JP2004106785A - 車両のチャイルドシート取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車室内に設けられた車載シート4が、車室床面1に略平行な着座面11aを有するシートクッション11と、シートクッション11の前後方向の後端部に設けられた枢支部14を中心として枢動可能に取り付けられたシートバック12から構成され、シートバック12が、シートクッションの着座面11a上に重ねて倒置可能とされている車両のチャイルドシート取り付け構造であって、シートバックの背面12aに、チャイルドシート40を固定するための固定ベース部材13が設けられている車両のチャイルドシート取り付け構造。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載シートにチャイルドシートを取り付ける車両のチャイルドシート取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車室内の床面に固定され、乗員が着座する着座面を有するシートクッションと、シートクッションの後端部に枢動可能に取り付けられたシートバックからなる車載シートに、チャイルドシートを取り付ける場合の車両のチャイルドシート取り付け構造として、シートクッションの着座面上にチャイルドシートを載置し、チャイルドシートの背面下部に設けられたISO−FIX(国際標準化機構規格のチャイルドシート固定方式)に適応した被固定部を、上記シートバックの下端部と上記シートクッションの後端部の隙間から突出するようにして設けられたチャイルドシートロック部材に嵌合させて保持する構造のものが提案されている(例えば、特開2000−203318号公報参照)。
【0003】
しかし、上記従来技術によれば、乗車人数が少ない通常時には、幼児専用のシートとしてチャイルドシートを装着したままとすることが出来るものの、乗車人数が多い非通常時には、チャイルドシートを装着したままで、成人の乗員が、上記着座面上に着座することは難しく、一旦、チャイルドシートを取り外した上で、着座面上に着座し、再度、乗車人数が少ない通常時に戻った際には、再び、チャイルドシートを取り付ける必要があり、チャイルドシートを取り付けたり、取り外したりの作業が煩わしく、利便性が悪いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題を解消するためになされたもので、その課題は、チャイルドシートを取り外すことなく、成人の乗員が、車載シートの着座面上に着座することを可能とし、利便性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、車室内に設けられた車載シートが、車室床面に略平行な着座面を有するシートクッションと、該シートクッションの前後方向の後端部に設けられた枢支部を中心として枢動可能に取り付けられたシートバックから構成され、該シートバックが、上記シートクッションの着座面上に重ねて倒置可能とされている車両のチャイルドシート取り付け構造であって、上記シートバックの背面に、チャイルドシートを固定するための固定ベース部材が設けられているものである。
【0006】
上記構成によれば、シートバックの背面に、チャイルドシートを固定し、乗車人数が少ない通常時には、上記シートバックをシートクッションの着座面上に重ねて倒置し、チャイルドシートに幼児を着座させるとともに、乗車人数が多い非通常時には、チャイルドシートを固定したままで、シートバックを後方へ枢動させて、成人の乗員がシートクッションの着座面上に着座することが可能となるため、チャイルドシートを取り付けたり、取り外したりといった煩わしい作業が必要でなく、利便性を向上させることが出来る。
また、チャイルドシートの取り付け位置が、シートクッションの着座面上に取り付ける場合よりも高い位置となるため、チャイルドシートに着座した幼児の目線位置が高くなり、視野を広げることとなるため、幼児の快適性を向上させることが出来る。
さらに、チャイルドシートの背面部より後方には、チャイルドシートの背面部の傾斜角度を変えたとしても干渉する障害物が存在しないため、チャイルドシートにリクライニング機構を設けることによって、チャイルドシートの背面部の傾斜角度を変えるようにすることが出来る。
【0007】
本発明の第2の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記シートバックが、上記シートクッションの着座面上に重ねて倒置された状態にある時に、上記シートバックを上記シートクッションの着座面上に固定するシートクッションロック部材が備えられているものである。
【0008】
上記構成によれば、シートバックがシートクッションロック部材によって、シートクッションの着座面上に固定されることとなるため、シートバックが揺動することがなく、その結果、シートバックの背面に固定されたチャイルドシートも、揺動することがなく、安全性を確保することが出来る。
【0009】
本発明の第3の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記シートバックの背面に設けられた固定ベース部材に、チャイルドシートに設けられた被固定部を脱着可能に固定するチャイルドシートロック部材が備えられているものである。
【0010】
上記構成によれば、被固定部を有するチャイルドシートを、簡単な操作で、シートバックの背面の固定ベース部材に、脱着することが出来る。
特に、ISO−FIXに適応した被固定部をロックするように、チャイルドシートロック部材を設けることによって、ISO−FIXに適応した被固定部を有する全てのチャイルドシートを、簡単な操作で、シートバックの背面の固定ベース部材に、脱着することが出来る。
【0011】
本発明の第4の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記シートバックの内部に、シートバックフレームが設けられ、上記チャイルドシートロック部材が、上記シートバックフレームに接続されているものである。
【0012】
上記構成によれば、背面にチャイルドシートが装着されることとなるシートバックの内部に、剛性の高いシートバックフレームが設けられるため、シートバックの剛性を高めることが出来るとともに、チャイルドシートロック部材が、上記シートバックフレームに接続されるため、チャイルドシートの支持剛性も高めることが出来る。
【0013】
本発明の第5の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記シートバックの背面にチャイルドシートが固定された状態で、上記シートバックが、乗員の上記シートクッションの着座面への着座可能に、上記枢支部を中心として上方に枢動され、起立可能とされているものである。
【0014】
上記構成によれば、チャイルドシートを装着したままで、シートバックを上記枢支部を中心として上方に枢動し、起立させることにより、成人の乗員がシートクッションの着座面へ着座することが可能となり、再度、チャイルドシートを使用する場合には、シートバックを上記枢支部を中心として下方に枢動し、シートクッション上に倒置するだけで良く、チャイルドシートを取り付けたり、取り外したりといった煩わしい作業が必要でなく、利便性を向上させることが出来る。
【0015】
本発明の第6の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記固定ベース部材が、回転機構によって、チャイルドシートの向きを変更可能とされているものである。
【0016】
上記構成によれば、チャイルドシートの向きを自由に変更することが可能となり、例えば、車両の前方シートのシートバック背面にチャイルドシートが装着されている場合、チャイルドシートを180度回転させて、車両の後方へ向けることにより、車両の後方シートに着座している乗員と対面状態とすることにより、チャイルドシートに着座している幼児の世話を容易なものとすることが出来る。また、チャイルドシートを固定したままで、シートバックを起立状態とする場合、チャイルドシートを回転させて、後方に配置されている物品との干渉を回避することが出来る。
【0017】
本発明の第7の構成による車両のチャイルドシート取り付け構造は、上記固定ベース部材が、スライド機構によって、チャイルドシートの前後方向位置、又は左右方向位置を変更可能とされているものである。
【0018】
上記構成によれば、チャイルドシートに着座している幼児と、他のシートに着座している乗員との距離を自由に変更することが可能となり、他のシートに着座している乗員による幼児の世話を容易なものとすることが出来る。
また、チャイルドシートを固定したままで、シートバックを起立状態とする場合、チャイルドシートの位置を移動させて、後方に配置されている物品との干渉を回避することが出来る。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、チャイルドシートを取り外すことなく、成人の乗員が、車載シートの着座面上に着座することを可能とし、利便性を向上させることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両のチャイルドシート取り付け構造の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
車室床面1上には、本発明に係る車両の全体斜視図である図1に示されるように、複数列のシートが車両前後方向に並べて設けられ、例えば、3列からなるシートであれば、車両の最前列に、前席シ−トである運転席2と助手席3が設けられ、前席シ−トの後方に2列目シ−トである2つの独立した車載シート4が、2列目シ−トのさらに後方に3列目のシ−ト5が設けられている。
なお、図中、及び以降の各図面において、矢印Rが車両右方向、矢印Fが車両前方向を、夫々、示している。
【0022】
2列目シ−トである2つの独立した車載シート4は、車室床面1に略平行な着座面を形成するシートクッション11と、シートクッション11の前後方向の後端部に設けられた枢支部14を中心として枢動可能に取り付けられたシートバック12から構成され、シートバック12の背面には、下記の3つの実施形態に示されるように、チャイルドシートが取り付け可能な構造とされている。
なお、以下の実施形態においては、車載シート4のシートバックの背面にチャイルドシートを取り付けることとして説明するが、助手席3のシートバックの背面にチャイルドシートを取り付けることも可能である。
【0023】
本発明に係る車両のチャイルドシート取り付け構造の第1実施形態について、図2〜図4に従って説明する。
【0024】
車載シート4は、本発明の第1実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図である図2(a)〜(f)に示されるように、車室床面1に略平行な着座面11aを有するシートクッション11と、シートクッション11の車両前後方向の後端部に設けられた枢支部14を中心として枢動可能に取り付けられたシートバック12から構成されている。
そして、シートバックの背面12aには、チャイルドシート40を固定するための固定ベース部材13が設けられている。
【0025】
車載シート4は、図2(a)に示されるように、シートバック12が起立し、着座面11a上に乗員が着座可能な状態から、チャイルドシート40を取り付ける場合には、まず、図2(b)に示されるように、シートバック12をその下端に設けられた枢支部14を中心として車両の前下方に枢動させ、シートクッション11の着座面11a上に倒置させる。
一方、シートクッション11には、少なくとも1本以上のシートクッションロック部材16が、詳細について後述するように、枢動可能に設けられ、例えば、図2(c)に示されるように、シートクッション11の前端部に、枢動可能に枢支されている。
これにより、シートクッションロック部材16を、シートクッション11の前端部を中心として、車両の後上方に枢動させて、シートバック12の前端部に係止させ、シートクッション11の前端部とシートバック12の前端部を連結固定する。
なお、チャイルドシート40を装着しない場合には、図2(c)の状態のままとして、シートバックの背面12aに設けられた固定ベース部材13をテーブルとして利用することも可能である。
【0026】
シートバックの背面12aに設けられた固定ベース部材13は、図2(d)に示されるように、基台部13aと背面部13bと枢支部13cから構成され、基台部13aは、シートバックの背面12aに一体的に固定して取り付けられて高い剛性が確保され、背面部13bは、枢支部13cを中心として枢動可能とされ、チャイルドシート装着時は、背面部13bを、枢支部13cを中心として、後方へ枢動させる。
なお、背面部13bは、取り外し可能とされ、基台部13aをテーブルとして利用することも可能な構成とされている。
また、背面部13bの後方への傾斜角度を任意に設定可能とし、チャイルドシートにリクライニング機構を設けることとすれば、チャイルドシートの背面部の傾斜角度を自由に設定することが可能となる。
【0027】
そして、チャイルドシート40を、図2(e)に示されるように、基台部13aに載置した上で、本発明の第1実施形態に係る車両のチャイルドシート取り付け部の要部拡大図である、図3に示されるように、チャイルドシートの背面下方に設けられた、ISO−FIXに適応した被固定部41を、固定ベース部材の基台部13aに設けられたチャイルドシートロック部材15に嵌合させて、固定ベース部材13にチャイルドシート40を固定し、幼児50をチャイルドシート40に着座させる。
【0028】
一方、乗車人数が多く、成人の乗員が、シートクッション11の着座面11a上に着座する必要がある非通常時には、図2(f)に示されるように、シートバック12の前端部を係止しているシートクッションロック部材16の係止を外して車両の前下方に枢動させるとともに、チャイルドシート40を固定ベース部材13に装着したままで、シートバック12を枢支部14を中心として車両の後上方へ枢動させて起立状態とし、これにより、着座面11a上への乗員の着座を可能とする。
【0029】
そして、再度、チャイルドシート40を利用する場合には、図2(e)に示されるように、シートバック12を、枢支部14を中心として車両の前下方へ枢動させて着座面11a上に倒置させ、シートクッションロック部材16により、シートクッション11の前端部とシートバック12の前端部を連結固定するのみで、チャイルドシート40を利用可能とすることが出来る。
【0030】
ところで、上述したシートバック12、及びシートクッション11の内部には、本発明の第1実施形態に係る車両の車載シートの内部構造説明図である図4(a)〜(b)に示されるように、高い剛性を有する、例えば、金属性のシートバックフレーム12b、及びシートクッションフレーム11bが、図中の状態において、夫々、車両前後方向に伸びるようにして設けられている。そして、シートクッションフレーム11bの前端、及び後端を中心として、夫々、車両の前上方、及び後上方に枢動可能に枢支された2本のシートクッションロック部材16、17が設けられている。
なお、上述の図2においては、図4に示す2本のシートクッションロック部材16、17のうち、シートクッション11の前端部に設けられたシートクッションロック部材16のみとして説明したものであるが、図4に示すように、2本のシートクッションロック部材16、17を設けた場合であっても、上述の説明と同様の操作が可能である。
【0031】
一方、シートバックフレーム12bの両端には、夫々、係止部材12c、12dが設けられ、シートバック12を、図2(b)に対応する図4(a)に示されるように、着座面上に倒置した後、図2(c)に対応する図4(b)に示されるように、シートクッションロック部材16、17を、夫々、車両の前上方向、後上方向に枢動させて、その先端を係止部材12c、12dに係止させることにより、シートクッション11とシートバック12を、連結固定させる。
【0032】
次に、本発明に係る車両のチャイルドシート取り付け構造の第2実施形態について、図5〜図7に従って説明する。
【0033】
なお、以下の実施形態においては、上述の第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
シートバックの背面12aの下方には、本発明の第2実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図である図5(a)〜(e)に示されるように、チャイルドシート40、及び固定ベース部材13を固定するためのチャイルドシートロック部材21が、設けられている。
そして、シートバック12が、起立状態にある図5(a)から、シートバック12を、図5(b)に示されるように、着座面11a上に倒置して、シートクッションロック部材16により、シートバック12とシートクッション11を連結固定し、チャイルドシートロック部材21によって、図5(c)に示されるように、固定ベース部材13をシートバックの背面12aに固定するとともに、背面部13bを、枢支部13cを中心として、後方へ枢動させた後、図5(d)に示されるように、チャイルドシート40を固定ベース部材13に載置し、固定した上で、幼児50をチャイルドシート40に着座させる。
【0035】
一方、乗車人数が多く、成人の乗員が、シートクッション11の着座面11a上に着座する必要がある非通常時には、図5(e)に示されるように、チャイルドシート40を固定ベース部材13に装着したままで、シートバック12を枢支部14を中心として車両の後上方へ枢動させて起立状態とし、着座面11a上への乗員の着座を可能とする。
【0036】
なお、シートバックの背面12aの下方に設けられたチャイルドシートロック部材21の一端21aは、本発明の第2実施形態に係る車両の車載シートの内部構造説明図で、図5(b)に対応する図6に示されるように、シートバック12の内部に設けられたシートバックフレーム12bに溶接などにより、接続されて、高い剛性が確保されている。
【0037】
そして、固定ベース部材13は、本発明の第2実施形態に係る車両のチャイルドシート取り付け部の要部拡大図である、図7に示されるように、チャイルドシートロック部材21によって、シートバックの背面12aに固定されるとともに、チャイルドシート40の背面下方に設けられた、ISO−FIXに適応した被固定部41が、チャイルドシートロック部材21の先端に嵌合されて、チャイルドシート40が固定される構造とされている。
【0038】
一方、チャイルドシートロック部材21は、固定ベース部材13のみをシートバックの背面12aに固定するものとし、チャイルドシートの背面下方に設けられたISO−FIXに適応した被固定部41を、固定ベース部材の基台部13aに設けられたチャイルドシートロック部材に嵌合させて、チャイルドシート40を固定する構造としても良い。
【0039】
次に、本発明に係る車両のチャイルドシート取り付け構造の第3実施形態について、図8〜図9に従って説明する。
【0040】
シートバックの背面12aには、本発明の第3実施形態に係る車両の車載シートのシートバック、及びその断面図である図8(a)〜(b)に示されるように、スライド機構30が取り付けられ、スライド機構30の上には、回転機構をなす回転台座36が、取り付けられ、回転台座36の上に、チャイルドシートを取り付けるための固定ベース部材13が、取り付けられている。
【0041】
スライド機構30は、シートバックの背面12aに両端が取り付けられ、図中の上下方向に伸びる平行な2本の垂直レール31と、垂直レール31上を転動しながら支持する支持部材32によって支持された垂直移動用台座33と、垂直移動用台座33によって両端を支持された車両の水平方向に伸びる平行な2本の水平レール34と、水平レール34に摺動可能に支持された水平移動用台座35から構成されている。また、垂直移動用台座33と水平移動用台座35には、不図示のロック機構が設けられている。
そのため、チャイルドシートが装着される固定ベース部材13は、図8の図中で、上下方向、及び左右方向のいずれにも移動可能である上、移動した任意の位置において、ロック機構によりロックされる。
【0042】
さらに、回転台座36にも、不図示のロック機構が設けられ、回転台座36によって、チャイルドシートの向きは、360度のいずれの方向へも回転可能である上、回転した任意の位置において、ロック機構によりロックされる。
なお、チャイルドシートを取り付ける必要がない車両においては、垂直レール31を、シートバック背面12aから取り外すことによって、スライド機構30と回転台座36と固定ベース部材13の全てをシートバック背面12aから取り外す構造とすることも可能であり、これにより、重量を軽減することが可能となる。
【0043】
シートバックの背面12aには、本発明の第3実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図である図9(a)〜(g)に示されるように、スライド機構30と回転台座36と固定ベース部材13が、取り付けられている。
そして、チャイルドシート40を装着する場合には、シートバック12を、起立状態から、図9(a)に示されるように、着座面11a上に倒置した後、図9(b)に示されるように、シートクッションロック部材16により、シートバック12とシートクッション11を連結固定し、図9(c)に示されるように、固定ベース部材13の背面部13bを、枢支部13cを中心として、後方へ枢動させた後、図9(d)に示されるように、チャイルドシート40を固定ベース部材13に載置し、固定した上で、幼児50をチャイルドシート40に着座させる。
【0044】
一方、乗車人数が多く、成人の乗員が、シートクッション11の着座面11a上に着座する必要がある非通常時には、図9(e)に示されるように、チャイルドシート40を固定ベース部材13に装着したままで、シートバック12を枢支部14を中心として車両の後上方へ枢動させて起立状態とし、着座面11a上への乗員の着座を可能とする。
【0045】
また、スライド機構30と回転台座36によって、チャイルドシート40の位置、及び向きは、変更可能とされているため、例えば、図9(f)に示されるように、チャイルドシート40の向きを車両後方へ向けて、後方シートに着座する乗員と対面状態とすることが出来る。また、チャイルドシート40の向きを車両後方へ向けてシートバックの背面12aに固定したまま、シートバック12を起立状態として、着座面11aへの着座を可能とするとともに、シートバックの背面12aの後方に配置されている物品との干渉を回避することが出来る。
【0046】
以上のことより、シートバックの背面12aに、チャイルドシート40を固定し、乗車人数が少ない通常時には、シートバック12をシートクッションの着座面11a上に重ねて倒置し、チャイルドシート40に幼児50を着座させるとともに、乗車人数が多い非通常時には、チャイルドシート40を固定したままで、シートバック12を後方へ枢動させて、成人の乗員がシートクッションの着座面11a上に着座することが可能となるため、チャイルドシート40を取り付けたり、取り外したりといった煩わしい作業が必要でなく、利便性を向上させることが出来る。
【0047】
また、チャイルドシート40の取り付け位置が、シートクッションの着座面11a上に取り付ける場合よりも高い位置となるため、チャイルドシート40に着座した幼児50の目線位置が高くなり、視野を広げることとなるため、幼児の快適性を向上させることが出来る。
【0048】
さらに、上記第3実施形態の構成によれば、チャイルドシート40の向き、及び位置を自由に変更することが可能となり、車両の後方へ向けることにより、車両の後方シートに着座している乗員と対面状態としたり、他のシートとの距離を最適なものとして、チャイルドシートに着座している幼児の世話を容易なものとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の全体斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両のチャイルドシート取り付け部の要部拡大図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両の車載シートの内部構造説明図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両の車載シートの内部構造説明図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両のチャイルドシート取り付け部の要部拡大図。
【図8】本発明の第3実施形態に係る車両の車載シートのシートバック、及びその断面図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両のチャイルドシート装着説明図。
【符号の説明】
1…車室床面
4…車載シート
11…シートクッション
11a…着座面
11b…シートクッションフレーム
12…シートバック
12a…シートバックの背面
12b…シートバックフレーム
13…固定ベース部材
14…枢支部
16、17…シートクッションロック部材
15、21…チャイルドシートロック部材
30…スライド機構
36…回転台座(回転機構)
40…チャイルドシート
41…被固定部
Claims (7)
- 車室内に設けられた車載シートが、車室床面に略平行な着座面を有するシートクッションと、該シートクッションの前後方向の後端部に設けられた枢支部を中心として枢動可能に取り付けられたシートバックから構成され、該シートバックが、上記シートクッションの着座面上に重ねて倒置可能とされている車両のチャイルドシート取り付け構造であって、
上記シートバックの背面に、チャイルドシートを固定するための固定ベース部材が設けられている車両のチャイルドシート取り付け構造。 - 上記シートバックが、上記シートクッションの着座面上に重ねて倒置された状態にある時に、上記シートバックを上記シートクッションの着座面上に固定するシートクッションロック部材が備えられている請求項1に記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
- 上記シートバックの背面に設けられた固定ベース部材に、チャイルドシートに設けられた被固定部を脱着可能に固定するチャイルドシートロック部材が備えられている請求項1、又は2に記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
- 上記シートバックの内部に、シートバックフレームが設けられ、上記チャイルドシートロック部材が、上記シートバックフレームに接続されている請求項3に記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
- 上記シートバックの背面にチャイルドシートが固定された状態で、上記シートバックが、乗員の上記シートクッションの着座面への着座可能に、上記枢支部を中心として上方に枢動され、起立可能とされている請求項1乃至4のいずれか1つに記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
- 上記固定ベース部材が、回転機構によって、チャイルドシートの向きを変更可能とされている請求項1乃至5のいずれか1つに記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
- 上記固定ベース部材が、スライド機構によって、チャイルドシートの前後方向位置、又は左右方向位置を変更可能とされている請求項1乃至6のいずれか1つに記載の車両のチャイルドシート取り付け構造。
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