
    ガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間
    のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケー
    スにおける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅
    用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用され
    る建材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路
    の補修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、
    石材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接
    着剤;または粘着シート、防水シートもしくは防振シー
    トに用いられることを特徴とする請求項5に記載の組成
    物。
  15. 【請求項15】前記医療の用途が、医薬用ゴム栓、シリ
    ンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム栓用のシール材
    料であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  16. 【請求項16】前記レジャーの用途が、スイミングキャ
    ップ、ダイビングマスクもしくは耳栓用のスイミング部
    材;またはスポーツシューズもしくは野球グローブ用の
    ゲル緩衝部材であることを特徴とする請求項5に記載の
    組成物。
  17. 【請求項17】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(C)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋可能
    なゴム組成物からなることを特徴とするシーリング材; 【化5】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、 aは0、1または2の整数である]。
  18. 【請求項18】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(C)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋可能
    なゴム組成物からなることを特徴とするポッティング
    材; 【化6】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、aは0、1または2の整数である]。
  19. 【請求項19】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(C)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋可能
    なゴム組成物からなることを特徴とするコーティング
    材; 【化7】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、aは0、1または2の整数である]。
  20. 【請求項20】下記一般式[III]で表わされる加水分
    解性シリル基を含有する、主鎖に実質的に不飽和二重結
    合を含まない有機重合体(C)と、 分子内に1個のシラノール基を有する化合物および/ま
    たは水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
    る化合物を生成し得る化合物(B)とからなる架橋可能
    なゴム組成物からなることを特徴とする接着剤; 【化8】 [式中、Rは、炭素原子数1〜12の1価炭化水素基で
    あり、 Xはハイドライド基、ハロゲン基、アルコキシル基、ア
    シルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド
    基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
    基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれる加水
    分解性基であり、aは0、1または2の整数である]。
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