JP2006300191A - シール装置 - Google Patents

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幸一郎 老山
Yasuhiro Ikeda
康浩 池田
Hiroshi Ebihara
寛 海老原
Yasuhisa Arita
泰久 有田
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Abstract

【課題】エアコンのコンプレッサ等に適用されて高温及び高圧の被密封流体をシールするシール装置のシール性能の向上を図る。
【解決手段】バックアップリング30によりリップ部22,23の背面23aを支持すると共に、ゴム又は樹脂製のサポートリング100をバックアップリング30に保持させて、圧力を受けて変形するリップ部23の背面23aをサポートリング100のリップ支持面100aにより支持し、回転軸SがハウジングHの孔に対して偏芯する場合には軸対向周面100dにより回転軸Sの外周面Saを支持する構成とした。これにより、回転軸S及びバックアップリング30の接触を防ぎつつ、高圧及び高温の環境下においても、リップ部33の変形を適正な範囲に維持できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、回転軸が挿通されたハウジングの孔の内周面と回転軸の間を密封するシール装置に関し、特に、高圧流体を密封するのに用いられるシール装置に関する。
機器等のハウジングとそのハウジングから外部に突出する回転軸との間を密封するシール装置として、リップ型シール装置が知られている。例えば、コンプレッサ等の機器に適用されるリップ型シール装置においては、高い圧力の冷媒(CO等)の漏出を確実に防止できる耐圧性能や、回転軸に接触するリップ部の摺動摩擦による磨耗や発熱に対する耐久性能が要求される。
そこで、このようなリップ型シール装置では、高圧環境下においても、リップ部のシール面と回転軸との接触面積を適度な大きさに保つために、リップ部を支持するバックアップリングを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたリップ型シール装置は、エアコンに用いられるコンプレッサの回転軸に摺接するように先端に向けて徐々に縮径するリップ部を有するゴム状弾性材製の環状のシールリップ、リップ部の背面を支持する金属製のバックアップリング等を備えている。バックアップリングは、リップ部が圧力を受けて回転軸側に過剰に変形するのを防止し、リップ部と回転軸との接触面積の増大による磨耗や摩擦熱の発生を抑制する。
特許第3346743号
ところで、上記したリップ型シール装置では、冷媒として、例えばCOを用いる場合には、リップ部の温度が150℃、圧力が5MPa以上といった過酷な使用条件となり、高圧、高温の環境下で変形したリップ部の一部が回転軸とバックアップリングとの隙間にはみ出す等のリップ部の異常変形が発生し、長期間安定したシール性能を得るのが困難であった。
一方、リップ部の一部が回転軸とバックアップリングとの間の隙間にはみ出すのを防ぐには、バックアップリングの内径を縮小して回転軸との隙間を狭めることが考えられる。
しかしながら、金属製のバックアップリングの場合、回転軸との隙間を狭めると、ハウジングと回転軸との偏芯や回転軸の振れがある場合に、回転軸とバックアップリングが接触し、回転軸やバックアップリングが損傷したり、回転軸とバックアップリングの摩耗により金属粉が発生したりする可能性がある。
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転軸とバックアップリングとの接触を防ぎつつ、高温、高圧の環境下においてもリップ部を支持するバックアップリングとこれに挿通される回転軸との間でリップ部の変形を適正な範囲に保って長期間安定したシール性能が得られるシール装置を提供することにある。
本発明のシール装置は、ハウジングの孔の内周面と孔に挿通された軸の外周面との間に装着されてハウジング内の被密封流体をシールするシール装置であって、ハウジングの孔の内周面に嵌着される嵌着部,嵌着部から被密封流体側へ延出して先端側内周に軸の外周面と密接可能なシール面をもつリップ部,を備えるゴム状弾性材製の環状のシールリップと、嵌着部に支持される被支持部,被支持部から被密封流体側に延出してリップ部の被密封流体とは反対側の背面を支持するバックアップ部,バックアップ部の先端部内周に形成されて軸を囲む接合周面,を備えるバックアップリングと、接合周面に接合される被接合面,軸の外周面と隙間をおいて対向する軸対向周面,リップ部の背面を支持可能なリップ支持面,を備えるゴム又は樹脂製のサポートリングと、を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、高圧、高温の環境下において、リップ部が被密封流体から圧力を受けて変形すると、バックアップリングの接合周面に保持されたサポートリングは、そのリップ支持面によりリップ部の背面を支持する。これにより、リップ部の変形が適正な範囲に保たれる。
また、サポートリングは、ハウジングと軸との偏芯や軸の振れがある場合に、その軸対向周面により軸の外周面を支持して軸とバックアップリングとが直接接触するのを防ぐと共にその形成材料の弾性により偏芯や軸振れに追随する。
上記構成において、軸対向周面の軸方向の長さは、接合周面の軸方向の長さよりも長く形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、サポートリングの軸対向周面の軸方向の長さを延長することにより軸対向周面の面積を拡張でき、ハウジングと軸との偏芯や軸の振れがある場合に、軸の外周面を確実に支持できて、軸の外周面がリップ部に圧接されてシール面の面圧が偏るのを防ぐ作用が奏される。
上記構成において、リップ支持面は、バックアップ部の支持面と面一に且つ同一曲率をもつように形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、サポートリングのリップ支持面がバックアップリングの支持面の一部として機能し、軸とバックアップリングの接触を防ぎつつ、サポートリングを用いずにバックアップリングを軸の外周面に近づけてリップ部を支持する場合と同様の作用が奏される。
上記構成において、リップ支持面は、バックアップ部の支持面側の一部を覆うように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、バックアップリングとサポートリングのリップとがより堅固に接合されて、両者の剥がれ等を防止できる。
上記構成において、軸対向周面には、軸方向のリップ支持面とは反対側に面取り部が形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、ハウジングと軸との偏芯や軸の振れ等がある場合でも、軸対向周面の片当たりが防止されて、所期のシール性能を得ることができる。
本発明のシール装置によれば、高圧、高温の環境下においてもリップ部の変形が適正な範囲に保たれるため、適切なシール性能が発揮されて長期間安定したシール性能が得られると共に、軸とバックアップリングとが接触して損傷するのを防止できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、ここでは、本発明に係るシール装置がコンプレッサに用いられる場合について説明する。また、コンプレッサでは、例えば、5MPa以上の高圧の冷媒(CO等)を使用する。
図1ないし図5は、本発明のシール装置の一実施形態を示すものであり、図1は装着状態におけるシール装置の片側断面図、図2は未装着状態におけるシール装置の片側断面図、及び図3はサポートリング周辺の拡大部分断面図である。
コンプレッサは、図1に示すように、外輪郭を画定するハウジングH、ハウジングH内に収容された圧縮機構に外部から回転駆動力を伝達する回転軸S等を備えている。そして、回転軸Sの外周面SaとハウジングHの孔Haの内周面Hbとの間を密封するように、本発明に係るシール装置10が装着されて、内部空間Fに収容された被密封流体を大気A(外部)から遮断している。
シール装置10は、図1及び図2に示すように、外輪郭を画定すると共に内部空間F(被密封流体)側に面する環状のシールリップ20、シールリップ20の内側に接合されたバックアップリング30、バックアップリング30に接合されたサポートリング100を基本構成として備えており、又、バックアップリング30に続いて回転軸Sの軸線S1の方向に順次に配列して接合された,第2シールリップ40、第2バックアップリング50、スペーサリング60、ホルダリング70、第3シールリップ80、第3バックアップリング90等を備えている。
シールリップ20は、ゴム又は樹脂(ゴム状弾性材)により形成され、図1及び図2に示すように、孔Haの内周面Hbに嵌着される嵌着部21、内部空間Fに向けて嵌着部21から延出する円筒部22、及び円筒部22から径方向内側に向けて所定の傾斜角度をなすように略円錐環状に延出する円錐部23を備えている。尚、円筒部22及び円錐部23はリップ部を構成している。
嵌着部21には、その内部に金属環24が埋設されている。金属環24は、径方向内向きのフランジ部24a及びカシメ部24bをもつ円筒状に形成されており、嵌着部21の強度を高めると共に、部品全体の組付け後にカシメ加工を施してカシメ部24bを成形することで、全体を固定するようになっている。
円筒部22は、嵌着部21と円錐部23とを一体的に連結するものであり、軸線S1の方向におけるその長さは適宜選択される。すなわち、円筒部22は、円錐部23を、嵌着部21から径方向内側に延出させるために形成するものであり、円錐部23が嵌着部21に隣接して形成されるように、円筒部22は短く形成されていてもよい。
円錐部23は、先端側に向かって徐々に縮径すると共に、徐々に薄肉となる先細りの裁頭円錐形状に形成され、先端側の内周に回転軸Sの外周面Saに密接可能なシール面23bをもつ。この円錐部23は、内部空間Fが高圧となった場合に、そのシール面23bと回転軸Sの外周面Saとの接触幅が広がるように変形して適度な接触面圧を維持する。
シールリップ20の材料としては、H−NBR系のゴム材料等の如く、耐熱性と強度に優れたゴム状弾性材が用いられ、又、回転軸Sの外周面Saとの接触状態を最適に維持することができるように材質硬度が選択される。
バックアップリング30は、金属又は硬質の樹脂材料により形成されており、図1ないし図3に示すように、シールリップ20の嵌着部21に支持される被支持部としての環状の接合部31、接合部31から内部空間F(被密封流体)側に延出するバックアップ部としての円筒支持部32及び円錐支持部33、円錐支持部33の先端部内周に形成されて回転軸Sを囲むと共にサポートリング100を接合させる円筒面からなる接合周面33aを備える。
円筒支持部32は、シールリップ20の円筒部22の内部空間F(被密封流体)とは反対側の背面22aを径方向内側から支持するようになっている。
円錐支持部33は、円筒支持部32側から円錐部23の途中の領域まで延出して、円錐部23の内部空間F(被密封流体)とは反対側の背面23aを径方向内側から支持するようになっている。また、円錐支持部33は、その外周面である支持面33cが、円錐部23側に向けて凸状となるように湾曲して形成されている。
接合周面33aは、回転軸Sの外径よりも大きい内径をもち、接合周面33aと回転軸Sの外周面Saとは、図4に示すように、距離SP1を隔てて対向している。
サポートリング100は、リップ部としての円錐部23の背面23aを支持可能なリップ支持面100a、接合周面33aに接着される被接合面100b、接合周面33aに続く円錐支持部33の略円錐面形状の内壁面33bに接合される被接合面100c、及び、回転軸Sの外周面Saと間隙SP2をおいて対向する軸対向周面100dを備える。
リップ支持面100aは、接合周面33aと支持面33cとの交わりにより形成されるエッジ33eを含む領域に配置されると共に、エッジ33eにおいて支持面33cに連続するように支持面33cと面一に形成されかつ同一の曲率をもつ。また、リップ支持面100aは、円錐部23が被密封流体の圧力により変形していない状態において、円錐部23の背面23aと対向している。
被接合面100b,100cは、接合周面33a及び内壁面33bに接着、溶着、焼付(一体成形)等により接合されている。これにより、サポートリング100は、バックアップリング30に強固に保持される。
軸対向周面100dは、これに挿通される回転軸Sの外周面Saとの間に僅かな隙間SP2をもつように形成される。この隙間SP2は、軸対向周面100dが外周面Saと常時接触するのを避けるために形成される。また、軸対向周面100dの軸方向の長さは、接合周面33aの軸方向の長さよりも長く形成されている。これにより、サポートリング100は、軸受けとしての機能を確実に発揮する。
サポートリング100を形成する材料としては、硬質のH−NBR系のゴム材等の如く耐熱性に優れると共に耐摩耗性に優れた(摩擦係数の小さな)ゴム材、あるいは、耐熱性に優れると共に耐摩耗性に優れた弾性変形可能な樹脂が用いられる。
第2シールリップ40は、PTFEなどの樹脂材料により形成され、図1及び図2に示すように、バックアップリング30の接合部31を挟んだ状態でシールリップ20に接合される環状の接合部41、接合部41から径方向内側に向けて所定の傾斜角度をなすように略円錐環状に延出して回転軸Sの外周面Saに当接し得るリップ部42等により構成されている。
また、リップ部42の内壁面(回転軸Sの外周面Saと接触する領域)には、ネジ状の螺旋切込み43が設けられている。螺旋切込み43は、そのネジポンプ作用により、被密封流体を内部空間F内に押し戻す役割を果たす。
第2バックアップリング50は、金属又は硬質の樹脂材料により形成され、図1及び図2に示すように、回転軸Sを通す円孔50aを画定すると共に、第2シールリップ40の接合部41に接合される環状の接合部51、接合部51から軸線S1の方向の内部空間Fに向けて突出する環状の支持部52等により構成されている。
スペーサリング60は、図1及び図2に示すように、略L字状の断面をなす金属環61、金属環61に一体的に固着されたゴム製の環状パッキン等により構成されている。金属環61は、第2バックアップリング50の接合部51に接合され、環状パッキン62は、シールリップ20の内周面(金属環24)に嵌入されている。すなわち、スペーサリング60を嵌め込むことで、シールリップ20の内側において、バックアップリング30、第2シールリップ40、第2バックアップリング50を挟み込んで固定できるようになっている。
ホルダリング70は、図1及び図2に示すように、略L字状の断面をなすように金属又は硬質の樹脂材料により形成されており、スペーサリング60の環状パッキン62に嵌合するように組み込まれている。
第3シールリップ80は、PTFE等の樹脂材料により形成され、図1及び図2に示すように、ホルダリング70及び環状パッキン62に接合される環状の接合部81、接合部81から径方向内側に向けて所定の角度をなすように略円錐環状に延出して回転軸S(の外周面Sa)に当接し得るリップ部82等により構成されている。
第3バックアップリング90は、金属又は硬質の樹脂材料により形成され、図1及び図2に示すように、回転軸Sを通す円孔90aを画定すると共に、第3シールリップ80の接合部81に接合される環状の接合部91、接合部91から軸線方向S1の内部空間Fに向けて突出する環状の支持部92等により構成されている。
接合部91は、シールリップ20のカシメ部24bで第3シールリップ80の接合部81に向けて押し付けられて堅固に固定されている。
上記構成をなすシール装置10の組付けについて説明すると、先ず、サポートリング100を接合したバックアップリング30、及びカシメ部24bが曲げられていない(カシメ処理されていない)シールリップ20を用意し、バックアップリング30、第2シールリップ40、第2バックアップリング50、スペーサリング60、ホルダリング70、第3シールリップ80、第3バックアップリング90を順次重ねて嵌め込んだ後、カシメ加工を施して、カシメ部24bを形成する。
これにより、順次に挿入されたバックアップリング30、第2シールリップ40、第2バックアップリング50、スペーサリング60、ホルダリング70、第3シールリップ80、第3バックアップリング90は全て、シールリップ20により挟持されて固定され、シール装置10が完成する。
次に、上記構成のシール装置10の作用について図4及び図5を参照して説明する。
ハウジングH内の内部空間Fの被密封流体が高温、高圧になると、図4に示すように、シールリップ20の円錐部23は圧力を受けて変形する。このとき、サポートリング100のリップ支持面100aは、円錐部23の先端部の背面23aを支持するので、円錐部23の変形は適正な範囲に保たれる。これにより、円錐部23のシール面23bと回転軸Sの外周面Saとの間の面圧が適正な範囲に維持されて安定したシール性能を確保することができる。
また、上記したように、隙間SP2は、軸対向周面100dと回転軸Sの外周面Saとの接触を避けるための僅かな隙間であるため、変形した円錐部23の一部は隙間SP2にはみ出すことが殆どない。
さらに、リップ支持面100aはエッジ33eを含む領域に配置されているので、エッジ33eにおいて円錐部23に応力が集中することがなく、円錐部23の損傷を防ぐことができる。
一方、回転軸SがハウジングHの孔Haに対して偏芯していたり、回転軸Sに軸振れがあると、図5に示すように、サポートリング100の軸対向周面100dに回転軸Sの外周面Saが当接する。このとき、バックアップリング30の接合周面33aと回転軸Sの外周面Saとの間にはサポートリング100が軸受けとして介在しているので、回転軸Sの外周面Saが円錐部23のシール面23bに押し当てられて過剰変形することにより面圧が適正な範囲から外れるのを防ぐことができる。この結果、安定したシール性能を確保することができる。この作用により、回転軸S及びバックアップリング30の損傷や金属粉の発生を防ぐことができる。また、サポートリング100は硬質ゴム又は樹脂などの摩擦係数が小さい材料で形成されているので、回転軸Sと接触したときに回転軸Sの偏芯や軸振れに追随する。
ここで、バックアップリング30にサポートリング100を設けたことによるメリットをさらに明らかにするために、比較例として、サポートリング100を備えないシール装置の一例を図6に示す。
サポートリング100を備えていない場合には、ハウジングH内の被密封流体が高温、高圧になると、図6に示すように、円錐部23の先端部は、バックアップリング30の接合周面33aと回転軸Sの外周面Saとの間に形成される隙間SP1内に向かってはみ出す。ハウジングH内の被密封流体が高温、高圧になるほどこのはみ出し量は大きくなる。このように、円錐部23が隙間SP1内にはみ出すと、円錐部23のシール面23bの面圧が低下してシール性能が低下すると共に円錐部23が損傷しやすくなる。
一方、本実施形態では、上記したように、変形した円錐部23をリップ支持面100aにより支持して円錐部23の異常変形を防ぐので、円錐部23のシール面23bの面圧が低下せずシール性能を確保できると共に、円錐部23の損傷を防ぐことができる。
ここで、本実施形態に係るシール装置10と図6に示したシール装置の密封性についての試験結果を図7に示す。
なお、被密封流体としてCO+PAGオイルを用い、回転軸Sの回転数を9500rpmとし、被密封流体の圧力を5.5MPaとし、温度を150℃として密封性試験を行った。
図7から分かるように、サポートリング100を用いた場合には、長時間経過後にも漏れ量の増加は僅かであるが、サポートリング100を用いない場合には、時間の経過と共に漏れ量が急激に増大する。
このように、本実施形態に係るシール装置は、5.5MPaの如く高圧で150℃の如く高温の環境下においても、長期間の使用に耐え得るシール性能をもつ。
図8は、本発明に係るシール装置の他の実施形態を示すものであり、バックアップリング及びシールリングの一部を変更した以外は、前述の実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施形態においては、図8に示すように、バックアップリング30´の接合周面33aと支持面33cとの交わる領域に湾曲した湾曲部33e´が形成されている。また、サポートリング100´のリップ支持面100a´が、バックアップリング30´の湾曲部33e´及び支持面33c(すなわち、バックアップ部の支持面側)の一部を覆うように形成され、又、軸方向S1におけるリップ支持面100a´とは反対側において、軸対向周面100dと端面100e´とが交わる領域にテーパ状に面取りされた面取り部100f´が形成されている。
このように、リップ支持面100a´が湾曲部33e´及び支持面33cの一部を覆うように形成されることにより、サポートリング100´とバックアップリング30´との接合状態がより堅固になり、両者の剥がれを防止できる。また、面取り部100f´を設けたことにより、軸対向周面100dの軸方向S1の長さを適宜調整できると共に、ハウジングHと軸Sとの偏芯や軸の振れ等がある場合でも、軸対向周面100dの片当たり等が防止されて、所期のシール性能を得ることができる。
上記実施形態では、サポートリング100をバックアップリング30の接合周面33a及びこれに続く内壁面33bに接合する構成としたが、これに限定されるものではなく、接合周面33aにのみ設ける構成とすることも可能である。
また、上記実施形態では、サポートリング100のリップ支持面100aをバックアップリング30のエッジ33eを含む領域に配置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、リップ部としての円錐部23の変形を適正な範囲に保つことができればよく、エッジ33eより前方あるいは後方に配置することも可能である。
以上述べたように、本発明のシール装置は、高圧環境下に曝される領域に装着されるのに適しており、回転軸のみならず、往復動する軸の外周を密封する必要がある機械、電気機器等において有用である。
本発明に係るシール装置の一実施形態を示すものであり、このシール装置をコンプレッサのハウジング及び回転軸の間に装着した状態での片側断面図である。 未装着状態のシール装置を示す片側断面図である。 補助リング周辺を示す拡大部分断面図である。 高圧環境下における補助リング周辺の状態を示す拡大部分断面図である。 回転軸に偏芯がある場合の補助リング周辺の状態を示す拡大部分断面図である。 補助リングを備えていないシール装置の高圧環境下における状態を示す拡大部分断面図である。 本発明に係るシール装置及び補助リングを備えていないシール装置の密封性についての試験結果を示すグラフである。 本発明に係るシール装置の他の実施形態を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
10 シール装置
20 シールリップ
21 嵌着部
22 円筒部(リップ部)
22a 背面
23 円錐部(リップ部)
23a 背面
23b シール面
30,30´ バックアップリング
31 接合部(被支持部)
32 円筒支持部(バックアップ部)
33 円錐支持部(バックアップ部)
33a 接合周面
33b 内壁面
33c 支持面
33e エッジ
33e´ 湾曲部
40 第2シールリップ
50 第2バックアップリング
51 接合部
60 スペーサリング
61 金属環
62 環状パッキン
70 ホルダリング
80 第3シールリップ
90 第3バックアップリング
100 サポートリング
100a,100a´ リップ支持面
100b 被接合面
100c 被接合面
100d 軸対向周面
100e´ 端面
100f´ 面取り部
S 回転軸
Sa 外周面
H ハウジング
Ha 孔
Hb 内周面
SP2 隙間

Claims (5)

  1. ハウジングの孔の内周面と前記孔に挿通された軸の外周面との間に装着されてハウジング内の被密封流体をシールするシール装置であって、
    前記ハウジングの孔の内周面に嵌着される嵌着部,前記嵌着部から被密封流体側へ延出して先端側内周に前記軸の外周面と密接可能なシール面をもつリップ部,を備えるゴム状弾性材製の環状のシールリップと、
    前記嵌着部に支持される被支持部,前記被支持部から被密封流体側に延出して前記リップ部の被密封流体とは反対側の背面を支持するバックアップ部,前記バックアップ部の先端部内周に形成されて前記軸を囲む接合周面,を備えるバックアップリングと、
    前記接合周面に接合される被接合面,前記軸の外周面と隙間をおいて対向する軸対向周面,前記リップ部の背面を支持可能なリップ支持面,を備えるゴム又は樹脂製のサポートリングと、を有する、
    ことを特徴とするシール装置。
  2. 前記軸対向周面の前記軸方向の長さは、前記接合周面の前記軸方向の長さよりも長く形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記リップ支持面は、前記バックアップ部の支持面と面一に且つ同一曲率をもつように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
  4. 前記リップ支持面は、前記バックアップ部の支持面側の一部を覆うように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
  5. 前記軸対向周面には、前記軸方向の前記リップ支持面とは反対側に面取り部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のシール装置。

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