JP2002030023A - 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法 - Google Patents

光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002030023A
JP2002030023A JP26837299A JP26837299A JP2002030023A JP 2002030023 A JP2002030023 A JP 2002030023A JP 26837299 A JP26837299 A JP 26837299A JP 26837299 A JP26837299 A JP 26837299A JP 2002030023 A JP2002030023 A JP 2002030023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
solvate
disubstituted
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26837299A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yoshida
健二 吉田
Takeshi Tanaka
健 田中
Chizuko Sasaki
千津子 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP26837299A priority Critical patent/JP2002030023A/ja
Priority to AU60040/99A priority patent/AU6004099A/en
Priority to KR1020007014133A priority patent/KR20010052811A/ko
Priority to PCT/JP1999/005511 priority patent/WO2000020405A1/ja
Publication of JP2002030023A publication Critical patent/JP2002030023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡便な方法によって、1,2−二置換−2,
3−ジヒドロキシプロパン類の光学異性体混合物から光
学純度の高い光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒド
ロキシプロパン類を取得する。 【解決手段】一般式(1) 具体的には、例えば で表される光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロ
キシプロパン類の光学異性体混合物を、置換基を有して
いてもよい芳香族化合物を含有する溶媒中に溶解させ、
次いで冷却することを特徴とする上述の一般式(1)で
表される、1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロ
パン類と置換基を有していてもよい芳香族化合物からな
る溶媒化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農薬の中間体として
有用な、1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパ
ン類と、置換基を有していてもよい芳香族化合物からな
る、新規な溶媒化物とその製造方法に存する。特に、光
学純度の優れた1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシ
プロパン類の溶媒化物とその製造方法に存する。
【0002】
【従来の技術】光学活性有機化合物には大きく分けて、
その性質として結晶化の際に、a)互いに光学的に対掌
体の光学異性体同士が対になって成長し結晶化する性質
(この様な性質を有するものを「ラセミ化合物」とい
う。)と、b)一方の光学異性体のみが成長して結晶化
する性質(この様な性質を有するものを「ラセミ混合
物」という。)とが存在することが知られている。つま
り、a)の性質を有する物質(ラセミ化合物)の結晶化
においては一種類のラセミ体結晶が析出するのに対し、
b)の性質を有する物質(ラセミ混合物)においては、
結晶化に際して光学異性体のいずれか一方が析出するの
で、所望の光学異性体を得るためには好都合な性質であ
る。ところで、どちらかの光学異性体が富化されたラセ
ミ化合物の結晶においては、光学的に対掌体の光学異性
体同士が対になって成長して結晶となったラセミ体の結
晶と、一方の光学異性体のみが成長した結晶とが混在す
ることが知られている。
【0003】従来より、光学的に富化されたラセミ化合
物をその溶液から結晶化して取り出す際には、まず光学
的に対掌体の光学異性体同士が対になって成長したラセ
ミ体の結晶が析出し、ついで一方の光学異性体のみが成
長して結晶化し析出することが一般的に知られている。
従って、所望の高光学純度の結晶を得るには、結晶化さ
せる溶質を含む溶液の純度を上げる方法が採られてお
り、例えばラセミ結晶等の光学純度の低い結晶を析出さ
せて除去し、濾別する母液における光学異性体の光学純
度を上げてから、高光学純度の結晶を得る事がなされて
いた。
【0004】一方、近年、医薬品においては高活性、薬
量低減等の要請から、有効成分に光学活性化合物を利用
することが増えてきている。そしてその製造方法におい
ても、簡便で安価な製造方法の検討が行われている。農
薬においても同様であり、有効成分化合物の化学構造の
中に不斉炭素原子を有する際には、より高活性を示す光
学異性体のみを有効成分とする検討が盛んである。
【0005】例えば1,2−二置換−2,3−エポキシ
プロパン類は優れた除草効果を示す、優れた農薬の有効
成分であり、この化合物は不斉炭素を有する場合もあ
る。この1,2−二置換−2,3−エポキシプロパン類
の製造方法は様々であるが、例えば中間原料として1,
2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類を用い、
これを環化させて製造する方法がある。この製造方法に
おいては、1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロ
パン類の光学純度を向上させることが、高光学純度の
1,2−二置換−2,3−エポキシプロパン類を得る上
で重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た様に高光学純度の光学異性体を得る為には、ラセミ体
の結晶を含む低純度結晶を繰り返し析出させて除去し、
母液における光学活性体の光学純度を上げてから結晶化
する為に多段階の工程数を必要としていた。よって収率
も高いものではなく、工業的に安価にそして簡便に製造
するには問題があった。これは、一般的に母液に残る光
学活性体の方がラセミ体の結晶よりも溶解度が高く、ラ
セミ体の結晶が先に析出してしまうためであり、先に高
純度の光学活性体の結晶を取り出すことは極めて困難で
あった。
【0007】また光学活性分割剤等を用いて光学異性体
を分離する方法もあるが、光学活性分割剤は一般的に高
価であり、且つ処理速度も遅いので、工業的生産方法と
しては満足のいくものではなかった。さらには、光学活
性体の製造方法としてラセミ化合物を化学修飾し、一旦
ラセミ混合物の性質を有する誘導体として、この誘導体
の光学異性体を結晶化させることで分離し、ついでこの
化学修飾を外す等の工程によって目的物質の光学活性体
をこう光学純度で得る方法が知られてはいる。しかしこ
の方法でも工程数が多くなってしまい、やはり工業的に
安価に、簡便に製造することには問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、簡
便に、且つ高価な光学分割剤等を用いずに、少ない工程
数にて1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン
類の光学異性体混合物から光学純度の高い、所望の光学
異性体を得るべく鋭意検討した。その結果、特定構造の
1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の光
学異性体混合物を、特定の溶媒を用いることによって、
高光学純度の光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒド
ロキシプロパン類の溶媒化物結晶として分離出来ること
を見出し、本発明を完成させた。得られた溶媒化物は新
規化合物であり、この溶媒化物結晶を用いることで容易
に、除草剤の有効成分である1,2−二置換−2,3−
エポキシプロパン類を高光学純度で得られるのである。
即ち、本発明の要旨は下記一般式(1)
【0009】
【化9】
【0010】{式中、Aは下記一般式(2)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R1 は水素原子または低級アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基を示し、Qはハロゲ
ン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハ
ロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基
あるいはシアノ基を示し、nは0〜4の整数を示す。)
で表される基又は、下記一般式(3)
【0013】
【化11】CX1 3(CX2 2p− (3)
【0014】(式中、X1 、X2 はそれぞれ独立にハロ
ゲン原子又は水素原子を示し、pは0〜2を示す。)で
表される基を示し、Bは置換されていてもよいアリール
基を示し、*は不斉炭素原子を示す。}で表される光学
活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類
と、置換基を有していてもよい芳香族化合物からなる溶
媒化物に存する。
【0015】また本発明の今一つの要旨は、上述の一般
式(1)で表される光学活性1,2−二置換−2,3−
ジヒドロキシプロパン類の光学異性体混合物を置換基を
有していてもよい芳香族化合物を含有する溶媒中に溶解
させ、次いで冷却することを特徴とする、光学活性1,
2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類溶媒化物
の製造方法に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、一般式(1)で表される光学活
性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパンにお
ける、Aは一般式(2)または(3)式で示される基で
ある。一般式(2)において、R1 は、水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基等の低級アルキル基、ビニル基、アリル基等
のアルケニル基、エチニル基、プロパルギル基等のアル
キニル基を示す。
【0017】Qは塩素原子、臭素原子、フッ素原子など
のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基、ク
ロロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル
基、フルオロエチル基等の炭素数1〜3のハロアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコ
キシ基、ニトロ基或いはシアノ基を示し、nは0〜4の
整数を示す。
【0018】一般式(3)において、X1 、X2 は水素
原子又は塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン
原子を示し、pは0〜2の整数を示す。一般式(1)に
おけるBとしては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等
のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4の
アルキル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリ
フルオロメチル基、フルオロエチル基等の炭素数1〜3
のハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロメ
トキシ基、フルオロエトキシ基等のハロゲン原子で置換
されていてもよいアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等
で置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基等のア
リール基を示す。
【0019】一般式(2)において、R1 としては低級
アルキル基が好ましく、中でもエチル基が好ましい。ま
た、nは0が好ましい。一般式(3)において、X1
2としては塩素原子あるいはフッ素原子が好ましく、
中でも塩素原子が好ましい。pとしては0が好ましい。
Aとしては一般式(2)で示される基が好ましい。Bと
してはハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子で置換さ
れたフェニル基、中でも3−クロロフェニル基、3,5
−ジクロロフェニル基が好ましい。
【0020】特に、本発明においては、一般式(1)で
示される化合物としては、先述の置換基において好まし
いものを組み合わせたものが好ましく、特に(−)−2
−〔2−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロキ
シプロピル〕−2−エチル−インダン−1,3−ジオン
が好ましい。本発明における置換基を有していてもよい
芳香族化合物(以下、「芳香族系化合物」と言うことが
ある。)としては、芳香族性を示すものであれば任意の
ものでよく、中でも以下の一般式(4)
【0021】
【化12】Ar−An (4)
【0022】(式中、Arはフェニル基を示し、AはC
1〜5のアルキル基、C1〜C5のアルコキシ基、C2
〜5のアルケニル基、C2〜5のアルキニル基、C1〜
5のハロアルキル基、ハロゲン原子を示し、nは0〜6
の整数を示し、置換基が複数有る場合は置換基どうしが
結合して環を構成していてもよい)で表されるベンゼン
系化合物が好ましい。Aとしては例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;
ビニル基、アリル基等の炭素数2〜5のアルケニル基;
エチニル基、プロパギル基等の炭素数2〜5のアルキニ
ル基;クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオ
ロメチル基、フルオロエチル基等の炭素数1〜5のハロ
アルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子を示し、中でも炭素数1〜5のアルキル基、ハ
ロゲン原子が好ましい。
【0023】置換基を有していてもよい芳香族化合物と
しては、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m
−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、ブロモベンゼン、スチレン、アニソール等が
挙げられ、中でもベンゼン、トルエン、o−キシレン、
m−キシレン、クロロベンゼンが、特にo−キシレン、
m−キシレン、クロロベンゼンが高光学純度で、安定し
た溶媒化物となるうえで好ましい。
【0024】本発明の溶媒化物は、上述した1,2−二
置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類と芳香族系化合
物からなるものであり、両者の比率は2:1であるもの
が高光学純度の結晶として得られるので好ましく、この
際には水素結合した1,2−二置換−2,3−ジヒドロ
キシプロパン類2分子と芳香族系化合物1分子がスタッ
クした形で結晶を構成しており、一般式(1)のB(ア
リール基)と芳香族化合物とが何らかの結合を形成して
いると考えられる。本発明においては、このように明ら
かな結合を形成していなくとも溶媒化物と表記する。本
発明の溶媒化物は高光学純度、具体的には80%ee以
上の1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類
を含んだものである。
【0025】なお本発明においては、一般式(1)にお
いて、Aが一般式(2)のインダンジオン構造を有する
基である化合物は、溶液中で不斉炭素原子に結合する水
酸基とインダンジオンのカルボニル基とが結合し、以下
に示す平衡図の如く、ヘミケタールとなった環構造化合
物との平衡状態となる場合がある。
【0026】
【化13】
【0027】本発明における一般式(1)で示される化
合物は、この様な環構造化合物又はこれとの混合物をも
包含するものである。
【0028】次に本発明の溶媒化物の製造方法について
述べる。本発明の製造方法で用いる一般式(1)で示さ
れる1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類
光学異性体混合物(以下、単に光学異性体混合物と略す
る場合もある)は、D−体およびL−体の二種の光学異
性体の混合物からなるものであり、各光学異性体の混合
比は任意であるが、好ましくは所望の光学異性体の含有
率が高い方がよく、例えば光学純度としては60%ee
以上、が好ましい。
【0029】本発明の製造方法に用いる芳香族系化合物
は、溶媒化物を構成する芳香族系化合物と同様であり、
好ましいものも同様である。芳香族系化合物は、1,2
−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類に対して
0.5モル倍以上、好ましくは0.7〜30モル倍用い
ることが好ましい。
【0030】本発明の製造方法としては、1,2−二置
換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の光学異性体混合
物を、例えば結晶として取り出して芳香族系化合物中に
溶解させ、冷却して高光学純度の溶媒化物として精製し
てもよいし、また1,2−二置換−2,3−ジヒドロキ
シプロパン類を合成する際の溶媒として芳香族系化合物
を用いてもよい。又合成して得られた反応生成溶液に芳
香族系化合物を添加し、次いで冷却することによって、
1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類を高
光学純度の溶媒化物として精製してもよい。従って本発
明においては芳香族系以外の溶媒との混合溶媒を用いて
溶媒化物を製造してもよく、芳香族系化合物の他に使用
する溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソ
オクタン等の脂肪炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、
クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等の
ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪
族炭化水素系溶媒が好ましい。溶媒の使用量は光学異性
体混合物を完全に溶解させ得る量が好ましく、具体的に
は重量で0〜100重量倍、好ましくは0〜50重量倍
用いられる。
【0031】光学異性体混合物を、芳香族系化合物含有
溶媒に完全に溶解させる温度は、通常は0℃〜混合物の
沸点以下の温度範囲で設定すればよいが、溶媒化物の収
率の観点から、室温以上で溶解させることが好ましく、
30℃以上がより好ましく、60℃以上が特に好まし
い。光学異性体混合物溶液の冷却速度は通常、1時間当
たり1〜50℃であり、好ましくは3〜20℃である。
また冷却速度は一定である必要はなく、連続的に変化さ
せてもよく段階的に変化させてもよい。該溶液が冷却に
より到達する温度(冷却到達温度)は適宜設定すればよ
いが、通常は−30〜30℃、好ましくは−10〜30
℃、さらに好ましくは0〜30℃の範囲である。
【0032】本発明の製造方法によって得られた溶媒化
物は、先述の通り、高光学純度、具体的には80%ee
以上の1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン
類を含んでおり、この溶媒化物を例えばエタノール等の
アルコール系に溶解させ、過カルボン酸分解又は過溶媒
分解等の反応によって環化させることによって、除草剤
成分である1,2−二置換−2,3−エポキシプロパン
類を高光学純度で容易に得ることが出来る。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例、製剤例及び試験例を
用いて、詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えな
い限り、以下の例に限定されるものではない。実施例で
使用した分析条件は以下の通りである。高速液体クロマ
トグラフィー(カラム:ダイセル化学工業(株)製、C
hiralcel−OJ、溶出溶剤n−ヘキサン:エタ
ノール:メタノール混合溶媒、検出254nm)。
【0034】実施例1 (S)−2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−
ジヒドロキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3
−ジオン5.0g(光学純度81%ee、化学純度86
%、トルエン8%)及びトルエン20mLを70℃に加
熱して溶解させた後、0℃まで冷却した。析出した結晶
を濾過し乾燥して(S)−2−[2−(3−クロロフェ
ニル)−2,3−ジヒドロキシプロピル]−2−エチル
インダン−1,3−ジオンの溶媒化物結晶4.1g(8
5%ee)を得た。
【0035】実施例2〜7 トルエン20mLの代わりに表に示す溶媒20mLを使
用し、後述の表1に示す温度まで冷却した以外は実施例
1と同様にして結晶化を行い、表に示す結果を得た。こ
こで得られた(S)−2−[2−(3−クロロフェニ
ル)−2,3−ジヒドロキシプロピル]−2−エチルイ
ンダン−1,3−ジオンの溶媒化物結晶は表1に示す芳
香族系化合物を含む以外に他の不純物は認められなかっ
た。
【0036】比較例1 トルエン20mLの代わりに酢酸エチル5mL及びn−
ヘキサン15mLの混合溶媒を使用した以外は実施例1
と同様にして結晶化を行ったところ、(S)−2−[2
−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロキシプロ
ピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオンの結晶
3.4gを得た。しかし、光学純度は78%eeと低
く、光学純度が低下した結晶となった。
【0037】以上の実施例においては、単結晶X線解析
によって得られた結晶を分析し、溶媒化物結晶であるこ
とを確認し、例えば実施例5においては後述するように
芳香族系化合物としてO−キシレンを用いて結晶を得
た。この際の結晶は、光学活性体と芳香族系化合物との
比が2:1の溶媒化物であった。この結晶の 1HNMR
データおよび融点を示す。o−Xylene comp
lex of (S)−Diol[(S)−Diol・
0.5 o−Xylene]:Colorless c
rystals;mp 91−94℃; 1HNMR
(a:b:c=81:6:13 in CD3 OD,1
5mg/0.7mL−CD3 OD,23℃)δ0.46
(3H,t,J=7.5Hz,c),0.70(3H,
t,J=7.5Hz,b),0.72(3H,t,J=
7.5Hz,a),1.49−1.90(2H,m),
2.17(1H,d,J=13.2Hz,3c),2.
26(3H,s,o−Xylene),2.40(1
H,d,J=14.7Hz,b),2.43(1H,
d,J=12.9Hz,a),2.53(1H,d,J
=14.7Hz,b),2.69(1H,d,J=1
2.9Hz,a),2.97(1H,d,J=13.2
Hz,b),3.11(1H,d,J=11.7Hz,
c),3.17(1H,d,J=11.7Hz,c),
3.44(2H,s,a),3.46(1H,d,J=
11.4Hz,b),6.83−7.94(10H,
m,(S)−Diol+o−Xylene)。
【0038】
【化14】
【0039】これら実施例の結果を表1に纏めた。
【0040】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例 Solvent 冷却到達温度(℃) 結晶(g) 結晶(ee,%) ──────────────────────────────────── 1 Toluene 0 4.1 85 2 Benzene 25 3.8 85 3 Ethylbenzene 0 3.8 82 4 Tetralin 25 4.0 81.4 5 o-Xylene 0 3.9 93 6 m-Xylene 0 3.9 91 7 Chlorobenzene 0 3.3 98 ────────────────────────────────────
【0041】表1から明らかなように、本発明によれば
極めて光学純度の高い光学異性体を、容易に得られるこ
とが判る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な操作で優れた除
草剤の重要中間体である光学活性1,2−二置換−2,
3−ジヒドロキシプロパン類を、高光学純度の溶媒化物
として結晶化でき、これは光学純度80%ee以上と高
いものであるので、余分な精製をせずにそのまま除草剤
有効成分の製造に使用でき、且つ高光学純度の除草剤有
効成分を容易に製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 千津子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC83

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 {式中、Aは下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基を示し、Qはハロゲン原子、炭素
    数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルキル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基あるいはシ
    アノ基を示し、nは0〜4の整数を示す。)で表される
    基又は、下記一般式(3) 【化3】CX1 3(CX2 2p− (3) (式中、X1 、X2 はそれぞれ独立にハロゲン原子又は
    水素原子を示し、pは0〜2を示す。)で表される基を
    示し、Bは置換されていてもよいアリール基を示し、*
    は不斉炭素原子を示す。}で表される光学活性1,2−
    二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類と、置換基を
    有していてもよい芳香族化合物からなる溶媒化物。
  2. 【請求項2】 1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシ
    プロパン類と、置換基を有していてもよい芳香族化合物
    とのモル比が2:1である請求項1に記載の溶媒化物。
  3. 【請求項3】 置換基を有していてもよい芳香族化合物
    が以下の一般式(4) 【化4】 Ar−An (4) (式中、Arはフェニル基を示し、AはC1〜5のアル
    キル基、C1〜C5のアルコキシ基、C2〜5のアルケ
    ニル基、C2〜5のアルキニル基、C1〜5のハロアル
    キル基、ハロゲン原子を示し、nは0〜6の整数を示
    し、置換基が複数有る場合は置換基どうしが結合して環
    を構成していてもよい)で表されることを特徴とする請
    求項1または2に記載の溶媒化物。
  4. 【請求項4】 置換基を有していてもよい芳香族化合物
    がベンゼン、トルエン、0−キシレン、m−キシレン、
    クロロベンゼンからなる群より選ばれるものであること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶媒化
    物。
  5. 【請求項5】 光学純度が80%ee以上であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の溶媒化
    物。
  6. 【請求項6】 一般式(1)におけるAが一般式(2)
    で表される基であることを特徴とする、請求項1乃至5
    のいずれかに記載の溶媒化物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)におけるAが一般式(2)
    で表される基であり、一般式(2)におけるnが0であ
    り、Bがハロゲン原子で置換されているフェニル基であ
    ることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載
    の溶媒化物。
  8. 【請求項8】 一般式(1)におけるBが3−クロロフ
    ェニル基であることを特徴とする、請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の溶媒化物。
  9. 【請求項9】 一般式(1)が(−)−2−[2−(3
    −クロロフェニル)−2,3−ジヒドロキシプロピル]
    −2−エチル−インダン−1,3−ジオンであることを
    特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の溶媒化
    物。
  10. 【請求項10】 一般式(1) 【化5】 {式中、Aは下記一般式(2) 【化6】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基を示し、Qはハロゲン原子、炭素
    数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルキル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基あるいはシ
    アノ基を示し、nは0〜4の整数を示す。)で表される
    基又は、下記一般式(3) 【化7】CX1 3(CX2 2p− (3) (式中、X1 、X2 はそれぞれ独立にハロゲン原子又は
    水素原子を示し、pは0〜2を示す。)で表される基を
    示し、Bは置換されていてもよいアリール基を示し、*
    は不斉炭素原子を示す。}で表される光学活性1,2−
    二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の光学異性体
    混合物を、置換基を有していてもよい芳香族化合物を含
    有する溶媒中に溶解させ、次いで冷却することを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の溶媒化物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 置換基を有していてもよい芳香族化合
    物が以下の一般式(4) 【化8】Ar−An (4) (式中、Arはフェニル基を示し、AはC1〜5のアル
    キル基、C1〜C5のアルコキシ基、C2〜5のアルケ
    ニル基、C2〜5のアルキニル基、C1〜5のハロアル
    キル基、ハロゲン原子を示し、nは1〜6の整数を示
    し、置換基が複数有る場合は置換基どうしが結合して環
    を構成していてもよい)で表されることを特徴とする請
    求項10に記載の溶媒化物の製造方法。
  12. 【請求項12】 置換基を有していてもよい芳香族化合
    物がベンゼン、トルエン、0−キシレン、m−キシレ
    ン、クロロベンゼンからなる群より選ばれるものである
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の溶媒化
    物の製造方法。
JP26837299A 1998-10-07 1999-09-22 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法 Pending JP2002030023A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26837299A JP2002030023A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法
AU60040/99A AU6004099A (en) 1998-10-07 1999-10-06 Mixtures of optical isomers of 1,2-disubstituted-2,3-epoxypropanes, process for producing the same, pesticides containing the same as the active ingredient and intermediates thereof
KR1020007014133A KR20010052811A (ko) 1998-10-07 1999-10-06 1,2-이치환-2,3-에폭시프로판류의 광학이성체 혼합물과 그제조법 및 이것을 유효성분으로 하는 농약, 그리고 중간체
PCT/JP1999/005511 WO2000020405A1 (fr) 1998-10-07 1999-10-06 Melanges d'isomeres optiques de 2,3-epoxypropanes disubstitues en 1,2, leur procede de production, pesticides les contenant sous forme de principe actif et intermediaire de ceux-ci

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26837299A JP2002030023A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002030023A true JP2002030023A (ja) 2002-01-29

Family

ID=17457592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26837299A Pending JP2002030023A (ja) 1998-10-07 1999-09-22 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002030023A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02304043A (ja) * 1989-05-16 1990-12-17 Mitsubishi Kasei Corp インダン―1,3―ジオン誘導体およびこれを有効成分とする除草剤
JPH05320088A (ja) * 1992-03-10 1993-12-03 Mitsubishi Kasei Corp インダン−1,3−ジオン誘導体およびこれを有効成分とする除草剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02304043A (ja) * 1989-05-16 1990-12-17 Mitsubishi Kasei Corp インダン―1,3―ジオン誘導体およびこれを有効成分とする除草剤
JPH05320088A (ja) * 1992-03-10 1993-12-03 Mitsubishi Kasei Corp インダン−1,3−ジオン誘導体およびこれを有効成分とする除草剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101731739B1 (ko) (2z,5z)-5-(3-클로로-4-((r)-2,3-디하이드록시프로폭시)벤질리덴)-2-(프로필이미노)-3-(o-톨릴)티아졸리딘-4-온의 제조 방법 및 그 방법에 사용되는 중간체
JP3946954B2 (ja) 2−ヒドロキシプロピオン酸のラセミ化合物分割法
JP3030780B2 (ja) 光学活性なケテンジチオアセタール誘導体及びその製造方法
FR2657081A1 (fr) Nouveaux derives d'arylvinylamide, leur procede de fabrication et leur application en therapeutique.
AU2017333054B2 (en) Method for preparing phenylalanine compound
US6403804B1 (en) Process for preparing optically active oxazolidinone derivative
JP2002030023A (ja) 光学活性1,2−二置換−2,3−ジヒドロキシプロパン類の溶媒化物およびその製造方法
CN109803961B (zh) (r)-5-(3,4-二氟苯基)-5-[(3-甲基-2-氧代吡啶-1(2h)-基)甲基]咪唑烷-2,4-二酮的制造方法及用于该制造的中间体
JP4105797B2 (ja) 光学活性α−トリフルオロメチル乳酸の精製方法
KR102229493B1 (ko) 2-클로로 아세토아세트산 아미드 및 에스테르의 제조 방법
EP1375477A2 (de) Verfahren zur Herstellung von mono-N-sulfonylierten Diaminen
JP3130396B2 (ja) 光学異性体分離法
JP3066594B2 (ja) アニリン誘導体及びその製造法
KR101057304B1 (ko) 키랄 촉매를 이용한 아스파르트산 유도체의 제조방법
JPH0227340B2 (ja)
KR20060104761A (ko) 레르카니디핀 염산염의 제조 방법
JPH0411544B2 (ja)
US4526983A (en) Process for preparing optically active imidazolylpropanol compounds, and intermediate therein
JP2003095991A (ja) 光学活性3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸の製造法
HU197318B (en) Process for production of optically active derivatives of asole
WO2023131943A1 (en) Process of preparation of indoxacarb and its intermediates
JP2024058272A (ja) 1-アルキル-5-ヒドロキシピラゾールの製造方法
JP3292517B2 (ja) 2−(2,6−ジハロフェニル)−4−(2−アルコキシ−4−アルキル、ハロ又はトリフルオロメチルフェニル)−2−オキサゾリン類、およびこれらを有効成分とする農園芸用殺虫剤
JP2702246B2 (ja) 新規なβ―ケトアミドとその製造方法
JP2000026382A (ja) オキサゾリン類への金属塩触媒方法およびその後のクロロケトン類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051219

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20051219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100506

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101027