JP2002235856A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2002235856A
JP2002235856A JP2001252011A JP2001252011A JP2002235856A JP 2002235856 A JP2002235856 A JP 2002235856A JP 2001252011 A JP2001252011 A JP 2001252011A JP 2001252011 A JP2001252011 A JP 2001252011A JP 2002235856 A JP2002235856 A JP 2002235856A
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Japan
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rotating shaft
seal
storage chamber
rotary shaft
fluid storage
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Application number
JP2001252011A
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Atsushi Hosokawa
敦 細川
Hiromi Obata
博美 小畑
Tomoya Inagaki
朋也 稲垣
Takeshi Yamada
健史 山田
Takayuki Imai
崇行 今井
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Toyota Industries Corp
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3244Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with hydrodynamic pumping action
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3204Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip
    • F16J15/322Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip supported in a direction perpendicular to the surfaces

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸の回転時に優れた密封性能を、長い
使用期間にわたって維持する密封装置を提供する。 【解決手段】硬質材製カバー材18を有する。このカバー
材18は、ゴム製リップ部7を有する後方シール材6より
も流体収納室33側に配設されている。このカバー材18は
円筒部19を有すると共に、その内面に、スクリュー溝S
を有し、その内面と、回転軸23の外面との間に、微小ク
リアランスCを、形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封装置に関し、
特にカーエアコン用コンプレッサ等に於ける高圧流体を
密封するのに用いられる高回転軸用の回転軸シールを有
する密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カーエアコン用コンプレッサ等における
流体収納室内の冷媒が、回転軸摺動面から漏れるのを防
止するために、回転軸シールが用いられるのは周知のこ
とである。近年、オゾン層破壊の要因となる、冷媒HF
C134aの廃止が進められており、次世代冷媒として
CO2 を用いたコンプレッサの開発が進められている。
【0003】しかし、冷媒としてCO2 (以下新冷媒と
いう)を使用した場合、コンプレッサの流体圧力がHF
C134aを使用した場合に比べ、10倍以上高くな
る。よって、この高圧化に対応する回転軸シールの開発
が望まれている。
【0004】従来の高圧冷媒を密封する回転軸シールと
して、例えばオイルシール、U字形シール(Uリングと
称す)、また、図10に示すようなものが知られており、
コンプレッサー等のハウジング31と回転軸32の間に介装
され、流体収納室の流体(冷媒と潤滑油)を密封する。
【0005】従来のこの種の密封装置としては、図10に
示すようなものが知られている。図10に示したタイプの
回転軸シールは、オイルシール、Uリングに比べてシー
ル性能がよく、その構造は、アウターケース34にゴム製
シール部材35を接着したものと、回転軸32に摺接する摺
接面36′に切込溝50を形成した樹脂(特にPTFE)か
らなるシールエレメント36をアウターケース34にかしめ
て一体化されている。
【0006】つまり、この回転軸シールは、ゴム製シー
ル部材35の先端部41′が回転軸32の表面に当接してシー
ルを行うが、回転軸32が回転すると、完全にシールしき
れず、少量の流体漏れが発生する。この漏れた流体は、
ゴム製シール部材35よりも大気側49に配置されているP
TFE製のシールエレメント36によりシールされること
となり、回転軸シール全体として流体漏れを防止する構
造である。すなわち、ゴム製シール部材35を通過し、シ
ールエレメント36の摺接面36′に介在する流体は、シー
ルエレメント36の摺動面36′に設けた螺旋状の切込溝50
により、流体収納室33側に押し戻されることによって、
回転軸シール全体としてシール機能を果たしている。
【0007】なお、ゴム製シール部材35から漏れた流体
には、潤滑油が含まれている。よって、シールエレメン
ト36と回転軸32表面との間に、漏れた流体が介在するこ
とによって摩擦抵抗が減少し、シールエレメント36の摩
耗を軽減するのである。すなわち、ゴム製シール部材35
により、完全にシールしきってしまう構成では、逆にゴ
ム製シール部材35およびシールエレメント36の潤滑効果
を損ねてしまうため、回転軸シールの寿命は短くなって
しまうのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、新冷媒を使
用した場合、さらに流体収納室33の冷媒が高圧となるた
め、その圧力はゴム製シール部材35の表面を押圧する
(図10のPは圧力を表す)。すなわち、ゴム製シール部
材35が回転軸32に押圧されるため、摩耗が大きくなると
ともに、回転軸表面とゴム製シール部材35の先端部の摩
擦による発熱が予想以上に高くなり、ゴム製シール部材
35の先端部が熱硬化してクラックが入る問題を引き起こ
す原因となっていた。また、高圧によりゴム製シール部
材35に押さえ付けられるシールエレメント36において
も、必要以上に回転軸側に押圧を受けるため、摩擦熱が
高くなって、摩耗が増大するなど、シール自体の耐久性
の悪化を招く結果となっていた。
【0009】また、前述のように、この回転軸シール
は、ゴム製シール部材35から少量の流体を意図的に漏ら
すように設定することで、漏れた流体(特に潤滑油)を
シールエレメント36の潤滑剤として利用するが、ゴム製
シール部材35が予想以上に回転軸32に押し付けられる
と、流体が全くシールエレメント36に供給されなくな
り、ゴム製シール部材35およびシールエレメント36が、
早期に摩耗が増大してしまう問題もあった。
【0010】そこで本発明は、冷媒の高圧化に対応する
密封装置として、高圧から摩耗の促進を抑え、また摩擦
熱等による発熱の問題を軽減して、回転軸シールの耐久
性を向上させる密封装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハウジングと
回転軸との間に介装されるシールを備え、該シールは上
記回転軸に接触自在なゴム製リップ部を有し、さらに、
該リップ部よりも流体収納室側に配設されて該リップ部
と共働して空室部を形成すると共に微小クリアランスを
もって上記回転軸に対向する円筒部を有する硬質材製カ
バー材を有し、かつ、上記微小クリアランスを形成する
上記円筒部の内面及び/又は上記回転軸の外面に、該回
転軸の回転時に上記空室部内の流体を上記流体収納室側
へ排出して該空室部内を減圧させるスクリュー溝を、形
成した。
【0012】また、本発明は、硬質材製カバー材が、円
筒部に連設されるラジアル壁部を有し、該ラジアル壁部
に小孔を貫設して該小孔を介して上記空室部内へ上記流
体収納室側の流体を一旦導入して後、該空室部内の流体
を上記微小クリアランスから流体収納室へ流体を排出さ
せる循環流を発生させるように構成した。また、ゴム製
リップ部の回転軸外面に対する締め代を、(+) 0.5mm
〜(−)0.5mmに設定した。あるいは、ゴム製リップ部
の背面を保持するサポート金具を付設したものとする。
【0013】また、本発明は、硬質材製カバー材の本体
部が、硬質プラスチック製であって、該硬質材製カバー
材の該本体部の上記流体収納室側面に金属コーティング
を付したものとする。また、硬質材製カバー材の本体部
が、硬質プラスチック製であって、該硬質材製カバー材
の該本体部の全周面に金属コーティングを付したものと
する。
【0014】この密封装置によれば、以下の作用・効果
が発揮される。即ち、カバー材又は、回転軸外周面に設
けたスクリュー溝(螺旋溝)によるポンピング作用によ
って、空室部内の圧力が流体収納室側の圧力よりも低下
(減圧)されるので、ゴム製リップ部にかかる圧力が減
圧される。
【0015】また、小孔がラジアル壁部に貫設されるた
め、回転軸の回転状態で、空室部と流体収納室とに循環
流を発生させることとなる。その原理は、回転軸が回転
すれば、スクリュー溝のポンピング作用によって微小ク
リアランスを通じて流体を流体収納室側へ排出して、空
室部内が減圧されるため、小孔から流体が導入すること
によって、循環流が生じるものである。この循環流によ
って、ゴム製リップ部の過度の摩耗を防ぎ、一層の寿命
延長が図られる。
【0016】また、ゴム製リップ部の回転軸外面に対す
る締め代を、(+)0.5mm 〜(−)0.5mm に設定するこ
とで、ゴム製リップ部が、回転軸の回転時に過大な圧力
で摺接することを防止する。しかも、回転軸の静止状態
では、圧力を受けると、直ちにリップ先端部が回転軸の
外面に密封状に当接して、確実に密封作用を行い得る。
また、ゴム製リップ部の背面に保持するサポート金具を
付設することで、ゴム製リップ部の過大な変形を防止
し、かつ、リップ先端部が回転軸に対して過大な圧力で
摺接することも有効防止できる。
【0017】また、硬質材製カバー材の本体部を硬質プ
ラスチック製とし、その流体収納室側面に金属コーティ
ングを付すことにより、プラスチックに対してガス透過
性の高い冷媒ガスを使用する場合でも、流体の透過漏れ
を防止できる。
【0018】そして、ハウジングと回転軸の間に介装さ
れ、該回転軸に摺接する回転軸シールと、該回転軸シー
ルより流体収納室側に配設される回転軸の外周面に設け
たスクリュー溝(螺旋溝)部と、前記ハウジングから該
スクリュー溝部まで延伸した間仕切部と、からなる減圧
部を備えたものとする。
【0019】また、前記回転軸シールが回転軸に摺接す
るシールエレメントと、該シールエレメントより流体収
納室側に配設されるゴム製シール部材とを備えているも
のとする。
【0020】また、前記スクリュー溝部は、前記回転軸
と一体で構成されていることを特徴としているものであ
り、さらに、前記間仕切部のスクリュー溝部と対向する
面が、スクリュー溝部全体を覆うものとしている。
【0021】この密封装置によれば、以下の作用・効果
が発揮される。即ち、回転軸の外周面に設けたスクリュ
ー溝部および間仕切部からなる減圧部を備えているた
め、流体収納室が高圧になり、回転軸シールに高圧がか
かっても、回転軸が回転することでハイドロダイナミッ
ク効果が発生し、空間Aの圧力が減圧される。
【0022】すなわち、回転軸が回転すると、スクリュ
ー溝部の溝内に介在する冷媒は、流体収納室側に力を受
けて押し戻される。それに伴い、空間A内の冷媒もスク
リュー溝内に侵入し流体収納室側に押し戻されることと
なり、空間Aから流体収納室側に向かって冷媒の流れが
発生する。その結果、流体収納室側の圧力をP0、空間
Aの圧力をP1とすると、P0>P1となり、回転軸シ
ールのゴム製シール部材にかかる圧力は減圧される。
【0023】また、回転軸シールをゴム製シール部材、
シールエレメントからなる回転軸シールとすることで、
回転軸シールにもハイドロダイナミック効果が生じるた
め、高圧空間・高速回転軸を有する装置の密封装置とし
て、より密封効果の高い密封装置とすることができる。
【0024】また、スクリュー溝部を回転軸に脱着可能
なリング状の別体として成形し、回転軸の所定の位置に
固定することも可能であるが、スクリュー溝部を回転軸
と一体とすることで、スクリュー溝部を回転軸外表面に
切削加工するだけで成形でき、成形コストが少なくてす
む。さらに、スクリュー溝部を別体にした場合と比べ
て、強度的に安定し、寸法的にも高精度に成形すること
ができる。
【0025】また、ハウジングから回転軸中心に向かっ
て延伸した間仕切部のスクリュー溝部に対向する面が、
スクリュー溝部全体を覆い、かつ、その微小クリアラン
スをほぼ0mmである構成とすることで、スクリュー溝
部におけるハイドロダイナミック効果を無駄なく発揮さ
せることができる。すなわち、間仕切部とスクリュー溝
部との間には、接触を避ける程度の極小の隙間が存在す
るが、間仕切部とスクリュー溝部の溝とでほぼ仕切られ
る断面三角形状の空間(以下溝空間と称す)によって、
溝空間内の流体が、回転軸の回転とともに流体収納室側
に押し戻される力を受け、溝空間内を螺旋方向に沿って
流体収納室側に進行する。よって、スクリュー溝部全体
を覆う構成とすることで、スクリュー溝部の溝すべてを
溝空間とすることができ、また、微小クリアランスが小
さいほど、溝空間の密閉効果が高まるため、同一スクリ
ュー溝部でもハイドロダイナミック効果を大きくするこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。
【0027】図1と図2は、本発明に係る密封装置の第
1と第2の実施の形態を示し、例えば、流体収納室33側
に高圧の冷媒(CO2 等)が作用するカーエアコンコン
プレッサ等に用いられる。この密封装置は、コンプレッ
サのケース等のハウジング31と、回転軸23(の外面23
a)との間に介装されるシール25を備え、高圧の冷媒等
を密封するものである。
【0028】なお、図1・図2ではシール25の縦断面の
半分のみを図示し、かつ、回転軸23とハウジング31は2
点鎖線にて示す。またシール25の形状は、未装着状態─
──自由状態───の場合を示し、回転軸23とハウジン
グ31の間に介装した装着状態では、各部は弾性変形して
取着される。
【0029】具体的構成は、まず図1に於て、シール25
は、内鍔部2,3を有する金属製アウターケース1と、
このアウターケース1の円筒部4の外周面と前方(流体
収納室33側)の内鍔部2の前後両面に接着・溶着・焼付
等によって固着一体化されたゴム製被覆材5と、回転軸
23に対向する円筒部19と回転軸23の軸心Lと直交する方
向のラジアル壁部21とを有する硬質材製カバー材18と、
回転軸23に接触するゴム製リップ部7を有する後方シー
ル材6と、この後方シール材6を背面側(低圧側)から
保持するサポート金具8と、このサポート金具8を背面
側から保持するインナーケース9等から、構成されてい
る。
【0030】後方シール材6は、金属部10と、この金属
部10に接着・溶着・焼付等によって固着一体化されたゴ
ム部11と、から成る。金属部10は前端が、カバー材18の
ラジアル壁部21を背面(低圧)側から押圧する円筒部10
aと、この円筒部10aの低圧側端部を内径へ折曲げた内
鍔部10bとから成る断面横倒L字形である。ゴム部11
は、上記円筒部10aの一部、及び、内鍔部10b全体を包
囲するように、金属部10に一体に固着されている。
【0031】前記リップ部7は、このゴム部11の一部を
もって構成されており、軸心Lと平行な円筒部7aと、
該円筒部7aから前方(流体収納室33側)へ、縮径状に
延伸したリップ先端部7bとから成る。
【0032】前記カバー材18は、金属(板)、又は、硬
質プラスチック材質の硬質材製であって、リップ部7
(ゴム部11)よりも流体収納室33側に配設されて、リッ
プ部7(ゴム部11)と共働して空室部(スペース)12を
形成する。さらに、カバー材18の円筒部19は、微小クリ
アランスCをもって回転軸23(の外面23a)に対向し、
かつ、この円筒部19の内面に、回転軸23の回転時に、空
室部(スペース)12内の流体を流体収納室33側へ排出し
て、この空室部12内を減圧させるスクリュー溝Sが形成
されている。
【0033】即ち、回転軸23が軸心L廻りに回転すれ
ば、ハイドロダイナミック効果(ポンピング作用)によ
って、図1の左方向に、流体を送り出そうとする力が働
いて、空室部12内が減圧し、ゴム製リップ部7に過大な
圧力が作用するのを防止し、リップ部7(の先端部7
b)の摩耗及び発熱を低減し、寿命延長が図られる。
【0034】なお、図1では、このリップ部7(の先端
部7b)の回転軸23外面に対する締め代Gを、(+)
0.5mm〜(−) 0.5mmに設定する。(なお、本発明では
半径分の締め代を言うものとする。)図1では締め代G
はプラス(+)の場合を図示する。
【0035】サポート金具8は、略L字形断面形状であ
り、後方シール材6のゴム部11のラジアル壁部13を、背
面(低圧)側から強く圧接状として保持し、同時に、ゴ
ム部11のリップ部7を背面(内周)側から、保持する。
また、このサポート金具8は、リップ部7が受圧時に過
大に変形するのを防ぎ、適度の強さで回転軸23の外面に
接触するように、保持する。ゴム製リップ部7の先端部
7bがテーパ状に軸心Lへ接近する形状であるのに対応
して、サポート金具8の先端部8aもテーパ状として、
該先端部8aの外周面が勾配面を形成している。
【0036】なお、微小クリアランスCとしては、隙間
がマイナスとなって圧入状態となるのを避け、0mm〜
0.2mmとするのが好ましく、可能な限り小さくするのが
良い。下限値未満であると、硬質材のカバー材18と回転
軸23とが摺接して好ましくない。逆に、上限値を越える
と、流体収納室33側からの圧力が直ちに空室部12へ伝達
されやすく、急激な圧力変動が後方シール材6のゴム製
リップ部7に加わることで、異常摩耗や異常変形を生ず
る虞があり、さらに、ポンピング作用が減少することに
なる。
【0037】次に、図2に示す第2の実施の形態に於
て、既述の図1の第1の実施の形態と相違する点は、硬
質材製カバー材18が、ラジアル壁部21に於て小孔14を有
することである。
【0038】つまり、少なくとも1個の小孔14がラジア
ル壁部21に貫設され、これによって、回転軸23の回転状
態で、矢印A,B,E,Fにて示すような循環流を発生
させる。その原理は、図1で説明したように、回転軸23
が回転すれば、スクリュー溝Sのポンピング作用によっ
て微小クリアランスCを通じて矢印Eのように流体収納
室33へ排出して、空室部12内が減圧されるため、小孔14
から矢印A,Bの如く流体が導入することによって、矢
印A,B,E,Fのような循環流が生じるのである。
【0039】この循環流によって、ゴム製リップ部7が
冷却されて寿命が延び、また、摩耗等によるスラッジが
空室部12から排出されてゴム製リップ部7の過度の摩耗
を防ぎ、一層の寿命延長が図られる。図2の他の構成
は、図1の構成と同一符号をもって示したので、詳細説
明は省略する。
【0040】次に、図3は第3の実施の形態を示す。こ
の図3を既述の図1と比較すれば明らかとなるように、
第3の実施の形態に於ては、回転軸23───実線にて図
示───の外面23aに、スクリュー溝Sを形成している
点が第1に相違する。
【0041】このスクリュー溝Sの範囲(領域)は、カ
バー材18の円筒部19に対応する部位、乃至、好ましくは
それよりも僅かに広い範囲(領域)とする。言い換えれ
ば、微小クリアランスCを形成している(回転軸23の外
面23aの)領域にスクリュー溝Sを凹設する。他方、円
筒部19の内面は平滑として(スクリュー溝Sを省略し
て)いる。このようにして、空室部12内の流体を、回転
軸23の回転によるスクリュー溝Sのポンピング作用によ
って、流体収納室33側へ排出して空室部12内を減圧させ
る。
【0042】また、図3に示すように装着状態であっ
て、かつ、圧力が作用しない状態に於ては、後方シール
材6のゴム製リップ部7(のリップ先端部7b)と、回
転軸23の外面23aとの間に、微小間隙15が形成される。
即ち、締め代Gをマイナスに設定した場合を、図示して
いる。その数値範囲は既述のように絶対値で 0.5mmを越
えないことが望ましい。その理由は、圧力がゴム製リッ
プ部7に作用するや、直ちに、リップ先端部7bが回転
軸23の外面23aに圧接させて、外部漏洩を防ぐためであ
る。そして、締め代Gをマイナスとすることで、(回転
軸23の外面23aへの)過大な接触圧(面圧)を防止し
て、リップ先端部7bの早期摩耗を防ぐことができる。
図3に於て、それ以外の構成に関して、図1と同一符号
は同様の構成であるので、説明を省略する。
【0043】次に、図4は第4の実施の形態を示し、既
述の図1と比較して次の点が相違している。即ち、(実
線で示した)回転軸23の外面23aに、スクリュー溝Sを
形成し、その範囲(領域)は、カバー材18の円筒部19に
対応する部位───微小クリアランスCの形成範囲(領
域)、乃至、それよりも僅かに(軸心方向に)広い範囲
(領域)とする。
【0044】他方、円筒部19の内面は平滑円周面とし
て、スクリュー溝Sを省略している。このようにして、
空室部12内の流体を、回転軸23の回転時に、スクリュー
溝Sのポンピング作用にて、流体収納室33側へ矢印E,
Fの如く排出し、空室部12内を減圧させ、流体収納室33
側から小孔14を通して流体を矢印Aのように導入し、全
体として、図4中の矢印A,B,E,Fのような循環流
を発生させている。この循環流の作用・効果は図2の場
合と同様である。
【0045】また、図4に示した圧力が作用しない装着
状態では、後方シール材6のゴム製リップ部7(のリッ
プ先端部7b)と、回転軸23の外面23aとの間に、微小
間隙15が形成されるように、締め代Gをマイナスに設定
している場合を示し、これは、図3と同様の構成である
ので、詳細説明を省略する。それ以外の構成に関して、
図2と同一符号は図2と同様の構成であるので、説明を
省略する。
【0046】次に、図5は第5の実施の形態を示し、既
述の図1と比較して次の点が相違している。カバー材18
の本体部46の材質が、硬質プラスチック製の場合であっ
て、カバー材18の本体部46の流体収納室33側面(片面
側)に金属コーティング43を付している。詳しく述べる
と、カバー材18の本体部46の、円筒部19の外周面側(ハ
ウジング側)及び先端部44側と、ラジアル壁部21の収納
室33側と、に金属製の薄板状被覆部を付設している。こ
の金属コーティング43(薄膜状被覆部)は、蒸着あるい
はメッキにより行われている。
【0047】即ち、金属コーティング43は、収納室33内
の流体との接触面、及び、シール25のゴム製被覆材5と
の接触面において、カバー材18の本体部46を被覆してい
る。収納室33内の流体(ガス)との接触面に、金属コー
ティング43が付設されるのは、ガス遮蔽部材の役目(作
用・機能)───被密封用の流体の透過を防止する役目
(作用・機能)───をはたすためである(透過漏れ防
止)。即ち、流体収納室33内の流体としてCO2 ガスの
ような、比較的プラスチックに対してガス透過性の高い
冷媒ガスを使用する場合に、ガス遮蔽部材としての金属
コーティング43の役目(作用・機能)は重要性を増す。
また、シール25のゴム製被覆材5との接触面の金属コー
ティング43の付設は、シール25とカバー材18との隙間の
浸透流体による上記透過漏れ防止と、シール25とカバー
材18との密封性を確保するため、(ラジアル壁部21の端
部まで)連続して設けられている。それ以外の構成に関
して、図1と同一符号は図1と同様の構成であり、その
作用・機能も同様であるので、説明を省略する。
【0048】次に、図6は第6の実施の形態を示し、既
述の図3と比較して次の点が相違している。カバー材18
の本体部46の材質が、硬質プラスチック製の場合であっ
て、カバー材18の本体部46の流体収納室33側面(片面
側)に金属コーティング43を付している。詳しく述べる
と、カバー材18の本体部46の、円筒部19の外周面側(ハ
ウジング側)及び先端部44側と、ラジアル壁部21の収納
室33側と、に金属製の薄膜状被覆部を付設している。こ
の金属コーティング43(薄膜状被覆部)は、蒸着あるい
はメッキにより行われている。
【0049】即ち、金属コーティング43は、収納室33内
の流体との接触面、及び、シール25のゴム製被覆材5と
の接触面において、カバー材18を被覆している。この金
属コーティング43の効果は、上記第5の実施の形態のも
のと同様であるため、説明を省略する。また、それ以外
の構成に関して、図3と同様の構成である。
【0050】次に、図7は第7の実施の形態を示し、上
述の図5と比較して次の点が相違している。カバー材18
の本体部46の全周面に金属コーティング43を付してい
る。即ち、カバー材18の本体部46の表面全体に金属製の
薄膜状被覆部を付設している。この金属コーティング43
(薄膜状被覆部)は、蒸着あるいはメッキにより行われ
ている。
【0051】この金属コーティング43の効果は、上記第
5の実施の形態のものと同様であるため、説明を省略す
るが、カバー材18の製作(金属コーティング43の付設)
は、第5の実施の場合より容易にすることができる。ま
た、カバー材18の回転軸23との微小クリアランスCは、
コーティングによっても確保できるものであって、既述
のポンピング作用を失うことはない。
【0052】次に、図8は第8の実施の形態を示し、上
述の図6と比較して次の点が相違している。カバー材18
の本体部46の全周面に金属コーティング43を付してい
る。即ち、カバー材18の本体部46の表面全体に金属製の
薄膜状被覆部を付設している。この金属コーティング43
(薄膜状被覆部)は、蒸着あるいはメッキにより行われ
ている。
【0053】この金属コーティング43の効果は、上記第
6の実施の形態のものと同様であるため、説明を省略す
るが、カバー材18の製作(金属コーティング43の付設)
は、第6の実施の場合より容易にすることができる。ま
た、カバー材18の回転軸23との微小クリアランスCは、
コーティングによっても確保できるものであって、既述
のポンピング作用を失うことはない。
【0054】また、既述の金属コーティング43は蒸着あ
るいはメッキによる他、硬質プラスチックの本体部46
に、金属製薄板の接着、金属溶射等により、行ってもよ
いものである。
【0055】なお、本発明は上述の図示の実施の形態に
限定されず、設計変更自由であって、例えば、スクリュ
ー溝Sを、図1と図3を組み合わせたように、図2と図
4とを組み合わせたように、図5と図6とを組み合わせ
たように、又は、図7と図8とを組み合わせたように、
硬質材製カバー材18の円筒部19、及び、回転軸23の外面
23aの両者に、形成するも、自由である。
【0056】また、スクリュー溝Sは、1条螺旋溝で
も、多条螺旋溝でも自由である。また、図1〜図8の各
実施の形態では、単数の後方シール材6が配設されてい
るが、これを複数個としたり、あるいは、シールエレメ
ントを、後方シール材6の後方に、付設するも、自由で
ある。
【0057】図9は第9の実施の形態を示し、この密封
装置は、回転軸107 の外周面に形成されたスクリュー溝
(螺旋溝)部171 とハウジング106 から回転軸107 の中
心方向に延伸した間仕切部161 を有している。即ち、上
述したようなカバー材18を有することなく(部品を減ら
して)、コンプレッサ等のケースのハウジング106 を後
述する減圧部の一部として活用するものである。そし
て、具体的に説明すると、図9は回転軸シール101 およ
び減圧部110 からなる本発明の密封装置の断面図を示し
ている。なお、図9の回転軸シール101 は、組込み前の
自然状態(自由状態)を示している。
【0058】図9の回転軸シール101 は、コンプレッサ
等のケースのハウジング106 と回転軸107 との間に介装
され、流体収納室108 側に収納されている高圧の冷媒等
の液体と気体からなる流体を密封するのに用いられる。
【0059】具体的な構成としては、金属製のアウター
ケース104 と、このアウターケース104 の円筒部141 の
外周面と内鍔部142 の両面に接着(溶着・焼付等含む)
し、一体化されたゴム製シール部材102 と、切込溝131
付のシールエレメント103 と、金具105 と、からなる。
【0060】ゴム製シール部材102 は、ハウジング106
の内周面に弾性力を利用して密封効果が得られるよう
に、自由状態では凹凸状に外周面が形成された円筒被覆
部123と、流体収納室108 側の内鍔部142 の両面を被覆
する断面U字状の内鍔被覆部122 と、この内鍔被覆部12
2 の内周側から流体収納室108 側に突設されたゴムリッ
プ部125 と、弾性力による密封効果が得れるように、内
鍔被覆部122 の大気側109 に(後述の)金属製の遮蔽板
126 に当接する自由状態では凸状の小突部124 と、から
なる。
【0061】ゴムリップ部125 は、流体収納室108 側に
向かって、しだいに縮径する形状で、回転軸107 の外周
面に摺接する先端部121 を有しており、該先端部121
は、断面が略円弧形状で、組付け時において円弧部が回
転軸107 の外周面に当接するようになっている。
【0062】ゴム製シール部材102 の背面(大気側109
)には、流体収納室108 が高圧になった場合に、ゴム
製シール部材102 が圧力によって変形するのを抑制する
ために、金属製の遮蔽板126 を備えている。これによ
り、ゴム製シール部材102 の姿勢を保持するとともに、
ゴム製シール部材102 の内部を透過してきた冷媒が回転
軸シール101 内に侵入するのを防ぐ機能も備えている。
【0063】シールエレメント103 は、自然状態では円
環状で、その先端がゴム製シール部材102 側に癖付けさ
れており、ゴム製シール部材102 を接着したアウターケ
ース104 と金具105 により挟持保持されている。シール
エレメント103 の先端を流体収納室側に屈曲させるよう
に回転軸107 に挿入すると、回転軸107 の外周面に、接
触変形してある幅を持った摺動面132 を形成する。その
摺動面132 には、螺旋状の切込溝131 を備えている。な
お、図9のシールエレメント103 は、組付け前の癖付け
状態を示している。
【0064】次に図9に示す減圧部110 は、回転軸シー
ル101 より流体収納室108 側に配設され、回転軸107 の
外周面に形成されたスクリュー溝(螺旋溝)部171 とハ
ウジング106 から回転軸107 の中心方向に延伸した(内
鍔状の壁から成る)間仕切部161 で構成されている。
【0065】スクリュー溝部171 は、スクリュー溝部17
1 を設ける部分が他の部分よりも大径の回転軸本体に、
断面がV字形の溝を螺旋状に切削加工を施すことにより
成型加工されており、また、間仕切部161 のスクリュー
溝部171 に対向する面とスクリュー溝部171 の溝とで断
面三角形状の溝空間172 を形成している。図9に示した
実施例では、溝空間172 は、回転軸107 の外周面よりも
外径側に位置するように成形されているが、回転軸107
の外周面に直接、溝を切削加工して形成してもよいが、
その場合にも、間仕切部161 をスクリュー溝部171 付近
まで微小クリアランスがほぼ0mmとなるように延伸し
て、三角形状の溝空間172 を形成する必要がある。ま
た、スクリュー溝部171 のピッチ、ネジ部の長さ、溝の
深さ等については特に限定しないが、スクリュー溝171
方向は、回転軸107 が回転することにより、溝空間内の
流体が流体収納室108 側に送られるように形成する必要
がある。
【0066】間仕切部161 は、ハウジング106 から延伸
してスクリュー溝部171 を環状に覆うように設けられて
いる。間仕切部161 のスクリュー溝部171 と対向する面
は、スクリュー溝部171 に接近した状態で設けられてお
り、間仕切部161 とスクリュー溝部171 によって断面が
ほぼ三角形状の溝空間172 を形成している。ここで、間
仕切部161 とスクリュー溝部171 の隙間(微小クリアラ
ンスC)が広い場合には、流体収納室108 からの冷媒の
侵入量が多くなり、ハイドロダイナミック効果が発生し
にくくなる。逆に隙間Cが小さい場合には、スクリュー
溝部171 と間仕切部161 と接触し、回転軸107 の回転を
妨げることになるため、接触しない程度に、その隙間を
限りなく0mm(特に前記同様0mm〜 0.2mm)とすること
が好ましい。
【0067】次に、本発明の密封装置におけるシール機
能について説明する。流体収納室108 で液体と気体から
なる冷媒が高圧に保たれると、減圧部110 の隙間Cから
冷媒が侵入し、流体収納室108 の圧力P0と空間Aの圧
力P1は、同圧力となり、ゴム製シール部材102 は押圧
を受け、回転軸107 の外周面に密着して、冷媒が大気側
109 に漏れないように密封する。回転軸107 が回転しな
い状態では、ゴム製シール部材102 およびシールエレメ
ント103 は摩擦の問題を発生することなく、安定して密
封できる。
【0068】ここで、回転軸107 が回転すると、これま
で回転軸107 の外周面に密着してシール効果を発揮して
いたゴム製シール部材102 の先端部121 が、シールしき
れなくなり、また、先端部121 をアール形状にして意図
的にシールエレメント103 側に漏れるようにしているた
め、該シール部材102 と回転軸107 との境界から、冷媒
漏れが発生する。しかし、減圧部110 の存在により、P
1<P0となって、ゴム製シール部材102 は、流体収納
室108 の圧力P0を受けずに、先端部121 が回転軸107
の外周面に摺接してシールを行うため、回転軸107 の外
周面にゴム製シール部材102 が、予想以上に押し付けら
れて、摩擦熱が発生して焼付く問題を軽減できる。
【0069】つまり、回転軸107 の静止時に、P0=P
1であった空間Aの圧力状態は、回転軸107 が回転する
と、回転軸107 に設けられたスクリュー溝部171 および
間仕切部161 で形成される溝空間172 内の冷媒が、流体
収納室108 側に押し戻され、それに伴い、空間A内の冷
媒も次々に溝空間172 内に引込まれることとなり、空間
Aの圧力P1はP1<P0となる。
【0070】一方、回転軸107 の回転によりゴム製シー
ル部材102 を通過した冷媒は、シールエレメント103 に
てシールされる。すなわち、漏れた冷媒は、シールエレ
メント103 の摺動面132 に介在して潤滑材としても作用
しているが、摺動面132 に設けた螺旋状の切込溝131
が、回転軸107 の回転とともに、ハイドロダイナミック
効果を引き起こし、介在している冷媒を流体収納室108
側に押し戻すため、大気側109 に冷媒が漏れることはな
い。
【0071】以上本発明の実施例につき説明したが、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由である。例
えば、図9に示す実施例では、回転軸シール101 に、ゴ
ム製シール部材102 およびPTFE製のシールエレメン
ト103 を有するタイプを示したが、回転軸シールであれ
ばなんでもよく、オイルシールやU字形シールを用いて
もよい。また、回転軸シール101 のシールエレメント10
3 が2つ具備する回転軸シール101 を例として示してい
るが、これに限定するわけではなく、シールエレメント
103 が複数のものであっても、単数のものであってもよ
い。
【0072】また、スクリュー溝部171 に関しても、回
転軸107 と一体とせず、別体のリング状のスクリュー溝
部171 を用意し、回転軸107 の所定の位置に取りつける
ものでもよい。さらに、スクリュー溝部171 の溝形状
は、V字形としているが、螺旋状に成形されていれば、
溝の断面形状は特に限定しない。
【0073】なお、用途に関しては、カーエアコン用コ
ンプレッサだけでなく、高圧環境下で使用する回転軸か
らの流体漏れを防止する密封装置において、本発明の減
圧部が適用可能で、高圧を受けるシールの圧力を軽減す
るのに大いに有効である。
【0074】
【発明の効果】本発明の上述の構成により次のような著
大な効果を奏する。 (請求項1又は2によれば、)カバー材18は(金属や硬
質プラスチック等の)硬質材製であるので、流体収納室
33側の急激な圧力変動に対して、過大な変形を生ずるこ
とが無く、後方(シール材6)のゴム製リップ部7への
上記急激な圧力変動の伝達を、緩和する。これによっ
て、ゴム製リップ部7の異常変形や異常摩耗を防止でき
る。回転軸23が停止(静止)時、微小クリアランスCを
通して、流体が空室部12へ漏れるが、後方(シール材
6)のゴム製リップ部7がその圧力を受けて直ちに回転
軸23の外面23aに密着し、圧力を保持できる。そして、
回転軸23の回転状態では、スクリュー溝Sのポンピング
作用によって、空室部12内の圧力が流体収納室33側の圧
力よりも低下(減圧)されるので、ゴム製リップ部7の
負担が軽くなって、ゴム製リップ部7の摩耗が防止さ
れ、寿命延長が図られる。
【0075】(請求項2によれば、)スクリュー溝Sに
よるポンピング作用が増大し、循環流が発生する構成に
より、ゴム製リップ部7が有効に冷却され、かつ、摩耗
等によるスラッジが空室部12から排出されるため、リッ
プ部7の過度の摩耗原因を除去して寿命の一層の延長を
図り得る。
【0076】(請求項3によれば、)回転軸23の回転時
に過大な圧力で摺接することを防止して、リップ先端部
7bの摩耗を低減し、寿命延長を図り得る。しかも、回
転軸23の静止状態では、圧力を受けると、直ちにリップ
先端部7bが回転軸23の外面23aに密封状に当接して、
確実に密封作用を行い得る。
【0077】(請求項4によれば、)ゴム製リップ部7
の過大な変形を防止し、かつ、リップ先端部7bが回転
軸23に対して過大な圧力で摺接することも有効防止し
て、寿命が延び、さらに、サポート金具8によって、C
2 ガス等の気体の場合の透過漏れを、防止できる。
【0078】(請求項5によれば、)流体収納室33の流
体が比較的プラスチックに対してガス透過性の高い冷媒
ガスを使用する場合でも、流体の透過漏れを防止でき
る。
【0079】(請求項6によれば、)金属コーティング
43を簡単に形成できる。そして、流体収納室33の流体が
比較的プラスチックに対してガス透過性の高い冷媒ガス
を使用する場合でも、流体の透過漏れを防止できる。
【0080】(請求項7によれば、)回転軸シール101
よりも流体収納室108 側に減圧部110 を設けたため、流
体収納室108 が高圧環境となっても、回転軸107 の回転
時における回転軸シール101 が受ける圧力は低減され
る。よって、本発明の密封装置により、回転軸シール10
1 のゴム製シール部材102 の摩耗が低減でき、コンプレ
ッサのシールの耐久性が向上する。
【0081】(請求項8によれば、)回転軸107 が回転
すると、ゴム製シール部材102 は、極少量の流体漏れが
あるが、シールエレメント103 により回転軸シール101
から外部へその流体を漏らさず、また、回転軸シール10
1 よりも流体収納室108 側に減圧部110 を設けたため、
流体収納室108 が高圧環境となっても、回転軸107 の回
転時における回転軸シール101 が受ける圧力は低減され
る。よって、本発明の密封装置により、回転軸シール10
1 のゴム製シール部材102 の摩耗が低減でき、コンプレ
ッサのシールの耐久性が向上する。
【0082】(請求項9によれば、)スクリュー溝部17
1 を回転軸107 と一体とすることで、成形が容易となっ
て低コスト化が図れるとともに、強度的にも寸法精度的
にも優れた減圧部110 とすることができる。
【0083】(請求項10によれば、)回転軸シール101
のゴム製シール部材102 の摩耗が低減でき、コンプレッ
サのシールの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図6】本発明の第6の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図7】本発明の第7の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図8】本発明の第8の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図9】本発明の第9の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
【図10】従来例を示す半截側面図である。
【符号の説明】
7 ゴム製リップ部 8 サポート金具 12 空室部 14 小孔 18 カバー材 19 円筒部 21 ラジアル壁部 23 回転軸 23a 外面 25 シール 31 ハウジング 33 流体収納室 43 金属コーティング 46 本体部 101 回転軸シール 102 ゴム製シール部材 103 シールエレメント 104 アウターケース 105 金具 106 ハウジング 107 回転軸 108 流体収納室 109 大気側 110 減圧部 121 先端部 122 内鍔被覆部 123 円筒被覆部 124 小突部 125 ゴムリップ部 126 遮蔽板 131 切込溝 132 摺動面 141 円筒部 142 内鍔部 161 間仕切部 171 スクリュー溝部 172 溝空間 C 微小クリアランス G 締め代 S スクリュー溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 博美 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 稲垣 朋也 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 山田 健史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 今井 崇行 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3J006 AE05 AE15 AE28 AE46 CA03 3J042 AA04 AA12 BA01 CA07 DA10 DA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと回転軸との間に介装される
    シールを備え、該シールは上記回転軸に接触自在なゴム
    製リップ部を有し、さらに、該リップ部よりも流体収納
    室側に配設されて該リップ部と共働して空室部を形成す
    ると共に微小クリアランスをもって上記回転軸に対向す
    る円筒部を有する硬質材製カバー材を有し、かつ、上記
    微小クリアランスを形成する上記円筒部の内面及び/又
    は上記回転軸の外面に、該回転軸の回転時に上記空室部
    内の流体を上記流体収納室側へ排出して該空室部内を減
    圧させるスクリュー溝を、形成したことを特徴とする密
    封装置。
  2. 【請求項2】 硬質材製カバー材が、円筒部に連設され
    るラジアル壁部を有し、該ラジアル壁部に小孔を貫設し
    て該小孔を介して上記空室部内へ上記流体収納室側の流
    体を一旦導入して後、該空室部内の流体を上記微小クリ
    アランスから流体収納室へ流体を排出させる循環流を発
    生させるように構成した請求項1記載の密封装置。
  3. 【請求項3】 ゴム製リップ部の回転軸外面に対する締
    め代を、(+) 0.5mm〜(−) 0.5mmに設定した請求項
    1又は2記載の密封装置。
  4. 【請求項4】 ゴム製リップ部の背面を保持するサポー
    ト金具を付設した請求項1,2又は3記載の密封装置。
  5. 【請求項5】 硬質材製カバー材の本体部が、硬質プラ
    スチック製であって、該硬質材製カバー材の該本体部の
    上記流体収納室側面に金属コーティングを付した請求項
    1,3又は4記載の密封装置。
  6. 【請求項6】 硬質材製カバー材の本体部が、硬質プラ
    スチック製であって、該硬質材製カバー材の該本体部の
    全周面に金属コーティングを付した請求項1,3又は4
    記載の密封装置。
  7. 【請求項7】 ハウジングと回転軸の間に介装され、該
    回転軸に摺接する回転軸シールと、該回転軸シールより
    流体収納室側に配設される回転軸の外周面に設けたスク
    リュー溝部と、前記ハウジングから該スクリュー溝部ま
    で延伸した間仕切部と、からなる減圧部を備えたことを
    特徴とする密封装置。
  8. 【請求項8】 ハウジングと回転軸の間に介装され、該
    回転軸に摺接するシールエレメントと、該シールエレメ
    ントより流体収納室側に配設されるゴム製シール部材と
    を備えた回転軸シールと、該回転軸シールより流体収納
    室側に配設される回転軸の外周面に設けたスクリュー溝
    部と、前記ハウジングから該スクリュー溝部間近まで延
    伸した間仕切部と、からなる減圧部を備えたことを特徴
    とする密封装置。
  9. 【請求項9】 前記スクリュー溝部は、前記回転軸と一
    体で構成されていることを特徴とする請求項7又は8の
    いずれかに記載の密封装置。
  10. 【請求項10】 前記間仕切部のスクリュー溝部と対向す
    る面が、スクリュー溝部全体を覆い、かつ、その微小ク
    リアランスが、ほぼ0mmであることを特徴とする請求項
    7から9のいずれかに記載の密封装置。
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