JP2002031242A - 回転軸シール - Google Patents
回転軸シールInfo
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Abstract
えて回転軸との面接触を防止し、安定した密封性を確保
できると共に、回転軸との摺接面の摩耗を低減し、耐久
性の優れた回転軸シールを提供することを目的とする。 【解決手段】 流体収納室33側に配設されて回転軸32に
摺接するゴム製リップ先端部13bを有する第1シール部
材5を備え、リップ先端部13bに補強金具21が内装され
ている。
Description
り、特に、カーエアコン用コンプレッサ等に於てCO2
ガス等の高圧流体を密封するのに用いられる回転軸シー
ルに関する。
図8に示すようなものが知られており、この回転軸シー
ルは、コンプレッサのケース等のハウジング31と、回転
軸32の間に介装され、流体収納室33内の流体や気体を密
封する。
ール部材35が接着され、さらに、螺旋溝付きの第1シー
ルエレメント36・第2シールエレメント37を、第1イン
ナーケース38・ワッシャ39・第2インナーケース40等を
介して、アウターケース34内に、かしめ等にて、一体化
されている。
しだいに縮径するリップ先端部41を有する。このリップ
先端部41の先端が略線接触状に回転軸32に接触して、密
封作用をなす。
端部41の先端と回転軸32の摺接部位から、仮に僅かの流
体洩れが発生したとしても、第1・第2シールエレメン
ト36, 37の螺旋溝(スクリュー溝)のハイドロダイナミ
ック効果(ポンピング作用)によって、上記流体洩れ
を、図8の左方向へ押しもどし、回転軸シール全体とし
ての回転時の密封を行う構造である。
転軸シールにあっては、図8中の矢印P方向に高い圧力
が作用したとき、リップ先端部41は、大きく変形(過大
変形)して回転軸32に強く押し付けられた面接触状態と
なり、密封性(シール性)が不安定になると共に、摺接
面が早期に摩耗し、シール寿命が低下する虞れがある。
先端部の過大変形を抑えて回転軸との面接触を防止し、
安定した密封性を確保できると共に、回転軸との摺接面
の摩耗を低減し、耐久性の優れた回転軸シールを提供す
ることを目的とする。
ルは、流体収納室側に配設されて回転軸に摺接するゴム
製リップ先端部を有する第1シール部材を備え、該リッ
プ先端部に補強金具が内装されている。
れ、該回転軸に摺接するシールエレメントと、該シール
エレメントより流体収納室側に配設されて該回転軸に摺
接するゴム製リップ先端部を有する第1シール部材と、
金属製アウターケースと、を備え、該リップ先端部に補
強金具が内装されると共に、上記アウターケースの内鍔
部に上記補強金具が連設されている。また、アウターケ
ースの内鍔部乃至補強金具に成形用孔部が貫設されてい
る。
軸に接触するゴム製リップ先端部を有する第2シール部
材を備えている。また、第2シール部材の締め代を、第
1シール部材の締め代よりも小さく設定している。さら
に、第2シール部材の締め代を、零又はマイナスに設定
している。
ート金具を備えている。
づき、本発明を詳説する。
の実施の形態を示し、例えば、流体収納室33側に高圧の
冷媒(CO2 等)が作用するカーエアコンコンプレッサ
等に用いられる。この回転軸シールは、コンプレッサの
ケース等のハウジング31と、回転軸32(の外周面)との
間に介装され、高圧の冷媒等の流体を密封するのに用い
られる。
分のみを図示し、かつ、回転軸32とハウジング31は2点
鎖線にて示す。また回転軸シールの形状は、未装着状態
───自由状態───の場合を示し、回転軸32とハウジ
ング31の間に介装された装着状態では、各部が弾性変形
して介装される。
を有する金属製アウターケース1と、このアウターケー
ス1の円筒部4の外周面と前方(流体収納室33側)の内
鍔部2の前後両面に接着・溶着・焼付等によって固着一
体化されたゴム製第1シール部材5と、溝6付きの第1
シールエレメント7・第2シールエレメント8と、第1
インナーケース9と、第1ワッシャ10と、第2インナー
ケース11と、アウターケース1の内鍔部2に一体的に連
設───具体的には一体もので形成───された補強金
具21と、から成る。
着された第1シール部材5は、ハウジング31の内周面に
弾発的に接して密封作用を成すため(自由状態では)凹
凸波形に外周面が形成された円筒部被覆部5aと、前方
の内鍔部2の前後両面を被覆する内鍔外被部5bと、そ
の内鍔外被部5bの内周側から流体収納室33側(前方)
へ突設されたリップ部13と、から構成されている。
行な短円筒部13aと、流体収納室33側へしだいに縮径す
る───前内方へ傾斜する───リップ先端部13bと、
から成り、このリップ部13は断面“へ”の字状に折曲っ
た形状である。このリップ先端部13bの先端14が、装着
(使用)状態で、回転軸32の外周面に線接触状態に接し
て、密封作用をなす。要するに、第1シール部材5は、
回転軸32の回転時及び静止時の両方に於て、密封作用を
なす。
れると共に、アウターケース1の内鍔部2に連設されて
いる。具体的に述べると、補強金具21は、リップ部13に
対応した断面“へ”の字状に折曲った形状であり、リッ
プ先端部13bの内部から短円筒部13aの内部に至る部分
に装着され、内鍔部2に連設される。言い換えると、リ
ップ部13は、補強金具21の内外周両面を被覆している。
全長に渡って内装されるのではなく、補強金具21の先端
は、リップ先端部13bの先端部14を含む端部を除いた位
置まで延設される。
とき、リップ先端部13bの全体の過大変形を抑えて回転
軸32との面接触を防止する。即ち、リップ先端部13bの
端部(補強金具21が内装されていない部位)が、その圧
力により(理想的に)変形して、リップ先端部13bの先
端14が、回転軸32に対して、適切な線接触状態となり、
高い密封性(シール性)が確保できる。
於て、CO2 等の冷媒(流体)を用いたとき、全般に圧
力が従来コンプレッサよりも高くなる。(例えば、3.5
MPa〜6MPaの高圧となる。)
b)は、高圧下に於ても、(従来コンプレッサの場合と
同様の)低圧下と同じような挙動(変形)を保つことが
でき、回転軸32の摺接面の摩耗を低減し、耐久性の優れ
たものとなる。特に、先端14が回転中の回転軸32に摺接
する接触面積の増加を防ぎ、発熱・摩耗を防止して、第
1シール部材5の寿命を延長できる。
は、第1シール部材5の先端14の近傍を除く略全域で、
該第1シール部材5に内装されてガス遮蔽部材の役目
(作用・機能)をはたしている。即ち、流体収納室33内
の流体としてCO2 ガスのような、比較的ゴムや樹脂に
対してガス透過性の高い冷媒ガスを使用する場合に、ガ
ス遮蔽部材としての補強金具21(及び内鍔部2)の役目
(作用・機能)は重要性を増す。
ついては、第1シール部材5が予め接着等によって一体
化されているアウターケース1の後方の内鍔部3が形成
されていないストレート状態(円筒状態)のものに対し
て、第1シールエレメント7、断面L字形の第1インナ
ーケース9、第1ワッシャ10、第2シールエレメント
8、断面L字形の第2インナーケース11を順次嵌め込
み、その後、塑性加工にて内鍔部3を折曲形成して、全
体を一体化すればよい。
強金具21には、予め、成形用孔部23を貫設しておくこと
によって、第1シール部材5との一体化をより強固なも
のとし、さらに、第1シール部材5の製造時に、成形用
孔部23から、内鍔部2乃至補強金具21の後方(内側)
へ、ゴム材料を容易にかつ十分に充填することができ、
内鍔部2乃至補強金具21の後方のゴムを完全に成形する
ことができる。従って、第1シール部材5と第1シール
エレメント7との間の隙間を無くして密着状とし、第1
シール部材5と第1シールエレメント7との間からの流
体収納室33の流体の低圧側(大気側)42への漏れを防止
することができる。
ハウジング31と回転軸32の間に介装され、回転軸32に摺
接するシールエレメント(即ち、螺旋状の溝6付きの第
1シールエレメント7・同心円状の溝6付きの第2シー
ルエレメント8)と、このシールエレメントより流体収
納室33側に配設されて回転軸32に摺接するゴム製リップ
先端部13bを有する第1シール部材5と、を備えてい
る。
転中)及び静止時の密封作用をなすものであり、第2シ
ールエレメント8は、主として、静止漏れ防止用である
といえる。また、第1シールエレメント7は、静止時に
第1シール部材5から漏れて(図1中の点線斜線にて示
した)第1空室部28内に溜まった流体を螺旋状の溝6の
ポンピング作用(ハイドロダイナミック作用)により、
流体収納室33側に送り返す働きをなす。
補強金具21、アウターケース1、第1・第2インナーケ
ース9,11、第1ワッシャ10の材質は、鋼等の金属とす
る。また、第1・第2シールエレメント7,8は、PT
FE等のふっ素系樹脂とし、かつ、第1シール部材5は
耐冷媒性を考慮してHNBRを用いるが、特に好ましい
のは、JIS硬度を87〜96に設定する。(JIS硬度87
未満だと変形が過大となり、逆に96を越すと弾性が不足
する。)
bは回転軸32の軸心Lに対して所定傾斜角度θをもって
(前方縮径状に)傾斜している。この傾斜角度θとして
は、10°≦θ≦45°が好適である。なお、傾斜角度θが
上述の下限値未満であると、リップ先端部13bが(不要
に)長寸となり、かつ、先端14の受圧時に線接触を保つ
のが難しくなる。逆に、θが上限値を越えると、リップ
先端部13bが過小となり、流体収納室33内の圧力の増減
に微妙に対応しにくくなり、シール性を低下する。
を示し、図1の第1の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
保持するサポート金具12を備えている。具体的に述べる
と、サポート金具12は、鋼等の金属の材質とし、第1シ
ール部材5と第1シールエレメント7との間に、介装さ
れ、第1シール部材5の内鍔外被部5bの後方側壁部乃
至内径部、及び、リップ部13の短円筒部13a乃至リップ
先端部13bを、支持する断面略L字形である。
端部13bを背面(後方)から受持する勾配受け面12aを
前端に有する。この勾配受け面12aの傾斜角度は前述の
リップ先端部13bの傾斜角度θと同じに設定する。
12aは、リップ先端部13bの背面(内面)に密着して受
持して、リップ先端部13bの受圧時の過度の変形を防止
して、優れたシール性能(密封性)及び耐久性を発揮さ
せている。さらに、補強金具21と共働きして、相乗効果
をもたらす。
5の先端14の近傍を除く略全域で、第1シール部材5の
後面乃至内面に密着(接触)して、ガス遮蔽部材の役目
(作用・機能)をはたしている。さらに、補強金具21と
共働きして、相乗効果をもたらす。
形用孔部23から、補強金具21とサポート金具12の間に、
ゴム材料を完全に充填することができ、第1シール部材
5とサポート金具12との間の隙間を無くして密着状と
し、第1シール部材5とサポート金具12との間からの流
体収納室33の流体の低圧側(大気側)42への漏れを防止
することができる。
を示し、図2の第2の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
ける第2シールエレメント8を省略して、代わりに第2
シール部材25が低圧側(大気側)42に配設されている。
具体的に述べると、第2シール部材25は、(ワッシャ状
の)金属製円環平板部26と、この平板部26の前面側及び
内周縁に接着・溶着・焼付等で一体化されたゴム部27
と、から成る。このゴム部27は、円環平板部26の前面に
一体化される前壁部27aと、該平板部26の内周縁位置か
ら前内方へ延伸した(ゴム製)リップ先端部27bとを、
有する。このリップ先端部27bは、静止状態の回転軸32
の外周面に、第1空室部28に加圧状態の流体が貯った状
態(静止加圧状態と呼ぶことがある)で、接触して、密
封作用をなす。
部27bの締め代は、第1シール部材5のリップ先端部13
bの締め代よりも小さく、零又はマイナスに設定される
のが望ましい。つまり、回転軸32が回転時の密封は、第
1シール部材5及び第1シールエレメント7にて行うの
で、回転時には第2シール部材25は機能しなくても良
く、この第2シール部材25の締め代は零、又は、軸ずれ
を考慮して僅かにマイナス───未加圧状態でリップ先
端部27bの先端が回転軸32と微小間隙が存在する状態─
──とする。そして、静止加圧状態に於て、この第2シ
ール部材25のリップ先端部27bの先端が回転軸32に接触
・押圧されて、密封機能(シール性)を発揮する。従っ
て、この第2シール部材25は、静止漏れ防止用のリップ
先端部27bを有しているといえる。
と第2インナーケース11によって挾着保持されている。
このときゴム部27の前壁部27aが第1ワッシャ10に圧着
されるので、密封性(シール性)が確保され、第2シー
ル部材25の外周端縁部と、アウターケース1の内面との
間から、低圧側(大気側)42への外部洩れは防止でき
る。
る。また、第2シール部材25は耐冷媒性を考慮してHN
BRを用いるが、特に好ましいのは、JIS硬度を87〜
96に設定する。(JIS硬度87未満だと変形が過大とな
り、逆に96を越すと弾性が不足する。)
を示し、図3の第3の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
2シール部材25、及び、それを保持する前後部品が相違
している。また、第1シールエレメント7の(直)後方
に、(鋼等の金属製の)第3インナーケース19が付設さ
れている。具体的に述べると、第2シール部材25は、ゴ
ム部27の形状及び金属部16の形状が図3と相違し、か
つ、サポート金具22が存在する点が相違する。金属部16
は断面L字形であり、図3の円環平板部26と第1ワッシ
ャ10及び第1インナーケース9の一部を、一体化した如
き形状である。ゴム部27は、金属部16の円筒部16aの外
周面を被覆した凹凸波形部を有する円筒部被覆部27c
と、金属部16の内鍔部16bを被覆する(断面U字状の)
内鍔外被部27dと、この内鍔外被部27dから前方へ延伸
状に連設されたリップ部27eと、から成る。リップ部27
eは、軸心Lと平行な短円筒部27fと、前方へ縮径する
リップ先端部27bと、から成り、第1シール部材5のリ
ップ部13と類似形状である。
図2に於て説明したサポート金具12と同様である。即
ち、このサポート金具22もCO2 等の冷媒のガス遮蔽部
材の役目(作用・機能)をはたしている。従って、第1
サポート金具12と第2サポート金具22によって、2重の
ガス遮蔽を行う構造となる。さらに、第2シール部材25
のリップ先端部27bは、10°≦θ≦45°の範囲の所定角
度θをもって、(前方縮径状に)傾斜している。これと
同じ傾斜角度θをもって傾斜した勾配受け面22aを、上
記サポート金具22は前端に有しており、この勾配受け面
22aが、リップ先端部27bを後方(低圧側)から、受持
する。その作用・機能は、第1サポート金具12と同様で
ある。但し、主として回転軸32の静止時の加圧状態で特
にその受持作用(サポート機能)が重要となる。
はマイナスに設定し、未受圧状態では、リップ先端部27
bの先端が回転軸に非接触又は極めて軽く接触するよう
に構成する。また、第2シール部材25のゴム部27の円筒
部被覆部27cは、(自由状態で)凹凸波形であり、これ
がアウターケース1の内周面に圧接して組立てられる構
造であるのでアウターケース1の内周面を通じての流体
漏洩を、有効阻止できる。
を示し、図4の第4の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
けるサポート金具22を省略して、代わりに第2シールエ
レメント8を付加した構成である。そして、第2シール
エレメント8は、螺旋状の溝6を有すると共に、溝6が
存在しない平滑接触部(ストレート部)20を有してい
る。
止漏れ防止用の第2シール部材25のリップ先端部27b
が、受圧して変形するまでの微小な漏れを、防止する。
上述の平滑接触部(ストレート部)20は、そのため、必
要である。なお、図1〜図5(及び後述の図6、図7)
に於て、第1シールエレメント7は、このような平滑接
触部(ストレート部)がなくて、貫通タイプの方がポン
ピング作用(ハイドロダイナミック効果)が大きくて好
ましい。勿論、第1シールエレメント7に平滑接触部
(ストレート部)を設けても、圧力差による流体の流れ
を生じて、ほぼ同様の流体押し戻し作用がある。
を示し、図4の第4の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
ンナーケース9、第1ワッシャ10、第2シールエレメン
ト8を追加した構成である。具体的に述べると、図4に
示したサポート金具12と第1シールエレメント7との間
に、第1インナーケース9と第1ワッシャ10とを挾圧状
に介在させ、第2空室部29を形成する。また、図4に示
した第2サポート金具22と第2インナーケース11との間
に、第2シールエレメント8を密着状に介在させてい
る。
に第1空室部28内に溜まった流体を螺旋状の溝6のポン
ピング作用(ハイドロダイナミック作用)により、第2
空室部29及び流体収納室33側に送り返す働きをなす。ま
た、第2シールエレメント8の作用(機能)について
は、上述の図1又は図5の場合と同様である。
を示し、図6の第6の実施の形態と比較すると、明らか
に次の構成が相違する。(なお、同様の構成は、同一符
号をもって示したので説明を省略する。)
ース9と第1ワッシャ10の2部品を(一体化して)1部
品とした形状の第1インナーケース9aを有する。ま
た、図6に示した第2シールエレメント8を省略する構
成とする。
は、内端寄りを軸心Lと平行に流体収納室33側へ延伸し
た形状の保持筒部45を有し、第1シールエレメント7の
癖付けを補助する機能を備える。
では、この第1シールエレメント7は円環状で、回転軸
32に挿通し易い程度に癖付けされているが、完全には癖
が付いていない。このような第1シールエレメント7の
内周寄りを、回転軸32の外周面に沿って完全に弯曲(変
形)させるには、組付け状態に依存している。従って、
組付け状態(装着状態)に於て、第1シールエレメント
7の回転軸32への接触面圧は、屈曲部で大きく、保持筒
部45の先端へゆくに従って接触面圧が減少し、そのこと
によって、流体圧力が高かったり、圧力変動が激しい場
合に、その先端がめくれあがる(先端が回転軸32の外周
面から遊離する)虞がある。図7に示したように、保持
筒部45によって、第1シールエレメント7の内周寄り円
筒部46を、外周側から受けるようにして、組付け時に安
定して正規姿勢・正規形状に癖を付け、かつ、高圧流体
が作用したときにも、安定して回転軸32の外周面に密着
させる。なお、図7ではシールエレメントが1枚の場合
を示したが、これが2枚以上の場合には、同様のインナ
ーケース9aを各々のシールエレメントに配設する。
cは自由状態(未嵌合状態)では外周面が凹凸波状であ
り、組立時にこれを円筒部4に密に嵌合する構造である
が、図4〜図7に於ては、自由状態の円筒部被覆部27c
の外周面を、そのまま実線にて(凹凸形状のままで)図
示しているが、実際上は、密に嵌合して、外周面は当然
に円筒部4の内面と同一となるように、弾性圧縮され
る。このように、円筒部被覆部27cの外周面の凹凸形状
の効果として、円筒部4と円筒部被覆部27cの間から流
体が漏れるのを防止する。つまり、外周面を、凹凸形状
とすることで、凸状部の面圧が高くなって、凹凸形状と
しない場合よりも密封効果が向上する。
まとめて、次のように表現できる。つまり、ゴム製リッ
プ先端部13bを有する第1シール部材5、及び、(樹脂
製)第1シールエレメント7をもって、いわば“基本シ
ール部”を形成し、この“基本シール部”の後方の低圧
側42に、ゴム製リップ先端部27bを有する第2シール部
材25を、付設していると、表現することもできる。そし
て、回転軸32の回転時(運転時)には、“基本シール
部”で密封(シール)を行い、回転軸32の停止時(静止
時)に、低圧側42へ漏洩しようとするのを、第2シール
部材25のゴム製リップ先端部27bにて、密封して阻止す
る。
ーエアコン用コンプレッサ等に於て、回転時(運転時)
には圧力が(例えば 3.5MPaに)低くなり、静止時に
は圧力は(例えば6MPaに)高くなる。
が高圧となった場合、第1シール部材5は、補強金具21
を内装したリップ先端部13bを有しているため、リップ
先端部13bの過大変形による回転軸32への面接触を抑制
して流体(CO2 等)の漏洩を防止するが、それでも漏
洩した流体は、“基本シール部”を経て、第1空室部28
の空間に溜まる。第2シール部材25はゴム製リップ先端
部27bを有しているので、上記高圧によって、リップ先
端部27bは静止状態の回転軸32に押えられ、弾性変形し
て、密封(シール)作用を発揮し、外部漏洩を防止でき
る。
室33側の圧力が(上述のように)低下するので、流体は
第1空室部28から流体収納室33側へ押し戻される。この
際、第1シールエレメント7の螺旋状の溝(スクリュー
溝)6のポンピング作用(ハイドロダイナミック効果)
によって、一層確実に、かつ早期に、流体収納室33側へ
押し戻される。
先端部27bは、締め代を零(又はマイナス)としてい
て、未受圧状態では、密封作用(シール性)を有しない
が、静止時に高圧が作用した静止受圧状態では、シール
性を発揮する。しかも、回転時には、回転軸32の表面か
ら、リップ先端部27bが離れる方向に変形するため、耐
久性も向上(改善)する。
大な効果を奏する。
の受圧(特に、高圧)による過大変形を抑え、回転軸32
への面接触を防止し、線接触状態とし、安定した密封性
(シール性)が確保できると共に、リップ先端部13bの
早期摩耗が防止できてシール寿命が向上する。
の受圧(特に、高圧)による過大変形を抑え、回転軸32
への面接触を防止し、線接触状態とし、安定した密封性
(シール性)が確保できると共に、リップ先端部13bの
早期摩耗が防止できてシール寿命が向上する。また、補
強金具21は、アウターケース1の内鍔部2に連設されて
いるため、剛性も高く、姿勢が安定し、容易に(一体)
成形でき、リップ先端部13bの受圧による過大変形を確
実に抑えることができる。
ール部材5の成形不良を防止でき、密封性の優れた回転
軸シールを提供できる。
のみならず、静止時にも、優れた密封性(シール性)を
有する。特に、静止時に(回転時よりも)高圧となるカ
ーエアコン用コンプレッサ等に好適な回転軸シールであ
る。
回転時のシール性は、第1シール部材5にて受持ち、第
2シール部材25はいわば休んだ状態となり、第2シール
部材25のリップ先端部が早期摩耗することが防止でき
て、長寿命となり、長期間、静止時の外部漏洩を防止で
きる。
のリップ先端部13bの受圧による過大変形を、補強金具
21とサポート金具12との共働きにて、一層確実に防止で
きる。また、第2シール部材25のリップ先端部27bの受
圧による過大変形を、サポート金具22にて、確実に防止
できる。従って、安定して、優れた密封性(シール性)
を保つことができる。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 流体収納室側に配設されて回転軸に摺接
するゴム製リップ先端部を有する第1シール部材を備
え、該リップ先端部に補強金具が内装されたことを特徴
とする回転軸シール。 - 【請求項2】 ハウジングと回転軸の間に介装され、該
回転軸に摺接するシールエレメントと、該シールエレメ
ントより流体収納室側に配設されて該回転軸に摺接する
ゴム製リップ先端部を有する第1シール部材と、金属製
アウターケースと、を備え、該リップ先端部に補強金具
が内装されると共に、上記アウターケースの内鍔部に上
記補強金具が連設されたことを特徴とする回転軸シー
ル。 - 【請求項3】 アウターケースの内鍔部乃至補強金具に
成形用孔部が貫設された請求項2記載の回転軸シール。 - 【請求項4】 低圧側に配設されて静止状態の回転軸に
接触するゴム製リップ先端部を有する第2シール部材を
備えた請求項1、2又は3記載の回転軸シール。 - 【請求項5】 第2シール部材の締め代を、第1シール
部材の締め代よりも小さく設定した請求項4記載の回転
軸シール。 - 【請求項6】 第2シール部材の締め代を、零又はマイ
ナスに設定した請求項5記載の回転軸シール。 - 【請求項7】 リップ先端部の背面を保持するサポート
金具を備えた請求項1、2、3、4、5又は6記載の回
転軸シール。
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