JP3111991U - シール装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジングHの嵌合孔Haの内周面Ha´と嵌合孔Haに挿通された軸Sの外周面Saとの間に装着されてハウジング内の被密封流体をシールするシール装置において、ハウジングHの嵌合孔Haに嵌着される嵌着部11,嵌着部11から被密封流体側Iへ延出して先端側内周に軸Sの外周面Saと密接するシール面13aをもつリップ部13を備えるゴム状弾性材製の環状のシールリップ10、嵌着部11の内側に配置されて嵌着部11を嵌合孔Haの内周面Ha´に向けて押圧する金属製又は樹脂材料製の補強リング20を備え、補強リング20は、大気側Eに拡径円筒部22かつ被密封流体側Iに縮径円筒部21を有する。これにより、嵌着部11の領域から被密封流体が透過し得る流体透過面積(流体透過速度)が小さくなり、透過漏れ量を抑制ないしは低減できる。
【選択図】図1
Description
従来のシール装置としては、図5に示すように、ハウジングHの嵌合孔Haに嵌着される嵌着部1a及び回転軸Sの外周面Saに密接するリップ部1bを一体的にもつゴム製のシールリップ1、シールリップ1に一部が埋設された金属製の補強リング2、金属薄板により形成されたバックアップリング3、樹脂材料製の第2のシールリップ4、金属製の第2のバックアップリング5を備え、大気側Eと被密封流体側Iとを遮断するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このシール装置において、補強リング2は、同一の径をなす円筒部2aとその両側が折り曲げられたフランジ部2b,2cを備えると共に、大気側Eの一部(円筒部2a、フランジ部2c)がシールリップ1から露出して形成されている。すなわち、シールリップ1の嵌着部1aの肉厚(及び円筒部2aの外周面とハウジングHの嵌合孔Haとの間隔C)は、回転軸Sの軸線方向(被密封流体側I〜大気側E)において一定となるように形成されている。
このシール装置において、補強リング2´は、同一の径をなす円筒部2a´とその両側が折り曲げられたフランジ部2b´,2c´を備えると共に、大気側Eの部分(円筒部2a´、フランジ部2c´)はシールリップ1´の一部をなす薄肉のゴム材料で覆われるように形成されている。すなわち、シールリップ1´の嵌着部1a´の肉厚(及び円筒部2a´の外周面とハウジングHの嵌合孔Haとの間隔C)は、回転軸Sの軸線方向(被密封流体側I〜大気側E)において一定となるように形成されている。
この構成によれば、ハウジングの嵌合孔(の内周面)と補強リング(の外周面)とで規定される間隔は、被密封流体側よりも大気側が狭く形成されることになり、嵌着部の領域から被密封流体が透過し得る流体透過面積すなわち流体透過速度が小さくなる。したがって、嵌着部の経時劣化等を生じても、透過漏れ量を抑制ないしは低減することができ、長期に亘って安定したシール機能を得ることができる。
この構成によれば、補強リングの拡径円筒部(の外周面)に薄肉部が接合されかつ補強リングの縮径円筒部(の外周面)に嵌着部が接合されているため、拡径円筒部での流体透過面積を小さくしつつ、薄肉部の圧縮代が極端に大きくなるのを防止ないしは非圧縮の状態とすると共に、嵌着部に適度な圧縮代を設定することができる。これにより、全体として、流体透過面積を小さくしつつも安定したシール性能を確保することができる。
この構成によれば、拡径円筒部と縮径円筒部とは、円錐状の連結部を介して滑らかに(径寸法が徐々に)変化するように一体的に形成されているため、補強リング自体及びその外側に接合される薄肉部及び嵌着部に、局部的に大きな応力(応力集中)が生じるのを防止でき、それ故にクラック等の発生を防止でき、補強リング及びシールリップの耐久性を向上させることができる。
この構成によれば、補強リングが拡径円筒部と縮径円筒部との間に段差をもつ形状であっても、シールリップと補強リングとが確実に一体的に密着接合されるため、機能上の信頼性を向上させることができる。
図1ないし図3は、本発明に係るリップ型のシール装置の一実施形態を示すものであり、図1は装着状態における装置の片側断面図、図2は未装着状態における装置の片側断面図、図3は装置の部分拡大断面図である。尚、ここでは、本考案に係るシール装置がエアコンのコンプレッサに用いられる場合について説明する。また、コンプレッサでは、例えば、5MPa以上の高圧の冷媒(CO2等)が使用される。
円筒部12は、嵌着部11から円錐部13を径方向内側に延出させるように、嵌着部11と円錐部13とを一体的に連結するものである。尚、円筒部12の回転軸Sの軸線方向における長さは適宜選択される。
シールリップ10の材料としては、H−NBR系のゴム材料等の如く、耐熱性と強度に優れたゴム状弾性材が用いられ、又、回転軸Sの外周面Saとの接触状態を最適に維持することができるように材質硬度が選択される。
フランジ部15は、後述する補強リング20のカシメ部25を外側から覆うように形成されると共に、スナップリングH1に当接して位置決めされるようになっている。
このように、補強リング20の縮径円筒部21及び拡径円筒部22は、シールリップ10のゴム状弾性材に埋設されているため、縮径円筒部21と拡径円筒部22との間に段差をもつ形状であっても、シールリップ10と補強リング20とが確実に一体的に密着接合され、機能上の信頼性が向上する。
また、嵌着部11から薄肉部14への遷移領域と縮径円筒部21から拡径円筒部22の遷移領域(連結部23の領域)においては、図3に示すように、装着されて嵌着部11が圧縮された(拡径円筒部22の外周面22aと嵌合孔Haの内周面Ha´との間隔がC2となる)状態で、P1点とP2点とが回転軸Sの軸線方向において略同一の位置になるように形成されている。
したがって、拡径円筒部22での流体透過面積を小さくしつつ、薄肉部14を非圧縮の状態とすると共に、嵌着部11に適度な圧縮代を設定することができ、全体として、流体透過面積を小さくしつつも安定したシール性能を確保することができる。
このように、縮径円筒部21及び拡径円筒部22は、円錐状に形成された連結部23を介して滑らかに(径寸法が徐々に)変化するように一体的に形成されているため、補強リング20自体及びその外側に接合される薄肉部14及び嵌着部11に、局部的に大きな応力(応力集中)が生じるのを防止できる。その結果、クラック等の発生が防止され、補強リング20及びシールリップ10の耐久性が向上する。
すなわち、流体の透過速度V(=Q/t)は、流体の透過係数をμ、流体の透過面積をA、差圧をΔP、流体の透過経路長をLとするとき、一般的に、V=μ・A・ΔP/Lで表される。したがって、流体透過面積Aを小さくすれば、流体透過速度Vを小さくすることができる。
これにより、嵌着部11が経時劣化等を生じても、透過漏れ量を抑制ないしは低減することができ、長期に亘って安定したシール機能を得ることができる。
そして、シールリップ10に対して、シールリップ30、バックアップリング40を順次重ねて嵌め込んだ後、カシメ加工を施して、カシメ部25を形成する。
これにより、順次に挿入されたシールリップ30、バックアップリング40は、シールリップ10により挟持されて固定され、シール装置Mが完成する。
このシール装置Mは、嵌着部11がハウジングHの嵌合孔Ha(内周面Ha´)に所定量圧縮した状態で装着される。
そして、この装着状態において、ハウジングH内の内部空間Iの被密封流体が高温、高圧になると、シールリップ10の円錐部13は圧力を受けて変形しつつ、回転軸Sの外周面Saと密着してシール作用を及ぼす。また、シールリップ30も二次的にシール作用を及ぼす。
この結果から解かるように、本考案に係るシール装置では、従来のものに比べて、最大25パーセント程度の漏れ量を低減することができる。
H ハウジング
Ha 嵌合孔
Ha´ 嵌合孔の内周面
H1 スナップリング
10 シールリップ
11 嵌着部
12 円筒部(リップ部)
13 円錐部(リップ部)
13a シール面
14 薄肉部
15 フランジ部
20 補強リング
21 縮径円筒部
22 拡径円筒部
23 連結部
24 フランジ部
25 カシメ部
30 第2のシールリップ
40 バックアップリング
Claims (4)
- ハウジングの嵌合孔の内周面と前記嵌合孔に挿通された軸の外周面との間に装着されてハウジング内の被密封流体をシールするシール装置であって、
前記ハウジングの嵌合孔に嵌着される嵌着部,前記嵌着部から被密封流体側へ延出して先端側内周に前記軸の外周面と密接するシール面をもつリップ部,を備えるゴム状弾性材製の環状のシールリップと、
前記嵌着部の内側に配置されて前記嵌着部を前記嵌合孔の内周面に向けて押圧する金属製又は樹脂材料製の補強リングと、を備え、
前記補強リングは、大気側に拡径円筒部かつ被密封流体側に縮径円筒部をもつように形成されている、
ことを特徴とするシール装置。 - 前記シールリップは、大気側において、前記嵌着部の肉厚よりも薄い薄肉部をもつように形成され、
前記薄肉部は、前記補強リングの拡径円筒部に接合され、
前記嵌着部は、前記補強リングの縮径円筒部に接合されている、
ことを特徴とする請求項1記載のシール装置。 - 前記補強リングの拡径円筒部及び縮径円筒部は、円錐状に形成された連結部を介して一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。 - 前記補強リングの拡径円筒部及び縮径円筒部は、前記シールリップのゴム状弾性材に埋設されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のシール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005002627U JP3111991U (ja) | 2005-04-26 | 2005-04-26 | シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005002627U JP3111991U (ja) | 2005-04-26 | 2005-04-26 | シール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3111991U true JP3111991U (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=43274430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005002627U Expired - Lifetime JP3111991U (ja) | 2005-04-26 | 2005-04-26 | シール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3111991U (ja) |
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2005
- 2005-04-26 JP JP2005002627U patent/JP3111991U/ja not_active Expired - Lifetime
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