JPH11236977A - 回転軸シール - Google Patents
回転軸シールInfo
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- JPH11236977A JPH11236977A JP10055993A JP5599398A JPH11236977A JP H11236977 A JPH11236977 A JP H11236977A JP 10055993 A JP10055993 A JP 10055993A JP 5599398 A JP5599398 A JP 5599398A JP H11236977 A JPH11236977 A JP H11236977A
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- Japan
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- seal
- rotary shaft
- labyrinth
- rotating shaft
- labyrinth seal
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- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
- Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 低コストで作製することができるととも
に、始動も容易であり、確実に流体を密封することがで
きる回転軸シールを提供すること。 【解決手段】 回転軸シールは、ハウジング２と回転軸
１との間に介装されており、密封流体Ｒを密封するシー
ルエレメント４と、ガスケット５と、内周面に３本の環
状凹溝３２が設けられたラビリンスシール部３１を有す
るシールセグメント３と、アウターケース７と、インナ
ーケース６とからなり、前記シールセグメント３はＰＴ
ＦＥ（四フッ化エチレン樹脂）からなり、初期最内径が
前記回転軸１の外径よりも小さく作製され、装着されて
いる。
に、始動も容易であり、確実に流体を密封することがで
きる回転軸シールを提供すること。 【解決手段】 回転軸シールは、ハウジング２と回転軸
１との間に介装されており、密封流体Ｒを密封するシー
ルエレメント４と、ガスケット５と、内周面に３本の環
状凹溝３２が設けられたラビリンスシール部３１を有す
るシールセグメント３と、アウターケース７と、インナ
ーケース６とからなり、前記シールセグメント３はＰＴ
ＦＥ（四フッ化エチレン樹脂）からなり、初期最内径が
前記回転軸１の外径よりも小さく作製され、装着されて
いる。
Description
【０００１】
【発明が属する技術分野】本発明は、回転軸シールに関
し、特には空気など各種気体の密封に好適な回転軸シー
ルに関する。
し、特には空気など各種気体の密封に好適な回転軸シー
ルに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、各種気体の密封を目的とした回転
軸シールとして、回転軸側の面に複数の凹溝を設け、前
記回転軸と前記回転軸シールの内周面との間に微少な間
隙をもって、回転軸とハウジングとの間に介装されるラ
ビリンスシール部を有する回転軸シールが用いられてい
る。例えば、図４に示すようなコンプレッサ用回転軸シ
ールとして、ラビリンスシール部を有する回転軸シール
がある。
軸シールとして、回転軸側の面に複数の凹溝を設け、前
記回転軸と前記回転軸シールの内周面との間に微少な間
隙をもって、回転軸とハウジングとの間に介装されるラ
ビリンスシール部を有する回転軸シールが用いられてい
る。例えば、図４に示すようなコンプレッサ用回転軸シ
ールとして、ラビリンスシール部を有する回転軸シール
がある。
【０００３】図４の回転軸シールについて説明すると、
回転軸シールは、コンプレッサなどのハウジング１２と
回転軸１１との間に介装されており、密封流体Ｒ側に設
けられ、回転軸１１に接触する主リップ部を有する主シ
ールエレメント１４と、空気Ａ側に設けられ、内周面に
複数（図中では３本）の環状凹溝１３２を有するととも
に、回転軸１１と内周面との間にわずかに間隙をもって
近接する副リップ部を有する副シールエレメント１３
と、前記主シールエレメント１４と前記副シールエレメ
ント１３との間に設けられ、後記アウターケース１７の
内周面を密封するガスケット１５と、前記主シールエレ
メント１４、副シールエレメント１３、ガスケット１５
を覆うアウターケース１７と、該アウターケース１７の
内周側にあって、前記主シールエレメント１４、副シー
ルエレメント１３、ガスケット１５を軸方向に密着させ
るインナーケース１６とからなっている。
回転軸シールは、コンプレッサなどのハウジング１２と
回転軸１１との間に介装されており、密封流体Ｒ側に設
けられ、回転軸１１に接触する主リップ部を有する主シ
ールエレメント１４と、空気Ａ側に設けられ、内周面に
複数（図中では３本）の環状凹溝１３２を有するととも
に、回転軸１１と内周面との間にわずかに間隙をもって
近接する副リップ部を有する副シールエレメント１３
と、前記主シールエレメント１４と前記副シールエレメ
ント１３との間に設けられ、後記アウターケース１７の
内周面を密封するガスケット１５と、前記主シールエレ
メント１４、副シールエレメント１３、ガスケット１５
を覆うアウターケース１７と、該アウターケース１７の
内周側にあって、前記主シールエレメント１４、副シー
ルエレメント１３、ガスケット１５を軸方向に密着させ
るインナーケース１６とからなっている。
【０００４】そして、前記アウターケース１７が嵌着さ
れる部位のハウジング１２に大気開放路１２１が設けら
れ、前記主シールエレメント１４と、副シールエレメン
ト１３と、ガスケット１５と、回転軸１１とによって囲
まれて形成される空隙部１９と、前記大気開放路１２１
とを連通する連通小路２０を上記ガスケット１５及びア
ウターケース１７に形成している。
れる部位のハウジング１２に大気開放路１２１が設けら
れ、前記主シールエレメント１４と、副シールエレメン
ト１３と、ガスケット１５と、回転軸１１とによって囲
まれて形成される空隙部１９と、前記大気開放路１２１
とを連通する連通小路２０を上記ガスケット１５及びア
ウターケース１７に形成している。
【０００５】このように構成することにより、密封流体
Ｒを回転軸１１と接触している主リップ部によって密封
するとともに、空気Ａ側の圧力を副リップ部におけるラ
ビリンス効果により減圧して、密封することができる。
また、前記大気開放路１２１および連通小路２０を設け
ることにより、空隙部１９に空気が溜まり、高圧になる
ことを防止し、確実にラビリンス効果を得ることができ
る。前記ラビリンス効果とは、高圧の流体が一方から流
入した時に、狭い空間と広い空間とを繰り返し通過する
ことにより、前記高圧の流体は圧縮と膨張とを繰り返し
て、最終的に減圧されることをいう。即ち、空気Ａが、
前記回転軸１１と副シールエレメント１３との間の間隙
と、副シールエレメント１３の凹溝１３２、１３２、１
３２とを流れる時に圧縮と膨張を繰り返し、減圧され、
密封される。
Ｒを回転軸１１と接触している主リップ部によって密封
するとともに、空気Ａ側の圧力を副リップ部におけるラ
ビリンス効果により減圧して、密封することができる。
また、前記大気開放路１２１および連通小路２０を設け
ることにより、空隙部１９に空気が溜まり、高圧になる
ことを防止し、確実にラビリンス効果を得ることができ
る。前記ラビリンス効果とは、高圧の流体が一方から流
入した時に、狭い空間と広い空間とを繰り返し通過する
ことにより、前記高圧の流体は圧縮と膨張とを繰り返し
て、最終的に減圧されることをいう。即ち、空気Ａが、
前記回転軸１１と副シールエレメント１３との間の間隙
と、副シールエレメント１３の凹溝１３２、１３２、１
３２とを流れる時に圧縮と膨張を繰り返し、減圧され、
密封される。
【０００６】このようにして、ラビリンス効果が得られ
ることから、流体が圧縮される空間と膨張される空間と
の差が大きい方が、ラビリンス効果はより効果的になり
好ましく、また、前記圧縮のための空間となる回転軸１
１と副シールエレメント１３との間隙が大きいと、ラビ
リンス効果が生じる以前に流体（前述の例では空気Ａ）
の漏れが生じる。従って、前記複数の凹溝１３２を有す
る副シールエレメント１３は厳しい寸法公差で作製する
必要があり、そのため、図４に示すように加工精度の良
好な金属で心板２３を形成し、該金属製心板２３に被覆
材３３としてゴムまたは樹脂を被覆して、副シールエレ
メント１３を形成していた。
ることから、流体が圧縮される空間と膨張される空間と
の差が大きい方が、ラビリンス効果はより効果的になり
好ましく、また、前記圧縮のための空間となる回転軸１
１と副シールエレメント１３との間隙が大きいと、ラビ
リンス効果が生じる以前に流体（前述の例では空気Ａ）
の漏れが生じる。従って、前記複数の凹溝１３２を有す
る副シールエレメント１３は厳しい寸法公差で作製する
必要があり、そのため、図４に示すように加工精度の良
好な金属で心板２３を形成し、該金属製心板２３に被覆
材３３としてゴムまたは樹脂を被覆して、副シールエレ
メント１３を形成していた。
【０００７】しかしながら、前記副シールエレメントに
金属製心板を用いた場合、該副シールエレメントは剛性
が大きくなる。そして、前記金属製心板を用いて作製す
ることにより、回転軸シール作製時には精度よく作製さ
れるが、組立公差や回転軸との偏心などにより、前記副
シールエレメントの副リップ部が接触することがあり、
接触した場合、前述のように副シールエレメントは剛性
が大きいため、回転軸の回転トルクが大きくなり始動困
難となる。また、加工精度を高くした金属製心板を用い
ているため、高価なものとなる。
金属製心板を用いた場合、該副シールエレメントは剛性
が大きくなる。そして、前記金属製心板を用いて作製す
ることにより、回転軸シール作製時には精度よく作製さ
れるが、組立公差や回転軸との偏心などにより、前記副
シールエレメントの副リップ部が接触することがあり、
接触した場合、前述のように副シールエレメントは剛性
が大きいため、回転軸の回転トルクが大きくなり始動困
難となる。また、加工精度を高くした金属製心板を用い
ているため、高価なものとなる。
【０００８】また、前記金属製心板を用いた場合のコス
ト対策として、前記副シールエレメントを金属製心板を
用いずに合成樹脂製にすることにより、低コストで作製
することが考えられるが、樹脂製とした場合、加工精度
が金属製に比べて正確でなく、また、組立公差も大きく
なる。従って、副リップ部（ラビリンスシール部）と回
転軸との間隙を精度よく作製することが困難になるとい
った問題が生じる。
ト対策として、前記副シールエレメントを金属製心板を
用いずに合成樹脂製にすることにより、低コストで作製
することが考えられるが、樹脂製とした場合、加工精度
が金属製に比べて正確でなく、また、組立公差も大きく
なる。従って、副リップ部（ラビリンスシール部）と回
転軸との間隙を精度よく作製することが困難になるとい
った問題が生じる。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、始
動も容易で、低コストで作製することができるととも
に、確実に流体を密封することができる回転軸シールを
提供することを目的とする。
動も容易で、低コストで作製することができるととも
に、確実に流体を密封することができる回転軸シールを
提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の回転軸シール
は、回転軸と、ハウジングとの間に介装されるととも
に、前記回転軸側の面に複数の凹溝が設けられたラビリ
ンスシール部を有する回転軸シールであって、前記ラビ
リンスシール部は前記回転軸との摩擦により摩耗可能な
材料かならるとともに、前記ラビリンスシール部の初期
最内径が前記回転軸の外径よりも小さいことを特徴とす
るものである。
は、回転軸と、ハウジングとの間に介装されるととも
に、前記回転軸側の面に複数の凹溝が設けられたラビリ
ンスシール部を有する回転軸シールであって、前記ラビ
リンスシール部は前記回転軸との摩擦により摩耗可能な
材料かならるとともに、前記ラビリンスシール部の初期
最内径が前記回転軸の外径よりも小さいことを特徴とす
るものである。
【００１１】また、回転軸と、ハウジングとの間に介装
される回転軸シールであって、密封流体側に設けられる
シールエレメントと、空気側に設けられるとともに、前
記回転軸側の面に複数の凹溝が設けられたラビリンスシ
ール部を有するシールセグメントと、前記シールエレメ
ントとシールセグメントとの間に設けられるガスケット
と、前記各シール部材の外周を覆うアウターケースと、
該アウターケースの内周側の側面との間で前記各シール
部材を軸方向に密着固定するインナーケースとからな
り、前記ハウジングのアウターケースが配設される部位
に大気開放路を設け、前記シールエレメントと、シール
セグメントと、ガスケットと、回転軸とによって囲まれ
て形成される空隙部と、前記大気開放路とを連通する連
通小路を前記ガスケット及びアウターケースに形成する
とともに、前記ラビリンスシール部が前記回転軸との摩
擦により摩耗可能な材料からなり、前記ラビリンスシー
ル部の初期最内径を前記回転軸の外径よりも小さくした
ことを特徴とするものである。
される回転軸シールであって、密封流体側に設けられる
シールエレメントと、空気側に設けられるとともに、前
記回転軸側の面に複数の凹溝が設けられたラビリンスシ
ール部を有するシールセグメントと、前記シールエレメ
ントとシールセグメントとの間に設けられるガスケット
と、前記各シール部材の外周を覆うアウターケースと、
該アウターケースの内周側の側面との間で前記各シール
部材を軸方向に密着固定するインナーケースとからな
り、前記ハウジングのアウターケースが配設される部位
に大気開放路を設け、前記シールエレメントと、シール
セグメントと、ガスケットと、回転軸とによって囲まれ
て形成される空隙部と、前記大気開放路とを連通する連
通小路を前記ガスケット及びアウターケースに形成する
とともに、前記ラビリンスシール部が前記回転軸との摩
擦により摩耗可能な材料からなり、前記ラビリンスシー
ル部の初期最内径を前記回転軸の外径よりも小さくした
ことを特徴とするものである。
【００１２】前記ラビリンスシール部は、前記回転軸と
の摩擦により摩耗可能であれば良く、合成樹脂製やゴム
製などを用いることができる。しかしながら、前述のよ
うに構成された回転軸シールは取り付け初期において、
前記ラビリンスシール部と回転軸とが接触する。従っ
て、前記ラビリンスシール部をゴム製とした場合、始動
トルクが大きくなることがあるが、合成樹脂製とした場
合には摩擦係数が小さいので始動トルクが大きくなりす
ぎることはなく、軸の起動が容易になるので好ましい。
の摩擦により摩耗可能であれば良く、合成樹脂製やゴム
製などを用いることができる。しかしながら、前述のよ
うに構成された回転軸シールは取り付け初期において、
前記ラビリンスシール部と回転軸とが接触する。従っ
て、前記ラビリンスシール部をゴム製とした場合、始動
トルクが大きくなることがあるが、合成樹脂製とした場
合には摩擦係数が小さいので始動トルクが大きくなりす
ぎることはなく、軸の起動が容易になるので好ましい。
【００１３】
【発明の実施の態様】以下本発明の実施態様につき詳細
に説明する。図１は本発明の回転軸シールの一実施例を
示す装着状態の断面図である。図にしたがって説明する
と、回転軸シールは、ハウジング２の内周面に嵌着した
状態で、ハウジング２と回転軸１との間に介装されてお
り、密封流体Ｒ側に、回転軸１と接触した状態で前記密
封流体Ｒを密封するシールエレメント４を設け、ガスケ
ット５を介して、空気Ａ側に、内周面に３本の環状凹溝
３２を設けたラビリンスシール部３１を有するシールセ
グメント３を設け、前記シールエレメント４、ガスケッ
ト５、およびシールセグメント３の外周をアウターケー
ス７によって覆い、前記シールエレメント４、ガスケッ
ト５、およびシールセグメント３を該アウターケース７
の内周側の側面と、インナーケース６とで軸方向に密着
固定した構成としている。そして、前記シールセグメン
ト３はＰＴＦＥ（四フッ化エチレン樹脂）からなり、初
期最内径が前記回転軸１の外径よりも小さく作製され、
装着されている。さらに、前記ハウジング２のアウター
ケース７が配設される部位に大気開放路２１を設け、前
記シールエレメント４と、シールセグメント３と、ガス
ケット５と、回転軸１とによって囲まれて形成される空
隙部９と、前記大気開放路２１とを連通する連通小路１
０を前記ガスケット５及びアウターケース７に形成して
いる。
に説明する。図１は本発明の回転軸シールの一実施例を
示す装着状態の断面図である。図にしたがって説明する
と、回転軸シールは、ハウジング２の内周面に嵌着した
状態で、ハウジング２と回転軸１との間に介装されてお
り、密封流体Ｒ側に、回転軸１と接触した状態で前記密
封流体Ｒを密封するシールエレメント４を設け、ガスケ
ット５を介して、空気Ａ側に、内周面に３本の環状凹溝
３２を設けたラビリンスシール部３１を有するシールセ
グメント３を設け、前記シールエレメント４、ガスケッ
ト５、およびシールセグメント３の外周をアウターケー
ス７によって覆い、前記シールエレメント４、ガスケッ
ト５、およびシールセグメント３を該アウターケース７
の内周側の側面と、インナーケース６とで軸方向に密着
固定した構成としている。そして、前記シールセグメン
ト３はＰＴＦＥ（四フッ化エチレン樹脂）からなり、初
期最内径が前記回転軸１の外径よりも小さく作製され、
装着されている。さらに、前記ハウジング２のアウター
ケース７が配設される部位に大気開放路２１を設け、前
記シールエレメント４と、シールセグメント３と、ガス
ケット５と、回転軸１とによって囲まれて形成される空
隙部９と、前記大気開放路２１とを連通する連通小路１
０を前記ガスケット５及びアウターケース７に形成して
いる。
【００１４】また、図２は本発明の回転軸シールの他の
実施例を示す装着状態の断面図である。図にしたがって
説明すると、回転軸シールは、ハウジング２と、回転軸
１との間に介装されており、前記ハウジング２の内周面
に設けられた環状溝２２内に、内周面に３本の環状凹溝
３２を設けたラビリンスシール部３１を有するととも
に、該ラビリンスシール部３１の初期最内径が前記回転
軸１の外径よりも小さいＰＴＦＥ（四フッ化エチレン樹
脂）製のシールセグメント３を嵌着している。
実施例を示す装着状態の断面図である。図にしたがって
説明すると、回転軸シールは、ハウジング２と、回転軸
１との間に介装されており、前記ハウジング２の内周面
に設けられた環状溝２２内に、内周面に３本の環状凹溝
３２を設けたラビリンスシール部３１を有するととも
に、該ラビリンスシール部３１の初期最内径が前記回転
軸１の外径よりも小さいＰＴＦＥ（四フッ化エチレン樹
脂）製のシールセグメント３を嵌着している。
【００１５】このように構成された回転軸シールの作用
について、図３にしたがって説明する。図３は本発明の
回転軸シールのラビリンスシール部の拡大断面図であ
り、図３（ａ）は回転軸シール作製時のラビリンスシー
ル部の状態を表しており、図３（ｂ）は回転軸シール装
着時のラビリンスシール部の状態を表しており、図３
（ｃ）は回転軸を所定時間動作させた後の回転軸シール
のラビリンスシール部の状態を表している。前述のよう
に、本発明の回転軸シールは、回転軸１の外径よりもシ
ールセグメント３の初期最内径を小さく作製しているの
で、図３（ａ）に示すように、前記シールセグメント３
の最内径部となるラビリンスシール部３１の内周側端部
３３は、仮想線で示す回転軸１の外径よりも軸中心側に
位置する。したがって、回転軸シールに回転軸１を挿通
すると（装着状態）、前記ラビリンスシール部３１は、
図３（ｂ）に示すように、前記ラビリンスシール部３１
の内周側端部３３が回転軸１と接触して、倒れ込むよう
に変形する。即ち、前記ラビリンスシール部３１の内周
側端部３３が結果的に複数のリップを形成したような状
態となる。従って、回転軸シールの装着初期状態におい
ては、前記ラビリンスシール部３１の内周側端部３３が
回転軸１と接触した複数のリップとして、空気などの流
体を密封する。そして、この状態から回転軸１を回転さ
せて使用を継続することにより、前記複数のリップであ
ったラビリンスシール部３１の内周側端部３３は摩耗し
ていき、図３（ｃ）に示すように、回転軸１とラビリン
スシール部３１の内周側端部３３との間に間隙が形成さ
れ、この状態においては、ラビリンスシール部３１の内
周側端部３３と環状凹溝３２とによってラビリンス効果
が得られ、流体を密封する。
について、図３にしたがって説明する。図３は本発明の
回転軸シールのラビリンスシール部の拡大断面図であ
り、図３（ａ）は回転軸シール作製時のラビリンスシー
ル部の状態を表しており、図３（ｂ）は回転軸シール装
着時のラビリンスシール部の状態を表しており、図３
（ｃ）は回転軸を所定時間動作させた後の回転軸シール
のラビリンスシール部の状態を表している。前述のよう
に、本発明の回転軸シールは、回転軸１の外径よりもシ
ールセグメント３の初期最内径を小さく作製しているの
で、図３（ａ）に示すように、前記シールセグメント３
の最内径部となるラビリンスシール部３１の内周側端部
３３は、仮想線で示す回転軸１の外径よりも軸中心側に
位置する。したがって、回転軸シールに回転軸１を挿通
すると（装着状態）、前記ラビリンスシール部３１は、
図３（ｂ）に示すように、前記ラビリンスシール部３１
の内周側端部３３が回転軸１と接触して、倒れ込むよう
に変形する。即ち、前記ラビリンスシール部３１の内周
側端部３３が結果的に複数のリップを形成したような状
態となる。従って、回転軸シールの装着初期状態におい
ては、前記ラビリンスシール部３１の内周側端部３３が
回転軸１と接触した複数のリップとして、空気などの流
体を密封する。そして、この状態から回転軸１を回転さ
せて使用を継続することにより、前記複数のリップであ
ったラビリンスシール部３１の内周側端部３３は摩耗し
ていき、図３（ｃ）に示すように、回転軸１とラビリン
スシール部３１の内周側端部３３との間に間隙が形成さ
れ、この状態においては、ラビリンスシール部３１の内
周側端部３３と環状凹溝３２とによってラビリンス効果
が得られ、流体を密封する。
【００１６】従って、装着初期状態では前記ラビリンス
シール部３１が、複数のリップ（内周側端部３３）を有
するシールとして作用し、その後の使用によってラビリ
ンスシール部３１と回転軸１との間に、ラビリンスシー
ル部３１の摩耗により間隙が形成され、ラビリンスシー
ルとして作用するので、寸法公差や取付公差などを比較
的大きくすることができる。
シール部３１が、複数のリップ（内周側端部３３）を有
するシールとして作用し、その後の使用によってラビリ
ンスシール部３１と回転軸１との間に、ラビリンスシー
ル部３１の摩耗により間隙が形成され、ラビリンスシー
ルとして作用するので、寸法公差や取付公差などを比較
的大きくすることができる。
【００１７】前記回転軸シールの取付については、特に
制限はなく、実施例１に示すようにハウジング２の内周
面に嵌着する方法や、実施例２に示すようにハウジング
２に環状溝２２を設け、該環状溝２２に回転軸シールを
装着する方法など適宜決定することができる。
制限はなく、実施例１に示すようにハウジング２の内周
面に嵌着する方法や、実施例２に示すようにハウジング
２に環状溝２２を設け、該環状溝２２に回転軸シールを
装着する方法など適宜決定することができる。
【００１８】また、前記ラビリンスシール部３１は、３
本の環状凹溝３２を内周面に設けて形成されているが、
ラビリンス効果を得るために回転軸１側、即ち内周面側
に複数の凹凸を有していればよく、前記環状凹溝３２の
形状や本数に制限はなく、使用環境などによって適宜設
計することができる。
本の環状凹溝３２を内周面に設けて形成されているが、
ラビリンス効果を得るために回転軸１側、即ち内周面側
に複数の凹凸を有していればよく、前記環状凹溝３２の
形状や本数に制限はなく、使用環境などによって適宜設
計することができる。
【００１９】また、本実施例では、前記ラビリンスシー
ル部３１は初期状態では内周側端部３３が複数のリップ
として作用し、回転軸１を所定時間動作後、内周側端部
３３と環状凹溝３２とによってラビリンスシールとして
作用する形態について示しているが、本発明の回転軸シ
ールの使用形態はこれに限定されるわけではなく、実使
用前に前記回転軸１を動作させ、前記ラビリンスシール
部３１の内周側端部３３を予め摩耗させて、ラビリンス
シール部３１の内周側端部３３と回転軸１との間に間隙
を形成した後に、実使用するようにしてもよい。
ル部３１は初期状態では内周側端部３３が複数のリップ
として作用し、回転軸１を所定時間動作後、内周側端部
３３と環状凹溝３２とによってラビリンスシールとして
作用する形態について示しているが、本発明の回転軸シ
ールの使用形態はこれに限定されるわけではなく、実使
用前に前記回転軸１を動作させ、前記ラビリンスシール
部３１の内周側端部３３を予め摩耗させて、ラビリンス
シール部３１の内周側端部３３と回転軸１との間に間隙
を形成した後に、実使用するようにしてもよい。
【００２０】また、前記ラビリンスシール部３１の内周
側端部３３と回転軸１との接触代（図３（ａ）中の斜線
部）ｈは、少なくとも前記ラビリンスシール３１の内周
側端部３３が回転軸１に接触すれば良く、特に制限はな
く、回転軸１の軸径や要求される諸特性（例えば、始動
トルク、漏れ量）などにより適宜設計することができ
る。しかしながら、前記接触代ｈが大きすぎると、始動
トルクが大きくなり始動が困難になり、さらに、回転軸
シールに回転軸１を挿入する際に必要な力が大きくなる
か、または挿入時に回転軸シールが破損する可能性があ
るので、前記接触代ｈはあまり大きくしない方が好まし
い。例えば、回転軸１の軸径が２０ｍｍ程度の場合には
前記接触代ｈは０．０５ｍｍ≦ｈ≦０．１ｍｍとするこ
とが好ましい。
側端部３３と回転軸１との接触代（図３（ａ）中の斜線
部）ｈは、少なくとも前記ラビリンスシール３１の内周
側端部３３が回転軸１に接触すれば良く、特に制限はな
く、回転軸１の軸径や要求される諸特性（例えば、始動
トルク、漏れ量）などにより適宜設計することができ
る。しかしながら、前記接触代ｈが大きすぎると、始動
トルクが大きくなり始動が困難になり、さらに、回転軸
シールに回転軸１を挿入する際に必要な力が大きくなる
か、または挿入時に回転軸シールが破損する可能性があ
るので、前記接触代ｈはあまり大きくしない方が好まし
い。例えば、回転軸１の軸径が２０ｍｍ程度の場合には
前記接触代ｈは０．０５ｍｍ≦ｈ≦０．１ｍｍとするこ
とが好ましい。
【００２１】また、実施例１において、ハウジング２に
大気開放路２１を、アウターケース７およびガスケット
５に空隙部９と前記大気開放路２１とを連通する連通小
路１０をそれぞれ形成しているが、これによって、前記
空隙部９に空気が溜まり、高圧になることを防止し、ラ
ビリンスシール部３１のラビリンス効果を確実に生じさ
せることができる。
大気開放路２１を、アウターケース７およびガスケット
５に空隙部９と前記大気開放路２１とを連通する連通小
路１０をそれぞれ形成しているが、これによって、前記
空隙部９に空気が溜まり、高圧になることを防止し、ラ
ビリンスシール部３１のラビリンス効果を確実に生じさ
せることができる。
【００２２】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明の回転軸シー
ルによれば、摩耗可能な材料として、例えば合成樹脂な
どを用いることができ、また、寸法公差や取付公差など
を大きくすることができる（低精度で作製、介装でき
る）ので、低コストで作製することができる。また、前
述のように合成樹脂やゴムなどの材料により形成してい
るので金属に比べて剛性が小さく、始動も容易になると
いう優れた効果を奏するものである。
ルによれば、摩耗可能な材料として、例えば合成樹脂な
どを用いることができ、また、寸法公差や取付公差など
を大きくすることができる（低精度で作製、介装でき
る）ので、低コストで作製することができる。また、前
述のように合成樹脂やゴムなどの材料により形成してい
るので金属に比べて剛性が小さく、始動も容易になると
いう優れた効果を奏するものである。
【００２３】また、ラビリンスシール部と回転軸との間
隙は、両者の摩擦によるラビリンスシール部の摩耗によ
って形成されるので、微少な間隙を形成することがで
き、ラビリンス効果をより効果的に得ることができると
いう優れた効果を奏するものである。
隙は、両者の摩擦によるラビリンスシール部の摩耗によ
って形成されるので、微少な間隙を形成することがで
き、ラビリンス効果をより効果的に得ることができると
いう優れた効果を奏するものである。
【００２４】また、初期状態においては複数のリップを
有するシールとして作用し、ある程度の動作後に、ラビ
リンスシールとして作用するように用いることもできる
ので、長期間、使用することができ、しかも長期の使用
にわたって、常に確実に流体を密封することができると
いう優れた効果を奏するものである。
有するシールとして作用し、ある程度の動作後に、ラビ
リンスシールとして作用するように用いることもできる
ので、長期間、使用することができ、しかも長期の使用
にわたって、常に確実に流体を密封することができると
いう優れた効果を奏するものである。
【図１】本発明の回転軸シールの一実施例を示す装着状
態の断面図である。
態の断面図である。
【図２】本発明の回転軸シールのラビリンスシール部の
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図３】従来の回転軸シールを示す装着状態の断面図で
ある。
ある。
１ 回転軸 ２ ハウジング ３ シールセグメント ３１ ラビリンスシール部 ３２ ラビリンスシール部の環状凹溝 ３３ ラビリンスシール部の内周側端部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成１０年４月６日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転軸シールの一実施例を示す装着状
態の断面図である。
態の断面図である。
【図２】本発明の回転軸シールの他の実施例を示す装着
状態の断面図である。
状態の断面図である。
【図３】本発明の回転軸シールのラビリンスシール部の
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図４】従来の回転軸シールを示す装着状態の断面図で
ある。
ある。
【符号の説明】 １ 回転軸 ２ ハウジング ２１ 大気開放路 ２２ 環状溝 ３ シールセグメント ３１ ラビリンスシール部 ３２ 環状凹溝 ３３ 内周側端部 ４ シールエレメント ５ ガスケット ６ インナーケース ７ アウターケース ９ 空隙部 １０ 連通小路 １１ 回転軸 １２ ハウジング １２１ 大気開放路 １３ 副シールエレメント １３２ 環状凹溝 １３４ 金属製心板 １３５ 被覆材 １４ 主シールエレメント １５ ガスケット １６ インナーケース １７ アウターケース １９ 空隙部 ２０ 連通小路
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００６
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００６】このようにして、ラビリンス効果が得られ
ることから、流体が圧縮される空間と膨張される空間と
の差が大きい方が、ラビリンス効果はより効果的になり
好ましく、また、前記圧縮のための空間となる回転軸１
１と副シールエレメント１３との間隙が大きいと、ラビ
リンス効果が生じる以前に流体（前述の例では空気Ａ）
の漏れが生じる。従って、前記複数の凹溝１３２を有す
る副シールエレメント１３は厳しい寸法公差で作製する
必要があり、そのため、図４に示すように加工精度の良
好な金属で心板１３４を形成し、該金属製心板１３４に
被覆材１３５としてゴムまたは樹脂を被覆して、副シー
ルエレメント１３を形成していた。
ることから、流体が圧縮される空間と膨張される空間と
の差が大きい方が、ラビリンス効果はより効果的になり
好ましく、また、前記圧縮のための空間となる回転軸１
１と副シールエレメント１３との間隙が大きいと、ラビ
リンス効果が生じる以前に流体（前述の例では空気Ａ）
の漏れが生じる。従って、前記複数の凹溝１３２を有す
る副シールエレメント１３は厳しい寸法公差で作製する
必要があり、そのため、図４に示すように加工精度の良
好な金属で心板１３４を形成し、該金属製心板１３４に
被覆材１３５としてゴムまたは樹脂を被覆して、副シー
ルエレメント１３を形成していた。
【手続補正３】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図４
【補正方法】変更
【補正内容】
【図４】
Claims (3)
- 【請求項１】 回転軸と、ハウジングとの間に介装され
るとともに、前記回転軸側の面に複数の凹溝が設けられ
たラビリンスシール部を有する回転軸シールであって、
前記ラビリンスシール部は前記回転軸との摩擦により摩
耗可能な材料かならるとともに、前記ラビリンスシール
部の初期最内径が前記回転軸の外径よりも小さいことを
特徴とする回転軸シール。 - 【請求項２】 回転軸と、ハウジングとの間に介装され
る回転軸シールであって、密封流体側に設けられるシー
ルエレメントと、空気側に設けられるとともに、前記回
転軸側の面に複数の凹溝が設けられたラビリンスシール
部を有するシールセグメントと、前記シールエレメント
とシールセグメントとの間に設けられるガスケットと、
前記各シール部材の外周を覆うアウターケースと、該ア
ウターケースの内周側の側面との間で前記各シール部材
を軸方向に密着固定するインナーケースとからなり、前
記ハウジングのアウターケースが配設される部位に大気
開放路を設け、前記シールエレメントと、シールセグメ
ントと、ガスケットと、回転軸とによって囲まれて形成
される空隙部と、前記大気開放路とを連通する連通小路
を前記ガスケット及びアウターケースに形成するととも
に、前記ラビリンスシール部が前記回転軸との摩擦によ
り摩耗可能な材料からなり、前記ラビリンスシール部の
初期最内径を前記回転軸の外径よりも小さくしたことを
特徴とする回転軸シール。 - 【請求項３】 前記ラビリンスシール部が合成樹脂製で
あることを特徴とする請求項１または２記載の回転軸シ
ール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10055993A JPH11236977A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 回転軸シール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10055993A JPH11236977A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 回転軸シール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11236977A true JPH11236977A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=13014618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10055993A Pending JPH11236977A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 回転軸シール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11236977A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8937397B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-01-20 | Wilic S.A.R.L. | Wind power turbine and method of removing a bearing from a wind power turbine |
| US8937398B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-01-20 | Wilic S.Ar.L. | Wind turbine rotary electric machine |
| US8957555B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-02-17 | Wilic S.Ar.L. | Wind turbine rotary electric machine |
| US8975770B2 (en) | 2010-04-22 | 2015-03-10 | Wilic S.Ar.L. | Wind power turbine electric generator and wind power turbine equipped with an electric generator |
| US9006918B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-04-14 | Wilic S.A.R.L. | Wind turbine |
| US9312741B2 (en) | 2008-06-19 | 2016-04-12 | Windfin B.V. | Wind power generator equipped with a cooling system |
| CN112303243A (zh) * | 2020-07-31 | 2021-02-02 | 李金伟 | 一种密封效果良好的密封件及其应用 |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP10055993A patent/JPH11236977A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9312741B2 (en) | 2008-06-19 | 2016-04-12 | Windfin B.V. | Wind power generator equipped with a cooling system |
| US8937397B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-01-20 | Wilic S.A.R.L. | Wind power turbine and method of removing a bearing from a wind power turbine |
| US8975770B2 (en) | 2010-04-22 | 2015-03-10 | Wilic S.Ar.L. | Wind power turbine electric generator and wind power turbine equipped with an electric generator |
| US8937398B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-01-20 | Wilic S.Ar.L. | Wind turbine rotary electric machine |
| US8957555B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-02-17 | Wilic S.Ar.L. | Wind turbine rotary electric machine |
| US9006918B2 (en) | 2011-03-10 | 2015-04-14 | Wilic S.A.R.L. | Wind turbine |
| CN112303243A (zh) * | 2020-07-31 | 2021-02-02 | 李金伟 | 一种密封效果良好的密封件及其应用 |
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Legal Events
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| A02 | Decision of refusal |
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