JP2002029298A - チャイルドシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両用シートに取付けて子供の体格に応じて使
い分けができチャイルドシートを提供する。 【解決手段】シート本体１０と支持機構部２０からな
り、支持機構部２０を車両用シート３０のシートクッシ
ョン３１（着座部）に載置した状態に取付けて使用する
チャイルドシートであり、シート本体１０は、児童対応
型形態と乳幼児対応型形態とに選択的に変更可能に構成
されていて、シート本体１０の児童対応型形態において
児童対応型シートＳ1を構成し、シート本体１０の乳幼
児対応型形態において乳幼児対応型シートＳ2を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートに取
付けられて、乳幼児から児童にまで対応することができ
るチャイルドシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車両用のチャイルドシートに
は、乳児、幼児、園児、低学年の学童等、乳幼児や児童
の体格に適した大きさおよび形状の異なるものがあり、
その都度、子供の体格に応じて使い分けをしている。図
６および図７には、一般に使用される乳幼児対応型シー
ト、および、児童対応型シートを示している。

【０００３】図６に示す乳幼児対応型シート１は、５点
式シートベルト２を備えたバスケットタイプのもので、
車両用シートのシートクッションである着座部に設置し
て使用される。また、図７に示す児童対応型シート３は
座部を構成するブースタからなるもので、ブースタを車
両用シートのシートクッションである着部に設置して使
用され、シートベルトとしては車両用シートに設けた３
点式のシートベルト４が兼用される。

【０００４】一方、幼児から大人までの体格に対応して
使いわけることができる車両用多機能シートが特開平１
０−１６６１８号公報に示されている。当該多機能シー
トは、車両用シートにおける中央シートを、幼児から大
人までの体格に応じて変形し得るように改良したもの
で、中央シートにおけるシートクッションおよびシート
バックを下記のごとく構成しているものである。

【０００５】すなわち、中央シートのシートクッション
においては、前側シートクッションおよび後側シートク
ッションに分割するとともに、前側シートクッションを
クッション本体と同クッション本体の前部に前後方向へ
回動可能に取付けた蓋体にて構成して、前側シートクッ
ションを昇降機構により昇降可能に構成している。ま
た、中央シートのシートバックにおいては、前側シート
バックと後側シートバックに分割するとともに、前側シ
ートバックを前方へ回動可能に、かつ、後側シートバッ
クを後方へ回動可能に構成している。

【０００６】かかる構成の多機能シートにおいては、中
央シートをシートクッションおよびシートバック共に非
変形状態の形態では通常の中央シートとして大人対応型
として使用し、シートクッションの前側シートクッショ
ンを上昇させる形態に変形することにより児童対応型と
して使用し、前側シートクッションを上昇させた状態で
蓋体をクッション本体に対して前方へ上方傾斜させ、か
つ、前側シートバックを前方へ回動してクッション本体
に載置するとともに、後側シートバックを後方へ上方傾
斜させてバスケットタイプの形態に変形することにより
乳幼児対応型として使用するものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、当該多機
能シートにおいては、１台の中央シートで乳幼児対応型
シート、児童対応型シート、大人対応型シートに構成し
て使い分けができるもので、この点では有効な多機能シ
ートであると認められるが、中央シートの構成が極めて
複雑であること、シートクッションおよびシートバック
が複数に分割されていて、これらの連結部が多数あると
ともに、５点式シートベルトと３点式シートベルトの配
設および使い分けが問題になる。これらの問題が発生す
る大きな要因は、１台の中央シートで乳幼児対応型シー
ト、児童対応型シート、大人対応型シートを選択的に構
成することにあるものと認められる。

【０００８】従って、本発明の目的は、既存の車両用シ
ートを改良するのではなく、通常の車両用シートに取付
けて子供の体格に応じて児童対応型と乳幼児対応型に使
い分けができる専用のチャイルドシートを提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、シート本体と
同シート本体を支持する支持機構部からなるチャイルド
シートであって、同支持機構部を車両用シートの着座部
に載置した状態で同車両用シートに取付けて使用するチ
ャイルドシートである。

【００１０】しかして、本発明に係るチャイルドシート
にあっては、前記シート本体を、シートクッションと、
同シートクッションの一端側にリクライニング機構を介
して前後方向に回動可能に組付けたシートバックと、前
記シートクッションの他端側にヒンジ機構を介して前後
方向へ回動可能に組付けた門形の支持枠体と、前記支持
機構部に設けた掛止部に選択的に掛止される前後一対の
被掛止部と、前記支持機構部に掛止された状態で同支持
機構部に前記シート本体を離脱可能にロックするロック
手段を備えた構成としている。

【００１１】また、本発明に係るチャイルドシートにあ
っては、前記支持機構部を、前記車両用シートの着座部
に載置される支持台と、同支持台に設けられて前記シー
ト本体の各被掛止部が選択的に掛止される掛止部と、前
記支持台の後端側に設けられて前記車両用シートの着座
部に載置状態の同支持台を前記車両用シート背もたれ部
に離脱可能にロックするロック手段と、前記支持台の前
端側に設けられて前記車両用シートの着座部に載置状態
の同支持台を車室フロアに支持する脚部を備えた構成と
している。

【００１２】本発明に係るチャイルドシートにおいて
は、前記シート本体のシートバックを車両用シートの背
もたれ部に並列して当接させ、かつ、前記支持枠体をシ
ート本体のシートバックに当接させた配置状態で児童対
応型シートを構成し、前記シート本体のシートバックが
車両用シートの背もたれ部に対向して所定間隔を保持
し、かつ、前記支持枠体を車両用シートの背もたれ部に
当接させた配置状態で乳幼児対応型シートを構成するよ
うにしている。この場合、前記シートクッションおよび
前記シートバック間には、５点式のシートベルトを設置
するようにする。

【００１３】

【発明の作用・効果】本発明に係るチャイルドシートに
おいては、シート本体を構成する門形の支持枠体をシー
トバック側に回動して、支持枠体の上端部をシート本体
のシートバックに当接させた状態でリクライニング機構
にてロックすれば、支持枠体の各サイドアームがシート
クッションの左右側に位置してアームレストとして機能
させることができる。この状態のシート本体を、一方の
被掛止部を介して支持台に掛止してロックし、車両用シ
ートの着座部上に載置するとともに、シートバックを車
両用シートの背もたれ部に並列して当接させて配置すれ
ば、通常の形式の小型のシートを構成することができ、
園児や低学年の学童等を対象とする児童対応型シートと
することができる。

【００１４】また、 本発明に係るチャイルドシートに
おいては、シート本体を構成する門形の支持枠体をシー
トバックとは反対側に回動して、支持枠体を先方へ上方
傾斜させた状態でリクライニング機構にてロックして、
支持枠体をシートバックに所定間隔を保持した状態で対
向させることができる。この状態のシート本体を、他方
の被掛止部を介して支持台に掛止してロックし、車両用
シートの着座部に載置して、支持枠体を後方へ上方傾斜
した状態で車両用シートの背もたれ部に当接して配置す
れば、バスケットタイプのシートを構成することがで
き、乳幼児を対象とする乳幼児対応型シートとすること
ができる。

【００１５】このように、本発明に係るチャイルドシー
トにおいては、１台で児童対応型シートと乳幼児対応型
シートとを選択的に構成し得る利点があるが、当該チャ
イルドシートはシート本体と支持機構部とからなり、シ
ート本体は従来の小型なシートに門形の支持枠体を追加
する程度の改良であることから、構成がさほど複雑にな
ることがないとともに、シート本体の形態を変更する操
作も容易であって使い勝手が良好である。

【００１６】本発明に係るチャイルドシートにおいて
は、シートクッションおよびシートバック間に５点式の
シートベルトを設置する構成を採ることができ、これに
より、児童対応型シートの態様と乳幼児対応型シートの
態様のいずれの場合にも、同じシートベルトを共通して
使用することが可能である。この場合、シートベルトの
設置状態によってはシートベルトの設置状態を全く調整
することなく、または、設置状態を大幅に調整すること
なく使用することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図１には、本発明の一例に係るチャイルドシ
ートを車両用シートに取付けた状態が示されている。図
１（ａ）に示すチャイルドシートは児童対応型シートＳ
1であり、同図（ｂ）に示すチャイルドシートは乳幼児
対応型シートＳ2である。当該チャイルドシートは、図
１〜図４に示すように、シート本体１０と支持機構部２
０とからなり、シート本体１０の形態を変更し、かつ、
シート本体１０の支持機構部２０に対する支持形態を変
更することにより、児童対応型シートＳ1と乳幼児対応
型シートＳ2を選択的に構成している。

【００１８】シート本体１０は、図２〜図４に示すよう
に、シートクッション１１、シートバック１２、支持枠
体１３およびヘッドレスト１４を備えている。シートク
ッション１１は、図５に示すクッションフレーム１１ａ
に、図２〜図４に示すように、クッション体１１ｂを支
持してなるもので、クッションフレーム１１ａは、門形
枠状の第１フレーム１１ａ1と、第１フレーム１１ａ1の
後部にて左右のフレーム部を連結する第２フレーム１１
ａ2からなり、第２フレーム１１ａ2が本発明における後
側の被掛止部を構成し、かつ、第１フレーム１１ａ1の
前端部が本発明における前側の被掛止部を構成してい
る。

【００１９】シートバック１２は、図５に示すバックフ
レーム１２ａに、図２〜図４に示すように、クッション
体１２ｂを支持してなるもので、バックフレーム１２ａ
は門形枠状の第１フレーム１２ａ1と、第１フレーム１
２ａ1の左右のフレーム部を中間部にて連結する第２フ
レーム１２ａ2からなり、第１フレーム１２ａ1の左右の
各フレーム部の下端部にて、クッションフレーム１１ａ
の第１フレーム１１ａ1の左右の各フレーム部の一端部
に、リクライニング機構１５を介して組付けられてい
る。バックフレーム１２ａの第１フレーム１２ａ1の上
端部には、ヘッドレスト１４を構成するヘッドレストフ
レーム１４ａが固着されている。なお、ヘッドレストフ
レーム１４ａには、図２〜図４に示すように、クッショ
ン体１４ｂを被覆してヘッドレスト１４が構成されてい
る。

【００２０】支持枠体１３は、図５に示すように、門形
形状のフレーム１３ａと、フレーム１３ａの左右の各フ
レーム部を被覆する図２〜図４に示すクッション体１３
ｂとからなり、フレーム１３ａの左右の各フレーム部の
下端部にて、クッションフレーム１１ａの第１フレーム
１１ａ1における左右の各フレーム部の他端側の部位
に、ヒンジ機構１６を介して組付けられている。クッシ
ョンフレーム１１ａの第１フレーム１１ａ1における左
右の各フレーム部には、フレーム１３ａの組付け部位の
近傍に、ロック機構１７が配設されている。

【００２１】当該シート本体１０においては、シートバ
ック１２は各リクライニング機構１５の作用にて、前後
方向に回動して所望の回動位置にて保持することがで
き、また、支持枠体１３は各ヒンジ機構１６の作用に
て、前後方向に回動して所望の回動位置にて保持するこ
とができる。

【００２２】支持機構部２０は、図２〜図５に示すよう
に、支持台２１、支持台２１の前端部に設けた脚部２
２、支持台２１の上面の後部に設けた掛止部２３、支持
台２１の上面の略中央部に設けた左右一対のストライカ
２４、および、支持台２１の後端部に設けた左右一対の
ロック機構２５を備えている。支持台２１は、車両用シ
ート３０を構成するシートクッション３１上に載置可能
なもので、脚部２２は支持台２１をシートクッション３
１上に載置した状態では車室フロアに受承され、支持台
２１をその前端部にて支持する。

【００２３】支持台２１の上面に設けた掛止部２３は、
後方へ延びる略Ｌ字状の屈曲片であって、シート本体１
０の各被掛止部である第２フレーム１１ａ2、および第
１フレーム１１ａ1の前端部が選択的に掛止可能であ
る。また、支持台２１の上面に設けた各ストライカ２４
には、クッションフレーム１１ａに設けた各ロック機構
１７が離脱可能に掛止されるもので、掛止状態において
は、シート本体１０を支持台２１に対してロック状態と
する。

【００２４】支持台２１は、車両用シート３０の着座部
であるシートクッション３１に載置された状態で、各ロ
ック機構２５を車両用シート３０の背もたれ部であるシ
ートバック３２の下端側部に設けたストライカ３３に掛
止することにより、シートバック３２に離脱可能にロッ
クされる。支持機構部２０は、この状態では、図１
（ａ），（ｂ）に示すように車両用シート３０に固定さ
れて、車室フロアに支持される。

【００２５】当該シート本体１０においては、シートバ
ック１２をシートクッション１１に対して所望の傾斜角
度に保持するとともに、支持枠体１３をシートバック１
２側へ回動してその上端部をシートバック１２に当接さ
せた状態で保持することができ、シート本体１０を図１
（ａ）、図２および図３に示す状態（児童対応型形態）
と、図１（ｂ）および図４に示す状態（乳幼児対応型形
態）とに選択的に構成することができる。当該シート本
体１０では、これらの２つの形態に構成し、児童対応型
形態では支持機構部２０に対して図２に示す状態に取付
け、また、乳幼児対応型形態では図４に示す状態に取付
ける。

【００２６】図５は、各形態のシート本体１０の支持機
構部２０に対する取付け作業を説明するもので、シート
本体１０が児童対応型形態である場合には、図５の
（ａ）に示すように、クッションフレーム１１ａの第２
フレーム１１ａ2を支持台２１側の掛止部２３に掛止し
た状態で、各ロック機構１７を介して各ストライカ２４
にロックする。また、シート本体１０が乳幼児対応型形
態である場合には、図５の（ｂ）に示すように、シート
本体１０を児童対応型形態とは前後逆向きにした状態
で、クッションフレーム１１ａの第１フレーム１１ａ1
の前端部を支持台２１側の掛止部２３に掛止した状態
で、各ロック機構１７を介して各ストライカ２４にロッ
クする。

【００２７】これらの取付状態のシート本体１０を車両
用シート３０のシートクッション３１（着座部）および
シートバック３２（背もたれ部）に取付けることによ
り、シート本体１０が児童対応型形態である場合には児
童対応型シートＳ1が構成され、また、シート本体１０
が乳幼児対応型形態である場合には乳幼児対応型シート
Ｓ2が構成される。これら両シートＳ1，Ｓ2において
は、シートベルトとして共通の５点式シートベルト１８
が使用できる。

【００２８】このように、当該チャイルドシートにおい
ては、シート本体１０を児童対応型形態と乳幼児対応型
形態とに選択的に変形して、車両用シート３０のシート
クッション３１（着座部）上にて、児童対応型シートＳ
1および乳幼児対応型シートＳ2を選択的に構成すること
ができる。また、これらのシートＳ1，Ｓ2においては、
５点式シートベルト１８を共用することができる。

【００２９】ところで、当該チャイルドシートは、シー
ト本体１０と支持機構部２０とからなるもので、シート
本体１０は従来の小型なシートに門形の支持枠体１３を
追加する程度の改良であることから、構成がさほど複雑
になることがなく、また、シート本体１０の形態を変更
する操作も容易であって使い勝手が良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一例に係るチャイルドシートであっ
て、車両用シートに取付けられた状態の児童対応型シー
トの側面図（ａ）、および、車両用シートに取付けられ
た状態の乳幼児対応型シートの側面図（ｂ）である。

【図２】同児童対応型シートの斜視図である。

【図３】同児童対応型シートのシート本体と支持機構部
とを分離した状態を示す斜視図である。

【図４】同乳幼児対応型シートの斜視図である。

【図５】当該チャイルドシートにおける児童対応型シー
トの支持機構部に対する取付け作業を説明するための説
明図（ａ）、および、乳幼児対応型シートの支持機構部
に対する取付け作業を説明するための説明図（ｂ）であ
る。

【図６】従来の乳幼児対応型シートの斜視図である。

【図７】従来の児童対応型シートの斜視図である。

【符号の説明】

Ｓ1…児童対応型シート、Ｓ2…乳幼児対応型シート、１
０…シート本体、１１…シートクッション、１１ａ…ク
ッションフレーム、１１ｂ…クッション体、１１ａ1…
第１フレーム、１１ａ2…第２フレーム、１２…シート
バック、１２ａ…バックフレーム、１２ａ1…第１フレ
ーム、１２ａ2…第２フレーム、１２ｂ…クッション
体、１３…支持枠体、１３ａ…フレーム、１３ｂ…クッ
ション体、１４…ヘッドレスト、１４ａ…ヘッドレスト
フレーム、１４ｂ…クッション体、１５…リクライニン
グ機構、１６…ヒンジ機構、１７…ロック機構、１８…
シートベルト、２０…支持機構部、２１…支持台、２２
…脚部、２３…掛止部、２４…ストライカ、２５…ロッ
ク機構、３０…車両用シート、３１…シートクッショ
ン、３２…シートバック、３３…ストライカ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート本体と同シート本体を支持する支持
   機構部からなり、同支持機構部を車両用シートの着座部
   に載置した状態で同車両用シートに取付けて使用するチ
   ャイルドシートであり、前記シート本体は、シートクッ
   ションと、同シートクッションの一端側にリクライニン
   グ機構を介して前後方向に回動可能に組付けられたシー
   トバックと、前記シートクッションの他端側にヒンジ機
   構を介して前後方向へ回動可能に組付けた門形の支持枠
   体と、前記支持機構部に設けた掛止部に選択的に掛止さ
   れる前後一対の被掛止部と、前記支持機構部に掛止され
   た状態で同支持機構部に前記シート本体を離脱可能にロ
   ックするロック手段を備え、前記支持機構部は、前記車
   両用シートの着座部に載置される支持台と、同支持台に
   設けられて前記シート本体の各被掛止部が選択的に掛止
   される掛止部と、前記支持台の後端側に設けられて前記
   車両用シートの着座部に載置状態の同支持台を前記車両
   用シートの背もたれ部に離脱可能にロックするロック手
   段と、前記支持台の前端側に設けられて前記車両用シー
   トの着座部に載置状態の同支持台を車室フロアに支持す
   る脚部を備えていることを特徴とするチャイルドシー
   ト。
2. 【請求項２】請求項１に記載のチャイルドシートであっ
   て、前記シート本体のシートバックを前記車両用シート
   の背もたれ部に並列して当接させ、かつ、前記支持枠体
   を前記シート本体のシートバックに当接させた配置状態
   で児童対応型シートを構成し、前記シート本体のシート
   バックを前記車両用シートの背もたれ部に対向して所定
   間隔を保持し、かつ、前記支持枠体を前記車両用シート
   の背もたれ部に当接させた配置状態で乳幼児対応型シー
   トを構成することを特徴とするチャイルドシート。
3. 【請求項３】請求項２に記載のチャイルドシートであっ
   て、前記シートクッションおよび前記シートバック間に
   ５点式のシートベルトを備えていることを特徴とするチ
   ャイルドシート。